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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022012520
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】チョコレート
(51)【国際特許分類】
   A23G 1/54 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
A23G1/54
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020114393
(22)【出願日】2020-07-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-18
(71)【出願人】
【識別番号】307013857
【氏名又は名称】株式会社ロッテ
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100128668
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 正巳
(74)【代理人】
【識別番号】100096943
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】長田 優希
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 慎吾
【テーマコード(参考)】
4B014
【Fターム(参考)】
4B014GB01
4B014GE02
4B014GL03
4B014GQ14
(57)【要約】
【課題】流動性を有するセンターを封入したチョコレートであるにも関わらず、熱に対して高い保形性を有し、流通過程において外形変化を起こさないチョコレートを提供する。
【解決手段】水分含有量が15重量%以上20重量%以下の流動性を有するセンターを封入したチョコレートであって、前記センターが、ソルビトールとグリセリンを合計で30重量%以上40重量%以下含み、前記ソルビトールと前記グリセリンの比が、重量基準で4:1~1:4であるチョコレート。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分含有量が15重量%以上20重量%以下の流動性を有するセンターを封入したチョコレートであって、
前記センターが、
ソルビトールとグリセリンを合計で30重量%以上40重量%以下含み、
前記ソルビトールと前記グリセリンの比が、重量基準で4:1~1:4であるチョコレート。
【請求項2】
前記センターが、エタノールを0.5重量%以上9重量%以下含むことを特徴とする、請求項1に記載のチョコレート。
【請求項3】
前記センターが、含水チョコレートであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のチョコレート。
【請求項4】
前記センターの水分活性が0.63未満であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のチョコレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、流動性を有するセンターを封入したチョコレートに関する。
【背景技術】
【0002】
洋酒入りチョコレート菓子に代表されるような、センターとして含水フィリングを封入したチョコレートは、そのみずみずしさ、口どけ、風味の良さなどから、消費者に長年親しまれている。
【0003】
しかし、センターとして含水フィリングを封入したチョコレートは、流通過程等で温度が高い状況下に置かれると、含水フィリングの低い保形性のために外形が著しく変化してしまう場合があった。また、エタノールをより多く含む含水フィリングでは、熱に対する含水フィリングの保形性はより低下するため、エタノールをより多く含む含水フィリングを封入したチョコレートでは、流通過程において、より外形変化が起こりやすいことが知られていた。
【0004】
このような問題に対して、特許文献1には、直鎖状多価アルコールの含量が5~25重量%である二糖類以下の糖質を40~70重量%、ハードバターを5~25重量%及び水分を8~18重量%含有し、水分活性が0.600未満であることを特徴とする生チョコレート様組成物が記載されている。特許文献1に記載の生チョコレート様組成物は、チョコレート生地で生チョコレート様組成物を被覆したセンター入りチョコレートとした場合に、チョコレート生地の陥没といった外形変化を起こさないことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-177087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、センターとして流動性を有する含水フィリングや、流動性を有する含水フィリングにより多くのエタノールを添加したフィリングを封入したチョコレートは、依然として流通過程において外形が変化しまうという問題が生じていた。
【0007】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、流動性を有するセンターを封入したチョコレートであるにも関わらず、熱に対して高い保形性を有し、流通過程において外形変化を起こしにくいチョコレートの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、流動性を有するセンターがソルビトールとグリセリンを特定の比の範囲で含むことにより、該センターを封入したチョコレートが熱に対して高い保形性を有することを見出した。
【0009】
すなわち、本発明の一態様によれば、水分含有量が15重量%以上20重量%以下の流動性を有するセンターを封入したチョコレートであって、前記センターが、ソルビトールとグリセリンを合計で30重量%以上40重量%以下含み、前記ソルビトールと前記グリセリンの比が、重量基準で4:1~1:4であるチョコレートが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、28℃の高温下においてもほとんど外形変化を起こさず、熱に対して高い保形性を有する、流動性を有するセンターを封入したチョコレートを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のチョコレートは、水分含有量が15重量%以上20重量%以下の流動性を有するセンターを封入したチョコレートであって、前記センターが、ソルビトールとグリセリンを合計で30重量%以上40重量%以下含み、前記ソルビトールと前記グリセリンの比が、重量基準で4:1~1:4であることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るチョコレートのセンターは、少なくとも糖類、油脂、水、並びにソルビトール及びグリセリンを含む糖アルコールを含む。
【0013】
センターは、グリセリンを含むことにより流動性を有する。そして、センターがグリセリンに加えてソルビトールを含むことにより、センターを封入したチョコレートは熱に対して高い保形性を有することができる。センター中のソルビトールとグリセリンの比は、4:1~1:4であると、チョコレートが熱に対して高い保形性を有することができる。また、センター中のソルビトールとグリセリンの含有量は、合計で30重量%以上40重量%以下である。この範囲以外の場合、所望の流動性、味、製造適性の点で好ましくない状態が起こる。
【0014】
センターは、ソルビトール及びグリセリンの他に糖アルコールを含んでもよい。このような糖アルコールとしては、イソマルチトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、マルトテトライトール、マルトトリイトール、マンニトール、ラクチトール、還元パラチノース、還元イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、還元麦芽糖水あめ、還元水あめ等を挙げることができる。
【0015】
センターに含まれる糖類としては、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース、アラビノース、キシロース、フコース、ソルボース、ラムノース、リボース、異性化液糖、N-アセチルグルコサミン等の単糖類;砂糖(スクロース)、乳糖(ラクトース)、麦芽糖(マルトース)、ラクチュロース、トレハロース、イソトレハロース、ネオトレハロース、トレハルロース、パラチノース(イソマルツロース)、メリビオース等の二糖類;α-サイクロデキストリン、β-サイクロデキストリン、イソマルトオリゴ糖(イソマルトース、イソマルトトリオース、パノース等)、オリゴ-N-アセチルグルコサミン、ガラクトシルスクロース、ガラクトシルラクトース、ガラクトピラノシル(β1-3)ガラクトピラノシル(β1-4)グルコピラノース、ガラクトピラノシル(β1-3)グルコピラノース、ガラクトピラノシル(β1-6)ガラクトピラノシル(β1-4)グルコピラノース、ガラクトピラノシル(β1-6)グルコピラノース、キシロオリゴ糖(キシロトリオース、キシロビオース等)、ゲンチオオリゴ糖(ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース等)、スタキオース、テアンデオリゴ、ニゲロオリゴ糖(ニゲロース等)、パラチノースオリゴ糖、パラチノースシロップ、フラクトオリゴ糖(ケストース、ニストース等)、フラクトフラノシルニストース、ポリデキストロース、マルトシル-β-サイクロデキストリン、マルトオリゴ糖(マルトトリオース、テトラオース、ペンタオース、ヘキサオース、ヘプタオース等)、ラフィノース、砂糖結合水あめ(カップリングシュガー)、大豆オリゴ糖、転化糖、水あめ等のオリゴ糖類などを挙げることができる。
【0016】
センター中のソルビトール及びグリセリンを除く糖アルコール及び糖類の含有量は30重量%以下であり、20重量%以上30重量%以下であることが好ましい。
【0017】
センターに含まれる油脂としては、植物性脂肪、植物性脂肪の硬化油、及び動物性脂肪を挙げることができる。植物性脂肪としては、ココアバター、ピーナッツバター、パーム油などの常温で固体である植物性脂肪のみならず、マーガリン、ショートニングなどの植物性脂肪の硬化油、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油、米油、椿油、紅花油、ヤシ油(パーム核油)、綿実油、ひまわり油、エゴマ油、アマニ油、オリーブオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、グレープシードオイルなどの常温で液体である植物性脂肪を用いることもできる。動物性脂肪としては、ラード、牛脂、乳脂肪などを用いることができる。なお、油脂としてカカオ由来の原料を用いることでセンターを含水チョコレートとすることができる。
【0018】
これら油脂は単独で用いてもよく、又は複数を混合して用いてもよい。ただし、常温で液体である植物性脂肪は、他の常温で固体である油脂と混合して用いることにより、混合物が常温で固体であることが好ましい。また、センターに含まれる油脂は、植物性脂肪及び動物性脂肪から選ばれる一つであってもよいし、両方であってもよい。
【0019】
センター中の油脂の含有量は、10重量%以上20重量%以下であることが好ましい。油脂の含有量が10重量%未満であると、水中油型の乳化状態が不安定となり、油相と水相が分離してしまう。また、油脂の含有量が20重量%超であると、常温で固体である油脂が多い場合は、流動性が悪くなってしまい、常温で液体である油脂が多い場合は、流動性は保持できるものの、外観変化が大きくなり、本発明のチョコレートの保形性が下がってしまうという問題が生じる。
【0020】
センター中の水分含有量は15重量%以上20重量%以下であることが好ましい。水分含有量が15重量%未満であると、ソルビトールが析出し食感が悪くなる場合がある。また、水分含有量が20重量%超であると、センターに含まれる水相と油相が分離してしまうという問題が生じる。また、センターの水分活性が0.63未満であると、本発明のチョコレートは高い保形性を有することができ、好ましい。
【0021】
センター中の水分含有量が上記範囲内となるように、センターはエタノール、酒類、果汁、牛乳、生クリーム等を含んでもよい。センターがエタノール及び酒類を含む場合は、センター中のエタノール含有量は0.5重量%以上9重量%以下であることが好ましい。エタノール含有量が0.5重量%未満であると、エタノールの風味を感じることができない場合があり、9重量%超であると、本発明のチョコレートの保形性が下がってしまう場合がある。
【0022】
センターは、上記成分の他にも、甘味を調製するための高甘味度甘味料、酸味料、レシチン等の乳化剤、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、香料、色素等を配合してもよい。
【0023】
高甘味度甘味料としては、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム等を用いることができる。本発明のチョコレートにおいて、高甘味度甘味料の配合量は0.1重量%以下であることが好ましい。
【0024】
香料としては、ミルク香料、バニラ香料、フルーツ系香料等を用いることができる。
【0025】
センターを封入するチョコレート、すなわち、センターを被覆するチョコレート(以下、「被覆チョコレート」とも称する。)としては、通常用いられるチョコレート生地を用いることができる。
【0026】
被覆チョコレートとして用いるチョコレート生地は、砂糖、乳糖などの糖類、カカオマス、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、ココアバター、植物油脂、レシチンなどの乳化剤、香料を含む。チョコレート生地中のこれらの配合は、砂糖10~50重量%、カカオマス0~70重量%及び全脂粉乳及び/又は脱脂粉乳0~40重量%を含み、かつ総量に対して30~60重量%の脂肪分を有する範囲で、適宜変更が可能である。被覆チョコレートの種類としては、テンパリング操作を必要とするチョコレートであっても、テンパリング操作の不要なチョコレートであってもよい。ただし、被覆チョコレートとして用いるチョコレートは室温で固体である必要がある。
【0027】
(製造方法)
以下に、本発明のチョコレートの製造方法の一態様を示す。
【0028】
本発明のチョコレートのセンターの製造方法の一例を以下に示す。
ソルビトール、グリセリン、果汁、酒類、エタノール、酸味料、香料、色素、水等を混合し、液状シロップを調製し、そこに糖類、油脂、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダーからなる混合物を加え、ミキサーで混合することでセンターとする。油脂は必要に応じてテンパリングしてもよく、ミキサーで混合する際に、乳化剤を加えてもよい。
【0029】
チョコレート生地をテンパリングした後に、型に流し込む等して被覆チョコレートのシェルとなる部分を成形する。その後、シェルに上記で製造したセンターを配置する。さらに、チョコレート生地をテンパリングした後に、被覆チョコレートのボトムとなる部分をシェル内に配置されたセンターの上から掛けることにより、被覆チョコレート内にセンターを封入する。その後、冷却を行い、型からチョコレートを取り出すことで、本発明のチョコレートを得ることができる。
【0030】
(センターの流動性)
本発明のチョコレートにおいて、センターの流動性は以下のように測定する。
【0031】
センター50gをカップに秤量し、17℃で30分冷却した後に、25℃で30分調温し、センター試料とする。25℃雰囲気下において、センター試料4gを上質PPC用紙(日本紙通商株式会社製)に配置した後に上質PPC用紙を20°に傾けた状態で静置し、5分後のセンター試料の移動距離(延伸距離)を測定する。本発明では、この移動距離が10mm以上であるときに、センターが流動性を有するとする。
【0032】
(センターの水分活性)
本発明のチョコレートにおいて、センターの水分活性は市販の水分活性測定装置を用いて測定することができる。水分活性測定装置としては、例えば、AW-Therm、HygroLab(いずれもRotronic社製)等を用いることができる。
【実施例0033】
以下、実施例及び比較例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
(実施例1)
表1に示す材料の配合で、カカオマス、全脂粉乳、ココアバター、植物油脂、及び糖類を混合、微粒化し、精錬した後、レシチン、香料を添加してチョコレート生地を製造した。このチョコレート生地をテンパリングした後に型に充填した。これを冷却してシェルを製造した。
【0035】
【表1】
【0036】
水溶性の材料である、ソルビトール、グリセリン、果汁、酒類、酒精(93重量%エタノール)、酸味料、香料、色素、及び水を混合し、液状シロップを調製した。液状シロップに、糖類、植物油脂、全脂粉乳、レシチンからなる混合物を加え、ミキサーで混合し、センターを得た。得られた混合物を上記で製造したシェル内に配置した。なお、各材料の配合は表2に示すとおりである。
【0037】
上記で製造したセンターの水分活性を水分活性測定装置(商品名:HygroLab、Rotronic社製)を用いて測定した。センター部10gを水分活性測定装置の専用シャーレに配置し、25℃で60分静置することで水分活性を測定した。結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
表1に示す材料の配合で、カカオマス、全脂粉乳、ココアバター、植物油脂、及び糖類を混合、微粒化し、精錬した後、レシチン、香料を添加してチョコレート生地を製造した。センターを配置したシェルの上からこのチョコレート生地を掛けることでボトムを形成し、型から外すことで、センターを封入した実施例1のチョコレートを製造した。
【0040】
(実施例2~実施例6及び比較例1~比較例6)
材料の配合を表2に記載とした他は実施例1と同様の方法で、実施例2~実施例6及び比較例1~比較例6のチョコレートを製造した。
【0041】
(評価)
実施例1~実施例6及び比較例1~比較例6のチョコレート各6個について、28℃の保温庫内に4週間静置することで耐熱試験を行った。評価は、シェルの保形性、ボトムの保形性、及び保形性の総合評価について、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。なお、表3中、「表面」はシェルの保形性を示し、「裏面」はボトムの保形性を示し、「外観」は保形性の総合評価を示し、「センター」はセンターの安定性を示す。
<シェルの保形性>
5:変化なし
4:トップがなくなりフラットな形となった
3:天面の一部が凹む
2:天面が全体的に凹む
1:貫通した
<ボトムの保形性>
5:変化なし
4:わずかに凹みが見られる
3:凹みが見られる
2:全体的におおきく凹む
1:貫通した
<保形性の総合評価>
A:各チョコレートのシェルの保形性及びボトムの保形性の合計点が48点以上
B:各チョコレートのシェルの保形性及びボトムの保形性の合計点が36点以上47点以下
C:各チョコレートのシェルの保形性及びボトムの保形性の合計点が35点以下
【0042】
【表3】
【0043】
保形性の総合評価においてA評価の実施例1~6並びに比較例3~6は保形性に問題はないと判断できた。一方、B評価の比較例1及び2は保形性にわずかではあるが問題があると判断した。なお、C評価の実施例及び比較例はなかった。
【0044】
また、センターの安定性について、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
<センターの安定性>
A:状態に変化がない
B:わずかに分離が起きている
C:油相と水相がはっきり分離している
【0045】
センターの安定性の評価において、B評価の比較例3、及びC評価の比較例4~6は製品として問題があると判断した。
【0046】
(実施例7)
表2の実施例1に記載の材料及び配合にて、実施例1と同様にセンターを製造した。このセンターをカップに50g秤量し、17℃で30分冷却した後に、25℃で30分調温しセンター試料とした。25℃雰囲気下において、センター試料4gを上質PPC用紙(日本紙通商株式会社製)に配置し、上質PPC用紙を20°に傾けた状態で5分間静置したところ、センター試料の移動距離は23.0mmであった。このことから、実施例1のチョコレートのセンターは流動性を有するといえる。
【0047】
(実施例8、比較例7および8)
表4に記載のように、実施例4ならびに比較例1及び2のセンターを製造し、実施例7と同様にセンターの移動距離を測定し、実施例8、比較例7および8とした。各実施例における移動距離を表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
以上のことから、本発明のチョコレートは、流動性を有するセンターを封入したチョコレートであるにも関わらず、熱に対して高い保形性を有するため、流通過程において外形変化を起こさないチョコレートの提供が可能となった。
【手続補正書】
【提出日】2021-02-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分含有量が15重量%以上20重量%以下の流動性を有するセンターを封入したチョコレートであって、
前記センターが、
ソルビトールとグリセリンを合計で30重量%以上40重量%以下含み、かつ
エタノールを4.5重量%以上8.6重量%以下含み、
前記ソルビトールと前記グリセリンの比が、重量基準で4:1~1:4であるチョコレート。
【請求項2】
前記センターが、含水チョコレートであることを特徴とする、請求項1に記載のチョコレート。
【請求項3】
前記センターの水分活性が0.63未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のチョコレート。