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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124919
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】車載装置及び診断システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/13 20060101AFI20220819BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20220819BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20220819BHJP
【FI】
G08G1/13
G08G1/00 D
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022842
(22)【出願日】2021-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(71)【出願人】
【識別番号】595140170
【氏名又は名称】東京海上日動火災保険株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】598059572
【氏名又は名称】東京海上ディーアール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神谷 新二
(72)【発明者】
【氏名】寺川 慧
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 望
(72)【発明者】
【氏名】伊東 健
(72)【発明者】
【氏名】駒田 悠一
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181EE02
5H181FF05
5H181FF11
5H181FF13
5H181FF25
5H181FF32
5H181MC04
5H181MC12
5H181MC27
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】通信が行えない場合であっても適切なアドバイスをドライバに提供すること。
【解決手段】実施形態に係る車載装置は、危険運転情報送信部と、位置情報送信部と、アドバイス受信部と、蓄積部と、を有する。危険運転情報送信部は、車両のドライバによる危険運転に関する情報である危険運転情報をサーバに送信する。位置情報送信部は、車両の運行開始時に、車両の位置情報をサーバに送信する。アドバイス受信部は、位置情報が示す位置の周辺の環境に関する情報である環境情報、及び危険運転情報を基に生成された環境アドバイスと、危険運転情報を基に生成された個人アドバイスと、をサーバから受信する。蓄積部は、個人アドバイスを記憶部に蓄積する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドライバによる危険運転に関する情報である危険運転情報をサーバに送信する危険運転情報送信部と、
前記車両の運行開始時に、前記車両の位置情報を前記サーバに送信する位置情報送信部と、
前記位置情報が示す位置の周辺の環境に関する情報である環境情報、及び前記危険運転情報を基に生成された第1のアドバイスと、前記危険運転情報を基に生成された第2のアドバイスと、を前記サーバから受信するアドバイス受信部と、
前記第2のアドバイスを記憶部に蓄積する蓄積部と、
を有することを特徴とする車載装置。
【請求項2】
前記位置情報送信部が前記位置情報を送信した後、前記アドバイス受信部による前記第1のアドバイス及び前記第2のアドバイスの受信が失敗した場合、前記記憶部に蓄積された前記第2のアドバイスを出力装置に出力させる出力制御部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記出力制御部は、前記位置情報送信部が前記位置情報を送信した後、前記アドバイス受信部による前記第1のアドバイス及び前記第2のアドバイスの受信が一定時間行われなかった場合、前記記憶部に蓄積された前記第2のアドバイスを出力させることを特徴とする請求項2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記出力制御部は、前記位置情報送信部が前記位置情報を送信した後、前記アドバイス受信部による前記第1のアドバイス及び前記第2のアドバイスの受信をキャンセルする操作が行われた場合、前記記憶部に蓄積された前記第2のアドバイスを出力させることを特徴とする請求項2に記載の車載装置。
【請求項5】
前記アドバイス受信部は、複数のベアラを利用して前記第1のアドバイスと前記第2のアドバイスの受信を試み、
前記出力制御部は、前記位置情報送信部が前記位置情報を送信した後、前記アドバイス受信部による前記第1のアドバイス及び前記第2のアドバイスの受信が前記複数のベアラの全てにおいて失敗した場合、前記記憶部に蓄積された前記第2のアドバイスを出力させることを特徴とする請求項2に記載の車載装置。
【請求項6】
前記出力制御部は、前記位置情報送信部が前記位置情報を送信した後、前記アドバイス受信部による前記第1のアドバイス及び前記第2のアドバイスの受信が成功した場合、前記アドバイス受信部によって受信された前記第1のアドバイスを出力させることを特徴とする請求項2に記載の車載装置。
【請求項7】
前記危険運転情報送信部は、前記危険運転情報を一定期間ごとに前記サーバに送信することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項8】
前記アドバイス受信部は、前記位置情報が示す位置を含むエリアに対して出されている注意報及び警報である環境情報、及び前記危険運転情報を基に生成されたアドバイスを前記第1のアドバイスとして受信することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項9】
車両と、前記車両に備えられた車載装置と、前記車載装置との間でデータの通信が可能なサーバと、を有する診断システムであって、
前記車載装置は、
前記車両のドライバによる危険運転に関する情報である危険運転情報を前記サーバに送信する危険運転情報送信部と、
前記車両の運行開始時に、前記車両の位置情報を前記サーバに送信する位置情報送信部と、
前記位置情報が示す位置の周辺の環境に関する情報である環境情報、及び前記危険運転情報を基に生成された第1のアドバイスと、前記危険運転情報を基に生成された第2のアドバイスと、を前記サーバから受信するアドバイス受信部と、
前記第2のアドバイスを記憶部に蓄積する蓄積部と、
を有し、
前記サーバは、前記環境情報及び前記危険運転情報を基に前記第1のアドバイスを生成し、前記危険運転情報を基に前記第2のアドバイスを生成するアドバイス生成部と、
前記第1のアドバイスと前記第2のアドバイスを前記車載装置に送信するアドバイス送信部と、
を有することを特徴とする診断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置及び診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドライブレコーダからアップロードされたドライバの危険運転情報、及びドライバが運転する車両が位置するエリアの天気の情報を基に、アドバイスを提供する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-117315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、通信が行えない場合に適切なアドバイスをドライバに提供できない場合があるという問題がある。
【0005】
例えば、従来技術において、ドライブレコーダは、地下駐車場のような場所で通信圏外状態になった場合、サーバと通信を行うことができずドライバにアドバイスを提供できない場合がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、通信が行えない場合であっても適切なアドバイスをドライバに提供することができる車載装置及び診断システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る車載装置は、危険運転情報送信部と、位置情報送信部と、アドバイス受信部と、蓄積部と、を有する。危険運転情報送信部は、車両のドライバによる危険運転に関する情報である危険運転情報をサーバに送信する。位置情報送信部は、車両の運行開始時に、車両の位置情報をサーバに送信する。アドバイス受信部は、位置情報が示す位置の周辺の環境に関する情報である環境情報、及び危険運転情報を基に生成された第1のアドバイスと、危険運転情報を基に生成された第2のアドバイスと、をサーバから受信する。蓄積部は、第2のアドバイスを記憶部に蓄積する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、通信が行えない場合であっても適切なアドバイスをドライバに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る診断システムについて説明する図である。
図2図2は、実施形態に係る診断システムについて説明する図である。
図3図3は、実施形態に係る車載装置の構成例を示す図である。
図4図4は、アドバイスの出力例を示す図である。
図5図5は、アドバイスの出力例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るサーバの構成例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る診断システムの処理手順を示すシーケンス図である。
図8図8は、実施形態に係る診断システムの処理手順を示すシーケンス図である。
図9図9は、実施形態に係る診断システムの処理手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する車載装置及び診断システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
まず、図1を用いて、実施形態に係る診断システムの構成及び処理について説明する。図1は、実施形態に係る診断システムについて説明する図である。
【0012】
図1に示すように、診断システム1は、車両V、車載装置10及びサーバ20を有する。例えば、車両Vは自動車である。また、例えば、車載装置10は、車両Vの内部に備え付けられたドライブレコーダである。
【0013】
また、車載装置10は、ネットワークNを介してサーバ20とデータ通信可能に接続されている。例えば、ネットワークNはインターネットである。
【0014】
車載装置10のバッテリは車両Vから独立しているものとする。例えば、車載装置10はリチウムイオン電池等の電池を備える。ただし、車載装置10は、車両VのACC電源又はシガーチャージャからの給電及び充電が可能であってもよい。
【0015】
また、車載装置10は、センサ、プロセッサ及びメモリ等を備えたスマートフォン等の情報処理装置と同等の装置であってもよい。
【0016】
車載装置10は、車両Vのドライバに対して、運転に関するアドバイスを提供する。アドバイスは、画面表示及び音声出力等により提供される。また、アドバイスはサーバ20によって生成され、車載装置10に送信される。
【0017】
サーバ20は、車両Vのドライバによる危険運転に関する情報である危険運転情報と、車両Vの位置の周辺の環境に関する情報である環境情報と、を基に環境アドバイスを生成する。環境アドバイスは第1のアドバイスの一例である。
【0018】
また、サーバ20は、危険運転情報を基に個人アドバイスを生成する。個人アドバイスは第2のアドバイスの一例である。
【0019】
例えば、危険運転情報は、ドライバが急加速、急制動、急ハンドルといった危険な運転を行う頻度である。また、例えば、環境情報は車両Vの周辺の天気に関する情報である。
【0020】
環境アドバイスは、危険運転情報と環境情報の両方を考慮して生成されるアドバイスということができる。
【0021】
例えば、サーバ20は、ドライバが普段から急加速を頻繁に行う傾向があり、かつ車両Vの周辺で雪が降っている場合は、普段よりさらに急加速を控える旨のアドバイスを環境アドバイスとして生成することができる。
【0022】
一方、個人アドバイスは、環境情報を考慮せずに、危険運転情報を考慮して生成されるアドバイスということができる。
【0023】
例えば、サーバ20は、ドライバが普段から急加速を頻繁に行う傾向がある場合、急加速を控える旨のアドバイスを個人アドバイスとして生成することができる。
【0024】
ここで、車載装置10がサーバ20との間で通信を行うことができない場合、車載装置10はサーバ20からアドバイスを受け取ることができない。
【0025】
そこで、本実施形態では、車載装置10は、サーバ20との間で通信を行うことができない場合、最後にサーバ20から受け取ったアドバイスをドライバに提供する。
【0026】
環境アドバイスは、個人アドバイスに比べて車両V及びドライバの状況により適したアドバイスであるといえるが、常に有用であるとは限らない。
【0027】
例えば、雪が降っているときに受け取った環境アドバイスは、雪が止んだ後は有用でないことがある。
【0028】
一方で、個人アドバイスは、天気等の環境に左右されることがないため、常にある程度の有用性を有すると考えられる。
【0029】
このため、車載装置10は、サーバ20から受け取った個人アドバイスを蓄積しておき、サーバ20との間で通信が行えない場合は、蓄積した個人アドバイスを出力する。
【0030】
図1を用いて、診断システム1の処理の流れを説明する。図1は、車載装置10がサーバ20からのアドバイスの受信に成功した場合の例である。
【0031】
図1に示すように、まず、車載装置10は、危険運転情報を収集する(ステップS11)。
【0032】
例えば、車載装置10は、カメラ及び加速度センサを用いて、ドライバの急加速、急制動、急ハンドルに関する情報を危険運転情報として収集する。
【0033】
そして、車載装置10は、収集した危険運転情報をサーバ20に送信する(ステップS12)。
【0034】
ここまでの処理は、車両Vの状態にかかわらず、例えば一定期間ごとに行われる。対して、以降の処理は、例えば車両Vの運行開始時に行われる。
【0035】
車載装置10は、車両Vの運行開始時に、位置情報をサーバ20に送信する(ステップS13)。ここで、車載装置10は、サーバ20から環境アドバイスと個人アドバイスの受信に成功したものとする(ステップS14)。
【0036】
このとき、車載装置10は、受信した個人アドバイスを蓄積する(ステップS15)。そして、車載装置10は、受信した環境アドバイスを出力する(ステップS16)。
【0037】
図2を用いて、診断システム1の処理の流れを説明する。図2は、車載装置10がサーバ20からのアドバイスの受信に失敗した場合の例である。
【0038】
図2に示すように、まず、車載装置10は、危険運転情報を収集する(ステップS21)。
【0039】
例えば、車載装置10は、カメラ及び加速度センサを用いて、ドライバの急加速、急制動、急ハンドルに関する情報を収集する。
【0040】
そして、車載装置10は、収集した危険運転情報をサーバ20に送信する(ステップS22)。
【0041】
図1の例と同様に、ここまでの処理は車両Vの状態にかかわらず行われる。そして、以降の処理は、例えば車両Vの運行開始時に行われる。
【0042】
車載装置10は、車両Vの運行開始時に、位置情報をサーバ20に送信する(ステップS23)。ここで、車載装置10は、サーバ20から環境アドバイスと個人アドバイスの受信に失敗したものとする(ステップS24)。
【0043】
このとき、車載装置10は、蓄積済みの個人アドバイスを出力する(ステップS25)。
【0044】
これにより、車載装置10は、サーバ20との通信の成否に関係なく、アドバイスを出力することができる。
【0045】
また、車載装置10は、例えば、位置情報を送信できない場合、ネットワークNに接続するための中継機器が見つからない場合、位置情報の送信後一定時間が経過してもアドバイスを受信できなかった場合、ドライバがアドバイスの受信をキャンセルする操作を行った場合等に、サーバ20からのアドバイスの受信が失敗したと判断することができる。
【0046】
図3を用いて車載装置10の構成について説明する。図3は、実施形態に係る車載装置の構成例を示す図である。
【0047】
図3に示すように、車載装置10は、加速度センサ11a、カメラ11b、位置情報受信部11c、通信部11d及び出力部11eを有する。
【0048】
加速度センサ11aは、加速度を感知する。
【0049】
カメラ11bは画像を撮影する。例えば、カメラ11bは、車両Vの周囲の動画像を撮影する。
【0050】
位置情報受信部11cは、GNSS(global navigation satellite system)及びGPS(global positioning system)等の信号を受信するための機器である。
【0051】
通信部11dは通信モジュールであり、ネットワークNを介してサーバ20との間で通信を行う。例えば、通信部11dは、LTE(Long Term Evolution)、Wi-Fi(登録商標)及びBluetooth(登録商標)等のベアラを利用して通信を行うことができる。
【0052】
車載装置10の制御部13及び記憶部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポート等を有するコンピュータや各種の回路により実現される。
【0053】
記憶部12は、個人アドバイス情報121を記憶する。個人アドバイス情報121は、サーバ20によって生成される個人アドバイスである。
【0054】
なお、個人アドバイス情報121は不揮発領域に記憶される。これにより、車載装置10がシャットダウンした後も個人アドバイス情報121は保持される。
【0055】
制御部13は、収集部131、危険運転情報送信部132、位置情報送信部133、アドバイス受信部134、蓄積部135及び出力制御部136を有する。
【0056】
収集部131は、危険運転情報を収集する。収集部131は、危険運転が行われたときに加速度センサ11aによって感知された加速度及びカメラ11bによって撮影された画像を危険運転情報として収集する。
【0057】
危険運転情報送信部132は、車両Vのドライバによる危険運転に関する情報である危険運転情報をサーバ20に送信する。
【0058】
すなわち、危険運転情報送信部132は、収集部131によって収集された危険運転情報をサーバ20に送信する。
【0059】
ここで、危険運転情報送信部132が危険運転情報をサーバ20に送信するタイミングを車両Vの運行終了時等に限定した場合を考える。
【0060】
このとき、例えば、車両Vが毎回地下駐車場のような通信圏外の場所で運行を終了する場合、収集された危険運転情報がいつまで経ってもサーバ20に送信されない。
【0061】
そこで、危険運転情報送信部132は、車両Vが運行中であるか否かにかかわらず、危険運転情報を一定期間ごとにサーバ20に送信してもよい。
【0062】
これにより、危険運転情報をより確実にサーバ20に送信することができる。
【0063】
また、危険運転情報送信部132は、通信圏内であることを検知した場合に危険運転情報を送信するようにしてもよい。
【0064】
位置情報送信部133は、車両Vの運行開始時に、車両Vの位置情報をサーバ20に送信する。
【0065】
位置情報送信部133は、位置情報受信部11cが受信した信号をそのまま送信してもよいし、位置情報受信部11cが受信した信号を位置を特定するための情報に変換して送信してもよい。
【0066】
アドバイス受信部134は、位置情報が示す位置の周辺の環境に関する情報である環境情報、及び危険運転情報を基に生成された環境アドバイスと、危険運転情報を基に生成された個人アドバイスと、をサーバ20から受信する。
【0067】
ここで、サーバ20は、車載装置10によって送信された位置情報を受信すると、その応答として、アドバイスをし、生成したアドバイスを車載装置10に送信する。
【0068】
蓄積部135は、個人アドバイスを記憶部12に蓄積する。蓄積部135は、アドバイス受信部134が受信した個人アドバイスを、受信日時とともに個人アドバイス情報121に追加してもよい。
【0069】
また、蓄積部135は、アドバイス受信部134が受信した個人アドバイスで蓄積済みの個人アドバイス情報121を上書きしてもよい。
【0070】
いずれの場合であっても、個人アドバイス情報121には、常に最後に受信した個人アドバイスが含まれる。
【0071】
これにより、車載装置10は、アドバイスの受信に失敗した場合であっても、少なくとも蓄積済みの個人アドバイスを保持しておくことができる。
【0072】
その結果、車載装置10は、通信が行えない場合であっても適切なアドバイスをドライバに提供することができる。
【0073】
アドバイス受信部134は、複数のベアラを利用して環境アドバイスと個人アドバイスの受信を試みることができる。
【0074】
例えば、アドバイス受信部134は、LTEによるアドバイスの受信に失敗した場合、Wi-Fiによるアドバイスの受信を試みる。さらに、アドバイス受信部134は、Wi-Fiによるアドバイスの受信に失敗した場合、Bluetoothによるアドバイスの受信を試みる。
【0075】
出力制御部136は、位置情報送信部133が位置情報を送信した後、アドバイス受信部134による環境アドバイス及び個人アドバイスの受信が成功した場合、アドバイス受信部134によって受信された環境アドバイスを出力させる。
【0076】
これにより、車載装置10は、通信が行える場合は、個人アドバイスよりも有用な環境アドバイスを優先的に出力することができる。
【0077】
逆に、出力制御部136は、位置情報送信部133が位置情報を送信した後、アドバイス受信部134による環境アドバイス及び個人アドバイスの受信が失敗した場合、記憶部12に蓄積された個人アドバイスを出力部11eに出力させる。
【0078】
これにより、車載装置10は、通信が行えない場合であっても適切なアドバイスをドライバに提供することができる。
【0079】
例えば、出力制御部136は、位置情報送信部133が位置情報を送信した後、アドバイスを受信することなく所定時間(例えば3分間)が経過し、タイムアウトが発生した場合にアドバイスの受信に失敗したと判断することができる。
【0080】
すなわち、出力制御部136は、位置情報送信部133が位置情報を送信した後、アドバイス受信部134による環境アドバイス及び個人アドバイスの受信が一定時間行われなかった場合、記憶部12に蓄積された個人アドバイスを出力させる。
【0081】
これにより、車載装置10は、アドバイスの受信に失敗したことを自動的に判断することができる。
【0082】
また、例えば、出力制御部136は、ドライバによってアドバイスの受信をキャンセルされた場合に、アドバイスの受信に失敗したと判断することができる。
【0083】
すなわち、出力制御部136は、位置情報送信部133が位置情報を送信した後、アドバイス受信部134による環境アドバイス及び個人アドバイスの受信をキャンセルする操作が行われた場合、記憶部12に蓄積された個人アドバイスを出力させる。
【0084】
これにより、車載装置10は、アドバイスの出力制御にユーザの意向を反映させることができる。
【0085】
また、アドバイス受信部134が複数のベアラでアドバイスの受信を試みて、全てのベアラにおいてアドバイスの受信に失敗した場合、出力制御部136は、アドバイスの受信に失敗したと判断する。
【0086】
すなわち、出力制御部136は、位置情報送信部133が位置情報を送信した後、アドバイス受信部134による環境アドバイス及び個人アドバイスの受信が複数のベアラの全てにおいて失敗した場合、記憶部12に蓄積された個人アドバイスを出力させる。
【0087】
一方、アドバイス受信部134が複数のベアラでアドバイスの受信を試みて、いずれかのベアラにおいてアドバイスの受信に成功した場合、出力制御部136は、アドバイスの受信に成功したと判断する。
【0088】
これにより、車載装置10は、アドバイスの受信が成功する可能性を高めることができる。
【0089】
ここで、図4及び図5を用いて、出力制御部136によるアドバイスの出力方法を説明する。図4及び図5は、アドバイスの出力例を示す図である。
【0090】
ここでは、出力部11eは、スピーカを備えたディスプレイであるものとする。
【0091】
図4は、アドバイス受信部134がサーバ20からのアドバイスの受信に成功した場合の例である。
【0092】
この場合、図4に示すように、出力制御部136は、出力部11eのディスプレイに「今回用」という文字列を表示させる。
【0093】
「今回用」とは、出力するアドバイスが、記憶部12に個人アドバイス情報121として蓄積されていたものではなく、リアルタイムに受信したものであることを意味する。
【0094】
さらに、出力部11eのスピーカは、「今日は雪のため、この先の道路が滑りやすくなっています。普段から急加速が多いので、今日は特に注意してください。」というメッセージを読み上げる音声を出力する。このメッセージは、環境アドバイスの一例である。
【0095】
図5は、アドバイス受信部134がサーバ20からのアドバイスの受信に失敗した場合の例である。
【0096】
この場合、図5に示すように、出力制御部136は、出力部11eのディスプレイに「次回の通信不可能時用」という文字列を表示させる。
【0097】
「次回の通信不可能時用」とは、出力するアドバイスが、記憶部12に個人アドバイス情報121として蓄積されていたものであることを意味する。
【0098】
さらに、出力部11eのスピーカは、「普段から急加速が多いので注意してください。」というメッセージを読み上げる音声を出力する。このメッセージは、個人アドバイスの一例である。
【0099】
図6を用いてサーバ20の構成について説明する。図6は、実施形態に係るサーバの構成例を示す図である。
【0100】
図6に示すように、サーバ20は、通信部21、記憶部22及び制御部23を有する。
【0101】
通信部21は通信モジュールであり、ネットワークNを介して車載装置10及び車両Vとの間で通信を行う。
【0102】
サーバ20の制御部23及び記憶部22は、例えばCPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート等を有するコンピュータや各種の回路により実現される。記憶部22は、危険運転情報221を記憶する。
【0103】
制御部13は、危険運転情報受信部231、位置情報受信部232、アドバイス生成部233及びアドバイス送信部234を有する。
【0104】
危険運転情報受信部231は、車載装置10から危険運転情報を受信する。危険運転情報受信部231は、受信した情報を危険運転情報221として記憶部22に蓄積する。
【0105】
位置情報受信部232は、車載装置10から位置情報を受信する。
【0106】
アドバイス生成部233は、環境情報及び危険運転情報を基に環境アドバイスを生成する。また、アドバイス生成部233は、危険運転情報を基に個人アドバイスを生成する。
【0107】
これにより、サーバ20は、現在時刻以降の天気の変動を考慮に入れた環境アドバイスを生成することができる。
【0108】
ここで、環境情報は、例えば位置情報が示す位置を含むエリアに対して出されている注意報及び警報である。
【0109】
例えば、アドバイス生成部233は、気象庁から提供される注意報及び警報を取得する。注意報には、大雨注意報、大雪注意報、濃霧注意報等がある。また、警報には、大雨警報、大雪警報、濃霧警報等がある。
【0110】
また、アドバイス生成部233は、所定の期間にわたって収集された危険運転情報からアドバイスを生成してもよい。
【0111】
アドバイス生成部233がアドバイスを生成するための危険運転情報を収集する期間を長く取るほど、危険情報の入手は容易になるが、アドバイスの精度は低下する。
【0112】
逆に、アドバイス生成部233がアドバイスを生成するための危険運転情報を収集する期間を短く取るほど、危険情報の入手は困難になるが、アドバイスの精度は向上する。
【0113】
アドバイス送信部234は、環境アドバイスと個人アドバイスを車載装置10に送信する。
【0114】
図7図8及び図9を用いて、診断システム1の処理の流れを説明する。図7図8及び図9は、実施形態に係る診断システムの処理手順を示すシーケンス図である。
【0115】
図7は、アドバイスを受信するか否かにかかわらず定期的(例えば1時間ごと)に行われる処理である。
【0116】
図7に示すように、まず、車載装置10は、危険運転情報を収集する(ステップS101)。車載装置10は、危険運転情報をサーバ20に送信する(ステップS102)。
【0117】
サーバ20は、車載装置10から受信した危険運転情報を蓄積する(ステップS103)。
【0118】
図8は、車載装置10がアドバイスの受信に成功した場合の処理である。
【0119】
まず、車両Vの運行開始と同時に車載装置10が起動する(ステップS201)。そして、車載装置10は、位置情報をサーバ20に送信する(ステップS202)。
【0120】
ここで、サーバ20は、位置情報に基づく環境情報及び危険情運転情報から環境アドバイスを生成する(ステップS203)。
【0121】
また、サーバ20は、危険情運転情報から個人アドバイスを生成する(ステップS204)。
【0122】
続いて、サーバ20は、生成した環境アドバイスと個人アドバイスを車載装置10に送信する(ステップS205)。
【0123】
車載装置10は、受信した個人アドバイスを蓄積する(ステップS206)。そして、車載装置10は、受信した環境アドバイスを出力する(ステップS207)。
【0124】
図9は、車載装置10がアドバイスの受信に失敗した場合の処理である。
【0125】
まず、車両Vの運行開始と同時に車載装置10が起動する(ステップS301)。そして、車載装置10は、位置情報をサーバ20に送信する(ステップS302)。
【0126】
ここで、車載装置10は一定時間アドバイスを受信することができず、でタイムアウトが発生する(ステップS303)。すなわち、車載装置10はアドバイスの受信に失敗する。
【0127】
なお、アドバイスの受信は、通信環境の悪化、車載装置10又はサーバ20の不具合、ドライバの操作によるキャンセル等に起因して失敗する場合がある。
【0128】
ここで、車載装置10は、蓄積済みの個人アドバイスを出力する(ステップS304)。
【0129】
上述してきたように、車載装置10は、危険運転情報送信部132と、位置情報送信部133と、アドバイス受信部134と、蓄積部135と、を有する。危険運転情報送信部132は、車両Vのドライバによる危険運転に関する情報である危険運転情報をサーバ20に送信する。位置情報送信部133は、車両Vの運行開始時に、車両Vの位置情報をサーバ20に送信する。アドバイス受信部134は、位置情報が示す位置の周辺の環境に関する情報である環境情報、及び危険運転情報を基に生成された環境アドバイスと、危険運転情報を基に生成された個人アドバイスと、をサーバ20から受信する。蓄積部135は、個人アドバイスを記憶部に蓄積する。
【0130】
このように、車載装置10は、環境アドバイスと個人アドバイスを受信し、個人アドバイスを蓄積しておく。この結果、本実施形態の車載装置10は、通信が行えない場合であっても適切なアドバイスをドライバに提供することができる。
【0131】
なお、車載装置10の各機能は、例えばCPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート等を有するコンピュータや各種の回路により実現される。
【0132】
また、車載装置10は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。
【0133】
コンピュータのCPUは、例えばROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、収集部131、危険運転情報送信部132、位置情報送信部133、アドバイス受信部134及び蓄積部135として機能する。
【0134】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細及び代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【0135】
例えば、車載装置10は、ドライバごとに危険運転情報を収集し、収集した危険運転情報とドライバを識別する情報とを対応付けてサーバ20に送信してもよい。
【0136】
例えば、車載装置10は、ドライバによって提示されたICカード(免許証)、顔認証、ドライバの操作等によりドライバを識別する。
【0137】
これにより、サーバ20は、車両ごとではなく、ドライバごとの危険運転情報に基づきより的確なアドバイスを生成することができる。
【符号の説明】
【0138】
N ネットワーク
V 車両
1 診断システム
10 車載装置
11a 加速度センサ
11b カメラ
11c 位置情報受信部
11d、21 通信部
11e 出力部
12、22 記憶部
13、23 制御部
20 サーバ
131 収集部
132 危険運転情報送信部
133 位置情報送信部
134 アドバイス受信部
135 蓄積部
136 出力制御部
121 個人アドバイス情報
221 危険運転情報
231 危険運転情報受信部
232 位置情報受信部
233 アドバイス生成部
234 アドバイス送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9