(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022124988
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】送風反射板、又は、照明反射板
(51)【国際特許分類】
F24F 13/08 20060101AFI20220819BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20220819BHJP
F21V 17/02 20060101ALI20220819BHJP
F21V 14/04 20060101ALI20220819BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20220819BHJP
【FI】
F24F13/08 A
F24F13/08 B
F21V17/00 250
F21V17/02
F21V14/04
F21S2/00 355
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021119392
(22)【出願日】2021-07-20
(62)【分割の表示】P 2021022883の分割
【原出願日】2021-02-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】517292011
【氏名又は名称】株式会社くまい建築設計
(74)【代理人】
【識別番号】100178179
【弁理士】
【氏名又は名称】桐生 美津恵
(72)【発明者】
【氏名】熊井 幸治
【テーマコード(参考)】
3K011
3L081
【Fターム(参考)】
3K011HA03
3K011KA01
3K011NB01
3L081AA01
3L081AA02
3L081AB06
3L081BB05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】送風の風向や照明の調光を均一に拡散させ、さらに、拡散の均一性を保ちながら拡散の角度を可変調節できる送風反射板、又は、照明反射板を提供する。
【解決手段】送風・照明反射板1は、円錐台筒状の反射板本体2と、反射板本体2の内側に配置された送風・照明格納部4とを備え、反射板本体2は、平面展開視において環状扇形を有し、環状扇形の両端部の重なり部分を調整することにより、反射板本体2のテーパ角度を可変とすることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円錐台筒状の反射板本体と、
前記反射板本体の内側に配置された送風格納部、又は、照明格納部とを備え、
前記反射板本体は、平面展開視において環状扇形を有し、
前記環状扇形の両端部の重なりを調整することにより、前記反射板本体のテーパ角度を可変とし、
前記環状扇形の外周縁の端部には、前記重なりの状態を保持するための留具が設けられており、
前記留具は、前記環状扇形の外周縁の端部のうち前記重なりの外側の端部に固定されるとともに、前記反射板本体に力を加えて前記重なりを調整する際に前記外周縁のうち前記重なりの内側部分を移動可能なレール溝を備えた第1の留具と、
前記環状扇形の外周縁の端部のうち前記重なりの内側の端部に固定されるとともに、前記反射板本体に力を加えて前記重なりを調整する際に前記外周縁のうち前記重なりの外側部分を移動可能なレール溝を備えた第2の留具とを含むことを特徴とする、送風反射板、又は、照明反射板。
【請求項2】
前記環状扇形の内周縁の端部のうち前記重なりの内側の端部に固定されるとともに、前記反射板本体に力を加えて前記重なりを調整する際に前記内周縁のうち前記重なりの外側部分を移動可能なレール溝を備えた補助留具をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の送風反射板、又は、照明反射板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風向や配光を調整する送風反射板、又は、照明反射板に関する。
【背景技術】
【0002】
風向を拡散できる送風カバーとしては、例えば、特許文献1に記載のものがあり、また、特許文献2のように、エアカーテンによる空気膜で人を囲むものもある。風向が円錐状に拡散すれば、その円錐の角度によっては、エアコンの風を面で遮り拡散させるサーキュレーターとして機能させることができる。また、風向を人の顔付近を避けたパーソナルスペースの範囲で拡散させれば、飛沫感染対策としても効果がある。
【0003】
配光を調整できる照明カバーとしては、特許文献3に記載のものがあり、特許文献4のように折り畳みできるものもある。また、配光を調整できる照明カバーのうち1つの素材により組み立てられているものとしては、特許文献5~7等に記載のものがある。円錐状に配光が拡散すれば、その円錐の角度によっては、狭い角度ではスポットライトとしての効果を発揮し、広い角度では間接照明としての効果を発揮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-45308号公報
【特許文献2】特開2020-51705号公報
【特許文献3】特開2007-80359号公報
【特許文献4】特開平8-16913号公報
【特許文献5】実開平6-38111号公報
【特許文献6】実用新案登録第3212601号公報
【特許文献7】特開2002-10221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら送風カバーや照明カバーは、「拡散の均一化」及び「広角・狭角による拡散の可変性」の2つの機能が両立出来れば、使用目的とその効果に多くのバリエーションを持たせる事ができる。
しかし、「拡散の均一化」を維持したまま、その広角・狭角を可変させるカバーが存在しないという現状がある。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、送風の風向や照明の調光を均一に拡散させ、さらに、拡散の均一性を保ちながら拡散の角度を可変調節できる送風反射板、又は、照明反射板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る送風反射板、又は、照明反射板は、
円錐台筒状の反射板本体と、
前記反射板本体の内側に配置された送風格納部、又は、照明格納部とを備え、
前記反射板本体は、平面展開視において環状扇形を有し、
前記環状扇形の両端部の重なりを調整することにより、前記反射板本体のテーパ角度を可変とし、
前記環状扇形の外周縁の端部には、前記重なりの状態を保持するための留具が設けられており、
前記留具は、前記環状扇形の外周縁の端部のうち前記重なりの外側の端部に固定されるとともに、前記反射板本体に力を加えて前記重なりを調整する際に前記外周縁のうち前記重なりの内側部分を移動可能なレール溝を備えた第1の留具と、
前記環状扇形の外周縁の端部のうち前記重なりの内側の端部に固定されるとともに、前記反射板本体に力を加えて前記重なりを調整する際に前記外周縁のうち前記重なりの外側部分を移動可能なレール溝を備えた第2の留具とを含むことを特徴とする。
また、上記発明において、前記環状扇形の内周縁の端部のうち前記重なりの内側の端部に固定されるとともに、前記反射板本体に力を加えて前記重なりを調整する際に前記内周縁のうち前記重なりの外側部分を移動可能なレール溝を備えた補助留具をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明に係る送風反射板、又は、照明反射板は、
円錐台筒状の反射板本体と、
前記反射板本体の内側に配置された送風・照明格納部とを備え、
前記反射板本体は、平面展開視において環状扇形を有し、
前記環状扇形の両端部の重なりを調整することにより、前記反射板本体のテーパ角度を可変とすることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、前記環状扇形の両端部の重なりを調整することにより、反射板本体のテーパ角度を可変とすることができるため、円錐台筒状の反射板本体により、送風の風向や照明の調光を均一に拡散させ、さらに、拡散の均一性を保ちながら拡散の角度を可変調節できる。
【0009】
上記発明において、前記環状扇形の外周縁の端部には、前記重なりの状態を保持するための留具が設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、重なりの状態を保持して、送風又は照明の拡散状態を安定させることができる。
【0011】
上記発明において、一端部が前記送風・照明格納部に回動可能に連結され、他端部が前記反射板本体の内周縁を支持する棒状の連結部をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、送風・照明格納部と反射板本体とを一体に連結し、持ち運び可能とすることができる。
【0013】
上記発明において、前記送風・照明格納部における風又は光が放出される側には、円盤状の正面隠蔽材が取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、送風又は照明を反射板本体の内側面に当てて反射及び拡散させることができる。
【0015】
上記発明において、前記反射板本体の外側面には、取手が設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、取手を把持して、重なりを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】反射板本体のテーパ角度を大きくした場合の送風・照明反射板を正面側から見た斜視図である。
【
図2】反射板本体のテーパ角度を小さくした場合の送風・照明反射板を正面側から見た斜視図である。
【
図3】反射板本体のテーパ角度を大きくした場合の送風・照明反射板を背面側から見た斜視図である。
【
図4】反射板本体のテーパ角度を小さくした場合の送風・照明反射板を背面側から見た斜視図である。
【
図6】反射板本体のテーパ角度を大きくした場合の反射板本体を正面側から見た斜視図である。
【
図7】反射板本体のテーパ角度を小さくした場合の反射板本体を正面側から見た斜視図である。
【
図10】反射板本体の環状扇形の両端部の重なりが小さい場合の断面図である。
【
図11】反射板本体の環状扇形の両端部の重なりが大きい場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、反射板本体のテーパ角度を大きくした場合の送風・照明反射板を正面側から見た斜視図であり、
図2は、反射板本体のテーパ角度を小さくした場合の送風・照明反射板を正面側から見た斜視図である。
図3は反射板本体のテーパ角度を大きくした場合の送風・照明反射板を背面側から見た斜視図であり、
図4は反射板本体のテーパ角度を小さくした場合の送風・照明反射板を背面側から見た斜視図であり、
図5は反射板本体の展開図であり、
図6は反射板本体のテーパ角度を大きくした場合の反射板本体を正面側から見た斜視図であり、
図7は反射板本体のテーパ角度を小さくした場合の反射板本体を正面側から見た斜視図であり、
図8は送風・照明反射板の分解図であり、
図9は送風・照明格納部の分解図であり、
図10は反射板本体の環状扇形の両端部の重なりが小さい場合の断面図であり、
図11は反射板本体の環状扇形の両端部の重なりが大きい場合の断面図であり、
図12は
図10に示す送風・照明反射板の水平投影図であり、
図13は
図11に示す送風・照明反射板の水平投影図である。
【0019】
図1~
図4に示すように、送風・照明反射板(1)は、円錐台筒状の反射板本体(2)と、反射板本体(2)のテーパ角度を保持する留具(3)と、反射板本体(2)の内側に配置された送風・照明格納部(4)と、反射板本体(2)と送風・照明格納部(4)とを連結支持する反射板支持用連結部(5)と、を備える。
【0020】
反射板本体(2)は、薄い板状の部材であり、素材としては、金属、アクリル、プラスチック、ワーロン紙等の、薄い板状(面状)に成型可能であって、かつ、反射板本体(2)の可動域内において弾性変形するもので形成されている。反射板本体(2)の内側面(21)は、照明使用時に光が拡散しやすい光沢のある金属、白色系素材等で形成されている。
【0021】
図5は、反射板本体(2)の展開図である。反射板本体(2)は、平面展開視において環状扇形を有する。具体的には、反射板本体(2)の展開形状は、中心角が任意の扇形(又は、円に半径の切込みを入れたもの)において、中心部に孔(23)を設けたものである。孔(23)の径は任意であり、孔(23)の中心角は扇形の中心角と同一である。
【0022】
反射板本体(2)をこのような形状とすることにより、反射板本体(2)を、平面的に展開された状態から、渦のように立体的に巻き込み、環状扇形の両端部を重ね合わせることで、反射板本体(2)は立体的な円錐台の側面を有する円筒形状となる。反射板本体(2)の環状扇形の両端部の重なり部分(26)の面積の大小によって、反射板本体(2)の側面方向の円錐台の角度(テーパ角度)を変化させる事ができる。
角度を変化させる際に、反射板本体(2)が一体的で隙間や継目が少ない形状を保ちながら、正面方向(本実施形態では、風又は光が放出される方向)の外周縁(25)は円形を保ちながら拡大縮小する。
なお、上述したように、反射板本体(2)の素材はこのように可動域内において弾性変形可能な弾性体であるが、ゴムのような完全な弾性体に近いものではなく、半可塑性的なものであってもよい。このような半可塑性的な素材を用いることで、反射板本体(2)が立体的な円錐台の側面を有する円筒形状をした状態から、一度でもテーパ角度を後述する
図11のθ2を超えて小さくなるように反射板本体(2)を巻き込めば、形状記憶が働き、後述する留具(3)、(30)及び、補助用留具(31)を用いて環状扇片の両端部の重なり状態を物理的に保持していなくても、それに近い状態を保つ事ができる。
【0023】
図6に示すように、反射板本体(2)の環状扇形の外周縁(25)の端部には、環状扇形の両端部の重なりの状態を保持するための2つの留具(3)、(30)が設けられており、内周縁(24)の端部には補助用留具(31)が設けられている。
具体的には、留具(3)、(30)、及び、補助用留具(31)は、凹形状(すなわち、レール溝を備えた形状)を有している。留具(3)は、反射板本体(2)の環状扇形の外周縁(25)の端部のうち、重なり部分(26)の外側(32)に固定し、内側(33)とは固定せずに可動とする。
留具(30)は、環状扇形の外周縁(25)の端部のうち重なり部分(26)の内側(34a)に固定し、外側(35a)とは固定せずに可動とする。
【0024】
補助用留具(31)は、環状扇形の内周縁(24)の端部のうち重なり部分(26)の内側(34b)に固定し、外側(35b)とは固定せずに可動とする。なお、留具は環状扇形の外周縁(25)上に少なくとも2箇所は必要であるが、内周縁(24)上の補助用留具(31)の設置は任意である。
【0025】
重なり部分を、
図6に示す重なり部分(26)から
図7に示す重なり部分(27)に変化させると、円錐台の上底面と下底面とは中心角度が同じ回転角度となるが、円の径が小さい上底面より円の径が大きい下底面の方が移動量が大きい為、円錐台側面の角度をスムーズに変化させつつ、送風及び照明が反射板本体(2)の内側面(21)に当たって反射する角度を可変とすることができる。
【0026】
図9に示すように、送風・照明格納部(4)は、送風格納部(40)、及び、照明格納部(46)を備えている。なお、本実施形態では、送風・照明格納部(4)として、送風格納部(40)、及び、照明格納部(46)の双方を設けているが、送風格納部(40)、及び、照明格納部(46)のいずれか一方のみを設けてもよい。
【0027】
送風格納部(40)は、筒状のモーター格納部分(41)に格納されるモーター(43)と、モーター格納部分(41)の先端部に連結され、吸気側に配置される円盤状のファン格納部分(42)と、排気側に配置される円筒状のファン格納部分(45)と、ファン格納部分(42)、(45)に格納されるファン(44)と、電源(不図示)と、を備えている。モーター格納部分(41)の基端部は反射板本体(2)の内周縁(24)から外部に露出し、ファン格納部分(42)、(45)は反射板本体(2)の内側に配置される。ファン(44)の作動中は、空気がファン格納部分(45)の側面から排出され、反射板本体(2)の内側面(21)に当たり拡散する。
【0028】
照明格納部(46)は、ファン格納部分(45)の正面寄りの側面に格納されたリング状の照明器具(47)を備えている。照明器具(47)の作動中は、照明器具(47)からの配光は反射板本体(2)の内側面(21)に反射して拡散する。
【0029】
送風・照明格納部(4)の正面側の先端部には、送風及び照明を正面方向から遮断する為の円盤状の正面隠蔽材(9)が、照明器具(47)を正面側から覆うように照明器具(47)と平行に取り付けられている。このような正面隠蔽材(9)を設けることにより、送風及び照明を、正面方向に対して遮断し、反射板本体(2)の内側面(21)に対して集中して反射及び拡散させることができる。
【0030】
図8に示すように、反射板本体(2)と送風・照明格納部(4)とは、反射板支持用連結部(5)で連結されている。反射板支持用連結部(5)は、一端部が送風・照明格納部(4)に回動可能に連結され、他端部が反射板本体(2)の内周縁(24)を支持する。
【0031】
詳細には、反射板支持用連結部(5)は、棒状の連結軸(51a)を備えている。連結軸(51a)の片端(53)は、反射板本体(2)の内周縁(24)の一部に接して固定される。連結軸(51a)の他の片端には、貫通穴(52a)が設けられており、送風・照明格納部(4)に回動可能に連結される。
【0032】
具体的には、送風・照明格納部(4)のモーター格納部分(41)の側面には、長手方向に沿って延びるスリット状の2本の貫通穴(57a)、(57b)がモーター格納部分(41)の中心軸に対して線対称に設けられている。貫通穴(57a)及び貫通穴(57b)の位置から、モーター格納部分(41)の中心軸に対して90度離れたモーター格納部分(41)の側面の基端部位置(55b)には、円形状の貫通穴(56a)、(56b)が中心軸に対して線対称に設けられている。
【0033】
連結軸(51a)の他の片端が、送風・照明格納部(4)の貫通穴(57a)内に配置された状態で、送風・照明格納部(4)の貫通穴(56a)、(56b)及び連結軸(51a)の貫通穴(52a)を貫通する回転軸(55a)が基端部位置(55b)に設けられている。これにより、反射板支持用連結部(5)は、回転軸(55a)を中心に回動可能に、送風・照明格納部(4)に連結される。
このように連結することにより、
図10のθ1及
図11のθ2に示すように、反射板本体(2)の側面方向に角度をつけて開閉する為の可動域を生じさせることができる。
【0034】
さらに、送風・照明反射板(1)には、反射板本体(2)と送風・照明格納部(4)とを連結する補助用の連結部(7)が設けられている。連結部(7)は、棒状の連結軸(51b)を備えている。連結軸(51b)の片端(54)は、反射板本体(2)の環状扇形の内周縁(24)の一部に固定されずに接している。このように固定されないようにすることで、重なり部分(26)、(27)の変化による反射板本体(2)の移動に対応することができる。連結軸(51b)の他の片端には、貫通穴(52b)が設けられており、送風・照明格納部(4)に回動可能に連結される。
【0035】
具体的には、連結軸(51b)の他の片端が、送風・照明格納部(4)の貫通穴(57b)内に配置された状態で、回転軸(55a)は、送風・照明格納部(4)の貫通穴(56a)、(56b)及び連結軸(51b)の貫通穴(52b)を貫通している。これにより、連結部(7)は、回転軸(55a)を中心に回動可能に、送風・照明格納部(4)に連結される。なお、連結部(7)は、反射板支持用連結部(5)の補助的なものであり、設けなくてもよい。
【0036】
反射板本体(2)の外側面(22)には、可動領域を制限するための可動制限留具(60a)、(60b)が設けられている。これにより、反射板本体(2)を巻き込める可動範囲(重なり部分(26)、(27))が限定され、円錐台の上底面と下底面の円を決められた範囲で拡大縮小させることができる。
【0037】
反射板本体(2)の外側面(22)には、反射板本体(2)の重なり部分(26)、(27)を変化させる為の操作をし易くするための取手(8)が設置されている。取手(8)は、反射板本体(2)の重なり部分(26)、(27)を手動で変化させ易いように、長手方向が反射板本体(2)の環状扇形の中心から放射状に伸びる方向に沿うように、かつ、反射板本体(2)の重なり部分(26)、(27)の位置を避けて、取り付けられている。本実施形態では、取手(8)は両手で操作できるように2つ取り付けられている。
図4に示すように、重なり部分が最大の重なり部分(27)となっている場合に、2つの取手(8)の間に可動制限留具(60a)、(60b)が近接するように、2つの取手(8)を取り付けるとよい。
【0038】
以上説明したように、反射板本体(2)の環状扇形の両端部の重なり部分(26)、(27)を調整することにより、反射板本体(2)のテーパ角度を可変とすることができるため、円錐台筒状の反射板本体(2)により、送風の風向や照明の調光を均一に拡散させ、さらに、拡散の均一性を保ちながら拡散の角度を可変調節することができ、送風と調光のバリエーションを増やす事ができる。また、送風のエアカーテン効果による飛沫感染対策、虫除対策や、サーキュレーターとして利用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
比較的小型で持ち運びが可能なスタンドライトや扇風機の用途(直径10~20cm程度の扇円)や、比較的大型で壁面に直付(あるいは壁面との間にアーム等で連結されたもの)のスポットライトとして、一人囲う程度に風向きと配光を担えるもの(直径50cm~60cm程度の扇円)として利用することができる。送風については、ハンディタイプの小型のものであれば扇風機として利用することができ、比較的大型のものであれば、エアコンデショナーのサーキュレーター、飛沫感染対策、虫害対策等に利用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 送風・照明反射板
2 反射板本体
26、27 重なり部分
3 留具
4 送風・照明格納部
5 反射板支持用連結部
60a、60b 可動制限留具
7 補助用の連結部
8 取手
9 正面隠蔽材
【手続補正書】
【提出日】2021-09-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円錐台筒状の反射板本体と、
前記反射板本体の内側に配置された送風格納部、又は、照明格納部とを備え、
前記反射板本体は、平面展開視において環状扇形を有し、
前記環状扇形の両端部の重なりを調整することにより、前記反射板本体のテーパ角度を可変とし、
前記環状扇形の外周縁の端部には、前記重なりの状態を保持するための留具が設けられており、
前記反射板本体の外側面には、前記重なりを調整する際に把持される2つの取手が設け
られており、
前記2つの取手各々の長手方向は、前記反射板本体の環状扇形の中心から放射状に伸び
る方向に沿って配置され、
前記留具は、前記環状扇形の外周縁の端部のうち前記重なりの外側の端部に固定されるとともに、前記重なりを調整する際に前記外周縁のうち前記重なりの内側部分を移動可能なレール溝を備えた第1の留具と、
前記環状扇形の外周縁の端部のうち前記重なりの内側の端部に固定されるとともに、前記重なりを調整する際に前記外周縁のうち前記重なりの外側部分を移動可能なレール溝を備えた第2の留具とを含むことを特徴とする、送風反射板、又は、照明反射板。
【請求項2】
前記反射板本体の外側面には、前記重なりの可動範囲を制限するための可動制限留具が
設けられており、
前記2つの取手及び前記可動制限留具は、前記反射板本体の環状扇形の一端部から近い
順に、前記2つの取手のうち一方の取手、他方の取手、前記可動制限留具、の順に配置さ
れ、かつ、
前記重なりが最大の時に、前記2つの取手の間に前記可動制限留具が前記2つの取手に
近接して配置されることを特徴とする請求項1に記載の送風反射板、又は、照明反射板。