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特開2022-124495加熱式たばこやヴェポライザーに使われるヒーター
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  • 特開-加熱式たばこやヴェポライザーに使われるヒーター 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124495
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】加熱式たばこやヴェポライザーに使われるヒーター
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20220819BHJP
【FI】
A24F40/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022178
(22)【出願日】2021-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】509061324
【氏名又は名称】清水 和彦
(72)【発明者】
【氏名】清水 和彦
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA02
4B162AA22
4B162AB11
4B162AC22
4B162AD06
4B162AD15
4B162AD23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アイコスや、加熱式たばこや、ヴェポライザーの電源ONから喫煙開始までの待ち時間を短縮する。
【解決手段】2個以上、5個以下のヒーターを採用することにより、電源ONから喫煙可能になるまでの時間を短くする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の絶縁プレート、あるいは、絶縁シートの両面、あるいは、片面に、2個以上、5個以下の発熱素子を作成し、該2個以上、5個以下の発熱素子に、内蔵リチウムイオン充電池の出力電圧を連続して印加し、電源ONから喫煙可能になるまでの時間を、短縮することを目的とした、加熱式たばこやヴェポライザーに使われるヒーター
【請求項2】
請求項1記載の加熱式たばこやヴェポライザーに使われるヒーターにおいて、2個以上、5個以下の発熱素子の抵抗値が、ほぼ同じ値であることを特徴とする、加熱式たばこやヴェポライザーに使われるヒーター
【請求項3】
請求項2に記載の加熱式たばこやヴェポライザーに使われるヒーターにおいて、2個の発熱素子が同じパターンで作られることを特徴とする、加熱式たばこやヴェポライザーに使われるヒーター
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイコス、グロー、プルーム、パルズ、リールハイブリッド等の商品名で、発売されている、加熱式たばこや、シャグを加熱して吸引するヴェポライザー(PAX3)等に使われている、いわゆる煙草葉やシャグを加熱するヒーターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、加熱式たばこや、ヴェポライザーに使われているヒーターには、1個の発熱素子=抵抗素子を、図4図5に示すように、基材の表面に印刷、あるいは、薄いシートに印刷して、そのシートを基材に巻きつけて、抵抗体の両端には接続用の2個の端子を有し、該2個の端子で、ヒーターを駆動する回路に、接続されている。
【0003】
しかしながら、いわゆる煙草葉やシャグを、該ヒーターで加熱して、いわゆる煙草葉やシャグから出てくる、ニコチンや煙を吸引するのであるが、それらが加熱され、少なくとも、150℃以上にならないと、ニコチンや煙は出てこないので、現状では、電源ONから喫煙開始までの時間は、早くとも、20秒位はかかっている。
【0004】
一方、火を点けて喫煙する紙巻煙草は、火を点けたら直ぐに、吸引することが出来るので、紙巻煙草に慣れた喫煙者が、これらの機器を使う場合、電源ONから喫煙開始までの時間(早くても、20秒)が、遅く感じられる。
【0005】
この電源ONから喫煙開始までの時間を、短くする方法として、特許文献2中に、電源ON直後から、内蔵充電池の出力電圧をそのまま連続印加する方法が提案されているが、電源ON直後からの温度加熱のスピードは、内蔵充電池の出力電圧と、駆動回路のON抵抗と、使用されるヒーターの形状とその抵抗値により決まってしまい、現在は、早くて約20秒位の時間がかかり、それを、さらに短くすることは出来ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7-184627
【特許文献2】特許第5272200号
【特許文献3】特許第4753395号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、アイコスや、加熱式たばこや、ヴェポライザーの電源ONから喫煙開始までの待ち時間を短縮することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、加熱式たばこや、ヴェポライザーに組み込まれているヒーターの発熱素子を、2本にして、電源ONから喫煙開始までの時間を短縮する。
【発明の効果】
【0009】
本願発明による、ヒーターの発熱素子を、2本にすることにより、電源ONから喫煙開始までの時間は、約12秒位にまで短縮することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本願発明による、ヒータープレートの表裏に、同じ工程を使って、ほぼ同じ形状の発熱素子を2個持ったヒータープレートの外観図である。aは、プレートの表面。bは、プレートの裏面である。(実施例1)
図2図2は、本願発明による2個の発熱素子をもったヒータープレートを駆動する回路図である。
図3図3は、本願発明による、ほぼ同じような抵抗値を持った発熱素子を2個持ったヒーターシートの外観図である。(実施例2)
図4図4は、加熱式たばこ アイコスに使われているヒータープレートの外観図である。aは、プレートの表面。bは、プレートの裏面である。
図5図5は、従来の加熱式たばこや、ヴェポライザーに使われているヒーターシートの外観図である。
図6図6は、アイコスや、従来の加熱式たばこや、ヴェポライザーにつかわれているヒータープレートやヒーターシートを駆動する回路図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0011】
図4は、加熱式たばこ、アイコスに使われているヒータープレート100の外観図である。このヒータープレート100は、約0.4mmの厚みのセラミック基板の上に、発熱素子=抵抗素子101、リード線部102、半田付け端子103-1/-2等を、印刷で作り、焼成したもので、発熱素子=抵抗素子101の抵抗値は、約1Ω位 になっている。
【0012】
喫煙する場合、喫煙者はこのヒータープレートを組み込まれた喫煙治具に、アイコス専用の紙巻煙草=ヒートスティックを、挿入する。挿入されたヒートスティックのほぼ中央部分に、ヒータープレート100が、挿入される。この状態で、喫煙治具の電源をONすると、内蔵リチウムイオン充電池の出力電圧が、駆動回路でコントロールされて、発熱素子=抵抗素子101に印加され、ヒータープレート100を加熱し、その熱により、ヒートスティックの煙草葉を加熱して、ニコチンや煙を発生させ、喫煙者はそれらを、吸引して楽しむ。
【0013】
図6は、アイコスに使われている加熱部の回路図で、発熱素子=抵抗素子101への電力供給回路部である。112は、アイコスに内蔵されているリチウムイオン充電池で、その出力電圧は、おおむね3.7V である。(充電地の出力電圧は、使用していると、充電直後の4.2Vから徐々に下がり、3.0V位になると、充電が必要という警告を出して、それ以上使えないようにしている機器が多いが、一般的に、安定して出力される電圧は、3.7Vなので、以後の説明は、3.7Vで説明を行う。)111は、発熱素子=抵抗素子101を駆動する出力FETで、そのゲートG1に、コントロールLSIからの出力を与えることにより、電流を流したり、止めたりする。コントロールLSIの出力が、H の場合、電流を流し。L の場合は、電流を止める。出力FET111の種類によっては、逆の動きをするものも、有る。発熱素子=抵抗素子101/301は、出力FET111の ドレインD1と内蔵リチウムイオン充電池112の正極に繋がれている。この状態で、コントロールLSIからの信号Hが、ゲートG1に与えられると、出力FET111は、ONして、内蔵リチウムイオン充電池から、発熱素子=抵抗素子101を通り、出力FET111を通って電流が流れる。コントロールLSIからの信号がLの場合は、出力FET111は、OFFして、該電流が流れない。通常ヒーターの温度を一定の温度にコントロールする場合、特許文献3中に開示されているように、ON/OFF比を変えて行うか、温度センサーでヒーター温度を検出して、一定の温度になるように、ON/OFF を、コントロールする。
【0014】
従来使われている代表的な数値は、発熱素子=抵抗素子101の抵抗値=1Ω。出力FETのON抵抗=0.025Ω。内蔵リチウムイオン充電地の出力電圧=3.7V。この時、発熱素子=抵抗素子の消費電力=13.0W、出力FETの消費電力=0.3Wとなる。 ここで、発熱素子=抵抗素子101の抵抗値を、0.5Ω にした場合、発熱素子=抵抗素子101の消費電力=24.8W、出力FETの消費電力=1.2Wとなり、出力FET111の消費電力が、約4倍になり、出力FETの発熱が大きくなるために、発熱素子=抵抗素子101の抵抗値を、1Ω以下にすることは、得策ではない。すなわち、電源ONから喫煙開始までの時間を短縮する方法として、発熱素子=抵抗素子101の抵抗値を、1オーム以下にすることは、出来ない。
【0015】
そこで、本願発明者は、電源ONから喫煙開始までの時間を短縮する方法として、図1に示すように、ヒータープレート100の裏面に、表面と同じ印刷を行い、表面と、裏面に同じ発熱素子=抵抗素子101/201を、作成した。202は、リード線部。203-1/-2は、半田付け端子である。このヒータープレート100を、使う場合の回路図は、図2に示されている。この場合、発熱素子=抵抗素子101/201にかかる消費電力は、13.0x2=26.0W、出力FET111/221の消費電力は、0.3x2=0.6Wになるが、出力FET1個あたりの消費電力は、変わらず、0,3Wですむ。よって、出力FETの発熱は問題にならないで、電源ONから喫煙開始までの時間は、約12秒位にまで短縮することが出来た。なを、内蔵リチウムイオン充電池112は、20A位の電流を取り出すことが出来るので、2個の回路が同時にONになっても、出力電圧は、低下することは無い。
【0016】
本願発明による、ヒータープレート100の両面に、ほぼ同じパターンの発熱素子=抵抗素子101/201 を、作ることより、喫煙開始までの時間が短縮された以外に、次に上げる色々な利点が得られた。すなわち、
1)表面・裏面共に同じパターンを作るので、新たな治具等の投資が不要。
2)表面・裏面共に同時に同じように発熱素子=抵抗素子101/201の温度が上昇するので、ヒータープレートの表・裏の熱膨張が同じように進行するので、片面のみに発熱素子=抵抗素子101があった場合に起こっていた、ヒータープレートの表裏の熱膨張の差によるバイメタル現象が無くなり、ヒータープレートが折れにくくなった。
3)発熱素子=抵抗素子101/201が、2つあるので、万一、一方が断線しても、喫煙治具としては、使える。
【実施例0017】
図5は、本願発明以前の発熱素子=抵抗素子301 で、加熱式たばこや、ヴェポライザーのヒーターに使われているヒーターシート300で、曲げられるほど極薄いセラミックシートや、フレキ基板の上に、印刷等で、発熱素子=抵抗素子301、リード線部302、半田付け端子303-1/-2等を、印刷で作り、焼成した物で、発熱素子=抵抗素子301の抵抗値は、約1Ω位になっている。ピン形状のヒーターは、このヒーターシート300を、棒状のセラミックの表面に貼り付けている。ヴェポライザーの楕円形の加熱筒の場合は、該加熱筒の外側表面に、該シートを貼り付けて作られている。
【0018】
加熱式たばこや、ヴェポライザーは、この発熱素子=抵抗素子301を使って、図6に示す回路で使われている。本回路の説明は、実施例1のところで説明したので省略する。
【0019】
図3は、本願発明による実施例2である。ヒーターシート300上には、ほぼ同じような抵抗値を持った、2個の発熱素子=抵抗素子301/302が、作られている。その抵抗値は、ほぼ1Ωで作られている。203-1/―02/―03は、半田付け端子部である。 本ヒーターシートを、棒状のセラミックの表面に貼付けたり、楕円形のオーブンの外側表面に貼り付けて発熱素子=抵抗素子301/302が作られる。図3は、本願実施例2の、2個の発熱素子=抵抗素子301/302を駆動する回路を示している。
【0020】
本願発明による実施例2も、実施例1で述べたと同じ理由で、電源ONから、喫煙開始までの時間を、約12秒位に短縮することが出来た。さらに、いずれか一方の発熱素子=抵抗素子301/302が万一断線しても、喫煙具としては使えることは明白である。
【0021】
実施例2において、発熱素子=抵抗素子は、2個の場合を説明したが、2個以上でも、同じように、喫煙開始までの時間を短縮する効果はあることは、説明を要しない。但し。内蔵リチウムイオン充電池の出力電流は、MAX20A位であるので、6個以上を同時にONすると、該充電池の出力電圧が落ちるので、得策ではない。
【0022】
加熱式たばこにおいて、2個以上の複数のヒーターを備えたものは、本願発明以前に、特許文献1において、公開されているが、特許文献1にて開示されているのは、8個のヒーターを有し、8個のヒーターを、煙草葉の周囲に均等に配置して、パフ毎に、8本のヒーターを、順次1個ずつ、加熱していくことにより、8等分した煙草葉を順次加熱するという物である。よって、本願発明のように、2本のヒーターに同時に通電して使うという概念は存在しない。
【産業上の利用可能性】
【0023】
ほぼ同じ形状、あるいは、ほぼ同じ抵抗値の発熱素子=抵抗素子を、2個以上、5個以下もおけることにより、電源ONから喫煙開始までの時間を短縮し、かつ、1個の発熱素子=抵抗素子が断線しても、機器として使うことが出来、信頼性が向上した。
【符号の説明】
【0024】
101/201 発熱素子/抵抗素子
301/302 発熱素子/抵抗素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6