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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124827
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】発音器
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/02 20060101AFI20220819BHJP
【FI】
H04R1/02 104Z
H04R1/02 101G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022693
(22)【出願日】2021-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】390001812
【氏名又は名称】株式会社デンソーエレクトロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮田 晋
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017AF04
(57)【要約】
【課題】放出孔内への異物の侵入を抑制することで、ダイヤフラムを含む発音体を保護することができる発音器を提供する。
【解決手段】発音器の本体部を車体部品に取り付けるために用いるブラケット8に起立壁部813を備え、起立壁部813を放出面62に対向配置させる。これにより、起立壁部813によって放出面62から異物が侵入することを抑制することが可能となる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発音器であって、
ダイヤフラム(72)を振動させることで発音を行う発音体(7)と、
前記発音体が収容されるベース筒部(21)、および、前記ベース筒部の軸方向の一端側に配置されていると共に、前記発音体が配置される領域を放音領域として、該放音領域に配置され、前記発音体が発生させた音が導かれる放音孔(25)が形成されている隔壁(24)を含むベース(2)と、を備える本体部を有しており、
さらに、前記本体部を保持すると共に、該本体部を外部に取り付けるブラケット(8)を有し、
前記ベースは、
前記ダイヤフラムの振動方向において、前記隔壁から隙間を設けて前記放音領域を覆って配置された保護壁(22)および該保護壁と前記ベース筒部とを連結する立壁(23)とを有し、
前記保護壁と前記立壁および前記隔壁の間に、前記放音孔から前記音が導かれる放音空間(6)が構成されていると共に、一方向において前記保護壁および前記立壁が開口されることで放出孔(61)が構成され、該放出孔の先端が構成する一面を放出面(62)として前記放音空間に導かれた音を出力し、
前記ブラケットは、前記放出面と対向して配置された壁部(813)を有している発音器。
【請求項2】
前記壁部には、前記本体部から外部に前記音を導く開口部(813a)が形成されている、請求項1に記載の発音器。
【請求項3】
前記壁部は、前記放出面から隙間(C)を設けて配置されており、
前記開口部に加えて前記壁部と前記放出面との間に設けられた前記隙間を通じて音が出力される、請求項2に記載の発音器。
【請求項4】
前記ブラケットは、前記壁部を含む保持部(81)と、前記外部への取り付けが行われる固定部(83)と、前記保持部と前記固定部とを繋ぐ支持部(82)と、を有し、
前記保持部は、前記保持部と連続する板状部(811)を含み、前記壁部は前記板状部を挟んで前記支持部と反対側に繋がっており、前記板状部に対して折曲げられて起立させられた構造の起立壁部(813)とされている、請求項2または3に記載の発音器。
【請求項5】
前記保持部は、前記本体部を前記ブラケットに取り付ける取付部(812)を有し、
前記取付部は、前記板状部を挟んだ両側に備えられ、前記板状部に対して折曲げられて起立させられた構造とされている、請求項4に記載の発音器。
【請求項6】
前記ベースにおける前記立壁には、前記取付部が挿入される支持構造(28)が備えられ、
前記支持構造は、前記立壁の壁面から突き出す基部(281a)と、前記基部によって支持され前記立壁に対向配置された挟持部(281b)と、前記基部から所定距離離れて配置されたレール部(282)と、を有し、
前記支持構造内に挿入された前記取付部は、前記立壁と前記挟持部とによって挟持されていると共に、前記基部と前記レール部とによって挟持されている、請求項5に記載の発音器。
【請求項7】
前記取付部は、前記支持構造内に挿入される先端部と該先端部よりも幅広とされていて前記板状部に繋がる幅広部とを有し、
前記支持構造は、前記幅広部に当接することで前記取付部の前記支持構造内への挿入を受け止めるストッパー部(283)を有している、請求項6に記載の発音器。
【請求項8】
前記保護壁および前記立壁は、前記軸方向に対して交差する方向において前記ベース筒部よりも突き出しており、該突き出した部分において前記ベースには前記保護壁と対向する対向壁(27)が備えられ、
前記放出孔が前記保護壁と前記立壁および前記対向壁によって囲まれて構成されていることを特徴とする請求項2ないし7のいずれか1つに記載の発音器。
【請求項9】
前記放出孔は、前記立壁の方が前記保護壁よりも長さが短くされることで、前記立壁で構成される方が短手方向、前記保護壁で構成される方が長手方向となる横長形状とされており、
前記開口部は、前記短手方向を長手方向とする長円形状とされ、複数個並べられて形成されている、請求項2ないし8のいずれか1つに記載の発音器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発音器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に、より車室内騒音を少なくできると共に、正面の位置に車両部品を近接配置することが可能な構成の発音器が提案されている。この発音器は、放音孔を覆うように保護壁を備え、保護壁と立壁および隔壁等で構成される放音空間を通じて放出孔から発音されるようにしている。これにより、発音体が発した音が一方向から出力されるようにでき、必要とされない方向への放音が行われることを抑制できるため、不要な音が車室内へ浸透したり伝搬したりすることを抑制できる。また、発音器の正面の位置、つまりダイヤフラムの振動方向において、放音孔を覆うように保護壁を備えているため、車両における発音器の搭載空間のうち保護壁と隣接する位置に車両部品を搭載することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-156080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す発音器では、放出孔が大きな開口形状、寸法となっているので、大きな異物が入り込む可能性があるという課題がある。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、放出孔内への異物の侵入を抑制することで、ダイヤフラムを含む発音体を保護することができる発音器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発音器は、ダイヤフラム(72)を振動させることで発音を行う発音体(7)と、発音体が収容されるベース筒部(21)、および、ベース筒部の軸方向の一端側に配置されていると共に、発音体が配置される領域を放音領域として、該放音領域に配置され、発音体が発生させた音が導かれる放音孔(25)が形成されている隔壁(24)を含むベース(2)と、を備える本体部を有しており、さらに、本体部を保持すると共に、該本体部を外部に取り付けるブラケット(8)を有している。このような構成において、ベースは、ダイヤフラムの振動方向において、隔壁から隙間を設けて放音領域を覆って配置された保護壁(22)および該保護壁とベース筒部とを連結する立壁(23)とを有し、保護壁と立壁および隔壁の間に、放音孔から音が導かれる放音空間(6)が構成されていると共に、一方向において保護壁および立壁が開口されることで放出孔(61)が構成され、該放出孔の先端が構成する一面を放出面(62)として放音空間に導かれた音を出力し、ブラケットは、放出面と対向して配置された壁部(813)を有していることを特徴としている。
【0007】
このような構成の発音器では、放音孔を覆うように保護壁を備えているため、保護壁と立壁および隔壁等で構成される放音空間を通じて放出孔から出力される。そして、車体部品などへの取り付けを行うブラケットに、放出面と対向して配置された壁部を備えている。これにより、壁部によって放出面から異物が侵入することを抑制することが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、壁部には、本体部から外部に音を導く開口部(813a)が形成されている。
【0009】
このように、ブラケットの壁部に開口部を備えることにより、開口部を通じる通路にて良好な発音を行うことが可能となる。さらに、請求項3に記載したように、壁部を放出面から隙間(C)を設けて配置すれば、開口部に加えて壁部と放出面との間に設けられた隙間を通じて音が出力されるようにできる。
【0010】
請求項4に記載の発明では、ブラケットは、壁部を含む保持部(81)と、外部への取り付けが行われる固定部(83)と、保持部と固定部とを繋ぐ支持部(82)と、を有し、保持部は、保持部と連続する板状部(811)を含み、壁部は板状部を挟んで支持部と反対側に繋がっており、板状部に対して折曲げられて起立させられた構造の起立壁部(813)とされている。
【0011】
このように、ブラケットを保持部と固定部および支持部が備えられた構成とする場合、起立壁部によって放出面と対向して配置される壁部を構成することができる。
【0012】
請求項5に記載の発明では、保持部は、本体部をブラケットに取り付ける取付部(812)を有し、取付部は、板状部を挟んだ両側に備えられ、板状部に対して折曲げられて起立させられた構造とされている。
【0013】
このように、保持部に対して折曲げられて起立させられた構造の取付部を備え、取付部にて本体部をブラケットに取り付けられる構造とすることができる。
【0014】
請求項6に記載の発明では、ベースにおける立壁には、取付部が挿入される支持構造(28)が備えられ、支持構造は、立壁の壁面から突き出す基部(281a)と、基部によって支持され立壁に対向配置された挟持部(281b)と、基部から所定距離離れて配置されたレール部(282)と、を有し、支持構造内に挿入された取付部は、立壁と挟持部とによって挟持されていると共に、基部とレール部とによって挟持されている。
【0015】
このように、ブラケットに備えられた取付部をベースの立壁と支持構造における挟持部とによって挟持されると共に基部とレール部とによって挟持されるようにして、本体部をブラケットに一体化することができる。
【0016】
請求項7に記載の発明では、取付部は、支持構造内に挿入される先端部と該先端部よりも幅広とされていて板状部に繋がる幅広部とを有し、支持構造は、幅広部に当接することで取付部の支持構造内への挿入を受け止めるストッパー部(283)を有している。
【0017】
このように、ストッパー部を備えることで、取付部の挿入量を規定することが可能となる。
【0018】
請求項8に記載の発明では、保護壁および立壁は、軸方向に対して交差する方向においてベース筒部よりも突き出しており、該突き出した部分においてベースには保護壁と対向する対向壁(27)が備えられ、放出孔が保護壁と立壁および対向壁によって囲まれて構成されている。
【0019】
このように、保護壁と立壁および対向壁によって囲まれるようにして放出孔を構成することができる。例えば、請求項9に記載したように、放出孔は、立壁の方が保護壁よりも長さが短くされることで、立壁で構成される方が短手方向、保護壁で構成される方が長手方向となる横長形状とされる。その場合、ブラケットの壁部に形成される開口部については、例えば短手方向を長手方向とする長円形状とすることができ、複数個並べられた構成とすると好ましい。
【0020】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態にかかる発音器の正面図である。
図2図1に示す発音器の下面図である。
図3図1に示す発音器の上面図である。
図4図1に示す発音器の右側面図である。
図5図1に示す発音器の背面図である。
図6図1中のVI-VI断面図である。
図7図1中のVII-VII断面図である。
図8図2中のVIII-VIII断面図である。
図9】ケースを外した状態での発音器の背面図である。
図10】発音器を放出面が見える一方向から見た斜視図である。
図11】発音器を放出面が見える他の一方向から見た斜視図である。
図12図11に示す発音器のうちのブラケットのみを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0023】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。本実施形態の発音器は、例えば自動車の車室外に設置され、警報音を発生させるために使用される。発音器は、本体部と取付け具となるブラケットを有しており、ブラケットを介して本体部を自動車の車体に固定できる構造とされている。
【0024】
まず、発音器の本体部について説明する。発音器の本体部は、内部に2つの空間が形成された筐体を備え、筐体内に配置される発音体にて発音を行う。具体的には、図1図6に示すように、発音器の筐体1は、それぞれ樹脂製のベース2とケース3との2部品で構成されている。
【0025】
ベース2は、図1の紙面上方から見た形状が長方形状の四隅を傾斜させて扁平の八角形状とされた、筒状のベース筒部21を備えている。このベース筒部21の軸方向の一端側の開口部を覆うように、保護壁22が形成されていると共に、他端側の開口部を覆うように八角形板状のケース3が嵌合され、接着にて気密的に接合されている。後述する発音体7は、ベース筒部21の他端側の開口部に組み付けられるが、この開口部に八角形板状のケース3が気密的に接着されることで、発音体7が組み付けられている側の防水・気密性が確保されている。
【0026】
保護壁22は、図6に示すように、ベース筒部21の外縁のうちの一方向を除く部分に沿って立設された立壁23によってベース筒部21と連結されており、ベース筒部21の一端側の端面を構成する隔壁24の一面24aとの間に所定の寸法Yaの隙間を設けて配置されている。この保護壁22によってベース筒部21の一端側開口部、より詳しくは一端側開口部の内側に位置している発音体7が正面方向(図1の法線方向)から直視できないように覆われることで、発音体7への水や雪および飛び石などの異物の侵入を抑制される。
【0027】
また、図1図6および図8に示すように、保護壁22と隔壁24の一面24aとの間に、立壁23の一部として支持壁231を形成している。支持壁231は、保護壁22と一面24aとの距離と等しい高さとされている。
支持壁231は、立壁23のうち後述する放出孔61と対向する壁面から放出孔61に向かって直線状に形成されており、図1および図8に示されるように一面24aのうちの最も放出孔61側の端部に至るように形成されている。この支持壁231が備えられることにより、保護壁22と後述する梁部26を含めた隔壁24の一面24aとが連結され、一面24aと保護壁22との間の距離が所定距離で安定化させられると共に、梁部26が隔壁24や保護壁22に対して支持されるようにできる。
【0028】
また、図6図7に示すように、ベース筒部21内の空間は、ベース筒部21内に設けられた隔壁24により2分割されている。具体的には、隔壁24には、発音体7が発生させた音を導く放音孔25およびその周囲の梁部26が備えられており、放音孔25および梁部26を覆うように発音体7が配置されることで、ベース筒部21内の空間が2分割されている。そして、ベース筒部21と隔壁24および発音体7に備えられるダイヤフラム72によって第1空間4が形成され、ベース筒部21と隔壁24とケース3およびダイヤフラム72によって第2空間5が形成されている。
【0029】
さらに、第1空間4は、保護壁22および立壁23によって構成される後述する放音空間6とも連通しており、第1空間4に発せられた音が放音空間6を通じて図1の下方に備えられる放出孔61より出力されるようになっている。以下、放出孔61からの音の出力方向を放音方向という。
【0030】
図1および図8に示すように、隔壁24は略八角形状とされており、その外縁部において、図7に示すように、保護壁22と反対側に突出すようにベース筒部21が設けられている。そして、図8に示すように、ベース筒部21および隔壁24の外周であって、扁平の八角形を長手方向に沿って区画した半分に沿うように立壁23が形成され、さらに扁平の八角形の長手方向の両端に位置する各辺からその各辺に沿って伸びる方向、換言すれば放出方向に向かって立壁23が延設されている。
【0031】
本実施形態の場合、保護壁22および立壁23は、ベース筒部21よりも放出方向側に突出すように延設されている。また、図2図7に示すように、この保護壁22のうちベース筒部21から突出すように延設された部分と対向するように、ベース筒部21を挟んで保護壁22と反対側に対向壁27が形成されている。そして、保護壁22と立壁23および対向壁27が振動方向に交差する一方向において開口されている。これにより、図2に示すように保護壁22、立壁23および対向壁27によって囲まれた放出孔61が構成され、さらに放出孔61よりも筐体1の内側に保護壁22と立壁23および隔壁24で囲まれた放音空間6が構成されている。放出孔61は、図2に示すように、所定幅W1を有し、かつ、その幅方向と直交する方向を長手方向とする扁平形状で構成されることで、車両への適用が容易になっている。つまり、放出孔61は、立壁23の方が保護壁22よりも短くされることで、立壁23で構成される方が短手方向、保護壁22で構成される方が長手方向となる横長形状とされている。このため、ダイヤフラム72の振動方向を短手方向とすることで製品の厚みを小さくできるようにしつつ、横長形状であっても音圧を出すために必要な開口面積が確保できるようにしている。
【0032】
なお、図7に示すように、保護壁22と立壁23および対向壁27がベース筒部21よりも所定長さだけ突き出す構造とされているが、突き出していなくても良い。ただし、これらを突き出す構造とすると、その長さを調整することで、音の共鳴効果が得られたり、共鳴周波数の調整による音質、音圧を可変させられたりするという効果が得られる。また、保護壁22と立壁23および対向壁27がベース筒部21よりも突き出す構造とされているため、対向壁27を備えてあるが、突き出す構造とされないのであれば、対向壁27についてはなくても良い。
【0033】
図1図7図8に示すように、保護壁22、立壁23および対向壁27の先端は、同一平面上において終端されている。以下、この保護壁22、立壁23および対向壁27の先端が構成する一面を放出面62という。本実施形態の場合、放出面62は、図7に示すように、ダイヤフラム72の振動方向と平行な平面とされている。放出孔61より出力される音は、この放出面62の法線方向を中心として放出されて外部に伝えられる。このため、放出孔61の位置や放出面62の法線方向に基づいて音の放出方向が特定されている。
【0034】
また、隔壁24の中央部近辺の領域を電気信号に基づいて音を発生させる発音体7が配置される放音領域として、放音領域には、図6図8に示すように、隔壁24に貫通孔を形成することで構成した放音孔25が複数形成されている。そして、図6図7に示すように、発音体7が、放音孔25を塞ぐようにして第2空間5に配置されている。より詳しくは、放音孔25は、発音体7に備えられたダイヤフラム72によって塞がれている。このため、第2空間5は、ダイヤフラム72によって第1空間4と隔てられる。
【0035】
なお、ダイヤフラム72等によって第1空間4と第2空間5との間の気密性が確保されている。このため、温度変化によりダイヤフラム72に加わる圧力の変動を抑制するために、図1図8に示すように、隔壁24には、放音領域とは異なる場所に、両空間を連通させる通気孔241を形成してある。通気孔241には、空気を通しつつ水を遮断する材質で構成された通気膜242が貼られており、この通気膜242によってダイヤフラム72に加わる圧力変動を調整している。
【0036】
図1図6図8に示すように、放音領域のうち放音孔25以外の部分は、梁部26とされ、図7図8に示すように、梁部26のうちのダイヤフラム72側の一面には梁部26が部分的に突出させられて構成されたストッパー261が形成されている。梁部26は、放音領域のうち放音孔25以外の領域を覆っていることから、走行時の被水や飛び石が発音体7に到達することを抑制し、水や石の接触による発音体7の破損を防止する。図1および図8に示すように、本実施形態の場合、梁部26は、放音領域の中心から放射状に延びる径方向梁262と同心円状に配置された円形梁263とを有した構成とされている。また、本実施形態の場合、円形梁263は、3つ備えられている。
【0037】
本実施形態では、径方向梁262を等角度間隔で6本備えている。各径方向梁262は、円形梁263のうち二番目のものから放音領域の外周まで形成されている。円形梁263のうち最も内側に位置しているものは円形状とされ、各円形梁263は上記した支持壁231と一体化されることで支持壁231に支持されている。
【0038】
また、ストッパー261は、気密検査の際にダイヤフラム72が変位したとき、ダイヤフラム72に接触し、振動方向へのダイヤフラム72の変位を制限するものである。これにより、ダイヤフラム72の過度な変形による破損が抑制される。図6図7に示すように、ストッパー261は、ダイヤフラム72に対向するように配置されており、ダイヤフラム72に対応した形状とされている。
【0039】
上記したように、各円形梁263が支持壁231に支持されるようにしている。このため、保護壁22の強度やダイヤフラム72と当接するストッパー261の強度を高められると共に、保護壁22やストッパー261の配置場所を安定化させられ、その結果、ダイヤフラム72の変位量の安定化を図ることが可能となっている。
【0040】
図8等に示すように、ベース2には、ブラケット8に対して発音器の本体部の取り付けを行うための支持構造28が備えられている。支持構造28は、ベース2のうちの放出孔61を挟んだ両側に配置されており、立壁23に形成されている。
【0041】
具体的には、支持構造28は、放出面62を挟んだ両側それぞれに位置するように、立壁23に形成されており、アーム部281、レール部282、ストッパー部283および位置決め突起284などを有した構造とされている。
【0042】
アーム部281は、図1図5に示すように、ブラケット8における後述する取付部812を挟持するものである。本実施形態では、アーム部281は、基部281aと挟持部281bとによって構成されている。基部281aは、立壁23のうちの放出孔61側の端部に固定されおり、立壁23の壁面から突き出すように設けられている。挟持部281bは、基部281aによって支持され、立壁23に対向配置され、基部281aから放音方向と反対側に向けて延設されている。つまり、基部281aおよび挟持部281bは、立壁23の端部から放音方向と反対方向に折り曲げられたフック形状をなしている。また、挟持部281bは立壁23の壁面に対して所定距離隙間を設けて配置されているが、基部281aと反対側の端部において立壁23の壁面側に突き出す突起部281cが形成され、この突起部281cにおいて立壁23との距離が他の部分より短くなっている。
【0043】
また、図1図8に示すように、レール部282は、放出面62を挟んだ両側において、立壁23に対して放音方向と垂直な方向に突き出した突起部によって構成されており、放出面62と平行な方向に沿って延設されている。レール部282のうちの放出面62側の辺は、放出面62と平行に伸び、ガイドとして機能すると共に、基部281aから所定距離離れて配置され、基部281aと共に放音方向においてブラケット8を挟持する役割を果たす。
【0044】
なお、放出面62の両側に位置する立壁23のうち、後述するコネクタ29が形成された側においては、レール部282がコネクタ29と一体的に形成されている。
【0045】
ストッパー部283は、図4に示すように、支持構造28内へのブラケット8の挿入を受け止める部分である。本実施形態では、ストッパー部283をレール部282の一部によって構成している。後述するように、ブラケット8の一部が放音方向と垂直かつ立壁23の表面に平行な一方向の一方側から他方側に向かう方向(以下、挿入方向という)に沿って支持構造28内に挿入されることで、ブラケット8と発音器の本体部とが組付けられる。レール部282のうちの挿入方向の後端位置がストッパー部283とされ、ストッパー部283にて、ブラケット8の一部が支持構造28内に挿入される挿入量を規定して、ブラケット8と発音器の本体部との組付けの位置決めを行う。
【0046】
位置決め突起284は、図1図8に示すように、アーム部281における基部281aと対応する位置に形成されており、突起部281cと共にブラケット8の一部を挟持することで、放音方向および挿入方向に対して垂直な方向でのブラケット8の位置決めを行う。位置決め突起284を備える場合、立壁23から離れた位置でブラケット8の一部が位置決めされるが、位置決め突起284を無くして立壁23に直接当接させることでブラケット8の一部の位置決めがなされるようにしても良い。
【0047】
また、図1図6等に示すように、ベース筒部21の外側には、発音体7を図示しない外部ハーネスに電気的に接続するための略四角筒状のコネクタ29が形成されている。コネクタ29は、ダイヤフラム72の振動方向と交差し、立壁23の外側で隔壁24と平行な方向に沿って備えられていて、製品の厚みが小さくできる構造とされている。図6に示すように、ベース筒部21のうちコネクタ29が形成された部分には、ベース筒部21を貫通してコネクタ29の内部と第2空間5とを接続する貫通孔291が形成されており、この貫通孔291を通るようにターミナル9が圧入されている。
【0048】
ターミナル9は、ベース筒部21の内部において、接着剤によってベース筒部21に固定されており、ターミナル9を配置するために形成された貫通孔291は、この接着剤とターミナル9とによって塞がれている。ターミナル9は、第2空間5において後述するリードピン78に接続されている。
【0049】
ターミナル9は、図6に示すように、一方向を長手方向とする平板棒状の端子部91と、リードピン78に接続される接続部92とを有している。端子部91は、貫通孔291に挿し込まれる部分であり、一端が第2空間5側に位置し、他端がコネクタ29の内部に位置するように配置される。接続部92は、端子部91のうち第2空間5側に位置させられる一端に接続されている。
【0050】
図6図7図9に示すように、発音体7は、フレーム71と、ダイヤフラム72と、ダイヤフラム72を振動させる駆動部73とを備えている。
【0051】
フレーム71は、略段付円筒状とされ、樹脂製とされている。フレーム71は、軸方向の両端部において開口しており、一方の開口部は、ダイヤフラム72によって塞がれている。そして、フレーム71は、ダイヤフラム72によって開口部が塞がれた側の端部において、隔壁24に接着にて気密的に接合されることでベース2に固定されている。
【0052】
また、図6図9に示すように、フレーム71には、フレーム71の内部と外部とを連通させる貫通孔711が形成されており、貫通孔711を通じてフレーム71の内外で連通した第2空間5が構成されている。そして、第2空間5は、隔壁24およびダイヤフラム72によって第1空間4と隔てられている。
【0053】
ダイヤフラム72は、振動板を構成するもので、振動させられることによって音を発生させる。ダイヤフラム72には、ボビン74の一端が接着剤で固定され、ボビン74とダイヤフラム72とが一体化されている。ダイヤフラム72の外周部は、半径方向に沿った断面がS字状とされたばね部72aとされ、ダイヤフラム72は、ばね部72aの端部においてフレーム71に接着されている。
【0054】
駆動部73は、フレーム71の2つの開口部のうち開口幅が狭い方を塞ぐように配置されている。図6に示すように、駆動部73は、ボビン74と、ボイスコイル75と、磁気回路部76とを備えている。
【0055】
ボビン74は、円筒状とされており、ダイヤフラム72の内周部の外縁においてダイヤフラム72の裏面に接続され、ダイヤフラム72から第2空間5の内方に向かって立設されている。ボビン74の外側には、ボイスコイル75が巻かれている。
【0056】
磁気回路部76は、ボイスコイル75に磁界を印加するためのものであり、一面および他面を有する円板形状の磁石761と、磁石761の一面に接続されたトッププレート762と、磁石761の他面に接続されたヨーク763とを備えている。ヨーク763の底部に磁石761およびトッププレート762が配置されることで磁気回路部76が構成されている。ヨーク763の円筒部と磁石761およびトッププレート762との間に隙間が設けられ、この隙間内にボビン74およびボイスコイル75が入り込むようにして配置されている。ヨーク763は、フレーム71のうちのケース3側の開口入口側から開口部内に嵌め込まれ、接着されることで磁気回路部76がフレーム71と一体とされている。
【0057】
このように構成されることで、ボビン74に巻かれたボイスコイル75には、トッププレート762の側面と、ヨーク763の円筒部の側面との間に発生する磁界が印加されるようになっている。このため、磁界が印加された状態のボイスコイル75に電流を流すと、ボビン74はヨーク763の円筒部に嵌め込まれた状態で軸方向に変位する。これにより、ダイヤフラム72が振動して、音が発生する。
【0058】
また、発音体7はボイスコイル75と電気的に接続されたリードピン78を備えている。図示していないが、リードピン78は、ボイスコイル75にはんだ付けなどで電気的に接続されており、ボイスコイル75から径方向外側に向かって引き出されている。本実施形態では、リードピン78はフレーム71に一体成型等によって一体化され、フレーム71の外部に延設され、ターミナル9と接するようにレイアウトされている。
【0059】
以上のようにして、本実施形態の発音器の本体部が構成されている。続いて、発音器の本体部が組付けられるブラケット8について説明する。
【0060】
ブラケット8は、発音器の本体部を車体部品に固定するための部品であり、例えば、図4中に示したように、発音器の本体部が取り付けられた部分から放音方向の反対側に伸ばされ、その伸ばされた端部においてネジ締めなどによって車体部品に固定される。
【0061】
具体的には、本実施形態のブラケット8は、図10図12に示す形状とされ、金属製の板状部材で構成されており、板状金属がプレス加工、曲げ加工など行われることで構成されている。本実施形態の場合、ブラケット8は、直線状の板材の一端を幅広とした構造とされており、図4に示すように、保持部81、支持部82および固定部83を有している。
【0062】
保持部81は、支持部82の一端、本実施形態の場合は幅広とされた先端側に設けられ、発音器の本体部を保持する。保持部81は、支持部82から連続した板状部811と、支持構造28に取り付けられる取付部812と、放出面62に対して対向配置される起立壁部813と、を有している。
【0063】
板状部811は、略長方形状とされており、長方形の長辺の一辺が支持部82に繋がっており、長辺の他の一辺に起立壁部813が繋がった構造とされている。板状部811の長辺の長さは、発音器の本体部における放出面62を構成している部分の長手方向寸法、換言すれば放出面62を挟んだ両側に配置される両立壁23の外壁面の距離とほぼ等しくされている。そして、板状部811の長手方向の両側、つまり両短辺に取付部812が繋がった構造とされている。
【0064】
取付部812は、ブラケット8に発音器の本体部を取り付けるための部分であり、板状部811を挟んだ両側、より詳しくは板状部811の長手方向の両側にそれぞれ備えられることで、発音器の本体部を両側で挟み込むようにしてブラケット8に取り付ける。取付部812は、板状部811に対して垂直に折曲げられて起立させられた構造とされ、挿入方向に伸び、挿入方向および放出方向に対する垂直方向を幅方向として、幅が変化する段付き形状とされている。取付部812のうち板状部811に繋がっている部分となる幅広部の幅が板状部811と反対側に位置する先端部の幅よりも広くされており、先端部のみが支持構造28内に挿入されるようになっている。そして、取付部812のうちの幅広部がストッパー部283に当接して取付部812の支持構造28内への挿入量が規定される。板状部811からの取付部812の高さについては任意であるが、取付部812の先端がベース2における保護壁22から突き出ない高さにしてある。
【0065】
なお、本実施形態の場合、取付部812を含め、ブラケット8の板厚は等しくされているが、少なくとも取付部812については、突起部281cと位置決め突起284との間の隙間と同等ないしそれより厚く構成されている。
【0066】
起立壁部813は、板状部811のうちの支持部82と反対側の長辺に繋がっており、取付部812と同様に、板状部811に対して垂直に折曲げられ起立させられた構造とされている。起立壁部813は、放出面62と対向するように配置されることで、放出面62を覆って放出面62に飛び石などによる異物が侵入することを抑制しつつ、放出面62を通じて放出される音を外部に出力できるようにする保護部材である。起立壁部813には、放出面62から放出される音を外部に導けるように開口部813aが形成されているが、放出面62への異物の侵入を抑制できるように開口部813aの寸法が設定されている。
【0067】
放出面62への異物の侵入は、ダイヤフラム72の損傷など、発音体7の機能を劣化させる可能性がある。このため、放出面62への異物の侵入を抑制することが必要になる。ただし、放出面62を全面覆うように起立壁部813を設けると、放出面62から放出される音の通路が無くなり、良好な放音が行えない。このため、所定寸法を超える異物の放出面62への侵入を抑制できるように開口部813aの寸法を設定している。本実施形態の場合、開口部813aを一方向が長手方向となる長円形状によって構成しており、短手方向の寸法、つまり最小寸法を侵入させたくない異物の寸法未満に設定している。そして、開口部813aは、長手方向が放出孔61の短手方向に向くようにして形成されている。
【0068】
また、開口部813aにおける短手方向の寸法を保護壁22と隔壁24との間の寸法Yaよりも小さくすることで、起立壁部813により放出孔61に侵入し得る異物の侵入を抑制できるようにしている。開口部813aは、複数個、ここでは4個形成されており、各開口部813aが平行に、すなわち各開口部813aの直線状部分が対向するようにして並べて配置されている。各開口部813aの配置間隔は一定とされているが、異なっていても構わない。
【0069】
起立壁部813は、放出面62と当接するように設けられていても良いが、ここでは図4に示すように所定の隙間を空けて配置されるようにしている。このような隙間Cを設けてあるため、起立壁部813がケース3もしくはベース2に干渉すること無く、容易に取付部812を支持構造28内に挿入することが可能になると共に、図8に示すように隙間Cも通路として放音を行うことが可能になる。また、隙間Cについても、保護壁22と隔壁24との間の寸法Yaよりも小さくされ、起立壁部813により放出孔61に侵入し得る異物の侵入を抑制できるようにしている。板状部811からの起立壁部813の高さについては任意であり、図2のように放出方向から見て、起立壁部813の先端がベース2と重なるようにすると好ましく、ここでは起立壁部813の先端と保護壁22とが同じ高さとなるようにしている。
【0070】
以上のようにして、ブラケット8を有する発音器が構成されており、車体部品への取付前に発音器の本体部がブラケット8に取り付けられて一体化されることで発音器が構成される。すなわち、発音器の本体部に備えられた支持構造28内にブラケット8の取付部812を挿入することで、発音器の本体部をブラケット8に対して取り付ける。取付部812を支持構造28内へ挿入すると、取付部812のうちの幅広部がストッパー部283に当接するため、取付部812の支持構造28内への挿入量が規定される。また、突起部281cと位置決め突起284とによって取付部812が挟持されることで、取付部812の厚み方向の位置決めが行われ、レール部282と基部281aとに取付部812が当接することで、取付部812の幅方向の位置決めが行われる。これにより、発音器の本体部とブラケット8とが、所望の位置関係となるように位置決めされて一体となる。
【0071】
そして、発音器の本体部とブラケット8とが一体化された状態で、ブラケット8と共に発音器の本体部が車体部品に固定される。例えば、発音器は、車室外に配置され、より詳細には、放出孔61側が車両前方側等に位置するようにして、車両のフロントバンパー内等に配置される。そして、発音器の外部からの音源信号に基づいてボイスコイル75への通電が行われると、図2図7に示した振動方向にダイヤフラム72が振動し、発音体7より音が発せられる。この音が、第1空間4や放音孔25および放音空間6などを通り、図8に矢印A1、A2で示したように、放出孔61から開口部813aや隙間Cを通って外部に放出される。これにより、電気自動車などの走行音が静かな車両であっても、発音器より警報音を発生させることで、周囲に車両の接近を報知することが可能となる。
【0072】
以上説明した構造の発音器では、放音孔25を覆うように保護壁22を備えているため、保護壁22と立壁23および隔壁24等で構成される放音空間6を通じて放出孔61から出力される。すなわち、発音体7が発した音が一方向から出力されるようにできる。このため、必要とされない方向への放音が行われることを抑制でき、不要な音が車室内へ浸透したり伝搬したりすることを抑制できる。
【0073】
また、発音器の正面の位置、つまりダイヤフラム72の振動方向において、放音孔25を覆うように保護壁22を備えている。このため、車両における発音器の搭載空間のうち保護壁22と隣接する位置に、音の通り路となるスペースを確保する必要がない。つまり、保護壁22と近接して車両部品を搭載することが可能となり、車両の狭い空間にも発音器を配置することが可能になる。したがって、正面の位置に車両部品を近接配置することが可能な発音器にできる。
【0074】
そして、このような構成の発音器の本体部を車体部品に取り付けるために用いるブラケット8に起立壁部813を備え、起立壁部813を放出面62に対向配置させるようにしている。これにより、起立壁部813によって放出面62から異物が侵入することを抑制することが可能となる。
【0075】
また、起立壁部813に開口部813aを備えるようにしつつ、開口部813aのうちの最小寸法を侵入させたくない異物の寸法未満に設定している。このため、所定寸法を超える異物の放出面62への侵入を抑制しつつ、開口部813aを通じる通路にて良好な発音を行うことが可能となる。なお、侵入させたくない異物の寸法とは、保護壁22と隔壁24の一面24aとの間の寸法Yaよりは小さいものの、梁部26等を破損させる可能性がある寸法の小石などを想定しているが、その寸法については任意に設定すれば良い。
【0076】
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
【0077】
例えば、ブラケット8の形状は任意であり、少なくともブラケット8に対して起立壁部813に相当する放出面62に対向配置された壁部を備え、壁部にて放出面62を覆うことで放出面62に異物が侵入することを抑制できる構造であれば良い。一例を挙げると、開口部813aの形成の有無については任意であるし、開口部813aの形状、個数についても任意である。例えば、開口部813aを円形状としても良いし、4個以上もしくはそれ以下の複数個としても良い。
【0078】
また、支持部82については直線状になっていなくても良く、保持部81と固定部83との間を繋ぐ部分として備えられていれば良い。また、固定部83についても、上記実施形態ではネジ締めによって車体部品に固定される例を挙げたが、溶接などの他の手法によって固定されても構わない。さらに、固定部83が固定される部品を車体部品とした例を挙げているが、発音器の本体部が取り付けられる何らかの外部の部品であれば良い。
【0079】
また、取付部812を起立壁部813とは別に備えたが、起立壁部813の両端に取付部812を備えた構造とし、発音器の本体部側に備えられる支持構造28についてもそれに合わせた形状としても良い。すなわち、起立壁部813の両端において、放出方向と反対側に取付部812を折曲げた構造とし、放出方向と反対方向に支持構造28内に取付部812が挿入されるようにする。また、支持構造28についても、第1実施形態で説明した支持構造28を90°ずらして配置すれば良い。その場合も、取付部812の支持構造28内への挿入方向に対して垂直な方向を幅方向として、取付部812を起立壁部813側の幅広部とそれよりも先端側で幅広部よりも幅が狭くされた部分とによって構成することができる。このような構造にすれば、取付部812を支持構造28内に挿入したときに幅広部がストッパー部283に当接して、取付部812の挿入量を規定することが可能となる。
【0080】
また、上記各実施形態で、放音孔25の形状やレイアウトの一例を挙げたが、放音孔25の形状やレイアウトについては任意であり、他の形状やレイアウトであっても良い。また、ダイヤフラム72の形状やストッパー261の形状についても、他の形状とすることができる。
【0081】
さらに、上記各実施形態では、保護壁22および立壁23をベース2の一部として構成したもの、つまりこれらが一部品で構成されたものを例に挙げた。しかしながら、これも一例を示したに過ぎず、例えば、保護壁22および立壁23を別部材とし、ベース2に組み付けることで一体化されるようにしても良い。
【0082】
また、ダイヤフラム72の振動方向から見て、ベース筒部21が多角形状ではなく長円形状などとしても良い。
【符号の説明】
【0083】
1…筐体、2…ベース、3…ケース、4…第1空間、5…第2空間、6…放音空間、7…発音体、8…ブラケット、9…ターミナル、21…ベース筒部、22…保護壁、23…立壁、24…隔壁、24a…一面、25…放音孔、26…梁部、27…対向壁、28…支持構造、29…コネクタ、61…放出孔、62…放出面、71…フレーム、72…ダイヤフラム、73…駆動部、74…ボビン、75…ボイスコイル、76…磁気回路部、78…リードピン、81…保持部、82…支持部、83…固定部、91…端子部、92…接続部、231…支持壁、241…通気孔、242…通気膜、261…ストッパー、262…径方向梁、263…円形梁、281a…基部、281b…挟持部、281c…突起部、282…レール部、283…ストッパー部、284…位置決め突起、291…貫通孔、711…貫通孔、761…磁石、762…トッププレート、763…ヨーク、811…板状部、812…取付部、813…起立壁部、813a…開口部
図1
図2
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