(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124630
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】ビブス、チームの識別方法、及びビブスの製造方法
(51)【国際特許分類】
A41D 13/00 20060101AFI20220819BHJP
A63B 71/12 20060101ALI20220819BHJP
A41D 1/00 20180101ALI20220819BHJP
【FI】
A41D13/00 115
A63B71/12 Z
A41D1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022376
(22)【出願日】2021-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】520476466
【氏名又は名称】株式会社RECCOSS
(74)【代理人】
【識別番号】100166051
【弁理士】
【氏名又は名称】駒津 啓佑
(72)【発明者】
【氏名】シュタルフ 悠紀 リヒャルト
【テーマコード(参考)】
3B011
3B030
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB11
3B011AC12
3B030AA01
3B030AB09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】着用したままチーム内の構成を入れ替えた複数のチームを識別可能なビブス、チームの識別方法、及びビブスの製造方法を提供する。
【解決手段】団体を複数のチームに分ける一のチーム編成である第一チーム編成のうち、第一チーム編成における各チームを識別するための第一チーム編成識別情報を第一識別領域120が表示し、団体を第一チーム編成とは異なる複数のチームに分ける他のチーム編成である第二チーム編成のうち、第二チーム編成における各チームを識別するための第二チーム編成識別情報を第二識別領域130が表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
団体を複数のチームに分けたチーム編成における各チームを識別するために着用されるビブスにおいて、 前記団体を複数のチームに分ける一のチーム編成である第一チーム編成のうち、前記第一チーム編成における各チームを識別するための第一チーム編成識別情報を表示する第一識別領域と、 前記団体を前記第一チーム編成とは異なる複数のチームに分ける他のチーム編成である第二チーム編成のうち、前記第二チーム編成における各チームを識別するための第二チーム編成識別情報を表示する第二識別領域と、 を備えることを特徴とするビブス。
【請求項2】
前記第一チーム編成識別情報、及び前記第二チーム編成識別情報は、 前記団体を複数に分けて識別可能な色彩情報であること、 を特徴とする請求項1記載のビブス。
【請求項3】
前記第一チーム編成識別情報で選択される色彩情報と前記第二チーム編成識別情報で選択される色彩情報とは、 異なる色彩情報が選択されること、 を特徴とする請求項2記載のビブス。
【請求項4】
前記第一チーム編成識別情報と、前記第二チーム編成識別情報とは、 前記団体を複数に分けて識別可能な模様情報であること、 を特徴とする請求項1記載のビブス。
【請求項5】
前記第一識別領域と、前記第二識別領域とは、 異なる形状で設けられること、 を特徴とする請求項1記載のビブス。
【請求項6】
前記第一識別領域と、前記第二識別領域とは、 少なくともビブス本体の前面及び背面に設けられること、 を特徴とする請求項1記載のビブス。
【請求項7】
前記団体に共通した共通記号を表示するための団体共通記号表示部、 を備えることを特徴とする請求項1記載のビブス。
【請求項8】
着用者を識別するための識別記号を表示するための着用者識別記号表示部、 を備えることを特徴とする請求項1記載のビブス。
【請求項9】
前記第一識別領域及び前記第二識別領域を電子的に表示するための電子的表示手段、 を備えることを特徴とする請求項1記載のビブス。
【請求項10】
団体を複数のチームに分けたチーム編成における各チームを識別するために着用されたビブスによるチームの識別方法おいて、 前記団体を複数のチームに分ける一のチーム編成である第一チーム編成のうち、前記第一チーム編成における各チームを識別するための第一チーム編成識別情報を第一識別領域が表示する工程と、 前記団体を前記第一チーム編成とは異なる複数のチームに分ける他のチーム編成である第二チーム編成のうち、前記第二チーム編成における各チームを識別するための第二チーム編成識別情報を第二識別領域が表示する工程と、 を備えることを特徴とするチームの識別方法。
【請求項11】
前記第二識別領域が表示する第二チーム編成識別情報は、 前記第一識別領域によって識別された前記第一チーム編成における各チームを、さらに細分化して識別すること、 を特徴とする請求項10記載のチームの識別方法。
【請求項12】
団体を複数のチームに分けたチーム編成における各チームを識別するために着用されるビブスの製造方法において、 前記団体を複数のチームに分ける一のチーム編成である第一チーム編成のうち、前記第一チーム編成における各チームを識別するための第一チーム編成識別情報を表示する第一識別領域がビブス本体に設けられる工程と、 前記団体を前記第一チーム編成とは異なる複数のチームに分ける他のチーム編成である第二チーム編成のうち、前記第二チーム編成における各チームを識別するための第二チーム編成識別情報を表示する第二識別領域が前記ビブス本体に設けられる工程と、 を備えることを特徴とするビブスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビブス、チームの識別方法、及びビブスの製造方法に関し、特に所定の団体を複数のチームに分けて識別するために着用されるビブス、チームの識別方法、及びビブスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スポーツのチーム分けのために着用したり、練習試合のときに控え選手と試合に出ている選手とを識別したりするために選手らが着用するビブスが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
スポーツ以外にもビブスは、災害時、イベント、防災訓練、ボランティア活動、医療活動など多くの場で着用されており、ビブスを着用することで、着用者を目立たせることができる。
【0004】
たとえば、スポーツ時に選手がチームによって異なる色のビブスを着用することで、ビブスの色によってチーム分けを容易に行うことができる。また同じ色のビブスを着用することで、チームに一体感を与えることもできる。
【0005】
イベント時には、あらかじめビブスに役割担当を印字しておき、スタッフにその役割担当が印字されたビブスを着用させることで、そのスタッフの役割担当を容易に認識することができる。
【0006】
他にも災害医療などの緊急時に、医師、看護師などの救護者の役割が印字されたビブスを救護者に着用させることで、必要とする救護者を容易に識別することができ、救護活動をスムーズに遂行することができる。
【0007】
このように、ビブスは着用者のチームや役割担当などを識別するものとして、主にメッシュ地で形成されたベストであって、着用者が着用している着衣の上から重ねて着用するものである。
【0008】
たとえば特許文献1では、ビブスが撥水布地で構成されることで、ビブスを着用したスポーツ選手の汗を吸収しにくく、ビブスの内側に汗が溜まって結露が生じてしまう問題を解決するビブスが開示されている。
【0009】
具体的に、特許文献1で開示されたビブスは、撥水布地で構成されたビブスにおいて、撥水布地の編目が色識別性と非結露性及び放熱性を満足し得る大きさに形成されたことを特徴としている。
【0010】
これにより、撥水布地による着用者の汗をビブスが吸いにくいという特性に加え、色識別性によりビブスを見る人がビブスの色を適切に識別でき、非結露性によりビブスの内側に汗が溜まることがなく、放熱性により着用者の発汗を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、ビブスをスポーツ選手が着用し、役割担当の変更、チーム編成の変更などが頻繁に生じる場合、その都度、選手らが着用しているビブスを変更しなくてはならない問題があった。
【0013】
たとえばビブスを着用することで役割担当を識別して行うトレーニングの場合、同じ役割担当の相手とトレーニングをしてばかりでは効率よくトレーニングを行うことはできない。
【0014】
具体的にボールを敵チームと味方チームとに分けてパス回しをするトレーニングを行う場合、一定の相手選手と繰り返してパス回しを行うよりも、パス回しのトレーニングをする相手やチームを入れ替えてトレーニングを行うほうが、異なる相手とパス回しが行えるため様々なパターンのトレーニングを行うことができる。
【0015】
しかし、限られたトレーニング時間の中で、ビブスを交換する時間を設けることは非常に効率が悪い。ビブスを交換するためには、ビブスを交換する相手を探し、自分のビブスを脱衣し、交換相手とビブスを交換し、さらに交換されたビブスを着用する時間が必要になるからである。
【0016】
たとえば、30分間の限られたトレーニング時間の中で、役割担当の変更、チーム編成の変更を5回行うためには、ビブスを着替える時間が5回分必要になる。このため30分のトレーニング時間のうち、多くの時間がビブスを着替える時間に奪われてしまう問題がある。つまり実際のトレーニング時間が短くなってしまうことになる。
【0017】
また限られた時間の中で役割担当の変更、チーム編成の変更を頻繁かつ瞬時に入れ替えることで、身体を動かす運動だけでなく脳のトレーニングにつなげることができる。たとえば脳で相手と味方とを瞬時に切り替えて認識することで、脳の柔軟性や処理速度を鍛えることができる。
【0018】
しかしチーム編成の変更を限られた時間の中で頻繁に入れ替えるためには、ビブスを着替える行為が必要である。このため瞬時に役割担当の変更、チーム編成の変更を頻繁かつ瞬時に入れ替えることはできない。すなわち身体を動かす運動と脳のトレーニングとを同時に行うことはできない。
【0019】
また、トレーニングの間にビブスを着替える時間を設けることは、トレーニングに集中している選手の集中力を途切れさせる問題もある。 ビブスを交換しなければ、トレーニング時間が短くなることや選手の集中力を途切れさせることはないが、これでは同じ役割担当やチーム編成でのトレーニングばかりであり、様々なパターンのトレーニングや、運動と脳のトレーニングを同時に行うことはできない。
【0020】
また、前述のように使用後のビブスには大量の汗や汚れが付着しているため、ビブスを交換することは、他人の汗や泥が付着したビブスを交換して着用することになる。このため非常に不衛生であり、着用時に不快感を抱くことになる。
【0021】
この不衛生、不快感を解決するためには、相当数のビブスを保管しておき、チームの選手構成を入れ替えるたびに新しいビブスを選手に渡して着用してもらえば良い。しかし、相当数のビブスを保管するコストがかかる問題がある。また使用後は、相当数のビブスを洗濯して洗わなければならず、非常に手間がかかる。
【0022】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、着用したままチーム内の構成を入れ替えた複数のチームを識別可能なビブス、チームの識別方法、及びビブスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明では上記問題を解決するために、団体を複数のチームに分けたチーム編成における各チームを識別するために着用されるビブスにおいて、前記団体を複数のチームに分ける一のチーム編成である第一チーム編成のうち、前記第一チーム編成における各チームを識別するための第一チーム編成識別情報を表示する第一識別領域と、前記団体を前記第一チーム編成とは異なる複数のチームに分ける他のチーム編成である第二チーム編成のうち、前記第二チーム編成における各チームを識別するための第二チーム編成識別情報を表示する第二識別領域とを備えることを特徴とするビブが提供される。
【0024】
これにより、団体を複数のチームに分ける一のチーム編成である第一チーム編成のうち、第一チーム編成における各チームを識別するための第一チーム編成識別情報を第一識別領域が表示し、団体を第一チーム編成とは異なる複数のチームに分ける他のチーム編成である第二チーム編成のうち、第二チーム編成における各チームを識別するための第二チーム編成識別情報を第二識別領域が表示する。
【0025】
また、本発明では、団体を複数のチームに分けたチーム編成における各チームを識別するために着用されたビブスによるチームの識別方法おいて、前記団体を複数のチームに分ける一のチーム編成である第一チーム編成のうち、前記第一チーム編成における各チームを識別するための第一チーム編成識別情報を第一識別領域が表示する工程と、前記団体を前記第一チーム編成とは異なる複数のチームに分ける他のチーム編成である第二チーム編成のうち、前記第二チーム編成における各チームを識別するための第二チーム編成識別情報を第二識別領域が表示する工程とを備えることを特徴とするチームの識別方法が提供される。
【0026】
これにより、団体を複数のチームに分ける一のチーム編成である第一チーム編成のうち、第一チーム編成における各チームを識別するための第一チーム編成識別情報を第一識別領域が表示し、団体を第一チーム編成とは異なる複数のチームに分ける他のチーム編成である第二チーム編成のうち、第二チーム編成における各チームを識別するための第二チーム編成識別情報を第二識別領域が表示する。
【0027】
また、本発明では、団体を複数のチームに分けたチーム編成における各チームを識別するために着用されるビブスの製造方法において、前記団体を複数のチームに分ける一のチーム編成である第一チーム編成のうち、前記第一チーム編成における各チームを識別するための第一チーム編成識別情報を表示する第一識別領域がビブス本体に設けられる工程と、前記団体を前記第一チーム編成とは異なる複数のチームに分ける他のチーム編成である第二チーム編成のうち、前記第二チーム編成における各チームを識別するための第二チーム編成識別情報を表示する第二識別領域が前記ビブス本体に設けられる工程とを備えることを特徴とするビブスの製造方法が提供される。
【0028】
これにより、団体を複数のチームに分ける一のチーム編成である第一チーム編成のうち、第一チーム編成における各チームを識別するための第一チーム編成識別情報を第一識別領域が表示し、団体を第一チーム編成とは異なる複数のチームに分ける他のチーム編成である第二チーム編成のうち、第二チーム編成における各チームを識別するための第二チーム編成識別情報を第二識別領域が表示する。
【発明の効果】
【0029】
本発明のビブス、チームの識別方法、及びビブスの製造方法によれば、団体を複数のチームに分ける一のチーム編成である第一チーム編成のうち、第一チーム編成における各チームを識別するための第一チーム編成識別情報を第一識別領域が表示し、団体を第一チーム編成とは異なる複数のチームに分ける他のチーム編成である第二チーム編成のうち、第二チーム編成における各チームを識別するための第二チーム編成識別情報を第二識別領域が表示するので、次のような効果がある。
【0030】
第一識別領域では、第一チーム編成識別情報によって団体が複数のチームに識別される。さらに、同じビブスに設けられた第二識別領域では、第一チーム編成とは異なる複数のチームに分ける第ニチーム編成識別情報によって団体が複数のチームに識別される。このため、ビブスを着用したままでチーム内の構成を入れ替えた複数のチームを識別して分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】第1の実施の形態に係るビブスを示す正面図及び背面図である。
【
図2】第一識別領域、第二識別領域、及び第三識別領域の着色例を示す正面図及び背面図である。
【
図3】複数パターンの色の組み合わせで着色されたビブスを選手が着用した状態を示す正面図である。
【
図4】複数パターンの色の組み合わせで着色されたビブスを着用した選手が、青色チームと赤色チームとに分けられた例を示す図である。
【
図5】複数パターンの色の組み合わせで着色されたビブスを着用した選手が、緑色チームと黄色チームとに分けられた例を示す図である。
【
図6】複数パターンの色の組み合わせで着色されたビブスを着用した選手が、橙色チームと桃色チームとに分けられた例を示す図である。
【
図7】第一識別領域、第二識別領域、及び第三識別領域の他の着色例を示す正面図及び背面図である。
【
図8】第2の実施の形態に係るビブスを示す正面図及び背面図である。
【
図9】第3の実施の形態に係るビブスを示す正面図及び背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係るビブスを示す正面図及び背面図である。
【0033】
図1に示すように、ビブス100は、たとえばサッカー選手、バスケットボール選手などの所定の団体が、対峙する相手チームと味方チームとを識別することを目的として着用するものである。この他にも、災害時などに個人やチームを識別するためにも着用することができる。
【0034】
本実施の形態でのビブス100は、スポーツ選手などの所定の団体が対峙する相手チームと味方チームとを識別することを目的として着用するものを例として、以下を説明する。
【0035】
ビブス100は、たとえば網目状に形成されたメッシュ素材、薄いコットン素材、不織布などの生地によって、前身頃、後見頃、襟ぐり、及び袖ぐりが、袖なし状に縫製されたビブス本体部110によって構成される。
【0036】
なお、本実施の形態のビブス100は、襟なし、袖なし状のビブスを例にして説明するが、ビブスのデザインは適宜選択することができる。ビブス100の形状例としては、具体的に襟付きのビブス、長袖のビブス、半袖のビブスなどが挙げられる。
【0037】
ビブス本体部110の前身頃及び後身頃には、対峙する相手チームと味方チームとを識別して表示するための表示領域として、第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140を備えている。
【0038】
第一識別領域120は、ビブス本体部110の前身頃及び後身頃の全体に縞状に設けられた異なる色の模様によって、対峙する相手チームと味方チームとを識別してビブス本体部110上に表示するためのものである。
【0039】
具体的に第一識別領域120は、ビブス本体部110の前身頃及び後身頃の全体に黒色の縦縞をインクで着色することで構成される。これにより、黒色のインクで着色された部分と、ビブス本体部110の基色とが交互に表示された縞模様が形成される。これにより、第一識別領域120では、ビブス本体部110の基色が表示される。
【0040】
例えば、一のビブス本体部110の基色が赤色の場合、赤色と黒色との縦縞が表示される。また他のビブス本体部110の基色が青色の場合、青色と黒色との縦縞が表示される。この第一識別領域120に表示された色である色彩情報によって、青色チームと赤色チームとを識別して表示することができる。
【0041】
第二識別領域130は、第一識別領域120とは異なる形状でビブス本体部110に設けられ、対峙する相手チームと味方チームとを異なる色でビブス本体部110上に表示するためのものである。
【0042】
具体的に第二識別領域130は、ビブス本体部110の前身頃及び後身頃の中央部分で、水平方向に渡って帯状に対峙する相手チームと味方チームとを識別可能な色のインクで着色することで構成される。
【0043】
例えば、一のビブス本体部110には、第一識別領域120の上に重なるようにして、黄色で帯状に着色された第二識別領域130が形成される。また、他のビブス本体部110には、第一識別領域120の上に重なるようにして、緑色で帯状に着色された第二識別領域130が形成される。この第二識別領域130に表示された色である色彩情報によって、黄色チームと緑色チームとを識別して表示することができる。
【0044】
第三識別領域140は、第一識別領域120及び第二識別領域130とは異なる形状でビブス本体部110に設けられ、対峙する相手チームと味方チームとを異なる色でビブス本体部110上に表示するためのものである。
【0045】
具体的に第三識別領域140は、ビブス本体部110の前身頃及び後身頃の中央部分の一定領域に、対峙する相手チームと味方チームとを識別可能な色のインクで着色することで構成される。
【0046】
例えば、一のビブス本体部110には、第一識別領域120及び第二識別領域130の上に重なるようにして、橙色で円状に着色された第三識別領域140が形成される。また、他のビブス本体部110には、第一識別領域120及び第二識別領域130の上に重なるようにして、桃色で円状に着色された第三識別領域140が形成される。この第三識別領域140に表示された色である色彩情報によって、橙色チームと桃色チームとを識別して表示することができる。
【0047】
このように、第一識別領域120には青色と赤色、第二識別領域130には黄色と緑色、及び第三識別領域140には橙色と桃色とが表示される組み合わせパターンのビブス100が形成される。
【0048】
これにより、色が表示される識別領域の部位と、識別領域に表示される色とを指定することで、選手はビブス100を着用したままで、選手らを複数のチームに識別することができる。なお、第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140の具体的な表示例は、
図2で説明する。
【0049】
またビブス100は、団体共通記号表示部150を備えることもできる。団体共通記号表示部150には、たとえば団体の共通記号であるシンボルマークを示すマークなどをビブス本体部110に印字することができる。
【0050】
図1では、団体共通記号表示部150は、第三識別領域140の中心部分に印字されているが、この他の場所に印字することもできる。この団体共通記号表示部150に、団体で使用される共通のシンボルマークを印字することで、全体の一体感を出すことができ、団結力を向上させることができる。
【0051】
この他にも団体共通記号表示部150には、スポンサーなどによる広告表示や、ビブス100を製造する製造元や販売元を示すマーク、あるいは、ビブスを着用した個々の選手を識別するための着用者識別記号であるナンバリング表示などを印字した着用者識別記号表示部を備えることもできる。
【0052】
図2は、第一識別領域、第二識別領域、及び第三識別領域の着色例を示す正面図及び背面図である。
図2(A)に示すように、ビブス100Aは、第一識別領域120として青色(説明の都合上、図の斜線模様部分を青色として
図2以降を説明する)が着色された第一識別領域120LU、第二識別領域130として黄色(説明の都合上、図の水玉模様部分を黄色として
図2以降を説明する)が着色された第二識別領域130YL、第三識別領域140として橙色(説明の都合上、図の灰色部分を橙色として
図2以降を説明する)が着色された第三識別領域130ORを備えている。
【0053】
また
図2(B)に示すように、ビブス100Bは、第一識別領域120として赤色(説明の都合上、図の交差斜線模様部分を赤色として
図2以降を説明する)が着色された第一識別領域120RD、第二識別領域130として緑色(説明の都合上、図の縦線模様部分を緑色として
図2以降を説明する)が着色された第二識別領域130GR、第三識別領域140として橙色が着色された第三識別領域130ORを備えている。
【0054】
また
図2(C)に示すように、ビブス100Cは、第一識別領域120として青色(説明の都合上、図の斜線模様部分を青色として
図2以降を説明する)が着色された第一識別領域120LU、第二識別領域130として緑色が着色された第二識別領域130GR、第三識別領域140として桃色(説明の都合上、図の横線模様部分を桃色として
図2以降を説明する)が着色された第三識別領域130PKを備えている。
【0055】
また
図2(D)に示すように、ビブス100Dは、第一識別領域120として赤色が着色された第一識別領域120RD、第二識別領域130として黄色が着色された第二識別領域130YL、第三識別領域140として桃色が着色された第三識別領域130PKを備えている。なお、
図2では団体共通記号表示部150を省略したが、団体共通記号表示部150を任意の位置に印字することもできる。
【0056】
以上の4パターンのビブス100を製造し、選手に着用させることで、第一識別領域120では一の団体を青色チーム、赤色チームという複数のチームで分けたチーム編成で識別することができ、第二識別領域130では一の団体を緑色チーム、黄色チームという複数のチームで分けた他のチーム編成で識別することができ、さらに第三識別領域140では一の団体を橙色チーム、桃色チームという複数のチームで分けたさらに他のチーム編成で識別することがでる。
【0057】
このように、ビブス100を選手に着用させることで、選手がビブス100を脱いだり着たりすることなく、ビブス100を着用したままで複数のチームとして識別できるようになる。
【0058】
なお、本実施の形態では、団体を第一識別領域120で青色チーム、赤色チーム、第二識別領域130で緑色チーム、黄色チーム、第三識別領域140で橙色チーム、桃色チームというように、団体を2チームに分けたチーム編成を識別する例で説明したが、チームを識別するためのチーム編成識別情報である色彩情報の種類を増やすことで、団体を3チーム、4チームと多数のチームに分けることができる。
【0059】
また、第一識別領域120では団体を2チームに分けたチーム編成、第二識別領域130では団体を3チームに分けたチーム編成、第三識別領域140では団体を4チームに分けたチーム編成として識別することもできる。
【0060】
図3は、複数パターンの色の組み合わせで着色されたビブスを選手が着用した状態を示す正面図である。
図3では、ここでは図示しない選手200が
図2で示した複数パターンの色の組み合わせで着色されたビブス100を着用したものとして以下を説明する。
【0061】
選手201、選手203、選手205、及び選手213は、ビブス100Aを着用している。また選手202、選手204、選手206、及び選手214は、ビブス100Bを着用している。さらに選手207、選手209、選手211、及び選手215は、ビブス100Cを着用している。さらに選手208、選手210、選手212、及び選手216は、ビブス100Dを着用している。
【0062】
このように、所定の団体を構成する選手に、複数パターンの色の組み合わせで着色されたビブス100A~ビブス100Dを着用させ、部位と色とを指定することで、選手がビブス100を脱いだり着たりすることなく、ビブス100を着用したままで複数のチームとして識別して、チーム分けをすることができる。具体的な識別例は
図4以降で説明する。
【0063】
図4は、複数パターンの色の組み合わせで着色されたビブスを着用した選手が、青色チームと赤色チームとに分けられた例を示す図である。
図4に示すように、
図4(A)では、第一識別領域120として青色が着色された第一識別領域120LUを備えたビブス100を着用した選手が青色チームとして識別されて集まっている。
【0064】
また
図4(B)では、第一識別領域120として赤色が着色された第一識別領域120RDを備えたビブス100を着用した選手が、青色チームとして識別されて集まっている。
【0065】
なお、
図3~
図4で示した状態と同様に
図5も、選手201、選手203、選手205、及び選手213は、ビブス100Aを着用している。また選手202、選手204、選手206、及び選手214は、ビブス100Bを着用している。さらに選手207、選手209、選手211、及び選手215は、ビブス100Cを着用している。さらに選手208、選手210、選手212、及び選手216は、ビブス100Dを着用しており、各選手が着用するビブス100に変化はない。
【0066】
具体的な使用例を示すと、サッカーやバスケットボールなどの
集団スポーツ競技を行う際の練習試合やトレーニングなどの際に、複数パターンの色の組み合わせで着色されたビブス100を選手200に着用させる。
【0067】
例えば、「1回戦目は、青色の縦縞のチームと赤色の縦縞のチームとの対戦です。」などと選手達に指示することで、容易に青色の縦縞のチームと赤色の縦縞のチームとを識別することができ、青色チームと赤色チームとの2チームに分けることができる。
【0068】
なお、試合中に選手200が混じり合ったとしても、選手200がビブス100を着用している限りは、青色の縦縞のチームと赤色の縦縞のチームとを容易に識別することができる。
【0069】
図5は、複数パターンの色の組み合わせで着色されたビブスを着用した選手が、緑色チームと黄色チームとに分けられた例を示す図である。
図5に示すように、
図5(A)では、第二識別領域130として緑色が着色された第二識別領域130GRを備えたビブス100を着用した選手が緑色チームとして識別されて集まっている。
【0070】
また
図5(B)では、第二識別領域130として黄色が着色された第二識別領域130RDを備えたビブス100を着用した選手が黄色チームとして識別されて集まっている。
【0071】
なお、
図3で示した状態と同様に
図4も、選手201、選手203、選手205、及び選手213は、ビブス100Aを着用している。また選手202、選手204、選手206、及び選手214は、ビブス100Bを着用している。さらに選手207、選手209、選手211、及び選手215は、ビブス100Cを着用している。さらに選手208、選手210、選手212、及び選手216は、ビブス100Dを着用しており、各選手が着用するビブス100に変化はない。
【0072】
図4でのトレーニングの後に続いて、例えば、「2回戦目は、緑色の横帯のチームと黄色の横帯のチームとの対戦です。」などと選手達に指示することで、容易に緑色の横帯のチームと黄色の横帯のチームとを識別することができ、緑色チームと黄色チームとの2チームに分けることができる。
【0073】
なお、
図5も
図4と同様に、試合中に選手200が混じり合ったとしても、選手200がビブス100を着用している限りは、緑色の横帯のチームと黄色の横帯のチームとを容易に識別することができる。
【0074】
ここで
図4での青色チーム及び赤色チームの構成と、
図5での緑色チームと黄色チームとの構成を比較すると、各色のチームの構成選手が異なっていることがわかる。このため、1回戦目の赤色チームと青色チームとのトレーニングと、2回戦目の緑色チームと黄色チームとのトレーニングでは、チームの選手構成が異なるため、選手200はビブス100を着たままで、ことなる構成のチームでトレーニングを行うことができる。
【0075】
このため、従来のビブスでは、トレーニング毎に選手を入れ替える場合に従来のビブスを選手同士で交換し合う必要があったが、ビブス100では、その必要ない。つまり従来のビブスで必要であったビブスを交換する時間を、他の練習時間にあてがうことができる。このため、練習時間を大幅に向上させることができる。
【0076】
また、ビブス100では、トレーニング毎に選手を入れ替える場合にビブス100を交換する必要がないため、同じビブス100を着たまま、役割担当の変更、チーム編成の変更を行うことができる。
【0077】
このため、ビブス100が有する第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140に表示された色である色彩情報を指定するだけで、瞬時に役割担当の変更、チーム編成の変更を頻繁かつ瞬時に入れ替えることができる。
【0078】
このようにビブス100で役割担当の変更、チーム編成の変更を瞬時に入れ替えることで、選手200が脳で相手と味方とを瞬時に切り替えて認識するため、脳の柔軟性や処理速度を鍛えることができる。つまりビブス100を選手200が着用し、役割担当の変更、チーム編成の変更を瞬時に入れ替えてトレーニングを行うことで、運動だけでなく脳のトレーニングにつなげることができる。
【0079】
また、ビブス100が有する第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140で役割担当やチーム編成を識別するため、ビブス100を視認する必要がある。
【0080】
このため、たとえば足でボールを扱うサッカーなどのスポーツでは、ボールを扱う足元に視界を集中させるのではなく、ビブス100を着用した選手200の体部に向けることができる。つまり選手200は顔を上げて視野を確保することができ、周りの選手の動きの認知力を向上させることもできる。
【0081】
また、従来のビブスでは、トレーニングの後に汗を吸収したビブス100を脱いで、他の選手と交換する必要があったが、ビブス100ではその必要なない。このため他の選手の汗を吸収したビブスを着用するという不快感がなくなり、快適にスポーツを行うことができる。
【0082】
図6は、複数パターンの色の組み合わせで着色されたビブスを着用した選手が、橙色チームと桃色チームとに分けられた例を示す図である。
図6に示すように、
図5(A)では、第三識別領域140として緑色が着色された第三識別領域140ORを備えたビブス100を着用した選手が橙色チームとして識別されて集まっている。
【0083】
また
図6(B)では、第三識別領域140として桃色が着色された第三識別領域140PKを備えたビブス100を着用した選手が桃色チームとして識別されて集まっている。
【0084】
なお、
図3~
図5で示した状態と同様に
図6も、選手201、選手203、選手205、及び選手213は、ビブス100Aを着用している。また選手202、選手204、選手206、及び選手214は、ビブス100Bを着用している。さらに選手207、選手209、選手211、及び選手215は、ビブス100Cを着用している。さらに選手208、選手210、選手212、及び選手216は、ビブス100Dを着用しており、各選手が着用するビブス100に変化はない。
【0085】
図5でのトレーニングの後に続いて、例えば、「3回戦目は、橙色の丸チームと桃色の丸チームとの対戦です。」などと選手達に指示することで、容易に橙色の丸チームと黄色の桃色の丸チームとを識別することができ、橙色チームと桃色チームとの2チームに分けることができる。
【0086】
なお、
図6も
図4~
図5と同様に、試合中に選手200が混じり合ったとしても、選手200がビブス100を着用している限りは、橙色の丸チームと桃色の丸チームとを容易に識別することができる。
【0087】
ここで
図4での青色チーム及び赤色チームの構成と、
図5での緑色チームと黄色チームと、
図6での橙色チーム及び桃色チームとの構成を比較すると、各色のチームの構成選手が異なっていることがわかる。このため、1回戦目の赤色チームと青色チームとのトレーニングと、2回戦目の緑色チームと黄色チームと、3回戦目の橙色チーム及び桃色チームとのトレーニングでは、チームの選手構成が異なるため、選手200はビブス100を着たままで、ことなる構成のチームでトレーニングを行うことができる。
【0088】
このため、従来のビブスでは、トレーニング毎に選手を入れ替える場合に従来のビブスを選手同士で交換し合う必要があったが、ビブス100では、その必要ない。つまり従来のビブスで必要であったビブスを交換する時間を、他の練習時間にあてがうことができる。このため、練習時間を大幅に向上させることができる。
【0089】
また、従来のビブスでは、トレーニングの後に汗を吸収したビブス100を脱いで、他の選手と交換する必要があったが、ビブス100ではその必要なない。このため他の選手の汗を吸収したビブスを着用するという不快感がなくなり、快適にスポーツを行うことができる。
【0090】
図7は、第一識別領域、第二識別領域、及び第三識別領域の他の着色例を示す正面図及び背面図である。
図2の例では、ビブス本体部110の前身頃及び後身頃の全体に黒色の縦縞をインクで着色することで、黒色のインクで着色された部分と、ビブス本体部110の基色とが交互に表示された縞模様が形成される例で説明したが、
図7では白を基色としたビブス本体部110の前身頃及び後身頃の全体に第一識別領域120で表示する色の縦縞をインクで着色する。
【0091】
具体的には、
図7(E)に示すように、ビブス100Eは、第一識別領域120として青色が着色された第一識別領域120LU、第二識別領域130として緑色が着色された第二識別領域130GR、第三識別領域140として橙色が着色された第三識別領域130ORを備えている。
【0092】
また
図7(F)に示すように、ビブス100Fは、第一識別領域120として赤色が着色された第一識別領域120RD、第二識別領域130として黄色が着色された第二識別領域130YL、第三識別領域140として橙色が着色された第三識別領域130ORを備えている。
【0093】
また
図7(G)に示すように、ビブス100Gは、第一識別領域120として青色が着色された第一識別領域120LU、第二識別領域130として黄色が着色された第二識別領域130YL、第三識別領域140として桃色が着色された第三識別領域130PKを備えている。
【0094】
また
図7(H)に示すように、ビブス100Hは、第一識別領域120として赤色が着色された第一識別領域120RD、第二識別領域130として緑色が着色された第二識別領域130GR、第三識別領域140として桃色が着色された第三識別領域130PKを備えている。なお、
図2では団体共通記号表示部150を省略したが、団体共通記号表示部150を任意の位置に印字することもできる。
【0095】
以上の4パターンのビブス100を製造し、選手に着用させることで、第一識別領域120では一の団体を青色チーム、赤色チームという複数のチームで分けたチーム編成で識別することができ、第二識別領域130では一の団体を緑色チーム、黄色チームという複数のチームで分けた他のチーム編成で識別することができ、さらに第三識別領域140では一の団体を橙色チーム、桃色チームという複数のチームで分けたさらに他のチーム編成で識別することがでる。
【0096】
このように、ビブス100を選手に着用させることで、選手がビブス100を脱いだり着たりすることなく、ビブス100を着用したままで複数のチームとして識別できるようになる。
【0097】
以上のように、第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140は、容易に互いを識別可能な形状及び識別可能な位置で、かつチームを互いに識別可能な色で表示されている。
【0098】
このため、第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140から任意の識別領域を選択し、選択された識別領域からチーム分けする色を指定するだけで、容易に選手200を識別してチームに分けることができる。
【0099】
なお、本実施の形態では、第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140で表示する色を、それぞれ2色で表示したが、3色で表示することで、3チームに分類することもできる。
【0100】
また第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140のように、識別領域は第一から第三だけに限定されるものではなく、容易に互いを識別可能な形状及び位置であれば、任意の数量の表示をビブス本体部110に形成することもできる。
【0101】
〔第2の実施の形態〕 次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態のビブスは、第一識別領域、第二識別領域、及び第三識別領域の表示形態が異なる以外は、第1の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
【0102】
図8は、第2の実施の形態に係るビブスを示す正面図及び背面図である。
図8に示すように、ビブス本体部110の前身頃及び
後身頃には、対峙する相手チームと味方チームとを識別して表示するための識別領域として、第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140を備えている。
【0103】
第一識別領域120は、ビブス本体部110の前身頃の左脇部から右側の裾まで、またビブス本体部110の後身頃の左脇部から右側の裾まで帯状に斜めに設けられた異なる色の模様によって、対峙する相手チームと味方チームとを識別してビブス本体部110上に表示するためのものである。
【0104】
具体的に第一識別領域120は、ビブス本体部110の前身頃の左脇部から右側の裾まで、またビブス本体部110の後身頃の左脇部から右側の裾まで帯状に斜めに渡って帯状に対峙する相手チームと味方チームとを識別可能な色のインクで着色することで構成される。
【0105】
例えば、一のビブス本体部110には、桃色で帯状に着色された第一識別領域120PKが形成される。また、他のビブス本体部110には、橙色で帯状に着色された第一識別領域120ORが形成される。この第一識別領域120に表示された色である色彩情報によって、桃色チームと橙色チームとを識別して表示することができる。
【0106】
第二識別領域130は、第一識別領域120とは異なる形状でビブス本体部110に設けられ、対峙する相手チームと味方チームとを異なる色でビブス本体部110上に表示するためのものである。
【0107】
具体的に第二識別領域130は、ビブス本体部110の前身頃及び後身頃の中央部分で、水平方向に渡って帯状に対峙する相手チームと味方チームとを識別可能な色のインクで着色することで構成される。
【0108】
例えば、一のビブス本体部110には、第一識別領域120の上に重なるようにして、黄色で帯状に着色された第二識別領域130YLが形成される。また、他のビブス本体部110には、第一識別領域120の上に重なるようにして、緑色で帯状に着色された第二識別領域130GRが形成される。この第二識別領域130に表示された色である色彩情報によって、黄色チームと緑色チームとを識別して表示することができる。
【0109】
第三識別領域140は、ビブス本体部110の前身頃の右脇部から左側の裾まで、またビブス本体部110の後身頃の右脇部から左側の裾まで帯状に斜めに設けられた異なる色の模様によって、対峙する相手チームと味方チームとを識別してビブス本体部110上に表示するためのものである。
【0110】
具体的に第一識別領域120は、ビブス本体部110の前身頃の左脇部から右側の裾まで、またビブス本体部110の後身頃の左脇部から右側の裾まで帯状に斜めに渡って帯状に対峙する相手チームと味方チームとを識別可能な色のインクで着色することで構成される。
【0111】
例えば、一のビブス本体部110には、黒色で帯状に着色された第一識別領域120BKが形成される。また、他のビブス本体部110には、赤色で帯状に着色された第一識別領域12ORDが形成される。この第一識別領域120に表示された色である色彩情報によって、黒色チームと赤色チームとを識別して表示することができる。
【0112】
このように、第一識別領域120である第一識別領域120PK又は第一識別領域120ORによって表示される桃色と橙色、第二識別領域130である第二識別領域130YL又は第二識別領域130GRによって表示される黄色と緑色、及び第三識別領域140である第三識別領域140BK又は第三識別領域140RDによって表示される黒色と赤色、とが表示される組み合わせパターンのビブス100が形成される。
【0113】
これにより、色が表示される識別領域の部位と、識別領域に表示される色とを指定することで、選手はビブス100を着用したままで、選手らを複数のチームに識別することができる。
【0114】
以上のように、第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140は、容易に互いを識別可能な形状及び識別可能な位置で、かつチームを互いに識別可能な色で表示されている。
【0115】
このため、第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140から任意の識別領域を選択し、選択された識別領域からチーム分けする色を指定するだけで、容易に選手200を識別してチームに分けることができる。
【0116】
〔第3の実施の形態〕 次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態のビブスは、第一識別領域、第二識別領域、及び第三識別領域の表示形態が異なる以外は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
【0117】
図9は、第3の実施の形態に係るビブスを示す正面図及び背面図である。
図9に示すように、ビブス本体部110の前身頃及び後身頃には、対峙する相手チームと味方チームとを識別して表示するための識別領域として、第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140を備えている。
【0118】
第一識別領域120は、ビブス本体部110の前身頃の左脇部下付近、及びビブス本体部110の後身頃の右脇部下付近に設けられた異なる色の模様によって、対峙する相手チームと味方チームとを識別してビブス本体部110上に表示するためのものである。
【0119】
具体的に第一識別領域120は、ビブス本体部110の前身頃の左脇部下付近、及びビブス本体部110の後身頃の右脇部下付近に矩形状に設けられて対峙する相手チームと味方チームとを識別可能な色のインクで着色することで構成される。
【0120】
例えば、一のビブス本体部110には、黒色で矩形状に着色された第一識別領域120BKが形成される。また、他のビブス本体部110には、赤色で帯状に着色された第一識別領域120RDが形成される。この第一識別領域120に表示された色である色彩情報によって、黒色チームと赤色チームとを識別して表示することができる。
【0121】
第二識別領域130は、第一識別領域120とは異なる形状でビブス本体部110に設けられ、対峙する相手チームと味方チームとを異なる色でビブス本体部110上に表示するためのものである。
【0122】
具体的に第二識別領域130は、ビブス本体部110の前身頃及び後身頃の中央部分に三角形上に設けられて対峙する相手チームと味方チームとを識別可能な色のインクで着色することで構成される。
【0123】
例えば、一のビブス本体部110には、黄色で三角形状に着色された第二識別領域130YLがビブス本体部110の前身頃及び後身頃の中央部分に形成される。また、他のビブス本体部110には、緑色で三角形状に着色された第二識別領域130GRがビブス本体部110の前身頃及び後身頃の中央部分に形成される。この第二識別領域130に表示された色である色彩情報によって、黄色チームと緑色チームとを識別して表示することができる。
【0124】
第三識別領域140は、ビブス本体部110の前身頃の右脇部下付近、及びビブス本体部110の後身頃の左脇部下付近に設けられた異なる色の模様によって、対峙する相手チームと味方チームとを識別してビブス本体部110上に表示するためのものである。
【0125】
具体的に第三識別領域140は、ビブス本体部110の前身頃の右脇部下付近、及びビブス本体部110の後身頃の左脇部下付近に円形状に設けられて対峙する相手チームと味方チームとを識別可能な色のインクで着色することで構成される。
【0126】
例えば、一のビブス本体部110には、桃色で円形状に着色された第三識別領域140PKが形成される。また、他のビブス本体部110には、橙色で帯状に着色された第三識別領域140ORが形成される。この第三識別領域140に表示された色である色彩情報によって、桃色チームと橙色チームとを識別して表示することができる。
【0127】
このように、第一識別領域120である第一識別領域120BK又は第一識別領域120RDによって表示される黒色と赤色、第二識別領域130である第二識別領域130YL又は第二識別領域130GRによって表示される黄色と緑色、及び第三識別領域140である第三識別領域140PK又は第三識別領域140ORによって表示される桃色と橙色、とが表示される組み合わせパターンのビブス100が形成される。
【0128】
これにより、色が表示される識別領域の部位と、識別領域に表示される色とを指定することで、選手はビブス100を着用したままで、選手らを複数のチームに識別することができる。
【0129】
以上のように、第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140は、容易に互いを識別可能な形状及び識別可能な位置で、かつチームを互いに識別可能な色で表示されている。
【0130】
このため、第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140から任意の識別領域を選択し、選択された識別領域からチーム分けする色を指定するだけで、容易に選手200を識別してチームに分けることができる。
【0131】
なお、第1の実施の形態~第3の実施の形態では、第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140をビブス本体部110に着色する例で説明したが、例えば有機EL(Electro Luminescence)などの湾曲可能な電子的表示手段をビブス本体部110に埋め込むことができる。
【0132】
これにより、ビブス本体部110に埋め込まれた電子的表示手段が、第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140が容易に互いを識別可能な形状及び識別可能な位置で、チームを互いに識別可能な色で第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140の表示領域を電子的に表示することもできる。
【0133】
なお、第1の実施の形態~第3の実施の形態では、第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140をビブス本体部110に着色する例で説明したが、色である色彩情報によって識別させるだけでなく、斜線模様、交差斜線模様、水玉模様などのように、各識別領域に表示させた模様情報によって識別させることもできる。
【0134】
このように色を使わない方法で、たとえば色覚に異常がある選手200が所定の団体に含まれていたとしても、他の選手200と同様に、各識別領域に表示させた模様情報によってチームを識別させることもできる。
【0135】
また、第1の実施の形態~第3の実施の形態では、第一識別領域120、第二識別領域130、及び第三識別領域140から任意の識別領域を選択し、選択された識別領域からチーム分けする色を指定することで、チームを識別する例で説明したが、選択された識別領域により識別されたチームに加え、さらに選択された識別領域以外の識別領域で表示されたチーム編成識別情報である色彩情報を組み合わせることで、識別されたチームをさらに細分化することができる。
【0136】
具体的には、
図4に示すように、
図4(A)では、第一識別領域120として青色が着色された第一識別領域120LUを備えたビブス100を着用した選手が青色チームとして識別されて集まっている。また
図4(B)では、第一識別領域120として赤色が着色された第一識別領域120RDを備えたビブス100を着用した選手が、青色チームとして識別されて集まっている。
【0137】
ここで、例えば
図4(A)の青色チームと、
図4(B)の赤色チームに分かれて、それぞれのチームがボールを持って、各自のチーム内でボールをパス交換する練習を行うとする。
【0138】
第一識別領域120として青色が着色された第一識別領域120LUを備えたビブス100を着用した選手が青色チームの中で、第一識別領域120とは異なる識別領域である、例えば第二識別領域130において、緑色が着色された第二識別領域130GRを有する選手200は、左足のみでボールを扱い、黄色が着色された第二識別領域130YRを有する選手200は、右足のみでボールを扱う、
などと指示することで、練習やゲームの多様性を広げることができる。
【0139】
また、第一識別領域120として赤色が着色された第一識別領域120RDを備えたビブス100を着用した選手が赤色チームの中で、第一識別領域120とは異なる第三識別領域140において、橙色が着色された第三識別領域140ORを有する選手200は、足でボールを蹴り、桃色が着色された第三識別領域130PKを有する選手200は、ボールを手で投げる、などと指示することで、練習やゲームの多様性を広げたり、新しい遊びを開発したりすることができる。
【0140】
以上のように、選択された識別領域により識別されたチームに加え、さらに選択された識別領域以外の識別領域で表示されたチーム編成識別情報である色彩情報を組み合わせることで、識別されたチームをさらに細分化し、第一識別領域120によるチームの識別だけでなく、さらに第二識別領域130または第三識別領域140によってチーム内の選手200の行動、動作などを関連付けて識別することができる。
【符号の説明】
【0141】
100 ビブス 110 ビブス本体部 120 第一識別領域 130 第二識別領域 140 第三識別領域 150 団体共通記号表示部 200 選手