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特開2022-125101管状弾性体ならびに該管状弾性体を含む巻取コアおよび搬送ローラ
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  • 特開-管状弾性体ならびに該管状弾性体を含む巻取コアおよび搬送ローラ 図1A
  • 特開-管状弾性体ならびに該管状弾性体を含む巻取コアおよび搬送ローラ 図1B
  • 特開-管状弾性体ならびに該管状弾性体を含む巻取コアおよび搬送ローラ 図1C
  • 特開-管状弾性体ならびに該管状弾性体を含む巻取コアおよび搬送ローラ 図2
  • 特開-管状弾性体ならびに該管状弾性体を含む巻取コアおよび搬送ローラ 図3
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  • 特開-管状弾性体ならびに該管状弾性体を含む巻取コアおよび搬送ローラ 図6
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  • 特開-管状弾性体ならびに該管状弾性体を含む巻取コアおよび搬送ローラ 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125101
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】管状弾性体ならびに該管状弾性体を含む巻取コアおよび搬送ローラ
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/10 20060101AFI20220819BHJP
   F16C 13/00 20060101ALI20220819BHJP
   B65H 5/06 20060101ALI20220819BHJP
【FI】
B65H75/10
F16C13/00 A
B65H5/06 C
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101249
(22)【出願日】2022-06-23
(62)【分割の表示】P 2018091661の分割
【原出願日】2018-05-10
(71)【出願人】
【識別番号】390003344
【氏名又は名称】株式会社加貫ローラ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】矢野 直樹
(57)【要約】
【課題】接着剤および係合部等の固定手段を使用しなくともコア基材への固定が可能であるか、かつ/または両面テープを使用しなくともフィルムの管状弾性体への固定が可能である管状弾性体を提供すること。
【解決手段】内面1aまたは外面1bの少なくとも一方の面に、タイプAデュロメータ硬さ10~80の軟質材料により形成され、かつ60度鏡面光沢度が10以上である軟質光沢領域を有する、管状弾性体1。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面または外面の少なくとも一方の面に、タイプAデュロメータ硬さ10~80の軟質材料により形成され、かつ60度鏡面光沢度が10以上である軟質光沢領域を有する、管状弾性体。
【請求項2】
前記60度鏡面光沢度が10~100である、請求項1に記載の管状弾性体。
【請求項3】
前記内面および前記外面における前記軟質光沢領域以外の領域は、60度鏡面光沢度10未満の表面を有する非軟質光沢領域である、請求項1または2に記載の管状弾性体。
【請求項4】
前記軟質光沢領域および前記非軟質光沢領域が同一の軟質材料により形成されている、請求項3に記載の管状弾性体。
【請求項5】
前記管状弾性体が前記内面または前記外面の少なくとも一方の全面に前記軟質光沢領域を有する、請求項1~4のいずれかに記載の管状弾性体。
【請求項6】
前記管状弾性体が前記内面または前記外面の一方の全面に前記軟質光沢領域を有する、請求項1~5のいずれかに記載の管状弾性体。
【請求項7】
前記管状弾性体が前記内面の全面および前記外面の一部に前記軟質光沢領域を有する、請求項1~5のいずれかに記載の管状弾性体。
【請求項8】
前記管状弾性体が前記外面の一部に有する前記軟質光沢領域は、前記管状弾性体の軸方向に平行な直線形状を有する、請求項7に記載の管状弾性体。
【請求項9】
前記管状弾性体が巻取コア用管状弾性体である、請求項1~8のいずれかに記載の管状弾性体。
【請求項10】
前記管状弾性体が前記内面の全面のみに前記軟質光沢領域を有するか、または前記内面の全面および前記外面の全面に前記軟質光沢領域を有する、請求項1~5のいずれかに記載の管状弾性体。
【請求項11】
前記管状弾性体が搬送ローラ用管状弾性体である、請求項1~6および10のいずれかに記載の管状弾性体。
【請求項12】
請求項1~9のいずれかに記載の管状弾性体;および
該管状弾性体の内部に挿入されるコア基材
を含む巻取コア。
【請求項13】
請求項1~6および10~11のいずれかに記載の管状弾性体;および
該管状弾性体の内部に挿入されるコア基材
を含む搬送ローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状弾性体ならびに該管状弾性体を含む巻取コアおよび搬送ローラに関する。
【背景技術】
【0002】
単層あるいは複数層で構成される樹脂フィルム及びシート(以下、単に「フィルム」と記すことがある)を連続的に製造する際に、通常の長尺フィルムは、円筒状のコアを用いそのコアの外面に沿ってロール状に巻き取られる。用いられるコアはGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)や、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)などの硬質プラスチック、あるいは紙を圧縮して円筒状に成形したもの、鉄やアルミなどの金属を材質としたものなど、表面が硬いコアが使用されている。このようなコアを用いたフィルムの巻き初めにおいては、フィルム厚み分の段差がコアとの間に生じている。この段差上にフィルムが巻かれる結果、フィルムが変形し、巻き初め後、数巻から数十数巻に渡ってフィルム幅方向に歪みが生じ、外観不良を引き起こす。
【0003】
このような段差の解消のために、円筒状のコアを基材として用い、その外面を管状弾性体で覆うことによりフィルム段差を吸収し、段差を無くす方法が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1では、あらかじめ継ぎ目の無い管状弾性体を作成しておき、その内部にコア基材を挿入した後、管状弾性体をコア基材に固定するという方法が提案されている。管状弾性体を固定する理由は、単に管状弾性体へコア基材を挿入するだけでは、フィルムの巻き初めにかかるフィルム張力によって、管状弾性体とコア基材とがズレてしまい、フィルムの巻き取りがうまく行かないためである。これを防ぐために接着剤等により、管状弾性体をコア基材に固定する必要がある。
【0005】
また例えば、特許文献2では、管状弾性体の内面とコア基材の外面に凹凸部を設けて、それらの係合により、接着剤等を使用することなく、管状弾性体のコア基材との固定を達成する方法も提案されている。尚、管状弾性体で覆われたコア基材にフィルムを巻き取るには、巻き初めのフィルム端部を管状弾性体に固定してから巻き取りを開始する必要があり、その固定方法には両面テープが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-146495号公報
【特許文献2】特開2017-186120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の巻取コアにおいて、管状弾性体をコア基材へ固定するための接着剤に塗布ムラがあると、コア基材が挿入された管状弾性体表面に、硬さの不均一や凹凸が発生するという新たな問題が生じた。そのような表面にフィルムが巻き取られると、フィルムに歪みが生じ、外観不良となった。よって、その塗布には慎重さが求められるため、製作負担を強いられるとともに、その製作時間も余分に必要となった。
【0008】
一方で、特許文献2の巻取コアにおいて、管状弾性体内面およびコア外面における凹凸部等の係合部を利用した固定方法では、フィルムの巻き初めにかかるフィルム張力によって管状弾性体の係合部が変形した。そのような巻取コアにフィルムが巻き取られると、フィルムに歪みが生じ、やはり外観不良となった。よって、特許文献2の技術はコア基材と弾性体の固定方法として不十分であった。
【0009】
また、巻取コアに対するフィルムの固定に用いられる両面テープは、直線状かつ歪み無く、貼る必要がある。近年、両面テープの薄膜化が進んでいるため、その取扱いは、より慎重さが求められ、直線状かつ歪み無く貼る作業が大きな負担となっていた。
【0010】
さらに、上記のような巻取コアと略同様の構造の搬送ローラにおいても、巻取コアと同様に、管状弾性体のコア基材との固定に関する問題が生じた。詳しくは、搬送ローラは一般に、管状弾性体の内部に円筒状のコア基材(例えば鉄芯)が挿入されており、コア基材の長軸を中心として、管状弾性体および円筒状コア基材が一体的に回転するようになっている。このような搬送ローラは、複数個で搬送路(ライン)に並べられ、管状弾性体および円筒状コア基材の一体的な回転により、当該複数個の搬送ローラ上で物品が搬送される。このような搬送ローラにおいて、管状弾性体をコア基材へ固定するための接着剤に塗布ムラがあると、コア基材が挿入された管状弾性体表面に、硬さの不均一や凹凸が発生するという問題が生じた。そのような表面で搬送すると、蛇行や歪みが生じ、搬送不良となった。またこのような搬送ローラにおいて、管状弾性体内面およびコア基材外面における係合部を利用して固定を達成すると、管状弾性体の係合部が変形した。そのような搬送ローラで物品が搬送されると、蛇行や歪みが生じ、やはり搬送不良となった。
【0011】
従って本発明は、接着剤および係合部等の固定手段を使用しなくともコア基材への固定が可能であるか、かつ/または両面テープを使用しなくともフィルムの管状弾性体への固定が可能である管状弾性体を提供することを目的とする。
【0012】
詳しくは本発明は、接着剤および係合部等の固定手段を使用しなくともコア基材への固定が可能であるか、かつ/または両面テープを使用しなくともフィルムの管状弾性体への固定が可能である巻取コア用管状弾性体を提供することを目的とする。
【0013】
本発明はまた、接着剤および係合部等の固定手段を使用しなくともコア基材への固定が可能である搬送ローラ用管状弾性体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、内面または外面の少なくとも一方の面に、タイプAデュロメータ硬さ10~80の軟質材料により形成され、かつ60度鏡面光沢度が10以上である軟質光沢領域を有する、管状弾性体に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の管状弾性体が軟質光沢領域を当該管状弾性体の内面に有する場合、当該軟質光沢領域は管状弾性体のコア基材との固定に機能するため、接着剤および係合部等の固定手段を使用しなくとも、管状弾性体のコア基材との固定を達成できる。従って、この場合、本発明の管状弾性体は、例えば、巻取コアまたは搬送ローラ用の管状弾性体として有用である。特に本発明の管状弾性体を巻取コア用管状弾性体として用いた場合には、接着剤および係合部等の固定手段の使用を要さないため、フィルムの外観不良を防止することができる。本発明の管状弾性体を搬送ローラ用管状弾性体として用いた場合には、接着剤および係合部等の固定手段の使用を要さないため、搬送物品の搬送不良を防止することができる。
【0016】
本発明の管状弾性体が軟質光沢領域を当該管状弾性体の外面に有する場合、当該軟質光沢領域はフィルムの管状弾性体との固定に機能するため、両面テープを使用しなくとも、フィルムの管状弾性体との固定を達成できる。従って、この場合、本発明の管状弾性体は、例えば、巻取コア用の管状弾性体として有用である。
【0017】
本発明の管状弾性体における軟質光沢領域によるコア基材またはフィルムとの固定は、繰り返しの使用時においても適度な固定力で十分に維持される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】本発明の管状弾性体の一例の模式的斜視図である。
図1B】本発明の管状弾性体の別の一例の模式的斜視図である。
図1C】本発明の管状弾性体の別の一例の模式的斜視図である。
図2】本発明の管状弾性体の一実施態様における内面または外面の展開図であって、軟質光沢領域および非軟質光沢領域の配置を示す模式図である。
図3】本発明の管状弾性体の一実施態様における内面または外面の展開図であって、軟質光沢領域および非軟質光沢領域の配置を示す模式図である。
図4】本発明の管状弾性体の一実施態様における内面または外面の展開図であって、軟質光沢領域および非軟質光沢領域の配置を示す模式図である。
図5】本発明の管状弾性体の一実施態様における内面または外面の展開図であって、軟質光沢領域および非軟質光沢領域の配置を示す模式図である。
図6】管状弾性体のコア基材との固定についての評価方法1を説明するための模式的断面図を示す。
図7】管状弾性体のコア基材との固定についての評価方法2を説明するための模式的断面図を示す。
図8】フィルムの管状弾性体との固定についての評価方法を説明するための模式的断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[管状弾性体]
本発明の管状弾性体は、管状(例えば筒状、特に円筒状)を有しつつ、弾性を有し、「ゴムチューブ」とも称され得る部材である。管状弾性体は、詳しくは、その内部にコア基材を挿入することにより、コア基材の外面に装着され、必要によりコア基材から容易に脱着可能なコア基材の外装部材である。本発明の管状弾性体が装着されたコア基材は、例えば、後述するような巻取コアおよび搬送ローラとして有用である。本発明の管状弾性体は、その内面および外面が逆になるように裏返され得るリバーシブル特性も有する。
【0020】
本発明の管状弾性体1は、図1A図1Cに示すように、内面1aおよび外面1bを有し、内面1aまたは外面1bの少なくとも一方の面に軟質光沢領域を有する。内面とは内周表面または内側表面のことである。外面とは外周表面または外側表面のことである。
【0021】
軟質光沢領域は、タイプAデュロメータ硬さが10~80、好ましくは10~70、より好ましくは10~55、さらに好ましくは10~40の軟質材料により形成されており、かつ表面の60度鏡面光沢度が10以上、特に10~100、好ましくは20~100、より好ましくは30~100である領域である。軟質材料により形成されているとは、軟質材料が当該領域表面に露出し、当該表面を形づくっている、という意味である。このような軟質光沢領域により、本発明の管状弾性体と、コア基材および/またはフィルムとの相互の固定が達成される。詳しくは、例えば、管状弾性体1が内面1aに軟質光沢領域を有する場合、接着剤および係合部等の固定手段を使用しなくとも、当該軟質光沢領域により、管状弾性体のコア基材への固定が達成される。また例えば、管状弾性体1が外面1bに軟質光沢領域を有する場合、両面テープを使用しなくとも、当該軟質光沢領域により、フィルムの管状弾性体への固定が達成される。また例えば、管状弾性体1が内面1aおよび外面1bの両面に軟質光沢領域を有する場合、接着剤および係合部等の固定手段を使用しなくとも、管状弾性体のコア基材への固定が達成されながら、両面テープを使用しなくとも、フィルムの管状弾性体へ固定が達成される。
【0022】
上記のような軟質光沢領域を介した管状弾性体とコア基材および/またはフィルムとの固定について、そのメカニズムの詳細は明らかではないが、以下の原理に基づくものと考えられる。管状弾性体が有する軟質光沢領域は弾性を有する軟質であるとともに、光沢面を有するため、管状弾性体とコア基材および/またはフィルムとの接触時において、当該軟質光沢領域はコア基材およびフィルムの表面にある微小な凹凸を埋めることができる。これにより、当該軟質光沢領域はコア基材および/またはフィルムの表面に極めて近づくことで引力(固定力)が発現するものと考えられる。軟質光沢領域の上記硬さが硬すぎたり(例えば80超であったり)、または上記光沢度が小さすぎたり(例えば10未満であったり)すると、当該軟質光沢領域はコア基材および/またはフィルムの表面の凹凸を埋めることができないため、相互の引力(固定力)が発現しない。
【0023】
本明細書中、タイプAデュロメータ硬さはJIS K6253に基づく硬さである。当該硬さは、値が小さいほど軟らかいことを示す。本発明において、当該硬さを測定するための試料は、表面形状が平面であって、厚みが所定の厚みである試料を用いている。このような測定用試料は、上記の表面形状および厚み寸法とすること以外、後述する軟質光沢領域または非軟質光沢領域と同様の形成方法によって形成することができる。
【0024】
60度鏡面光沢度は、JIS Z8741に基づく光沢度であり、値が大きいほど、つやがあり、輝いている様に見える滑らかな表面であることを示す。60度鏡面光沢度は、日本電色工業株式会社製の型式「PG-II M」を用い、測定角度60度で測定された光沢度を用いている。例えば、軟質光沢領域が管状弾性体1の内面1aまたは外面1b上、複数の領域で存在する場合においては、60度鏡面光沢度は各領域で少なくとも1点づつ測定された値の平均値である。
【0025】
軟質光沢領域を構成する軟質材料としては、上記の硬さおよび光沢度を有し得る材料であれば特に限定されず、例えば、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)、イソプレンゴム(IR)、エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、ブタジエンゴム(BR)、ウレタンゴム(U)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム(Q)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、塩素化ポリエチレン(CM)、アクリルゴム(ACM)、エピクロロヒドリンゴム(CO,ECO)、フッ素ゴム(FKM)等のゴム材料;スチレン系エラストマー(TPS)、オレフィン系エラストマー(TPO)、ウレタン系エラストマー(TPU)、ポリエステル系エラストマー(TPEE)、ポリアミド系エラストマー(TPA)等のエラストマー;軟質エポキシ樹脂、軟質塩化ビニル(PVC)、軟質アクリル樹脂(PMMA)等の軟質樹脂;またはこれらのブレンド品等が挙げられる。このような材料にはタイプAデュロメータ硬さが様々なものが存在するが、架橋または硬化後に特定の硬さを達成することが明記された原料組成物が市販されているので、例えば、製造時において架橋または硬化後に所定硬さになるような原料組成物を選択・使用してもよい。好ましい軟質材料はEPDM、NBR、ウレタンゴム、シリコーンゴムであり、より好ましくはNBR、ウレタンゴムである。軟質光沢領域は通常、管状弾性体自体の表面により提供される。
【0026】
軟質材料には、従来よりフィルムの巻取コアおよび物品の搬送ローラ等を構成する管状弾性体の分野において管状弾性体に含有されている添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、架橋剤、硬化剤等が含有されていてもよい。可塑剤、充填剤、架橋剤、硬化剤の含有量を調整することにより、軟質光沢領域の硬さを制御することができる。例えば、可塑剤の含有量が多いほど、当該硬さは軟らかくなる。また例えば、架橋または硬化剤の含有量が多いほど、当該硬さは硬くなる。
【0027】
本発明の管状弾性体は、軟質光沢領域を、内面1aまたは外面1bの少なくとも一方の面に有する。例えば、本発明の管状弾性体1は、軟質光沢領域を、内面1aのみに有してもよいし、外面1bのみに有してもよいし、または内面1aおよび外面1bの両面に有してもよい。接着剤および係合部等の固定手段の使用なしに、管状弾性体のコア基材との固定を達成する観点から、本発明の管状弾性体は軟質光沢領域を少なくとも内面1aに有することが好ましい。両面テープの使用なしに、フィルムの管状弾性体との固定を達成する観点から、本発明の管状弾性体は軟質光沢領域を少なくとも外面1bに有することが好ましい。
【0028】
本発明の管状弾性体が軟質光沢領域を内面1aに有する場合、軟質光沢領域を内面1aの全面に有してもよいし、または内面1aの一部に有してもよい。この場合、管状弾性体は、接着剤および係合部等の固定手段の使用なしに、管状弾性体のコア基材とのより一層、十分な固定を達成する観点から、軟質光沢領域を内面1aの全面に有することが好ましい。
本発明の管状弾性体が軟質光沢領域を外面1bに有する場合、軟質光沢領域を外面1bの全面に有してもよいし、または外面1bの一部に有してもよい。
【0029】
本発明の管状弾性体は、管状弾性体のコア基材とのより一層、十分な固定、回転する管状弾性体へのフィルムの確実な固定、管状弾性体の簡便な製造の観点から、内面1aまたは外面1bの少なくとも一方の全面に軟質光沢領域を有することが好ましい。回転する管状弾性体へのフィルムの確実な固定とは、回転する管状弾性体へフィルムを確実に固定することができるという意味である。簡便な製造とは、軟質光沢領域の形成が簡便である、という意味である。詳しくは、管状弾性体が内面1aおよび/または外面1bの各面において、一部ではなく、全面に軟質光沢領域を有するため、管状弾性体の製造時、マンドレルの外面および/または金型の内面の各面において、軟質光沢領域形成のための加工を一部ではなく、全面に行うことができる。その結果、当該加工は簡便となるため、軟質光沢領域の形成が簡便である。
【0030】
本発明の管状弾性体が内面または外面の少なくとも一方の全面に軟質光沢領域を有する態様には以下の態様が包含される:
(態様1)管状弾性体が内面または外面の一方の全面に軟質光沢領域を有する;および
(態様2)管状弾性体が内面および外面の両方の全面に軟質光沢領域を有する。
【0031】
態様1において、管状弾性体は、他方の面に軟質光沢領域を有さなくてもよいし、または他方の面の一部に軟質光沢領域を有していてもよい。
例えば、管状弾性体1が、図1Aに示すように、内面1aの全面に軟質光沢領域11を有する場合、外面1bには軟質光沢領域11を有さず、後述の非軟質光沢領域12を外面1bの全面に有していてもよい。この場合、管状弾性体1は外面1bの一部に軟質光沢領域11を有していてもよい。図1Aは、本発明の管状弾性体の一例の模式的斜視図であり、詳しくは内面1aおよび外面1bそれぞれの全面に軟質光沢領域11および非軟質光沢領域12を有する管状弾性体の模式的斜視図である。
また例えば、管状弾性体1が、図1Bに示すように、外面1bの全面に軟質光沢領域11を有する場合、内面1aには軟質光沢領域11を有さず、後述の非軟質光沢領域12を内面1aの全面に有していてもよい。この場合、管状弾性体1は内面1aの一部に軟質光沢領域11を有していてもよい。図1Bは、本発明の管状弾性体の別の一例の模式的斜視図であり、詳しくは内面1aおよび外面1bそれぞれの全面に非軟質光沢領域12および軟質光沢領域11を有する管状弾性体の模式的斜視図である。
なお、本発明の管状弾性体1は上記したように内面および外面が逆になるように裏返され得るリバーシブル特性を有するため、図1Aの管状弾性体と図1Bの管状弾性体とは同一の管状弾性体であってもよい。
【0032】
態様2において、管状弾性体1は、図1Cに示すように、内面1aおよび外面1bの両方の全面に軟質光沢領域11を有する。図1Cは、本発明の管状弾性体の別の一例の模式的斜視図であり、詳しくは内面1aおよび外面1bの両面の全面に軟質光沢領域11を有する管状弾性体の模式的斜視図である。
【0033】
本発明の管状弾性体が軟質光沢領域を内面1aまたは外面1bの一部に有する場合、軟質光沢領域は内面1aまたは外面1b上、例えば、点状(海島状)、線状、網目状またはそれらの複合形状で規則的または不規則的に存在してもよい。管状弾性体の内面1aまたは外面1bにおける軟質光沢領域の配置を示す具体例を図2図5に示す。図2図5はいずれも、本発明の管状弾性体の一実施態様における内面1aまたは外面1bの展開図10であって、軟質光沢領域11および後述する非軟質光沢領域12の配置を示す模式図である。
【0034】
図2は、管状弾性体1が内面1aまたは外面1b上、単一の軟質光沢領域11を管状弾性体1の軸方向に平行な直線形状で有する実施態様を示す。
図3は、管状弾性体1が内面1aまたは外面1b上、複数(図中、2個)の軟質光沢領域11を管状弾性体1の軸方向に平行な直線形状で有する実施態様を示す。
図4は、管状弾性体1が内面1aまたは外面1b上、複数(図中、3個)の軟質光沢領域11を管状弾性体1の軸方向に平行な同一直線上に規則的に有する実施態様を示す。
図5は、管状弾性体1が内面1aまたは外面1b上、複数(図中、22個)の軟質光沢領域11を均一に有する実施態様を示す。本実施態様においては、管状弾性体1は、内面1aまたは外面1b上、複数(図中、22個)の軟質光沢領域11を点形状(円形状)で規則的かつ均一に有している。
【0035】
本発明の管状弾性体1において、内面1aおよび外面1bにおける軟質光沢領域11以外の領域は通常、非軟質光沢領域12(図1A図1Cおよび図2図5参照)である。非軟質光沢領域12とは、上記のような軟質光沢領域11に相当しない領域という意味である。すなわち非軟質光沢領域12は以下の条件(1)または(2)の少なくとも一方を満たす領域である:
条件(1);非軟質光沢領域12が60度鏡面光沢度10未満、好ましくは5以下、より好ましくは2以下の表面を有する;非軟質光沢領域12が有する60度鏡面光沢度の下限値は通常、0.1である。
条件(2);非軟質光沢領域12がタイプAデュロメータ硬さ80超、好ましくは90以上の硬質材料により形成されている。非軟質光沢領域12を構成する硬質材料が有する上記硬さの上限値は通常、99である。非軟質光沢領域12が硬質材料により形成されているとは、硬質材料が当該領域表面に露出し、当該表面を形づくっているという意味である。
【0036】
非軟質光沢領域12は上記のような条件を満たすため、軟質光沢領域11についての説明で上述したように、非軟質光沢領域12はコア基材および/またはフィルムの表面の凹凸を埋めることができず、引力(固定力)が発現しない。
【0037】
非軟質光沢領域12を形成するための硬質材料として、例えば、軟質材料として例示した同様の種類のゴム材料およびエラストマー等の材料が挙げられる。このような材料の中には、軟質材料として例示した同様の種類のゴム材料およびエラストマーが記載されているが、上記したように、同じ種類の材料であってもタイプAデュロメータ硬さが様々なものが存在するので、架橋または硬化後に所定の硬さを達成することが明記された原料組成物を選択・使用すればよい。非軟質光沢領域12を形成するためのゴム材料およびエラストマーは発泡体形態を有していても、中実体形態を有していていてもよいが、通常は中実体形態を有する。好ましい硬質材料は、軟質材料として例示した同様の種類のゴム材料およびエラストマーである。非軟質光沢領域12は通常、管状弾性体自体の表面により提供される。
【0038】
硬質材料には、軟質材料においてと同様に、従来よりフィルムの巻取コアおよび物品の搬送ローラ等を構成する管状弾性体の分野において管状弾性体に含有されている添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、硬化剤等が含有されていてもよい。
【0039】
非軟質光沢領域の60度鏡面光沢度は、非軟質光沢領域において測定された値の平均値を用いていること以外、軟質光沢領域の60度鏡面光沢度と同様の方法により測定される。
【0040】
非軟質光沢領域12は、管状弾性体の製造容易性の観点から、好ましくは上記条件(1)のみを満たす領域であり、より好ましくは上記条件(1)を満たし、かつ、軟質光沢領域11を構成する軟質材料と同一の軟質材料により形成されている領域である。非軟質光沢領域12が上記条件(1)を満たし、かつ、軟質光沢領域11を構成する軟質材料と同一の軟質材料により形成されている領域であると、管状弾性体を全体として1種類の軟質材料から構成することができるため、より簡便に管状弾性体を製造することができる。このとき、非軟質光沢領域12は、表面の60度鏡面光沢度のみが軟質光沢領域11と異なり、構成材料は軟質光沢領域11を構成する軟質材料と同一である。例えば、非軟質光沢領域12の表面の60度鏡面光沢度は軟質光沢領域11の表面の60度鏡面光沢度と異なり、かつ、非軟質光沢領域12のタイプAデュロメータ硬さは軟質光沢領域11のタイプAデュロメータ硬さと同じである。
【0041】
本発明の管状弾性体は、特に軟質光沢領域および非軟質光沢領域が同一の軟質材料により形成される場合、例えば、以下の方法により製造できる:
前記軟質材料を形成するための架橋性または硬化性原料組成物を、マンドレルを収容した金型内で注型成形法にて加熱により成形ならびに架橋または硬化させる管状弾性体の製造方法において、
マンドレルの外面および金型の内面それぞれを管状弾性体の内面および外面に転写させることにより、管状弾性体の内面または外面の少なくとも一方の面に、軟質光沢領域を形成する管状弾性体の製造方法。
【0042】
軟質材料としては、前記した軟質材料と同様の材料である。当該軟質材料を形成するための架橋性または硬化性原料組成物とは、当該軟質材料を架橋、熱硬化または湿気硬化、光硬化等により形成可能な原料組成物である。このような架橋性または硬化性原料組成物は、市販されており、通常、当該軟質材料を構成するためのポリマーまたはプレポリマーおよび当該ポリマーに適した公知の架橋剤または硬化剤を含有するものである。例えば、NBR用組成物は、アクリロニトリルブタジエンポリマーおよび硫黄などの架橋剤を含有する。また例えば、ポリウレタンゴム用組成物はポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどのポリオール、およびジイソシアナート等を含有する。
【0043】
軟質材料を形成するための架橋性または硬化性原料組成物の市販品として、例えば、タイプAデュロメータ硬さ30のNBRを形成するNBR用組成物「白230」(加貫ローラ製作所製)、同硬さ30のポリウレタンゴムを形成するポリウレタンゴム用組成物「MC-C30」(加貫ローラ製作所製)、同硬さ25のポリウレタンゴムを形成するポリウレタンゴム用組成物「MC-C25」(加貫ローラ製作所製)等が使用できる。
【0044】
架橋または硬化は、原料組成物の種類(架橋性または硬化性)に応じて行われる。例えば、加熱するか、室温放置、または紫外線を照射することにより、架橋または硬化を達成する。
【0045】
金型は通常、その内部にマンドレルを収容しつつ、当該金型内面とマンドレル外面との間に原料組成物を注入できるようになっており、加熱により、金型内面とマンドレル外面との間で、架橋または硬化された管状弾性体を形成することができる。通常、管状弾性体の内面にはマンドレル外面が、管状弾性体の外面には金型内面がそのまま転写される。従って、管状弾性体において所望の光沢度で所望の位置に配置された軟質光沢領域および非軟質光沢領域に対応するように、マンドレル外面および金型内面を予め加工しておくことにより、軟質光沢領域および非軟質光沢領域を管状弾性体の内面および/または外面に容易に形成することができる。
【0046】
管状弾性体の厚みは0.01mm以上、特に0.1mm以上であれば特に制限されず、通常は0.01~100mm、好ましくは0.1~10mmであり、より好ましくは2~5mmである。
【0047】
管状弾性体はシート成形法により製造することもできる。例えば、所望の原料組成物を用いてシートを成形し、得られたシートをマンドレルに積層し巻き付け、加熱・加圧することにより、架橋した後、表面の研磨を行い、管状弾性体を得ることができる。このとき、注型成形法においてと同様に、マンドレルの表面を予め加工しておくことにより、軟質光沢領域および非軟質光沢領域を管状弾性体の内面および/または外面に容易に形成することができる。
【0048】
[管状弾性体の用途]
本発明の管状弾性体は、例えば、巻取コア用管状弾性体として用いてもよいし、または搬送ローラ用管状弾性体として用いてもよい。以下、本発明の巻取コア用管状弾性体および搬送ローラ用管状弾性体について説明するが、当該管状弾性体において、内面1aおよび外面1bにおける軟質光沢領域11以外の領域は通常、上記したように、非軟質光沢領域12である。
【0049】
(巻取コア)
本発明の管状弾性体を巻取コア用管状弾性体として用いる場合、本発明は巻取コアを提供する。本発明の巻取コアは、管状弾性体、および当該管状弾性体の内部に挿入されるコア基材を含む。巻取コア用管状弾性体の内径をコア基材の外径よりも小さくすることにより生じる管状弾性体のコア基材への締め付け力を、管状弾性体のコア基材への固定に貢献させてもよい。本発明の巻取コアは、その外面に沿ってフィルムをロール状に巻き取ることにより、使用される。
【0050】
本発明の管状弾性体が巻取コア用管状弾性体である場合、管状弾性体は、上記したように、内面1aまたは外面1bの少なくとも一方の面に有していればよい。
【0051】
本発明の管状弾性体が巻取コア用管状弾性体である場合、管状弾性体は、上記したように、簡便な製造の観点から、内面1aまたは外面1bの少なくとも一方の全面に軟質光沢領域を有することが好ましい。
例えば、管状弾性体が内面1aの全面に軟質光沢領域を有している場合、管状弾性体のコア基材とのより一層、十分な固定が達成される。この場合、管状弾性体は、外面の一部に軟質光沢領域を有していてもよいが、より一層、簡便な製造の観点から、外面の全面に非軟質光沢領域を有していることが好ましい。管状弾性体の製造時において、マンドレルの外面のみにしか、軟質光沢領域形成のための加工を行う必要がないためである。
また例えば、管状弾性体が外面1bの全面に軟質光沢領域を有している場合、回転する管状弾性体へフィルムをより一層、確実に固定することができる。この場合、管状弾性体は、内面の一部に軟質光沢領域を有していてもよいが、より一層、簡便な製造の観点から、内面の全面に非軟質光沢領域を有していることが好ましい。管状弾性体の製造時において、金型の内面のみにしか、軟質光沢領域形成のための加工を行う必要がないためである。特に、管状弾性体が外面1bの全面のみに軟質光沢領域を有している場合には、内面および外面が逆になるように裏返すことにより、管状弾性体のコア基材とのより一層、十分な固定が達成され得る。
また例えば、管状弾性体が内面1aおよび外面1bの両方の面の全面に軟質光沢領域を有している場合、管状弾性体のコア基材とのより一層、十分な固定が達成されるとともに、回転する管状弾性体へフィルムをより一層、確実に固定することができる。
【0052】
本発明の管状弾性体が巻取コア用管状弾性体である場合、管状弾性体は、より一層、簡便な製造の観点から、上記した態様1の管状弾性体であること、すなわち内面または外面の一方の全面に軟質光沢領域を有することが好ましい。管状弾性体の製造時において、マンドレルの外面または金型の内面の一方の面のみにしか、軟質光沢領域形成のための加工を行う必要がないためである。
【0053】
本発明の管状弾性体が巻取コア用管状弾性体である場合、管状弾性体は、接着剤および係合部等の固定手段の使用なしに、管状弾性体のコア基材とのより一層、十分な固定を達成し、かつフィルム巻取時においてシワの発生およびエアの巻き込みを防止しつつ、停止する管状弾性体へフィルムをより簡便に固定および巻取する観点から、軟質光沢領域を内面1aの全面および外面1bの一部に有することが好ましい。このとき、管状弾性体は外面1bに軟質光沢領域11とともに非軟質光沢領域12を有する。管状弾性体が軟質平滑領域11を外面1bの一部に有すると、非軟質光沢領域12の存在により、外面1bの全面がフィルムに対する吸着力を発現するわけではない。このため、当該管状弾性体は、外面1b全面に軟質光沢領域11を有する管状弾性体よりも、フィルム巻取時においてシワの発生およびエアの巻き込みを防止しつつ、フィルムをより簡便に固定および巻取することができる。
【0054】
管状弾性体1が軟質光沢領域11を外面1bの一部に有する場合、軟質光沢領域11の配置は上記したいずれの配置であってもよい。フィルム巻取時におけるシワの発生およびエアの巻き込みのさらなる防止およびフィルムのより簡便な固定の観点から、管状弾性体は、例えば、図2および図3に示すように、外面1b上、単一または複数の軟質光沢領域11を管状弾性体1の軸方向に平行な直線形状で有しているか、または図4に示すように、外面1b上、複数の軟質光沢領域11を管状弾性体1の軸方向に平行な同一直線上に規則的に有することが好ましい。
【0055】
管状弾性体1が軟質光沢領域11を外面1bの一部に有する場合、外面1b全面に対する軟質光沢領域11の面積比率は特に限定されず、例えば、2~30%であってもよい。
【0056】
本発明の巻取コアを構成するコア基材は通常、円筒形状または円柱形状を有し、硬質材料から形成されている。硬質材料としては、特に限定されず、従来から、巻取コアの分野でコア基材を形成するあらゆる硬質材料であってもよい。そのような硬質材料の具体例として、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂、フェノール樹脂等のプラスチック材料;ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、炭素繊維強化プレスチック(CFRP)等の繊維強化プラスチック材料;鉄、アルミ、SUS等の金属材料等が挙げられる。コア基材が金属材料、特に鉄から形成されている場合、当該コア基材は鉄芯と称され得る。
【0057】
本発明の巻取コアにおけるコア基材は通常、外面が0.01~100μmの算術平均粗さを有するものである。コア基材の外面がこのような算術平均粗さを有していても、管状弾性体が内面に軟質光沢領域を有する場合において、管状弾性体のコア基材への固定が達成される。管状弾性体が内面に軟質光沢領域を有する場合、コア基材は、管状弾性体のコア基材とのより強固な固定の観点から、外面が好ましくは0.01~10μm、より好ましくは0.01~5μm、さらに好ましくは0.01~1μm、特に好ましくは0.01~0.5μm、最も好ましくは0.01~0.1μmの算術平均粗さを有するものである。
【0058】
コア基材およびフィルムの算術平均粗さは表面粗さを表すひとつの指標であって、JIS B0601に基づく粗さであり、サーフテストSJ-301(株式会社ミツトヨ社製)によって任意の3点で測定された値の平均値を用いている。
【0059】
本発明の巻取コアに巻き取られるフィルムは、厚みが比較的厚い、いわゆるシートも包含する。具体的には、フィルムは、いわゆる極薄手フィルム(厚み5~10μm)から汎用フィルム(厚み10~300μm、特に20~100μm)までのフィルムおよびそれらの厚みより厚くてもロール状に巻くことのできる柔軟性を保持するシート等を包含する。
【0060】
フィルムの算術平均粗さは特に限定されるものではなく、例えば、少なくとも片面(管状弾性体との接触面)が0.01~0.50μm、好ましくは0.01~0.30μmの算術平均粗さを有する。フィルムがこのような算術平均粗さを有するときであっても、本発明の巻取コアが管状弾性体の外面に軟質光沢領域を有する場合、当該軟質光沢領域により当該フィルムとの固定が達成され、フィルムをテープ(例えば両面テープ)などの接着部材なしに巻き取ることができる。
【0061】
フィルムを構成する材料は特に限定されず、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))等のポリマーであってもよいし、アルミ、銅、金等の金属であってもよい。
【0062】
本発明の巻取コアを用いて巻き取られるフィルムとしては、あらゆる用途のフィルムが使用され、例えば、以下のフィルムが挙げられる:
・物を包んだり、装飾したりする包装用フィルム;
・液晶パネル、ソーラーパネルなどの光学装置の分野で使用される光学フィルム;
・フレキシブルプリント基板(FPC)の分野、建築分野、農業分野、家具・家電等の分野で使用される機能性フィルム。
【0063】
(搬送ローラ)
本発明の管状弾性体を搬送ローラ用管状弾性体として用いる場合、本発明は搬送ローラを提供する。本発明の搬送ローラは、管状弾性体、および当該管状弾性体の内部に挿入されるコア基材を含む。搬送ローラ用管状弾性体の内径をコア基材の外径よりも小さくすることにより生じる管状弾性体のコア基材への締め付け力を、管状弾性体のコア基材への固定に貢献させてもよい。
【0064】
本発明の搬送ローラは、コア基材の長軸を中心として、管状弾性体およびコア基材が一体的に回転するようになっている。搬送ローラの回転は、搬送ローラに接続された駆動機構により強制的に達成されてもよいし、または駆動機構を要さない自由回転であってもよい。このような搬送ローラは、複数個で搬送路(ライン)に並べられ、管状弾性体およびコア基材の一体的な回転により、当該複数個の搬送ローラ上で物品が搬送される。
【0065】
本発明の管状弾性体が搬送ローラ用管状弾性体である場合、管状弾性体は、上記したように、内面1aまたは外面1bの少なくとも一方の面に有していればよい。
【0066】
本発明の管状弾性体が搬送ローラ用管状弾性体である場合、管状弾性体は、管状弾性体のコア基材との固定の観点から、軟質光沢領域11を内面1aに有することが好ましい。このとき、管状弾性体1は軟質光沢領域を、内面1aの全面に有してもよいし、または内面1aの一部に有してもよい。管状弾性体1は、接着剤および係合部等の固定手段の使用なしに、管状弾性体のコア基材とのより一層、十分な固定を達成する観点から、軟質光沢領域を内面1aの全面に有することが好ましい。搬送ローラ用管状弾性体1が軟質光沢領域11を内面1aの一部に有する場合、軟質光沢領域11の配置は上記したいずれの配置であってもよいが、管状弾性体のコア基材との固定の観点から、管状弾性体は、例えば、上記した図5に示すように、内面1a上、複数の軟質光沢領域11を点形状で規則的かつ均一に有していることが好ましい。このとき、管状弾性体は、搬送物品の搬送性の観点から、外面1bの全面には、軟質光沢領域11または非軟質光沢領域12のいずれか一方の領域を有することが好ましい。このような管状弾性体は、外面1bが全面として搬送物品に対する引力(固定力)を発現するか、または発現しないかのいずれかであるので、蛇行や歪みによる搬送不良を、より一層、十分に防止することができる。
【0067】
本発明の管状弾性体が搬送ローラ用管状弾性体である場合、管状弾性体は、上記した巻取コア用管状弾性体と同様に、簡便な製造の観点から、内面1aまたは外面1bの少なくとも一方の全面に軟質光沢領域を有することが好ましい。
本発明の管状弾性体が搬送ローラ用管状弾性体である場合、管状弾性体は、上記した巻取コア用管状弾性体と同様に、より一層、簡便な製造の観点から、上記した態様1の管状弾性体であること、すなわち内面または外面の一方の全面に軟質光沢領域を有することが好ましい。
【0068】
本発明の管状弾性体が搬送ローラ用管状弾性体である場合、管状弾性体は、管状弾性体のコア基材とのより強固な固定および搬送物品の搬送性の観点から、軟質光沢領域11を内面1aの全面のみに有するか、または軟質光沢領域11を内面1aの全面および外面1bの全面に有することが好ましい。管状弾性体が軟質光沢領域11を内面1aの全面のみに有するとは、管状弾性体1は軟質光沢領域を内面1aの全面に有し、かつ外面1bの全面に非軟質光沢領域12を有するという意味である。管状弾性体が軟質光沢領域11を内面1aの全面および外面1bの全面に有するとは、管状弾性体が軟質光沢領域11を内面1aおよび外面1bの両面の全面に有し、非軟質光沢領域12を有さない、という意味である。
【0069】
本発明の搬送ローラを構成するコア基材は通常、円筒形状または円柱形状を有し、硬質材料から形成されている。硬質材料としては、前記した巻取コアのコア基材を構成する硬質材料と同様の材料が挙げられる。好ましい硬質材料もまた、巻取コアのコア基材の好ましい硬質材料と同様である。
【0070】
本発明の搬送ローラにおけるコア基材外面の算術平均粗さは、上記した巻取コアにおけるコア基材外面の算術平均粗さと同様の範囲内であることが好ましい。
【実施例0071】
<実験例A:管状弾性体とコア基材の固定>
(実施例A1)
架橋後にタイプAデュロメータ硬さが30となる市販のNBRゴム(加貫ローラ製作所製「白230」)をマンドレル(外径167mm)の外周表面上でシート成形法により成形し、加硫缶により加熱・加圧させ、架橋させた。その後、外面の研磨を行い、NBR層を厚み3mm(内径167mm、軸方向長さ80mm)の円筒状に加工した。その際使用するマンドレル表面は算術平均粗さ0.03μmに加工した。マンドレルから抜き取られた管状NBRの内面全面はマンドレル表面がよく転写されており、その60度鏡面光沢度は74であった。
【0072】
(実施例A2)
架橋後にタイプAデュロメータ硬さが30となる市販のNBRゴム(加貫ローラ製作所製「白230」)をマンドレル(外径167mm)の外周表面上でシート成形法により成形し、加硫缶により加熱・加圧させ、架橋させた。その後、外面の研磨を行い、NBR層を厚み3mm(内径167mm、軸方向長さ80mm)の円筒状に加工した。その際使用するマンドレル表面は算術平均粗さ0.1μmに加工した。マンドレルから抜き取られた管状NBRの内面全面はマンドレル表面がよく転写されており、その60度鏡面光沢度は45であった。
【0073】
(実施例A3)
架橋後にタイプAデュロメータ硬さが30となる市販のウレタンゴム(加貫ローラ製作所製「MC-C30」)を、金型(金型内径173mm、マンドレル外径167mm)内で注型成形法にて加熱により成形および加熱硬化させた。その際使用するマンドレル表面は算術平均粗さ0.2μmに加工した。金型から取り出してマンドレルから抜き取られた管状ポリウレタンは層厚み3mm(内径167mm、軸方向長さ80mm)で、その内面全面はマンドレル表面がよく転写されており、その60度鏡面光沢度は15であった。
【0074】
(実施例A4)
架橋後にタイプAデュロメータ硬さが25となる市販のウレタンゴム(加貫ローラ製作所製「MC-C25」)を、金型(金型内径173mm、マンドレル外径167mm)内で注型成形法にて加熱により成形および加熱硬化させた。その際使用するマンドレル表面は算術平均粗さ0.03μmに加工した。金型から取り出してマンドレルから抜き取られた管状ポリウレタンは層厚み3mm(内径167mm、軸方向長さ80mm)で、その内面全面はマンドレル表面がよく転写されており、その60度鏡面光沢度は75であった。
【0075】
(比較例A1)
架橋後にタイプAデュロメータ硬さが90となる市販のNBR用組成物(加貫ローラ製作所製「W90」)をマンドレル(外径167mm)の外周表面上でシート成形法により成形し、加硫缶により加熱・加圧させ、架橋させた。その後、外面の研磨を行い、NBR層を厚み3mm(内径167mm、軸方向長さ80mm)の円筒状に加工した。その際使用するマンドレル表面は算術平均粗さ0.1μmに加工した。マンドレルから抜き取られた管状NBRの内面全面はマンドレル表面がよく転写されており、その60度鏡面光沢度は50であった。
【0076】
(比較例A2)
架橋後にタイプAデュロメータ硬さが30となる市販のNBR用組成物(加貫ローラ製作所製「白230」)をマンドレル(外径167mm)の外周表面上でシート成形法により成形し、加硫缶により加熱・加圧させ、架橋させた。その後、外面の研磨を行い、NBR層を厚み3mm(内径167mm、軸方向長さ80mm)の円筒状に加工した。その際使用するマンドレル表面は算術平均粗さ0.7μmに加工した。マンドレルから抜き取られた管状NBRの内面全面はマンドレル表面がよく転写されており、その60度鏡面光沢度は2であった。
【0077】
(管状弾性体とコア基材の固定についての評価方法1:管状弾性体とコア基材の固定判定)
実施例A1~A4および比較例A1~A2の管状弾性体を用いて、図6に示す評価を行った。なお、コア基材の外径と管状弾性体の内径を同じとすることで、管状弾性体の締め付け力要素を排除した状態としている。
詳しくは、各管状弾性体1の内部(内径167mm、軸方向長さ80mm)へ円筒形のコア基材(外径167mm、軸方向長さ120mm)2を挿入させた。その後、図6のように管状弾性体1外面にフィルム(幅60mm×長さ400mm)20の端部を両面テープ(日東電工製 NITTO No.5015)30で固定した。次いで、フィルム20の反対の端部をバネ秤で4kgになるまで引っ張った。このとき、管状弾性体1とコア基材2とが固定されてズレが生じなかった場合を「○」、ズレが生じた場合を「×」と評価した。なお、使用したコア基材2の素材はGFRP、ABS、フェノール樹脂およびアルミであった。フィルム20の素材はPPおよびPETであった。
【0078】
(管状弾性体とコア基材の固定についての評価方法2:フィルムの巻き取り判定)
実施例A1~A4および比較例A1~A2の管状弾性体を用いて、図7に示す評価を行った。なお、コア基材の外径と管状弾性体の内径を同じとすることで、管状弾性体の締め付け力要素を排除した状態としている。
詳しくは、各管状弾性体1の内部(内径167mm、軸方向長さ80mm)へ円筒形のコア基材(外径167mm、軸方向長さ120mm)2を挿入させた。その後、図7のように管状弾性体1外面にフィルム20の端部を両面テープ(日東電工製 NITTO No.5015)で固定した。次いで、フィルム20に20Nの張力がかかるようにコア基材2を回転させた。このとき、管状弾性体1とコア基材2とのズレが生じることなく、フィルム20が巻き取れる場合を「○」、ズレが生じて巻き取れない場合を「×」と評価した。なお、使用したコア基材2の素材はGFRP、ABS、フェノール樹脂およびアルミであった。フィルム20の素材はPPおよびPETであった。
【0079】
管状弾性体とコア基材の固定についての評価方法1および2による評価結果は、巻取コアの評価結果としても、搬送ローラの評価結果としても有効である。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【表5】
【0085】
【表6】
【0086】
<実験例B:管状弾性体とフィルムの固定>
(実施例B1)
実施例A1で作成した管状NBRゴムの内外面が逆になるように裏返した。つまり、実施例A1の管状NBR内面が外面に位置することになり、その60度鏡面光沢度は74であった。また、タイプAデュロメータ硬さは30であった。
【0087】
(実施例B2)
実施例A2で作成した管状NBRゴムの内外面が逆になるように裏返した。つまり、実施例A2の管状NBR内面が外面に位置することになり、その60度鏡面光沢度は45であった。また、タイプAデュロメータ硬さは30であった。
【0088】
(実施例B3)
実施例A3で作成した管状ウレタンゴムの内外面が逆になるように裏返した。つまり、実施例A3の管状NBR内面が外面に位置することになり、その60度鏡面光沢度は15であった。また、タイプAデュロメータ硬さは30であった。
【0089】
(実施例B4)
実施例A4で作成した管状ウレタンゴムの内外面が逆になるように裏返した。つまり、実施例A4の管状ウレタンゴム内面が外面に位置することになり、その60度鏡面光沢度は75であった。また、タイプAデュロメータ硬さは25であった。
【0090】
(比較例B1)
比較例A1で作成した管状NBRの内外面が逆になるように裏返した。つまり、比較例A1の管状NBR内面が外面に位置することになり、その60度鏡面光沢度は50であった。また、タイプAデュロメータ硬さは90であった。
【0091】
(比較例B2)
比較例A2で作成した管状NBRの内外面が逆になるように裏返した。つまり、比較例A2の管状NBR内面が外面に位置することになり、その60度鏡面光沢度は2であった。また、タイプAデュロメータ硬さは30であった。
【0092】
(管状弾性体とフィルムの固定についての評価方法)
実施例B1~B4および比較例B1~B2の管状弾性体を用いて、図8に示す実験を行った。
詳しくは、各管状弾性体1の内部(内径167mm、軸方向長さ80mm)にGFRP製コア基材(外径180mm、軸方向120mm)2を挿入させた。次に、管状弾性体1の外面にフィルム20の端部を載せ、その上から押し当てて密着させた。その後、図8のようにフィルム20に20Nの張力がかかるように、コア基材2を回転させた。このとき、フィルム20が継続的に固定されている場合を「○」、固定されなかった場合を「×」と評価した。管状弾性体とコア基材の固定は、それらの間に接着剤を塗布すること、およびコア基材の外径よりも小さい管状弾性体の内径による締め付け力を利用することにより達成した。
【0093】
【表7】
【0094】
【表8】
【0095】
【表9】
【0096】
【表10】
【0097】
【表11】
【0098】
【表12】
【0099】
<測定方法>
(60度鏡面光沢度)
管状弾性体の内面または外面における任意の3点において、日本電色工業株式会社製の型式「PG-IIM」を用い、光沢度を測定角度60度で測定し、その平均値を求めた。
【0100】
(算術平均粗さ)
任意の3点において、サーフテストSJ-301(株式会社ミツトヨ社製)を用い、算術平均粗さを測定し、その平均値を求めた。
【符号の説明】
【0101】
1:管状弾性体
1a:管状弾性体の内面
1b:管状弾性体の外面
10:管状弾性体の内面または外面の展開図
11:軟質光沢領域
12:非軟質光沢領域
2:コア基材
20:フィルム
30:両面テープ
100:巻取コア(搬送ローラ)
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア基材が挿入されて使用される管状弾性体であって、
内面または外面の少なくとも一方の面に、タイプAデュロメータ硬さ10~55の軟質材料により形成され、かつ60度鏡面光沢度が10以上である軟質光沢領域を有し、
0.1~10mmの厚みを有する、管状弾性体。
【請求項2】
前記60度鏡面光沢度が20~100である、請求項1に記載の管状弾性体。
【請求項3】
前記内面および前記外面における前記軟質光沢領域以外の領域は、60度鏡面光沢度10未満の表面を有する非軟質光沢領域である、請求項1または2に記載の管状弾性体。
【請求項4】
前記軟質光沢領域および前記非軟質光沢領域が同一の軟質材料により形成されている、請求項3に記載の管状弾性体。
【請求項5】
前記管状弾性体が前記内面または前記外面の少なくとも一方の全面に前記軟質光沢領域を有する、請求項1~4のいずれかに記載の管状弾性体。
【請求項6】
前記管状弾性体が前記内面または前記外面の一方の全面に前記軟質光沢領域を有する、請求項1~5のいずれかに記載の管状弾性体。
【請求項7】
前記管状弾性体が前記内面の全面および前記外面の一部に前記軟質光沢領域を有する、請求項1~5のいずれかに記載の管状弾性体。
【請求項8】
前記管状弾性体が前記外面の一部に有する前記軟質光沢領域は、前記管状弾性体の軸方向に平行な直線形状を有する、請求項7に記載の管状弾性体。
【請求項9】
前記管状弾性体が巻取コア用管状弾性体である、請求項1~8のいずれかに記載の管状弾性体。
【請求項10】
前記管状弾性体が前記内面の全面のみに前記軟質光沢領域を有するか、または前記内面の全面および前記外面の全面に前記軟質光沢領域を有する、請求項1~5のいずれかに記載の管状弾性体。
【請求項11】
前記管状弾性体が搬送ローラ用管状弾性体である、請求項1~6および10のいずれかに記載の管状弾性体。
【請求項12】
請求項1~9のいずれかに記載の管状弾性体;および
該管状弾性体の内部に挿入されるコア基材
を含む巻取コア。
【請求項13】
請求項1~6および10~11のいずれかに記載の管状弾性体;および
該管状弾性体の内部に挿入されるコア基材
を含む搬送ローラ。