(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124524
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】ボトル容器、連結部材、並びに、ボトル容器のキャップ及び缶体の連結方法
(51)【国際特許分類】
B65D 55/16 20060101AFI20220819BHJP
B65D 51/24 20060101ALI20220819BHJP
B65D 41/34 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
B65D55/16
B65D51/24 200
B65D41/34 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022216
(22)【出願日】2021-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】305060154
【氏名又は名称】アルテミラ製缶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 学
(72)【発明者】
【氏名】今野 史晴
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 元彦
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA22
3E084AA23
3E084AB01
3E084CA01
3E084CC01
3E084DA01
3E084DB03
3E084DB12
3E084DC01
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084JA15
3E084JA19
3E084KA01
(57)【要約】
【課題】簡易な構成でキャップの紛失を抑制できるボトル容器、連結部材、並びにボトル容器のキャップ及び缶体の連結方法を提供する。
【解決手段】本発明のボトル容器は、金属製の缶体と、缶体の開口の外側に被せられた金属製のキャップと、缶体とキャップとを連結する連結部材と、を備えている。この缶体は、円筒部と、円筒部に接続されるテーパ部と、テーパ部に接続され、テーパ部より小径の首部と、首部に接続され、前記首部とは反対側に前記開口部が形成されるとともに、その外周にねじ部が形成された口部と、を備え、キャップは、ねじ部に螺合可能な形状であり、連結部材は、首部を挿通した第1開口を有し、キャップの回転に合わせて首部の周りを回転可能なリング状の第1係合部と、キャップの上面又は外周部に固定される第2係合部とを備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の缶体と、前記缶体の開口の外側に被せられた金属製のキャップと、前記缶体と前記キャップとを連結する連結部材と、を備えていることを特徴とするボトル容器。
【請求項2】
前記缶体は、円筒部と、前記円筒部に接続されるテーパ部と、前記テーパ部に接続され、該テーパ部より小径の首部と、前記首部に接続され、前記首部とは反対側に前記開口が形成されるとともに、その外周にねじ部が形成された口部と、を備え、前記キャップは、前記ねじ部に螺合可能な形状であり、前記連結部材は、前記首部を挿通した第1開口を有し、前記キャップの回転に合わせて前記首部の周りを回転可能なリング状の第1係合部と、前記キャップの上面又は外周部に固定される第2係合部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のボトル容器。
【請求項3】
前記連結部材は、板状部材により形成され、前記第2係合部には、前記キャップを挿通した第2開口を有するリング状に形成されており、
前記第1開口及び前記第2開口の直径は、キャップの外径よりも小さく形成されるとともに、前記第1係合部の内周縁及び前記第2係合部の内周縁のそれぞれには、径方向外側に向けて延びる複数の切り込みが形成され、前記キャップの外周面には、前記複数の切り込みが周方向に開いて変形した状態で前記第2開口が嵌め込まれていることを特徴とする請求項2に記載のボトル容器。
【請求項4】
前記連結部材は、前記第1係合部に連続して形成される広告表示用タグをさらに有していることを特徴とする請求項2又は3に記載のボトル容器。
【請求項5】
前記缶体は、円筒部と、前記円筒部に接続されるテーパ部と、前記テーパ部に接続され、該テーパ部より小径の首部と、前記首部に接続され、前記首部とは反対側に前記開口部が形成されるとともに、その外周にねじ部が形成された口部と、を備え、前記キャップは、前記ねじ部に螺合可能な形状であり、
前記連結部材は、前記キャップ及び前記首部の上端部を覆うシュリンクフィルムからなり、前記シュリンクフィルムは、前記キャップの上端部を覆う第1領域と、前記第1領域に連続し、前記キャップの中間部を覆う第2領域と、前記第2領域に連続し、前記キャップの下端部及び前記首部の上端部を覆う第3領域とに区画され、
前記第2領域は、前記第1領域の周方向の一部から前記第3領域の周方向の一部に向けて前記キャップの前記ねじ部の進行方向とは逆回りに延びるように斜めに形成されており、これら第1領域と第2領域との間及び第2領域と第3領域との間に、これらを区画するとともに、前記キャップの回転により破断可能な弱化線がそれぞれ形成されており、
前記第1領域は前記キャップに接合されていることを特徴とする請求項1に記載のボトル容器。
【請求項6】
外周にねじ部が形成された口部及び該口部の下方に小径の首部を備える金属製の缶体と、前記缶体の前記ねじ部に螺合されたキャップとを連結する連結部材であり、
前記連結部材は、前記首部を挿通する第1開口を有し、前記キャップの回転に合わせて前記首部の周りを回転可能なリング状の第1係合部と、前記キャップの上面又は外周部に固定される第2係合部とを備えていることを特徴とする連結部材。
【請求項7】
前記第1係合部がゴム部材からなることを特徴とする請求項6に記載の連結部材。
【請求項8】
金属製の缶体と、前記缶体の開口の外側に被せられた金属製のキャップとを連結部材により連結する方法であって、
前記缶体は、円筒部と、前記円筒部に接続されるテーパ部と、前記テーパ部に接続され、該テーパ部より小径の首部と、前記首部に接続され、前記首部とは反対側に前記開口部が形成されるとともに、その外周にねじ部が形成された口部と、を備え、
前記キャップは、前記ねじ部に螺合可能な形状であり、
前記連結部材は、板状部材により形成され、前記首部の外径よりも大きく前記キャップの外径より小さい直径の第1開口を有するリング状の第1係合部と、第2開口を有するリング状の第2係合部とを備え、前記第1係合部の内周縁及び前記第2係合部の内周縁のそれぞれには、径方向外側に向けて延びる複数の切り込みが形成されており、
前記口部に前記キャップを装着した後、前記第1係合部の前記第1開口に前記キャップが装着された前記口部を押し込み、前記切り込み間の領域を折り曲げながら前記首部まで挿通させることにより、前記第1係合部を前記首部の周りに回転可能に配置し、次いで、前記キャップの外周面に前記第2係合部の前記第2開口を嵌め込むことにより装着することを特徴とするボトル容器のキャップ及び缶体の連結方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料等の内容物が充填されるボトル缶の開口部にキャップが装着されたボトル容器、連結部材、並びに、ボトル容器のキャップ及び缶体の連結方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料等の内容物が充填されるボトル容器の開口部にキャップを装着して密封する構造のものが知られている。このような容器を密封するキャップとして、特許文献1に記載のキャップが提案されている。この特許文献1には、スカート部を介して天面部にスコアが形成されたキャップが容器の口部に巻締固定され、タブを引き起こすことによってスコアが破断され、容器から該キャップを離脱して開栓できる構成が開示されている。このようなキャップが装着される対象は、瓶の他、例えば、スチールやアルミニウム合金などからなるボトル形状の缶体(ボトル缶)の開口部に瓶口と同様な形状のカール部を形成したものが対象となる。この点、キャップの装着対象がボトル缶の場合、キャップのスカート部をカール部に巻き込むようにして形成されるが、内容物が漏れることを抑制するため、キャップ内面にライナを装着し、これによりボトル缶を密封することが可能となる。
【0003】
ところで、特許文献1のキャップが装着された容器では、タブを引っ張ることによりスコアを切り裂いてキャップを開栓すると、キャップがボトル缶から外れてしまい分離してしまうことから、キャップを紛失した場合に、再度キャップを開口部に装着して封止することができない。これは、ねじ部にキャップが螺合する一般的なボトル容器も同じである。
【0004】
このような問題を解決できるキャップとして、特許文献2に記載のヒンジキャップが知られている。このヒンジキャップは、主体にキャップがヒンジを介して開閉回動するように連結され、主体とキャップとの間にスナップ体が連結され、キャップが開閉回動の中途部に位置する切替境界位置に近づいたときにスナップ体の両端側が引っ張られて伸張することにより、キャップが切替境界位置よりも閉鎖位置側にあるときには該キャップが閉じる方向に付勢されると共に、キャップが切替境界位置よりも開放位置側にあるときには該キャップが開く方向に付勢される。つまり、特許文献2の構成では、キャップがスナップ体により主体に連結されているので、キャップを開放してもこのキャップが分離することがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-165057号公報
【特許文献2】特開2006-44666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2のヒンジキャップは、合成樹脂により形成されていることから、この構成をボトル缶に適用しても、内容物を充填したボトル缶を確実に密閉することができない。一方、特許文献2のヒンジキャップをアルミニウム合金等の金属で製造することは困難である。このため、ボトル容器のキャップを開封した後、キャップを紛失することを抑制できない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成でキャップの紛失を抑制できるボトル容器、連結部材、並びに、ボトル容器のキャップ及び缶体の連結方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のボトル容器は、金属製の缶体と、前記缶体の開口部の外側に被せられた金属製のキャップと、前記缶体と前記キャップとを連結する連結部材と、を備えている。
【0009】
本発明では、缶体とキャップとが連結部材により連結されているので、ボトル容器を開封してキャップを缶体の開口部から外しても缶体とキャップとが分離することを防止できる。このため、開封後のキャップの紛失を抑制できる。
【0010】
本発明のボトル容器の好ましい態様としては、前記缶体は、円筒部と、前記円筒部に接続されるテーパ部と、前記テーパ部に接続され、該テーパ部より小径の首部と、前記首部に接続され、前記首部とは反対側に前記開口部が形成されるとともに、その外周にねじ部が形成された口部と、を備え、前記キャップは、前記ねじ部に螺合可能な形状であり、前記連結部材は、前記首部を挿通した第1開口を有し、前記キャップの回転に合わせて前記首部の周りを回転可能なリング状の第1係合部と、前記キャップの上面又は外周部に固定される第2係合部とを備えているとよい。
【0011】
上記態様では、缶体の首部に挿通された第1係合部が開封時のキャップの回転に合わせて首部の周りを回転可能に形成されているので、連結部材がキャップの回転を阻害することがなく、かつ連結部材が外れることを抑制できる。このため、第2係合部が固定されたキャップを回転させてボトル容器を開封しても、缶体とキャップとが分離することがないので、開封後のキャップの紛失を抑制できる。
【0012】
本発明のボトル容器の好ましい態様としては、前記連結部材は、板状部材により形成され、前記第2係合部は、前記キャップを挿通した第2開口を有するリング状に形成されており、前記第1係合部の内周縁及び前記第2係合部の内周縁のそれぞれには、径方向外側に向けて延びる複数の切り込みが形成され、前記キャップの外周面には、前記複数の切り込みが周方向に開いて変形した状態で前記第2開口が嵌め込まれているとよい。
【0013】
上記態様では、板状部材に2つの開口を形成してリング状とし、各リングの内周縁から径方向外側に向けて延びる複数の切り込みを形成するだけで第1係合部及び第2係合部を形成できる。また、第1係合部の内周縁から径方向外側に向けて延びる複数の切り込みが形成されていることにより、キャップを容易に通過させて首部に第1係合部を係合させることができるとともに、第2係合部の内周縁から径方向外側に向けて延びる複数の切り込みが形成されていることにより、複数の切り込みを周方向に開くように変形させてキャップに第2係合部を嵌合させることができる。そして、第1係合部を首部に、第2係合部をキャップに装着するだけでキャップ及び缶体を連結できるので、連結部材を簡易、かつ、非常に安価に形成できる。
なお、上記板状部材としては、合成紙や紙と樹脂のラミネート材等を例示できる。
【0014】
本発明のボトル容器の好ましい態様としては、前記連結部材は、前記第1係合部に連続して形成される広告表示用タグをさらに有しているとよい。
【0015】
上記態様では、連結部材の広告表示用タグに印刷等を施すことで、販促効果の向上にも寄与できる。
【0016】
本発明のボトル容器の別の態様としては、前記缶体は、円筒部と、前記円筒部に接続されるテーパ部と、前記テーパ部に接続され、該テーパ部より小径の首部と、前記首部に接続され、前記首部とは反対側に前記開口部が形成されるとともに、その外周にねじ部が形成された口部と、を備え、前記キャップは、前記ねじ部に螺合可能な形状であり、前記連結部材は、前記キャップ及び前記首部の上端部を覆うシュリンクフィルムからなり、前記シュリンクフィルムは、前記キャップの上端部を覆う第1領域と、前記第1領域に連続し、前記キャップの中間部を覆う第2領域と、前記第2領域に連続し、前記キャップの下端部及び前記首部の上端部を覆う第3領域とに区画され、前記第2領域は、前記第1領域の周方向の一部から前記第3領域の周方向の一部に向けて前記キャップの前記ねじ部の進行方向とは逆回りに延びるように斜めに形成されており、これら第1領域と第2領域との間及び第2領域と第3領域との間に、これらを区画するとともに、前記キャップの回転により破断可能な弱化線がそれぞれ形成されているとよい。
【0017】
上記態様では、キャップを回転させると、弱化線が破断する。この場合、第1領域及び第3領域はシュリンクフィルムの収縮力によりキャップや首部に固定された状態であるが、第2領域はねじ部とは逆向きに形成されているので、両側の弱化線が破断するにつれて、キャップから浮き上がる。このため、キャップをねじ部から適切に外すことができる。また、ボトル容器を開封しキャップを缶体から取り外した場合でも、第1領域がキャップに固定され、第3領域が缶体の首部に固定され、これら第1領域及び第3領域は、第2領域と連続して形成されていることから、缶体とキャップとが分離することがないので、開封後のキャップの紛失を抑制できる。
【0018】
本発明の連結部材は、外周にねじ部が形成された口部及び該口部の下方に小径の首部を備える金属製の缶体と、前記缶体の前記ねじ部に螺合されたキャップとを連結する連結部材であり、前記連結部材は、前記首部を挿通する第1開口を有し、前記キャップの回転に合わせて前記首部の周りを回転可能なリング状の第1係合部と、前記キャップの上面又は外周部に固定される第2係合部とを備えている。
【0019】
本発明では、缶体とキャップとを連結部材により連結できるので、ボトル容器を開封してキャップを缶体の開口部から外しても缶体とキャップとが分離することを防止できる。また、缶体の首部に挿通された第1係合部が開封時のキャップの回転に合わせて首部の周りを回転可能に形成されているので、連結部材がキャップの回転を阻害することがなく、かつ連結部材が外れることを抑制できる。このため、第2係合部が固定されたキャップを回転させてボトル容器を開封しても、缶体とキャップとが分離することがないので、開封後のキャップの紛失を抑制できる。
【0020】
本発明の連結部材の好ましい態様としては、前記第1係合部がゴム部材からなるとよい。
上記態様では、第1係合部がゴム部材により形成され、伸縮性が高いことから、第1係合部をキャップが装着された口部を容易に挿通させて首部に回転可能に配置できる。
【0021】
本発明のボトル容器のキャップと缶体との連結方法は、金属製の缶体と、前記缶体の開口部の外側に被せられた金属製のキャップとを連結部材により連結する方法であって、前記缶体は、円筒部と、前記円筒部に接続されるテーパ部と、前記テーパ部に接続され、該テーパ部より小径の首部と、前記首部に接続され、前記首部とは反対側に前記開口部が形成されるとともに、その外周にねじ部が形成された口部と、を備え、前記キャップは、前記ねじ部に螺合可能な形状であり、前記連結部材は、板状部材により形成され、前記首部の外径よりも大きく前記キャップの外径より小さい直径の第1開口を有するリング状の第1係合部と、第2開口を有するリング状の第2係合部とを備え、前記第1係合部の内周縁及び前記第2係合部の内周縁のそれぞれには、径方向外側に向けて延びる複数の切り込みが形成されており、前記口部に前記キャップを装着した後、前記第1係合部の前記第1開口に前記キャップが装着された前記口部を押し込み、前記切り込み間の領域を折り曲げながら前記首部まで挿通させることにより、前記第1係合部を前記首部の周りに回転可能に配置し、次いで、前記キャップの外周面に前記第2係合部の前記第2開口を嵌め込むことにより装着する。
【0022】
本発明では、第1係合部をキャップが装着された口部を介して首部まで挿通させ、次いで連結部材の第2開口をキャップの外周面に装着する簡単な方法で、キャップと缶体とを連結することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡易な構成でボトル容器のキャップの紛失を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態のキャップ及び缶体の右半分を缶軸を通る断面にした正面図である。
【
図2】連結部材によりキャップ及び缶体が連結されたボトル容器の平面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態のボトル容器の連結部材を示す平面図である。
【
図5】本発明の第3実施形態の連結部材によりキャップ及び缶体が連結されたボトル容器の平面図である。
【
図7】本発明の第4実施形態の連結部材によりキャップ及び缶体が連結されたボトル容器の平面図である。
【
図8】本発明の第5実施形態の連結部材によりキャップ及び缶体が連結されたボトル容器の平面図である。
【
図10】本発明の第6実施形態の連結部材によりキャップ及び缶体が連結されたボトル容器の平面図である。
【
図12】
図10に示すボトル容器の開栓途中の様子を示す上面図である。
【
図13】
図10に示すボトル容器を開栓した後の状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係るキャップ及び缶体が連結部材により連結されたボトル容器の各実施形態について図面を参照して説明する。
【0026】
[第1実施形態]
本実施形態のキャップ200により封止される缶体100は、
図1に示すように、全体がボトル形状に形成されたボトル缶であり、その上端部の口部14において、外部に開口する開口部15を形成するようにカール部141を有する。缶体100は、開口部15を通じて内部に飲料等の内容物を充填した後、口部14にキャップ200を装着することにより開口部15が密封され、ボトル容器300とされる。
【0027】
図1には、缶体100と、缶体100の口部14に装着されるキャップ200と、を備えるボトル容器300を示している。
図1では、ボトル容器300の右半分に、缶軸Cを通る断面を示している。
【0028】
缶体100は、アルミニウム又はアルミニウム合金等の薄板金属からなり、
図1に示すように、高さ方向の中間位置までストレート状に形成され、その上方部分が開口部15に向かうに従って縮径された円筒状をなす胴部10と、胴部10の下部を閉鎖する底部17とを備える有底円筒状に形成されている。
【0029】
図1に示すように、胴部10及び底部17は互いに同軸に配置されており、本実施形態において、これらの共通軸を缶軸Cと称して説明を行う。缶軸Cに沿う方向(缶軸方向)のうち、開口部15から底部17側へ向かう方向を下側(下方)、底部17から開口部15側へ向かう方向を上側(上方)とし、以下の説明においては、
図1に示す向きと同様に上下方向を定めるものとする。缶軸Cに直交する方向を径方向といい、径方向のうち、缶軸Cに接近する向きを径方向の内側(内方)、缶軸Cから離間する向きを径方向の外側(外方)とする。缶軸C回りに周回する方向を周方向とする。
【0030】
本実施形態では、缶体100の底部17は、缶軸C上に位置するとともに上方(胴部10の内部)に向けて膨出するドーム部171と、ドーム部171の外周部と胴部10の下端部とを接続するヒール部172とを備えている。ドーム部171とヒール部172との接続部分は、缶体100が正立姿勢(
図1に示される開口部15が上方を向く姿勢)となるように、接地面(載置面)上に載置されたときに接地面に接する接地部173となっている。接地部173は、底部17において最も下方に向けて突出しているとともに、周方向に沿って延びる環状をなしている。
【0031】
缶体100の胴部10は、
図1に示されるように、胴部10の下部側(底部20側)において円筒状に形成された円筒部11と、円筒部11の上端で径方向内方に屈曲するように缶軸方向の上方に向けて縮径されたテーパ部12と、テーパ部12の上端に接続されて缶軸方向の上方に向けて延びる円筒部11より小径の細長い首部13と、首部13の上端に接続されて外部に開口する口部14と、を備える。円筒部11、テーパ部12、首部13、口部14は、それぞれ胴部10の周方向全周にわたって延びる環状をなしている。
【0032】
首部13は、
図1に示すように、円筒部11及びテーパ部12よりも小径である。この首部13の高さ(缶軸方向の寸法)は、円筒部11の高さ(缶軸方向の寸法)より小さく形成されている。具体的には、本実施形態の缶体100では、首部13は、テーパ部12の上端に連続して缶軸方向の上方に向けて漸次縮径する上テーパ部131と、上テーパ部131の上端に連続して缶軸Cに沿って直線状に延びる小円筒部132と、小円筒部132の上端に連続して半径方向内側に傾斜して延びる傾斜部133と、傾斜部133の上端に連続して缶軸Cに沿って直線状に延びる最小径部134とからなる。この最小径部134は、首部13を構成する各部131,132,133よりも小径であり、各部131~134の外径は、キャップ200の外径よりも小さく形成されている。例えば、上テーパ部131の外径が42.0mm~50.0mm、小円筒部132の外径が38.0mm~42.0mm、最小径部134の外径が34.0mm~36.0mmとされている。そして、首部13の最小径部134の上端に、口部14が接続されている。この口部14は、エッジを含む端部が径方向の外側に折り返され巻回されてなるカール部141と、キャップ200が螺合されるねじ部142と、径方向外側に膨出する膨出部143とを有している。
【0033】
このような缶体100の口部14に装着されるキャップ200は、
図1及び2に示すように、円板状の天面部21と、天面部21の外周縁から垂直下方に延びるスカート部22と、天面部21の内面に形成されたライナ50とを備えている。スカート部22の上端部には、開封時に缶体100内のガスを開放するためのベントホール221が周方向に間隔をあけて形成され、下端部には、開封時に切断されるブリッジ222が周方向に形成されている。また、キャップ200は、口部14のねじ部142に螺合可能に形成されている。
【0034】
[連結部材の構成]
このような缶体100とキャップ200とは、
図2に示すように、連結部材40により連結されている。この連結部材40は、首部13を挿通した第1開口411(
図3参照)を有し、キャップ200の回転に合わせて首部13の周りを回転可能なリング状の第1係合部41と、キャップ200を挿通した第2開口421(
図3参照)を有し、キャップ200の外周部に固定される第2係合部42と、これら第1係合部41及び第2係合部42を接続する接続部43とを備えている。これら第1係合部41及び第2係合部42は、平面視リング状に形成され、接続部43は、これら第1係合部41及び第2係合部42を接続する平面視矩形状に形成されている。
【0035】
第1係合部41には、
図3に示すように、キャップ200が装着された缶体100の口部14を挿通させるための平面視円形状の第1開口411が形成されているとともに、第2係合部42をキャップ200の外周面(スカート部22)に装着するための平面視円形状の第2開口421が形成されている。第2開口421の直径は、缶体100に取り付ける前の状態で、キャップ200の外径よりも小さく、かつ、第1開口411の直径は、首部13の外径よりも大きく形成されている。また、第1開口411の直径と第2開口421の直径とは同じとされてもよい。
【0036】
連結部材40には、第1係合部41の内周縁412及び第2係合部42の内周縁422のそれぞれから径方向外側に向けて延びる複数の切り込み413,423が形成されている。これら切り込み413,423は、
図3に示すように、各開口部411,421の中心から放射状に延びるように7つずつ形成されている。
【0037】
連結部材40は、非金属製の板状部材、例えば、合成紙や紙と樹脂のラミネート材等により形成され、その厚さは0.3mm~2.0mmに設定されている。また、連結部材40は、適切な弾性を有しているので、複数の切り込み413,423間の領域が挿通方向とは逆方向(缶軸Cに沿う上方向)に折れ曲がった際に弾性力が生じるため、キャップ200を挿通させた際に折れ曲がった複数の切り込み413間の領域も第1係合部41が首部13に配置される際には元の状態となるため、第1係合部41の首部13での回転を阻害することを抑制できる。また、第2係合部42がキャップ200に嵌め込まれた際に、折れ曲がった状態の複数の切り込み423間の領域に生じる弾性力によりキャップ200の外周面に固定される。
【0038】
このように第1係合部41の内周縁412から径方向外側に向けて延びる複数の切り込み413が形成されていることにより、第1係合部41をキャップ200が装着された口部14を容易に通過させて首部13に配置することが可能となる。また、第2係合部42の内周縁422から径方向外側に向けて延びる複数の切り込み423が形成されていることにより、キャップ200の外周に第2係合部42を係合させることが可能となる。
【0039】
接続部43は、第1係合部41及び第2係合部42を接続する部位であり、中央部に2つの折り目431,432が形成されている。これら2つの折り目431,432は、第1係合部41及び第2係合部42が並ぶ方向(
図3における横方向)に直交する方向(
図3における縦方向)に直線状に延びている。これら2つの折り目431,432との間の距離は、キャップ200の丈に応じ適宜設定される。この接続部43の2つの折り目431,432を同じ方向に90°折り返すことで、連結部材40が
図2に示すように略コの字状(略U字状)となり、第1開口411と第2開口412とが軸方向に対向するように配置される。つまり、2つの折り目431,432との間の距離は、連結部材40の高さ方向の距離となる。
【0040】
[キャップと缶体との連結方法]
このような連結部材40は、口部14にキャップ200を装着した後、第1係合部41の第1開口411にキャップ200が装着された口部14を押し込み、切り込み413を押し広げながら首部13まで挿通させることにより、第1係合部41を首部13(第一係合部41の首部13への係合位置は、小円筒部132または最小径部134が好ましい)の周りを回転可能に配置し、次いで、キャップ200の外周面(スカート部22の外周面)に第2係合部42の第2開口421を嵌め込むことにより装着する。以下、具体的に説明する。
【0041】
まず、第1係合部41を把持し、第1開口411にキャップ200が装着された口部14を押し込み、切り込み413を押し広げながら缶軸方向下側に向けて押し下げ、キャップ200を挿通させる。この際、第1係合部41の開口部411の直径はキャップ200の外径よりも小さく形成されているものの、内周縁412から径方向外側に向けて延びる複数の切り込み413が形成されていることから、切り込み413間の領域が缶軸Cに沿う上方向に向けて折れ曲がるのでキャップ200を容易に挿通させることができる。これにより、第1係合部41が缶体100の首部13の周りを回転可能とされる。この点、首部13は、キャップ200の外径よりも小さく形成されているため、第1係合部41の内周縁412と首部13(傾斜部133)との間に隙間が形成され、キャップ200を挿通する際に折れ曲がった切り込み413間の領域も元の状態となる。このため、第1係合部41は、首部13の周りを回転可能に支持される。
【0042】
次に、連結部材40の接続部43に形成された2つの折り目431,432を同じ方向に90°折り返す。これにより、キャップ200の上面に第2係合部42の開口部421が対向して配置される。そして、第2係合部42を把持し、キャップ200の外周面に第2係合部42を嵌め込む。この際、第2係合部42の開口部421の直径はキャップ200の外径よりも小さく形成されているものの、内周縁422から径方向外側に向けて延びる複数の切り込み423間の領域が缶軸Cに沿う上方向に折れ曲がることで、弾性力が生じるので、キャップ200に複数の切り込み423間の折れ曲がった領域の内面がキャップ200のスカート部22の外周面を押圧した状態が維持され、これにより第2係合部42が固定される。つまり、本実施形態では、第1開口411にキャップ200が装着された口部14を挿通させて第1係合部41を缶体100の口部14を挿通させてキャップ200の回転に合わせて首部13の周りを回転可能にするとともに、第2係合部42をキャップ200の外周面に装着するだけで、キャップ200と缶体100とを連結することができる。
【0043】
このような連結部材40が装着されたボトル容器300を開封するため、キャップ200を回転させると、キャップ200に嵌合した第2係合部42もこのキャップ200の回転に合わせて回転する。また、第1係合部41は、首部13の周りを回転可能に支持されているため、第2係合部42の回転(キャップ200の回転)に合わせて回転する。このため、開封時の回転により連結部材40が外れることがない。このため、キャップ200を回転させて缶体100から外してもキャップ200と缶体100とが分離することを抑制できる。なお、外したキャップ200を上方向に押し上げると、接続部43の折り目431,432がヒンジとして機能し、キャップ200が180°回転された状態で維持される。このため、キャップ200の紛失を抑制できる。
【0044】
本実施形態では、缶体100とキャップ200とが連結部材40により連結されているので、ボトル容器300を開封してキャップ200を缶体100の開口部15から外しても缶体100とキャップ200とが分離することを防止できる。このため、開封後のキャップ200の紛失を抑制できる。また、第1係合部41が開封時のキャップ200の回転に合わせて首部13の周りを回転可能に形成されているので、連結部材40がキャップ200の回転を阻害することがなく、かつ連結部材41が外れることを抑制できる。
【0045】
本実施形態では、板状部材に2つの開口411,421を形成してリング状に形成し、その内周縁412,422から径方向外側に向けて延びる複数の切り込み413,423を形成するだけで第1係合部41及び第2係合部42を形成できる。また、第1係合部41の内周縁412から径方向外側に向けて延びる複数の切り込み413が形成されていることにより、キャップ200を容易に通過させて首部13に第1係合部41を係合させることができるとともに、第2係合部42の内周縁422から径方向外側に向けて延びる複数の切り込み423が形成されていることにより、キャップ200に第2係合部42を係合させることができる。そして、第1係合部41を首部13に、第2係合部42をキャップに装着するだけでキャップ200及び缶体100を連結できるので、連結部材40を簡易、かつ、非常に安価に形成できる。また、連結部材40が非金属製の板状部材により形成されているので、キャップ200が装着された缶体100の口部14を挿通して首部13に第1係合部41を係合させても、キャップ200や首部13に傷が生じることを抑制できる。
【0046】
本実施形態のキャップ200と缶体100との連結方法では、第1係合部41をキャップ200が装着された口部14を介して首部13まで挿通させ、次いで連結部材40の第2開口411をキャップ200の外周面に装着する簡単な方法で、キャップ200と缶体100とを連結することができる。
【0047】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図面を用いて説明する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態と同じ又は略同じ構成については、同じ番号を付し、説明を省略又は簡略化して説明する。
図4は、本実施形態の缶体100及びキャップ200を連結する連結部材40Aの平面図である。
【0048】
本実施形態の連結部材40Aは、第1係合部41Aの第1開口411Aの直径が第2係合部42の第2開口421の直径より小さい点で上記第1実施形態と異なる。以下、詳しく説明する。
本実施形態の第1開口411Aは、第2係合部42の第2開口421の直径より小さく、かつ、首部13の外径と略同じ又は若干大きく形成され、ている。また、第1係合部41Aの内周縁412Aから径方向外側に向けて延びる複数の切り込み413Aは、
図4に示すように、第2係合部42の内周縁422から径方向外側に向けて延びる複数の切り込み423よりもその長さが大きく形成されている。
【0049】
本実施形態では、第1開口411Aの直径が第1実施形態の第1開口411の直径よりも小さく形成されているものの、複数の切り込み413A間の領域が大きく缶軸C方向に沿う上方向に折れ曲がるので、キャップ200を挿通させることが可能となる。また、第1開口411Aの直径が首部13の外径と略同じ又は若干大きく形成されているので、第1係合部41Aの内周縁412Aと首部13(傾斜部133)の外周との間に隙間が生じることを防止できるので、第1係合部41Aがキャップ200の回転時にぐらつくことを抑制できる。一方、キャップ200が回動しても首部13の周りを回転可能であるので、連結部材40Aが外れてキャップ200と缶体100とが分離することを抑制できる。
【0050】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について図面を用いて説明する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態と同じ又は略同じ構成については、同じ番号を付し、説明を省略又は簡略化して説明する。
図5は、本実施形態の連結部材40Bにより連結された缶体100及びキャップ200の平面図であり、
図6は、
図5に示す連結部材40Bの平面図である。
【0051】
本実施形態の連結部材40Bは、第1係合部41に連続して形成される広告表示用タグをさらに有している点で上記第1実施形態と異なる。以下、詳しく説明する。
本実施形態の連結部材40Bは、
図5及び
図6に示すように、第1係合部41、第2係合部42及び接続部43に加えて広告表示用タグ44を備えている。広告表示用タグ44の表面(
図5に示す例ではボトル容器300の径方向外側の面)には、印刷等が施されて広告が表示されている。この広告表示用タグ44は、
図6に示すように、平面視矩形状に形成され、第1係合部41に連続して形成されている。また、広告表示用タグ44と第1係合部41との接続部位には、第1係合部41及び第2係合部42が並ぶ方向に直交する方向(
図6における横方向)に延びる直線状の折り目441が形成されている。この折り目441は、接続部43に形成される折り目431,432とは反対方向に向けて折るための折り目である。
【0052】
このような連結部材40Bを第1実施形態に示した方法と同じ方法でキャップ200及び缶体100に装着した後、本実施形態では、折り目441を折り目431,432とは反対方向に向けて折ることで、広告表示用タグ44が
図5に示すように、缶体100の外周面に沿うように配置されることとなる。
本実施形態では、連結部材40Bに広告表示用タグ44が設けられているので、販促効果を向上させることができる。また、広告表示用タグ44は、第1係合部41に連続して形成されているので、キャップ200の回転に合わせて広告表示用タグ44も回転する。このため、ボトル容器300の開封時に広告表示用タグ44が外れることも抑制できる。
【0053】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について図面を用いて説明する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態と同じ又は略同じ構成については、同じ番号を付し、説明を省略又は簡略化して説明する。
図7は、本実施形態の連結部材40Cにより連結された缶体100及びキャップ200の平面図である。
【0054】
本実施形態の連結部材40Cは、板状部材ではなく紐部材により形成されている点で上記第1~第3実施形態と異なる。以下、詳しく説明する。
連結部材40Cは、
図7に示すように、1本の紐部材により形成され、第1係合部41C、第2係合部42C及び接続部43Cを備えている。これらのうち、第1係合部41Cは、紐部材の一方の端部が開口部を有するリング状に首部13(上テーパ部131)に巻き付けられることにより形成され、第2係合部42Cは、紐部材の他方の端部がキャップ200の天面部21の上面における中央部に接着剤等により固定されることにより形成されている。また、接続部43Cは、紐部材の中央部により形成され、これらリング状の第1係合部41Cと第2係合部42Cとを接続している。
【0055】
本実施形態では、連結部材40Cが1本の紐部材により形成されているので、その構成を簡略化できる。また、第2係合部42Cは、首部13に巻き付けられている形状であるため、キャップ200の回転に合わせて首部13の周りをスムースに回転できるので、ボトル容器300の開封時にキャップ200と缶体100とが分離することを抑制できる。さらに、第1~第3実施形態のようにキャップ200の外周に第2係合部42が係合していないので、キャップ200をより握りやすくでき、開缶性を向上できる。
【0056】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について図面を用いて説明する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態と同じ又は略同じ構成については、同じ番号を付し、説明を省略又は簡略化して説明する。
図8は、本実施形態の連結部材40Dにより連結された缶体100及びキャップ200の平面図であり、
図9は連結部材40Dにより連結された缶体100及びキャップ200の上面図である。
【0057】
本実施形態の連結部材40Dは、板状部材ではなくゴム部材により形成されている点で上記第1~第3実施形態と異なる。以下、詳しく説明する。
連結部材40Dは、ゴム部材により形成されており、適切な弾性力を有している。このゴム部材は、天然ゴムやウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の樹脂系エラストマー等の合成ゴムであってもよい。この連結部材40Dは、
図8に示すように、第1係合部41D、第2係合部42D及びこれらを接続する接続部43Dを備えている。第1係合部41D及び第2係合部42Dのそれぞれは、帯状のゴム部材が開口部を有するリング状とされている。
【0058】
この第1係合部41Dの幅は、第2係合部42Dの幅よりも小さく、第1係合部41Dが首部13(小円筒部132及び傾斜部133)に隙間を開けた状態で回転自在に係合され、第2係合部42Dが
図8に示すようにキャップ200のスカート部22の外周面に嵌合している。この第2係合部42Dは、グリップ面積を大きくする観点から、スカート部22のネジ部全体に渡って係合していることが好ましい。なお、
図8に示す例では、キャップ200のベントホール221も第2係合部42Dにより覆った状態としているが、これに限らず、ベントホール221を第2係合部42Dにより覆うことなく、ベントホール221の下部からブリッジ222を含まないブリッジ222の上部に渡って第2係合部42により覆う状態とするとよい。この場合、ベントホール221が外部に解放された状態となるため、開封時のベントホール221からのガスの排出の妨げにならず、また、ブリッジ222の切断を阻害することがないからである。
また、接続部43Dは、帯状のゴム部材からなり、一方の端部が第1係合部41Dに固定され、他方の端部が第2係合部42Dに固定されることにより、これらを接続している。
【0059】
また、本実施形態では連結部材40Dがゴム部材により形成され、伸縮性が高いことから、第1実施形態のように、切り込みを形成されていなくても、第1係合部41Dをキャップ200が装着された口部14を挿通させて首部13に回転可能に配置し、第2係合部42Dをスカート部22の外周面に嵌合させることが可能となる。
【0060】
本実施形態では、連結部材40Dがゴム部材により形成されているので、リング状に形成した第1係合部41D及び第2係合部42Dのそれぞれに切り込みを形成する必要が無いので、その構成を簡略化できる。また、第2係合部42Dは、首部13に対して隙間を形成した状態で配置されているため、キャップ200の回転に合わせて首部13の周りをスムースに回転できるので、ボトル容器300の開封時にキャップ200と缶体100とが分離することを抑制できる。さらに、第1~第3実施形態のようにキャップ200のスカート部22の外周面を覆うように連結部材40Dの第2係合部42Dが密着しているので、ゴム部材からなる第2係合部42Dが滑り止めとなり、キャップ200をより握りやすく、かつ、回転しやすくでき、開缶性をさらに向上できる。
【0061】
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態について図面を用いて説明する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態と同じ又は略同じ構成については、同じ番号を付し、説明を省略又は簡略化して説明する。
図10は、本実施形態の連結部材40Eにより連結された缶体100及びキャップ200の平面図であり、
図11は連結部材40Eにより連結された缶体100及びキャップ200の上面図であり、
図12は、開缶途中のボトル容器を示す上面図であり、
図13は開缶後のボトル容器の平面図である。
【0062】
本実施形態の連結部材40Eは、板状部材ではなくキャップ200及び首部13の上端部の外周面に装着されるシュリンクフィルムにより形成されている点で上記第1~第3実施形態と異なる。以下、詳しく説明する。
連結部材40Eは、
図10及び
図11に示すように、キャップ200の天面部21の一部からスカート部22及び首部13の上端部までを覆うシュリンクフィルムにより形成されている。このシュリンクフィルムは、キャップ200の天面部21の一部及びスカート部22の上端部を覆う第1領域Ar1と、第1領域Ar1に連続し、キャップ200のスカート部22の中間部を覆う第2領域Ar2と、第2領域Ar2に連続し、キャップ200のスカート部22の下端部及び首部13の上端部(上テーパ部131を除く最小径部134、傾斜部133及び小円筒部132)を覆う第3領域Ar3とに区画されている。具体的には、シュリンクフィルムの第2領域Ar2は、第1領域Ar1の周方向の一部から第3領域Ar3の周方向の一部に向けてキャップ200のねじ部142の進行方向とは逆回りに延びるように斜めに形成されており、これら第1領域Ar1と第2領域Ar2との間及び第2領域Ar2と第3領域Ar3との間に、これらを区画するとともに、キャップ200の回転により破断可能な弱化線35がそれぞれ形成されている。つまり、つまり、シュリンクフィルムは、
図10の上側に位置する弱化線45より上側の第1領域Ar1、
図10の2つの弱化線45で囲まれた第2領域Ar2、及び
図10の下側に位置する弱化線45より下側の第3領域Ar3に区画されている。
【0063】
このような連結部材40Eが装着されたボトル容器300を開封するため、ユーザがキャップ200を把持して
図12の矢印に示す方向にキャップ200を回転させると、キャップ200が上方向に移動するため、シュリンクフィルムに形成された弱化線45が破断されるとともに、キャップ200の回転により第2領域Ar2が
図12に示すように、ねじ部142の進行方向とは逆方向に延びて接続部を形成する。一方、キャップ200の周囲には、ねじ部142に対応する凹凸があり、また、首部13はキャップ200よりも径が小さいので、第1領域Ar1及び第3領域Ar3は、シュリンクフィルムの収縮力によりキャップ200や首部13に抱き着いたまま残るので、第1領域Ar1は本発明の第2係合部となり、第3領域Ar3は、本発明の第1係合部となる。このため、
図13に示すように、キャップ200が缶体100から取り外されても、キャップ200と缶体100との接続が維持される。
【0064】
本実施形態では、キャップ200を回転させると、弱化線35が破断する。この場合、第1領域Ar1及び第3領域Ar2はシュリンクフィルムの収縮力によりキャップ200や首部13に固定された状態であるが、第2領域Ar2はねじ部142とは逆向きに形成されているので、両側の弱化線35が破断するにつれて、キャップ200から浮き上がる。このため、キャップ200をねじ部142からに適切に外すことができる。また、ボトル容器300を開封しキャップ200を缶体100から取り外した場合でも、第1領域Ar1がキャップ200に固定され、第3領域Ar3が缶体100の首部13に固定され、これら第1領域Ar1及び第3領域Ar3が第2領域Ar2と連続して形成されていることから、缶体100とキャップ200とが分離することがないので、開封後のキャップ200の紛失を抑制できる。
【0065】
なお、本発明は上記各実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記第1~第3実施形態では、切り込み413,423の数は、7つとしたが、これに限らず、より多くの切り込みを形成して切り込みの長さを小さく設定してもよいし、切り込みの数を少なくして切り込みの長さを大きく設定してもよい。つまり、キャップ200が第1開口411を挿通でき、キャップ200に第2開口421Fを嵌め込むことができれば、切り込みの数及び長さは適宜設定可能である。
【0066】
上記第1~第3実施形態では、連結部材は非金属製の板状部材であることとしたが、これに限らず、連結部材は金属製のものも本発明に含まれる。
上記第1~第3実施形態では、連結部材の第1係合部は、首部13の傾斜部133の周囲を回転可能に配置されることとしたが、これに限らず、最小径部134、小円筒部132及び上テーパ部131のいずれかの周囲を回転可能に配置されていてもよい。つまり、第1係合部は、首部13のいずれの部位に配置されてもよい。
【0067】
上記第4実施形態では、連結部材40Cを紐部材により形成し、一方の端部をキャップ200の天面部21の上面に固定することとしたが、これに限らず、例えば、キャップ200の外周面に巻き付けて固定してもよい。
【符号の説明】
【0068】
10 胴部
11 円筒部
12 テーパ部
13 首部
131 上テーパ部
132 小円筒部
133 傾斜部
134 最小径部
14 口部
141 カール部
142 ねじ部
143 膨出部
15 開口部
17 底部
171 ドーム部
172 ヒール部
173 接地部
21 天面部
22 スカート部
221 ベントホール
222 ブリッジ
23 スコア
231,232 円弧部
233 直線部
24 切り欠き部
25 延出部
40,40A,40B,40C,40D,40E 連結部材
41,41A,41C,41D,41E 第1係合部
411 第1開口
412 内周縁
413 切り込み
42,42C,43D,43E 第2係合部
421 第2開口
422 内周縁
423 切り込み
43 接続部
44 広告表示用タグ
50 ライナ
100 缶体
200 キャップ
300 ボトル容器
Ar1 第1領域(第2係合部)
Ar2 第2領域
Ar3 第3領域(第1係合部)