(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124920
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】車載装置、同期システム及び同期方法
(51)【国際特許分類】
H04M 1/00 20060101AFI20220819BHJP
G07C 5/00 20060101ALI20220819BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20220819BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
H04M1/00 U
G07C5/00 Z
B60R16/02 640Z
G08G1/09 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021022843
(22)【出願日】2021-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(71)【出願人】
【識別番号】595140170
【氏名又は名称】東京海上日動火災保険株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】598059572
【氏名又は名称】東京海上ディーアール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺川 慧
(72)【発明者】
【氏名】神谷 新二
(72)【発明者】
【氏名】伊東 健
(72)【発明者】
【氏名】駒田 悠一
【テーマコード(参考)】
3E138
5H181
5K127
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138MA01
3E138MB08
3E138MB10
3E138ME04
3E138MF08
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF10
5K127AA16
5K127BA10
5K127BB22
5K127FA07
5K127GA14
5K127GD06
5K127HA11
5K127JA03
5K127JA14
5K127JA51
5K127KA01
5K127KA02
(57)【要約】
【課題】車載装置の電力消費量を低減させること。
【解決手段】実施形態に係る車載装置は、記憶部と、送信部と、更新部と、を有する。記憶部は、Webアプリケーションに関するパラメータを記憶する。送信部は、車載装置の起動時に、記憶部に記憶されたパラメータをサーバに送信する。更新部は、サーバからパラメータを受信した場合、サーバから受信したパラメータにより記憶部に記憶されたパラメータを更新する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webアプリケーションに関するパラメータを記憶する記憶部と、
自装置の起動時に、前記記憶部に記憶されたパラメータをサーバに送信する送信部と、
前記サーバからパラメータを受信した場合、前記サーバから受信したパラメータにより前記記憶部に記憶されたパラメータを更新する更新部と、
を有することを特徴とする車載装置。
【請求項2】
前記更新部は、前記車載装置の起動時から前記車載装置が備えられた車両の運行開始時までの間に、前記記憶部に記憶されたパラメータを更新することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記送信部は、前記車載装置が備えられた車両の運行開始時に、前記記憶部に記憶されたパラメータを前記サーバにさらに送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記送信部は、前記車載装置が備えられた車両の運行終了時に、前記記憶部に記憶されたパラメータを前記サーバにさらに送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記車載装置が撮影する画像の解像度、前記サーバによる前記車載装置の制御の可否、前記Webアプリケーションが実行される期間、車両内における前記車載装置の位置を示す情報、のうち少なくともいずれかをパラメータとして記憶することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項6】
前記送信部は、前記車載装置が備えられた車両のユーザへの通知を行うことなく、前記記憶部に記憶されたパラメータを前記サーバに送信することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の車載装置。
【請求項7】
車両と、前記車両に備えられた車載装置と、前記車載装置との間でデータの通信が可能なサーバと、を有する同期システムであって、
前記車載装置は、
前記サーバによって提供されるWebアプリケーションに関するパラメータを記憶する第1の記憶部と、
前記車載装置の起動時に、前記第1の記憶部に記憶されたパラメータを前記サーバに送信する第1の送信部と、
前記サーバからパラメータを受信した場合、前記サーバから受信したパラメータにより前記第1の記憶部に記憶されたパラメータを更新する第1の更新部と、
を有し、
前記サーバは、
前記Webアプリケーションに関するパラメータを記憶する第2の記憶部と、
前記車載装置から受信した第1のパラメータと、前記第2の記憶部に記憶された第2のパラメータと、のうち設定された日時が新しい方のパラメータを特定する特定部と、
前記特定部によって、前記第1のパラメータが新しいパラメータとして特定された場合、前記第1のパラメータにより、前記第2の記憶部に記憶された前記第2のパラメータを更新する第2の更新部と、
前記特定部によって、前記第2のパラメータが新しいパラメータとして特定された場合、前記第2のパラメータを前記車載装置に送信する第2の送信部と、
を有することを特徴とする同期システム。
【請求項8】
前記第1の記憶部は、複数のユーザのそれぞれに対応付けられたパラメータを記憶し、
前記第1の送信部は、前記第1の記憶部に記憶されたパラメータであって、第1のユーザに対応付けられたパラメータを前記サーバに送信し、
前記第2の記憶部は、複数のユーザのそれぞれに対応付けられたパラメータを記憶し、
前記第2の送信部は、前記第1のユーザが使用する複数の車両のそれぞれに備えられた車載装置に前記第2のパラメータを送信することを特徴とする請求項7に記載の同期システム。
【請求項9】
Webアプリケーションに関するパラメータを記憶する記憶部を有する車載装置によって実行される同期方法であって、
前記車載装置の起動時に、前記記憶部に記憶されたパラメータをサーバに送信する送信工程と、
前記サーバからパラメータを受信した場合、前記サーバから受信したパラメータにより前記記憶部に記憶されたパラメータを更新する更新工程と、
を含むことを特徴とする同期方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置、同期システム及び同期方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に備えられたドライブレコーダ等の車載装置と接続されたサーバが実行するWebアプリケーションが知られている。
【0003】
Webアプリケーションで使用されるパラメータは、サーバと車載装置との間で同期される。例えば、車載装置とペアリングされたモバイル機器を介してパラメータを同期する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、車載装置の電力消費量を低減させることができない場合があるという問題がある。
【0006】
例えば、従来の技術では、パラメータの同期が常時行われるため、車載装置とサーバとの通信が頻繁に発生し、電力消費量が増大する場合がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車載装置の電力消費量を低減させることができる車載装置、同期システム及び同期方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る車載装置は、記憶部と、送信部と、更新部と、を有する。記憶部は、Webアプリケーションに関するパラメータを記憶する。送信部は、車載装置の起動時に、記憶部に記憶されたパラメータをサーバに送信する。更新部は、サーバからパラメータを受信した場合、サーバから受信したパラメータにより記憶部に記憶されたパラメータを更新する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車載装置の電力消費量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る同期システムについて説明する図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る車載装置の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るサーバの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る同期システムの処理手順を示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るサーバの処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態に係る車載装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する車載装置、同期システム及び同期方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
まず、
図1を用いて、実施形態に係る同期システムの構成及び処理について説明する。
図1は、実施形態に係る同期システムについて説明する図である。
【0013】
図1に示すように、同期システム1は、車両V、車載装置10及びサーバ20を有する。例えば、車両Vは自動車である。また、例えば、車載装置10は、車両Vの内部に備え付けられたドライブレコーダである。
【0014】
また、車載装置10は、ネットワークNを介してサーバ20とデータ通信可能に接続されている。例えば、ネットワークNはインターネットである。
【0015】
車載装置10のバッテリは車両Vから独立しているものとする。例えば、車載装置10はリチウムイオン電池等の電池を備える。ただし、車載装置10は、車両VのACC電源又はシガーチャージャからの給電及び充電が可能であってもよい。
【0016】
また、車載装置10は、センサ、プロセッサ及びメモリ等を備えたスマートフォン等の情報処理装置と同等の装置であってもよい。
【0017】
サーバ20はWebアプリケーションを実行する。車載装置10は、Webアプリケーションの実行に伴い所定の動作を行う。サーバ20は、車載装置10に対するクラウドということができる。
【0018】
例えば、Webアプリケーションは、走行中又は駐車中の監視といった、車両側での画像の撮影を伴うものであってもよい。その場合、例えば、車載装置10は、サーバ20の制御にしたがい、車両Vの周辺及び内部を撮影した画像及び感知した加速度サーバ20に送信する。
【0019】
その際、撮影する画像の解像度、撮影を行う期間等がWebアプリケーションのパラメータとして設定される。
【0020】
Webアプリケーションのパラメータは、車両Vのドライバによって車載装置10を介して設定される場合がある。
【0021】
また、Webアプリケーションのパラメータは、Webアプリケーションの管理者等によりサーバ20を介して設定される場合がある。
【0022】
いずれの場合であっても、Webアプリケーションが正常に実行されるためには、設定されたパラメータがサーバ20と車載装置10との間で同期されている必要がある。
【0023】
また、車載装置10で利用可能なバッテリには限りがあるため、パラメータの同期に要する電力消費量は低減されることが望ましい。
【0024】
本実施形態において、サーバ20と車載装置10との間でパラメータの同期が行われるタイミングは、車載装置10の起動時、車両Vの運行開始時、及び車両Vの運行終了時に限定される。
【0025】
これにより、車載装置10がサーバ20と通信を行う頻度を抑え、電力消費量を低減させることができる。
【0026】
図1を用いて、同期システム1の処理の流れを説明する。ここでは、車載装置10に記憶されているパラメータを端末側パラメータと呼ぶ。また、サーバ20に記憶されているパラメータをサーバ側パラメータと呼ぶ。
【0027】
図1に示すように、まず、車載装置10は、車載装置10の起動時、車両Vの運行開始時又は車両Vの運行終了時のいずれかのタイミングで、端末側パラメータをサーバ20に送信する(ステップS1)。
【0028】
なお、車載装置10は、車両VのACCがオンになったタイミングで起動するものであってもよい。
【0029】
また、車載装置10は、車両VのACCがオンになった時、車両Vのエンジンが始動した時、又は車両Vが走行を開始した時を運行開始時とみなすことができる。
【0030】
また、車載装置10は、車両VのACCがオフになった時、車両Vのエンジンが停止した時、又は車両Vが走行を終了した時を運行終了時とみなすことができる。
【0031】
また、車両Vの運行開始時から運行終了時までの間をトリップと呼ぶ場合がある。
【0032】
次に、サーバ20は、サーバ側パラメータと受信した端末側パラメータのうち最新のパラメータを特定する(ステップS2)。
【0033】
なお、サーバ20は、サーバ側パラメータと端末側パラメータに差異がある場合にのみステップS2の処理を行うようにしてもよい。
【0034】
例えば、サーバ20は、サーバ側パラメータと端末側パラメータに付された作成日時又は最終更新日時を参照して最新のパラメータを特定する。
【0035】
ここで、端末側パラメータが最新である場合、サーバ20は、サーバ側パラメータを受信した端末側パラメータで更新する(ステップS3)。
【0036】
一方、サーバ側パラメータが最新である場合、サーバ20は、サーバ側パラメータを車載装置10に送信する(ステップS4)。
【0037】
車載装置10は、サーバ20からサーバ側パラメータを受信すると、端末側パラメータを受信したサーバ側パラメータで更新する(ステップS5)。
【0038】
図2を用いて車載装置10の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る車載装置の構成例を示す図である。
【0039】
本実施形態では、Webアプリケーションは、車載装置10に、車両Vの走行中又は駐車中の監視を実行させるものとして説明する。ただし、Webアプリケーションは、ここで説明するものに限られない。
【0040】
図2に示すように、車載装置10は、表示部11a、操作部11b、加速度センサ11c、カメラ11d、位置情報受信部11e及び通信部11fを有する。
【0041】
表示部11aは、画面を表示するためのディスプレイ等である。また、操作部11bは、ボタン等の入力装置である。また、表示部11a及び操作部11bは、タッチパネルディスプレイによって実現されてもよい。
【0042】
加速度センサ11cは、加速度を感知する。
【0043】
カメラ11dは画像を撮影する。例えば、カメラ11dは、車両Vの周囲又は車両Vの内部の動画像を撮影する。
【0044】
位置情報受信部11eは、GNSS(global navigation satellite system)及びGPS(global positioning system)等の信号を受信するための機器である。
【0045】
通信部11fは通信モジュールであり、ネットワークNを介してサーバ20との間で通信を行う。例えば、通信部11fは、LTE(Long Term Evolution)、Wi-Fi(登録商標)及びBluetooth(登録商標)等の規格を利用して通信を行うことができる。
【0046】
車載装置10の制御部13及び記憶部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポート等を有するコンピュータや各種の回路により実現される。
【0047】
記憶部12は、パラメータ情報121を記憶する。パラメータ情報121は、Webアプリケーションに関するパラメータである。
【0048】
例えば、記憶部12は、車載装置10が撮影する画像の解像度、サーバ20による車載装置10の制御の可否、Webアプリケーションが実行される期間、車両V内における車載装置10の位置を示す情報、のうち少なくともいずれかをパラメータ情報121として記憶する。
【0049】
これにより、Webアプリケーションによる車両Vに関する監視機能を正常に実行することが可能になる。
【0050】
制御部13は、送信部131、受信部132、更新部133及び監視部134を有する。
【0051】
送信部131は、車載装置10の起動時に、記憶部12に記憶されたパラメータをサーバ20に送信する。
【0052】
送信部131は、車載装置10が備えられた車両Vの運行開始時に、記憶部12に記憶されたパラメータをサーバ20にさらに送信してもよい。
【0053】
また、送信部131は、車載装置10が備えられた車両Vの運行終了時に、記憶部12に記憶されたパラメータをサーバ20にさらに送信してもよい。
【0054】
このように、車載装置10は、トリップの直前及び直後にパラメータを送信し、トリップ中にはパラメータを送信しない。その結果、トリップ中のパラメータの一貫性が確保される。
【0055】
本実施形態では、送信部131は、車載装置10の起動時、車両Vの運行開始時及び車両Vの運行終了時以外のタイミングではパラメータをサーバ20に送信しない。
【0056】
また、送信部131は、車載装置10の起動時にのみパラメータをサーバ20に送信するようにしてもよい。
【0057】
また、送信部131は、車両Vのユーザへの通知を行うことなく、記憶部12に記憶されたパラメータをサーバ20に送信する。
【0058】
これにより、車両Vの操作を行っているユーザの注意をそらすことなくパラメータの同期を行うことが可能になる。
【0059】
受信部132は、サーバ20からパラメータを受信する。
【0060】
更新部133は、受信部132がサーバ20からパラメータを受信した場合、サーバ20から受信したパラメータにより記憶部12に記憶されたパラメータを更新する。
【0061】
このように、車載装置10は、パラメータを同期させるタイミングを限定することで、電力消費量を低減させている。
【0062】
ここで、サーバ20は、車載装置10から送信されてきたパラメータが最新のものではないと判断した場合、最新のパラメータを車載装置10に送信する。サーバ20の詳細については後述する。
【0063】
特に、送信部131が車載装置10の起動時にパラメータを送信した場合、更新部133は、車載装置10の起動時から車載装置10が備えられた車両Vの運行開始時までの間に、記憶部12に記憶されたパラメータを更新する。
【0064】
これにより、トリップ中にWebアプリケーションを正常に実行することが可能になる。
【0065】
車載装置10によるパラメータの送信及び更新は、車載装置10の起動中の処理と並行して行われてもよい。
【0066】
図3を用いてサーバ20の構成について説明する。
図3は、実施形態に係るサーバの構成例を示す図である。
【0067】
図3に示すように、サーバ20は、通信部21、記憶部22及び制御部23を有する。
【0068】
通信部21は通信モジュールであり、ネットワークNを介して車載装置10及び車両Vとの間で通信を行う。
【0069】
サーバ20の制御部23及び記憶部22は、例えばCPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート等を有するコンピュータや各種の回路により実現される。
【0070】
記憶部22は、パラメータ情報221を記憶する。パラメータ情報221は、Webアプリケーションに関するパラメータである。
【0071】
パラメータ情報221は、パラメータ情報121と同じ形式のデータである。パラメータ情報221とパラメータ情報121は、完全に一致する場合もあるが互いに異なる場合もある。
【0072】
制御部13は、受信部231、特定部232、更新部233及び送信部234を有する。
【0073】
受信部231は、車載装置10の送信部131によって送信されたパラメータを受信する。
【0074】
特定部232は、車載装置10から受信した端末側パラメータと、記憶部22に記憶されたサーバ側パラメータ(パラメータ情報221)と、のうち設定された日時が新しい方のパラメータを特定する。
【0075】
なお、端末側パラメータは第1のパラメータの一例である。また、サーバ側パラメータは第2のパラメータの一例である。
【0076】
更新部233は、特定部232によって、端末側パラメータが新しいパラメータとして特定された場合、端末側パラメータにより、記憶部22に記憶されたサーバ側パラメータ、すなわちパラメータ情報121を更新する。
【0077】
例えば、更新部233は、端末側パラメータでパラメータ情報221を上書きする。
【0078】
一方、送信部234は、特定部232によって、サーバ側パラメータが新しいパラメータとして特定された場合、サーバ側パラメータを車載装置10に送信する。
【0079】
前述の通り、車載装置10の更新部133は、サーバ20からパラメータを受信した場合、サーバ20から受信したパラメータにより記憶部12に記憶されたパラメータを更新する。
【0080】
図4は、実施形態に係る同期システムの処理手順を示すシーケンス図である。まず、車載装置10は、起動すると(ステップS11)、パラメータをサーバ20に送信する(ステップS12)。
【0081】
そして、サーバ20は、サーバ同期処理を実行する(ステップS13)。また、車載装置10は、端末側同期処理を実行する(ステップS14)。サーバ同期処理及び端末側同期処理の流れについては後に説明する。
【0082】
続いて、車載装置10は、車両Vの運行開始時に(ステップS15)、パラメータをサーバ20に送信する(ステップS16)。
【0083】
そして、サーバ20は、サーバ同期処理を実行する(ステップS17)。また、車載装置10は、端末側同期処理を実行する(ステップS18)。
【0084】
さらに、車載装置10は、車両Vの運行終了時に(ステップS19)、パラメータをサーバ20に送信する(ステップS20)。
【0085】
そして、サーバ20は、サーバ同期処理を実行する(ステップS21)。また、車載装置10は、端末側同期処理を実行する(ステップS22)。
【0086】
図5は、実施形態に係るサーバの処理手順を示すフローチャートである。
図5の処理は、
図4のステップS13、S17及びS21に示すサーバ側同期処理に相当する。
【0087】
図5に示すように、まず、サーバ20は、サーバ側パラメータと受信した端末側パラメータのうち最新のものを特定する(ステップS101)。
【0088】
ここで、端末側パラメータが最新である場合(ステップS102:Yes)、サーバ20は、サーバ側パラメータを端末側パラメータで更新する(ステップS103)。
【0089】
一方、端末側パラメータが最新でない場合(ステップS102:No)、サーバ20は、サーバ側パラメータを車載装置10に送信する(ステップS104)。
【0090】
図6は、実施形態に係る車載装置の処理手順を示すフローチャートである。
図6の処理は、
図4のステップS14、S18及びS22に示す端末側同期処理に相当する。
【0091】
図6に示すように、車載装置10は、サーバ側パラメータを受信した場合(ステップS201:Yes)、端末側パラメータを受信したサーバ側パラメータで更新する(ステップS202)。
【0092】
一方、車載装置10は、サーバ側パラメータを受信しなかった場合(ステップS201:No)、端末側パラメータを更新せずに処理を終了する。
【0093】
上述してきたように、車載装置10は、記憶部12と、送信部131と、更新部133と、を有する。記憶部12は、Webアプリケーションに関するパラメータを記憶する。
送信部131は、車載装置10の起動時に、記憶部12に記憶されたパラメータをサーバ20に送信する。更新部133は、サーバ20からパラメータを受信した場合、サーバ20から受信したパラメータにより記憶部12に記憶されたパラメータを更新する。
【0094】
このように、車載装置10は、サーバ20との間でパラメータの同期を常時ではなく特定のタイミングで行う。そのため、本実施形態によれば、車載装置10の電力消費量を低減させることが可能になる。
【0095】
なお、車載装置10の各機能は、例えばCPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート等を有するコンピュータや各種の回路により実現される。
【0096】
また、車載装置10は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。
【0097】
コンピュータのCPUは、例えばROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、送信部131、受信部132、更新部133及び監視部134として機能する。
【0098】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細及び代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【0099】
例えば、Webアプリケーションのパラメータは、ユーザごとに設定されていてもよい。この場合、記憶部12は、複数のユーザのそれぞれに対応付けられたパラメータを記憶する。
【0100】
この場合、車載装置10は、車両Vのユーザであるドライバを識別する。ドライバは第1のユーザの一例である。
【0101】
例えば、車載装置10は、ドライバによって提示されたICカード(免許証)、顔認証、ドライバの操作等によりドライバを識別する。
【0102】
送信部131は、記憶部12に記憶されたパラメータであって、第1のユーザに対応付けられたパラメータをサーバ20に送信する。
【0103】
サーバ20の記憶部22は、複数のユーザのそれぞれに対応付けられたパラメータを記憶しているものとする。
【0104】
そして、送信部234は、ドライバが使用する複数の車両のそれぞれに備えられた車載装置10にサーバ側パラメータを送信する。
【0105】
これにより、複数の車両を使用するユーザは、いずれかの車両でパラメータを設定することで、複数の車両のパラメータを一括して変更することができる。
【0106】
なお、この場合、サーバ20は、端末側パラメータを最新のパラメータとして特定した場合であっても、更新後のサーバ側パラメータを送信することができる。
【符号の説明】
【0107】
N ネットワーク
V 車両
1 同期システム
10 車載装置
11a 表示部
11b 操作部
11c 加速度センサ
11d カメラ
11e 位置情報受信部
11f、21 通信部
12、22 記憶部
13、23 制御部
20 サーバ
131、234 送信部
132、231 受信部
133、233 更新部
134 監視部
121、221 パラメータ情報
232 特定部