(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124692
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】端末、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20220819BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
G06Q10/00
H04M1/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022470
(22)【出願日】2021-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000102717
【氏名又は名称】NTTテクノクロス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 龍雄
【テーマコード(参考)】
5K127
5L049
【Fターム(参考)】
5K127AA36
5K127BB14
5K127CB02
5K127FA12
5K127GE16
5K127HA11
5K127HA29
5K127JA54
5K127KA11
5L049AA02
(57)【要約】
【課題】機密情報の漏洩を防止すること。
【解決手段】一実施形態に係る端末は、所定の情報を管理する情報管理サーバと通信可能に接続される端末であって、前記情報管理サーバから取得した情報を表示する表示部、を有し、前記表示部は、前記情報に含まれる機密情報が選択されているか否かに応じて、前記機密情報を表示又は非表示にする。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の情報を管理する情報管理サーバと通信可能に接続される端末であって、
前記情報管理サーバから取得した情報を表示する表示部、
を有し、
前記表示部は、
前記情報に含まれる機密情報が選択されているか否かに応じて、前記機密情報を表示又は非表示にする、端末。
【請求項2】
前記表示部は、
前記端末が、テレワークで業務を行っているユーザが利用するものである場合、前記情報に含まれる機密情報が選択されているか否かに応じて、前記機密情報を表示又は非表示にする、請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記表示部は、
ユーザの属性及び前記端末の属性の少なくとも一方に基づいて、前記機密情報を表示又は非表示にする、請求項1又は2に記載の端末。
【請求項4】
前記表示部は、
前記機密情報が表示される領域上に、前記機密情報をマスクするための画像領域を重畳させることで、前記機密情報を非表示にする、請求項1又は2に記載の端末。
【請求項5】
前記表示部は、
前記機密情報を、所定の文字列に書き換えることで、前記機密情報を非表示にする、請求項1又は2に記載の端末。
【請求項6】
前記表示部は、
前記機密情報が選択されていない場合、前記機密情報を非表示にし、
前記機密情報が選択された場合、非表示となっている前記機密情報を一時的に表示する、請求項1又は2に記載の端末。
【請求項7】
前記表示部は、
前記機密情報を非表示とする代わりに、前記機密情報を、人が認識し辛い所定の態様で表示する、請求項1に記載の端末。
【請求項8】
前記表示部は、
前記機密情報に対する特定の操作をできない態様とする、請求項1又は2に記載の端末。
【請求項9】
所定の情報を管理する情報管理サーバと通信可能に接続される端末が、
前記情報管理サーバから取得した情報を表示する表示手順、
を実行し、
前記表示手順は、
前記情報に含まれる機密情報が選択されているか否かに応じて、前記機密情報を表示又は非表示にする、方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1、2又は7に記載の端末として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクトセンタ(又は、コールセンタとも呼ばれる。)向けの顧客管理システムが従来から知られており(例えば、非特許文献1)、業務効率化や顧客満足度の向上等を目的として多くのコンタクトセンタで導入されている。このような顧客管理システムを導入しているコンタクトセンタのオペレータは、当該顧客管理システムで管理されている顧客情報を自身の端末で参照しながら顧客との電話応対を行っている場合が多い。
【0003】
一方で、近年、テレワーク等の普及により、コンタクトセンタ業務を在宅で行っているオペレータも増えている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】CTBASE/AgentProSMART CRM(顧客管理/応対管理)システム,インターネット<URL:https://www.ntt-tx.co.jp/products/ctbase/agent_smart.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、オペレータが利用する端末の画面上に顧客情報が常に表示されているため、例えば、覗き込みや写真撮影等により顧客情報に含まれている機密情報が漏洩してしまうといった懸念がある。特に、オペレータが在宅勤務等のテレワークで業務を行っている場合には、コンタクトセンタとは物理的に離れた個人宅等に端末が存在するため、その懸念が大きくなると考えられる。
【0006】
上記の懸念は、コンタクトセンタ以外にも、機密情報を扱っている企業等(特に、在宅勤務等のテレワークを導入している企業等)でも同様に発生すると考えられる。
【0007】
本発明の一実施形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、機密情報の漏洩を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、一実施形態に係る端末は、所定の情報を管理する情報管理サーバと通信可能に接続される端末であって、前記情報管理サーバから取得した情報を表示する表示部、を有し、前記表示部は、前記情報に含まれる機密情報が選択されているか否かに応じて、前記機密情報を表示又は非表示にする。
【発明の効果】
【0009】
機密情報の漏洩を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係るコンタクトセンタシステムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る顧客管理サーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図3】ユーザマスタテーブル、項目マスタテーブル及び顧客マスタテーブルの一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る管理者端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るオペレータ端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図6】在宅区分及び非表示区分を設定する処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図7】電話応答後に顧客情報画面を表示させるまでの処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】顧客情報画面を表示させる処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】一部の項目の情報が非表示となった顧客情報画面の一例を示す図である。
【
図10】顧客情報画面で非表示となっている情報を一時的に表示させる処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】顧客情報画面における選択項目の特定方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、コンタクトセンタを対象として、コンタクトセンタのオペレータが在宅勤務等のテレワークで業務を行っている場合に、そのオペレータの端末の画面上に表示されている顧客情報に含まれている機密情報に関して、例えば覗き込みや写真撮影等による漏洩を防止することができるコンタクトセンタシステム1について説明する。ただし、コンタクトセンタを対象とすることは一例であって、コンタクトセンタ以外にも、例えば、機密情報を扱っている企業等(特に、在宅勤務等のテレワークを導入している企業等)を対象として、機密情報の漏洩を防止する場合にも同様に適用することが可能である。
【0012】
なお、本実施形態ではテレワークの一例として在宅勤務を想定するが、テレワークとは在宅勤務に限られず、通常勤務する場所とは異なる場所で勤務することをいい、本実施形態は一般に社員等がテレワークで業務を行っている場合に対して同様に適用可能である。在宅勤務以外のテレワークの例としては、例えば、通常は本社で勤務する者が支社で勤務したり、通常勤務する場所とは異なるレンタルオフィスやシェアオフィス等で勤務したりすること等が挙げられる。
【0013】
ここで、顧客情報の中には氏名や住所等の機密性の高い情報(つまり、機密情報)が含まれる一方で、例えば年齢や趣味等の比較的機密性が低い情報も含まれる。また、例えば年齢や趣味等の比較的機密性が低い情報は、個人が特定されなければ、仮に漏洩したとしても個人情報保護の観点からは問題ない。そこで、本実施形態に係るコンタクトセンタシステム1では、在宅勤務を行っているオペレータの端末の画面上に表示されている顧客情報のうち、予め設定された機密性の高い情報を非表示とする。これにより、例えば覗き込みや写真撮影等により機密性の高い情報(氏名や住所等)が漏洩してしまう事態を防止することができると共に、その他の情報はオペレータの端末の画面上に表示されるため、情報を非表示にすることに伴う業務効率の低下を抑制することができる。なお、後述するように、非表示となっている情報は、オペレータの操作により一時的に表示させることができる。
【0014】
<全体構成>
まず、本実施形態に係るコンタクトセンタシステム1の全体構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るコンタクトセンタシステム1の全体構成の一例を示す図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係るコンタクトセンタシステム1には、顧客管理サーバ10と、管理者端末20と、複数のオペレータ端末30と、PBX40とが含まれる。
【0016】
顧客管理サーバ10はCRM(Customer Relationship Management)システムとして機能するサーバであり、顧客情報等を管理している。
【0017】
管理者端末20は、オペレータを管理する管理者(このような管理者はスーパバイザとも呼ばれる。)が利用するPC(パーソナルコンピュータ)等の各種端末である。
【0018】
オペレータ端末30は、顧客との電話応対を行うオペレータが利用するPC等の各種端末である。オペレータ端末30は、顧客との電話応対時に顧客情報を表示する共にIP(Internet Protocol)電話機としても機能する。なお、オペレータにはコンタクトセンタに出勤して業務を行っている者と在宅で業務を行っている者とが存在するものとする。
【0019】
PBX40は電話交換機(IP-PBX)であり、VoIP(Voice over Internet Protocol)網やPSTN(Public Switched Telephone Network)を含む通信ネットワーク50に接続されている。
【0020】
ここで、顧客管理サーバ10と、管理者端末20と、コンタクトセンタに出勤して業務を行っているオペレータのオペレータ端末30と、PBX40は、コンタクトセンタのシステム環境であるコンタクトセンタ環境E内に設置等されている。一方で、在宅で業務を行っているオペレータのオペレータ端末30は当該オペレータの自宅に設置等されており、通信ネットワーク50を介してコンタクトセンタ環境Eに接続されている。なお、オペレータの自宅に設置等されているオペレータ端末30は、例えば、VPN(Virtual Private Network)等のセキュア通信技術を利用してコンタクトセンタ環境Eに接続される。
【0021】
なお、
図1に示すコンタクトセンタシステム1の全体構成は一例であって、他の構成であってもよい。例えば、
図1に示す例では顧客管理サーバ10がコンタクトセンタ環境Eに含まれているが(つまり、顧客管理サーバ10はオンプレミス型のCRMシステム)、顧客管理サーバ10はクラウド型のCRMシステムであってもよい。同様に、
図1に示す例ではPBX40はオンプレミス型の電話交換機であるが、クラウド型の電話交換機であってもよい。また、コンタクトセンタシステム1には複数の管理者端末20が含まれていてもよいし、在宅で業務を行っている管理者がいる場合は管理者の自宅からコンタクトセンタ環境Eに接続している管理者端末20が存在してもよい。更に、オペレータ端末30はIP電話機としても機能するとしたが、例えば、オペレータ端末30とは別に電話機がコンタクトセンタシステム1に含まれていてもよい。
【0022】
<機能構成>
次に、本実施形態に係るコンタクトセンタシステム1に含まれる顧客管理サーバ10、管理者端末20及びオペレータ端末30の機能構成について、
図2乃至
図5を参照しながら説明する。
【0023】
≪顧客管理サーバ10≫
図2に示すように、本実施形態に係る顧客管理サーバ10は、情報管理部101と、顧客管理DB(データベース)102とを有する。情報管理部101は、例えば、顧客管理サーバ10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサに実行させる処理により実現される。一方で、顧客管理DB102は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の各種記憶装置により実現される。
【0024】
情報管理部101は、顧客管理DB102に記憶されている各種テーブル(後述するユーザマスタテーブル1000、項目マスタテーブル2000及び顧客マスタテーブル3000)を管理する。すなわち、情報管理部101は、これら各種テーブルに格納されている情報の更新(追加、削除、変更等)や情報の取得等を行う。
【0025】
顧客管理DB102は、ユーザマスタテーブル1000、項目マスタテーブル2000及び顧客マスタテーブル3000を記憶する。ここで、これらの各テーブルの一例を
図3に示す。
【0026】
図3(a)に示すように、ユーザマスタテーブル1000には1以上のユーザ情報が格納されている。各ユーザ情報はオペレータに関する情報であり、ユーザID、ユーザ名、在宅区分等が含まれる。ユーザIDは、オペレータを識別する識別情報である。ユーザ名は、当該オペレータの氏名である。在宅区分は、当該オペレータが出勤又は在宅のいずれで業務を行っているかを示す情報である。
【0027】
例えば、
図3(a)に示す例では、ユーザID「ユーザ1」のオペレータの氏名は「山田 太郎」であり、在宅で業務を行っていることを示している。また、例えば、ユーザID「ユーザ2」のオペレータの氏名は「鈴木 花子」であり、出勤して業務を行っていることを示している。また、例えば、ユーザID「ユーザ3」のオペレータの氏名は「木村 次郎」であり、出勤して業務を行っていることを示している。
【0028】
なお、
図3(a)に示すユーザマスタテーブル1000は一例であって、これに限られない。例えば、ユーザ情報には、日付毎や曜日毎の在宅区分が含まれていてもよい。これにより、例えば、日付や曜日によって出勤か在宅かが異なる場合であっても、オペレータが出勤又は在宅のいずれで業務を行っているかを管理することが可能となる。
【0029】
図3(b)に示すように、項目マスタテーブル2000には1以上の項目情報が格納されている。各項目情報はオペレータ端末30の画面上に表示される顧客情報の項目に関する情報であり、項目ID、項目名、非表示区分等が含まれる。項目IDは、顧客情報に含まれる各情報の項目を識別する識別情報である。項目名は、当該項目の項目名である。非表示区分は、在宅で業務を行っているオペレータが利用するオペレータ端末30の画面上に顧客情報を表示する際に、当該項目を非表示とするか否かを示す情報である。
【0030】
例えば、
図3(b)に示す例では、項目ID「項目1」の項目の項目名は「氏名」であり、非表示区分は「非表示」となっている。同様に、例えば、項目ID「項目2」の項目の項目名は「電話番号」であり、非表示区分は「非表示」となっている。また、例えば、項目ID「項目3」の項目の項目名は「年齢」であり、非表示区分は「表示」となっている。同様に、例えば、項目ID「項目4」の項目の項目名は「趣味」であり、非表示区分は「表示」となっている。これにより、後述するように、在宅で業務を行っているオペレータが利用するオペレータ端末30の画面上には、顧客情報として年齢及び趣味は表示される一方で、氏名及び電話番号は非表示となる。
【0031】
なお、
図3(b)に示す項目マスタテーブル2000は一例であって、これに限られない。例えば、項目情報には、ユーザID毎の非表示区分が含まれていてもよい。これにより、在宅で業務を行っているオペレータ毎に非表示とする顧客情報を異ならせることが可能となる。
【0032】
図3(c)に示すように、顧客マスタテーブル3000には1以上の顧客情報が格納されている。各顧客情報は顧客に関する情報であり、電話番号、氏名、年齢、趣味等が含まれる。電話番号は、顧客の電話番号である。氏名は、当該顧客の氏名である。年齢は、当該顧客の年齢である。趣味は、当該顧客の趣味である。
【0033】
例えば、
図3(c)に示す例では、電話番号「090-1111-2222」の顧客の氏名は「田中 三郎」であり、年齢は「41」、趣味は「映画鑑賞」であることを示している。また、例えば、電話番号「090-2222-3333」の顧客の氏名は「佐藤 四郎」であり、年齢は「43」、趣味は「テニス」であることを示している。また、例えば、電話番号「090-3333-4444」の顧客の氏名は「渡辺 五郎」であり、年齢は「35」、趣味は「将棋」であることを示している。
【0034】
なお、
図3(c)に示す顧客マスタテーブル3000は一例であって、これに限られない。例えば、顧客情報には、顧客の属性に関する種々の情報やその他コンタクトセンタ業務に必要な情報が含まれていてもよい。例えば、顧客の属性に関する情報として、メールアドレス、住所、性別、勤務先、年収、家族構成等が含まれていてもよい。また、コンタクトセンタ業務に必要な情報として、例えば、備考等が含まれていてもよい。更に、
図3(c)に示す例では、電話番号を顧客の識別情報としたが、これに限られず、例えば、顧客ID等を顧客の識別情報としてもよい。
【0035】
≪管理者端末20≫
図4に示すように、本実施形態に係る管理者端末20は、在宅区分設定部201と、非表示区分設定部202とを有する。これら各部は、例えば、管理者端末20にインストールされた1以上のプログラムが、CPU等のプロセッサに実行させる処理により実現される。
【0036】
在宅区分設定部201は、管理者の操作に応じて、ユーザ情報に含まれる在宅区分の更新要求を顧客管理サーバ10に送信する。これにより、ユーザマスタテーブル1000に格納されている該当のユーザ情報に含まれている在宅区分の値が更新される。
【0037】
非表示区分設定部202は、管理者の操作に応じて、項目情報に含まれる非表示区分の更新要求を顧客管理サーバ10に送信する。これにより、項目マスタテーブル2000に格納されている該当の項目情報に含まれている非表示区分の値が更新される。
【0038】
≪オペレータ端末30≫
図5に示すように、本実施形態に係るオペレータ端末30は、情報取得部301と、表示制御部302とを有する。これら各部は、例えば、オペレータ端末30にインストールされた1以上のプログラムが、CPU等のプロセッサに実行させる処理により実現される。
【0039】
情報取得部301は、顧客からの電話をオペレータが応答した場合、この顧客の顧客情報を画面上に表示させるための表示情報の取得要求を顧客管理サーバ10に送信する。これにより、当該顧客の顧客情報と当該オペレータのユーザ情報と項目情報とが表示情報として顧客管理サーバ10から返信される。
【0040】
表示制御部302は、顧客管理サーバ10から返信された表示情報に基づいて、顧客情報が含まれる画面(以下、顧客情報画面という。)を表示する。このとき、表示制御部302は、ユーザ情報に含まれる在宅区分が「在宅」である場合、各項目情報に含まれる非表示区分に応じて、当該顧客情報に含まれる一部の情報を非表示する。また、表示制御部302は、顧客情報画面上におけるオペレータの操作に応じて、非表示となっている情報を一時的に表示する。
【0041】
<各種処理の流れ>
次に、本実施形態に係るコンタクトセンタシステム1の各種処理の流れについて説明する。
【0042】
≪在宅区分及び非表示区分の設定≫
以下では、管理者が在宅区分及び非表示区分を設定する場合(つまり、在宅区分及び非表示区分の値を更新する場合)の処理の流れについて、
図6を参照しながら説明する。
図6は、在宅区分及び非表示区分を設定する処理の一例を示すシーケンス図である。なお、在宅区分の設定又は非表示区分の設定のいずれか一方のみの処理を実行してもよい。
【0043】
管理者端末20の在宅区分設定部201は、管理者の操作(例えば、ユーザIDと在宅区分の値との指定操作等)に応じて、在宅区分の更新要求を顧客管理サーバ10に送信する(ステップS101)。在宅区分の更新要求には、管理者によって指定されたユーザIDと在宅区分の値とが含まれる。なお、管理者によって複数のユーザIDと在宅区分の値との組が指定された場合、在宅区分の更新要求には、これら複数のユーザIDと在宅区分の値との組が含まれる。
【0044】
顧客管理サーバ10の情報管理部101は、在宅区分の更新要求を受信すると、この更新要求に含まれているユーザID及び在宅区分の値により、ユーザマスタテーブル1000に格納されている該当のユーザ情報の在宅区分の値を更新する(ステップS102)。すなわち、例えば、(ユーザID,在宅区分)=(ユーザn,在宅)が当該更新要求に含まれている場合、情報管理部101は、ユーザマスタテーブル1000に格納されているユーザ情報のうち、ユーザID「ユーザn」のユーザ情報の在宅区分の値を「在宅」に更新する。同様に、例えば、(ユーザID,在宅区分)=(ユーザm,出勤)が当該更新要求に含まれている場合、情報管理部101は、ユーザマスタテーブル1000に格納されているユーザ情報のうち、ユーザID「ユーザm」のユーザ情報の在宅区分の値を「出勤」に更新する。
【0045】
以上のステップS101~ステップS102により、オペレータが出勤又は在宅のいずれで業務を行っているかを顧客管理サーバ10に設定することができる。
【0046】
管理者端末20の非表示区分設定部202は、管理者の操作(例えば、項目IDと非表示区分の値との指定操作等)に応じて、非表示区分の更新要求を顧客管理サーバ10に送信する(ステップS103)。非表示区分の更新要求には、管理者によって指定された項目IDと非表示区分の値とが含まれる。なお、管理者によって複数の項目IDと非表示区分の値との組が指定された場合、非表示区分の更新要求には、これら複数の項目IDと非表示区分の値との組が含まれる。
【0047】
顧客管理サーバ10の情報管理部101は、非表示区分の更新要求を受信すると、この更新要求に含まれている項目ID及び非表示区分の値により、項目マスタテーブル2000に格納されている該当の項目情報の非表示区分の値を更新する(ステップS104)。すなわち、例えば、(項目ID,非表示区分)=(項目n,非表示)が当該更新要求に含まれている場合、情報管理部101は、項目マスタテーブル2000に格納されている項目情報のうち、項目ID「項目n」の項目情報の非表示区分の値を「非表示」に更新する。同様に、例えば、(項目ID,非表示区分)=(項目m,表示)が当該更新要求に含まれている場合、情報管理部101は、項目マスタテーブル2000に格納されている項目情報のうち、項目ID「項目m」の項目情報の非表示区分の値を「表示」に更新する。
【0048】
以上のステップS103~ステップS104により、オペレータが在宅で業務を行っている場合に、顧客情報画面上にどの情報を表示させ、どの情報を非表示とするかを顧客管理サーバ10に設定することができる。なお、どの情報を非表示とするかは管理者が任意に選択することができるが、例えば、氏名や住所等の比較的機密性の高い情報を非表示と設定することが好ましい。また、顧客との電話応対業務の効率低下を防止するため、一部の情報のみ(特に、比較的機密性の高い情報のみ)を非表示とすることが好ましい。
【0049】
≪電話応答後における顧客情報画面の表示≫
以下では、顧客から電話があり、この電話に対してオペレータが応答した場合の処理の流れについて、
図7を参照しながら説明する。
図7は、電話応答後に顧客情報画面を表示させるまでの処理の一例を示すシーケンス図である。なお、顧客からの呼接続要求(より正確には、顧客が利用する電話端末からの呼接続要求)を受信したPBX40は予め決められた1以上のオペレータ端末30に対して呼接続要求を送信し、この呼接続要求に対して最初に応答したオペレータ端末30と当該顧客との間で呼接続を確立する。以下のステップS201以降の処理におけるオペレータ端末30は、顧客との間で呼接続を確立したオペレータ端末30であるものとする。
【0050】
オペレータ端末30の情報取得部301は、表示情報の取得要求を顧客管理サーバ10に送信する(ステップS201)。表示情報の取得要求には、当該顧客の電話番号(つまり、発信元を示す電話番号)と、当該オペレータ端末30を利用しているオペレータのユーザIDとが含まれる。
【0051】
顧客管理サーバ10の情報管理部101は、表示情報の取得要求を受信すると、この取得要求に含まれているユーザID及び電話番号にそれぞれ対応するユーザ情報及び顧客情報を取得すると共に、項目情報を取得する(ステップS202)。すなわち、情報管理部101は、当該取得要求に含まれているユーザIDのユーザ情報をユーザマスタテーブル1000から取得すると共に、当該取得要求に含まれている電話番号の顧客情報を顧客マスタテーブル3000から取得する。また、情報管理部101は、項目マスタテーブル2000に格納されている全ての項目情報を取得する。
【0052】
次に、顧客管理サーバ10の情報管理部101は、上記のステップS202で取得したユーザ情報、顧客情報及び各項目情報を表示情報としてオペレータ端末30に返信する(ステップS203)。
【0053】
オペレータ端末30の表示制御部302は、表示情報を受信すると、この表示情報に基づいて、顧客情報画面を表示する(ステップS204)。なお、表示情報は、例えば、オペレータ端末30のメモリ上に格納される。ここで、本ステップの処理の詳細について、
図8を参照しながら説明する。
図8は、顧客情報画面を表示させる処理の一例を示すフローチャートである。
【0054】
まず、表示制御部302は、上記のステップS204で受信したユーザ情報の在宅区分の値が「在宅」であるか否かを判定する(ステップS301)。
【0055】
上記のステップS301で当該ユーザ情報の在宅区分の値が「在宅」であると判定された場合、表示制御部302は、上記のステップS204で受信した各項目情報の中に非表示区分の値が「非表示」である項目情報が存在するか否かを判定する(ステップS302)。
【0056】
上記のステップS302で非表示区分の値が「非表示」である項目情報が存在すると判定された場合、表示制御部302は、非表示区分の値が「非表示」である項目情報に対応する項目の情報を非表示とした顧客情報画面を表示する(ステップS303)。
【0057】
一方で、上記のステップS204で受信したユーザ情報の在宅区分の値が「出勤」であると判定された場合、又は、上記のステップS302で非表示区分の値が「非表示」である項目情報は存在しないと判定された場合、表示制御部302は、通常の顧客情報画面(つまり、非表示とした情報がない顧客情報画面)を表示する(ステップS304)。
【0058】
ここで、上記のステップS303で表示される顧客情報画面の一例を
図9に示す。
図9に示す顧客情報画面G100は、項目名「氏名」の項目情報と項目名「電話番号」の項目情報の非表示区分が「非表示」であり、項目名「年齢」の項目情報と項目名「趣味」の項目情報は非表示区分が「表示」である場合の例である。
【0059】
図9に示す顧客情報画面G100には、氏名表示欄G101、電話番号表示欄G102、年齢表示欄G103及び趣味表示欄G104等が含まれている。氏名表示欄G101、電話番号表示欄G102、年齢表示欄G103及び趣味表示欄G104は、顧客情報に含まれる氏名、電話番号、年齢及び趣味をそれぞれ表示するための表示欄である。ただし、非表示区分が「非表示」である項目情報に対応する項目の情報が表示される表示欄では、当該情報が表示されず、アスタリスク等でマスクされる。
図9に示す例では、項目名「氏名」の項目情報の非表示区分は「非表示」であるため、氏名表示欄G101には、顧客情報に含まれる氏名は表示されず、アスタリスク「***」が表示されている。同様に、項目名「電話番号」の項目情報の非表示区分は「非表示」であるため、電話番号表示欄G102には、顧客情報に含まれる電話番号は表示されず、アスタリスク「***」が表示されている。一方で、項目名「年齢」の項目情報と項目名「趣味」の項目情報は非表示区分が「表示」であるため、年齢表示欄G103には顧客情報に含まれる年齢「41」が表示されており、趣味表示欄G104には顧客情報に含まれる趣味「映画鑑賞」が表示されている。
【0060】
(顧客情報画面上で一部の情報を非表示にする方法)
ここで、上記のステップS303で顧客情報画面上の一部の情報(つまり、非表示区分の値が「非表示」である項目情報に対応する項目の情報)を非表示にする方法について説明する。このような方法は様々に考えられるが、例えば、以下の非表示方法1又は非表示方法2が考えらえる。
【0061】
・非表示方法1
例えば、アスタリスク「***」を表す画像領域を、顧客情報画面に含まれる該当の表示欄の上に重畳表示させる。具体的には、例えば、
図9に示す例では、氏名表示欄G101と電話番号表示欄G102の上に、アスタリスク「***」を表す画像領域をそれぞれ重畳表示させればよい。
【0062】
・非表示方法2
例えば、顧客情報画面を表示する際に、該当の表示欄に表示される情報をアスタリスク「***」に書き換える。具体的には、例えば、
図9に示す例では、氏名表示欄G101と電話番号表示欄G102にそれぞれ表示される氏名及び電話番号をアスタリスク「***」に書き換える。なお、この非表示方法2では、書き換え前の情報を表示欄と対応付けてメモリ上に保持しておく必要がある。これは、後述するように、非表示となっている情報を一時的に表示させた上で、その情報を更新する場合があるためである。
【0063】
ただし、上記の非表示方法1及び非表示方法2は一例であって、非表示区分の値が「非表示」である項目情報に対応する項目の情報を人が認識できない態様とする方法であれば、任意の方法を採用することが可能である。また、アスタリスク「***」でマスクすることも一例であって、これ以外にも、例えば、黒く塗りつぶしたり、ブランクにしたりする等してもよい。
【0064】
また、情報を非表示とする場合に限られず、例えば、人が認識し辛い態様(つまり、情報の認識を難化させた態様)で情報を表示してもよい。例えば、情報が表す文字や記号を歪ませたり又は変形させたり、背景色と文字や記号の色とを同系統の色としたり、文字や記号の視認がし辛い背景の模様(例えば、背景画像に対してノイズを付加する等)としたりしてもよい。これにより、肩越しに覗き見るといった瞬間的な視認による情報の漏洩を防止することが可能となる。
【0065】
更に、上記の非表示方法や認識を難化させる方法に加えて、情報に対する特定の操作ができない態様としてもよい。例えば、上記の非表示方法1で情報を非表示にした場合に、アスタリスク「***」を表す画像領域の下に存在する情報に対するコピー操作等ができないようにしてもよい。これにより、該当の情報は非表示である一方で、文字や記号等の情報がコピーアンドペーストされてしまうような事態を防止することができる。
【0066】
≪顧客情報画面で非表示となっている情報を一時的に表示させる場合≫
以下では、一部の情報が非表示となっている顧客情報画面上で、非表示となっている情報を一時的に表示させる場合の処理について、
図10を参照しながら説明する。
図10は、顧客情報画面で非表示となっている情報を一時的に表示させる処理の一例を示すフローチャートである。なお、非表示となっている情報を一時的に表示させることで、オペレータは、例えば、当該情報を確認したり、当該情報を更新(例えば、顧客から住所の変更が伝えられた場合に住所を更新する等)したりすること可能となる。
【0067】
まず、表示制御部302は、顧客情報画面上で情報が非表示となっている項目が選択されたか否かを判定する(ステップS401)。ここで、オペレータは、例えば、顧客情報画面で情報が非表示となっている表示欄上にマウスポインタを重畳させることで、当該表示欄に対応する項目を選択することができる。この場合、表示制御部302は、顧客情報画面上に設定された相対座標を用いて、どの項目が選択されているかを特定することができる。
【0068】
例えば、
図11に示すように、顧客情報画面G100内で各表示欄が配置される領域を表示領域G110として、その左下の頂点を(0,0)とする。また、左下の頂点を基準として、表示領域G110の左上の頂点の相対座標を(0,Y)、右上の相対座標を(X,Y)、右下の相対座標を(X,0)とする。更に、表示欄G101が表示される領域の左下の頂点の相対座標を(X
11,Y
11)、左上の頂点の相対座標を(X
11,Y
12)、右上の頂点の相対座標を(X
12,Y
12)、右下の頂点の相対座標を(X
12,Y
11)とする。なお、0<X
11,X
12<X、かつ、0<Y
11,Y
12<Yである。
【0069】
このとき、例えば、マウスポインタの位置を示す相対座標(x,y)が、X11<x<X12、かつ、Y11<y<Y12である場合、表示欄G101に対応する項目「氏名」が選択されていると特定される。
【0070】
なお、上記の特定方法は一例であって、これ以外の特定方法が用いられてもよい。例えば、Tabキー等によってアクティブとなっている表示欄を切り替えることができる場合には、現在アクティブとなっている表示欄に対応する項目が選択されていると特定すればよい。
【0071】
上記のステップS401で情報が非表示となっている項目が選択されたと判定された場合、表示制御部302は、当該項目の情報を表示する(ステップS402)。
【0072】
例えば、
図9に示す顧客情報画面G100で表示欄G101に対応する項目「氏名」が選択された場合、表示制御部302は、項目「氏名」の情報「田中 三郎」を表示する。同様に、
図9に示す顧客情報画面G100で表示欄G102に対応する項目「電話番号」が選択された場合、表示制御部302は、項目「電話番号」の情報「090-1111-2222」を表示する。また、このとき、表示制御部302は、当該項目の情報をオペレータが編集可能な態様(例えば、テキスト等)で表示する。
【0073】
ここで、上記のステップS402でオペレータによって選択された項目の情報を表示する方法は様々に考えられるが、例えば、上記の非表示方法1により情報が非表示となっている場合には、アスタリスク「***」を表す画像領域を非表示とすればよい。また、上記の非表示方法2により情報が非表示となっている場合には、メモリ上に保持されている情報(つまり、非表示にした際における書き換え前の情報)で当該項目の情報を書き換えて表示してもよい。ただし、これら以外にも、例えば、別のウインドウ領域等を表示させた上で、このウインドウ領域内に当該項目の情報を表示させてもよい。
【0074】
続いて、表示制御部302は、上記のステップS402で情報が表示された項目に対する選択が解除されたか、又は、当該項目が選択中のまま一定時間が経過したかを判定する(ステップS403)。ここで、選択が解除されたとは、選択されている項目が、選択されていない状態となったことをいう。例えば、顧客情報画面で情報が非表示となっている表示欄上にあったマウスポインタが当該表示欄の外に移動した場合やアクティブとなっている表示欄がアクティブでなくなった場合等である。
【0075】
なお、上記のステップS403における一定時間をどの程度の時間とするかは任意に設定可能であるが、例えば、数秒~数分程度とすることが考えられる。
【0076】
上記のステップS403で当該項目に対する選択が解除された又は一定時間が経過したと判定された場合、表示制御部302は、当該項目の情報を非表示にする(ステップS404)。これにより、上記のステップS402で表示された情報が再び非表示となる。
【0077】
なお、上記のステップS401で情報が非表示となっている項目が選択されたと判定されなかった場合、表示制御部302は、ステップS401に戻る。これにより、情報が非表示となっている項目が選択されるまで待ち状態となる。同様に、上記のステップS403で当該項目に対する選択が解除されたと判定されず、かつ、当該項目が選択中のまま一定時間が経過したと判定されなかった場合、表示制御部302は、ステップS403に戻る。これにより、当該項目に対する選択が解除されるか、又は、一定時間が経過するまで待ち状態となる。
【0078】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係るコンタクトセンタシステム1では、顧客からの電話応答時にオペレータ端末30上に顧客情報を表示する際、このオペレータ端末30のオペレータが在宅で業務を行っている場合は顧客情報に含まれる一部の情報を非表示とする。これにより、顧客情報のすべてが漏洩し、個人特定等に至るリスクを低減することができる。また、非表示とした情報はオペレータの操作により一時的に再表示することが可能であるが、一度に再表示可能な情報は1つのみであるため、複数の情報が非表示となっている場合には顧客情報のすべてが漏洩してしまう事態を防止することができる。
【0079】
なお、本実施形態では、顧客管理サーバ10から返信された表示情報をオペレータ端末30のメモリ上に格納したが、例えば、在宅で業務を行っているオペレータのオペレータ端末30には、顧客情報(特に、非表示区分が「非表示区分」である項目情報に対応する項目の情報)はメモリに格納されないようにしてもよい。この場合、在宅で業務を行っているオペレータのオペレータ端末30で非表示となっている情報を表示する場合や更新する場合には、その都度、顧客管理サーバ10にアクセスする必要があるが、機密性の高い情報の漏洩をより確実に防止することが可能となる。特に、在宅で業務を行っているオペレータのオペレータ端末30として当該オペレータの私物PC等を利用している場合には効果的であると考えられる。
【0080】
更に、表示情報も含めて顧客情報画面を顧客管理サーバ10で作成し、オペレータ端末30で当該顧客情報画面を表示するようにしてもよい。例えば、顧客情報画面を顧客管理サーバ10からオペレータ端末30にストリーミング配信し、オペレータ端末30の表示機能が当該顧客情報画面を表示する際に機密情報の表示、非表示等を行う。これにより、オペレータ端末30が通信機能と表示機能とを備えていれば、本実施形態で説明した機密情報の非表示を実現することが可能となる。もちろん、顧客管理サーバ10に表示機能があり、オペレータ端末30の操作に応じて、機密情報の表示、非表示等を反映した顧客情報画面を作成し、顧客管理サーバ10からオペレータ端末30にストリーミング配信してもよい。
【0081】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例をいくつか説明する。
【0082】
・変形例1
図8のステップS301でユーザ情報の在宅区分の値が「在宅」である場合に一部の情報を非表示としたが、在宅区分以外にも、様々な情報を考慮して一部の情報を非表示とするか否かが判定されてもよい。例えば、ユーザの属性(例えば、権限等)や端末の属性(例えば、端末種別、設置場所、所有者等)を考慮して一部の情報を非表示とするか否かが判定されてもよい。
【0083】
具体例を挙げると、在宅区分の値が「在宅」であっても、ユーザの権限が「スーパバイザ」である場合は情報を非表示としない、としてもよい。また、例えば、特定の端末種別の端末、特定の設置場所にある端末、特定の所有者の端末では、一部の情報を非表示としない(又は、非表示とする)、としてもよい。
【0084】
・変形例2
オペレータ端末30で非表示となっている情報をオペレータに提示する際に表示機能は、画面に表示する代わりに、音声合成等を用いて音声で提示してもよい。このとき、画面に表示する場合と同様に、例えば、音声の周波数の加工を行ったり、背景ノイズを加えたりする等、音声を聞き取りづらくする処理を行ってもよい。更に、音声で情報を提示する際に、ユーザ情報に含まれるユーザの属性や端末の属性に基づいて、当該情報を音声として出力するヘッドセットやスピーカー等の機器が決定されてもよい。この決定はオペレータ端末30が備える表示機能によって行われてもよく、例えば、画面上に表示された機器一覧の中からユーザによって指定されることで決定されてもよい。
【0085】
・変形例3
コールセンタでは、顧客との会話に対して音声認識を行ってリアルタイムに会話内容をオペレータ端末30上に表示したり、過去の会話内容を履歴やログとして保存し、後日参照可能としたりしている。そこで、このリアルタイムの会話内容や履歴・ログとして保存されている会話内容等の情報に対して本実施形態を適用し、当該会話内容や履歴・ログに含まれる一部の情報を非表示としてもよい。これにより表示機能は、例えば、リアルタイムに表示される会話内容の履歴に含まれる機密情報を非表示としたり、ログとして保存されている会話内容の履歴に含まれる機密情報を非表示としたりすることが可能となる。なお、会話内容の履歴に含まれる機密情報を特定する際には、例えば、既知の文字列検察等を使用すればよい。
【0086】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から逸脱することなく、種々の変形や変更、既知の技術との組み合わせ等が可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 コンタクトセンタシステム
10 顧客管理サーバ
20 管理者端末
30 オペレータ端末
40 PBX
50 通信ネットワーク
101 情報管理部
201 在宅区分設定部
202 非表示区分設定部
301 情報取得部
302 表示制御部
1000 ユーザマスタテーブル
2000 項目マスタテーブル
3000 顧客マスタテーブル