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特開2022-125038トレーサビリティシステム及び箱詰装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125038
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】トレーサビリティシステム及び箱詰装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20220819BHJP
【FI】
B65B57/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022092315
(22)【出願日】2022-06-07
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(71)【出願人】
【識別番号】591115578
【氏名又は名称】カルビー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】中埜 雅文
(72)【発明者】
【氏名】川西 紀男
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 達夫
(72)【発明者】
【氏名】東野 匠馬
(72)【発明者】
【氏名】溝口 誠
(72)【発明者】
【氏名】内薗 正義
(57)【要約】
【課題】箱詰装置によって商品が箱詰めされる場合、箱詰め工程までを含めて、箱に詰められた商品を追跡できる、トレーサビリティシステム及び箱詰装置を提供する。
【解決手段】生産管理システム100は、箱詰装置7に搬送されてくる商品Mのそれぞれを識別する袋シリアル番号S1を取得する第一取得部72と、箱詰装置7において商品Mの箱詰めに用いられる段ボール箱Cを識別する箱シリアル番号S2を取得する第二取得部78と、各種情報を記憶する記憶装置9と、第二取得部78によって取得された箱シリアル番号S2と、箱シリアル番号S2によって特定される段ボール箱Cに箱詰めされた商品Mに対応する袋シリアル番号S1とを対応付けた箱詰情報T5を生成し、生成した箱詰情報T5を記憶装置9に記憶させる管理装置8と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流工程から搬送されてくる複数の商品を箱詰めする箱詰装置と共に用いられるトレーサビリティシステムであって、
前記箱詰装置に搬送されてくる前記商品のそれぞれを識別する商品識別情報を取得する第一取得部と、
前記箱詰装置において前記商品の箱詰めに用いられる箱を識別する箱識別情報を取得する第二取得部と、
各種情報を記憶する記憶部と、
前記第二取得部によって取得された前記箱識別情報と、前記箱識別情報によって特定される前記箱に箱詰めされた前記商品に対応する前記商品識別情報とを対応付けた箱詰情報を生成し、生成した前記箱詰情報を前記記憶部に記憶させる管理部と、を備える、トレーサビリティシステム。
【請求項2】
前記管理部は、前記第二取得部によって取得された前記箱識別情報に、前記箱識別情報によって特定される前記箱に箱詰めされた複数の前記商品に対応する複数の前記商品識別情報を対応付けた前記箱詰情報を生成する、請求項1記載のトレーサビリティシステム。
【請求項3】
前記管理部は、前記箱詰装置の上流工程の検査装置によって検査された前記商品の検査結果と前記商品識別情報とが対応付けられた検査情報を取得し、前記箱詰情報と前記検査情報とに基づいて、前記検査装置によって不良と判定された前記商品が収容されている前記箱を特定する、請求項1又は2記載のトレーサビリティシステム。
【請求項4】
上流工程から搬送されてくる複数の商品を箱詰めする箱詰装置であって、
搬送されてくる前記商品のそれぞれを識別する商品識別情報を取得する第一取得部と、
前記商品の箱詰めに用いられる箱を識別する箱識別情報を取得する第二取得部と、
各種情報を記憶する記憶部と、
前記第二取得部によって取得された前記箱識別情報と、前記箱識別情報によって特定される前記箱に箱詰めされた前記商品に対応する前記商品識別情報とを対応付けた箱詰情報を生成し、生成した前記箱詰情報を前記記憶部に記憶させる制御部と、を備える、箱詰装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第二取得部によって取得された前記箱識別情報に、前記箱識別情報によって特定される前記箱に箱詰めされた複数の前記商品に対応する複数の前記商品識別情報を対応付けた前記箱詰情報を生成する、請求項4記載の箱詰装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記箱詰装置の上流工程の検査装置によって検査された前記商品の検査結果と前記商品識別情報とが対応付けられた検査情報を取得し、前記箱詰情報と前記検査情報とに基づいて、前記検査装置によって不良と判定された前記商品が箱詰めされた状態の前記箱を特定する、請求項4又は5記載の箱詰装置。
【請求項7】
前記商品が前記箱詰めされた状態の前記箱を前記箱詰装置の下流工程に搬送せずに系外に排出する振分部を更に備え、
前記制御部は、前記振分部を制御して、前記不良と判定された前記商品が箱詰めされた状態の前記箱を前記系外に排出させる、請求項6記載の箱詰装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、トレーサビリティシステム及び箱詰装置に関する。
【背景技術】
【0002】
菓子等の商品の製造ラインとして、個々の重量にばらつきがある被計量物を目標重量となるように計り分ける組合せ計量装置と、フィルムから袋を製造し、組合せ計量装置によって計り分けられた被計量物を製造した袋に収容する包装装置と、各種検査装置と、袋を箱に収容する箱詰装置と、を含む一連の製造ラインが知られている。特許文献1には、このように製造された商品が収容された袋にバーコードを付与し、バーコードが付与された商品の検査結果(X線画像)を蓄積メモリに蓄積する記録装置が開示されている。このような記録装置では、事後的に商品の検査結果を追跡できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-28821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような一連の製造ラインでは、袋ごと(商品)ごとの検査結果は確認できるものの、例えば、箱詰装置によって商品が箱に詰められる場合、箱詰め工程までを含めて商品の処理状況を追跡できない。
【0005】
そこで、本発明の一側面の目的は、箱詰装置によって商品が箱詰めされる場合、箱詰め工程までを含めて商品を追跡できる、トレーサビリティシステム及び箱詰装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るトレーサビリティシステムは、上流工程から搬送されてくる複数の商品を箱詰めする箱詰装置と共に用いられるトレーサビリティシステムであって、箱詰装置に搬送されてくる商品のそれぞれを識別する商品識別情報を取得する第一取得部と、箱詰装置において商品の箱詰めに用いられる箱を識別する箱識別情報を取得する第二取得部と、各種情報を記憶する記憶部と、第二取得部によって取得された箱識別情報と、箱識別情報によって特定される箱に箱詰めされた商品に対応する商品識別情報とを対応付けた箱詰情報を生成し、生成した箱詰情報を記憶部に記憶させる管理部と、を備える。
【0007】
この構成のトレーサビリティシステムでは、商品の商品識別情報と、その商品が箱詰めされている箱の箱識別情報とが対応付けられた箱詰情報が生成されるので、例えば、特定の商品が箱詰めされた箱や、その箱に箱詰めされた他の商品を容易に特定できる。これにより、箱詰装置によって商品が箱詰めされる場合、箱詰め工程までを含めて、箱に詰められた商品を追跡できる。
【0008】
本発明の一側面に係るトレーサビリティシステムでは、管理部は、第二取得部によって取得された箱識別情報に、箱識別情報によって特定される箱に箱詰めされた複数の商品に対応する複数の商品識別情報を対応付けた箱詰情報を生成してもよい。この構成のトレーサビリティシステムでは、一つの箱に箱詰めされる複数の商品を追跡できる。
【0009】
本発明の一側面に係るトレーサビリティシステムでは、管理部は、箱詰装置の上流工程の検査装置によって検査された商品の検査結果と商品識別情報とが対応付けられた検査情報を取得し、箱詰情報と検査情報とに基づいて、検査装置によって不良と判定された商品が収容されている箱を特定してもよい。この構成のトレーサビリティシステムでは、不良品が収容された箱を容易に特定できる。
【0010】
本発明の一側面に係る箱詰装置は、上流工程から搬送されてくる複数の商品を箱詰めする箱詰装置であって、搬送されてくる商品のそれぞれを識別する商品識別情報を取得する第一取得部と、記商品の箱詰めに用いられる箱を識別する箱識別情報を取得する第二取得部と、各種情報を記憶する記憶部と、第二取得部によって取得された箱識別情報と、箱識別情報によって特定される箱に箱詰めされた商品に対応する商品識別情報とを対応付けた箱詰情報を生成し、生成した箱詰情報を記憶部に記憶させる制御部と、を備える。
【0011】
この構成の箱詰装置では、商品の商品識別情報と、その商品が箱詰めされている箱の箱識別情報とが対応付けられた箱詰情報が生成されるので、例えば、特定の商品が箱詰めされた箱や、特定の箱に箱詰めされた商品を容易に特定できる。これにより、箱詰装置によって商品が箱詰めされる場合、箱詰め工程までを含めて、箱に詰められた商品を追跡できる。
【0012】
本発明の一側面に係る箱詰装置は、制御部は、第二取得部によって取得された箱識別情報に、箱識別情報によって特定される箱に箱詰めされた複数の商品に対応する複数の商品識別情報を対応付けた箱詰情報を生成してもよい。この構成の箱詰装置では、一つの箱に箱詰めされる複数の商品を追跡できる。
【0013】
本発明の一側面に係る箱詰装置では、制御部は、箱詰装置の上流工程の検査装置によって検査された商品の検査結果と商品識別情報とが対応付けられた検査情報を取得し、箱詰情報と検査情報とに基づいて、検査装置によって不良と判定された商品が箱詰めされた状態の箱を特定してもよい。この構成の箱詰装置では、不良品が収容された箱を容易に特定できる。
【0014】
本発明の一側面に係る箱詰装置は、商品が箱詰めされた状態の箱を箱詰装置の下流工程に搬送せずに系外に排出する振分部を更に備え、制御部は、振分部を制御して、不良と判定された商品が箱詰めされた状態の箱を系外に排出させてもよい。この構成の箱詰装置では、不良品が収容された箱を下流工程に受け渡すことを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、箱詰装置によって商品が箱詰めされる場合、箱詰め工程までを含めて、箱に詰められた商品を追跡できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、一実施形態に係るトレーサビリティシステムが管理する製造ラインの概略構成である。
図2図2は、トレーサビリティシステムの機能構成を示すブロック図である。
図3図3(A)は、重量検査情報の一例を示す図であり、図3(B)は、袋厚み検査情報の一例を示す図である。
図4図4は、箱詰装置の概略構成を示す図である。
図5図5(A)は、商品取得情報の一例を示す図であり、図5(B)は、箱取得情報の一例を示す図であり、図5(C)は、箱詰情報の一例を示す図である。
図6図6は、生産情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して一実施形態に係る生産管理システム(トレーサビリティシステム)100について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
図1及び図2に示されるように、生産管理システム100は、少なくとも、箱詰装置7と、生産管理装置10と、を備えている。生産管理システム100は、これらの構成に加え、組合せ計量装置1と、製袋包装装置3と、シール検査装置5と、重量検査装置6と、を備える。組合せ計量装置1と、製袋包装装置3と、シール検査装置5と、重量検査装置6と、箱詰装置7と、からなる装置群は、物品Aの計量から商品Mの検査、箱詰めまでを実行する製造ラインを構成する。物品Aは、例えば菓子、農産物、水産物、加工食品等のように、単体質量にばらつきのある物品である。
【0019】
組合せ計量装置1は、物品Aを組合せ計算する装置である。組合せ計量装置1は、上流側に配置された搬送コンベアから供給される物品Aを目標重量値となるように計算して製袋包装装置3に供給する。製袋包装装置3は、物品Aを包装する袋Bを製袋しながら、組合せ計量装置1によって組合せ計算された物品Aを包装して商品Mを製造する装置である。製袋包装装置3は、袋Bに、例えば一定期間に製造された商品M(袋B)を一意に区別する袋シリアル番号S1(図4参照)を印字する。
【0020】
シール検査装置5は、商品Mの袋厚みと空気漏れの有無とを検査する装置である。シール検査装置5は、主に、カメラ51と、図示しない制御部と、管理装置8に通信可能に設けられる通信部53と、を備える。カメラ51は、袋Bに印字された袋シリアル番号S1を読み取る。制御部は、シール検査装置5の各部を制御する。図3(A)に示されるように、制御部は、例えば、カメラ51によって読み取られた袋シリアル番号S1と、シール検査装置5によって検査された袋厚みと、検査時間(タイムスタンプ1)と、を対応付けた袋厚み検査情報(検査情報)T1を生成する。図2に示されるように、制御部は、袋厚み検査情報T1を通信部53により管理装置8へ出力させる。
【0021】
重量検査装置6は、製袋包装装置3において製造された商品Mの重量を検査する装置である。重量検査装置6は、主に、カメラ61と、図示しない制御部と、管理装置8に通信可能に設けられる通信部63と、を備える。カメラ61は、袋Bに印字された袋シリアル番号(商品識別情報)S1を読み取る。袋シリアル番号S1は、例えば一定期間に製造される商品のそれぞれを一意に識別する情報である。袋シリアル番号S1は、例えば、製袋包装装置3に備わる印字装置によって袋Bに印字される。制御部は、重量検査装置6の各部を制御する。図3(B)に示されるように、制御部は、カメラ61によって読み取られた袋シリアル番号S1と、重量検査装置6によって検査された重量値と、検査時間(タイムスタンプ2)と、を対応付けた重量検査情報(検査情報)T2を生成する。図2に示されるように、制御部は、重量検査情報T2を通信部63により管理装置8へ出力させる。
【0022】
図1及び図4に示される箱詰装置7は、商品Mを段ボール箱(商品の箱詰めに用いられる箱)に詰める装置である。箱詰装置7は、複数の商品Mを段ボール箱Cに詰め、下流工程に搬送する。箱詰装置7は、通信部7Aと、制御部7Bと、第一搬入部71と、第一取得部72と、収容状態形成部73と、第二搬入部74と、昇降部75と、搬出部76と、印字部77と、第二取得部78と、振分部79と、を備える。
【0023】
通信部7Aは、他の装置との通信を可能にするインタフェイスである。通信部7Aは、管理装置8と通信可能に設けられる。管理装置8との通信は、有線であっても無線であってもよい。制御部7Bは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有する。制御部7Bは、箱詰装置7を構成する各部を制御する。制御部7Bは、管理装置8と通信部7Aを介して通信可能に接続される。
【0024】
第一搬入部71は、袋Bに袋シリアル番号S1が印字された商品Mを箱詰装置7の内部に搬入する。第一取得部72は、第一搬入部71によって搬入されてくる商品Mの袋Bに印字された袋シリアル番号S1を読み取る。第一取得部72は、例えばカメラである。第一取得部72は、読み取った袋シリアル番号S1を通信部7Aにより管理装置8へ送信する。第一取得部72は、図5(A)に示されるように、袋シリアル番号S1と、袋シリアル番号S1が取得されたときの時間(タイムスタンプ3)とを関連付けた、商品取得情報T3を管理装置8に送信する。なお、第一取得部72によって読み取られた袋シリアル番号S1は、制御部7Bにより管理装置8へ送信されてもよい。ここで、第一取得部72により読み取られた袋シリアル番号S1に紐づく袋BがNG品である場合、対象となる袋Bは収容状態形成部73に搬送されず系外へ排出される。系外へ排出する場合、第一搬入部71の後段に振り分け装置が配置される構成でも構わないし、箱詰装置7内を通過してそのまま系外へ排出される構成でも構わない。
【0025】
収容状態形成部73は、段ボール箱Cに収容する商品Mの体勢を形成する。収容状態形成部73は、例えば、図4に示されるように6個の商品Mを立てた状態で水平方向に配列する。第二搬入部74は、段ボール箱Cとして組み立てられる前の段ボール箱材C0を搬入すると共に、昇降部75に搬入する前に、段ボール箱材C0を段ボール箱Cに組み立てる。なお、段ボール箱材C0を段ボール箱Cに組み立てる装置の構成は公知であり、ここでの詳細な説明は省略する。ここで、印字部77は、商品群M1を箱詰めする前の段ボール箱Cに箱シリアル番号(箱識別情報)S2を印字する。
【0026】
昇降部75は、段ボール箱Cを下降させると共に、収容状態形成部73によって配列された商品群M1を段ボール箱Cに収容する。昇降部75は、商品群M1が収容された段ボール箱Cを搬出部76に向けて搬出する。搬出部76は、封止装置によって封止された段ボール箱Cを下流方向に搬送する。
【0027】
ここで、制御部7Bは、印字部77に送信した箱シリアル番号S2を通信部7Aにより管理装置8へ送信させる。制御部7Bは、図5(B)に示されるように、箱シリアル番号S2と、箱シリアル番号S2を生成したときの時間(タイムスタンプ4)とを関連付けた、箱取得情報T4を管理装置8に送信する。
【0028】
図2に示されるように、生産管理装置10は、通信部83と、管理装置(管理部)8と、記憶装置(記憶部)9と、を備えている。通信部83は、他の装置との通信を可能にするインタフェイスである。通信部83は、シール検査装置5と、重量検査装置6と、箱詰装置7と、に通信可能に設けられる。各装置との通信は、有線であっても無線であってもよい。
【0029】
管理装置8は、シール検査装置5と、重量検査装置6と、箱詰装置7と、記憶装置9と、を統合的に管理する装置である。管理装置8は、CPU、ROM及びRAM等を有するコンピュータ装置である。管理装置8は、第二取得部78によって取得された箱シリアル番号S2と、箱シリアル番号S2によって特定される段ボール箱Cに箱詰めされた商品Mに対応する袋シリアル番号S1とを対応付けた箱詰情報T5を生成し、生成した箱詰情報T5を記憶装置9に記憶させる。なお、袋シリアル番号S1及び箱シリアル番号S2は、カメラ51、カメラ61、第一取得部72、第二取得部78によって取得された画像がOCR処理されて、コンピュータが利用できる文字コードとして認識されている。画像を文字コードへ変換する主体は、特に限定されない。
【0030】
より詳細には、管理装置8は、第一取得部72によって取得された図5(A)に示される商品取得情報T3と、制御部7Bによって生成された図5(B)に示される箱取得情報T4と、に基づいて、図5(C)に示される箱詰情報T5を生成する。一つの段ボール箱Cには所定個数の商品Mが収容される。よって、管理装置8は、制御部7Bによって取得された箱シリアル番号S2に、箱シリアル番号S2によって特定される段ボール箱Cに箱詰めされた複数の商品Mに対応する複数の袋シリアル番号S1を対応付けた箱詰情報T5を生成する。
【0031】
管理装置8は、第一搬入部71から順に搬入されてくる商品Mを所定個数(例えば6個)ごとにグルーピング(仮記憶)し、これらグルーピングされた各商品Mの袋シリアル番号S1と、グルーピングされた商品Mのうち最初に第一取得部72に袋シリアル番号S1が取得された時間よりも後かつ直近の時間に第二取得部78によって取得された箱シリアル番号S2とを関連付けて記憶する。これにより、管理装置8は、第一搬入部71から順に搬入されてくる商品Mを所定個数ごとにグルーピングし、グルーピングされた各商品Mの袋シリアル番号S1と、一の箱シリアル番号S2とを関連付けた箱詰情報T5を生成できる。管理装置8は、生成した箱詰情報T5を記憶装置9に記憶させる。
【0032】
更に、本実施形態の管理装置8では、箱詰情報T5に対して、箱詰装置7の上流工程の検査装置によって検査された商品Mの検査結果に関する情報が関連付けた図6に示される生産情報T6を生成し、記憶装置9に記憶させる。より詳細には、管理装置8は、図3(A)に示される袋厚み検査情報T1をシール検査装置5から受け取り、図3(B)に示される重量検査情報T2を重量検査装置6から受け取る。そして、管理装置8は、袋シリアル番号S1をキーとして、シール検査装置5から受け取った袋厚み検査情報T1と、重量検査装置6から受け取った重量検査情報T2と、先に生成した箱詰情報T5とを結合し、生産情報T6を生成する。
【0033】
管理装置8は、上記の通り生成される生産情報T6に基づいて、シール検査装置5及び/又は重量検査装置6によって不良と判定された商品Mが収容されている段ボール箱Cを特定する。管理装置8は、特定した段ボール箱Cに関する情報を箱詰装置7の制御部7Bに送信する。制御部7Bは、振分部79を制御し、管理装置8によって特定された段ボール箱Cを系外に排出する。なお、制御部7Bは、搬出部76上の各段ボール箱Cの位置を監視している。
【0034】
上記実施形態の生産管理システム100における作用効果について説明する。上記実施形態の生産管理システム100では、商品Mの袋Bに印字された袋シリアル番号S1と、その商品Mが箱詰めされている段ボール箱Cの箱シリアル番号S2とが対応付けられた箱詰情報T5(図5(C)参照)が生成されるので、例えば、特定の商品Mが箱詰めされた段ボール箱Cや、特定の段ボール箱Cに箱詰めされた商品Mを容易に特定できる。これにより、箱詰装置7によって商品Mが箱詰めされた後も、段ボール箱Cに詰められた商品Mを追跡できる。
【0035】
上記実施形態の生産管理システム100では、管理装置8は、第二取得部78によって取得された箱シリアル番号S2に、箱シリアル番号S2によって特定される段ボール箱Cに箱詰めされた複数の商品Mに対応する複数の袋シリアル番号S1を対応付けた箱詰情報T5(図5(C)参照)を生成している。これにより、一つの段ボール箱Cに箱詰めされる複数の商品Mを追跡できる。
【0036】
上記実施形態の生産管理システム100では、管理装置8は、箱詰装置7の上流工程のシール検査装置5によって検査された商品Mの検査結果と袋シリアル番号S1とが対応付けられた袋厚み検査情報T1と、重量検査装置6によって検査された商品Mの検査結果と袋シリアル番号S1とが対応付けられた重量検査情報T2と、を取得する。そして、管理装置8は、これら袋厚み検査情報T1(図3(A)参照)及び重量検査情報T2(図3(B)参照)と、箱詰情報T5(図5(C)参照)とに基づいて、シール検査装置5及び/又は重量検査装置6によって不良と判定された商品Mが収容されている段ボール箱Cを特定する。この構成の生産管理システム100では、不良品が収容された段ボール箱Cを容易に特定できる。
【0037】
上記実施形態の生産管理システム100では、管理装置8は制御部7Bを介して振分部79を制御して、不良と判定された商品Mが箱詰めされた状態の段ボール箱Cを系外に排出させている。これにより、不良品が収容された段ボール箱Cを下流工程に受け渡すことを防止できる。
【0038】
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0039】
上記実施形態の生産管理システム100では、箱詰装置7と別体に設けられた管理装置8が箱詰情報T5(図5(C)参照)を生成したり、記憶装置9に箱詰情報T5を記憶させたりする例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、箱詰装置7に備わる制御部7Bが、箱詰情報T5を生成したり、通信部7Aにより記憶装置9へ送信させ、記憶装置9に箱詰情報T5を記憶させたりしてもよい。また、例えば、箱詰装置7に備わる制御部7Bが、箱詰装置7に備わる記憶部7Cに、箱詰情報T5及び/又は生産情報T6を記憶させてもよい。
【0040】
上記実施形態及び変形例では、製袋包装装置3において印字される袋シリアル番号S1について数値と英字との組合せから構成される例を挙げて説明したが、例えば数字のみ、英字のみ、これらと記号との組み合わせ等、他の袋Bと区別できればどのようなものでもよい。箱詰装置7が段ボール箱Cに印字する箱シリアル番号S2についても同様である。
【0041】
上記実施形態及び変形例では、製袋包装装置3によって製造される袋に袋シリアル番号が印字される例を挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、袋シリアル番号が記憶されたICタグを取り付けてもよいし、袋シリアル番号に一意に変換可能なコード(一次元コード、二次元コード、図柄、色、模様、色彩)が印字されてもよい。箱詰装置7が段ボール箱Cに印字する箱シリアル番号S2についても同様である。
【0042】
上記実施形態及び変形例では、箱詰装置7が段ボール箱Cに箱シリアル番号S2を印字する例を挙げて説明したが、予め箱シリアル番号S2が印字された段ボール箱Cを用いてもよい。また、同様に、製袋包装装置3が袋Bに袋シリアル番号S1を印字する例を挙げて説明したが、予め袋シリアル番号S1が印字された包装フィルムを用いてもよい。
【0043】
上記実施形態及び変形例では、組合せ計量装置1と、製袋包装装置3と、シール検査装置5と、重量検査装置6と、箱詰装置7と、を含む装置群からなる製造ラインを例に挙げて説明したが、箱詰装置7が含まれていれば、組合せ計量装置1、製袋包装装置3、シール検査装置5及び重量検査装置6は全て含まれていなくてもよいし、一部の装置だけ含まれていてもよいし、他の装置が含まれていてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1…組合せ計量装置、3…製袋包装装置、5…シール検査装置、6…重量検査装置、7…箱詰装置、7A…通信部、7B…制御部、7C…記憶部、8…管理装置(管理部)、9…記憶装置(記憶部)、10…生産管理装置、72…第一取得部、78…第二取得部、79…振分部、100…生産管理システム(トレーサビリティシステム)、A…物品、B…袋、C…段ボール箱、C0…段ボール箱材、M…商品、S1…袋シリアル番号、S2…箱シリアル番号、T5…箱詰情報、T6…生産情報。
図1
図2
図3
図4
図5
図6