(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124619
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】ゲームシステム、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/814 20140101AFI20220819BHJP
A63F 13/44 20140101ALI20220819BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20220819BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20220819BHJP
【FI】
A63F13/814
A63F13/44
A63F13/52
A63F13/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022355
(22)【出願日】2021-02-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.試験の実施による公開 試験日 令和2年9月4日~9月6日 試験場所 GAMEシルクハット川崎ダイス 2.試験の実施による公開 試験日 令和2年9月26日~9月27日 試験場所 ラウンドワン梅田店
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】関 風稀
(72)【発明者】
【氏名】塩川 知希
(72)【発明者】
【氏名】小寺 秀典
(57)【要約】
【課題】一の対戦の途中におけるユーザの指示を対戦以降において使用される楽曲に反映することができるゲームシステムを提供する。
【解決手段】ゲーム機3(ゲームシステム)は、音楽ゲームを、第1ユーザ及び第2ユーザの二人のユーザによって五曲ずつ選択された計十曲を利用した12の対戦を含む対戦型のゲームとして提供する。また、ゲーム機3は、順番データODに基づいて全十曲から全12対戦でそれぞれ順に使用される楽曲を対戦開始前に判別し、それらの対戦のうちの例えば第5対戦の途中において第1ユーザによって選択された五曲のうちの“A5”楽曲を指示するタッチ操作が楽曲提示画面60に実行された場合に、次の第6対戦において使用されるべき楽曲として、順番データODに基づいて対戦前に判別した楽曲の代わりにその“A5”楽曲を特定する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのプレイ行為を入力する入力手段、及び前記プレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述されたシーケンスデータに基づいて各実行時期を楽曲のリズムに合わせて案内する案内画面を表示する表示手段に接続され、前記ユーザによって実際に前記プレイ行為が実行された場合に当該プレイ行為としての実際のプレイ行為の実行時期を前記シーケンスデータの実行時期に基づいて評価するゲームを、複数の楽曲を利用した複数の対戦を含む対戦型のゲームとして提供するゲームシステムであって、
前記複数の対戦のうち少なくとも一つの対戦において使用されるべき楽曲を判別するための楽曲判別情報に基づいて当該一つの対戦の楽曲を判別する楽曲判別手段と、
前記一つの対戦の途中において前記複数の楽曲の少なくとも一つの楽曲を指示する指示行為が前記対戦型のゲームを通じて対戦する複数のユーザの一のユーザによって実行された場合に、前記一つの対戦以降の少なくとも一部の対戦において使用されるべき楽曲として前記一つの楽曲を特定する楽曲特定手段と、
を備える、ゲームシステム。
【請求項2】
前記楽曲特定手段は、前記一つの対戦に続く次の対戦が前記一部の対戦として機能するように、前記次の対戦で使用されるべき楽曲として前記一つの楽曲を特定する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記楽曲特定手段は、前記一部の対戦として前記一つの対戦が機能するように、前記一つの対戦の途中において当該一の対戦の楽曲を前記一つの楽曲に変更する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記楽曲判別手段は、前記次の対戦で使用されるべき楽曲として前記楽曲判別情報に基づいて前記次の対戦よりも前に前記複数の楽曲のいずれかの楽曲を判別し、
前記楽曲特定手段は、前記楽曲判別情報に基づいて判別された前記次の対戦の楽曲としての次楽曲の代わりに前記一つの楽曲が使用されるように、前記次の対戦で使用されるべき楽曲を前記次楽曲から前記一つの楽曲に変更する、請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記楽曲判別手段は、前記複数の対戦の最初の対戦、及び最後の対戦において前記複数の楽曲のうちの二つの楽曲がそれぞれ重複的に使用されるように、前記複数の対戦の全てにおいて各対戦で使用されるべき楽曲を前記最初の対戦の開始前に判別する、請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記楽曲判別手段は、前記複数のユーザのそれぞれによって選択される同数の楽曲の合計が前記複数の楽曲の数として機能するように前記複数の楽曲を選択する楽曲選択機会が前記複数のユーザに提供される場合に、各ユーザによって選択された楽曲が各対戦において交互に使用されるように、各対戦で使用されるべき楽曲を判別する、請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記指示行為は、前記一のユーザによって選択された前記同数の楽曲の少なくとも一つが前記一つの楽曲として機能するように、当該同数の楽曲の少なくとも一つに対して実行される、請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記楽曲判別情報に基づいて判別された各対戦の楽曲のうち、少なくとも前記一のユーザによって選択された楽曲と各対戦との関係に関する楽曲情報を前記一のユーザに提供する関係提供手段を備える、請求項7に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記関係提供手段は、前記楽曲情報として前記複数の楽曲と各対戦との関係に関する情報を前記複数のユーザのそれぞれに提供する、請求項8に記載のゲームシステム。
【請求項10】
各楽曲の一部区間を抽出するための抽出条件に基づいて抽出された前記一部区間に各対戦における各実行時期の案内が制限されるように、各対戦において前記案内画面を通じて各実行時期を案内する時期案内手段を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記指示行為の実行を補助するための補助区間が前記一つの対戦で使用される楽曲の再生中に設けられるように、前記一つの対戦において前記案内画面を通じて各実行時期を案内する時期案内手段を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項12】
前記時期案内手段は、前記対戦型のゲームに設けられる所定の価値の消費に伴い前記補助区間が設けられるように、前記一つの対戦において前記案内画面を通じて各実行時期を案内する、請求項11に記載のゲームシステム。
【請求項13】
前記対戦型のゲームのプレイ結果として前記複数の対戦で使用された順に前記複数の楽曲をつなげたメドレ楽曲を生成する楽曲生成手段を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項14】
前記入力手段、及び前記表示手段に接続されるコンピュータを、請求項1~13のいずれか一項に記載のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項15】
ユーザのプレイ行為を入力する入力手段、及び前記プレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述されたシーケンスデータに基づいて各実行時期を楽曲のリズムに合わせて案内する案内画面を表示する表示手段に接続され、前記ユーザによって実際に前記プレイ行為が実行された場合に当該プレイ行為としての実際のプレイ行為の実行時期を前記シーケンスデータの実行時期に基づいて評価するゲームを、複数の楽曲を利用した複数の対戦を含む対戦型のゲームとして提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、
前記複数の対戦のうち少なくとも一つの対戦において使用されるべき楽曲を判別するための楽曲判別情報に基づいて当該一つの対戦の楽曲を判別する楽曲判別手順と、
前記一つの対戦の途中において前記複数の楽曲の少なくとも一つの楽曲を指示する指示行為が前記対戦型のゲームを通じて対戦する複数のユーザの一のユーザによって実行された場合に、前記一つの対戦以降の少なくとも一部の対戦において使用されるべき楽曲として前記一つの楽曲を特定する楽曲特定手順と、
を実行させる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザのプレイ行為を入力する入力手段、及びそのプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述されたシーケンスデータに基づいて各実行時期を楽曲のリズムに合わせて案内する案内画面を表示する表示手段に接続され、ユーザによって実際に前記プレイ行為が実行された場合にその実際のプレイ行為の実行時期をシーケンスデータの実行時期に基づいて評価するゲームを、複数の楽曲を利用した複数の対戦を含む対戦型のゲームとして提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザのプレイ行為を入力する入力手段、及びそのプレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述されたシーケンスデータに基づいて各実行時期を楽曲のリズムに合わせて案内する案内画面を表示する表示手段に接続され、ユーザによって実際に前記プレイ行為が実行された場合にその実際のプレイ行為の実行時期をシーケンスデータの実行時期に基づいて評価するゲームを、複数の楽曲を利用した複数の対戦を含む対戦型のゲームとして提供するゲームシステムが存在する。例えば、このようなゲームとして音楽ゲームを提供するゲームシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の音楽ゲームは、複数のユーザ間にて対戦する対戦型のゲームとして提供される場合がある。また、そのような対戦型のゲームには複数の対戦が含まれる場合がある。このような複数の対戦では対戦毎に別々の楽曲が利用される場合が多い。この場合、各対戦で利用される楽曲は各対戦の開始前には決定しておく必要があるが、一般的に対戦中は音楽ゲームのプレイが優先される。このため、音楽ゲームをプレイするユーザが対戦用の楽曲を指示する場合、最初の対戦の開始前に全対戦分の楽曲を指示しておく場合が多い。あるいは、各対戦間にインターバルが設けられる場合には、そのインターバルにおいてユーザは次の対戦以降の楽曲を指示することができるかもしれない。しかし、例えば最初の対戦の開始前に全対戦分の楽曲が指示される場合には、ユーザは各対戦におけるプレイ状況を次以降の対戦において使用される楽曲の指示に反映することができない。また、インターバルにおいて次の対戦以降の楽曲が指示される場合にはその指示のためにある程度の長さのインターバルの時間が設けられることになるが、インターバルの時間が長くなり過ぎると、ゲームをテンポよく進めることができなくなったり、ゲーム(或いはその流れ)が盛り上がらなくなったりしてしまう可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、一の対戦の途中におけるユーザの指示を以降において使用される楽曲に反映することができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、ユーザのプレイ行為を入力する入力手段、及び前記プレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述されたシーケンスデータに基づいて各実行時期を楽曲のリズムに合わせて案内する案内画面を表示する表示手段に接続され、前記ユーザによって実際に前記プレイ行為が実行された場合に当該プレイ行為としての実際のプレイ行為の実行時期を前記シーケンスデータの実行時期に基づいて評価するゲームを、複数の楽曲を利用した複数の対戦を含む対戦型のゲームとして提供するゲームシステムであって、前記複数の対戦のうち少なくとも一つの対戦において使用されるべき楽曲を判別するための楽曲判別情報に基づいて当該一つの対戦の楽曲を判別する楽曲判別手段と、前記一つの対戦の途中において前記複数の楽曲の少なくとも一つの楽曲を指示する指示行為が前記対戦型のゲームを通じて対戦する複数のユーザの一のユーザによって実行された場合に、前記一つの対戦以降の少なくとも一部の対戦において使用されるべき楽曲として前記一つの楽曲を特定する楽曲特定手段と、を備えるものである。
【0007】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記入力手段、及び前記表示手段に接続されるコンピュータを、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0008】
また、本発明の制御方法は、ユーザのプレイ行為を入力する入力手段、及び前記プレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述されたシーケンスデータに基づいて各実行時期を楽曲のリズムに合わせて案内する案内画面を表示する表示手段に接続され、前記ユーザによって実際に前記プレイ行為が実行された場合に当該プレイ行為としての実際のプレイ行為の実行時期を前記シーケンスデータの実行時期に基づいて評価するゲームを、複数の楽曲を利用した複数の対戦を含む対戦型のゲームとして提供するゲームシステムに組み込まれるコンピュータに、前記複数の対戦のうち少なくとも一つの対戦において使用されるべき楽曲を判別するための楽曲判別情報に基づいて当該一つの対戦の楽曲を判別する楽曲判別手順と、前記一つの対戦の途中において前記複数の楽曲の少なくとも一つの楽曲を指示する指示行為が前記対戦型のゲームを通じて対戦する複数のユーザの一のユーザによって実行された場合に、前記一つの対戦以降の少なくとも一部の対戦において使用されるべき楽曲として前記一つの楽曲を特定する楽曲特定手順と、を実行させる、ものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
【
図3】ゲームシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
【
図5】対戦モードにおけるゲームの流れを説明するための説明図。
【
図6】十曲が12回の対戦で使用される場合の各対戦とそこで使用される楽曲との関係を説明するための説明図。
【
図7】指示行為に基づく楽曲の割り当て変更を説明するため説明図。
【
図9】各対戦の結果と対戦モード(対戦プレイの全体)における対戦結果との関係を説明するための説明図。
【
図11】楽曲判別処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図12】順番変更処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図13】案内処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、
図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0011】
ゲーム機3として、ゲームを提供する適宜のコンピュータ装置が利用されてよい。そのようなコンピュータ装置には、例えばユーザ端末装置も含まれる。ユーザ端末装置は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、そのようなコンピュータ装置には、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ、据置型の家庭用ゲーム機、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といったモバイル端末装置が含まれる。このような各種のコンピュータ装置が適宜にゲーム機3として利用されてよいが、
図1の例では商業用(業務用)のゲーム機がゲーム機3として利用されている。商業用のゲーム機は、ゲーム装置の一例であって、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせるゲーム機である。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがあり、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置される。
【0012】
ゲーム機3は、タイミングゲームを提供する。タイミングゲームは、適切なプレイ行為の実行時期を案内、及び評価するタイプのゲームである。タイミングゲームでは、各実行時期の案内は、音声を通じた案内等、各種の出力装置を通じて適宜に実現されてよいが、一般的に表示装置に表示されるゲーム画面を通じて実現される。このようなゲーム画面は、各実行時期に対応する指示標識及び現在時刻の基準として機能する基準標識を含み、これらの指示標識及び基準標識の位置が各実行時期において一致するように、これらの指示標識と基準標識との間に経路に沿った相対的変位を生じさせることにより各実行時期を案内する。タイミングゲームは、要求するプレイ行為の種類、実行時期の案内の仕方、或いは評価の仕方等に応じて適宜に構成される。ゲーム機3は、このような適宜のタイミングゲームを提供してよいが、一例として音楽ゲームを提供し、音楽ゲーム機として構成される。
【0013】
音楽ゲームは、タイミングゲームの一種であり、適切なプレイ行為を実行すべき実行時期を楽曲とともに提供するタイプのゲームである。具体的には、音楽ゲームは、楽曲のリズムと一致する時期を実行時期として利用する。つまり、音楽ゲームは、適切なプレイ行為を実行すべき時期を楽曲のリズムに合わせてユーザに案内し、実際にプレイ行為が実行された場合にその実際のプレイ行為の実行時期を評価するタイプのゲームである。また、例えば、音楽ゲームにはプレイ用に複数の楽曲が用意され、そこから選択された楽曲が実際のプレイに使用される。音楽ゲームの詳細は、後述する。
【0014】
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3を接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
【0015】
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザが音楽ゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービスを含んでいる。このようなマッチングサービスを通じて各種のユーザが適宜にマッチングされてよく、例えば一緒に音楽ゲームをプレイする協力者がマッチングされても、音楽ゲームを通じて対戦する対戦者がマッチングされてもよい。つまり、音楽ゲームは協力型のゲームとして提供されても対戦型のゲームとして提供されてもよいが、以下では対戦型のゲームとして提供される場合について説明する。
【0016】
なお、ゲーム機用サービスは、その他にもネットワーク5を介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービス、ゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービス、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ユーザから料金を徴収する課金サービス等を適宜に含んでいてもよい。
【0017】
図2を参照して、ゲーム機3について更に説明する。
図2は、ゲーム機3の主要部分を模式的に示す図である。
図2の例は、ゲーム機3を正面から見た場合を示している。ゲーム機3は、筐体部7、メインモニタMO1、サブモニタMO2、及びスピーカSPを備えている。筐体部7は、後述の制御ユニット31及び記憶部32(
図3)等の各種機器を収容する部分である。筐体部7には、コントロールパネルCPが設けられる。コントロールパネルCPは、筐体部7の上面を形成するように配置される入力装置(入力手段)の一種である。コントロールパネルCPには、各種操作部が設けられ得るが、
図2の例ではスタートボタンCP1と、4つの操作ボタンCP2と、ベース音及びドラム音等の演出音を再生させるために操作される2つのエフェクトボタンCP3と、回転操作可能な2つの回転デバイスCP4とが設けられている。スタートボタンCP1、操作ボタンCP2、及びエフェクトボタンCP3には、押す操作が実行される。回転デバイスCP4には、左方向又は右方向に回転させる回転操作が実行される。
【0018】
スタートボタンCP1等の各種操作部は適宜に使用されてよいが、一例として次のように使用される。具体的には、スタートボタンCP1は、ゲームの開始、楽曲の選択、ゲーム難易度の設定等を行う場合に使用される。ゲームを開始する場合、ユーザはスタート画面(ゲーム画面の一種)の指示に従って、スタートボタンCP1を操作する。例えば、ユーザは、プレイする楽曲、ゲームモード、及びゲームの難易度等の各種設定を選択する。また、ユーザは、ゲームモードの中から通常モードと、対戦モードとを選択できる。通常モードが選択された場合、ユーザは、選択した一つ又は複数の楽曲を単独でプレイする。対戦モードが選択された場合、ユーザは、複数の楽曲を選択し、選択された複数の楽曲に基づいて他のユーザ(適宜の数のユーザでよい)との対戦をプレイする。そして、ゲームが開始されると、ユーザは、ゲーム画面上を移動するオブジェクトによる操作手順の案内に従って、操作ボタンCP2と、エフェクトボタンCP3と、回転デバイスCP4とを操作する。対戦モードの詳細は後述する。
【0019】
メインモニタMO1、及びサブモニタMO2はいずれも各種ゲーム画面を表示する表示装置(表示手段)である。ゲーム機3には適宜の数のモニタが設けられてよいが、
図2の例ではメインモニタMO1、及びサブモニタMO2の二つのモニタが設けられている。また、これらは適宜の位置に配置されてよいが、
図2の例ではサブモニタMO2は、コントロールパネルCPと同様に上面に配置されている。より具体的には、サブモニタMO2は、ユーザから見て操作ボタンCP2等の各種操作部を挟んだ奥側(プレイ時のユーザの位置の反対側)に表示面がコントロールパネルCPと同様の面を形成するように配置されている。一方、メインモニタMO1は、プレイ時にユーザの正面に位置するように、サブモニタMO2の更に奥にコントロールパネルCPと直交するように配置される。メインモニタMO1、及びサブモニタMO2は適宜に使い分けられてよく、用途に応じた各種のゲーム画面を表示する。
【0020】
スピーカSPは、楽曲や楽器の演奏音等の各種の音声を再生するための周知の音声出力装置である。ゲーム機3には、適宜の数のスピーカSPが設けられよいが、
図2の例では四つのスピーカSPが設けられている。また、これらのスピーカSPは適宜に配置されてよいが、
図2の例ではメインモニタMO1の左右に二つ、サブモニタMO2の左右に二つ、それぞれメインモニタMO1、或いはサブモニタMO2を挟むように配置されている。
【0021】
次に、
図3を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部22が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
【0022】
記憶部22は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータが読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部22は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部22には、ユーザに各種のサービスを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、サーバ用プログラムPG1が記録される。また、記憶部22には各種のサービスの提供に必要なサーバ用データSDも記録される。サーバ用データSDは、各種のサービスの提供に必要な各種のデータを含む。このようなデータは、例えば後述のゲームデータGDの一部、或いは全部等の音楽ゲーム用の各種のデータを含み得るが、
図3の例ではプレイデータPD、及び順番データODが示されている。
【0023】
プレイデータPDは、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータPDは、例えば、前回までのプレイ結果(過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。順番データODは、音楽ゲームにおいて複数の楽曲が使用される場合にそれらの複数の楽曲の使用順を特定するためのデータである。順番データODの詳細は後述する。
【0024】
また、制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのサーバ用プログラムPG1との組合せによって実現される各種の論理的装置が設けられる。制御ユニット21には、各種の論理的装置が適宜に設けられるが、
図3の例ではゲーム機サービス管理部24が示されている。ゲーム機サービス管理部24は、上述のゲーム機用サービスを提供するための処理を実行する論理的装置である。例えば、そのような処理には上述のマッチングサービスを実現するための周知な処理等が含まれる。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
【0025】
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのゲームプログラムPG2との組合せによって実現される各種の論理的装置が設けられるが、
図3の例では楽曲決定部36、順番決定部37、案内実行部38、及び評価部39が示されている。
【0026】
楽曲決定部36は、音楽ゲームのプレイに使用される楽曲を決定するための各種の処理を実行する論理的装置である。音楽ゲームで使用される楽曲(プレイ用の楽曲)は適宜に決定されてよく、例えば抽選(ランダム)、或いはゲームの都合等の各種の条件に基づいて複数の候補曲から適宜の一部がプレイ用の楽曲として決定(選択)されてよいが、一例としてプレイ用の楽曲はユーザによって選択され、決定される。また、音楽ゲームでは通常モード及び対戦モード(対戦型のゲームのプレイ)のいずれにおいても適宜の数の楽曲がプレイにおいて使用されてよいが、一例としていずれも複数の楽曲がプレイに使用される。さらに、対戦モードの場合、複数のユーザの一部(特定の一人の場合を含む)がプレイ用の全楽曲を選択してもよいし、全ユーザがそれぞれ適宜の数の楽曲(ユーザ毎に選曲数が相違する場合を含む)をプレイ用に選択してもよい。このように対戦モードにおいて複数の楽曲は適宜に選択されてよいが、一例として全ユーザがそれぞれ同数ずつ選択した楽曲の合計数がプレイ用の複数の楽曲の数として機能するように各ユーザによって選曲が実行される。このため、楽曲選択機会は、そのような複数の楽曲を選択するように提供される。楽曲決定部36が実行する処理には、このような複数の候補楽曲からプレイ用の楽曲を選択するための楽曲選択機会を提供する処理が含まれる。
【0027】
順番決定部37は、音楽ゲームのプレイにおいて使用される複数の楽曲の使用順を決定するための各種の処理を実行する論知的装置である。複数の楽曲の使用順は適宜に決定されてよく、例えばユーザによる指定、ランダム、或いはゲームの都合等に応じて決定されてよいが、一例として通常モードではユーザの指定により決定される。一方、対戦モードの場合は、各ユーザによって選択された楽曲が交互に使用されるように順番が決定される。また、対戦モードは複数の楽曲を適宜に使用してよく、例えば複数の楽曲を使用する一つの対戦として実現されてもよいし、複数の楽曲の一部を適宜に使用する複数の対戦として実現されてもよい。このように対戦モードは複数の楽曲を利用する適宜の数の対戦として実現され得るが、一例として複数の楽曲を一曲ずつそれぞれ利用する複数の対戦として実現される。このため、順番決定部37が実行する処理には、複数の対戦の対戦毎に使用されるべき楽曲を決定するための処理が含まれる。例えば、順番決定部37は、このような処理の一例として、楽曲判別処理、及び順番変更処理を実行する。楽曲判別処理、及び順番変更処理の手順の詳細は後述する。
【0028】
案内実行部38は、適切なプレイ行為を実行すべき実行時期をユーザに案内するための各種の処理を実行する論理的装置である。各実行時期は適宜に案内されてよいが、一例として上述のとおり指示標識及び基準標識を含むゲーム画面(以下、このようなゲーム画面を案内画面と呼ぶ場合がある)を通じて案内される。このため、案内実行部38は、このような案内画面を表示するための各種の処理を実行する。このような処理には、各種の周知な処理が含まれ得るが、案内処理も含まれる。つまり、案内実行部38は、このような処理の一例として案内処理を実行する。案内処理の手順の詳細は後述する。
【0029】
評価部39は、ユーザのプレイ行為を評価するための各種の処理を実行する論理的装置である。各種のプレイ行為が適宜に評価されてよいが、一例として音楽ゲームでは操作ボタンCP2、エフェクトボタンCP3、或いは回転デバイスCP4に対する押す操作等がプレイ行為として評価される。このため、評価部39は、操作ボタンCP2等に対する操作の適切性、及びその操作の実際の時期を評価するための各種の処理を実行する。
【0030】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータが読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したゲームプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、
図3の例ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、ゲームプログラムPG2に従ってユーザに所定の音楽ゲームをプレイさせるためデータである。ゲームデータGDは、例えば音楽ゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、各種のBGMを再生するためのBGMデータといった各種のデータを含んでいてよいが、
図3の例ではプレイデータPD、楽曲データMD、シーケンスデータQD、及び順番データODが示されている。
【0031】
楽曲データMD等の各種ゲームデータGDは、適宜の手法により記憶部32に記憶されてよく、例えばゲーム機3にプレインストールされていてもよいし、各種の記録媒体を介して記憶部32に記憶されてもよい。このように楽曲データMD等は適宜の手法により記憶部32に記憶され得るが、一例としてプレイデータPD、及び順番データODは必要な部分を含むように配信サービスを通じてセンターサーバ2から提供され、その他はプレインストールされている(ただし、配信サービスを通じて適宜に更新されてよい)。
【0032】
楽曲データMDは、音楽ゲームのプレイに使用される楽曲を再生するためのデータである。シーケンスデータQDは、音楽ゲームにおいて適切なプレイ行為を実行すべき各実行時期が記述されたデータである。シーケンスデータQDは、このような各実行時期をユーザに案内するために使用される。また、ユーザによって実際にプレイ行為が実行された場合には、シーケンスデータQDの実行時期に基づいてそのプレイ行為が評価される。つまり、シーケンスデータQDは各実行時期の案内及びその評価に使用される。このため、シーケンスデータQDには、各実行時期、及びその実行時期に実行されるべき適切なプレイ行為の情報(操作ボタンCP2等の各操作部を示す情報)が互いに関連付けられるように記述される。また、音楽ゲームにおいて、複数の楽曲或いは複数の難易度が用意される場合には、シーケンスデータQDは楽曲毎或いは難易度毎に用意される。
【0033】
また、ゲーム機3には、アーケードゲーム機に必要な各種の出力装置、及び入力装置が適宜に設けられ、制御ユニット31に接続され得るが、
図3の例では出力装置として上述のメインモニタMO1、サブモニタMO2、及びスピーカSPが、接続されている。つまり、ゲーム機3に設けられる出力装置には、メインモニタMO1、サブモニタMO2、及びスピーカSPが含まれる。メインモニタMO1、サブモニタMO2、スピーカSP、及びコントロールパネルCPは上述のとおりであるが、例えばメインモニタMO1、及びサブモニタMO2は、制御ユニット31からの出力信号に従って音楽ゲームを提供するための各種のゲーム画面(画像)を表示する。同様に、スピーカSPは、制御ユニット31からの出力信号に従って楽曲等の各種音声を再生する。
【0034】
一方、制御ユニット31に接続される入力装置の一例として、
図3の例ではタッチパネルTP、及び上述のコントロールパネルCPが示されている。つまり、ゲーム機3に設けられる入力装置には、タッチパネルTP、及びコントロールパネルCPが含まれる。コントロールパネルCPは、操作ボタンCP2等の各操作部に操作が実行された場合に、操作部に応じた信号を制御ユニット31に出力する。また、タッチパネルTPは、ユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を出力する周知の入力装置である。タッチパネルTPの数は適宜であってよく、例えばメインモニタMO1、及びサブモニタMO2の両方、或いはいずれか一方等、適宜に配置されてよいが、一例としてサブモニタMO2にその表示面を覆うように配置される。このため、タッチパネルTPは、サブモニタMO2に表示されるゲーム画面にタッチ操作が実行された場合に、そのタッチ操作の位置に応じた信号を制御ユニット31に出力する。なお、ゲーム機3には、その他にも業務用のゲーム装置が備える各種の入力装置及び出力装置が設けられ得る。例えば、このような入力装置には、所定の対価を徴収するための対価徴収装置が含まれる。しかし、これらの図示は省略した。
【0035】
次に、
図4~
図9を参照して、ゲーム機3が提供する音楽ゲームについて説明する。
図4は、案内画面(ゲーム画面)の一例を模式的に示す図である。案内画面はメインモニタMO1、及びサブモニタMO2のいずれに表示されてもよいが、一例としてメインモニタMO1に表示される。
図4に示すように、案内画面50は、ゲーム機3のコントロールパネルCP(操作ボタンCP2等の各種操作部)を模した画像を下部に含んでいる。そのような画像のうち2つの回転デバイスCP4を模した画像の間には、案内画面50の左右方向に延びる操作ライン51が表示される。また、操作ライン51に交差する方向には、案内画面50の上下方向に6本のレーン52が延びている。これらのレーン52上には、各種のオブジェクトが適宜に表示されるが、
図4の例では通常オブジェクト53、演出オブジェクト54、及びラインオブジェクト55が示されている。これらはいずれも指示標識として機能し、結果的に各レーン52は各指示標識の移動経路として機能する。
【0036】
具体的には、これらのオブジェクト(指示標識)は、ユーザにゲームの操作手順(プレイ行為)を案内するために適宜の時期に各レーン52に表示され、スピーカSPから再生される楽曲にタイミングを合わせて画面上部から基準標識としての操作ライン51に向かって移動する。ユーザは、これらのオブジェクトが操作ライン51に到達するタイミングで操作ボタンCP2等の各種操作部を操作する。そして、ユーザの操作のタイミングとオブジェクトの到達タイミングとが一致すると、ユーザのスコアが加算される。スコアは、その一致度合いに応じて、オブジェクトの到達タイミング(シーケンスデータQDに記述された実行時期)とユーザの操作のタイミング(実際のプレイ行為の時期)との間のずれ時間が短ければ短いほど高くなるように加算される。また、ユーザの操作のタイミングとオブジェクトの到達タイミングとが一致すると、操作対象の操作部に応じた演出音がスピーカSPから再生される。
【0037】
オブジェクトの種類は、オブジェクトの到達タイミングにおいてユーザに要求される適切なプレイ行為の種類を示している。具体的には、通常オブジェクト53は、レーン52毎に配置されるオブジェクトである。通常オブジェクト53は、操作ボタンCP2に対応し、4つのレーン52上のいずれかに表示される。そして、ユーザには、通常オブジェクト53が操作ライン51に到達するタイミングに合わせて、対応する操作ボタンCP2を押す操作が要求される。
【0038】
演出オブジェクト54は、二つのレーン上を跨ぐように配置されるオブジェクトである。演出オブジェクト54は、エフェクトボタンCP3に対応する。そして、ユーザには、演出オブジェクト54が操作ライン51に到達するタイミングに合わせて、対応するエフェクトボタンCP3を押す操作が要求される。
【0039】
ラインオブジェクト55は、案内画面50の左端及び右端のレーン52のうち一方の端のレーン52から他方の端のレーン52までの範囲で、各レーン52を横切るように配置されるオブジェクトである。ラインオブジェクト55は、右側の回転デバイスCP4と左側の回転デバイスCP4とにそれぞれ対応するように、例えば色などで区別されて表示される。また、各ラインオブジェクト55に対応するように、操作ライン51上を左右方向に移動する、例えば三角形状の操作標識(不図示)が表示される。この操作標識も左右の回転デバイスCP4にそれぞれ対応するように、例えば色などで区別して表示される。そして、例えば、ユーザには、右端のレーン52にあるラインオブジェクト55が操作ライン51に到達するタイミングに合わせて、操作標識の操作ライン51上の左右方向の位置と、ラインオブジェクト55とが一致するように、右側の回転デバイスCP4を回転させる操作が要求される。また、ユーザには、ラインオブジェクト55が操作ライン51と交差する位置に応じて、右側の回転デバイスCP4を左方向または右方向に適宜回転させる操作が要求される。このような操作は左側の回転デバイスCP4についても同様である。ユーザが回転デバイスCP4を回転させることで画面内を移動する操作標識の操作ライン51上の位置と、ラインオブジェクト55の操作ライン51との交差位置とが所定の関係にある(例えば所定の範囲内にある)と、スピーカSPから連続的な演出音が再生される。
【0040】
複数のレーン52の右方には、ユーザが得たスコアを表示するスコア表示部56がある。このスコア表示部56の上部にはクリアゾーン57があり、ユーザが得たスコアを表示するゲージ58は、スコアが加算されるにつれてクリアゾーン57に近づく。そして、ゲージ58がクリアゾーン57に到達した状態でゲームが終了すると、ゲームクリアとなる。また、複数のレーン52の上方には、再生中の楽曲を特定する特定表示の一例として、アイコン59が表示されている。例えば、このアイコン59はユーザに楽曲を想起させる画像であり、アイコン59を見たユーザは再生中の楽曲を特定することができる。さらに、アイコン59によって、ゲーム画面を見たユーザ以外の閲覧者、例えばユーザの周囲で見ている観客も、再生中の楽曲を特定することができる。なお、特定表示は、ユーザに楽曲を想起させる表示であれば、楽曲のジャケット画像、曲名等の文字、色、及び図形等の各種の表示であってよい。
【0041】
図5は、対戦モードにおけるゲームの流れを説明するための説明図である。対戦モードが選択された場合、音楽ゲームは対戦型のゲームとして提供される。対戦モードでは適宜の人数のユーザが対戦してよいが、
図5の例は二人のユーザ間において対戦が実行される場合を示している。この場合、
図5に示すように、対戦モードのゲーム範囲(所定の対価に対応する範囲)は各種の工程を適宜に含み得るが、一例としてマッチング工程、選曲工程、及び対戦工程を順に含んでいる。
【0042】
マッチング工程は、対戦モードにおける対戦相手を決定するための工程である。マッチング工程では、適宜に対戦相手が決定されてよいが、一例として上述のようにマッチングサービスを通じて対戦相手が決定される。選曲工程は、対戦モードで使用されるべき楽曲を選択するための工程である。このため、選曲工程において、上述の楽曲選択機会が提供される。楽曲選択機会では、適宜の数の楽曲がユーザ毎に選択され得るが、一例としてユーザ毎に五曲(同数の楽曲)が選択される。一方、対戦工程は、選曲工程において選択された複数の楽曲を利用して対戦型のゲームとして音楽ゲームをプレイするための工程である。対戦工程では、適宜の数の対戦が実行されてよいが、一例として12回の対戦が実行される。各対戦では、二人のユーザによって選択された十曲が適宜に使用されてよいが、一例として対戦毎に一曲ずつ使用される。この場合、楽曲数よりも対戦数の方が多いため、一部の楽曲が重複的に使用される。
【0043】
また、各対戦は連続的に実行され、各対戦間にインターバルは設けられていなくてもよいが、一例として各対戦間には所定期間のインターバルが設けられる。インターバルは適宜に活用されてよいが、一例として直前の対戦における対戦結果の提示に活用される。また、インターバルはユーザによる各種設定が許容される場合、そのような設定が実行される期間としても活用される。例えば、音楽ゲームは各種の効果やスキルを適宜に含んでいてよいが、そのようなスキル等がユーザの設定、或いは選択に伴い効果を発動する場合、インターバルはそのような設定等に活用される。
【0044】
具体的には、音楽ゲームは、一例として対戦結果に有利な影響を与える効果を発動する特殊スキルを含んでいる。特殊スキルは適宜に発動されてよいが、一例としてスキル発動用のスキル価値を所定量消費することにより発動される。このため、インターバルは特殊スキルを発動させるか否かの選択、換言すればスキル価値を所定量消費するか否かの選択のために使用される。このような選択は適宜に実現されてよいが、一例としてインターバル中の消費用の所定の操作(操作ボタンCP2等を利用した操作、或いはタッチ操作等の適宜の操作であってよい)により実現される。また、消費用の所定の操作は次の対戦において使用される楽曲を選択したユーザに限定さてもよいが、一例としていずれのユーザからも許容される。つまり、自己の選択した楽曲が使用される対戦であるか否かにかかわらず、所定量のスキル価値の消費に伴い特殊スキルは発動される。
【0045】
スキル価値の残量(所有量)は適宜に提示されてよいが、一例としてEXゲージを通じて提示される。EXゲージ(不図示)は、例えばインターバイル中に表示されるゲーム画面に含まれる。また、スキル価値は各ユーザに適宜に付与されてよいが、一例としてプレイ状況に応じて付与される。例えば、スキル価値は、ユーザのプレイが一定以上の高評価(オブジェクトの到達タイミングとユーザの操作のタイミングとの間のずれ時間が一定時間以下の場合に相当する評価)の場合、或いは各対戦の勝敗結果に応じて付与される。
【0046】
図6は、十曲が12回の対戦で使用される場合の各対戦とそこで使用される楽曲との関係を説明するための説明図である。
図6に示すように、第1ユーザ、及び第2ユーザの二人のユーザによって五曲ずつ合計十曲がプレイ用に選択される場合、各ユーザの選曲結果から一曲ずつが最初の対戦、及び最後の対戦にそれぞれ割り当てられる。具体的には、第1ユーザが“A1”~“A5”の五曲を、第2ユーザが“B1”~“B5”の五曲を、それぞれ楽曲選択機会においてプレイ用に選択(選曲)した場合、第1ユーザの選曲結果から一曲、第2ユーザの選曲結果から一曲、それぞれ12回の対戦の最初の対戦(第1対戦)、及び最後の対戦(第12対戦)に割り当てられる。最初の対戦、及び最後の対戦に割り当てられる楽曲は、いずれのユーザの選曲結果に対応していてもよいが、
図6の例では第2ユーザの選曲結果(“B3”)が最初の対戦に、第1ユーザの選曲結果(“A2”)が最後の対戦に、それぞれ割り当てられている。最初の対戦、及び最後の対戦に割り当てられる楽曲は、各ユーザの選曲結果から適宜に決定されてよく、例えばユーザの選択、或いはゲームの都合等により決定されてもよいが、一例としてランダムに決定される。
【0047】
一方、12回の対戦のうち、最初の対戦及び最後の対戦を除く、残りの10回の対戦(第2対戦~第11対戦)には、各ユーザの選曲結果が交互に使用されるように各ユーザの選曲結果(計十曲)から一曲ずつ割り当てられる。具体的には、最初の対戦に第2ユーザの選曲結果から一曲割り当てられているため、第2対戦には第1ユーザの選曲結果から割り当てが実行される。第3対戦以降も同様である。このため、第3対戦等の奇数回の対戦には第2ユーザの選曲結果から一曲ずつ割り当てられ、第2対戦等の偶数回の対戦には第1ユーザの選曲結果から一曲ずつ割り当てられる。各対戦に割り当てられる楽曲は、最初の対戦等と同様に適宜に決定されてよく、ユーザの選択等により最初の対戦等と異なる手法で決定されてもよいが、一例として最初の対戦等と同様にランダムに決定される。結果として、二人のユーザによって選択された十曲は第2対戦~第11対戦の10回の対戦にそれぞれ交互に割り当てられるとともに、それらに割り当てられた楽曲のうち第1ユーザの選択した一曲が最後の対戦と、第2ユーザの選択した一曲が最初の対戦とそれぞれ重複する。一例として、このような関係となるように各楽曲が各対戦に割り当てられる。
【0048】
各対戦で使用されるべき楽曲の割り当ては、対戦工程における各対戦の開始前の適宜の時期に実行されてよいが、一例として選曲工程における楽曲選択機会の後に実行される。そして、その割り当て、つまり各楽曲が各対戦で使用される使用順は仮の順番として機能し、少なくとも対戦工程における最初の対戦ではその仮の順番のとおりに楽曲が使用される。一方、各対戦の途中において仮の順番を変更するための変更条件が満たされた場合、その仮の順番は変更される。変更条件は適宜に満たされてよく、例えばランダム、或いは獲得スコア等のプレイ状況等に応じて適宜に満たされてよいが、一例としてユーザによって変更を指示する指示行為が実行された場合に満たされる。また、変更条件が満たされた場合、つまり指示行為が実行された場合、その指示行為が実行された対戦以降の適宜の対戦で使用される楽曲(仮の順番)が変更されてよい。つまり、指示行為に基づく仮の順番の変更は、以降の適宜のいずれの対戦において許容されてもよい。このように指示行為に基づく仮の順番の変更は、適宜の対戦に対して実行されてもよいが、一例としてその対戦に続く次の対戦に対して実行される。つまり、12回の対戦のいずれかの対戦の途中において指示行為が実行された場合、その次の対戦の楽曲が仮の順番に対応する楽曲からその指示行為に基づく他の楽曲に変更される。
【0049】
図7は、指示行為に基づく楽曲の割り当て変更を説明するため説明図である。
図7の例は、
図6の例の割り当てに沿って対戦工程における各対戦が開始されている場合を示している。また、
図7の例は、第5対戦の対戦中(途中)において指示行為が実行される場合を示している。この場合、
図7に示すように、各対戦では仮の順番に沿った楽曲が使用される。具体的には、第1対戦から第5対戦(現在)まで対戦が進行している場合、これらの対戦では
図6の例と同様の割り当てに従って楽曲が使用される。
【0050】
一方、第5対戦の途中(現在)における指示行為に基づき、第6対戦で使用される予定の楽曲が仮の順番に対応する楽曲(“A1”)から他の楽曲(“A5”)に変更される。具体的には、指示行為は適宜の時期に実行されてよいが、一例として各対戦の途中において実行される。各対戦の途中には、各対戦間のインターバルまでの適宜の時期が含まれ、例えば案内画面50を通じた各実行時期の案内、及び評価の途中、或いはそのための楽曲の再生中等の適宜の画面が含まれる。指示行為は各対戦(この例では最後の対戦を除く)における適宜の途中において実行されてよいが、
図7の例では第5対戦の途中、つまり第5対戦の対戦中に指示行為が実行されている。また、このような指示行為は適宜に実行されてよいが、
図7の例では第8対戦用の“A5”の楽曲を指示するように実行されている。この場合、第6対戦(次の対戦)用の“A1”の楽曲と第8対戦用の“A5”の楽曲とが入れ替わる。つまり、“A5”の楽曲が第6対戦に、“A1”の楽曲が第8対戦に、それぞれ割り当てられ、他の対戦に変化はないものの、指示後の使用順では“A1”及び“A5”(第6対戦、及び第8対戦の楽曲)の順番が変化する。この例において、第5対戦が本発明の一つの対戦として機能する。また、その第5対戦に続く第6対戦が本発明の次の対戦、及び一部の対戦として機能する。同様に、“A5”、及び“A1”が本発明の一つの楽曲、及び次楽曲としてそれぞれ機能する。
【0051】
また、指示行為は第1ユーザ及び第2ユーザのいずれのユーザによって実行されてもよいが、
図7の例では第1ユーザによって実行されている。この場合、その対象は自己(第1ユーザ)の選択結果に限定されても、されなくてもよい。例えば、第1ユーザによって第2ユーザが選択した楽曲(例えば第7対戦で使用予定の“B2”)の順番が変更されてもよい。さらに、変更先も変更元(例えば第7対戦で使用予定の“B2”)と同様のユーザによって選択された楽曲に限定されなくてもよい。つまり、例えば第7対戦で使用予定の“B2”を第8対戦の“A5”楽曲と入れ替えるといった具合に同じユーザの楽曲が連続するような入れ替えも許容されてよい。このように指示行為は適宜のユーザによって適宜の対象に実行されてもよいが、
図7の例では第1ユーザによって選択された楽曲(自己が選択した楽曲)に対象が限定されるように実行されている。つまり、各ユーザの楽曲が交互に使用される並びが維持されるように指示行為が実行されている。このため、第1ユーザは第1ユーザが選択した五つの楽曲(“A1”~“A5”)に、第2ユーザは第2ユーザが選択した五つの楽曲(“B1”~“B5”)に、それぞれ指示行為の対象が限定される。また、例えば最後の対戦は対象外等、その他にも適宜の条件に応じて対象外の制限が設定されてもよいが、一例としてそのような条件なく、各ユーザには自己の選択した任意の楽曲に対する順番(使用される対戦)の変更が許容される。この例において、第1ユーザ及び第2ユーザが本発明の複数のユーザとして機能する。また、それらのうち第1ユーザが本発明の一のユーザとして機能する。
【0052】
図8は、楽曲提示画面の一例を模式的に示す図である。楽曲提示画面60は、各対戦において順に使用される楽曲を提示するためのゲーム画面である。指示行為として各種操作部等への操作を含む適宜の行為が実行されてよいが、一例として楽曲提示画面60に対するタッチ操作が実行される。このため、楽曲提示画面60は、メインモニタMO1、及びサブモニタMO2のいずれに表示されてもよいが、一例としてサブモニタMO2に表示される。また、楽曲提示画面60は、適宜に表示開始されてよく、例えば各対戦の途中等、表示期間に各種の制限が設けられてもよいが、一例として楽曲選択機会の後から全対戦の終了まで継続的に表示される。
図8の例は、このような場合において第1ユーザ用に表示される楽曲提示画面60を示している。また、
図8の例は、
図7の例における指示行為が実行される場合を示している。この場合、
図8に示すように、楽曲提示画面60は、対戦情報領域61、及び楽曲情報欄62を含んでいる。
【0053】
楽曲情報欄62は、各対戦に使用される楽曲の情報を表示する欄である。楽曲情報欄62は適宜に構成されてよく、複数の楽曲の情報を含むように構成されてもよいが、
図8の例では楽曲毎に一つの楽曲情報欄62が設けられている。また、楽曲提示画面60は、対戦相手(第1ユーザにとっての第2ユーザ)が選択した楽曲に対応する楽曲情報欄62、つまり全ユーザ分の楽曲情報欄62を含んでいてもよいが、
図8の例では自己(第1ユーザ)が選択した楽曲に対応する楽曲情報欄62のみを含んでいる。さらに、このような楽曲情報欄62は、各楽曲が対応する対戦の並び順(仮の順番)に沿って配置される。具体的には、楽曲提示画面60は、全12回の対戦のうち偶数回の対戦に対応する六つの楽曲情報欄62を含み、それらは対戦の順番に沿って配置されている。また、このような対戦の順番を示す配置として各種の配置が適宜に採用されてよいが、
図8の例では下(プレイ中のユーザから見て手前側)から上(プレイ中のユーザから見て奥側)に向かって順に対戦数が増えるように配置される。結果として、楽曲提示画面60は自己の選択に対応する対戦において使用されるべき楽曲の順番(仮の順番)を提示する画面として機能する。
【0054】
各楽曲情報欄62は、使用済の楽曲(過去の対戦に対応する楽曲)と使用済でない楽曲(現在、及び将来の対戦に対応する楽曲)とを区別するように表示されてなくてもよいが、一例としてそれらを区別するように表示される。また、このような区別は適宜に実現されてよいが、
図8の例では“済”マーク63により使用済みの楽曲が使用済でない楽曲と区別されている。具体的には、第2対戦及び第4対戦は既に終了している(対戦済)のため、これらにそれぞれ対応する“A4”の楽曲、及び“A3”の楽曲は使用済みに該当する。このため、これらにそれぞれ対応する二つの楽曲情報欄62(下の二つ)は、“済”マーク63の表示を含んでいる。一方、それら以外の楽曲情報欄62に“済”マーク63は表示されていない。このように“済”マーク63の有無により使用済の楽曲(あるいは過去の対戦)と使用済でない楽曲(あるいは現在、及び将来の対戦)とが区別される。
【0055】
また、各楽曲情報欄62は、タッチ操作(指示操作)が実行されるべき範囲を示すタッチ欄としても機能する。つまり、各楽曲情報欄62には、楽曲の順番を変更するためのタッチ操作が実行される。タッチ操作に伴う順番の変更は複数の楽曲(例えば
図7の例の“A5”及び“A1”)に生じるため、このようなタッチ操作はそれらの複数の楽曲に対して実行されもよいが、一例としてそれらのいずれか一つ(例えば
図7の例の“A5”)に対して実行される。この場合、複数の楽曲の他の楽曲(例えば
図7の例の“A1”)は適宜に特定されてよく、例えばタッチ操作された一つの楽曲が次回の対戦に使用されるように順番が変更され、それ以降は順次スライド移動しても(一つずつ後ろにずれても)よい。換言すれば、このようなスライド移動が実現されるように、仮の順番における次回の対戦以降の各対戦の楽曲が他の楽曲として特定されてもよい。このように各種の変更の規則等に従って適宜のタッチ操作が実行されてよく、例えば
図7の例のように入れ替えが実行される場合でも、タッチ操作は変更先と変更元との両方を指定するように実行されてもよいが、一例として変更先(例えば
図7の例の“A5”)のみを指定するように実行される。この場合、変更元(例えば
図7の例の“A1”)は所定の特定条件に基づいて特定される。このような特定条件として適宜の条件が利用されてよく、例えばランダム、その変更先の直前等の各種規則等が利用されてもよいが、一例として予め設定された固定位置が利用される。固定位置として適宜の位置が設定されてよいが、一例として現在の対戦(指示操作が実行された対戦)の次の対戦が設定される。
【0056】
具体的には、例えば、
図7の例と同様に第8対戦の楽曲(“A5”)と第6対戦の楽曲“A1”との入れ替えを指示する場合、第1ユーザは第5対戦の対戦中において“A5”に対応する楽曲情報欄62にのみタッチ操作を実行する。これにより、タッチ操作による“A5”が変更先として、変更元として固定位置の“A1”(次の第6対戦の楽曲)が変更元として、それぞれ特定される。この場合において、変化後の順番は楽曲提示画面60に反映されなくてもよいが、一例として反映される。また、上述のように楽曲提示画面60に表示される楽曲情報欄62は第1ユーザ(自己)が選択した楽曲に限定されている。このため、変更対象の制限は、タッチ操作後ではなく、タッチ操作の対象の制限により実現される。つまり、タッチ操作(指示行為)の対象の制限は適宜に実現されてよく、例えばタッチ操作の対象が自己の選択結果に対応するか否かの判別(選択後の可否の判別)により実現されてもよいが、一例として選択肢が自己の選択結果のみに制限される(選択対象を選択可能なもののみにする)ことにより実現される。
【0057】
一方、対戦情報領域61は、各楽曲に割り当てられた対戦の情報を表示する領域である。対戦情報領域61には、各楽曲情報欄62との対応を示すように各対戦の情報が各楽曲情報欄62と同様の並び順に表示される。一例として、指示操作は、このような楽曲提示画面60に対するタッチ操作を通じて実現される。この例において、楽曲情報欄62及び対戦情報領域61といった、第1ユーザによって選択された楽曲とその楽曲が使用される対戦との関係を示す情報を含む楽曲提示画面60が本発明の楽曲情報として機能する。また、“A1”~“A5”、及びそれらのうちの“A5”が本発明の同数の楽曲、及びそれらの少なくとも一つとしてそれぞれ機能する。
【0058】
図9は、各対戦の結果と対戦モード(対戦プレイの全体)における対戦結果との関係を説明するための説明図である。
図9に示すように、全12の対戦の各対戦では、対戦毎に案内画面50を通じたプレイが提供され、そのプレイ結果に基づいて対戦毎の勝敗が判別される。勝敗は各対戦におけるプレイ(音楽ゲーム)の集計方法に応じて適宜に判別されてよいが、一例として獲得スコアの大小により判別される。また、対戦モードでは対戦する複数のユーザ間において異なる難易度の選択が許容されてもよく、この場合には満点が共通の値に設定される(共通の満点値となるように各オブジェクトに同じスコアが割り当てられる)満点方式での評価が適用される。そして、勝利数の多い方が対戦モード全体における勝者として判別される。例えば、
図9の例では第1ユーザの勝利数(
図9の例における白星の数)は7つであり、第2ユーザの勝利数は5つである。この場合、対戦モードにおける対戦の勝者は第1ユーザと判別される。各対戦のプレイ結果と対戦モード全体の対戦結果とは、適宜に判別されてよいが、一例としてこのように対戦毎に判定される勝敗数に応じて判別される。
【0059】
また、特殊スキルは対戦結果に有利な影響を与える適宜の効果を発動してよいが、一例として勝利数に影響を与える効果を発動する。具体的には、特殊スキルの発動された対戦での勝利には、通常の対戦での勝利の二倍、或いは五倍等の適宜の重み付けが実行される。このため、特殊スキルの発動された対戦での勝利は、二倍の重み付けの場合には二勝(白星二つ分)として、五倍の重み付けの場合には五勝(白星五つ分)として、それぞれ換算される。
【0060】
特殊スキルの発動に伴う効果、つまり勝利数への重み付けは、特殊スキルの発動に伴い一律であってもよいし、各種の条件に応じて変化してもよいが、一例として消費されるスキル価値の量に応じて変化する。特殊スキルの発動に必要なスキル価値の量は適宜に分類されてよいが、一例として三つに部類される。具体的には、EXゲージの全部が消費される場合、三分の二が消費される場合、三分の一が消費される場合の三つに分類される。そして、EXゲージの全部が消費された場合には八つ分の勝利数が、三分の二が消費された場合には五つ分の勝利数が、三分の一が消費された場合には二つ分の勝利数が、それぞれ特殊スキルの発動に伴う効果として生じる。
【0061】
また、特殊スキルが発動された対戦には通常の対戦と同様の評価基準が適用されてもよいが、一例として腕前の優劣が結果に表れ易くなるように通常の対戦よりも厳しいエキスパート評価基準が適用される。このようなエキスパート評価基準は適宜に実現されてよいが、例えば操作ライン51の時間軸方向における幅(評価の判定幅、換言すればずれ時間の評価範囲)が通常の対戦よりも狭くなることにより実現される。このようなエキスパート評価基準は、特殊スキルが発動したユーザのみ等、対戦中のユーザの適宜の一部にのみ適用されてもよいが、一例として対戦中の全ユーザに一律に適用される。
【0062】
スキル価値は上述のように各対戦の勝敗に応じて適宜に付与されてよいが、勝利数に重み付けがされる場合には、一例として勝負の均衡を演出する(敗者による特殊スキルの発動を促す)ために敗者の方が勝者よりも多くなるように付与される。また、スキル価値の付与量は、自己が選択した楽曲を利用した対戦であるか否かに応じて適宜に補正が適用されてもよい。
【0063】
次に、順番データODの詳細について説明する。
図10は、順番データODの構成の一例を示す図である。順番データODは複数の楽曲が順に使用される場合において適宜に利用されてよく、その用途に応じて各種の情報を含み得るが、
図10の例は対戦モードにおける対戦において複数の楽曲が使用される場合の各楽曲の管理に関連する部分を示している。この場合、
図10に示すように、順番データODは、対戦モードのプレイ毎に各楽曲の順番を管理する順番レコードODRを含んでいる。また、順番レコードODRは、このような管理を実現するために、“プレイID”、“ユーザ”、“楽曲”、“選択者”、及び“対戦”の情報を含んでいる。順番レコードODRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
【0064】
“プレイID”は、対戦モードを通じた各プレイを識別するためにプレイの機会毎にユニークなプレイIDを示す情報である。プレイIDは、ゲーム範囲毎、より具体的には例えば全12回の対戦を含む対戦モード毎にユニークに付与される。“ユーザ”は、対戦モードにおいて対戦する複数のユーザを示す情報である。“ユーザ”には対戦モードにおいて対戦する各ユーザを特定するための適宜の情報が記述されてよいが、一例としてユーザ毎にユニークに付与されるユーザIDの情報が記述される。例えば、第1ユーザと第2ユーザとが対戦する対戦モードでは、第1ユーザに対応するユーザID、及び第2ユーザに対応するユーザIDの両方が“ユーザ”に記述される。
【0065】
“楽曲”は、プレイ候補の複数の楽曲のうち対戦モードにおいて使用される各楽曲を示す情報である。“楽曲”には各楽曲を特定可能な適宜の情報が記述されてよいが、一例として楽曲毎にユニークな楽曲IDの情報が記述される。また、各対戦では各楽曲の全部が使用されてもよいし、適宜の一部(フレーズ)のみが使用されてもよく、各対戦で各楽曲の一部のみが使用される場合、“楽曲”はその一部を示す情報を含んでいてもよい。つまり、例えば全12の対戦で全十曲が使用される場合、“楽曲”にはそれらの十曲にそれぞれ対応する十個の楽曲ID、及び各楽曲として使用されるフレーズ(十曲分、或いは重複する同じ楽曲においてフレーズは相違していてもよく、その場合は十二曲分)の情報が記述される。
【0066】
“選択者”は、各楽曲を選択した選択者(ユーザ)を示す情報である。“選択者”には各選択者を特定可能な適宜の情報が記述されてよいが、一例として各選択者(ユーザ)に対応するユーザIDの情報が記述される。“対戦”は、各楽曲が使用されるべき対戦を示す情報である。“対戦”には第1対戦、第2対戦といった各対戦を特定可能な適宜の情報が記述されてよいが、一例として第1対戦、第2対戦といった各対戦に対応する数字(順番)を示す情報が記述される。結果として、“対戦”の情報が各楽曲の使用順を示す情報として機能し、指示行為(タッチ操作)に基づいて順番が変更された場合には“対戦”の情報も更新される。なお、順番データODには、これらに限定されず、各楽曲の使用順の管理に必要な適宜の情報が記述されてよい。あるいは、上述の情報は適宜に省略されてもよい。
【0067】
次に、
図11~
図13を参照して、楽曲判別処理、順番変更処理、及び案内処理について説明する。楽曲判別処理は、各対戦で使用されるべき楽曲(各楽曲の仮の順番)を判別するための処理である。楽曲判別処理では最初の対戦のみ等、全12対戦の適宜の一部において使用される楽曲のみ判別されてもよいが、一例として全12対戦において使用されるべき楽曲(全12対戦に割り当てられる楽曲)が最初の対戦の開始前に判別される。また、複数のゲーム機3がセンターサーバ2を介して対戦相手としてマッチングされる場合、各ゲーム機3において選択された楽曲はセンターサーバ2を介して他のゲーム機3に共有される。この場合、各ゲーム機3において各対戦への楽曲の割り当てが実行され、その結果がセンターサーバ2を介して他のゲーム機3と共有されてもよいが、
図11の例はセンターサーバ2において全12対戦に対する各楽曲の割り当てが実行され、その割り当て結果が各ゲーム機3に共有される場合の楽曲判別処理を示している。さらに、その判別結果(プレイ前に各対戦に割り当てられる仮の順番)は適宜に提示されてよい(提示されない場合を含む)が、
図11の例は自己の選択結果に対応する楽曲の仮の順番のみがユーザに提示される場合を示している。
【0068】
順番決定部37は、センターサーバ2から選曲情報(各楽曲選択機会における選択結果)が送信される毎に
図11の楽曲判別処理を開始し、まずその選曲情報を取得する(ステップS101)。選曲情報は、各対戦で使用されるべき楽曲の判別に必要な情報である。選曲情報は、センターサーバ2による割り当て結果に関する各種の情報を適宜に含み得るが、一例として全対戦で使用されるべき十曲(プレイ用の楽曲)、及び仮の順番の情報を含んでいる。また、各対戦では各楽曲の全部或いは一部が適宜に使用されてよい。各対戦において各楽曲の一部が使用される場合、その一部はその一部区間を抽出(特定)するための各種の抽出条件(例えばプレイ状況、或いはユーザの選択結果等を含む)によりに適宜に決定されてよく、その決定はセンターサーバ2及びゲーム機3のいずれにおいて実行されてもよいが、一例としてランダム条件(抽出条件の一例)に基づいて各対戦において使用されるべき楽曲の一部区間(フレーズ)がセンターサーバ2によって決定される。この場合、選曲情報は、各対戦で使用される楽曲の一部(フレーズ)を特定する情報も含んでいる。より具体的には、選曲情報の一例として順番データODが利用される。つまり、順番決定部37はステップS101において選曲情報の一例として順番データODを取得する。
【0069】
なお、抽出条件には、例えばその他にも所定のアルゴリズムに基づく特定(判別)結果が含まれてよい。このような所定のアルゴリズムは適宜のフレーズを特定するように構成されてよいが、例えば前の楽曲(対戦)のフレーズに対応してつながりのよい部分(フレーズ)を特定するように構成されてもよい。つまり、抽出条件(アルゴリズムによる特定結果)に基づいて前の楽曲のフレーズとつながりのよいフレーズが次ぎ楽曲(対戦)のフレーズとして特定されてもよい。この場合、対戦間のシームレスなつながりを演出することができる。また、後述のメドレ楽曲が生成される場合にはそのメドレ楽曲の完成度を高めることもできる。さらに、このような抽出条件は、各楽曲を形成する各フレーズを同一条件で特定するように構成されても、一部のフレーズ(例えばサビ部分)が他のフレーズよりも特定されやすくなる適宜の重み付けを利用するように構成されてもよい。
【0070】
続いて順番決定部37は、選曲情報に基づいて、プレイ用の楽曲、仮の順番、及び各楽曲として対戦で使用されるべきフレーズを判別する(ステップS102)。より具体的には、順番決定部37は、順番データODの“楽曲”を参照し、プレイ用の楽曲(10曲)、及びフレーズ(各楽曲の一部)を判別するとともに、“対戦”の情報を参照し、仮の順番(全12対戦にそれぞれ順に対応する楽曲)を判別する。この例において順番データOD(あるいはそこに含まれる“楽曲”及び“対戦”の情報)が本発明の楽曲判別情報として機能する。
【0071】
次に順番決定部37は、ステップS102で判別した仮の順番(各対戦にそれぞれ順に対応する楽曲)を提示する(ステップS103)。仮の順番は一例として上述のように楽曲提示画面60を通じて提示される。このため、順番決定部37は、サブモニタMO2に楽曲提示画面60を表示させることにより、この提示を実現する。そして、この提示の後に順番決定部37は今回の楽曲判別処理を終了する。これにより、プレイ用の楽曲、仮の順番、及び各対戦で使用されるフレーズがゲーム機3において特定される。より具体的には、順番データODを介して、各ゲーム機3における楽曲の選択結果、センターサーバ2による各対戦に対する各楽曲の割り当て結果、及び各対戦で使用される楽曲のフレーズの情報が共有され、プレイ用の楽曲、仮の順番、及び各対戦で使用されるフレーズが特定される。さらに、順番データOD(あるいはそれを利用した特定結果)に基づいて、仮の順番及びプレイ用の楽曲の情報を含む楽曲提示画面60が表示される。
【0072】
楽曲変更処理は、対戦開始後にプレイ前に決定された各対戦に使用されるべき楽曲、換言すれば各楽曲の仮の順番を変更するための処理である。
図12の例は、楽曲提示画面60へのタッチ操作を通じて、そのタッチ操作が実行された対戦に続く次の対戦の楽曲が変更される場合の楽曲変更処理を示している。この場合、順番決定部37は、各対戦の途中において楽曲提示画面60にタッチ操作が実行される毎、或いは対戦相手のゲーム機3における楽曲提示画面60への指示行為(タッチ操作)に伴う変更の結果がセンターサーバ2から送信される毎に
図12の順番変更処理を開始し、まず変更条件が満たされるか否か判別する(ステップS201)。具体的には、楽曲提示画面60において次の対戦以外の使用済でない楽曲に対応する楽曲情報欄62にタッチ操作が実行された場合、そのタッチ操作はそのタッチ操作の対象の楽曲を次回の対戦の楽曲に変更する指示行為として機能する。このため、順番決定部37は、ユーザのタッチ操作がこのようなタッチ操作に該当する場合、或いは対戦相手のゲーム機3において実行された指示行為の結果がセンターサーバ2から送信された場合に、変更条件が満たされると判別する。変更条件が満たされない場合、つまり例えば使用済の楽曲に対応する楽曲情報欄62へのタッチ操作である場合等、タッチ操作が指示行為に該当しておらず、かつセンターサーバ2から対戦相手による指示行為の結果が送信されていない場合、順番決定部37は以降の処理をスキップして今回の順番変更処理を終了する。
【0073】
一方、変更条件が満たされる場合、順番決定部37は楽曲を変更する(ステップS202)。各対戦に対応する楽曲は順番データODによって管理される。このため、この変更は一例として順番データODの更新により実現される。具体的には、順番決定部37は、タッチ操作が実行された楽曲情報欄62に対応する楽曲を特定し、その楽曲に対応する対戦が次の対戦となるように順番データODの“対戦”の情報を更新する。また、更新前に次の対戦で使用予定であった楽曲が、タッチ操作が実行された楽曲情報欄62の対戦に関連付けられるように順番データODの“対戦”の情報を更新する。
【0074】
続いて順番決定部37は、変更結果をセンターサーバ2に送信する(ステップS203)。より具体的には、順番決定部37は、ステップS202の変更結果が対戦相手のゲーム機3と共有されるように、更新後の順番データODをセンターサーバ2に送信する。ただし、対戦相手のゲーム機3において実行された指示行為に基づいて楽曲を変更した場合、順番決定部37はステップS203の処理をスキップする。そして、変更結果の送信(あるいは楽曲の変更)の後、順番決定部37は今回の順番変更処理を終了する。これにより、現在の対戦の途中において、その次の対戦の楽曲が、仮の順番の楽曲からユーザの指示行為によって指示された楽曲に変更される。
【0075】
案内処理は、各対戦において案内画面50を通じた案内を実現するための処理である。各対戦を通じたプレイ結果は保存されなくてもよいが、
図13の例は全対戦終了後に全対戦分のフレーズをつなげたリミックス(メドレ楽曲)としてプレイ結果が保存される場合の案内処理を示している。この場合、案内実行部38は、各対戦を切り替えるための切替条件が満たされる毎に
図13の案内を開始し、まず全楽曲の再生、つまり全12対戦が終了したか否か判別する(ステップS401)。切替条件は適宜に満たされてよいが、一例として各楽曲の再生が終了した場合に満たされる。このため、案内実行部38は各楽曲の再生が終了する毎にステップS401の処理を実行する。また、指示行為は楽曲を変更するための指示のみとして機能してもよいが、その他の用途に適宜に活用されてもよく、例えば対戦の切替指示としても機能してよい。この場合、指示行為(切替指示)の実行に伴い切替条件が満たされ、案内実行部38はステップS401の処理を実行する。なお、この場合、切替条件は、例えばリザルト画面の提供等、指示行為の他にも対戦の終了に必要な各種の要件を適宜に含んでいてよい。あるいは、指示行為に基づいて対戦が切り替えられる場合、リザルト画面の表示等は次のインターバル、或いは全対戦の終了時等に適宜に延期されてもよい。
【0076】
全楽曲の再生、つまり全12対戦が終了していない場合、案内実行部38は、次の対戦において使用されるべきシーケンスデータQDを取得する(ステップS402)。具体的には、案内実行部38は、まず順番データODに基づいて次の対戦において使用されるべき楽曲、及びフレーズを特定し、続いてその楽曲のそのフレーズに対応する部分のシーケンスデータQDを特定する。そして、案内実行部38は、その特定したシーケンスデータQDを取得する。
【0077】
次に案内実行部38は、ステップS402で取得したシーケンスデータQDを利用して、各実行時期の案内を実行する(ステップS403)。各実行時期は案内画面50を通じて実現される。このため、案内実行部38は、適宜の周知な処理を通じて案内画面50をメインモニタMO1に表示させることにより、楽曲(シーケンスデータQD)の終了まで各実行時期の案内を実現する。また、この案内は各楽曲の一部区間(フレーズ)に限定される。換言すれば、案内実行部38は、各楽曲の特定のフレーズ(抽出条件に基づいて抽出された一部区間)に制限されるように各対戦において案内画面50を通じて各実行時期を案内する。さらに、案内実行部38は、指示行為の実行を補助するための補助区間が設けられるように各実行時期の案内を実現してもよい。具体的には、案内実行部38は、各実行時期の案内が省略される区間、各実行時期の評価結果が一律の評価結果に自動で換算される(適切なプレイ行為が自動的に実行される)区間、又はプレイ行為の不実行が許容される(プレイ行為が実行されなくても、あるいは不適切なプレイ行為であっても評価対象から除外される)区間といった指示行為を補助可能な各種の区間が補助区間として楽曲(対戦)の途中(再生中)に設けられるように、案内画面50を通じた案内を実行してよい。また、このような補助区間は無条件に提供されても各種条件に基づいて提供されてもよい。例えば、補助区間の提供可否を判別するための所定の価値がゲームに設けられる場合において、このような所定の価値の消費が補助区間を提供するための条件として利用されてよい。つまり、案内実行部38は、そのような所定の価値の消費に伴い補助区間が設けられるように各実行時期の案内を実現してよい。
【0078】
一方、全楽曲の再生、つまり全12対戦が終了している場合、案内実行部38は、全12対戦における全楽曲のメドレを保存する(ステップS404)。つまり、案内実行部38は全十曲を全12対戦で使用された順につなげたメドレ楽曲を生成する。より具体的には、案内実行部38は、全12対戦の対戦中においてプレイ状況を記録しておき、その記録結果を対戦の順につなげてメドレ楽曲として保存する。そして、その保存の後、或いは楽曲の終了まで各実行時期を案内した後に案内実行部38は今回の案内処理を終了する。これにより、対戦毎に案内画面50を通じた音楽ゲームのプレイが実現される。また、そのような案内画面50を通じた対戦毎の案内は特定のフレーズ(抽出条件に基づく一部区間)に制限されるように実行される。同様に、補助区間が用意される場合、所定の価値を消費すること等の適宜の条件に応じてそのような補助区間が設けられるように案内画面50を通じた案内が実現される。さらに、指示行為が切替行為としても機能する場合、指示行為を通じて楽曲の変更だけでなく、対戦の切り替えも実現される。そして、全対戦の終了後には全対戦で使用された全楽曲分のメドレ楽曲が保存(生成)される。
【0079】
なお、メドレ楽曲は各種のデータにより適宜に構成されてよいが、一例として楽曲データMD、及びシーケンスデータQDを含んでいる。このため、メドレ楽曲は、適宜の他者との対戦用、或いは一人プレイ用としてゲームのプレイに使用可能である。あるいは、メドレ楽曲は、その利用が促されるように他のユーザに提供されてもよい。また、メドレ楽曲は、視聴(聴取だけてもよい)用、或いは実績としての保存用として使用されてもよく、これらの場合、シーケンスデータQDは省略されてもよい。さらに、メドレ楽曲は、例えばその他にもプレイ時の案内画面50が表示される場合等において評価結果の情報を含んでいてもよい(換言すれば、案内画面50が表示されない場合等においてはそのような評価結果の情報は省略されてもよい)。
【0080】
以上に説明したように、この形態によれば、対戦開始前にランダムに特定された仮の順番に従って各楽曲が使用されるように対戦が開始されるものの、各対戦の途中において指示行為(楽曲提示画面60にて楽曲を指示するタッチ操作)が実行された場合には、その指示行為によって指示された楽曲が、その指示行為が実行された対戦に続く次の対戦において使用されるべき楽曲として特定される。このため、指示行為が実行された場合、仮の順番(対戦前に決定された順番)の代わりにユーザの指示行為に対応する楽曲を、その次の対戦においてプレイ用に使用することができる。つまり、各対戦の途中におけるユーザの指示を次の対戦において使用される楽曲に反映することができる。これにより、ユーザは各対戦におけるプレイ状況を次の対戦において使用される楽曲に反映することができる。また、このような指示行為がインターバルにおいて実行される場合に比べて、各対戦間のインターバルを短くすることができる。各対戦間のインターバルが長くなる場合(例えばインターバルにおいて次の楽曲が選択される場合等)、たとえBGM等によりその時間を補ったとしても“間”(緊張感、或いは集中力等)が持たず、盛り下がってしまう可能性があるが、インターバルを短くすることによりこの可能性を低減することができる。これにより、ゲームをテンポよく進めたり、ゲーム(あるいはその流れ)を盛り上げたりすることができる。さらに、次の対戦で使用される楽曲を勝敗のための駆け引きの道具として活用することができる。結果として、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0081】
また、例えば指示行為が切替行為としても機能する場合、指示行為を次の対戦に切り替えるための指示としても活用することができる。これにより、指示行為に対戦の切替という戦略性を付加することができる。また、楽曲提示画面60に表示される楽曲が自己の選択結果に限定される場合には、指示行為の対象を自己が選択した楽曲に制限することができる。あるいは、楽曲提示画面60に対戦相手の選択した楽曲の情報も含まれる場合、各ユーザは対戦相手の楽曲を参照しつつ次の対戦の楽曲を変更することができる。これにより、楽曲の選択に関する駆け引き(戦略性)の興趣性を向上させることができる。具体的には、例えば、全12対戦の序盤において対戦相手が動揺している(上手く対戦に適応できていない)と判断される場合には高難易度の曲が序盤にくるように変更することでたたみかけるという戦略を採用することができる。あるいは、特殊スキルによる一発逆転を狙うために、高得点が期待できる楽曲を終盤に変更するという戦略を採用することが出来る。特に、対戦型のプレイにおいて勝負所(勝負の波、或いは勢い等)の判断、及びそれに基づく戦略は重要であるが、このような戦略性(駆け引き)を実現することができる。また、各対戦においてランダムに楽曲の一部区間が使用される場合には、同じ楽曲であってもプレイに使用される区間がランダムに変化するため、楽曲数を変更せずにプレイのバリエーション(流動性)を増加させることができる。
【0082】
一方、対戦中の指示行為は簡易なタッチ操作で実現可能なものの、ある程度の難しさを伴う可能性がある。このため、対戦中にそのような指示行為を補助可能な補助区間が設けられる場合、指示行為の難易度を低減することができる。また、そのような補助区間が所定の対価の消費に伴い設けられる場合、所定の対価の消費を通じて、補助区間の形成、換言すれば指示行為の可否(あるいは難易度の低減)に戦略性を持たせることができる。さらに、プレイ後にプレイ内容に対応するメドレ楽曲が生成される場合、そのようなメドレ楽曲の生成をゲームの興趣性として利用することができる。メドレ楽曲はインターバルを含まないように生成されてもよいが、仮にインターバルを含む場合でも各対戦間のインターバルを短くすることができるので、各楽曲を比較的テンポよくつなげることができる。また、メドレ楽曲においてインターバルが省略される場合でも、インターバルの時間が長いほど、現実の対戦における楽曲の再生態様(インターバル有り)と、メドレ楽曲における再生態様(インターバルなし)との乖離が激しくなるため、違和感が生じてしまう可能性がある。インターバルの時間を短くすることにより、このような乖離を低減することができるので、違和感の抑制を図ることができる。これらにより魅力的なメドレ楽曲を生成することができる。結果として、これらによりゲームの興趣性を更に向上させることができる。
【0083】
以上の形態において、ゲーム機3の順番決定部37が、
図11の手順を実行することにより本発明の楽曲判別手段、及び関係提供手段として機能する。具体的には、順番決定部37が、
図11のステップS102を実行することにより楽曲判別手段として、ステップS103を実行することにより関係提供手段として、それぞれ機能する。また、ゲーム機3の順番決定部37が、
図12の手順のステップS202を実行することにより本発明の楽曲特定手段として機能する。さらに、ゲーム機3の案内実行部38が、
図13の手順を実行することにより本発明の対戦切替手段、時期案内手段、及び楽曲生成手段として機能する。具体的には、案内実行部38が、
図13のステップS404を実行することにより本発明の楽曲生成手段として機能する。また、切替条件が指示行為を要件に含む場合、案内実行部38が
図13のステップS403を実行することにより本発明の対戦切替手段として機能する。さらに、各対戦において楽曲の一部区間が使用される場合、或いは楽曲の再生中(対戦中)に補助区間が設けられる場合には、案内実行部38が
図13のステップS403を実行することにより本発明の時期案内手段として更に機能する。
【0084】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、対戦の途中において楽曲の変更を指示するタッチ操作が実行された(変更条件が満たされた)場合にそのタッチ操作が実行された対戦の次の対戦の楽曲が変更されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。上述のようにタッチ操作に伴いそのタッチ操作が実行された対戦以降の適宜の対戦の楽曲が変更されてよく、例えばタッチ操作が実行された対戦自体の楽曲が変更されてもよい。つまり、対戦の途中においてその対戦の楽曲がユーザのタッチ操作により変更されてもよい。例えば、センターサーバ2を介した対戦における変更指示の送受信といった各種処理等のために、このような変更に所定の時間が必要な場合、そのような楽曲の変更はタッチ操作の指示から所定時間後に適用されてよい。
【0085】
また、上述の形態では、ゲーム機3が
図11~
図13の処理を実行している。結果として、ゲーム機3の単体が本発明のゲームシステムとして機能している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム機3の役割(例えば
図11~
図13の処理等)の全部或いは一部をセンターサーバ2が実行してもよい。このため、例えば
図11~
図13の処理の全部をセンターサーバ2が実行する場合、センターサーバ2単体(複数のサーバ装置の組み合わせにより実現される場合を含む)が本発明のゲームシステムとして機能してもよい。あるいは、その反対にセンタ-サーバ2の役割の全部、又は一部をゲーム機3が実行してもよい。この場合、センターサーバ2は省略されてもよい。
【0086】
また、上述の形態では、ゲーム機3は音楽ゲームを提供している。そして、指示行為は各対戦において使用される楽曲の変更に使用されている。一方、参考例として、このような指示行為は各種のゲームに適用されてよい。例えば、このような指示行為は、格闘ゲーム、或いはレースゲームといった複数のキャラクタ間で対戦する複数の対戦を含む各種の対戦ゲームにおいて各対戦で使用されるキャラクタの登場順の変更に適用されてよい。つまり、上述の指示行為は、複数の適宜の要素を複数の対戦で順に使用する各種ゲームにおいて、その要素の使用順の変更に適用されてもよい。
【0087】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0088】
本発明のゲームシステムは、ユーザのプレイ行為を入力する入力手段(CP)、及び前記プレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述されたシーケンスデータ(QD)に基づいて各実行時期を楽曲のリズムに合わせて案内する案内画面(50)を表示する表示手段(MO1)に接続され、前記ユーザによって実際に前記プレイ行為が実行された場合に当該プレイ行為としての実際のプレイ行為の実行時期を前記シーケンスデータの実行時期に基づいて評価するゲームを、複数の楽曲(例えば十曲)を利用した複数の対戦(例えば12対戦)を含む対戦型のゲームとして提供するゲームシステム(3)であって、前記複数の対戦のうち少なくとも一つの対戦(例えば第5対戦)において使用されるべき楽曲を判別するための楽曲判別情報(OD)に基づいて当該一つの対戦の楽曲(例えば“A1”)を判別する楽曲判別手段(37)と、前記一つの対戦の途中において前記複数の楽曲の少なくとも一つの楽曲(例えば“A5”)を指示する指示行為が前記対戦型のゲームを通じて対戦する複数のユーザの一のユーザによって実行された場合に、前記一つの対戦以降の少なくとも一部の対戦(例えば第6対戦)において使用されるべき楽曲として前記一つの楽曲を特定する楽曲特定手段(37)と、を備えるものである。
【0089】
本発明によれば、指示行為によって指示された楽曲が、その指示行為が実行された一つの対戦以降の少なくとも一部の対戦において使用されるべき楽曲として特定される。このため、そのようなユーザの指示行為に対応する楽曲を一部の対戦においてプレイに使用することができる。つまり、一の対戦の途中におけるユーザの指示を以降において使用される楽曲に反映することができる。これにより、ユーザは各対戦におけるプレイ状況を以降の対戦において使用される楽曲に反映することができる。また、指示行為がインターバルにおいて実行される場合に比べて、インターバルが省略される場合を含め各対戦間のインターバルを短くすることができる。これにより、ゲームをテンポよく進めたり、ゲームの雰囲気(或いは流れ)を盛り上げたりすることができる。結果として、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0090】
一部の対戦は、一の対戦以降の適宜の対戦であってよい。また、一部の対戦は一つであっても、複数であってもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記楽曲特定手段は、前記一つの対戦に続く次の対戦が前記一部の対戦として機能するように、前記次の対戦で使用されるべき楽曲として前記一つの楽曲を特定してもよい。あるいは、本発明のゲームシステムの一態様において、前記楽曲特定手段は、前記一部の対戦として前記一つの対戦が機能するように、前記一つの対戦の途中において当該一の対戦の楽曲を前記一つの楽曲に変更してもよい。
【0091】
楽曲判別情報に基づいて適宜の対戦において使用されるべき楽曲が判別されてよい。つまり、一つの対戦において使用されるべき楽曲のみが楽曲判別情報に基づいてその一つの対戦前に判別されてもよいし、一つの対戦、及びその次の対戦等の適宜の二以上の対戦においてそれぞれ使用されるべき二以上の楽曲がそれらの対戦前に判別されてもよい。このため、次の対戦において使用されるべき楽曲は一の対戦よりも前に決められていても決められていなくてもよい。また、最初の対戦前に全対戦分の楽曲が楽曲判別情報に基づいて判別されてもよい。具体的には、例えば、一部の対戦として次の対戦が利用される態様において、前記楽曲判別手段は、前記次の対戦で使用されるべき楽曲として前記楽曲判別情報に基づいて前記次の対戦よりも前に前記複数の楽曲のいずれかの楽曲を判別し、前記楽曲特定手段は、前記楽曲判別情報に基づいて判別された前記次の対戦の楽曲としての次楽曲の代わりに前記一つの楽曲が使用されるように、前記次の対戦で使用されるべき楽曲を前記次楽曲から前記一つの楽曲に変更してもよい。
【0092】
また、複数の対戦で使用される複数の楽曲は、対戦毎に相違していてもよいし、適宜の対戦において重複的に使用されてもよい。このため、複数の楽曲は複数の対戦にそれぞれ対応していてもよいし、複数の楽曲の数は複数の対戦の数より少なくてもよい。例えば、楽曲判別情報に基づいて次の対戦で使用されるべき楽曲も判別される態様において、前記楽曲判別手段は、前記複数の対戦の最初の対戦、及び最後の対戦において前記複数の楽曲のうちの二つの楽曲がそれぞれ重複的に使用されるように、前記複数の対戦の全てにおいて各対戦で使用されるべき楽曲を前記最初の対戦の開始前に判別してもよい。
【0093】
複数の楽曲は適宜に決定されてよい。例えば、複数の楽曲はランダム、各種のプレイ状況、或いはユーザの選択結果等の適宜の条件に応じて決定されてよい。また、ユーザの選択によって複数の楽曲が決定される場合、その複数の楽曲は対戦型のゲームをプレイする複数のユーザの適宜の一部のユーザによって決定されてもよい。このため、例えば、複数の楽曲の全部が一人のユーザによって決定されてもよい。また、複数の楽曲が二以上のユーザによって決定される場合、各ユーザが決定する楽曲の数は適宜であってよい。このため、各ユーザが決定する楽曲の数は一致していても相違していてもよい。さらに、複数の楽曲が二以上のユーザによって決定される場合、各ユーザによって選択された楽曲は適宜に各対戦において使用されてよい。つまり、同じユーザによって選択された二以上の楽曲が一の対戦及び次の対戦において連続的に使用されてもよい。具体的には、例えば、複数の楽曲の全てにおいて各対戦で使用されるべき楽曲が楽曲判別情報に基づいて判別される態様において、前記楽曲判別手段は、前記複数のユーザのそれぞれによって選択される同数の楽曲(例えば五曲)の合計(例えば十曲)が前記複数の楽曲の数として機能するように前記複数の楽曲を選択する楽曲選択機会が前記複数のユーザに提供される場合に、各ユーザによって選択された楽曲が各対戦において交互に使用されるように、各対戦で使用されるべき楽曲を判別してもよい。
【0094】
次の対戦において使用されるべき楽曲が楽曲判別情報に基づいて判別される場合において、その次の対戦において使用されるべき楽曲の指示行為に基づく変更は、その楽曲が指示行為を実行した一のユーザによって選択されている場合に制限されてもされなくてもよい。つまり、指示行為に基づく変更は、自己の選択結果に対応する楽曲に限定されてもよいし、他のユーザの選択結果に対応する楽曲に対して許容されてもよい。また、指示行為に基づく変更が自己の選択結果に対応する楽曲に限定される場合、自己の選択結果に対応するか否かの判別が実行されてもよいし、指示行為の対象が自己の選択結果に対応する楽曲に制限されていてもよい。具体的には、例えば、楽曲選択機会を通じて各ユーザが同数の楽曲を選択する態様において、前記指示行為は、前記一のユーザによって選択された前記同数の楽曲(例えば“A1”~“A5”)の少なくとも一つ(例えば“A5”)が前記一つの楽曲として機能するように、当該同数の楽曲の少なくとも一つに対して実行されてもよい。この場合、指示行為の対象を自己が選択した楽曲に制限することができる。
【0095】
楽曲判別情報に基づいて判別された各対戦の楽曲の情報は、各ユーザに提供されてもされなくてもよい。例えば、そのような情報がユーザに提供される場合、提供対象のユーザは適宜に限定されてよいし、限定されなくてもよい。つまり、楽曲判別情報に基づいて判別された各対戦の楽曲の情報は、対戦型のゲームをプレイする複数のユーザの適宜の一部にのみ提供されてもよいし、全ユーザに提供されてもよい。情報の提供が一部のユーザに限定される場合、各ユーザに提供される情報は自己の選択した楽曲に関する情報だけであってもよいし、その反対に他のユーザの選択した楽曲に関する情報だけであってもよい。つまり、各ユーザには適宜の情報が提供されてよい。例えば、指示行為の対象が自己の選択した楽曲に制限される態様として、前記楽曲判別情報に基づいて判別された各対戦の楽曲のうち、少なくとも前記一のユーザによって選択された楽曲と各対戦との関係に関する楽曲情報(60)を前記一のユーザに提供する関係提供手段(37)を備える態様が採用されてもよい。また、この態様において、前記関係提供手段は、前記楽曲情報として前記複数の楽曲と各対戦との関係に関する情報を前記複数のユーザのそれぞれに提供してもよい。
【0096】
各対戦において楽曲の全部が使用されてもよいし、適宜の一部が使用されてもよい。各楽曲の一部が対戦において使用される場合において、その一部はランダム、プレイ状況、或いはユーザの選択結果等の適宜の条件に基づいて決定されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、各楽曲の一部区間を抽出するための抽出条件に基づいて抽出された前記一部区間に各対戦における各実行時期の案内が制限されるように、各対戦において前記案内画面を通じて各実行時期を案内する時期案内手段(38)を備える態様が採用されてもよい。
【0097】
指示行為は適宜に実行されてよく、対戦中にはそのような指示行為を補助するために、各実行時期の案内が省略される区間、各実行時期の評価結果が一律の評価結果に自動で換算される(適切なプレイ行為が自動的に実行される)区間、又はプレイ行為の不実行が許容される(プレイ行為が実行されなくても、あるいは不適切なプレイ行為であっても評価対象から除外される)区間といった各種の補助区間が設けられてもよい。また、補助区間は、無条件に提供されてもよいし、各種の対価と引き換えに提供されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記指示行為の実行を補助するための補助区間が前記一つの対戦で使用される楽曲の再生中に設けられるように、前記一つの対戦において前記案内画面を通じて各実行時期を案内する時期案内手段(38)を備える態様が採用されてもよい。また、この態様において、前記時期案内手段は、前記対戦型のゲームに設けられる所定の価値の消費に伴い前記補助区間が設けられるように、前記一つの対戦において前記案内画面を通じて各実行時期を案内してもよい。この場合、所定の対価の消費を通じて、補助区間の形成、換言すれば指示行為の可否に戦略性を持たせることができる。
【0098】
ゲームのプレイ結果として複数の楽曲の情報は、記録されてもされなくてもよい。また、複数の楽曲の情報には適宜の情報が含まれていてよい。例えば、このような情報には、各対戦において使用された使用順の情報が含まれていてもよい。具体的には、例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記対戦型のゲームのプレイ結果として前記複数の対戦で使用された順に前記複数の楽曲をつなげたメドレ楽曲を生成する楽曲生成手段(38)を備える態様が採用されてもよい。この場合、メドレ楽曲の生成をゲームの興趣性として利用することができる。特に対戦間にインターバルが設けられる場合でもそのインターバルを短く(省略される場合を含む)することができるので、各楽曲をテンポよくつなげることができる。これにより、魅力的なメドレ楽曲を生成することができる。
【0099】
一方、本発明のコンピュータプログラム(PG2)は、前記入力手段、及び前記表示手段に接続されるコンピュータ(31)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【0100】
また、本発明の制御方法は、ユーザのプレイ行為を入力する入力手段(CP)、及び前記プレイ行為が実行されるべき各実行時期が記述されたシーケンスデータ(QD)に基づいて各実行時期を楽曲のリズムに合わせて案内する案内画面(50)を表示する表示手段(MO1)に接続され、前記ユーザによって実際に前記プレイ行為が実行された場合に当該プレイ行為としての実際のプレイ行為の実行時期を前記シーケンスデータの実行時期に基づいて評価するゲームを、複数の楽曲(例えば十曲)を利用した複数の対戦(例えば12対戦)を含む対戦型のゲームとして提供するゲームシステム(3)に組み込まれるコンピュータ(31)に、前記複数の対戦のうち少なくとも一つの対戦(例えば第5対戦)において使用されるべき楽曲を判別するための楽曲判別情報(OD)に基づいて当該一つの対戦の楽曲(例えば“A1”)を判別する楽曲判別手順と、前記一つの対戦の途中において前記複数の楽曲の少なくとも一つの楽曲(例えば“A5”)を指示する指示行為が前記対戦型のゲームを通じて対戦する複数のユーザの一のユーザによって実行された場合に、前記一つの対戦以降の少なくとも一部の対戦(例えば第6対戦)において使用されるべき楽曲として前記一つの楽曲を特定する楽曲特定手順と、を実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【符号の説明】
【0101】
3 ゲーム機(ゲームシステム)
31 制御ユニット(コンピュータ)
37 順番決定部(楽曲判別手段、楽曲特定手段、関係提供手段)
38 案内実行部(時期案内手段、楽曲生成手段)
50 案内画面
60 楽曲提示画面(楽曲情報)
CP コントロールパネル(入力手段)
OD 順番データ(楽曲判別情報)
QD シーケンスデータ
MO1 メインモニタ(表示手段)
PG2 ゲームプログラム(コンピュータプログラム)