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特開2022-124520プラズマ処理用載置部、およびプラズマ処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124520
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】プラズマ処理用載置部、およびプラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20220819BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20220819BHJP
   H05H 1/46 20060101ALN20220819BHJP
【FI】
H01L21/302 101C
H01L21/31 C
H05H1/46 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022211
(22)【出願日】2021-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】白濱 裕規
(72)【発明者】
【氏名】岡本 芳枝
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA03
2G084CC33
2G084DD04
2G084DD37
2G084DD55
5F004AA05
5F004BB13
5F004BB18
5F004CA03
5F004CA05
5F004CA06
5F004CA08
5F004DB03
5F045AA08
5F045DP03
5F045EB08
5F045EH02
5F045EH03
5F045EH04
5F045EH11
5F045EH19
5F045EN08
(57)【要約】
【課題】プラズマ処理の特性を制御することができるプラズマ処理用載置部、およびプラズマ処理装置を提供することである。
【解決手段】実施形態に係るプラズマ処理用載置部は、プラズマ処理に用いられる載置部であって、電極と、前記電極の上に設けられた少なくとも1つの電極プレートと、を備えている。前記電極の上面には、複数の第1のピンが設けられている。前記電極プレートの一方の面には、前記電極の前記第1のピンのそれぞれが挿入される凹部が設けられている。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理に用いられる載置部であって、
電極と、
前記電極の上に設けられた少なくとも1つの電極プレートと、
を備え、
前記電極の上面には、複数の第1のピンが設けられ、
前記電極プレートの一方の面には、前記電極の前記第1のピンのそれぞれが挿入される凹部が設けられたプラズマ処理用載置部。
【請求項2】
前記電極プレートは、複数設けられ、
前記電極の上に設けられる第1の電極プレートの他方の面には、前記複数の第1のピンが設けられ、
前記第1の電極プレートの上に設けられる第2の電極プレートの、前記第1の電極プレート側の面には、前記複数の第1のピンのそれぞれが挿入される凹部が設けられている請求項1記載のプラズマ処理用載置部。
【請求項3】
前記電極プレートは、複数設けられ、
前記電極プレートの他方の面には、前記複数の第1のピンが設けられている請求項1記載のプラズマ処理用載置部。
【請求項4】
前記電極プレートは、複数設けられ、
前記複数の電極プレートの平面形状は、略円であり、
前記複数の電極プレートの平面寸法は、略同じである請求項1~3のいずれか1つに記載のプラズマ処理用載置部。
【請求項5】
前記電極には前記電極の厚み方向に貫通する複数の孔が設けられ、
前記電極に設けられた前記複数の孔を介して、前記電極プレートを突き上げ可能な複数のリフトピンと、
前記複数のリフトピンを昇降可能な駆動部と、
を備えた請求項1~4のいずれか1つに記載のプラズマ処理用載置部。
【請求項6】
平面視において、前記複数のリフトピンは、円周上に、等間隔で3つ設けられ、
前記駆動部は、
平面形状がY字状であって、前記3つのリフトピンに当接可能なプッシャと、
前記円周の中心を中心として、前記プッシャを回転可能な回転機構と、
前記プッシャを昇降可能な第1の昇降機構と、
を有する請求項5記載のプラズマ処理用載置部。
【請求項7】
平面視において、前記複数のリフトピンは、円周上に、等間隔で設けられ、
前記複数のリフトピンの下端は、ベースに接続され、
前記駆動部は、
前記ベースを昇降可能な第2の昇降機構と、
前記第2の昇降機構を水平方向に移動可能な移動部と、
を備えた請求項5記載のプラズマ処理用載置部。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1つに記載の載置部と、
内部に前記載置部が設けられ、処理物にプラズマ処理を施す第1のチャンバと、
前記載置部に設けられた電極プレートの上に設けられ、前記処理物を支持可能なマスクリングと、
前記第1のチャンバと接続された第2のチャンバと、
前記第2のチャンバの内部に設けられ、ハンドを有する搬送部と、
を備え、
前記ハンドは、
前記処理物を支持する第1の支持部と、
前記電極プレート、または前記マスクリングを支持する第2の支持部と、
前記電極プレート、または前記マスクリングの位置を決める第2のピンと、
を有するプラズマ処理装置。
【請求項9】
複数の前記電極プレートを収納可能な電極プレート収納部をさらに備え、
前記電極プレート収納部は、
前記第2のチャンバと接続された第3のチャンバと、
前記第3のチャンバの内部に設けられ、前記複数の電極プレートを支持可能な棚と、
前記棚を昇降可能な第3の昇降機構と、
を有し、
前記棚は、1つの前記電極プレートを支持可能な支持部を昇降方向に複数有し、
前記複数の支持部のそれぞれは、前記電極プレートに設けられた凹部に挿入可能な第3のピンを有する請求項8記載のプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プラズマ処理用載置部、およびプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマを利用したドライプロセスは、例えば、微細構造体を製造する際に活用されている。例えば、半導体装置、フラットパネルディスプレイ、フォトマスクなどの製造においては、エッチング処理、アッシング処理、ダメージの除去などの各種のプラズマ処理が行われている。
【0003】
この様なプラズマ処理を行うプラズマ処理装置には、例えば、チャンバ、チャンバの内部を減圧する排気部、チャンバの内部にプラズマを発生させるプラズマ発生部、チャンバの内部のプラズマを発生させる領域に、プロセスガスを供給するガス供給部、チャンバの内部に設けられ、処理物が載置される載置部、載置部に設けられた電極などを備えたものがある。(例えば、特許文献1を参照)
【0004】
この様なプラズマ処理装置は、発生させたプラズマを用いてプロセスガスからプラズマ生成物を生成し、プラズマ生成物に含まれているラジカルやイオンなどを用いて、処理物に処理を施す。この場合、載置部に電極が設けられていれば、例えば、処理物に入射するイオンのエネルギーを制御することができる。イオンのエネルギーを制御することができれば、例えば、イオンによる物理的な処理の制御を行うことができる。
【0005】
ここで、近年においては、処理部分の微細化や材料の多様化などが進んでおり、プラズマ処理の特性(例えば、処理レート、処理の面内均一性、加工形状のプロファイルなど)を制御することができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-12663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、プラズマ処理の特性を制御することができるプラズマ処理用載置部、およびプラズマ処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係るプラズマ処理用載置部は、プラズマ処理に用いられる載置部であって、電極と、前記電極の上に設けられた少なくとも1つの電極プレートと、を備えている。前記電極の上面には、複数の第1のピンが設けられている。前記電極プレートの一方の面には、前記電極の前記第1のピンのそれぞれが挿入される凹部が設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、プラズマ処理の特性を制御することができるプラズマ処理用載置部、およびプラズマ処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態に係るプラズマ処理装置を例示するためのレイアウト図である。
図2】(a)、(b)は、マスクリング収納部を例示するための模式断面図である。
図3】(a)は、マスクリングの模式平面図である。(b)は、マスクリングの模式側面図である。
図4】(a)、(b)は、電極プレート収納部を例示するための模式断面図である。
図5】(a)は、電極プレートの模式平面図である。(b)は、電極プレートの模式側面図である。
図6】(a)は、電極プレートの模式平面図である。(b)は、電極プレートの模式側面図である。
図7】(a)は、電極プレートの模式平面図である。(b)は、電極プレートの模式側面図である。
図8】(a)は、ハンドを例示するための模式平面図である。(b)は、ハンドを例示するための模式側面図である。
図9】ハンドに載置された電極プレートを例示するための模式平面図である。
図10】ハンドと、電極プレート収納部の棚との間における電極プレートの受け渡しを例示するための模式平面図である。
図11】処理部の一例を例示するための模式断面図である。
図12】(a)、(b)は、載置部の模式斜視図である。
図13】(a)は、電極の模式平面図である。(b)は、電極の上面近傍の模式側面図である。
図14】プッシャの作用を例示するための模式平面図である。
図15】プッシャの作用を例示するための模式平面図である。
図16】プッシャの作用を例示するための模式平面図である。
図17】プッシャの作用を例示するための模式平面図である。
図18】プッシャの作用を例示するための模式平面図である。
図19】電極プレートの受け渡しを例示するための模式図である。
図20】電極プレートの受け渡しを例示するための模式図である。
図21】他の実施形態に係る移載部を例示するための模式平面図である。
図22図21における移載部のB-B線断面図である。
図23】他の実施形態に係る処理部を例示するための模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置1を例示するためのレイアウト図である。
図1に示すように、プラズマ処理装置1は、例えば、コントローラ2、収納部3、搬送部4、ロードロック部5、マスクリング収納部6、電極プレート収納部7、受け渡し部8、および処理部9を有する。
【0013】
コントローラ2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算部と、メモリなどの記憶部とを有する。コントローラ2は、例えば、コンピュータなどである。コントローラ2は、例えば、記憶部に格納されている制御プログラムに基づいて、プラズマ処理装置1に設けられた各要素の動作を制御する。
【0014】
収納部3は、例えば、処理物100を積層状(多段状)に収納する。収納部3は、例えば、いわゆるポッドや、正面開口式キャリアであるFOUP(Front-Opening Unified Pod)などである。ただし、収納部3は、例示をしたものに限定されるわけではなく、処理物100を収納することができるものであればよい。収納部3は、少なくとも1つ設けることができる。
【0015】
処理物100は、板状を呈し、例えば、酸化シリコン(SiO)を主成分として含む。処理物100は、例えば、石英などから形成することができる。処理物100の平面形状は、例えば、四角形とすることができる。ただし、処理物100の材料や形状は、例示をしたものに限定されるわけではない。
【0016】
搬送部4は、収納部3と、ロードロック部5との間に設けられている。搬送部4は、収納部3とロードロック部5との間における処理物100の搬送と受け渡しを行う。この場合、搬送部4は、プラズマ処理を施す際の圧力よりも高い圧力(例えば、大気圧)の環境において、処理物100の搬送と受け渡しを行う。搬送部4は、例えば、処理物100を支持するアームを有する搬送ロボットである。
【0017】
ロードロック部5は、搬送部4と受け渡し部8との間に設けられている。ロードロック部5は、雰囲気の圧力が異なる、搬送部4と受け渡し部8との間で、処理物100の受け渡しを行う。そのため、ロードロック部5は、チャンバ51、排気部52、および、ガス供給部53を有する。
【0018】
チャンバ51は、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な気密構造を有している。チャンバ51の側壁には、処理物100の搬入と搬出を行うための開口が設けられている。また、開口を開閉するゲートバルブ51a1、51a2が設けられている。チャンバ51の一方の側壁側は、ゲートバルブ51a1を介して、受け渡し部8のチャンバ81(第2のチャンバの一例に相当する)に接続されている。また、チャンバ51の他方の側壁側は、ゲートバルブ51a2介して、搬送部4に接続されている。
【0019】
排気部52は、チャンバ51の内部を排気して、チャンバ51の内部の圧力が、受け渡し部8のチャンバ81の内部の圧力と略同等となるようにする。排気部52は、例えば、ターボ分子ポンプ(TMP)と、圧力制御部(APC:Auto Pressure Controller)などを有することができる。圧力制御部は、チャンバ51の内圧を検出する図示しない圧力計の出力に基づいて、チャンバ51の内圧が所定の圧力となるように制御する。
【0020】
ガス供給部53は、チャンバ51の内部にガスを供給して、チャンバ51の内部の圧力が、搬送部4の圧力と略同等となるようにする。供給されるガスは、例えば、空気や窒素ガスなどとすることができる。
【0021】
マスクリング収納部6(チャンバ61)は、後述する受け渡し部8(チャンバ81)に接続されている。
図2(a)、(b)は、マスクリング収納部6を例示するための模式断面図である。
なお、図2(a)は、後述する棚62が上昇端にある場合である。図2(b)は、棚62が下降端にある場合である。
図2(a)、(b)に示すように、マスクリング収納部6は、複数のマスクリング101を積層状(多段状)に収納する。なお、マスクリング101については後述する。
マスクリング収納部6には、例えば、チャンバ61、棚62、および昇降部63を設けることができる。
【0022】
チャンバ61は、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な気密構造を有している。チャンバ61の側壁には、マスクリング101の搬入と搬出を行うための開口61aが設けられている。また、開口61aを開閉するゲートバルブ61bが設けられている。チャンバ61は、ゲートバルブ61bを介して、受け渡し部8のチャンバ81に接続されている。なお、ゲートバルブ61bは省略することもできる。ただし、ゲートバルブ61bが設けられていれば、マスクリング収納部6(チャンバ61)と受け渡し部8(チャンバ81)との間におけるパーティクルなどの移動を抑制することができる。
【0023】
棚62は、チャンバ61の内部に設けられている。例えば、棚62は、昇降方向(上下方向)に所定の距離をあけて並べて設けられた複数の支持部62aを有する。例えば、1つの支持部62aの上に、1つのマスクリング101を載置することができる。複数の支持部62aが設けられていれば、マスクリング収納部6(チャンバ61)の内部に複数のマスクリング101、あるいは、複数種類のマスクリング101を収納することができる。
【0024】
1つの支持部62aは、一対の支持プレート62a1、および位置決め部62a2を有する(例えば、後述する図10を参照)。一対の支持プレート62a1は、所定の間隔をあけて、水平方向に並べて設けられている。一対の支持プレート62a1には、マスクリング101を保持するための凹部62a1aが設けられている。凹部62a1aの開口部分にはテーパをつけることができる。この様にすれば、凹部62a1aの内部にマスクリング101を誘い込むことができる。そのため、一対の支持プレート62a1の上にマスクリング101を載置する際に、位置ズレがあったとしても、凹部62a1aの内部にマスクリング101を収納するのが容易となる。
【0025】
位置決め部62a2は、一対の支持プレート62a1の間に設けられている。位置決め部62a2には、マスクリング101に設けられた、後述する凹部101cに挿入されるピン102a6(第3のピンの一例に相当する)が設けられている。凹部101cに挿入されるピン102a6が設けられていれば、支持部62aに載置されたマスクリング101の位置がズレるのを抑制することができる。なお、凹部101cとピン102a6に関する詳細は後述する。
【0026】
昇降部63は、棚62を昇降方向に移動させる。例えば、図2(a)、(b)に示すように、昇降部63は、マスクリング101の受け渡しを行う支持部62aが、開口61aの位置に来るように、棚62を昇降方向に移動させる。昇降部63は、例えば、棚62の移動を案内するガイド機構、サーボモータなどの駆動機構、ガイド機構と駆動機構との間の動力伝達を行うボールネジなどの伝動機構などを有することができる。
【0027】
なお、昇降部63は省略することもできる。例えば、チャンバ61の内部に、固定式の棚62を設けることもできる。ただし、昇降部63が設けられていれば、受け渡しを行う支持部62aを開口61aの位置まで移動させることができる。したがって、開口61aの大きさを小さくすることができる。そのため、マスクリング収納部6(チャンバ61)と受け渡し部8(チャンバ81)との間におけるパーティクルなどの発生と発生したパーティクルなどの移動を抑制することができる。また、ゲートバルブ61bを介してマスクリング収納部6と接続される受け渡し部8の対応する開口の大きさも小さくすることができる。このため、受け渡し部8の大型化を抑制することもできる。
【0028】
次に、マスクリング101について説明する。
マスクリング101は、後述する載置部97に設けられた電極プレート102a~102cの上に設けられ、処理物100を支持する。
図3(a)は、マスクリング101の模式平面図である。
図3(b)は、マスクリング101の模式側面図である。
図3(a)、(b)に示すように、マスクリング101は、例えば、円板状を呈している。例えば、マスクリング101の平面寸法は、後述する電極プレート102a~102cの平面寸法と略同じとすることができる。例えば、マスクリング101の厚みは、処理物100厚みと略同じとすることができる。マスクリング101は、例えば、プラズマ処理に対する耐性を有する材料から形成される。マスクリング101は、例えば、石英などから形成することができる。
【0029】
マスクリング101の中央部分には、厚み方向を貫通する孔101aが設けられている。孔101aの内部には、処理物100が収納される。例えば、孔101aは、処理物100の支持、および処理物100の位置合わせを行うために設けられている。そのため、マスクリング101は、処理物100の平面形状と平面寸法に応じて複数種類設けることができる。
【0030】
マスクリング101の一方の面には、凹部101b、101cが設けられている。凹部101b、101cは、マスクリング101と、後述する電極プレート102a~102cとの位置合わせを行うために設けられている。そのため、電極プレート102a~102cの上にマスクリング101を載置した際に、電極プレート102a~102cに設けられたピン102a5が凹部101bの内部に挿入され、ピン102a6が凹部101cの内部に挿入される。また、凹部101b、101cの開口の縁は、テーパをつけることができる。この様にすれば、凹部101b、101cの内部にピン102a5、102a6を誘い込むことができる。そのため、電極プレート102a~102cの上にマスクリング101を載置する際に、位置ズレがあったとしても、凹部101b、101cの内部にピン102a5、102a6を挿入すること、ひいては、マスクリング101の位置を、電極プレート102a~102cの位置に合わせるのが容易となる。
【0031】
次に、図1に戻って、電極プレート収納部7について説明する。
図1に示すように、電極プレート収納部7(チャンバ71(第3のチャンバの一例に相当する)は、後述する受け渡し部8(チャンバ81)に接続されている。
図4(a)、(b)は、電極プレート収納部7を例示するための模式断面図である。
なお、図4(a)は、棚72が上昇端にある場合である。図4(b)は、棚72が下降端にある場合である。
電極プレート収納部7は、複数の電極プレートを収納することができる。例えば、図4(a)、(b)に示すように、電極プレート収納部7は、電極プレート102a~102cを積層状(多段状)に収納する。なお、電極プレート102a~102cについては後述する。
【0032】
電極プレート収納部7には、例えば、チャンバ71、棚72、および昇降部73(第3の昇降機構の一例に相当する)を設けることができる。棚72は、チャンバ71の内部に設けられ、電極プレート102a~102cを支持する。昇降部73は、棚72を昇降する。棚72は、1つの電極プレートを支持可能な支持部62aを昇降方向に複数有している。複数の支持部62aのそれぞれは、電極プレートに設けられた凹部101cに挿入可能なピン102a6(第3のピンの一例に相当する)を有する。
【0033】
この場合、チャンバ71の構成は、前述したチャンバ61の構成と同様とすることができる。棚72の構成は、前述した棚62の構成と同様とすることができる。昇降部73の構成は、前述した昇降部63の構成と同様とすることができる。
例えば、前述したチャンバ61、棚62、および昇降部63を2組設け、一方をマスクリング101を収納するマスクリング収納部6とし、他方を電極プレート102a~102cを収納する電極プレート収納部7とすることができる。
そのため、電極プレート収納部7の構成に関する詳細な説明は省略する。
【0034】
次に、電極プレート102a~102cについて説明する。なお、以下においては、一例として、3種類の電極プレート102a~102cを説明するが、電極プレートの種類は、1種類以上であればよい。すなわち、後述する載置部97の電極97aの上には、少なくとも1つの電極プレートが設けられる。
【0035】
図5(a)は、電極プレート102aの模式平面図である。
図5(b)は、電極プレート102aの模式側面図である。
図5(a)、(b)に示すように、電極プレート102aは、例えば、円板状を呈している。例えば、電極プレート102aの平面寸法は、後述する載置部97の電極97aの平面寸法と略同じとすることができる。電極97aに載置された電極プレート102aは、電極として機能する。そのため、電極プレート102aは金属などの導電性材料から形成することができる。例えば、電極プレート102aの材料は電極97aの材料と同じとすることができる。
【0036】
電極プレート102aの中央部分には、厚み方向を貫通する複数の孔102a1が設けられている。複数の孔102a1は、処理物100の受け渡しを行うための、後述するリフトピン98a1を挿通させるために設けられている。処理物100の受け渡しの際の、処理物100の姿勢の安定性を考慮すると、3つ以上の孔102a1を、円周上に等間隔で設けることが好ましい。
【0037】
電極プレート102aの、複数の孔102a1が設けられた領域の外側には、厚み方向を貫通する複数の孔102a2が設けられている。複数の孔102a2は、マスクリング101の受け渡しを行うための、後述するリフトピン98a2を挿通させるために設けられている。マスクリング101の受け渡しの際の、マスクリング101の姿勢の安定性を考慮すると、3つ以上の孔102a2を、円周上に等間隔で設けることが好ましい。
【0038】
電極プレート102aの、複数の孔102a1が設けられた領域の外側には、厚み方向を貫通する複数の孔102a3が設けられている。複数の孔102a3は、電極プレート102cの受け渡しを行うための、後述するリフトピン98a2を挿通させるために設けられている。電極プレート102cの受け渡しの際の、電極プレート102cの姿勢の安定性を考慮すると、3つ以上の孔102a3を、円周上に等間隔で設けることが好ましい。
【0039】
電極プレート102aの、複数の孔102a1が設けられた領域の外側には、厚み方向を貫通する複数の孔102a4が設けられている。複数の孔102a4は、電極プレート102bの受け渡しを行うための、後述するリフトピン98a2を挿通させるために設けられている。電極プレート102bの受け渡しの際の、電極プレート102bの姿勢の安定性を考慮すると、3つ以上の孔102a4を、円周上に等間隔で設けることが好ましい。
【0040】
電極プレート102aの一方の面には、マスクリング101に設けられた凹部101b、101cと同じ凹部を設けることができる。平面視において、電極プレート102aに設けられた凹部101b、101cの位置は、マスクリング101に設けられた凹部101b、101cの位置と略同じとすることができる。凹部101b、101cは、電極プレート102aと、後述する電極97aとの位置合わせを行うために設けられている。そのため、電極97aの上に電極プレート102aを載置した際に、電極97aに設けられたピン102a5が凹部101bの内部に挿入され、ピン102a6が凹部101cの内部に挿入される。
【0041】
電極プレート102aの他方の面には、ピン102a5、102a6(第1のピンの一例に相当する)が設けられている。平面視において、ピン102a5、102a6の位置は、マスクリング101に設けられた凹部101b、101cの位置と略同じとすることができる。ピン102a5、102a6は、電極プレート102aと、電極プレート102bまたは電極プレート102cとの位置合わせを行うために設けられている。そのため、ピン102a5は、電極プレート102b、102cに設けられた凹部101bに挿入される。ピン102a6は、電極プレート102b、102cに設けられた凹部101cに挿入される。
【0042】
また、ピン102a5、102a6の先端には、テーパをつけることができる。この様にすれば、凹部101b、101cの内部にピン102a5、102a6を誘い込むことができる。電極プレート102aの上に、電極プレート102bまたは電極プレート102cを載置する際に、位置ズレがあったとしても、凹部101b、101cの内部にピン102a5、102a6を挿入すること、ひいては、電極プレート102bまたは電極プレート102cの位置を、電極プレート102aの位置に合わせるのが容易となる。
【0043】
図6(a)は、電極プレート102bの模式平面図である。
図6(b)は、電極プレート102bの模式側面図である。
図6(a)、(b)に示すように、電極プレート102bは、例えば、円板状を呈している。例えば、電極プレート102bの平面寸法は、後述する載置部97の電極97aの平面寸法と略同じとすることができる。電極97aに載置された電極プレート102bは、電極として機能する。そのため、電極プレート102bは金属などの導電性材料から形成することができる。例えば、電極プレート102bの材料は電極97aの材料と同じとすることができる。
【0044】
前述した電極プレート102aと同様に、電極プレート102bにも、複数の孔102a1~102a3が設けられている。ただし、電極プレート102bには、複数の孔102a4が設けられていない。そのため、電極プレート102bの下方に設けられた電極プレート102aの複数の孔102a4から突出したリフトピン98a2により電極プレート102bを持ち上げることができる。電極プレート102bを持ち上げることができれば、後述する受け渡し部8のハンド82aを電極プレート102bの下方に挿入することができるので、電極プレート102bの受け渡しを行うことができる。
【0045】
電極プレート102bの一方の面には、電極プレート102aと同様に、凹部101b、101cが設けられている。平面視において、電極プレート102bに設けられた凹部101b、101cの位置は、マスクリング101に設けられた凹部101b、101cの位置と略同じとすることができる。凹部101b、101cは、電極プレート102bと、後述する電極97a、または電極プレート102aとの位置合わせを行うために設けられている。
【0046】
電極プレート102bの他方の面には、電極プレート102aと同様に、ピン102a5、102a6(第1のピンの一例に相当する)が設けられている。平面視において、ピン102a5、102a6の位置は、マスクリング101に設けられた凹部101b、101cの位置と略同じとすることができる。ピン102a5、102a6は、電極プレート102bと、電極プレート102cまたはマスクリング101との位置合わせを行うために設けられている。
【0047】
図7(a)は、電極プレート102cの模式平面図である。
図7(b)は、電極プレート102cの模式側面図である。
図7(a)、(b)に示すように、電極プレート102cは、例えば、円板状を呈している。例えば、電極プレート102cの平面寸法は、後述する載置部97の電極97aの平面寸法と略同じとすることができる。電極97aに載置された電極プレート102cは、電極として機能する。そのため、電極プレート102cは金属などの導電性材料から形成することができる。例えば、電極プレート102cの材料は電極97aの材料と同じとすることができる。
【0048】
前述した電極プレート102aと同様に、電極プレート102cにも、複数の孔102a1、102a2が設けられている。ただし、電極プレート102cには、複数の孔102a3、102a4が設けられていない。そのため、電極プレート102cの下方に設けられた電極プレート102aまたは電極プレート102bの複数の孔102a3から突出したリフトピン98a2により電極プレート102cを持ち上げることができる。電極プレート102cを持ち上げることができれば、後述する受け渡し部8のハンド82aを電極プレート102cの下方に挿入することができるので、電極プレート102cの受け渡しを行うことができる。
【0049】
電極プレート102cの一方の面には、電極プレート102aと同様に、凹部101b、101cが設けられている。平面視において、電極プレート102cに設けられた凹部101b、101cの位置は、マスクリング101に設けられた凹部101b、101cの位置と略同じとすることができる。凹部101b、101cは、電極プレート102cと、電極プレート102a、または電極プレート102bとの位置合わせを行うために設けられている。
【0050】
電極プレート102cの他方の面には、電極プレート102aと同様に、ピン102a5、102a6(第1のピンの一例に相当する)が設けられている。平面視において、ピン102a5、102a6の位置は、マスクリング101に設けられた凹部101b、101cの位置と略同じとすることができる。ピン102a5、102a6は、電極プレート102cと、マスクリング101との位置合わせを行うために設けられている。
【0051】
なお、2種類の電極プレートが電極97aの上に重ねて載置される場合には、後述する電極97aの上に設けられる電極プレートを第1の電極プレート、第1の電極プレートの上に設けられる電極プレートを第2の電極プレートと呼ぶ。例えば、電極プレート102aが電極97aの上に載置され、電極プレート102bまたは電極プレート102cが電極プレート102aの上に載置される場合、電極プレート102aが第1の電極プレートとなり、電極プレート102bまたは電極プレート102cが第2の電極プレートとなる。あるいは、例えば、電極プレート102bが電極97aの上に載置され、電極プレート102cが電極プレート102bの上に載置される場合、電極プレート102bが第1の電極プレートとなり、電極プレート102cが第2の電極プレートとなる。
【0052】
以上に説明した様に、第1の電極プレートの一方の面には、複数のピン102a5、102a6が設けられている。第1の電極プレートの上に設けられる第2の電極プレートの、第1の電極プレート側の面には、複数のピン102a5、102a6のそれぞれが挿入される凹部101b、101cが設けられている。
【0053】
電極プレート102a~102cの平面形状は、略円とすることができる。電極プレート102a~102cの平面寸法は、略同じとすることができる。
【0054】
電極プレート102a~102cの厚みは、例えば、後述する処理部9のチャンバ91(第1のチャンバの一例に相当する)の開口91bを通過できるのであれば特に限定がない。また、電極プレート102a~102cの厚みは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0055】
次に、図1に戻って、受け渡し部8について説明する。
図1に示すように、受け渡し部8は、ロードロック部5、マスクリング収納部6、電極プレート収納部7、および処理部9に接続されている。
受け渡し部8は、チャンバ81、搬送部82、排気部83、およびガス供給部84を有する。
【0056】
チャンバ81は、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な気密構造を有している。 搬送部82は、チャンバ81の内部に設けられている。
搬送部82は、処理部9とロードロック部5との間における処理物100の受け渡しと搬送を行う。また、搬送部82は、処理部9とマスクリング収納部6との間におけるマスクリング101の受け渡しと搬送を行う。また、搬送部82は、処理部9と電極プレート収納部7との間における電極プレート102a~102cの受け渡しと搬送を行う。
例えば、搬送部82は、処理物100、マスクリング101、および電極プレート102a~102cを支持するハンド82aを有する搬送ロボット(例えば、多関節ロボット)とすることができる。
【0057】
図8(a)は、ハンド82aを例示するための模式平面図である。
図8(b)は、ハンド82aを例示するための模式側面図である。
図8(a)、(b)に示すように、ハンド82aには、マスクリング101、および電極プレート102a~102cを支持するための凹部82a1(第2の支持部の一例に相当する)と、処理物100を支持するための凹部82a2(第1の支持部の一例に相当する)とが設けられている。
【0058】
また、ハンド82aには、ピン102a5(第2のピンの一例に相当する)が設けられている。ハンド82aに、マスクリング101、および電極プレート102a~102cを載置した際には、これらに設けられた凹部101bに、ハンド82aに設けられたピン102a5が挿入される。そのため、ハンド82aに対する、マスクリング101、および電極プレート102a~102cの位置を決めることができる。また、搬送中に、マスクリング101、および電極プレート102a~102cの位置がズレるのを抑制することができる。
【0059】
図9は、ハンド82aに載置された電極プレート102aを例示するための模式平面図である。
図9に示すように、平面視において、孔102a1~102a4は、ハンド82aと重なっていない。そのため、電極97aとハンド82aとの間における、処理物100、マスクリング101、および電極プレート102a~102cの受け渡しの際、あるいは、これらの搬送の際に、リフトピン98a1、98a2と、ハンド82aとが干渉するのを抑制することができる。
【0060】
図10は、ハンド82aと、電極プレート収納部7の棚62との間における電極プレート102aの受け渡しを例示するための模式平面図である。
なお、ハンド82aと、電極プレート収納部7の棚62との間における電極プレート102b、102cの受け渡しも同様である。また、ハンド82aと、マスクリング収納部6の棚62との間におけるマスクリング101の受け渡しも同様である。
【0061】
図10に示すように、一対の支持プレート62a1の間には、ハンド82aが挿入可能となっているので、ハンド82aを上昇させることで、一対の支持プレート62a1に載置されている電極プレート102a(電極プレート102b、102c、マスクリング101)を受け取ることができる。また、ハンド82aを下降させることで支持している電極プレート102a(電極プレート102b、102c、マスクリング101)を一対の支持プレート62a1の上に載置することができる。なお、ハンド82aを昇降させる場合を説明したが、昇降部63により、棚62(一対の支持プレート62a1)を昇降させてもよい。
【0062】
図1に示すように、排気部83は、チャンバ81の内部を所定の圧力まで減圧する。排気部83は、例えば、圧力制御部(APC)を介して、チャンバ81の底面に接続することができる。排気部83は、例えば、前述した排気部52と同様とすることができる。
【0063】
ガス供給部84は、流量制御部を介して、チャンバ81の内部にガスを供給する。流量制御部は、例えば、マスフローコントローラ(MFC)などとすることができる。チャンバ81の内部に供給されるガスは、例えば、処理物100や、チャンバ81の内部に露出する要素と反応し難いガスとすることができる。例えば、ガスは、窒素ガス、アルゴンガスなどの希ガス、あるいは、これらの混合ガスなどとすることができる。
【0064】
処理部9は、大気圧よりも減圧された雰囲気において、処理物100にプラズマ処理を施す。
処理部9は、例えば、プラズマエッチング装置、プラズマアッシング装置などのプラズマ処理装置とすることができる。この場合、プラズマの発生方法には特に限定はなく、例えば、高周波やマイクロ波などを用いてプラズマを発生させるものとすることができる。 ただし、プラズマ処理装置の種類やプラズマ発生方法は例示をしたものに限定されるわけではない。すなわち、処理部9は、処理物100に入射するイオンのエネルギーを制御する電極を有するものであればよい。
【0065】
また、処理部9の数にも特に限定はない。処理部9は、少なくとも1つ設けられていればよい。処理部9を複数設ける場合には、同じ種類のプラズマ処理装置を設けることもできるし、異なる種類のプラズマ処理装置を設けることもできる。また、同じ種類のプラズマ処理装置を複数設ける場合には、処理条件がそれぞれ異なるようにすることもできるし、処理条件がそれぞれ同じになるようにすることもできる。
【0066】
図11は、処理部9の一例を例示するための模式断面図である。
図11に例示をする処理部9は、誘導結合プラズマ処理装置である。すなわち、高周波エネルギーにより励起、発生させたプラズマPを用いてプロセスガスGからプラズマ生成物を生成し、処理物100の処理を行うプラズマ処理装置の一例である。
【0067】
図11に示すように、処理部9は、例えば、チャンバ91、アンテナ92、高周波電源93、高周波電源94、ガス供給部95、排気部96、載置部97、および、移載部98を備えている。
【0068】
チャンバ91は、内部に載置部97が設けられ、処理物100にプラズマ処理を施す。チャンバ91は、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な気密構造を有している。チャンバ91の上部には、透過窓91aが気密となるように設けられている。透過窓91aは、板状を呈し、例えば、石英などの誘電体材料から形成することができる。
【0069】
チャンバ91の側壁には、処理物100の搬入と搬出を行うための開口91bが設けられている。また、開口91bを開閉するゲートバルブ91cが設けられている。チャンバ91は、ゲートバルブ91cを介して、受け渡し部8のチャンバ81に接続されている。
【0070】
アンテナ92は、チャンバ91の内部の、プラズマPを発生させる領域に高周波エネルギー(電磁エネルギー)を供給する。例えば、アンテナ92は、透過窓91aを介して、チャンバ91の内部に高周波エネルギーを供給する。チャンバ91の内部に供給された高周波エネルギーによりプラズマPが発生する。
【0071】
高周波電源93は、アンテナ92に電気的に接続されている。高周波電源93は、プラズマPを発生させるための電源である。高周波電源93は、チャンバ91の内部において高周波放電を生じさせてプラズマPを発生させる。高周波電源93は、100KHz~100MHz程度の周波数を有する高周波電力をアンテナ92に印加する。また、高周波電源93とアンテナ92との間に、高周波電源93側のインピーダンスと、プラズマP側のインピーダンスとの間で整合をとるための整合器を設けることができる。
本実施の形態においては、アンテナ92および高周波電源93が、プラズマPを発生させるプラズマ発生部となる。
【0072】
高周波電源94は、載置部97に設けられた電極97aに電気的に接続されている。高周波電源94は、載置部97に載置された処理物100に引き込むイオンのエネルギーを制御する。高周波電源94は、イオンを引き込むために適した比較的低い周波数(例えば、13.56MHz以下)を有する高周波電力を。後述する電極97aに印加する。また、高周波電源94と電極97aとの間に、高周波電源94側のインピーダンスと、プラズマP側のインピーダンスとの間で整合をとるための整合器を設けることができる。
【0073】
ガス供給部95は、チャンバ91の内部の、プラズマPを発生させる領域にプロセスガスGを供給する。また、ガス供給部95は、プロセスガスGの流量を制御する流量制御部を有することができる。流量制御部は、例えば、マスフローコントローラ(MFC:Mass Flow Controller)などとすることができる。
【0074】
プロセスガスGは、処理の種類や、処理物100の処理面の材料などに応じて適宜選択される。例えば、エッチング処理の場合には、反応性の高いラジカルが生成されるように、CFやCFなどのフッ素原子を含むプロセスガスGとすることができる。この場合、プロセスガスGは、例えば、フッ素原子を含むガスだけとすることもできるし、フッ素原子を含むガスと希ガスとの混合ガスとすることもできる。
【0075】
排気部96は、チャンバ91の内部を所定の圧力まで減圧する。排気部96は、例えば、ターボ分子ポンプ(TMP)と、圧力制御部(APC)などを有することができる。
【0076】
載置部97は、チャンバ91の内部に設けられている。載置部97の上には、処理物100が載置される。
載置部97は、例えば、電極97a、電極プレート102a~102c、およびマスクリング101を有する。
電極97aは、例えば、チャンバ91の底面に設けることができる。電極97aは、例えば、円柱状を呈し、金属などの導電性材料から形成されている。
【0077】
ここで、アンテナ92(透過窓91a)と、載置部97(電極97a)との間の距離が変わると、プラズマ処理の特性(例えば、処理レート、処理の面内均一性、加工形状のプロファイルなど)が影響を受ける。このことは、アンテナ92(透過窓91a)と、載置部97(電極97a)との間の距離を変化させれば、プラズマ処理の特性を制御できることを意味する。
【0078】
この場合、昇降装置により電極97aを上下させて、アンテナ92(透過窓91a)と、載置部97(電極97a)との間の距離を変化させると、チャンバ91の内部においてパーティクルが発生するおそれがある。
また、チャンバ91の内部において、透過窓91aとチャンバ上部との間に部材を取り付けて、アンテナ92(透過窓91a)と、載置部97(電極97a)との間の距離を変化させると、透過窓91aと同程度の大きさの部材が必要となる。この様な大きさの部材は、チャンバ91の開口91bを通過させることができない。そのため、部材の取り付けや取り外しの際に、処理部9の分解、組み立て、調整などが必要となる。
【0079】
本発明者の得た知見によれば、処理物100と同程度の厚みを有し、電極97aの平面寸法と同程度の平面寸法を有する電極プレートであれば、チャンバ91の開口91bを通過させることができる。
そこで、本実施の形態に係るプラズマ処理装置1においては、プラズマ処理の処理条件などに応じて、適切な電極プレートを選択し、選択された電極プレートを電極97aの上に載置するようにしている。例えば、プラズマ処理を行う際には、電極プレート102a~102cの少なくともいずれかが、チャンバ91の内部に搬入され、電極97aの上に重ねて載置される(電極97aの上に積層される)。また、マスクリング101が、チャンバ91の内部に搬入され、電極プレートの上に重ねて載置される。
【0080】
この様にすれば、アンテナ92(透過窓91a)と、載置部97(電極97a)との間の距離を変える際に、チャンバ91の内部においてパーティクルが発生するのを抑制することができる。また、チャンバ91の開口91bを介して、電極プレート102a~102cの搬入と搬出ができるので、アンテナ92(透過窓91a)と、載置部97(電極97a)との間の距離を変える際に、処理部9の分解、組み立て、調整などを行う必要がない。
【0081】
図12(a)、(b)は、載置部97の模式斜視図である。
例えば、図12(a)に示すように、電極プレート102cを選択した場合には、電極プレート102cが電極97aの上に載置され、マスクリング101が電極プレート102cの上に載置される。すなわち、電極プレート102cとマスクリング101が、電極97aの上に積層される。なお、電極プレート102aまたは電極プレート102bが選択された場合も同様である。
【0082】
例えば、図12(b)および図11に示すように、電極プレート102a~102cを選択した場合には、電極プレート102aが電極97aの上に載置され、電極プレート102bが電極プレート102aの上に載置され、電極プレート102cが電極プレート102bの上に載置され、マスクリング101が電極プレート102cの上に載置される。すなわち、電極プレート102a~102cとマスクリング101が、電極97aの上に積層される。
【0083】
図13(a)は、電極97aの模式平面図である。
図13(b)は、電極97aの上面近傍の模式側面図である。
前述したように、電極97aには、電極プレート102a~102c、およびマスクリング101が重ねて載置される。そのため、図13(a)に示すように、電極97aには、リフトピン98a1が挿通する孔97a1と、リフトピン98a2が挿通する孔97a2~97a5が設けられている。孔97a1~97a5は、電極97aを厚み方向に貫通している。
【0084】
孔97a1は、電極97aの中央部分に複数設けられている。複数の孔97a1には、処理物100の受け渡しを行うための、後述するリフトピン98a1が挿通する。複数の孔97a1の数、配置、断面寸法は、電極プレート102a~102cに設けられた複数の孔102a1と略同じとすることができる。すなわち、平面視において、電極97aに設けられた複数の孔97a1は、電極プレート102a~102cに設けられた複数の孔102a1と重なっている。
【0085】
電極97aの、複数の孔97a1が設けられた領域の外側には、複数の孔97a2~97a5が設けられている。
複数の孔97a2には、マスクリング101の受け渡しを行うための、後述するリフトピン98a2が挿通する。複数の孔97a2の数、配置、断面寸法は、電極プレート102a~102cに設けられた複数の孔102a2と略同じとすることができる。すなわち、平面視において、電極97aに設けられた複数の孔97a2は、電極プレート102a~102cに設けられた複数の孔102a2と重なっている。
【0086】
複数の孔97a3には、電極プレート102cの受け渡しを行うための、後述するリフトピン98a2が挿通する。複数の孔97a3の数、配置、断面寸法は、電極プレート102a、102bに設けられた複数の孔102a3と略同じとすることができる。すなわち、平面視において、電極97aに設けられた複数の孔97a3は、電極プレート102a、102bに設けられた複数の孔102a3と重なっている。
【0087】
複数の孔97a4には、電極プレート102bの受け渡しを行うための、後述するリフトピン98a2が挿通する。複数の孔97a4の数、配置、断面寸法は、電極プレート102aに設けられた複数の孔102a4と略同じとすることができる。すなわち、平面視において、電極97aに設けられた複数の孔97a4は、電極プレート102aに設けられた複数の孔102a4と重なっている。
【0088】
複数の孔97a5には、電極プレート102aの受け渡しを行うための、後述するリフトピン98a2が挿通する。
【0089】
また、図13(a)、(b)に示すように、電極97aの上面には、電極プレート102a~102cに設けられたピン102a5、102a6と同じピンを設けることができる。平面視において、電極97aの上面に設けられたピン102a5、102a6の位置は、電極プレート102a~102cに設けられた凹部101b、101cの位置と略同じとすることができる。すなわち、ピン102a5、102a6は、電極97aと、電極97aの上に載置される電極プレートとの位置合わせを行うために設けられている。そのため、ピン102a5は、電極97aの上に載置される電極プレートに設けられた凹部101bに挿入される。ピン102a6は、電極97aの上に載置される電極プレートに設けられた凹部101cに挿入される。
【0090】
移載部98は、載置部97と、受け渡し部8のハンド82aとの間で、処理物100、電極プレート102a~102c、およびマスクリング101の受け渡しを行う。
図11に示すように、移載部98は、例えば、チャンバ91の外部に設けることができる。
移載部98は、例えば、複数のリフトピン98a1、98a2、複数のシール部98b、プッシャ98c、および駆動部98dを有することができる。
【0091】
複数のリフトピン98a1、98a2は、それぞれが個別に昇降可能となっている。
複数のリフトピン98a1は、処理物100の受け渡しを行うために設けられている。
複数のリフトピン98a1の数、配置は、電極97aに設けられた複数の孔97a1、および、電極プレート102a~102cに設けられた複数の孔102a1と略同じとなっている。そのため、リフトピン98a1は、孔97a1、および孔102a1を介して処理物100を突き上げ可能となっている。
複数のリフトピン98a1の、処理物100の受け渡しに用いられる端部とは反対側の端部にはフランジが設けられる。
【0092】
複数のリフトピン98a2は、電極プレート102a~102c、およびマスクリング101の受け渡しを行うために設けられている。
複数のリフトピン98a2の数、配置は、電極97aに設けられた複数の孔97a2~97a5、および、電極プレート102a~102cに設けられた複数の孔102a2~102a4と略同じとなっている。そのため、リフトピン98a2は、孔97a2~97a5、および孔102a2~102a4を介して、電極プレート102a~102c、およびマスクリング101を突き上げ可能となっている。
複数のリフトピン98a2の、電極プレート102a~102c、およびマスクリング101の受け渡しに用いられる端部とは反対側の端部にはフランジが設けられる。
【0093】
なお、図11では、符号98a2にカッコ書きで符号98a1が併記されている。リフトピン98a1は、リフトピン98a2よりも電極97aの中央よりにある。しかしながら、図を簡略するために便宜的に98a2との併記とした。
【0094】
シール部98bは、複数のリフトピン98a1、98a2のそれぞれに設けられている。複数のリフトピン98a1、98a2は、チャンバ91の内部の雰囲気に露出する。そのため、シール部98bは、チャンバ91の内部の大気圧よりも低い雰囲気と、チャンバ91の外部の大気圧の雰囲気との間を気密に封止する。また、シール部98bは、複数のリフトピン98a1、98a2の昇降に伴い伸縮可能となっている。例えば、シール部98bは、蛇腹管98b1と、蛇腹管98b1の端部に設けられたOリング98b2などを有することができる。
【0095】
なお、シール部98bが蛇腹管98b1とOリング98b2から成る場合、チャンバ91内を減圧したときにリフトピン98a1と電極の孔97a1との隙間を介して蛇腹管98b1の中も負圧になる。リフトピン98a2に設けられた蛇腹管98b1も同様である。の中も負圧になる。蛇腹管98b1の内部が負圧になると、蛇腹管98b1が収縮する。蛇腹管98b1が収縮すると、リフトピン98a1およびリフトピン98a2が引き上げられてしまう。このため、リフトピン98a1およびリフトピン98a2のフランジ部分の重量を負圧による蛇腹管98b1を収縮しようとする力を打ち消せる程度に重くすることが好ましい。
【0096】
プッシャ98cは、駆動部98dからの駆動力を、受け渡しの対象に応じて選択されたリフトピン98a1、98a2に伝達する。
図14図18は、プッシャ98cの作用を例示するための模式平面図である。
なお、図14図18は、図11におけるプッシャ98cのA-A線方向の模式平面図である。
【0097】
図14図18に示すように、プッシャ98cは、回転可能に設けられている。プッシャ98cは、複数のリフトピン98a1、98a2の数と配置に対応する複数のアーム98c1を有する。例えば、図14図18に例示をしたプッシャ98cには、プッシャ98cの回転中心を中心として、3つのアーム98c1が等間隔で配置されている。例えば、プッシャ98cの平面形状は、Y字状とすることができる。
【0098】
処理物100の受け渡しを行う場合には、図14に示すように、3つの孔97a1のそれぞれの下方に、アーム98c1が位置するようにする。この状態でプッシャ98cを上昇させると、処理物100に当接する3つのリフトピン98a1が同時に上昇する。プッシャ98cを下降させると、3つのリフトピン98a1が自重で下降する。
【0099】
マスクリング101の受け渡しを行う場合には、図15に示すように、3つの孔97a2のそれぞれの下方に、アーム98c1が位置するようにする。この状態でプッシャ98cを上昇させると、マスクリング101に当接する3つのリフトピン98a2が同時に上昇する。プッシャ98cを下降させると、3つのリフトピン98a2が自重で下降する。
【0100】
電極プレート102cの受け渡しを行う場合には、図16に示すように、3つの孔97a3のそれぞれの下方に、アーム98c1が位置するようにする。この状態でプッシャ98cを上昇させると、電極プレート102cに当接する3つのリフトピン98a2が同時に上昇する。プッシャ98cを下降させると、3つのリフトピン98a2が自重で下降する。
【0101】
電極プレート102bの受け渡しを行う場合には、図17に示すように、3つの孔97a4のそれぞれの下方に、アーム98c1が位置するようにする。この状態でプッシャ98cを上昇させると、電極プレート102bに当接する3つのリフトピン98a2が同時に上昇する。プッシャ98cを下降させると、3つのリフトピン98a2が自重で下降する。
【0102】
電極プレート102aの受け渡しを行う場合には、図18に示すように、3つの孔97a5のそれぞれの下方に、アーム98c1が位置するようにする。この状態でプッシャ98cを上昇させると、電極プレート102aに当接する3つのリフトピン98a2が同時に上昇する。プッシャ98cを下降させると、3つのリフトピン98a2が自重で下降する。
【0103】
駆動部98dは、複数のリフトピン98a1、98a2を昇降する。例えば、駆動部98dは、プッシャ98cの、回転と昇降を行う。駆動部98dは、例えば、エアシリンダやサーボモータなどを備えたものとすることができる。
プッシャ98cと駆動部98dが設けられていれば、複数のリフトピン98a1、98a2ごとに昇降機構を設けた場合と比べて、機能の簡易化を図ることができる。
【0104】
以上に説明した様に、平面視において、リフトピン98a2は、例えば、電極プレート102a~102c毎に、円周上に、等間隔で3つ設けることができる。駆動部98dは、平面形状がY字状であって、3つのリフトピン98a2に当接可能なプッシャ98cと、円周の中心を中心として、プッシャ98cを回転可能な回転機構と、プッシャ98cを昇降可能な第1の昇降機構と、を有することができる。
【0105】
図19および図20は、電極プレート102aの受け渡しを例示するための模式図である。
まず、図19に示すように、受け渡し部8のハンド82aに支持された電極プレート102aが、チャンバ91の開口91bを介してチャンバ91に内部に搬入される。
【0106】
次に、図20に示すように、駆動部98dによりプッシャ98cを上昇させる。プッシャ98cが上昇することで、3つのリフトピン98a2が上昇して電極プレート102aの下面に当接する。この際、電極プレート102aが、ハンド82aの上方に持ち上げられる。なお、ハンド82aを下降させて、電極プレート102aが、ハンド82aの上方に位置する様にしてもよい。
【0107】
続いて、ハンド82aがチャンバ91の外部に退避する。
続いて、駆動部98dによりプッシャ98cを下降させることで、3つのリフトピン98a2とともに電極プレート102aを下降させる。下降した電極プレート102は、電極97aの上に載置される。
【0108】
電極プレート102aをチャンバ91の外部に搬出させる際には、上記の手順と逆の手順により行うことができる。また、処理物100、マスクリング101、および電極プレート102b、102cも同様にして載置、または搬出することができる。
【0109】
図21は、他の実施形態に係る移載部198を例示するための模式平面図である。
図22は、図21における移載部198のB-B線断面図である。
移載部198は、載置部197(電極197a)と、受け渡し部8のハンド82aとの間で、処理物100、電極プレート102a~102c、およびマスクリング101の受け渡しを行う。
【0110】
図21および図22に示すように、移載部198は、例えば、複数のリフトピン98a1、98a2、複数のシール部98b、ベース198c1~198c5、および駆動部198dを有することができる。
【0111】
ベース198c1は、環状を呈し、処理物100の受け渡しを行う複数のリフトピン98a1の下端に接続されている。
【0112】
ベース198c2は、環状を呈し、マスクリング101の受け渡しを行う複数のリフトピン98a2の下端に接続されている。
【0113】
ベース198c3は、環状を呈し、電極プレート102cの受け渡しを行う複数のリフトピン98a2の下端に接続されている。
ベース198c4は、環状を呈し、電極プレート102bの受け渡しを行う複数のリフトピン98a2の下端に接続されている。
ベース198c5は、環状を呈し、電極プレート102aの受け渡しを行う複数のリフトピン98a2の下端に接続されている。
【0114】
図22に示すように、駆動部198dは、移動部198d1、および昇降部198d2を有する。
移動部198d1は、受け渡しを行うリフトピン98a1、98a2の下方に昇降部198d2を移動させる。移動部198d1は、例えば、サーボモータとガイド機構などを有することができる。
【0115】
昇降部198d2は、受け渡しを行うリフトピン98a1、98a2に接続されたベース198c1~198c5を上昇させる。昇降部198d2は、例えば、エアシリンダなどを有することができる。
【0116】
以上に説明した様に、平面視において、複数のリフトピン98a1、98a2は、受け渡しの対象ごとに、円周上に、等間隔で設けられている。複数のリフトピン98a1、98a2の下端は、受け渡しの対象ごとに、ベース198c1~198c5に接続されている。
前記駆動部198dは、ベース198c1~198c5を昇降可能な昇降部198d1(第2の昇降機構の一例に相当する)と、昇降部198d1を水平方向に移動可能な移動部198d1と、を備えている。
移動部198d1および昇降部198d2が設けられていれば、複数のリフトピン98a1、98a2ごとに昇降機構を設けた場合と比べて、機能の簡易化を図ることができる。
【0117】
図23は、他の実施形態に係る処理部190を例示するための模式断面図である。
図23に示すように、処理部190は、例えば、チャンバ191、アンテナ92、高周波電源93、高周波電源94、ガス供給部95、排気部192、載置部97、移載部98、支持部193、およびカバー194を備えている。
【0118】
チャンバ191は、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な気密構造を有している。チャンバ191の上部には、透過窓91aが気密となるように設けられている。透過窓91aは、板状を呈し、例えば、石英などの誘電体材料から形成することができる。
【0119】
排気部192は、載置部97の下方に位置し、チャンバ191の内部が所定の圧力となるように減圧する。排気部192は、例えば、ターボ分子ポンプやポペットバルブなどを備えたものとすることができる。
【0120】
支持部193は、チャンバ191の内部空間に載置部97を支持する。支持部193は、チャンバ191の側面と、載置部97の下方との間を延びるように配置されている。支持部193の、載置部97が設けられる部分には、移載部98が設けられている。
【0121】
カバー194は、支持部193の、載置部97が設けられる部分に設けられている。カバー194は、チャンバ191の内部の大気圧よりも低い雰囲気と、支持部193の内部の大気圧の雰囲気との間を気密に封止する。
支持部193およびカバー194が設けられていれば、移載部98をチャンバ191の内部に設けることができる。
【0122】
以上、本実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、プラズマ処理装置1が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、数などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
例えば、電極97aと電極プレート102aとの間の導電性を向上させるために、電極プレート102aの凹部101bの中に位置決めピン102a5を挟み込むような弾性のある導電性の板を設けてもよい。また、電極プレート102aの凹部101cの中に位置決めピン102a6を挟み込むような弾性のある導電性の板を設けてもよい。また、電極プレート102aの下面に、電極97aと接したときに撓み変形して密着する導電性の板バネが設けられていてもよい。電極プレート102bおよび電極プレート102cにも電極プレート102aと同様の導電性を向上させる機構を設けても良い。
【符号の説明】
【0123】
1 プラズマ処理装置、2 コントローラ、3 収納部、4 搬送部、5 ロードロック部、6 マスクリング収納部、7 電極プレート収納部、8 受け渡し部、9 処理部、61 チャンバ、62 棚、63 昇降部、81 チャンバ、82 搬送部、97 載置部、97a 電極、98 移載部、98a1 リフトピン、98a2 リフトピン、98c プッシャ、98d 駆動部、100 処理物、101 マスクリング、101b 凹部、101c 凹部、102a~102c 電極プレート、102a5 ピン、102a6 ピン、190 処理部、197 載置部、197a 電極、198 移載部、198c1~198c5 ベース、198d 駆動部、198d1 移動部、198d2 昇降部
図1
図2
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