(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125035
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】二酸化炭素スノーブロックを自動的に充填する、詰め込む、及び分配する方法
(51)【国際特許分類】
F25D 3/12 20060101AFI20220819BHJP
【FI】
F25D3/12
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022092090
(22)【出願日】2022-06-07
(62)【分割の表示】P 2020532052の分割
【原出願日】2018-12-18
(31)【優先権主張番号】16/221,906
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/599,949
(32)【優先日】2017-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】392032409
【氏名又は名称】プラクスエア・テクノロジー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イン・ヅォウ
(72)【発明者】
【氏名】ランコ・バーサック
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・セーヴェル
(57)【要約】
【課題】自動分配ステーション内の容器内に二酸化炭素(CO2)スノーブロックを自動的に充填する方法。
【解決手段】自動分配システムは、異なる体積の複数の容器を含む。ユーザは、CO2スノーブロックの体積を、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)等のコントローラに入力することができる。コントローラは、入力された体積及びプロセス情報を使用して、自動充填プロセスに利用する容器を決定する。コントローラは、選択された容器を充填配向に構成し得、この容器に液体CO2が流入して、CO2スノーブロックを生成し得る。充填の完了を検出すると、容器は分配配向に構成され、そこからCO2スノーブロックがアクセス領域に放出され、そこからユーザは、CO2スノーブロックを取り出すことができる。
【選択図】
図1b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動分配ステーション内の容器内に二酸化炭素(CO2)スノーブロックを自動的に充填する方法であって、
液体CO2の圧力に対応する第1の信号を第1の設定点としてコントローラに受信することと、
生成される前記CO2スノーブロックの体積を第2の設定点として前記コントローラに入力することと、
前記コントローラは、前記第1の設定点及び前記第2の設定点に基づいて、前記体積の前記CO2スノーブロックを生成する充填時間を決定することと、
前記コントローラは、前記第2の設定点に対応する内部体積を有する前記容器を選択し、前記容器は、前記自動分配ステーション内に位置し、前記自動分配ステーションは、異なる内部容積の2つ以上の容器を含む、ことと、
ガス状CO2を充填導管に流入させて、前記液体CO2の相変化を防止するのに十分な圧力以上で前記充填導管を加圧することと、
前記充填導管内の前記圧力が前記液体CO2の前記相変化を防止するのに十分な前記圧力以上であると前記コントローラが決定した場合に、前記コントローラは、液体CO2制御弁に、前記液体CO2が前記充填導管に沿って前記容器に流入することを可能にさせることと、
前記容器内に前記液体CO2を導入することと、
前記液体CO2の少なくとも一部が相変化を起こして、前記容器内で前記CO2スノーブロック及びオフガスCO2に変換することと、
前記容器から、前記容器に恒久的に固定された又は取り外し可能に固定されたプレートを介して前記オフガスCO2を回収することであって、前記プレートは前記オフガスCO2に対して透過性であり、かつ固相CO2に対して少なくとも部分的に不透過性である、ことと、
前記容器に液体CO2を充填する経過時間を測定し、前記経過時間に対応する第2の信号を生成することと、
前記経過時間に対応する前記第2の信号を前記コントローラに送信することと、
前記コントローラは、(i)前記経過時間が前記充填時間よりも短い場合に、オーバーライドなしに、前記液体CO2が前記容器に流入し続けることを可能にすることと、(ii)前記経過時間が前記充填時間に達した場合に、前記液体CO2が前記容器に流入することを防止することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記コントローラは、前記経過時間が前記充填時間に達したことを検出することと、それに応答して、
前記コントローラは、第3の信号を送信して、前記容器を充填配向から分配配向に構成することであって、前記分配配向の前記容器は、前記体積の前記CO2スノーブロックを収容している、ことと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記容器から前記自動分配ステーションのアクセス領域内に前記CO2スノーブロックを放出することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記自動分配ステーション内で、前記容器をアイドル配向又は前記充填配向に構成することを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記容器の周辺部に沿って封止部を形成するのに十分な圧力で、前記容器上に位置付けられた前記プレートを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記液体CO2の実質的な遮断を招くことなく、前記容器内に前記液体CO2を導入することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記コントローラは、前記十分な量のガス状CO2を前記充填導管に流入させる前記工程を実行する前に、完全性チェックを実行することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コントローラは、前記容器をアイドル配向から充填配向へと作動させるように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
自動分配ステーション内の容器内に二酸化炭素(CO2)スノーブロックを自動的に充填し、前記選択された容器から前記CO2スノーブロックをベンディングする方法であって、
前記容器内へのCO2スノーブロックの充填の完了を決定するために使用される設定点をコントローラに入力することであって、前記設定点は、(i)充填期間、(ii)前記CO2スノーブロックの事前定義された重量、又は(iii)プレートの変形であって、前記プレートは前記容器に恒久的に固定されている又は取り外し可能に固定されている、プレートの変形に基づいている、ことと、
前記コントローラは、生成される前記CO2スノーブロックの体積を受信することと、
前記コントローラは、生成される前記体積の前記CO2スノーブロックを受容することが可能な内部体積を有する前記容器を選択することであって、前記容器は、異なる内部体積の2つ以上の容器を含む前記自動分配ステーション内に位置している、ことと、
十分な量のガス状CO2を充填導管に、それに沿って流入させることと、
前記コントローラは、第1の信号を液体CO2制御弁に送信して、前記液体CO2に前記充填導管に沿って前記容器に流入させ、その中でCO2スノーブロック及びオフガスCO2に変換するための相変化を起こさせることと、
前記選択された容器から前記プレートを介して前記オフガスCO2を回収することであって、前記プレートは、前記オフガスCO2に対して透過性であり、かつ固相CO2に対して少なくとも部分的に不透過性であり、更に、前記充填導管は前記容器に動作可能に接続されている、ことと、
前記設定点に対応するリアルタイム変数を測定し、前記リアルタイム変数に対応する第2の信号を生成することと、
前記第2の信号を前記コントローラに送信することと、
前記コントローラは、(i)前記リアルタイム変数が前記設定点に達していないと判定した場合に、オーバーライドなしに、前記液体CO2が前記容器に流入し続けることを可能にすることと、
コントローラは、(ii)前記リアルタイム変数が前記設定点に達している場合に、前記液体CO2が前記容器に流入することを防止し、それに応答して、前記コントローラは、第3の信号を送信して、前記容器を分配配向に構成することであって、前記分配配向にある前記容器は、前記体積の前記CO2スノーブロックを収容している、ことと、を含む、方法。
【請求項10】
前記コントローラは、前記容器内への前記CO2スノーブロックの前記自動充填を開始する前に、完全性チェックを実行することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記コントローラは、前記設定点に等しい前記リアルタイム変数に対応する前記第2の信号を受信し、それに応答して、前記コントローラは、第4の信号を前記液体CO2制御弁に送信して、前記液体CO2制御弁を閉鎖位置に構成する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記コントローラは、前記容器が充填配向にあることを検証することと、前記容器は前記充填配向にないと前記コントローラが決定した場合、前記コントローラは、(i)1つ又は2つ以上の信号を送信して、前記容器を前記充填配向へと作動させることか、又は(ii)ユーザが前記容器を前記充填配向に手動で構成するように警告通知を送信することのいずれかと、を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
容器内で二酸化炭素(CO2)スノーブロックを自動的に詰め込む方法であって、
前記CO2スノーブロックの前記容器への充填の完了を決定するために使用される設定点をコントローラに入力することであって、前記設定点は、(i)充填期間、(ii)前記CO2スノーブロックの事前定義された重量、又は(iii)プレートの変形であって、前記プレートは前記容器に恒久的に固定されている又は取り外し可能に固定されている、に基づいている、ことと、
前記コントローラは、完全性チェックを実行し、前記完全性チェックが適用基準を満たしていると判定することと、それに応答して、
供給マニホルドから前記充填導管に十分な量のガス状CO2を流入させることと、
前記コントローラは、前記供給マニホルド及び前記充填導管内の前記圧力に対応する第1の信号を受信することと、
前記コントローラが前記供給マニホルド内の前記圧力に対応する前記第1の信号を決定し、かつ、前記充填導管が液体CO2の相変化を防止するのに十分な圧力以上である場合に、前記コントローラは、第2の信号を前記供給マニホルドに沿って位置する液体CO2制御弁に送信して、前記液体CO2弁を前記開放位置に構成することと、
CO2源から、前記ガス状CO2の圧力よりも高い圧力にある前記供給マニホルド内に前記液体CO2を回収し、それによって前記充填導管を通る前記ガス状CO2の流れを停止させることであって、前記CO2源は、前記供給マニホルドの上流に動作可能に接続されている、ことと、
前記充填導管を介して前記容器内に前記液体CO2を導入することと、
前記CO2液体が相変化を起こして、前記容器内で前記CO2スノーブロック及びオフガスCO2に変換することと、
前記オフガスCO2を前記容器から回収することと、
前記設定点に対応するリアルタイム変数を測定し、前記リアルタイム変数に対応する第3の信号を生成することと、
前記リアルタイム変数に対応する前記第3の信号を前記コントローラに送信することと、を含み、
前記リアルタイム変数が前記設定点に達したと前記コントローラが決定するまで、前記液体CO2は、オーバーライドなしに前記容器に入り続ける、方法。
【請求項14】
前記コントローラは、前記設定点に等しい値を有する前記リアルタイム変数に対応する前記第3の信号を受信することと、それに応答して、
前記コントローラは、第4の信号を前記供給マニホルド内の前記液体CO2制御弁に送信して、前記CO2源から前記供給マニホルドへの前記液体CO2の回収を停止させるために前記液体CO2弁を前記閉鎖位置に構成することと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記容器を詰め込みステーションに搭載することと、
前記容器を前記充填導管に動作可能に接続することと、
前記容器を排出装置に動作可能に接続することと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記コントローラは、前記完全性チェックを実行し、それに応答して、(a)(i)排出装置が動作していないか、若しくは(a)(ii)前記詰め込みステーションへのアクセスドアが閉鎖されていないか、若しくは(a)(iii)前記充填導管及び前記供給マニホルド内の前記圧力が、液体CO2の前記相変化を防止するのに十分な閾値圧力未満であると、前記コントローラが判定した場合、前記ガス状CO2及び前記液体CO2の前記容器への前記自動詰め込みを防止する工程か、又は
前記コントローラが前記完全性チェックを実行し、それに応答して、(b)(i)前記排出装置が動作しており、(b)(ii)前記詰め込みステーションへの前記アクセスドアが閉鎖されており、かつ(b)(iii)前記充填導管及び前記供給マニホルド内の前記圧力が、前記液体CO2の前記相変化を防止するのに十分な前記圧力以上であると、前記コントローラが判定した場合、前記容器へのCO2スノーブロックの前記自動詰め込みが進行することを可能にする工程を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記容器が充填配向にあることを検証することと、前記容器は前記充填配向にないと判定された場合、前記コントローラは、(i)1つ以上の信号を送信して、前記容器を前記充填配向へと作動させることか、又は(ii)ユーザが前記容器を前記充填配向へと手動で構成するように警告通知を送信することのいずれかと、を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記充填マニホルドを介した前記容器への前記ガス状CO2の前記流入を再開して、任意の残留物及び/又は不純物をパージすることを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
二酸化炭素(CO2)スノーブロックを単一容器に自動的に詰め込むための容器を準備する方法であって、
前記CO2スノーブロックの前記容器への充填の完了を決定するために使用される設定点をコントローラに入力することであって、前記設定点は、(i)充填期間、(ii)前記CO2スノーブロックの事前定義された重量、又は(iii)プレートの変形であって、前記プレートは前記容器に恒久的に又は取り外し可能に固定されている、プレートの変形に基づいている、ことと、
前記コントローラは、完全性チェックを実行し、前記完全性チェックが適用基準を満たしていると判定することと、それに応答して、
前記コントローラは、前記容器が充填配向にあることを検証し、前記容器が前記充填配向にないと判定された場合、前記コントローラは、(i)第1の信号を送信して、前記容器を前記充填配向へと作動させることか、又は(ii)ユーザが前記容器を前記充填配向に手動で構成するように警告通知を送信することのいずれかと、を含む、方法。
【請求項20】
供給マニホルド及び前記充填導管を、液体CO2の相変化を防止するのに十分な圧力以上の圧力まで加圧する工程を更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
CO2液体を受容するのに好適な充填配向に容器を構成する方法であって、
プレートを前記容器に動作可能に接続するように構成されたアクチュエータアームに信号を送信することであって、前記プレートは、前記容器に恒久的に固定されているか又は取り外し可能に固定され、前記プレートは、気相CO2に対して透過性であり、かつ固相CO2に対して少なくとも部分的に不透過性である、ことと、
前記プレートの前記周辺部に沿って封止部を形成することと、
前記プレートの充填導管をCO2供給マニホルドに動作可能に接続及びロックすることと、を含む、方法。
【請求項22】
前記容器内にCO2スノーブロックを生成することと、
前記容器から前記CO2スノーブロックを、ユーザによって提供された第2の容器内に放出することと、を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
自動分配ステーション内の容器を選択して、二酸化炭素(CO2)スノーブロックを前記容器内に自動的に充填する方法であって、
生成される前記CO2スノーブロックの体積を設定点として前記コントローラに入力することと、
前記コントローラは、前記設定点に対応する内部体積を有する前記容器を選択することであって、前記容器は前記自動分配ステーション内に位置し、前記自動分配ステーションは異なる内部体積の2つ以上の容器を含む、ことと、
前記コントローラは、前記容器は充填配向にあることを検証し、前記容器が前記充填配向にないと判定された場合、前記コントローラは、(i)信号を送信して、前記容器を前記充填配向へと作動させることか、又は(ii)ユーザが前記容器を前記充填配向に手動で構成するように警告通知を送信することのいずれかと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分配ステーション内の選択された容器内にCO2スノーブロックを自動的に生成するか、又は詰め込みステーション内に位置し得る容器に、自動で詰め込むことによってCO2スノーブロックを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品開発は、医薬産業における主要な試みであり続ける。医薬品開発は、新規治療の安全性及び有効性を確立するために治験を必要とする。今日、アメリカ合衆国、一国において、様々な段階における多くの治験が進行中である。各治験は、ある試験的な医薬品の投与をボランティアで行う数百から数千の患者に関与し得る。概して、治験の一部として、生体試料(例えば、組織、尿、血液試料)が、病院、大学、又は医療機関等の臨床現場で、参加者から収集され、次いで、分析のための研究所、又は後の分析のために凍結保管され得る施設に輸送される。
【0003】
試験的な医薬品の安全性及び有効性を評価するための能力は、治験中の再現可能、かつ信頼性の高い結果を得ることを必要とする。生体試料は、例として、医院と研究室との間の保存及び輸送中に、安定、かつ保存されなければならない。今日、生体試料を保存する一般的な手段は、固体二酸化炭素(すなわち、ドライアイス)の存在下で凍結させ、保管することである。
【0004】
ドライアイスシステムは、試料が取得される臨床現場で、ポリスチレン箱等の断熱箱に、試料及びドライアイスを手動で搭載することを典型的に伴う。断熱箱は、治験を運営している製薬会社又は開発業務受託機関によって、臨床現場に典型的に提供される。断熱箱構成部品は、組み立てた、又は分解した状態で提供され得る。断熱箱の組み立て及びドライアイスの搭載は、労働集約型となる可能性がある。また、臨床現場にドライアイスの十分な供給を維持することに関連付けられた少なからぬコスト及び不都合もあり得る。付加的に、一定時間内に限られるこのようなドライアイスの使用に失敗すると、ドライアイスの冷却効果を失わせることもあり得る。更に、断熱箱は、典型的には再利用できず、廃棄しなくてはならないため、廃棄物が生じる。
【0005】
他の欠点もまた、従来の断熱箱における試料の輸送に存在する。ドライアイスは、二酸化炭素の蒸気を昇華させることにより、断熱箱の内部を冷却する。多くの断熱箱が、最大4又は5日間の様々な持続時間の間、低温の内部温度を維持することができ、利用できる。内部試料空間は、初期の全ドライアイス搭載時には、ドライアイス温度に一様に近くなり得るが、ドライアイスが昇華すると、大きな温度勾配が内部試料空間内で生じ得、試料品質を潜在的に低下させる。断熱箱は、概して、十分な低温が内部試料空間内で維持されることを確実とするために、急送配送方法を介して出荷される。しかしながら、万一出荷レーンに遅延や混乱が発生すると、試料は、品質が低下する可能性がある。このような出荷中の遅延の結果、付加的なドライアイスを、輸送中に箱に搭載する必要があり得、貨物にコストの増加及び物流の複雑さをもたらす。
【0006】
従来のドライアイス出荷容器の1つの代替品が、極低温の液体窒素系蒸気容器である。極低温の液体窒素系蒸気容器は、低温窒素を蒸気状態に保持し、液体状での窒素の存在を回避するために、吸収剤を利用する。しかしながら、このような液体窒素系蒸気容器は、欠点に悩まされる。1つの欠点は、容器の準備に時間と労働を伴うことである。具体的には、ユーザは、容器に液体窒素を噴射し、吸収材上の窒素の十分な吸収が生じるまで数時間待って、そのような容器を準備し、出荷前に過剰な液体窒素を静かに移すことも続く。極低温液体窒素の実質的な取り扱いが必要であり、使用に先立って、多くの時間が液体窒素出荷容器の準備に必要である。更に、液体窒素系蒸気容器の使用に関連付けられたコストは、代替のドライアイス容器よりも格段に高い。
【0007】
これらの欠点を鑑み、保管及び輸送中、コンテナに試料を保存するための改善された方法には満たされていない必要性がある。
【発明の概要】
【0008】
一態様では、自動分配ステーション内の容器内に二酸化炭素(CO2)スノーブロックを自動的に充填する方法であって、液体CO2の圧力に対応する第1の信号を第1の設定点としてコントローラに受信することと、生成されるCO2スノーブロックの体積を第2の設定点としてコントローラに入力することと、コントローラは、第1の設定点及び第2の設定点に基づいて、該体積のCO2スノーブロックを生成する充填時間を決定することと、コントローラは、第2の設定点に対応する内部体積を有する容器を選択することであって、該容器は自動分配ステーション内に位置し、該自動分配ステーションは異なる内部体積の2つ以上の容器を含む、ことと、ガス状CO2を充填導管に流入させて、液体CO2の相変化を防止するのに十分な圧力以上で充填導管を加圧することと、充填導管内の圧力が液体CO2の相変化を防止するのに十分な圧力以上であるとコントローラが判定した場合に、コントローラは、液体CO2制御弁に、液体CO2が充填導管に沿って容器に流入することを可能にさせることと、容器内に該液体CO2を導入することと、該液体CO2の少なくとも一部が相変化を起こして、容器内で該CO2スノーブロック及びオフガスCO2に変換することと、容器から、容器に恒久的に固定されているか又は取り外し可能に固定されているプレートを介して該オフガスCO2を回収することであって、該プレートは、オフガスCO2に対して透過性であり、かつ固相CO2に対して少なくとも部分的に不透過性である、ことと、容器に液体CO2を充填する経過時間を測定し、経過時間に対応する第2の信号を生成することと、経過時間に対応する第2の信号をコントローラに送信することと、コントローラは、(i)経過時間が充填時間よりも短い場合に、オーバーライドなしに、該液体CO2が容器に流入し続けることを可能にすることと、(ii)経過時間が充填時間に達した場合に、該液体CO2が容器に流入することを防止することと、を含む、方法。
【0009】
第2の態様では、二酸化炭素(CO2)スノーブロックを自動分配ステーション内の容器内に自動的に充填し、選択された容器から該CO2スノーブロックをベンディングする方法であって、容器内へのCO2スノーブロックの充填の完了を判定するために使用される設定点をコントローラに入力することであって、該設定点は、i)充填持続時間、(ii)CO2スノーブロックの事前定義された重量、(iii)選択された容器内の圧力、(iv)CO2スノーブロックの静電容量、(v)容器内の温度、又は(vi)プレートの変形であって、該プレートは容器に恒久的に固定されている又は取り外し可能に固定されている、プレートの変形に基づいている、ことと、コントローラは、生成されるCO2スノーブロックの体積を受信することと、コントローラは、生成されるCO2スノーブロックの体積を受容することができる内部体積を有する容器を選択することであって、該容器は、異なる内部体積の2つ以上の容器を含む自動分配ステーション内に位置している、ことと、十分な量のガス状CO2を充填導管に、それに沿って流入させることと、コントローラは、第1の信号を液体CO2制御弁に送信して、液体CO2を充填導管に沿って容器に流入させ、その中で相変化を起こしてCO2スノーブロック及びオフガスCO2に変換させることと、選択された容器からプレートを介して該オフガスCO2を回収することであって、該プレートは、オフガスCO2に対して透過性であり、かつ固相CO2に対して少なくとも部分的に不透過性であり、更に、該充填導管は容器に動作可能に接続されている、ことと、設定点に対応するリアルタイム変数を測定し、リアルタイム変数に対応する第2の信号を生成することと、第2の信号をコントローラに送信することと、コントローラは、(i)リアルタイム変数が設定点に達していないと判定した場合に、オーバーライドなしに、該液体CO2が容器に流入し続けることを可能にすることと、コントローラは、(ii)リアルタイム変数が設定点に達した場合に、該液体CO2が容器に流入することを防止し、それに応答して、コントローラは、第3の信号を分配ステーションに送信して、容器を分配配向に構成することであって、分配配向にある該容器は該体積のCO2スノーブロックを収容する、ことと、を含む、方法。
【0010】
第3の態様では、二酸化炭素(CO2)スノーブロックを容器内に自動的に詰め込む方法であって、容器内へのCO2スノーブロックの充填の完了を判定するために使用される設定点をコントローラに入力することであって、該設定点は、i)充填持続時間、(ii)CO2スノーブロックの事前定義された重量、(iii)容器内の圧力、(iii)CO2スノーブロックの静電容量、(v)容器内の温度、又は(vi)プレートの変形であって、該プレートは容器に恒久的に固定されている又は取り外し可能に固定されている、プレートの変形に基づいている、ことと、コントローラは、完全性チェックを実行し、該完全性チェックが適用基準を満たしていると判定し、それに応答して、供給マニホルドから充填導管内へ十分な量のガス状CO2を流入させることと、コントローラは、供給マニホルド及び充填導管内の圧力に対応する第1の信号を受信することと、コントローラは、供給マニホルド内の圧力に対応する第1の信号を決定し、かつ、充填導管が液体CO2の相変化を防止するのに十分な圧力以上である場合に、コントローラは、第2の信号を供給マニホルドに沿って位置する液体CO2制御弁に送信して、液体CO2弁を開放位置に構成することと、CO2源から、ガス状CO2の圧力よりも高い圧力にある供給マニホルド内に液体CO2を回収し、それによって充填導管を通るガス状CO2の流れを停止させることであって、該CO2源は、供給マニホルドの上流に動作可能に接続されている、ことと、充填導管を介して容器内に液体CO2を導入することと、CO2液体が、相変化を起こして、容器内で該CO2スノーブロック及びオフガスCO2に変換することと、該オフガスCO2を容器から回収することと、設定点に対応するリアルタイム変数を測定し、リアルタイム変数に対応する第3の信号を生成することと、リアルタイム変数に対応する第3の信号をコントローラに送信することと、を含み、リアルタイム変数が設定点に達しているとコントローラが判定するまで、オーバーライドなしに、該液体CO2は容器に入り続ける、方法。
【0011】
第4の態様では、二酸化炭素(CO2)スノーブロックを単一容器に自動的に詰め込むための容器を準備する方法であって、容器内へのCO2スノーブロックの充填の完了を判定するために使用される設定点をコントローラに入力することであって、該設定点は、i)充填持続時間、(ii)CO2スノーブロックの事前定義された重量、(iii)容器内の圧力、(iii)CO2スノーブロックの静電容量、(v)容器内の温度、又は(vi)プレートの変形であって、該プレートは容器に恒久的に又は取り外し可能に固定されている、プレートの変形に基づいている、ことと、コントローラは、完全性チェックを実行し、該完全性チェックが適用基準を満たしていると判定することと、それに応答して、コントローラは、容器が充填配向にあることを検証し、容器が充填配向にないと判定した場合、該コントローラは、(i)第1の信号を送信して、容器を充填配向へと作動させることか、又は(ii)ユーザが容器を充填配向に手動で構成するように警告通知を送信することのいずれかと、を含む、方法。
【0012】
第5の態様では、自動分配ステーション内の容器を選択して、二酸化炭素(CO2)スノーブロックを容器に自動的に充填する方法であって、生成されるCO2スノーブロックの体積を設定点としてコントローラに入力することと、コントローラは、設定点に対応する内部体積を有する容器を選択することであって、該容器は自動分配ステーション内に位置し、該自動分配ステーションは異なる内部体積の2つ以上の容器を含む、ことと、コントローラは、容器が充填配向にあることを検証し、容器が充填配向にないと判定した場合、該コントローラは、(i)信号を送信して、容器を充填配向へと作動させることか、又は(ii)ユーザが容器を充填配向に手動で構成するように警告通知を送信することのいずれかと、を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1a】本発明の原理による、自動充填分配ステーション内で二酸化炭素(CO2)スノーブロックを作製するために充填導管が上部プレートに取り付けられている、容器及び上部プレートの代表的な斜視図を示す。
【0014】
【
図1b】上部プレートのメッシュシートを通るCO2のガス流を詳細に示す、
図1aの断面図を示す。
【0015】
【
図2a】本発明の原理による、容器のそれぞれが対応のアイドル配向で示されている、2つの異なるサイズの容器内にCO2スノーブロックを生成するための自動分配ステーションの態様を示す。
【0016】
【
図2b】本発明の原理による、2つの容器のそれぞれが対応の充填配向で示されている、
図2aの自動分配ステーションの態様を示す。
【0017】
【
図3】充填用に予め選択され、自動分配ステーション内に位置する容器のうちの1つから、CO2スノーブロックを分配するために使用される例示的な作動機構を示す。
【0018】
【
図4】箱がコンベヤシステムの入口に供給され得、CO2スノーブロックで満たされた選択された容器の下方に輸送され、分配配向に傾けられて、自動ベンディングシステムの一部として容器から箱内にCO2スノーブロックを移送する、自動分配ステーション内に位置するコンベヤシステムの態様を示す。
【0019】
【
図5】本発明の原理による、自動分配ステーションを実行するために利用される制御方法を示す。
【0020】
【
図6】
図8の詰め込みステーション内に搭載された単一の容器への自動詰め込み動作を実行するために利用される制御方法を示す。
【0021】
【
図7】利用され得るCO2供給マニホルドから、複数の容器を収容する自動分配ステーション内にCO2液体を導入するためのプロセスフロー概略図を示す。
【0022】
【
図8】CO2スノーブロックを自動的に詰め込むために容器が搭載され得る詰め込みステーションを示す。
【0023】
【
図9a】容器の内部からCO2スノーブロックを分配する準備が整っている、選択された容器の開始配向を示す。
【0024】
【
図9b】アクチュエータアセンブリが容器の側面に沿って上向きの力を及ぼす結果として、選択された容器が
図9aの位置に対して反時計方向に90°回転した結果として生じた中間配向を示す。
【0025】
【
図9c】選択された容器が
図9bの位置に対して反時計方向に更に45°回転し、CO2スノーブロックが容器の内側から選択された容器の下に位置する箱内に放出され得る、選択された容器の最終的な傾き配向を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
記載されるように、一態様では、本発明は、自動分配ステーションから利用可能な様々なサイズのCO2スノーブロックを自動的に生成するための方法を提供する。ユーザは、生成されたCO2スノーブロックに、分配ステーション内に位置するコンベヤシステムの入口及び出口アクセス窓から容易にアクセスすることができる。本発明のオンデマンドの生成により、ユーザが現場でCO2スノーブロック又はドライアイスの在庫を維持する必要がなくなる。
【0027】
「CO2スノー」及び「ドライアイス」という用語は、同一の意味を有し、凝固されたCO2の粒子を意味するため、本明細書及び全体にわたって互換的に使用され得ることを理解されたい。
【0028】
「CO2スノーブロック」又は「CO2ブロック」、その両方は、本明細書及び全体にわたって互換的に使用され得、しっかりと保持された粒子からなるいずれの形状の、実質的にブロック状の形態のCO2スノー粒子の作製を意味することを意図する。
【0029】
本明細書で使用される「CO2流体」は、液相、気相、蒸気相、超臨界相、又はこれらのいずれの組み合わせを含む、いずれの相を意味する。
【0030】
本明細書で使用される「CO2源」又は「CO2液体源」としては、限定するものではないが、シリンダ、デュワー、ボトル、及びバルク又はマイクロバルクタンクが挙げられる。
【0031】
本明細書で使用される「導管」又は「導管フローネットワーク」は、1つ以上の流路を作成し、及び/又は流体の通過を可能にするのに十分な、管、パイプ、ホース、マニホルド、及び任意の他の好適な構造体を意味する。
【0032】
本明細書で使用される「接続された」又は「動作可能に接続された」は、器具類に限定するものではないが、弁及び導管を含む、配管及び組み立て等の、2つ以上の構成部品の間の直接又は間接接続を意味し、別様に特定されなければ、2つ以上の構成部品の間の流体、機械、化学及び/又は電気的通信を可能にする。
【0033】
本明細書で使用される「物品」は、限定するものではないが、血液、尿、組織試料、又はそれらの構成成分等の生体試料と、肉、家禽、魚、及び乳製品等の生鮮食料品と、パーソナルケア物品と、化学薬品と、を含む、凍結又は一定の温度未満に維持されていない場合に、腐敗、劣化、及び/又は構造変更若しくは変性を受け得る、いずれの温度感受性の物品、製品、又は供給物も意味する。
【0034】
本明細書で使用される「詰め込み」は、外部のCO2源から外部のCO2源に動作可能に接続されたコンテナにCO2流体を導入するプロセスを意味する。
【0035】
本明細書で使用される「容器」は、限定するものではないが、金型キャビティ、シリンダ、デュワー、ボトル、タンク、バレル、バルク及びマイクロバルクを含む、CO2流体を受容することができる任意の貯蔵容器、充填容器、送達容器、又は輸送可能容器を意味する。
【0036】
「輸送可能」は、限定するものではないが、航空、地上、又は海上を含む、任意の既知の手段によってユーザの場所から別の目的地へ移動、輸送、又は出荷されることが可能である装置を意味する。輸送又は出荷は、限定するものではないが、小包郵便、UPS(登録商標)出荷サービス、FedEx(登録商標)出荷サービス等を含む、種々の小包配送サービスを通じて発生し得る。
【0037】
以下に記載されるような実施形態は、単に実施例であり、本発明は、図面内に例解される実施形態に限定されない。図面が縮小されたものではなく、ある場合において、従来の製造及び組み立ての詳細等、実施形態の理解に必ずしも必要とされない詳細部は省略されていることもまた、理解されたい。正確な導管及び弁機構の構成は縮尺どおりに描かれておらず、特定の特徴は、本発明の原理による自動充填及び自動詰め込みプロセスの様々な態様をより良く示すために、図面のそれぞれにおいて意図的に省略されることも理解されたい。
【0038】
実施形態は、類似要素が同様の数字によって参照される図面を参照して記載される。実施形態の様々な要素の関連性及び機能は、以下の詳細な記載によってより良好に理解される。「発明を実施するための形態」は、本開示の範囲内のものとして様々な置換及び組み合わせの特徴、態様、及び実施形態を想到している。したがって、本開示は、これらの特定の特徴、態様、及び実施形態のそのような組み合わせ及び置換のうちのいずれか、又はそれらのうちの選択された1つ以上を備えるように、それらからなるように、又はそれらから本質的になるように指定され得る。
【0039】
本発明の一態様では、自動分配ステーション内の選択された容器内に二酸化炭素(CO2)スノーブロックを自動的に充填する方法は、
図1a、
図1b、
図2a、
図2b、
図3、
図4、
図5、
図7、
図9a、
図9b、及び
図9cを参照して論じられる。
図1a及び
図1bは、CO2スノーブロック2を第1の容器10から任意の好適なユーザ箱内にベンディングするため、自動分配ステーション1(
図2、3、4、及び
図5)と共に使用される第1の容器10を示す。第1の容器10は、第1の上部プレート15を有する金型キャビティ13を含む。金型キャビティ13は、CO2スノーブロック2の体積を受容する大きさの体積を有する。CO2スノーブロック2の所望の体積は、自動分配ステーション1のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)1085に入力される。PLC 1085は、金型キャビティ13がPLC 1085に入力されたCO2スノーブロック2の体積以上の体積を有すると判定した場合のみ、自動分配ステーション1内に位置する金型キャビティ13を選択する。PLC 1085は、選択された金型キャビティ13を充填配向に配向し(
図2b)、必要な量のCO2スノーブロック2を金型キャビティ13に充填する自動充填プロセスを実行する。充填プロセスは、好ましくは、CO2スノーブロック2の所望の体積を得るための充填時間に基づく。
【0040】
充填が完了すると、CO2スノーブロック2は、金型キャビティ13からユーザ箱22(
図4)に移送され、ピックアップするためにユーザにベンディングされる。具体的には、ユーザ箱22は、入口窓21に供給され、その後、ユーザがアクセスしてピックアップするために、コンベヤベルト20に沿って自動分配ステーション1の分配窓14まで搬送される。
【0041】
第1の容器10の構造的詳細は、
図1a及び
図1bに示される。金型キャビティ13は、一般に、上部プレート15と、底壁16と、複数の垂直に配向された側壁17とを含む。上部プレート15は、CO2スノーの有意な損失なしに、ガス状CO2が金型キャビティ13の内部から流出し得るように、ガス状CO2のみに対して透過性であり、CO2スノーに対しては実質的に不透過性である分離バリア支持体によって特徴付けられる。
図1bを参照すると、分離バリア支持体は、支持構造体19及びメッシュシート18を含む。任意の種類の材料が、ガス状CO2の流出用の通路を画定するために利用され得ることを理解されたい。
【0042】
充填導管23は、一方の端部が上部プレート15に接続され、別の端部がCO2供給マニホルド1000に接続されている。好ましい実施形態では、合計4つのノズル12が充填導管23の一方の端部に均等に分配される。それぞれのノズル12は、およそ90°互いに離間し、それぞれのノズル12は、同一サイズの開口部及び形状を有する。ノズル12の構造は、そこを通じて実質的に均一なCO2流体の流れを生成し、金型キャビティ13内のCO2スノーブロック2の実質的に均一な形成及び分配の生成を可能にする。ノズル12は、充填導管23の垂直線に対して約30°~60°の範囲の角度で充填導管23の垂直線から離れて配向され、それによって垂直線は金型キャビティ13の水平面に対して直角に延在する。本発明の範囲から逸脱することなく、他のノズル設計及び配向が企図されることを理解されたい。
【0043】
図2aは、複数の容器を収容するように設計された自動分配ステーション1を示す。点線は、異なる体積の複数の容器が収容され得る自動分配ステーション1の構造的エンクロージャを表す。具体的には、簡潔にして本発明の原理をより良く説明するために、2つの容器、すなわち、
図1aの第1の容器10及び第2の容器26のみが示されている。第1の容器10は、第2の容器26よりも小さい体積を有する。自動分配ステーション1は、CO2供給マニホルド1000に取り外し可能に接続され、その詳細は
図7に示されている。第1の容器10は、第1の容器10の第1の上部プレート15が第1の金型キャビティ13の頂部から除去されている、アイドル配向で示されている。同様に、第2の容器26は、第2の容器26の第2の上部プレート28が第2の金型キャビティ25の頂部から除去されている、アイドル配向で示される。アイドル配向にある第1の容器10及び第2の容器26のいずれも、CO2スノーブロック2を収容していない。垂直アクチュエータ29a及び29bは、第1の上部プレート15に取り付けられ、収縮して第1の上部プレート15を第1の容器10から離れる方向に上昇させて、アイドル配向を生成するように構成されている。垂直アクチュエータ29a及び29bは、伸長して第1の上部プレート15を第1の容器10上に降下させて、
図2bの充填配向を生成するように構成されている。同様に、垂直アクチュエータ30a及び30bは、第2の上部プレート28に取り付けられ、第2の上部プレート28を第2の容器26から離れる方向に上昇させてアイドル配向を生成するように構成されており、また、延長して第2の上部プレート28を第2の容器26上に降下させて、
図2bの充填配向を生成するように再構成され得る。
【0044】
PLC 1085は、供給マニホルド1000及び自動分配ステーション1の様々な構成部品と電気通信し、その結果、
図7に示すように、様々なアクチュエータ、自動制御弁及び圧力調節装置を含む弁機構、圧力トランスデューサ、及び換気システムを調節し得る。PLC 1085と様々な構成部品との間に延在する
図7の点線は、電気通信を表す。PLC 1085は、PLC 1085と、第1の容器10、第2の容器26、及び上部プレートの上昇及び降下を担う様々なアクチュエータ29a、29b、30a、30b、並びに金型キャビティの分散配向への回転を担う他のアクチュエータアセンブリ91a、91b(
図9a、
図9b、及び
図9cを参照しながら説明するとおり)などの様々な構成部品との間を通信することを更に理解されたい。
【0045】
図2bは、対応の上部プレート15及び28が、それらの対応の容器10及び26の周辺部に沿って封止部を形成するのに十分な圧力で、それらの対応の金型キャビティ13及び25上に降下されている充填配向にある、第1の容器10及び第2の容器26を示す。周辺封止部は、金型キャビティ13/25内のガス状CO2が、それぞれ第1の容器10及び第2の容器26のメッシュシート18及び31のみを通って流出することができることを確実にする。具体的には、垂直アクチュエータ29a及び29bは、第1の金型キャビティ13の周辺部に沿って封止部を形成するのに十分な圧力で、第1の上部プレート15を第1の金型キャビティ13上に降下させるため、
図2aに対して伸長される。垂直アクチュエータ30a及び30bは、第2の金型キャビティ25の周辺部に沿って封止部を形成するのに十分な圧力で、第2の上部プレート28を第2の金型キャビティ25上に降下させるため、
図2aに対して伸長される。
図2bは、第1の充填導管23及び第2の充填導管27が、CO2供給マニホルド1000に取り外し可能に接続されていることを示しており、CO2液体は、CO2供給マニホルド1000に沿って、限定するものではないが、シリンダ、デュワー、ボトル、マイクロバルク、又はバルクタンク等を含む任意の好適な容器を含み得るCO2源1090から流れ得る。
【0046】
次に、自動分配ステーション1に関連した自動化プロセスについて説明する。好ましい実施形態では、PLC 1085は、
図5の制御方法5000によるCO2スノーブロック2の充填及びベンディングを制御するために利用される。PLC 1085は、自動分配ステーション1に極近接して位置し得る。本実施例では、簡潔にして本発明の原理をより良く説明するために、自動分配ステーション1は、第1の容器10及び第2の容器25を収容している。しかしながら、自動分配ステーション1は、好ましくは異なる体積のより多くの容器に適応するように設計されることを理解されたい。一実施例では、PLC 1085は、
図7に示されるCO2供給マニホルド1000の一部として位置する。PLC 1085は、好ましくは、製造されるCO2スノーブロック2の密度で予めプログラムされる。PLC 1085は、任意の密度を使用してもよいが、好ましくは50~65lb/ft3、より好ましくは55~60lb/ft3を使用する。工程501で、PLC 1085が起動され得る。次に、ユーザは、生成されるCO2スノーブロック2の所望の体積をPLC 1085に入力する(工程502)。ユーザはまた、特定のCO2スノーブロック又は容器10/26のサイズ及び/又は形状をヒューマンマシンインターフェース(HMI)上で選択してもよい。入力された体積に応答して、PLC 1085は、入力された体積のCO2スノーブロック2を生成することができる体積を有する、自動分配ステーション1内の好適な容器を選択し、起動する。PLC 1085は、第1の容器10に対応する金型キャビティ13の体積が、入力された体積よりも小さいと判定する。PLC 1085は、第2の容器26に対応する金型キャビティ25の体積が、CO2スノーブロック2の入力された体積以上であると更に判定する。結果として、PLC 1085は、CO2の充填に使用される第2の容器26を選択し、それに応じて信号を第2の容器26に送信する。
【0047】
箱22(例えば、段ボール箱)が、自動分配ステーション1内に位置するコンベヤシステム4の入口窓21に供給される(工程503)。箱22は、ユーザによって手動で又は自動的に供給されてもよい。箱22は、金型キャビティ内で生成される、入力された体積のCO2スノーブロック2を受容する大きさの体積を有する。
【0048】
内部にCO2を充填するための適切な容器が選択され、箱22がコンベヤベルト20の入口21に沿って置かれると(工程503)、PLC 1085は、事前充填の完全性チェックを実行する準備が整う(工程504)。充填動作を開始し得る前に、多数の基準に合格しなければならない。PLC 1085は、換気システム1050(
図7)が、排気装置1050とPLC 1085との間の連通信に示される圧力スイッチ「PS1000」を介してオンにされることを確認する。具体的には、PLC 1085は、排気システムがオンにされ、CO2ガス、及びCO2オフガスが金型キャビティ25から排気導管1050を抜け、次いで排気システムへと通気可能であることを検証する。PLC 1085はまた、供給マニホルド1000及び第2の充填導管27内の圧力が漏出なしに維持され得るかどうかを判定する。これらの事前充填完全性基準のいずれかが満たされなければ、PLC 1085は、操作を中止し、ユーザが事前充填完全性チェックの全てに合格するまで適切な補正措置を取るように、メッセージ及び状態をヒューマンマシンインターフェース(HMI)に送信する(工程505)。
【0049】
事前充填完全性チェックのそれぞれが満たされると、PLC 1085は、好適な金型キャビティを選択し、選択された好適な金型キャビティをアイドル配向から充填配向へと起動する(工程506)。PLC 1085は、CO2スノーブロックの入力された体積に応答して、入力された体積のCO2スノーブロック2を生成することができる体積を有する、自動分配ステーション1内の好適な容器を選択する。PLC 1085は、第1の容器10に対応する金型キャビティ13の体積が、入力された体積よりも小さいと判定する。PLC 1085は、第2の容器26に対応する金型キャビティ25の体積が、CO2スノーブロック2の入力された体積以上であると更に判定する。結果として、PLC 1085は、CO2の充填に使用される第2の容器26を選択し、それに応じて、信号を第2の容器26に送信して、工程506に関連して第2の容器26をアイドル配向(
図2a)から充填配向(
図2b)へと起動する。
図2aの選択された第2の金型キャビティ25は、第2の上部プレート28が第2の金型キャビティ25の頂部から離間する、アイドル配向で示されている。この時点では、CO2スノーブロック2は第2の金型キャビティ25内に収容されない。PLC 1085は、信号を垂直アクチュエータ30a及び30bに送信して、
図2bに示すように垂直アクチュエータ30a及び30bを長手方向下方に伸長させ、それによって第2の上部プレート28を第2の容器26の頂部に向かって下方に移動させる。垂直アクチュエータ30a及び30bは、
図2bに示すように、第2の金型キャビティ25の頂部上に均等に位置付けられるまで下方に移動し続ける。
図2bは、第2のプレート28が、第2の容器26の周辺部に沿って封止部を形成するのに十分な圧力で、第2の容器26の頂部上に降下されていることを示す。
【0050】
PLC 1085は、選択された容器26が充填配向にあることを検証し、そうでない場合、PLC 1085は、選択された容器26を充填配向に配向するための適切な信号を中継する。
図2bに示されるように第2の容器26が充填配向へと起動することを確認すると、PLC 1085は、以下のように、選択された容器26へのCO2スノーブロック2の所定の又は予期される充填時間を決定し得る(工程507)。PLC 1085は、源1090の蒸気ヘッドスペース内のCO2の圧力を測定する圧力トランスデューサ1071(
図7)から信号を受信する。圧力トランスデューサ1071は、CO2の圧力に対応する信号をPLC 1085に中継する。この圧力読み取り値及び第2の充填導管27内のノズル12の総体積(その代表的な概略図が
図1bに示される)に基づいて、PLC 1085は、ノズル12の圧力対総体積のルックアップテーブルによって経験的に決定されるCO2液体含有流の予期される質量流量を決定し得る。決定された質量流量を有することにより、選択された第2の容器26への予期される充填時間(すなわち、所定の充填時間)は、所望のCO2スノーブロックの入力された体積と、生成されるCO2スノーブロックの事前にプログラムされた密度(例えば、好ましくは55~60lb/ft3)との積を経験的に決定された質量流量で除したものとして、PLC 1085によって計算される。
【0051】
PLC 1085が所定の充填時間を計算すると、PLC 1085は、充填プロセスの前に供給マニホルド1000の加圧を開始するために開始ボタンを起動する(工程508)ように、ユーザメッセージで促す。第2の充填導管27に関連付けられた
図7の弁機構、器具、及び構成部品は、次に説明するように、CO2源供給マニホルド1000と接続され、CO2ガス及びCO2液体を受容するように構成されている。ガス導管1091は、圧力トランスデューサ1071及び1070、並びに圧力インジケータ1078を含む。圧力トランスデューサ1071は、CO2源1090内のヘッドスペースの圧力を測定し、圧力インジケータ1078は、減圧弁1080(「PRV 1100」)によって低下された後のCO2ガス流の圧力を測定し、圧力トランスデューサ1070は、選択された第2の容器26に入るCO2液体含有流の圧力を測定する。CO2蒸気弁1094が開放位置に構成され、CO2制御弁1100が開放位置に構成され、CO2液体回収弁1093が閉鎖位置に構成され、かつCO2制御弁1200が閉鎖位置に構成されると、CO2ガスは、CO2源1090の蒸気ヘッドスペースから回収され、ガス導管1091に流入する。圧力調節器1080(「PRV 1100」)は、圧力インジケータ1078によって測定されるように、CO2源1090から回収されるCO2ガスの圧力を源圧力(例えば、350~400psig)から約150psigに低下させる。CO2ガスは、液体が供給マニホルド1000及び第2の充填導管27の導管の一部分内で固体及び/又はガスに早期に相変化を起こす圧力まで落ちないことを確実にするために、液体含有CO2の圧力が特定の圧力(例えば、約150psig)未満に低下することを防止する量で好ましくは添加される。
【0052】
マニホルド1000の導管を適切に加圧することに加えて、CO2ガスを任意選択的に添加して、任意の時間流し、任意の残留物及び/又は不純物をパージすることができる。一実施例において、パージプロセスは、およそ30秒~約2分間継続し得る。CO2ガスがガス導管1091の様々な部分を通じて流れる際、任意の残留物及び/又は不純物もパージされ得る。CO2ガスは、バルブ1301を開放状態に設定し、バルブ1302を閉鎖状態に設定することによって、選択された第2の容器26に方向付けられてもよい。充填プロセスのこの段階における容器26は、任意の実質的な量のCO2スノー粒子又はCO2スノーブロック2を収容していない。CO2ガスは、充填導管27を通って下方方向に流れ、金型キャビティ25に入る。続いてCO2ガスは、第2の上部プレート28のメッシュシート31を通って容器26から流出する(例えば、上矢印によって
図1bにより詳細に示されるように、実質的に垂直方向に回収される)。
【0053】
選択された充填導管27及びCO2供給マニホルド1000内の圧力が、液体CO2の相変化を防止するのに十分な圧力以上である(例えば、好ましくは150psig以上、より好ましくは200psig~約350psig)とPLC 1085が判定した場合、CO2スノーブロック2の選択された容器26への充填が始まる(工程509)。CO2蒸気弁1094は開放位置に留まり得、制御弁1100は開放位置に留まり得、それによってマニホルド1000内の適切なガス加圧が、容器26内への液体CO2の充填前及びその最中に存在することを確実にする。CO2源1090からの液体CO2の流れを開始するため、制御弁1302を閉鎖位置に設定して、液体含有CO2が第1の容器10(すなわち、PLC 1085による判定に応じて選択されなかった容器)に流れないことを確実にし、制御弁1301を開放位置に設定して、液体含有CO2が第2の容器26(すなわち、PLC 1085による判定に応じて選択された容器)に流入することを可能にする。
図7を参照すると、CO2源1090からの液体含有CO2は、制御弁1301を通って液体導管1092に沿って流れ、次いで、選択された第2の容器26の第2の充填導管27内へ下方方向に導入される(
図1bに示されるとおり)。逆止弁1067は、液体含有CO2の圧力が導管1091内のCO2ガスをCO2源1090内に逆流させることを防止する。
【0054】
CO2含有液体は、第2の充填導管27のノズル12から出て、選択された第2の容器26の選択された金型キャビティ25に入る。好ましい実施形態では、第2の充填導管27の端部は、
図1bに示されるように、CO2含有液体を選択された金型キャビティ25内に方向付ける又は入射するように角度付けされた4つのノズル12を有する。液体含有CO2がノズル12を通過し、選択された金型キャビティ25に入ると、圧力及び温度の低下が生じて、その中でCO2スノー及びCO2オフガスの固定粒子が産生される。CO2オフガスは、第2のトッププレート28のメッシュシート18を通過するが、固体粒子は、大きすぎてメッシュシート18を流れることができず、したがって金型キャビティ25内に留まる。アクチュエータ30a及び30bが、充填中に第2の上部プレート28を金型キャビティ25の頂部に十分に押し付けた状態を維持する結果として、第2の容器26の周辺部は封止されるため、粒子及びガスは容器26の頂縁部に沿って流出しない。CO2オフガスが通気ガスとしてメッシュシート31を通過すると、金型キャビティ25内にCO2スノーブロック2を形成するためのCO2スノーの固体粒子をパッキングし、それによってCO2スノーブロック2の生成が開始されるという望ましい効果を有する。自動充填に関して本明細書で使用するとき、用語「パッキング」は、スノー粒子を好適な密度のCO2スノーブロック2へと圧縮することを指す。パッキングは、選択された金型キャビティ25内に生成され得るCO2スノーブロック2の量に影響を及ぼし得る。このように、本発明は、通気されたガスの形成を利用して、CO2スノーブロック2を形成するためのスノー粒子のパッキング密度を改善する能力を有する。通気されたCO2ガスは、
図1bの矢印によって示されるように、第2の上部プレート28のメッシュシート31の開口部Fを流れ、それによって、過剰な圧力が第2の金型キャビティ25内に蓄積することを防止する。ガスは、第2の充填導管27の垂直線に対して任意の角度で回収され得、それにより、垂直線は、選択された金型キャビティ25の水平面に対して直角に延在することを理解されたい。次いで、通気されたガスは、第2の充填導管27に動作可能に接続された排気導管1050内に方向付けられ得る。
【0055】
CO2スノーの粒子は、選択された金型キャビティ25内にブロック状の形態で形成され続ける。タイマーは、経過時間を監視し続け、PLC 1085に送信される経過時間に対応する信号を生成し得る。PLC 1085は、経過時間が所定の充填時間未満である限り、CO2含有液体が導管1092に沿って流れることを可能にし続ける(工程510)。
【0056】
経過時間が所定の充填時間に達したとPLC 1085が判定した場合、充填は停止する。具体的には、PLC 1085は、信号を制御弁1301に送信して、制御弁1301を閉鎖位置に構成し、それによってCO2含有液体が選択された容器26に流入し続けることを防止する。主液体回収弁1093も閉鎖される。充填プロセスは、このように停止する(工程511)。液体CO2の流れが停止したことに応答して、ガス状CO2は、マニホルド1000の導管及び/又は選択された容器26内の任意の不純物又は残留物をパージする手段として、所望に応じて特定の期間、ガス導管1091に沿った充填導管807及び容器への流入を再開し得る。CO2ガスが選択された容器26に流入し、次いで通気すると、スノーブロック2は更にパッキングされた状態になり得る。
【0057】
マニホルド1000のシャットダウンもまた、工程511の一部として行われ得る。残りの液体CO2は、制御弁1200から主液体回収弁1093まで延在する、液体導管1092の部分に沿って封入されてもよい。安全逃がし弁1086及び1087(「SRV 1102」及び「SRV 1200」)は、ガス導管1091及び/又は液体導管1092内に封入され得る残圧を逃がすように設計されている。それらに沿って貯留した液体CO2が最終的にCO2ガスに昇華し得る際、圧力の高まりは、一実施例において400psigで作動するように設定された安全逃がし弁1087によって逃がすことができる。安全逃がし弁1086はまた、CO2ガス1091導管内の圧力の高まりが上限(例えば、400psig)に達したときは、圧力を逃がすように作用する。
【0058】
充填プロセスを終了すると、PLC 1085は、選択された金型キャビティ25を充填配向から分配配向へと起動する(工程512)。まず、アクチュエータ30a及び30bを収縮させて、
図2aに示されるのと同様に、上部プレート28を金型キャビティ25の頂部から離れる方向に上昇させる。
図3は、上部プレート28が除去された、所望の体積のCO2スノーブロック2を収容する選択された金型キャビティ25の拡大図を示す。金型キャビティ25は、箱22内にCO2スノーブロック2を分配する準備が整っており、箱22は、コンベヤベルト20に沿って金型キャビティ25の下の位置まで搬送され、その結果、箱22は、CO2スノーブロック2が金型キャビティ25の内部から箱22内に落下したときに受容することができる。
図4は、コンベヤベルト20に沿った箱22の移動を示す。具体的には、
図4は、箱22がコンベヤ窓の入口21から、金型キャビティ25の下の位置まで移動し、そこでCO2ブロック2を受容し、最終的に、所望のCO2ブロック2が箱内に搭載されてピックアップ可能なコンベヤシステム4の分配窓まで移動する、コンベヤシステム4を示す。箱22が所望の位置にあると判定された場合(工程513)、金型キャビティ25は、一連の
図9a、
図9b、及び
図9cに記載されるように、内部のCO2スノーブロック2を箱22内に分配するように傾斜される。
図3及び
図9aは、分配プロセスの開始時の金型キャビティ25を示す。
図3は、アクチュエータアセンブリ91a及びアクチュエータアセンブリ91bがそれぞれ、選択された金型キャビティ25の第1の側面17a及び第2の側面17bに動作可能に接続されていることを示す。本明細書で使用するとき、
図3を参照すると、「a」の付く部分番号は、金型キャビティ25の第1の側面を指すことを意図し、同じ部分番号で「b」の付くものは、金型キャビティ25の第2の側面17bを指すことを意図し、同じ部分番号で「a」も「b」も付かないものは、概して、金型キャビティ25が斜視図に示されていない場合の(例えば、
図9a、
図9b、及び
図9cを参照)、金型キャビティ25に関連付けられた構造体を指すことを意図する。例として、アクチュエータアセンブリ91aは、
図9aに示されるように、金型キャビティ25の第1の側面17aに動作可能に接続されたアクチュエータアセンブリを指し、アクチュエータアセンブリ91bは、金型キャビティ25の第2の側面17bに動作可能に接続されたアクチュエータアセンブリを指し、アクチュエータアセンブリ91は、
図9a、
図9b、及び
図9cの断面図に示されるように、概して、金型キャビティ25のアクチュエータアセンブリを指す。アクチュエータアセンブリ91a及び91bのそれぞれは、対応のスロット92a及び92bに係合される対応のピン93a、93bによって、選択された金型キャビティ25の第1の側面17a及び第2の側面17bに係合されたままである。アクチュエータアセンブリ91a及び91bは、ピン93a、93bが対応するスロット92a、92bに沿って摺動するときに、金型キャビティ25を回転させる(以下に説明するとおり)。金型キャビティ25は、支持脚部構造体90a及び90bに接続された枢動点94a及び94bを中心に枢動することができる。支持脚部構造体90a及び90bは、
図2a、
図2b、
図3、及び
図4に示されるように金型キャビティ25を懸垂する。
図3に示されるアクチュエータアセンブリの詳細は、
図4のコンベヤシステムから省略されており、他の図は、これらの図に関連して本発明の顕著な態様を明確に説明する目的のために自動分配ステーション1を示すことを理解されたい。
【0059】
図3及び
図9aの配向から開始すると、アクチュエータアセンブリ91a及びアクチュエータアセンブリ91bはそれぞれ、金型キャビティ25の第1の側面17a及び第2の17b上のピン93a、93bのそれぞれに伝達される上向きの力を及ぼすように起動される(例えば、PLC 1085によってプログラムされる)。ピン93a、93bは、スロット92a、92b内で上方に移動することが制限される。その結果、それぞれ枢動部94a、94bから同じ距離だけ離間しているピン93a、93bは、金型キャビティ25を反時計方向に回転させるトルクを及ぼす。金型キャビティ25が反時計方向に回転すると、スロット92a、92bは垂直に配向された状態になり、それによってアクチュエータアセンブリ91a、91bの対応のアームがスロット92a、92bに沿って上方に延在することが可能になる。
図9bは、アクチュエータアセンブリ91a、91bのアームが、スロット92a、92bの中へ、それに沿って上方に部分的に拡張される、枢動部94a、94bを中心に反時計方向に90度回転した回転金型キャビティ25の中間構成を示す。アクチュエータアセンブリ91a、91bのアームは、
図9cに示されるように、アーム及び対応のピン93a、93bがスロット92a、92bの最上縁部まで移動するまで、金型キャビティ25の追加の反時計方向回転を引き起こすように、対応のピン93a、93bを通して上向きの力を及ぼし続ける。
図9cは、
図9bに対する更に45°の反時計方向回転を表す。
図9cの傾斜された配向により、CO2スノーブロック2を金型キャビティ25の内部から箱22内へと放出することが可能になり(工程515)、この時点で、箱22は、
図4に示すように金型キャビティ25の下に位置付けられる。
図4は、CO2スノーブロック2が箱22内に放出されたことを示すため、反転された金型キャビティ25を示す。箱22内の表記「2」は、箱22がCO2スノーブロック2を収容することを示すことを意図する。
【0060】
CO2スノーブロック2が金型キャビティ25から放出され、箱22内に分配されると、ピン93a、93b及びそれに取り付けられたアームをスロット92a、92bに沿って下方に移動させるためにアクチュエータアームが後退し、この段階では、金型キャビティ25のアイドル配向を表す
図9aの配向に再構成される(工程516)。内部にCO2スノーブロック2を有する箱22は、コンベヤベルト20に沿って、ピックアップ可能なコンベヤシステム4の出口/分配窓14まで搬送される(工程517)。
【0061】
自動分配ステーション1への自動充填は、所定の充填時間に基づいて実行されているが、自動充填はまた、他の基準に基づいて発生し得る。例えば、PLC 1085は、例として、CO2スノーブロック2の予め定義された重量、選択された金型キャビティ内の圧力、CO2スノーブロック2の静電容量、容器内の温度、又は選択された金型キャビティの上部プレートの変形を含む、充填のための別の設定点を使用し得る。
【0062】
別の実施形態では、自動分配ステーション1を使用する代替として、詰め込みステーション内の単一の容器にCO2スノーブロックを自動的に詰め込む方法が実行され得る。
図6は、関連する制御方法6000を示し、
図8は例示的な詰め込みステーション800を示す。詰め込みステーション800の入口はCO2供給マニホルド1000に接続され、詰め込みステーション800の出口は換気システム801に接続されている。CO2供給マニホルド1000は、自動分配ステーション1がここでは
図8の詰め込みステーションと交換されていることを除いて、実質的に同一である。PLC 1085は、詰め込みステーション800、CO2供給マニホルド1000、換気システム801及びその関連する構成部品と電気通信する。PLC 1085が起動されると(工程600)、充填用の容器が選択される(工程601)。容器は、CO2スノーブロックを詰め込むことができる任意の好適な箱であってもよい。容器が詰め込みステーション800内に置かれる(工程602)。上述したように、事前充填完全性チェック(工程603)が、PLC 1085によって実行される。追加の事前充填完全性チェックとして、ドアセンサは、ドア803がロックされているかどうかを判定する。事前充填完全性チェックのいずれかが満たされていないと、PLC 1085は、ユーザが適切な措置を取るための適切なHMIメッセージを生成するように促される(工程604)。
【0063】
全ての事前装填完全性チェックが完了すると、容器は、アイドル配向から充填配向へと起動される(工程605)。例として、限定することを意図するものではないが、充填配向は、周辺部に沿って封止部を作製するために、容器の頂部上に置かれる1つ以上の垂直アクチュエータによって、容器の頂部上に上部プレートを構成することを含み得る。容器は、
図1a、
図1b、
図2a、及び
図2bを参照して説明されるように、上部プレート及び金型キャビティを利用する必要はないことを理解されたい。したがって、上述のような上部プレート及び金型キャビティが必要でない場合、充填配向は、充填導管及び容器の頂部に動作可能に接続された好適な詰め込み器を導入及び配向することを含み得る。充填配向はまた、ドア803がCO2の詰め込み中にロックされたままになり、容器が詰め込みステーション800の内部に確実に搭載されるように、詰め込みステーション800内に提供される安全インターロックを提供する。
【0064】
容器が充填配向にあることが検証されると、ユーザは、容器内で生成することが望ましい所望の体積のCO2スノーブロック2を入力し得る。工程606において、PLC 1085は、
図5の実施例の工程507に関して上述したように、所定の充填時間を決定する。CO2スノーブロック(例えば、55~60lb/ft3)の密度は、PLC 1085に事前にプログラムされ、質量流量は、詰め込み器内のノズルの総体積に対するCO2圧力のルックアップテーブルから経験的に決定される。
【0065】
ユーザは、開始ボタンを起動して(工程607)、自動詰め込みプロセスを開始する。以下のように充填が始まる(工程608)。供給マニホルド1000からの十分な量のガス状CO2が、CO2源1090の蒸気ヘッドスペースから、供給マニホルド1000と容器との間に延在する充填導管807に導入される。供給マニホルド1000は、充填導管807に動作可能に接続される。CO2ガスが導管内に添加されて、液体CO2がマニホルド1000の導管及び充填導管807内で固体及び/又はガスに早期に相変化を起こし得る特定の圧力未満(例えば、約150psig未満)まで液体CO2の圧力が下がることを防止するのに十分なレベルに、マニホルド1000の導管を加圧する。PLC 1085は、CO2及び充填導管807の圧力を測定する圧力トランスデューサ1070(
図7)から供給マニホルド1000内の圧力を監視し続ける。圧力は特定の圧力以上であり、液体CO2は相を変化させないと判定されると、PLC 1085は、信号を制御弁1200に送信して、制御弁1200を開放位置に構成する。制御弁1200が開放位置にあると、CO2供給部1090から液体CO2が回収され、導管1092に沿って流れる。液体CO2の圧力は、マニホルド1000を占めるガス状CO2の圧力よりも高く、結果として、液体CO2が第1の方向に沿って(例えば、容器内に実質的に垂直及び下方に)詰め込みステーション800の容器に流入する際に、容器内へのCO2のガス流は停止する。CO2液体は、容器に入ると、CO2スノーブロック及びオフガスに変換するために相変化を起こす。オフガスは、排気導管1050を通って容器及び弁から流出する。CO2液体は、経過した充填時間は所定の時間に達しているとPLC 1085が判定するまで、容器に入り続ける。経過時間が所定の時間に達している場合、PLC 1085は、信号を制御弁1200に中継して、制御弁1200を閉鎖位置に構成し、それによってCO2源1090からの液体CO2の回収を停止する(工程610)。主液体回収弁1093も閉鎖される。液体CO2の流れが停止したことに応答して、ガス状CO2は、マニホルド1000の導管及び/又は容器内の任意の不純物又は残留物をパージする手段として、所望に応じて特定の期間、ガス導管1091に沿った充填導管807及び容器への流入を再開し得る。CO2ガスが容器に流入し、次いで排気導管1050に通気すると、スノーブロックは更にパッキングされた状態になり得る。弁1093及び弁1094が
図7に手動バルブとして示されているが、弁1093及び1094のそれぞれの代わりに自動制御弁が使用され得ることを理解されたい。
【0066】
ここで、シャットダウンが実行され得る(工程611)。残りの液体CO2は、制御弁1200から主液体回収弁1093まで延在する、液体導管1092の部分に沿って封入されてもよい。安全逃がし弁1086及び1087(「SRV 1102」及び「SRV 1200」)は、詰め込みステーション800及びマニホルド1000の様々なシステム構成部品がシャットダウンされたときに、ガス導管1091及び/又は液体導管1092内に封入され得る残圧を逃がすように設計される。それらに沿って貯留した液体CO2が最終的にCO2ガスに昇華し得る際、圧力の高まりは、一実施例において400psigで作動するように設定された安全逃がし弁1087によって逃がすことができる。安全逃がし弁1086はまた、CO2ガス1091導管内の圧力の高まりが上限(例えば、400psig)に達したときは、圧力を逃がすように作用する。
【0067】
工程611でシャットダウンが完了した後、PLC 1085は、詰め込みステーション800の安全インターロックを無効化し、その結果、詰め込みステーションのドア803は開放されて、容器にアクセスし、CO2スノーブロック2が内部に充填された容器を除去することが可能になる。
【0068】
容器への自動詰め込みもまた、他の基準に基づいて発生し得ることを理解されたい。例えば、PLC 1085は、例として、CO2スノーブロック2の予め定義された重量、容器内の圧力、CO2スノーブロック2の静電容量、容器内の温度、又は容器を封止するために利用され得る上部プレートの変形を含む、充填のための別の設定点を使用し得る。
【0069】
記載されているように、CO2スノーブロック2を有する容器は、本明細書で以下に定義されるような任意の「物品」と共に使用され得るが、本発明は、生体試料を再現可能に保存するために必要な包装プロトコルの順守を維持するために特に貢献し、それによって試料の劣化を回避し、試料が元の機能状態に復帰して、その目的地到着時に適切な試験を受けられることを可能にする。更に、CO2スノーブロック2は、従来技術により製造されたCO2ドライアイスを収容する標準的なドライアイス搬送容器と比較して、冷却効果持続時間が延長された容器の必要温度を保持し得るパッキング密度を改善させて好ましくは生成される。延長された冷却効果の持続時間は、輸送中の試料の劣化のリスクを低減させることができ、ユーザがより柔軟となり、本発明の輸送可能なコンテナの準備及び組み立てに関するコスト及び利便性、物品(生体試料等の試料を含む)を取得する時期、利用し得る出荷方法のタイプ、を最適化することを可能にする。
【0070】
本発明に対するいくつかの変更は、本発明の趣旨から逸脱することなく想到される。例えば、自動充填ステーション(
図5)の制御方法における一連の工程は、事前充填完全性チェックに合格した後に箱22が適所に位置付けられるように変更され得る。詰め込みステーション(
図6)に関して、PLCは、容器が詰め込みステーションに搭載された後に起動され得る。加えて、CO2流の選択された容器への入射方向を変えることができる。例えば、CO2含有液体は、上方に、又は横方向に、又は下方に様々な角度配向で入射されてもよく、正確な角度は、充填導管内のノズル形状、設計、及び幾何学的形状によって決定される。同様に、選択された容器内のCO2ガス及びオフガスは、下方方向又は横方向又は上方の角度付き方向に通気するように変えることができる。加えて、自動詰め込みステーションに関して、制御方法は、ユーザがスノーブロック2の体積を入力し、自動分配ステーション1のHMI上に列挙された容器を選択するように変更することができる。
【0071】
本発明の自動制御方法は、任意の容器に適用することができる。一実施形態では、自動制御方法及びプロセスは、その詳細が全ての目的で全体として参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第15/645,152号に記載されているような容器に関連して使用することができる。かかる容器は、本発明の自動充填分配ステーション又は詰め込みシステムの一部として利用することができる。
【0072】
本発明の特定の実施形態と見なされるものを示し、説明してきたが、当然ながら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態又は詳細の様々な修正及び変更を容易に行うことができることが理解されるであろう。したがって、本発明は、本明細書において示され、説明される正確な形態及び詳細に限定されず、本明細書において開示され、以下に特許請求される本発明の全範囲に満たないいかなるものにも限定されないことを意図する。