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特開2022-124667打音検査についての情報処理方法及び装置
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  • 特開-打音検査についての情報処理方法及び装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124667
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】打音検査についての情報処理方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/40 20060101AFI20220819BHJP
   G01N 29/46 20060101ALI20220819BHJP
   G01N 29/04 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
G01N29/40
G01N29/46
G01N29/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022433
(22)【出願日】2021-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】595061705
【氏名又は名称】株式会社アニモ
(74)【代理人】
【識別番号】100103528
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 一男
(72)【発明者】
【氏名】木村 晋太
(72)【発明者】
【氏名】田中 慎一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 将之
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA10
2G047BC03
2G047CA03
2G047EA10
2G047GG06
2G047GG12
2G047GG25
(57)【要約】
【課題】診断対象の作成時の条件や内部構造の違いによる影響を抑えて異常を判定できるようにする。
【解決手段】本異常判定方法は、(A)診断対象の異なる箇所における複数の打音又は振動を含む音響データ又は振動データである処理データから、処理データにおける打音又は振動の時間位置を検出するステップと、(B)処理データにおいて異常判定の対象となる1又は複数の区間を検出するステップと、(C)処理データにおける区間毎に、当該区間に含まれる複数の打音又は振動の周波数成分のばらつき度合いに基づき、異常の有無を判定するステップとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
診断対象の異なる箇所における複数の打音又は振動を含む音響データ又は振動データである処理データから、前記処理データにおける打音又は振動の時間位置を検出するステップと、
前記処理データにおいて異常判定の対象となる1又は複数の区間を検出するステップと、
前記処理データにおける区間毎に、当該区間に含まれる複数の打音又は振動の周波数成分のばらつき度合いに基づき、異常の有無を判定するステップと、
を、コンピュータに実行させるための異常判定プログラム。
【請求項2】
前記打音又は振動の時間位置を検出するステップが、
前記処理データに対して波形包絡線を算出するステップと、
前記波形包絡線から、振幅及び継続時間に基づき、前記処理データにおける前記打音又は振動の時間位置を検出するステップと、
を含む請求項1記載の異常判定プログラム。
【請求項3】
前記1又は複数の区間を検出するステップにおいて、
検出された前記打音又は振動の時間位置の間隔に基づき、前記1又は複数の区間を検出する
請求項1又は2記載の異常判定プログラム。
【請求項4】
前記異常の有無を判定するステップが、
前記区間に含まれる複数の打音又は振動の各々について複数次元のスペクトルパラメータを算出するステップと、
前記複数次元の各々についてスペクトルパラメータのばらつきを表す値を算出するステップと、
算出された前記値に基づき、異常の有無を判定するステップと、
を含む請求項1乃至3のいずれか1つ記載の異常判定プログラム。
【請求項5】
診断対象の異なる箇所における複数の打音又は振動を含む音響データ又は振動データである処理データから、前記処理データにおける打音又は振動の時間位置を検出するステップと、
前記処理データにおいて異常判定の対象となる1又は複数の区間を検出するステップと、
前記処理データにおける区間毎に、当該区間に含まれる複数の打音又は振動の周波数成分のばらつき度合いに基づき、異常の有無を判定するステップと、
を含み、コンピュータにより実行される異常判定方法。
【請求項6】
診断対象の異なる箇所における複数の打音又は振動を含む音響データ又は振動データである処理データから、前記処理データにおける打音又は振動の時間位置を検出する手段と、
前記処理データにおいて異常判定の対象となる1又は複数の区間を検出する手段と、
前記処理データにおける区間毎に、当該区間に含まれる複数の打音又は振動の周波数成分のばらつき度合いに基づき、異常の有無を判定する手段と、
を有する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打音検査技術に関する。
【背景技術】
【0002】
打音検査においては、ハンマーなどで診断対象を叩くことで診断対象内に発生する振動や、当該振動により診断対象の表面から空中に放射される音響を測定して、診断対象の内部の状態を診断する。
【0003】
ある文献では、打音の周波数スペクトラムを事前に機械学習して、正常と異常を識別する技術を開示している。しかしながら、例えば、診断対象がコンクリートであるとすると、コンクリートを生成するときに使われたセメント、水、砂、石等の比率の違い、コンクリート構造物内の鉄筋の有無や鉄筋の密度の違いによって、振動や音響が変化するため、適切に異常又は正常を判別するために事前の機械学習に掛かる手間は膨大となり、あまり実用的ではない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】藤井浩光等、「打音検査における変状検出のための時間周波数パターン抽出」、ロボティクス・メカトロニクス 講演会2016、DOI<https://doi.org/10.1299/jsmermd.2016.2P1-10a1>
【非特許文献2】藤井浩光等、「打音検査のための自動校正機能を備えた自動変状診断アルゴリズム」、日本機械学会論文集、2016年、DOI<https://doi.org/10.1299/transjsme.15-00426>
【非特許文献3】藤井浩光等、「効率的な打音検査のための連続的な打撃音を用いたコンクリート材料中のクラック検出」、URL<www.robot.t.u-tokyo.ac.jp/~yamashita/paper/E/E264Final.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、一側面によれば、診断対象の作成時の条件や内部構造の違いによる影響を抑えて異常を判定できるようにする新規な打音検査技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る異常判定方法は、(A)診断対象の異なる箇所における複数の打音又は振動を含む音響データ又は振動データである処理データから、処理データにおける打音又は振動の時間位置を検出するステップと、(B)処理データにおいて異常判定の対象となる1又は複数の区間を検出するステップと、(C)処理データにおける区間毎に、当該区間に含まれる複数の打音又は振動の周波数成分のばらつき度合いに基づき、異常の有無を判定するステップとを含む。
【発明の効果】
【0007】
一側面によれば、診断対象の作成時の条件や内部構造の違いによる影響を抑えて異常を判定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施の形態に係るシステムの構成を表す図である。
図2図2は、システムの処理内容を表す処理フローを示す図である。
図3図3は、打音位置の検出を説明するための図である。
図4図4は、打音位置検出処理の処理フローを示す図である。
図5図5は、異常判定処理の処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、診断対象をコンクリート構造物であるトンネルの天井として説明するが、診断対象はこれに限定されるものでは無い。また、音響データを処理する例を示すが、振動データを処理するようにしても良い。
【0010】
本実施の形態では、例えば、トンネル内において作業員が作業車に乗車して、ハンマーで天井を連続して叩いている間は、作業車が移動するような状況を想定する。打音検査の対象となるトンネル内では、コンクリートの作成時の条件や内部構造が異なる複数の区間が存在しており、作業員は、原則として各区間内においては連続してハンマーで叩くことで打音をマイクにより収録するものとする。
【0011】
図1に、本実施の形態に係る打音検査を行う情報処理装置の構成例を示す。本実施の形態に係る情報処理装置100は、有線又は無線にてマイク200に接続される。マイク200は、例えば作業員のヘルメットに装着されており、作業員によりハンマーで叩かれる天井から放射される音波を捉えやすくなるような方向に指向性を有しており、電気信号としての音響信号を情報処理装置100に出力する。
【0012】
情報処理装置100は、AD(Analog to Digital)変換部110と、雑音除去部120と、データ格納部130と、打音位置検出部140と、区間検出部150と、異常判定部160と、出力部170とを有する。AD変換部110は、マイク200からの音響信号をディジタルの音響データに変換する。雑音除去部120は、例えば音響データに対するハイパスフィルタとして機能する。データ格納部130は、例えば雑音除去後の音響データを格納する。
【0013】
打音位置検出部140は、データ格納部130に格納された音響データから、音響データにおける打音位置を検出する処理を実行する。区間検出部150は、データ格納部130に格納された音響データにおいて、例えば打音位置のデータに基づき、コンクリートの作成時の条件や内部構造が同じとみなされる(すなわち、各々対象が一様又は均一とみなされる)複数の区間を検出する。異常判定部160は、複数の区間の各々について、打音位置における音響データに基づき、異常の有無について判断する。出力部170は、例えば異常を検出したことを出力する。出力部170は、音声や振動、表示装置への出力を行う。
【0014】
次に、図2乃至図4を用いて、情報処理装置100の処理内容について説明する。まず、AD変換部110は、マイク200からの音響信号をディジタルの音響データに変換する(ステップS1)。そして、雑音除去部120は、音響データに対して雑音除去処理を実行し、処理結果をデータ格納部130に格納する(ステップS3)。例えば、カットオフ周波数3500Hz程度のハイパスフィルタに、音響データを通すことで、雑音除去処理を実行する。但し、周囲の雑音の状況に応じてその処理内容については変更する。
【0015】
例えば、図3(a)に示すような音響データが得られた場合を考える。図3では、横軸は時間を、縦軸は信号の振幅(ここでは正規化された振幅)を表す。そして、この音響データに対して雑音除去処理を実行すると、図3(b)に示すような音響データが得られる。
【0016】
次に、打音位置検出部140は、雑音除去後の音響データに対して打音位置検出処理を実行する(ステップS5)。打音位置検出処理については、図3及び図4を用いて説明する。
【0017】
まず、打音位置検出部140は、雑音除去後の音響データに対して波形包絡線を算出する処理を実行する(図4:ステップS21)。波形包絡線は、整流処理と平滑化(例えば時定数1ms程度)とを行うものである。これによって、打音のエネルギーの時間変化に対応するデータが得られるようになる。図3の例では、図3(c)に示すようなデータが得られる。
【0018】
そうすると、打音位置検出部140は、波形包絡線において、予め設定された包絡線閾値以上となる部分を打音候補として特定する(ステップS23)。例えば、波形包絡線においてあり得る振幅最大値に対する所定割合(例えば3割)を閾値に設定し、当該閾値以上となる部分を特定する。雑音除去処理で除去できなかった雑音を除去するものである。
【0019】
そして、打音位置検出部140は、打音候補のうち継続時間が閾値未満となる打音候補を抽出して、抽出された打音候補の時間位置を打音位置として検出する(ステップS25)。ハンマーなどによって叩く場合、その打音は例えば数十ms程度の短さになるので、それ以上長いパルス部分は、ハンマーによる打音ではないと推定される。このような振幅及び継続時間の基準にて打音位置を検出すると、図3の例では図3(d)に示すような打音位置が抽出される。このように、打音位置はある程度連続しているが、その間隔は一定ではなく、比較的長い間隔の部分もある。上でも述べたように、作業員は、ある程度、コンクリートの作成時の条件や内部構造が同じであるとみなされる区間を認識しているので、異なる区間に移る場合には打音位置の間隔が広くなるように叩く間隔を調整している。
【0020】
図2の処理の説明に戻って、区間検出部150は、検出された打音位置に基づき、音響データにおいて、コンクリートの作成時の条件や内部構造が同じであるとみなされる区間(すなわち対象が均一又は一様とみなされる区間)を検出する(ステップS7)。例えば、打音の間隔が、例えば約1秒以上空いている部分で、音響データを区切る。但し、上でも述べたように、ハンマーで叩いている間は作業車が移動するような場合には、別の計測器で作業車の位置及び時刻を定期的に計測し、コンクリートの作成時の条件や内部構造が同じであるとみなされる物理的な位置の記録と照らし合わせて、音響データにおける区間を特定するようにしても良い。
【0021】
音響データにおける打音位置及び区間を特定するためのデータについては、異常判定部160に出力され、異常判定部160は、これらのデータとデータ格納部130に格納されている音響データとから、異常判定処理を実行する(ステップS9)。この処理については、図5を用いて説明する。図5の処理は、区間毎に行う。
【0022】
異常判定部160は、音響データから、処理対象の区間における各打音位置のパワースペクトルを、例えばFFT(Fast Fourier Transformation)等により算出する(図5:ステップS31)。なお、本区間における打音の数をn、パワースペクトルのポイント数をmとすると、パワースペクトルSpij(i=0,...,n-1)(j=0,...,m-1)が算出されるものとする。
【0023】
次に、異常判定部160は、所定帯域毎に、各打音の帯域パラメータを算出する(ステップS33)。例えばl個の所定帯域に分割し、帯域内のパワースペクトルを合算することで、帯域パラメータを算出する。kは、帯域のインデックスであり、iは打音のインデックスである。
【数1】
帯域kには、sからeまでのパワースペクトルが含まれるものとする。このように、異常判定部160は、各打音について、複数次元のスペクトルパラメータの一例として、複数の帯域についての帯域パラメータを算出する。
【0024】
また、異常判定部160は、所定帯域毎に、帯域パラメータの平均値を算出する(ステップS35)。
【数2】
【0025】
さらに、異常判定部160は、所定帯域毎に、帯域パラメータの標準偏差を算出する(ステップS37)。なお、ばらつきを表す値として、分散を算出するようにしても良い。
【数3】
【0026】
そして、異常判定部160は、標準偏差から、ばらつき度合いを表す指標値を算出する(ステップS39)。この指標値は、例えば、標準偏差の最大値とする。但し、他の統計量を採用するような場合もある。
【0027】
最後に、異常判定部160は、指標値に基づき異常か否かを判定する(ステップS41)。具体的には、指標値が予め定められた閾値以上であれば異常と判定し、指標値が閾値未満であれば正常と判断する。
【0028】
このように、特定の帯域においてパワースペクトルの合算値である帯域パラメータに、ばらつきが大きくなると、その区間は異常と判断される。これにより、例えば、コンクリートに空洞が生じている場合、当該空洞付近の打音にはその空洞による共振が現れて、周辺の正常な部分の周波数分布とは異なる周波数分布を生ずるという現象を捉えることができるようになる。なお、同じような空洞があっても、必ずしも同じ周波数帯域で共振が生ずるわけではなく、コンクリートの作成時の条件や内部構造が異なっていれば、空洞による影響は異なる周波数帯に現れる。従って、上記のような各区間について、打音の周波数成分のばらつきという観点で判定すれば、事前の学習が無くとも、異常の有無を精度良く判定できるようになる。
【0029】
図2の処理の説明に戻って、出力部170は、異常判定部160の判定結果を受けて、区間毎に異常の有無を出力する(ステップS11)。
【0030】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図1の機能ブロック構成は一例であって、プログラムモジュール構成とは一致しない場合がある。図2等に示した処理フローについても、処理結果が同じであれば、並列実行したり順番を入れ替えたりしても良いステップが含まれる場合もある。
【0031】
また、情報処理装置100は、一台の装置として実施される場合もあれば、複数の装置として実施される場合もある。例えば、AD変換部110又はAD変換部110及び雑音除去部120までを作業員が保持する端末に備えて、AD変換部110又は雑音除去部120の出力を、有線又は無線で他の情報処理装置に送信するようにしても良い。このように情報処理装置100は、1又は複数の装置で実現される情報処理システムとして構築される場合もあり、1台の装置の場合を含めて情報処理システムと呼ぶ場合がある。
【0032】
なお、上で述べた情報処理装置100は、コンピュータ装置であって、メモリとCPU(Central Processing Unit)とハードディスク・ドライブ(HDD:Hard Disk Drive)と表示装置に接続される表示制御部とリムーバブル・ディスク用のドライブ装置と入力装置とネットワークに接続するための通信制御部とがバスで接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施例における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDDに格納されており、CPUにより実行される際にはHDDからメモリに読み出される。CPUは、アプリケーション・プログラムの処理内容に応じて表示制御部、通信制御部、ドライブ装置を制御して、所定の動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、主としてメモリに格納されるが、HDDに格納されるようにしてもよい。本発明の実施の形態では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはコンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスクに格納されて頒布され、ドライブ装置からHDDにインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部を経由して、HDDにインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU、メモリなどのハードウエアとOS及びアプリケーション・プログラムなどのプログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
【0033】
以上述べた本実施の形態をまとめると以下のようになる。
【0034】
本実施の形態に係る異常判定方法は、(A)診断対象の異なる箇所における複数の打音又は振動を含む音響データ又は振動データである処理データから、処理データにおける打音又は振動の時間位置を検出するステップと、(B)処理データにおいて異常判定の対象となる1又は複数の区間を検出するステップと、(C)処理データにおける区間毎に、当該区間に含まれる複数の打音又は振動の周波数成分のばらつき度合いに基づき、異常の有無を判定するステップとを含む。
【0035】
このような処理を行うことで、診断対象の作成時の条件や内部構造の違いによる影響を抑えて異常を判定できるようになる。
【0036】
また、(A)打音又は振動の時間位置を検出するステップが、(a1)処理データに対して波形包絡線を算出するステップと、(a2)波形包絡線から、振幅及び継続時間に基づき、処理データにおける打音又は振動の時間位置を検出するステップとを含むようにしても良い。例えば、ハンマーなどで叩くことによって生ずる短く強いパルスを抽出するものである。
【0037】
さらに、(B)1又は複数の区間を検出するステップにおいて、検出された打音又は振動の時間位置の間隔に基づき、1又は複数の区間を検出するようにしても良い。上でも述べたように、打音又は振動の時間位置の間隔では無く、別の計測器で作業員が乗車する作業車の位置及び時刻を定期的に計測した結果に基づいて、区間を特定しても良い。
【0038】
さらに、(C)異常の有無を判定するステップが、(c1)区間に含まれる複数の打音又は振動の各々について複数次元のスペクトルパラメータを算出するステップと、(c2)複数次元の各々についてスペクトルパラメータのばらつきを表す値(例えば、標準偏差、分散など)を算出するステップと、(c3)算出された値(例えば、複数の標準偏差や分散など、さらにそれらの最大値などの統計量)に基づき、異常の有無を判定するステップとを含むようにしても良い。
【0039】
なお、上記処理を実行するためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブルディスク、光ディスク(CD-ROM、DVD-ROMなど)、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。尚、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
【符号の説明】
【0040】
100 情報処理装置
200 マイク 110 AD変換部
120 雑音除去部 130 データ格納部
140 打音位置検出部 150 区間検出部
160 異常判定部 170 出力部
図1
図2
図3
図4
図5