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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125260
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】リボンカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   B41J 17/32 20060101AFI20220819BHJP
【FI】
B41J17/32 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109305
(22)【出願日】2022-07-06
(62)【分割の表示】P 2018243215の分割
【原出願日】2018-12-26
(31)【優先権主張番号】P 2018063685
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000129437
【氏名又は名称】株式会社キングジム
(74)【代理人】
【識別番号】110001623
【氏名又は名称】弁理士法人真菱国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石本 章雄
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 泰志
(57)【要約】
【課題】第1のリボンカートリッジが装着された際に第1のリボンカートリッジに挿入される第1繰出し軸および第1巻取り軸を備えた印刷装置に装着可能な第2のリボンカートリッジを提供する。
【解決手段】リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部に装着された際、第1繰出し軸が挿入される繰出し側筒部277と、リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部に装着された際、第1巻取り軸が挿入される巻取り側筒部279と、を備える。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1インクリボンを巻回した第1繰出しコアと、前記第1インクリボンが巻き取られる第1巻取りコアと、が収容された第1のリボンカートリッジが装着される第1カートリッジ装着部と、第2インクリボンを巻回した第2繰出しコアと、前記第2インクリボンが巻き取られる第2巻取りコアと、が収容された第2のリボンカートリッジが装着される第2カートリッジ装着部と、前記第1カートリッジ装着部および前記第2カートリッジ装着部の重畳領域に設けられ、前記第1カートリッジ装着部に前記第1のリボンカートリッジが装着された際、前記第1繰出しコアに挿入される第1繰出し軸および前記第1巻取りコアに挿入される第1巻取り軸と、を備えた印刷装置に装着される前記第2のリボンカートリッジであって、
前記第2のリボンカートリッジが前記第2カートリッジ装着部に装着された際、前記第1繰出し軸が挿入される繰出し側筒部と、
前記第2のリボンカートリッジが前記第2カートリッジ装着部に装着された際、前記第1巻取り軸が挿入される巻取り側筒部と、を備えることを特徴とするリボンカートリッジ。
【請求項2】
プラテンローラーを収容するローラー収容部と、
前記第2のリボンカートリッジが前記第2カートリッジ装着部に装着された際、前記重畳領域に設けられたサーマルヘッドが、前記プラテンローラーとの間で前記第2インクリボンと接触可能なように、前記第2インクリボンが露出する第2リボン露出部と、をさらに備え、
前記第2リボン露出部へ送られる前記第2インクリボンは、装着方向手前側から見て、前記繰出し側筒部と前記巻取り側筒部とを結ぶ筒間仮想線の一方の側を通過し、
前記第2リボン露出部から送られてきた前記第2インクリボンは、前記装着方向手前側から見て、前記筒間仮想線の前記一方の側とは反対側である前記筒間仮想線の他方の側を通過することを特徴とする請求項1記載のリボンカートリッジ。
【請求項3】
前記第2のリボンカートリッジが前記第2カートリッジ装着部に装着された際、前記サーマルヘッドが挿入される第2ヘッド挿入部と、
前記第2繰出しコアおよび前記第2巻取りコアを回転可能に収容する第2リボンコア収容部と、をさらに備え、
前記繰出し側筒部および前記巻取り側筒部は、前記第2リボンコア収容部と前記第2ヘッド挿入部との間に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のリボンカートリッジ。
【請求項4】
前記第2リボンコア収容部の外殻となる、第1ケースおよび第2ケースと、
前記第2ケースと組み合わされ、前記ローラー収容部の外殻となる第3ケースと、をさらに備え、
前記巻取り側筒部および前記繰出し側筒部は、前記第1ケースおよび前記第2ケースの一方に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のリボンカートリッジ。
【請求項5】
前記繰出し側筒部の形状は、円筒状、楕円筒状、半円筒状、または角筒状であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のリボンカートリッジ。
【請求項6】
前記巻取り側筒部の形状は、円筒状、楕円筒状、半円筒状、または角筒状であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のリボンカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクリボンを収容したリボンカートリッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1が開示するように、テープカセットが装着されるカセット装着部と、リボンカセットが装着されるリボン装着部とを備えた印刷装置に装着されるリボンカセットが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-024324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている印刷装置は、テープ印刷部とチューブ印刷部の2つの印刷部を備えているため、印刷装置が大型化し、また、製造コストも増大する。本発明の発明者は、第1のリボンカートリッジが装着される第1カートリッジ装着部と、リボンの収容量が第1のリボンカートリッジより大きい第2のリボンカートリッジが装着される第2カートリッジ装着部とを備えた印刷装置において、第1カートリッジ装着部の一部と第2カートリッジ装着部の一部とを共通化することを思いついた。このような印刷装置において、第1カートリッジ装着部と第2カートリッジ装着部とが重畳する重畳領域には、第1のリボンカートリッジに収容された第1巻取りコアに挿入される第1巻取り軸が設けられる。さらに、第2のリボンカートリッジには、第2インクリボンをガイドし、第2カートリッジ装着部に装着された際に、第1巻取り軸が干渉しないように、第1巻取り軸が挿入される巻取り側筒部が設けられる。また、巻取り側筒部よりも第2インクリボンの送り方向下流側には、リボンガイドが設けられる。この構成では、第2インクリボンが、巻取り側筒部とリボンガイドとを結ぶガイド仮想線に沿って送られるが、第2のリボンカートリッジの小型化を図るためには、さらなる改良を行う必要がある。
【0005】
本発明は、リボンの搬送経路を最適化し、且つ小型化されたリボンカートリッジを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のリボンカートリッジは、第1インクリボンが巻き取られる第1巻取りコアが収容された第1のリボンカートリッジが装着される第1カートリッジ装着部と、第2インクリボンが収容された第2のリボンカートリッジが装着される第2カートリッジ装着部と、第1カートリッジ装着部および第2カートリッジ装着部の重畳領域に設けられ、第1カートリッジ装着部に第1のリボンカートリッジが装着された際に、第1巻取りコアに挿入される第1巻取り軸と、を備えた印刷装置に装着される第2のリボンカートリッジであって、第2インクリボンをガイドし、第2のリボンカートリッジが第2カートリッジ装着部に装着された際に、第1巻取り軸が挿入される巻取り側筒部と、巻取り側筒部よりも第2インクリボンの送り方向下流側の位置で、第2インクリボンをガイドする第1リボンガイドと、第1リボンガイドよりも送り方向下流側の位置で、第2インクリボンをガイドする第2リボンガイドと、を備え、第1リボンガイドは、第2のリボンカートリッジの装着方向手前側から見て、巻取り側筒部と第2リボンガイドとを結ぶガイド仮想線よりも第2のリボンカートリッジの内側に設けられていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係るリボンカートリッジおよびテープガイドが装着された状態のテープ印刷装置の斜視図である。
図2】リボンカートリッジおよびテープガイドが装着された状態のテープ印刷装置を装着方向手前側から見た図である。
図3】テープカートリッジが装着された状態のテープ印刷装置を装着方向手前側から見た図である。
図4】テープ印刷装置を装着方向手前側から見た図である。
図5】リボンカートリッジの斜視図である。
図6】リボンカートリッジを装着方向手前側から見た図である。
図7】リボンカートリッジを-Y側から見た図である。
図8】リボンカートリッジを+Y側から見た図である。
図9】手前側ケースが取り外された状態のリボンカートリッジの斜視図である。
図10】手前側ケースが取り外された状態のリボンカートリッジを装着方向手前側から見た図である。
図11】奥側ケースを装着方向手前側から見た図である。
図12】変形例に係るリボンカートリッジの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の「第2のリボンカートリッジ」の一実施形態であるリボンカートリッジ200について、リボンカートリッジ200が装着されるテープ印刷装置Pと共に説明する。テープ印刷装置Pは、本発明の「印刷装置」の一例である。なお、以下の図面では、各部の配置関係を明確にするために、XYZ直交座標系を表示するが、それが本発明を何ら限定するものではないことは、言うまでもない。
【0009】
[テープ印刷装置]
図1ないし図4に基づいて、テープ印刷装置Pについて説明する。テープ印刷装置Pには、テープカートリッジ100と、リボンカートリッジ200と、テープガイド400とが、着脱可能に装着される。テープカートリッジ100には、第1テープ111および第1インクリボン113が収容されている。テープカートリッジ100は、本発明の「第1のリボンカートリッジ」の一例である。リボンカートリッジ200には、第2インクリボン213が収容されている。リボンカートリッジ200は、本発明の「第2のリボンカートリッジ」の一例である。また、テープ印刷装置Pには、テープ印刷装置P外から第2テープ500を導入するためのテープ導入口11が設けられている。テープガイド400は、テープ導入口11から導入された第2テープ500をガイドする。テープ印刷装置Pは、図3に示すように、テープカートリッジ100が装着された状態で、第1テープ111に対して印刷を行う第1テープ印刷と、図1および図2に示すように、リボンカートリッジ200およびテープガイド400が装着された状態で、第2テープ500に対して印刷を行う第2テープ印刷と、を実行することができる。
【0010】
テープ印刷装置Pは、装置ケース1と、装着部カバー3と、第1カートリッジ装着部5と、第2カートリッジ装着部7とを備えている。装置ケース1は、略直方体状に形成されている。装置ケース1には、-X側の面にテープ排出口9が設けられ、+X側の面にテープ導入口11が設けられている。テープ排出口9からは、印刷済みの第1テープ111或いは印刷済みの第2テープ500が排出される。テープ導入口11には、第2テープ500がテープ印刷装置P外から導入される。
【0011】
装着部カバー3は、+Y側の端部を中心として回転可能なように、装置ケース1に設けられている。装着部カバー3は、第1カートリッジ装着部5および第2カートリッジ装着部7を開閉する。装着部カバー3は、カバーロック機構(図示省略)により、閉じた状態にロックされる。そして、カバー開放ボタン(図示省略)が押されると、カバーロック機構がアンロック状態となり、装着部カバー3が開かれる。
【0012】
装着部カバー3の内側の面には、第1押え突起13と、第2押え突起15と、第3押え突起17とが、突出して設けられている。第2カートリッジ装着部7にリボンカートリッジ200が装着された状態で、装着部カバー3が閉められると、第1押え突起13、第2押え突起15、および第3押え突起17がリボンカートリッジ200に突き当たる。このため、リボンカートリッジ200は、第1押え突起13、第2押え突起15、および第3押え突起17により押さえられた状態で装着される。
【0013】
装着部カバー3の外側の面には、図示省略したが、キーボードおよびディスプレーが設けられている。キーボードは、文字列等の印刷情報や、印刷実行等の各種指示の入力操作を受け付ける。ディスプレーは、キーボードから入力された印刷情報のほか、各種情報を表示する。テープ印刷装置Pは、キーボードが印刷実行の入力操作を受け付けると、キーボードから入力された印刷情報に基づいて、印刷処理を実行する。なお、テープ印刷装置Pは、キーボードおよびディスプレーに代えて、タッチパネル式ディスプレーなどの入力表示手段を備えた構成でもよい。また、テープ印刷装置Pは、パソコン、スマートフォンなどの外部装置から受信した印刷データおよびコマンドに基づいて、印刷処理を実行する構成でもよい。これら外部装置と接続可能な構成とする際、キーボードおよびディスプレーは、設けてもよいし、設けなくてもよい。
【0014】
第1カートリッジ装着部5および第2カートリッジ装着部7は、装置ケース1の+Z側の面に設けられている。第1カートリッジ装着部5には、テープカートリッジ100が着脱可能に装着される。第2カートリッジ装着部7には、リボンカートリッジ200が着脱可能に装着される。第1カートリッジ装着部5および第2カートリッジ装着部7は、+Z側が開放された凹状に形成されている。このため、テープカートリッジ100およびリボンカートリッジ200は、それぞれ、第1カートリッジ装着部5および第2カートリッジ装着部7に対して、+Z側から装着される。なお、以下では、テープカートリッジ100およびリボンカートリッジ200の装着方向を、単に「装着方向」という。また、装着方向手前側とは、+Z側を意味し、装着方向奥側とは、-Z側を意味する。
【0015】
図4に示すように、第1カートリッジ装着部5の-Y側の部分と、第2カートリッジ装着部7の-X側の部分とは、共通化されている。ここで、第1カートリッジ装着部5と第2カートリッジ装着部7とが重畳する部分を、重畳領域21という。また、第1カートリッジ装着部5のうち、重畳領域21から外れた部分を、第1非重畳領域23といい、第2カートリッジ装着部7のうち、重畳領域21から外れた部分を、第2非重畳領域25という。第1非重畳領域23は、テープガイド400が着脱可能に装着されるガイド装着部として機能する。このように、第1カートリッジ装着部5の一部と第2カートリッジ装着部7の一部とが共通化されていることで、第1カートリッジ装着部5と第2カートリッジ装着部7とが別々に設けられた構成に比べ、テープ印刷装置Pを小型化することができる。
【0016】
図3に示すように、第1テープ印刷時には、第1カートリッジ装着部5にテープカートリッジ100が装着される。この状態で、テープ印刷装置Pは、テープカートリッジ100に収容された第1テープ111および第1インクリボン113を送りながら、第1テープ111に対して印刷を行う。
【0017】
図1および図2に示すように、第2テープ印刷時には、第1カートリッジ装着部5にテープガイド400が装着され、第2カートリッジ装着部7にリボンカートリッジ200が装着される。この状態で、テープ印刷装置Pは、テープ導入口11から導入された第2テープ500と、リボンカートリッジ200に収容された第2インクリボン213とを送りながら、第2テープ500に対して印刷を行う。
【0018】
なお、第2テープ500は、例えば、ロール状に巻かれたテープロールとして提供される。未使用状態のテープロールにおける第2テープ500の長さおよびリボンカートリッジ200に収容された第2インクリボン213の長さは、特に限定されるものではないが、本実施形態では、未使用状態のテープカートリッジ100に収容された第1テープ111の長さおよび第1インクリボン113の長さよりも長くなっている。このため、例えば、一度に大量のラベルを作成する場合に、第2テープ印刷が実行される。
【0019】
[テープカートリッジ]
図3に基づいて、テープカートリッジ100について説明する。テープカートリッジ100は、テープコア101と、第1プラテンローラー103と、第1繰出しコア105と、第1巻取りコア107と、これらを回転可能に収容した第1カートリッジケース109とを備えている。テープコア101には、第1テープ111が巻回されている。第1繰出しコア105には、インクが塗布された面を内側にして第1インクリボン113が巻回されている。なお、第1カートリッジケース109には、収容した第1テープ111および第1インクリボン113の幅に応じて、厚さ、すなわち装着方向の寸法が異なる複数種のものがある。
【0020】
第1カートリッジケース109は、装着方向手前側から見て、略「L」字状に形成されている。第1カートリッジケース109の+Y側の略半部には、テープコア収容部115が設けられている。テープコア収容部115には、テープコア101が回転可能に収容されている。
【0021】
第1カートリッジケース109の-Y側の略半部のうち、+X側には、第1リボンコア収容部117が設けられ、-X側には、第1ヘッド挿入部(図示省略)が設けられている。第1リボンコア収容部117には、第1繰出しコア105および第1巻取りコア107が回転可能に収容されている。第1ヘッド挿入部、第1繰出しコア105および第1巻取りコア107は、それぞれ重畳領域21に設けられたサーマルヘッド27、第1繰出し軸29および第1巻取り軸31(図4参照)に対応する位置に設けられている。第1ヘッド挿入部には、テープカートリッジ100が第1カートリッジ装着部5に装着された際に、サーマルヘッド27が挿入される。第1ヘッド挿入部の周縁部には、第1インクリボン113が露出する第1リボン露出部(図示省略)が設けられている。第1繰出しコア105から繰り出された第1インクリボン113は、第1リボン露出部を通って第1巻取りコア107に巻き取られる。
【0022】
第1カートリッジケース109の-X側の面には、テープ送出口123が設けられている。印刷済みの第1テープ111は、テープ送出口123から第1カートリッジケース109外へ送り出される。また、図示省略したが、第1カートリッジケース109の+X側の面および-X側の面には、第1フック係合部が設けられている。
【0023】
[リボンカートリッジの概要]
図2に基づいて、リボンカートリッジ200の概要について説明する。リボンカートリッジ200は、第2繰出しコア205と、第2巻取りコア207と、これらを回転可能に収容した第2カートリッジケース209とを備えている。第2繰出しコア205には、インクが塗布された面を内側にして第2インクリボン213が巻回されている。以下では、第2インクリボン213のインクが塗布された面を、インク面213aという。なお、第2カートリッジケース209には、収容した第2インクリボン213の幅に応じて、厚さの異なる複数種のものがある。
【0024】
第2カートリッジケース209は、装着方向手前側から見て、X方向に長い略長方形状に形成されている。第2カートリッジケース209の+X側には、第2リボンコア収容部217が設けられ、-X側には、第2ヘッド挿入部219(図5参照)が設けられている。第2リボンコア収容部217には、第2繰出しコア205および第2巻取りコア207が、回転可能に収容されている。第2ヘッド挿入部219、第2繰出しコア205および第2巻取りコア207は、それぞれ、重畳領域21に設けられたサーマルヘッド27、第2非重畳領域25に設けられた第2繰出し軸45(図4参照)および第2巻取り軸47に対応する位置に設けられている。第2繰出しコア205には第2インクリボン213が巻回されており、第2巻取りコア207には第2インクリボン213が巻き取られる。このため、リボンカートリッジ200の重心は、第2繰出しコア205および第2巻取りコア207を収容した第2リボンコア収容部217側寄り、すなわち+X側寄りに位置している。
【0025】
第2ヘッド挿入部219には、リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部7に装着された際に、サーマルヘッド27が挿入される。第2ヘッド挿入部219の周縁部には、第2インクリボン213が露出する第2リボン露出部221(図5参照)が設けられている。第2繰出しコア205から繰り出された第2インクリボン213は、第2リボン露出部221を通って第2巻取りコア207に巻き取られる。また、第2カートリッジケース209の-Y側の面、+X側の面および+Y側の面には、第2フック係合部225が設けられている(図5図7ないし図9参照)。
【0026】
[テープガイド]
図2に基づいて、テープガイド400について説明する。テープガイド400は、ローラー支持部401と、第2プラテンローラー403とを備えている。ローラー支持部401は、第2プラテンローラー403を回転可能に支持している。なお、テープガイド400には、ガイドする第2テープ500の幅に応じて、厚さの異なる複数種のものがある。
【0027】
[カートリッジ装着部]
図4に基づいて、第1カートリッジ装着部5および第2カートリッジ装着部7について説明する。上述したように、第1カートリッジ装着部5および第2カートリッジ装着部7は、重畳領域21と、第1非重畳領域23と、第2非重畳領域25とに区分けできる。
【0028】
重畳領域21の底面、すなわち重畳領域21の装着方向奥側の面には、サーマルヘッド27と、第1繰出し軸29と、第1巻取り軸31とが、装着方向手前側に突出して設けられている。サーマルヘッド27は、第1繰出し軸29および第1巻取り軸31と比較して、装着方向手前側への突出量が大きい。なお、図示省略したが、サーマルヘッド27とテープ排出口9との間には、カッターが設けられている。カッターは、サーマルヘッド27とテープ排出口9との間の位置で、第1テープ111或いは第2テープ500を切断する。
【0029】
サーマルヘッド27は、ヘッドカバー33に覆われている。第1カートリッジ装着部5にテープカートリッジ100が装着された際に、ヘッドカバー33が第1ヘッド挿入部に挿入される。また、第2カートリッジ装着部7にリボンカートリッジ200が装着された際に、ヘッドカバー33が第2ヘッド挿入部219に挿入される。
【0030】
第1繰出し軸29には、第1繰出し回転部材35が回転可能に設けられている。第1繰出し軸29は、第1カートリッジ装着部5にテープカートリッジ100が装着された際に、第1繰出しコア105に挿入され、第1繰出し回転部材35が第1繰出しコア105に係合する。また、第1繰出し軸29は、第2カートリッジ装着部7にリボンカートリッジ200が装着された際に、リボンカートリッジ200に設けられた繰出し側筒部277(図9参照)に挿入される。
【0031】
第1巻取り軸31には、第1巻取り回転部材37が回転可能に設けられている。第1巻取り軸31は、第1カートリッジ装着部5にテープカートリッジ100が装着された際に、第1巻取りコア107に挿入され、第1巻取り回転部材37が第1巻取りコア107に係合する。また、第1巻取り軸31は、第2カートリッジ装着部7にリボンカートリッジ200が装着された際に、リボンカートリッジ200に設けられた巻取り側筒部279(図9参照)に挿入される。
【0032】
第1非重畳領域23の底面には、プラテン軸39と、2つの第1フック41とが、装着方向手前側に突出して設けられている。
【0033】
プラテン軸39には、プラテン回転部材43が回転可能に設けられている。プラテン軸39は、第1カートリッジ装着部5にテープカートリッジ100が装着された際に、第1プラテンローラー103に挿入され、プラテン回転部材43が第1プラテンローラー103に係合する。また、プラテン軸39は、第1非重畳領域23にテープガイド400が装着された際に、第2プラテンローラー403に挿入され、プラテン回転部材43が第2プラテンローラー403に係合する。
【0034】
2つの第1フック41は、第1非重畳領域23のX方向両端部に設けられており、第1カートリッジ装着部5にテープカートリッジ100が装着された際に、第1カートリッジケース109に設けられた第1フック係合部に係合する。これにより、テープカートリッジ100が第1カートリッジ装着部5の底面から浮き上がった状態で装着されることが抑制される。
【0035】
第2非重畳領域25の底面には、第2繰出し軸45と、第2巻取り軸47と、3つの第2フック49と、受け部51とが、装着方向手前側に突出して設けられている。また、第2非重畳領域25の-Y側の内周面には、基板接続部53が固定されている。
【0036】
第2繰出し軸45には、第2繰出し回転部材55が回転可能に設けられている。第2繰出し軸45は、第2カートリッジ装着部7にリボンカートリッジ200が装着された際に、第2繰出しコア205に挿入され、第2繰出し回転部材55が第2繰出しコア205に係合する。
【0037】
第2巻取り軸47には、第2巻取り回転部材57が回転可能に設けられている。第2巻取り軸47は、第2カートリッジ装着部7にリボンカートリッジ200が装着された際に、第2巻取りコア207に挿入され、第2巻取り回転部材57が第2巻取りコア207に係合する。
【0038】
3つの第2フック49は、第2繰出し軸45および第2巻取り軸47を囲むように設けられている。第2フック49は、第2カートリッジ装着部7にリボンカートリッジ200が装着された際に、第2カートリッジケース209に設けられた第2フック係合部225に係合する。
【0039】
受け部51は、第2カートリッジ装着部7の+X側且つ-Y側の隅部に位置して、設けられている。受け部51は、リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部7に装着された際に、第2カートリッジケース209に設けられた受け挿入穴297(図10参照)に挿入される。
【0040】
基板接続部53は、第2カートリッジ装着部7の-Y側の内周面において、+X側の端部に設けられている。すなわち、基板接続部53は、受け部51の-Y側に設けられている。基板接続部53は、テープ印刷装置Pが備える制御回路(図示省略)に接続されている。基板接続部53は、リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部7に装着された際に、リボンカートリッジ200が備える回路基板311(図5参照)と接続される。これにより、制御回路が、回路基板311に記憶された各種情報を読み取ることができ、また回路基板311に各種情報を書き込むことができる。
【0041】
このように構成されたテープ印刷装置Pにおいて、第1テープ印刷のために、第1カートリッジ装着部5にテープカートリッジ100が装着されると、プラテン回転部材43、第1繰出し回転部材35および第1巻取り回転部材37が、第1プラテンローラー103、第1繰出しコア105および第1巻取りコア107とそれぞれ係合する。そして、装着部カバー3が閉められると、ヘッド移動機構(図示省略)によりサーマルヘッド27がプラテン軸39に向けて移動する。これにより、サーマルヘッド27と第1プラテンローラー103との間に、第1リボン露出部において露出した第1インクリボン113が第1テープ111と共に挟持される。
【0042】
この状態で、送りモーター(図示省略)が正方向に回転すると、送りモーターの駆動力が、プラテン回転部材43、第1巻取り回転部材37および第2巻取り回転部材57に伝達される。そして、プラテン回転部材43に係合した第1プラテンローラー103が、装着方向手前側から見て時計回りに回転すると共に、第1巻取り回転部材37に係合した第1巻取りコア107が、装着方向手前側から見て反時計回りに回転する。これにより、テープコア101から繰り出された第1テープ111が、テープ排出口9に向けて送られると共に、第1繰出しコア105から繰り出された第1インクリボン113が、第1巻取りコア107に巻き取られる。なお、このとき、第2巻取り回転部材57は、空回り状態となる。
【0043】
送りモーターが正方向とは逆の戻し方向に回転すると、送りモーターの駆動力が、プラテン回転部材43、第1繰出し回転部材35および第2繰出し回転部材55に伝達される。そして、プラテン回転部材43に係合した第1プラテンローラー103が、装着方向手前側から見て反時計回りに回転すると共に、第1繰出し回転部材35に係合した第1繰出しコア105が、装着方向手前側から見て反時計回りに回転する。これにより、テープコア101から繰り出された第1テープ111が、テープコア101に向けて送られると共に、第1繰出しコア105から繰り出された第1インクリボン113が、第1繰出しコア105に巻き戻される。なお、このとき、第2繰出し回転部材55は、空回り状態となる。
【0044】
テープ印刷装置Pは、第1テープ印刷時には、送りモーターを正方向に回転させることにより、第1テープ111をテープ排出口9に向けて送り、第1インクリボン113を第1巻取りコア107に巻き取りつつ、サーマルヘッド27を発熱させることにより、第1テープ111に印刷を行う。印刷終了後、テープ印刷装置Pは、カッターを切断動作させ、第1テープ111の印刷済み部分を切り離す。その後、テープ印刷装置Pは、送りモーターを戻し方向に回転させることにより、第1テープ111をテープコア101に向けて送り、第1インクリボン113を第1繰出しコア105に巻き戻す。これにより、第1テープ111の先端が、サーマルヘッド27と第1プラテンローラー103との挟持位置の近傍、すなわち、印刷位置の近傍にくるまで、第1テープ111が引き戻される。このため、次に印刷される第1テープ111において、サーマルヘッド27とカッターとの離間距離に起因して第1テープ111の長さ方向前方に生じる余白を、短くすることができる。
【0045】
一方、第2テープ印刷のために、第2カートリッジ装着部7にリボンカートリッジ200が装着されると、第2繰出し回転部材55および第2巻取り回転部材57が、第2繰出しコア205および第2巻取りコア207とそれぞれ係合する。さらに、第1非重畳領域23にテープガイド400が装着されると、プラテン回転部材43が第2プラテンローラー403と係合する。また、テープ導入口11から導入された第2テープ500は、テープガイド400にセットされる。そして、装着部カバー3が閉められると、サーマルヘッド27がプラテン軸39に向けて移動する。これにより、サーマルヘッド27と第2プラテンローラー403との間に、第2リボン露出部221において露出した第2インクリボン213が第2テープ500と共に挟持される。
【0046】
この状態で、送りモーターが正方向に回転すると、送りモーターの駆動力が、プラテン回転部材43、第1巻取り回転部材37および第2巻取り回転部材57に伝達される。そして、プラテン回転部材43に係合した第2プラテンローラー403が、装着方向手前側から見て時計回りに回転すると共に、第2巻取り回転部材57に係合した第2巻取りコア207が、装着方向手前側から見て反時計回りに回転する。これにより、テープ導入口11から導入された第2テープ500が、テープ排出口9に向けて送られると共に、第2繰出しコア205から繰り出された第2インクリボン213が、第2巻取りコア207に巻き取られる。なお、このとき、第1巻取り回転部材37は、空回り状態となる。
【0047】
送りモーターが戻し方向に回転すると、送りモーターの駆動力が、プラテン回転部材43、第1繰出し回転部材35および第2繰出し回転部材55に伝達される。そして、プラテン回転部材43に係合した第2プラテンローラー403が、装着方向手前側から見て反時計回りに回転すると共に、第2繰出し回転部材55に係合した第2繰出しコア205が、装着方向手前側から見て反時計回りに回転する。これにより、テープ導入口11から導入された第2テープ500が、テープ導入口11に向けて送られると共に、第2繰出しコア205から繰り出された第2インクリボン213が、第2繰出しコア205に巻き戻される。なお、このとき、第1繰出し回転部材35は、空回り状態となる。
【0048】
テープ印刷装置Pは、第2テープ印刷時には、第1テープ印刷時と同様に、送りモーターを正方向に回転させることにより、第2テープ500をテープ排出口9に向けて送り、第2インクリボン213を第2巻取りコア207に巻き取りつつ、サーマルヘッド27を発熱させることにより、第2テープ500に印刷を行う。印刷終了後、テープ印刷装置Pは、カッターを切断動作させ、第2テープ500の印刷済み部分を切り離す。その後、テープ印刷装置Pは、送りモーターを戻し方向に回転させることにより、第2テープ500をテープ導入口11に向けて送ると共に、第2インクリボン213を第2繰出しコア205に巻き戻す。これにより、第2テープ500の先端が、サーマルヘッド27と第2プラテンローラー403との挟持位置の近傍、すなわち、印刷位置の近傍にくるまで、第2テープ500が引き戻される。このため、次に印刷される第2テープ500において、サーマルヘッド27とカッターとの離間距離に起因して第2テープ500の長さ方向前方に生じる余白を、短くすることができる。
【0049】
[リボンカートリッジの詳細]
図5ないし図11に基づいて、リボンカートリッジ200についてさらに説明する。図5に示すように、第2カートリッジケース209は、手前側ケース227と、奥側ケース229とを備えている。手前側ケース227および奥側ケース229は、本発明の「第1ケース」および「第2ケース」の一例である。手前側ケース227は、リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部7に装着される際に、装着方向手前側となる。奥側ケース229は、リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部7に装着される際に、装着方向奥側となる。手前側ケース227は、透光性を有する樹脂の成形品であり、奥側ケース229は、透光性を有しない樹脂の成形品であるが、手前側ケース227および奥側ケース229の材質や製法は、これに限定されるものではない。
【0050】
図5および図6に示すように、手前側ケース227には、第2カートリッジケース209の+X側寄りに位置して、第2カートリッジケース209を摘むための摘み部231が設けられている。上述したように、第2繰出しコア205および第2巻取りコア207が収容された第2リボンコア収容部217は、第2カートリッジケース209の+X側寄りに設けられているため、リボンカートリッジ200の重心は、+X側寄りに位置している。このため、ユーザーは、手前側ケース227の+X側寄りに設けられた摘み部231を利用して、リボンカートリッジ200の重心が位置する+X側寄りを摘むことができる。したがって、ユーザーは、リボンカートリッジ200を安定的に摘むことができる。
【0051】
手前側ケース227は、手前側壁部233と、第1周壁部235とを備えている。手前側壁部233は、リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部7に装着される際に、装着方向手前側となる。手前側壁部233には、手前側繰出しボス237と、手前側巻取り開口239とが設けられている。手前側繰出しボス237および手前側巻取り開口239は、第2リボンコア収容部217に設けられている。手前側繰出しボス237および手前側巻取り開口239は、それぞれ、第2カートリッジ装着部7に設けられた第2繰出し軸45および第2巻取り軸47と対応する位置に設けられている。手前側繰出しボス237は、手前側壁部233の内面から装着方向奥側に突出しており、第2繰出しコア205の装着方向手前側の端部が係合している。手前側巻取り開口239には、第2巻取りコア207の装着方向手前側の端部が係合している。
【0052】
第1周壁部235は、手前側壁部233の周縁部から装着方向奥側に延びている。第1周壁部235は、-X側に位置する手前側第1壁部241と、-Y側に位置する手前側第2壁部243と、+X側に位置する手前側第3壁部245と、+Y側に位置する手前側第4壁部247とを備えている。手前側第1壁部241と手前側第4壁部247とが交わる位置には、第2インクリボン213が露出する第2リボン露出部221が設けられている。
【0053】
図5ないし図7に示すように、手前側第2壁部243のX方向略中間部には、第2周壁凹部249が設けられている。第2周壁凹部249は、装着方向手前側から見てX方向にやや長い略長方形状に凹んだ形状に形成されている。第2周壁凹部249は、手前側第2壁部243が装着方向の全体に亘って凹んでいる。
【0054】
手前側第2壁部243の+X側の端部には、第4周壁凹部251が設けられている。第4周壁凹部251は、装着方向手前側から見てX方向に長い略長方形状に凹んだ形状に形成されている。第4周壁凹部251は、第2周壁凹部249と同様に、手前側第2壁部243が装着方向の略全体に亘って凹んでいる。手前側第2壁部243の+X側の領域において、装着方向奥側の端面には、基板抜止め部253が装着方向奥側に突出して設けられている。基板抜止め部253は、奥側ケース229に設けられた基板取付部309に取り付けられた回路基板311を、基板取付部309に対して抜止め状態とする。
【0055】
なお、手前側第2壁部243において、第2周壁凹部249よりも-X側に位置する第1平坦部255と、第2周壁凹部249および第4周壁凹部251の間に位置する第2平坦部257とは、略面一になっている。仮に、第2平坦部257が設けられておらず、第2周壁凹部249と第4周壁凹部251とが連なっている構成では、手前側第2壁部243を下方に向けた姿勢でリボンカートリッジ200が机等の載置面に置かれた際に、リボンカートリッジ200の重心側に位置する第4周壁凹部251が載置面に当たり、第1平坦部255が載置面に対して斜めに浮いた状態となるおそれがある。この場合、リボンカートリッジ200が載置面に対してガタつきやすい状態で置かれることになる。これに対し、本実施形態では、第2平坦部257が設けられていることで、手前側第2壁部243を下方に向けた姿勢でリボンカートリッジ200が載置面に置かれた際に、第2平坦部257が載置面に当たるため、第4周壁凹部251が載置面に当たることが抑制され、第1平坦部255が載置面に対して斜めに浮いた状態となることが抑制される。このため、リボンカートリッジ200を載置面に安定した状態で置くことができる。
【0056】
図5および図6に示すように、手前側第3壁部245の-Y側の端部には、第3周壁凹部259が設けられている。第3周壁凹部259は、装着方向手前側から見てY方向に長い略長方形状に凹んだ形状に形成されている。第3周壁凹部259の-Y側の端部は、第4周壁凹部251の+X側の端部と連なっている。第3周壁凹部259は、手前側第3壁部245が、装着方向奥側の端部を残して凹んでいる。
【0057】
図5図6および図8に示すように、手前側第4壁部247は、手前側第1部分壁部261と、手前側第2部分壁部263と、手前側第3部分壁部265とを備えている。手前側第1部分壁部261は、手前側第3壁部245の+Y側の端部から、-X側に延びている。手前側第2部分壁部263は、手前側第1部分壁部261の-X側の端部から、-X側と-Y側との間の斜め方向に屈曲して延びている。手前側第3部分壁部265は、手前側第2部分壁部263の-X側の端部から、手前側第2部分壁部263よりもX方向と平行に近い角度に屈曲して延びている。
【0058】
手前側第1部分壁部261には、第1周壁凹部267が設けられている。第1周壁凹部267は、装着方向手前側から見てY方向に長い略台形状に凹んだ形状に形成されている。第1周壁凹部267は、第3周壁凹部259と同様に、手前側第4壁部247が、装着方向奥側の端部を残して凹んでいる。
【0059】
図9に示すように、奥側ケース229は、奥側壁部269と、第2周壁部271とを備えている。奥側壁部269は、リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部7に装着される際に、装着方向奥側となる。奥側壁部269は、手前側ケース227の手前側壁部233と対向している。
【0060】
図9ないし図11に示すように、奥側壁部269には、奥側繰出し開口273と、奥側巻取り開口275と、繰出し側筒部277と、巻取り側筒部279と、第1リボンガイド281と、第2リボンガイド283と、受け挿入部285とが設けられている。
【0061】
奥側繰出し開口273および奥側巻取り開口275は、第2リボンコア収容部217に設けられている。奥側繰出し開口273および奥側巻取り開口275は、それぞれ、第2カートリッジ装着部7に設けられた第2繰出し軸45および第2巻取り軸47と対応する位置に設けられている。奥側繰出し開口273には、第2繰出しコア205の装着方向奥側の端部が係合している。奥側巻取り開口275には、第2巻取りコア207の装着方向奥側の端部が係合している。以下では、第2インクリボン213の送り方向を、単に「送り方向」という。また、送り方向において、上流側とは、第2繰出しコア205側を意味し、下流側とは、第2巻取りコア207側を意味する。
【0062】
繰出し側筒部277および巻取り側筒部279は、第2リボンコア収容部217と第2ヘッド挿入部219との間に位置して、奥側壁部269から装着方向手前側に突出して設けられている。繰出し側筒部277および巻取り側筒部279は、それぞれ、重畳領域21に設けられた第1繰出し軸29および第1巻取り軸31に対応する位置に設けられている。
【0063】
繰出し側筒部277は、有蓋の略円筒状に形成されており、リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部7に装着された際に、重畳領域21に設けられた第1繰出し軸29が挿入される。これにより、リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部7に装着された際に、第1繰出し軸29がリボンカートリッジ200と干渉することが抑制される。繰出し側筒部277は、第1繰出し軸29に設けられた第1繰出し回転部材35との間に隙間が生じる程度の内径を有している。このため、第1繰出し回転部材35が回転しても、第1繰出し回転部材35が繰出し側筒部277の内周面に対して摺動することがない。なお、繰出し側筒部277の装着方向手前側には、手前側ケース227に設けられた圧入ピン(図示省略)が圧入する圧入穴287が設けられている。
【0064】
また、繰出し側筒部277は、第2繰出しコア205の送り方向下流側に位置し、第2繰出しコア205から第2リボン露出部221へ送られる第2インクリボン213を、その周面の+Y側の一部に接触させることによりガイドする。すなわち、第1繰出し軸29が挿入される繰出し側筒部277を、第2インクリボン213をガイドするガイド部材としても機能させることができる。なお、繰出し側筒部277は、手前側ケース227に設けられた筒部と、奥側ケース229に設けられた筒部と、により構成されてもよいが、本実施形態では、繰出し側筒部277が、手前側ケース227および奥側ケース229の一方、すなわち奥側ケース229のみに設けられている。このため、繰出し側筒部277の周面に段部が生じることなく、第2インクリボン213を適切にガイドすることができる。また、繰出し側筒部277の形状は、円筒状に限定されるものではなく、例えば、楕円筒状、半円筒状或いは角筒状でもよい。
【0065】
巻取り側筒部279は、略円筒状に形成されており、リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部7に装着された際に、重畳領域21に設けられた第1巻取り軸31が挿入される。これにより、リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部7に装着された際に、第1巻取り軸31がリボンカートリッジ200と干渉することが抑制される。巻取り側筒部279は、第1巻取り軸31に設けられた第1巻取り回転部材37との間に隙間が生じる程度の内径を有している。このため、第1巻取り回転部材37が回転しても、第1巻取り回転部材37が巻取り側筒部279の内周面に対して摺動することがない。
【0066】
また、巻取り側筒部279は、第2リボン露出部221の送り方向下流側に位置し、第2リボン露出部221から第2巻取りコア207へ送られる第2インクリボン213を、その周面の-Y側の一部に接触させることによりガイドする。すなわち、第1巻取り軸31が挿入される巻取り側筒部279を、第2インクリボン213をガイドするガイド部材としても機能させることができる。なお、巻取り側筒部279は、手前側ケース227に設けられた筒部と、奥側ケース229に設けられた筒部と、により構成されてもよいが、本実施形態では、巻取り側筒部279が、手前側ケース227および奥側ケース229の一方、すなわち奥側ケース229のみに設けられている。このため、巻取り側筒部279の周面に段部が生じることなく、第2インクリボン213を適切にガイドすることができる。また、巻取り側筒部279の形状は、繰出し側筒部277の形状と同様に、円筒状に限定されるものではなく、例えば、楕円筒状、半円筒状或いは角筒状でもよい。
【0067】
第1リボンガイド281は、巻取り側筒部279よりも第2インクリボン213の送り方向下流側の位置で、第2インクリボン213をガイドする。第1リボンガイド281は、奥側壁部269と一体に形成されている。第1リボンガイド281は、第1ガイド本体289と、2つの第1ガイドリブ291とを備えている。第1ガイド本体289は、略円柱状に形成されており、第2インクリボン213のインク面213aと接触し、第2インクリボン213をガイドする。2つの第1ガイドリブ291は、第1ガイド本体289の周面から+X側および-Y側に突出している。第1ガイドリブ291は、第1ガイド本体289が、適度に張った状態で送られる第2インクリボン213から受ける圧力により傾斜することを抑制する。
【0068】
第2リボンガイド283は、第1リボンガイド281よりも送り方向下流側の位置で、第2インクリボン213をガイドする。第2リボンガイド283は、奥側壁部269と一体に形成されている。第2リボンガイド283は、第1リボンガイド281と同様に、第2ガイド本体293と、2つの第2ガイドリブ295とを備えている。第2ガイド本体293は、略円柱状に形成されており、第2インクリボン213のインク面213aとは反対側の面と接触し、第2インクリボン213をガイドする。2つの第2ガイドリブ295は、第2ガイド本体293の周面から-X側および+Y側に突出している。第2ガイドリブ295は、第2ガイド本体293が、第2インクリボン213から受ける圧力により傾斜することを抑制する。
【0069】
受け挿入部285は、奥側壁部269の+X側且つ-Y側の隅部に位置して、装着方向手前側に突出して設けられている。受け挿入部285には、受け挿入穴297が、装着方向に貫通して設けられている。受け挿入穴297には、リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部7に装着された際に、受け部51が挿入される。
【0070】
第2周壁部271は、奥側壁部269の周縁部から装着方向手前側に延びている。第2周壁部271の装着方向手前側の端面は、手前側ケース227の第1周壁部235の装着方向奥側の端面と接している。第2周壁部271は、-X側に位置する奥側第1壁部299と、-Y側に位置する奥側第2壁部301と、+X側に位置する奥側第3壁部303と、+Y側に位置する奥側第4壁部305とを備えている。奥側第1壁部299と奥側第4壁部305とが交わる位置には、第2リボン露出部221が設けられている。
【0071】
図7図9ないし図11に示すように、奥側第2壁部301の+X側の端部には、上記の第4周壁凹部251に対応して、奥側周壁凹部307が設けられている。奥側周壁凹部307は、第4周壁凹部251と同様に、装着方向手前側から見てX方向に長い略長方形状に凹んだ形状に形成されている。奥側周壁凹部307の+X側、且つ+Y側の領域には、基板取付部309が設けられている。基板取付部309には、回路基板311が取り付けられている。回路基板311は、記憶素子を備えている。記憶素子には、例えば、第2インクリボン213の幅、第2繰出しコア205に巻回されている第2インクリボン213の残量などの情報が記憶される。また、基板取付部309が奥側周壁凹部307の+X側、且つ+Y側の領域に設けられているため、例えばリボンカートリッジ200を誤って落下させた場合にも、基板取付部309に取り付けられた回路基板311が床面等に当たることが抑制される。これにより、回路基板311にキズや汚れが付くことを抑制することができる。
【0072】
奥側第2壁部301のX方向略中間部、すなわち第2周壁凹部249に対応する位置には、装着方向手前側の端面から装着方向手前側に突出した周壁凸部313が設けられている。周壁凸部313は、装着方向奥側から第2周壁凹部249内に挿入されている。
【0073】
図8図10および図11に示すように、奥側第4壁部305は、奥側第1部分壁部315と、奥側第2部分壁部317と、奥側第3部分壁部319とを備えている。奥側第1部分壁部315は、奥側第3壁部303の+Y側の端部から、-X側に延びている。奥側第2部分壁部317は、奥側第1部分壁部315の-X側の端部から、-X側と-Y側との間の斜め方向に屈曲して延びている。奥側第3部分壁部319は、奥側第2部分壁部317の-X側の端部から、奥側第2部分壁部317よりもX方向と平行に近い角度に屈曲して延びている。
【0074】
図5図7ないし図9に示すように、奥側第2壁部301、奥側第3壁部303および奥側第2部分壁部317には、第2フック係合部225が設けられている。すなわち、3つの第2フック係合部225は、装着方向手前側から見て、第2リボンコア収容部217の周縁部に設けられている。第2フック係合部225には、リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部7に装着された際に、第2フック49が係合する。これにより、リボンカートリッジ200が第2カートリッジ装着部7の底面から浮き上がった状態で装着されることが抑制される。
【0075】
[繰出し側筒部および巻取り側筒部]
図9および図10に基づいて、繰出し側筒部277および巻取り側筒部279周りの構成についてさらに説明する。ここで、装着方向手前側から見て、巻取り側筒部279と第2リボンガイド283とを結ぶガイド仮想線325を想定する。より具体的には、ガイド仮想線325は、装着方向手前側から見て、巻取り側筒部279において第2インクリボン213と接する箇所と、第2リボンガイド283において第2インクリボン213と接する箇所とを結ぶ仮想線である。第1リボンガイド281は、装着方向手前側から見て、ガイド仮想線325よりも、リボンカートリッジ200の内側に設けられている。このため、第2インクリボン213は、巻取り側筒部279と第2リボンガイド283との間において、ガイド仮想線325よりも、リボンカートリッジ200の内側を送られる。
【0076】
また、装着方向手前側から見て、繰出し側筒部277と巻取り側筒部279とを結ぶ筒間仮想線327を想定する。より具体的には、筒間仮想線327は、装着方向手前側から見て、繰出し側筒部277の中心と、巻取り側筒部279の中心とを結ぶ仮想線である。第2繰出しコア205から第2リボン露出部221へ送られる第2インクリボン213は、装着方向手前側から見て、筒間仮想線327の一方の側を通過する。第2リボン露出部221から第2巻取りコア207へ送られる第2インクリボン213は、装着方向手前側から見て、筒間仮想線327の他方の側を通過する。第1リボンガイド281は、装着方向手前側から見て、後述する閉塞部329と対向するように、巻取り側筒部279よりも第2インクリボン213の送り方向下流側に設けられている。
【0077】
繰出し側筒部277と巻取り側筒部279との間には、繰出し側筒部277と巻取り側筒部279との間の空間を閉塞する閉塞部329が設けられている。閉塞部329は、装着方向手前側から見て、筒間仮想線327に重なるように、装着方向奥側から装着方向手前側へ略全体に亘って、繰出し側筒部277および巻取り側筒部279と一体に形成されている。閉塞部329は、繰出し側筒部277と巻取り側筒部279との間の空間を閉塞できていればよく、装着方向手前側から見て筒間仮想線327に重ならなくてもよいし、繰出し側筒部277および巻取り側筒部279とは別の部材で構成されていてもよい。さらに、繰出し側筒部277には、第1リボンガイド281よりも送り方向下流側となる第2インクリボン213に向かって、周面から突出した筒凸部331が設けられている。筒凸部331は、繰出し側筒部277の軸方向に延びており、繰出し側筒部277の軸方向の略全体に亘って設けられている。また、筒凸部331は、第2インクリボン213に接触しない範囲で、できるだけ突出量を大きく形成されていることが好ましい。
【0078】
上述したように、第1リボンガイド281の第1ガイド本体289は、第2インクリボン213のインク面213aと接触している。このため、第2インクリボン213が送られる際に、第2インクリボン213のインク面213aが第1ガイド本体289の周面と擦れ合うことにより、第2インクリボン213からリボンカスが生じるおそれがある。生じたリボンカスが第2カートリッジケース209内に拡散すると、第2繰出しコア205から第2リボン露出部221へ送られる第2インクリボン213にリボンカスが付着し、さらに、第2インクリボン213に付着したリボンカスがサーマルヘッド27に付着する。これにより、印刷画像に、カスレや線抜けなどの印刷不良が生じるおそれがある。
【0079】
これに対し、本実施形態では、繰出し側筒部277と巻取り側筒部279との間に閉塞部329が設けられていることで、リボンカスが繰出し側筒部277と巻取り側筒部279との間を通過して第2インクリボン213に付着することを抑制することができる。また、繰出し側筒部277に筒凸部331が設けられていることで、リボンカスが繰出し側筒部277の+X側から第2インクリボン213に付着することを抑制することができる。換言すれば、第2インクリボン213のインク面213aと接触する第1リボンガイド281を、巻取り側筒部279と、閉塞部329と、繰出し側筒部277と、筒凸部331とで囲むことにより、第1リボンガイド281において生じたリボンカスを捕捉する捕捉領域を形成することができる。これにより、印刷画像に、カスレや線抜けなどの印刷不良が生じることを抑制することができる。なお、閉塞部329の高さ、すなわち装着方向における寸法は、繰出し側筒部277の高さや巻取り側筒部279の高さと略等しいが、これに限定されるものではない。すなわち、閉塞部329の高さは、繰出し側筒部277の高さや巻取り側筒部279の高さより低くてもよく、高くてもよい。
【0080】
図10および図11に示すように、繰出し側筒部277の周面には、繰出し側筒部277の周方向において、繰出し側傾斜部333と、繰出し側垂直部335とが設けられている。すなわち、図10および図11において、繰出し側筒部277の輪郭線のうち、比較的太い線、厳密には繰出し側筒部277の装着方向手前側の端部を表す輪郭線と装着方向奥側の端部を表す輪郭線との二重線、で表された部分が、繰出し側傾斜部333であり、比較的細い線で表された部分が繰出し側垂直部335である。
【0081】
繰出し側傾斜部333は、装着方向手前側へ向かうにしたがい、奥側壁部269に対して、装着方向手前側から見て繰出し側筒部277の中心側へ傾斜している。繰出し側垂直部335は、奥側壁部269に対して略垂直である。すなわち、繰出し側傾斜部333が奥側壁部269に対して垂直な角度から傾斜した傾斜角度に比べ、繰出し側垂直部335が奥側壁部269に対して垂直な角度から傾斜した傾斜角度の方が、小さい。なお、繰出し側垂直部335の傾斜角度は、ゼロでもよい。すなわち、繰出し側垂直部335は、奥側壁部269に対して垂直な角度から傾斜しておらず、奥側壁部269に対して垂直でもよい。なお、奥側壁部269は、本発明の「筒突出壁部」の一例である。
【0082】
繰出し側筒部277は、繰出し側垂直部335において、第2インクリボン213をガイドする。このため、第2繰出しコア205と第2リボン露出部221との間において、第2インクリボン213の幅方向が第2繰出しコア205の回転軸と略平行になった状態で第2インクリボン213が送られるように、第2インクリボン213がガイドされる。これにより、第2インクリボン213にシワが生じることを抑制することができる。また、繰出し側筒部277には、繰出し側傾斜部333が設けられているため、奥側ケース229の成形時に型抜きを適切に行うことができる。
【0083】
繰出し側筒部277と同様に、巻取り側筒部279の周面には、巻取り側筒部279の周方向において、巻取り側傾斜部337と、巻取り側垂直部339とが設けられている。すなわち、図10および図11において、巻取り側筒部279の輪郭線のうち、比較的太い線、厳密には巻取り側筒部279の装着方向手前側の端部を表す輪郭線と装着方向奥側の端部を表す輪郭線との二重線、で表された部分が、巻取り側傾斜部337であり、比較的細い線で表された部分が巻取り側垂直部339である。
【0084】
巻取り側傾斜部337は、装着方向手前側へ向かうにしたがい、奥側壁部269に対して、装着方向手前側から見て巻取り側筒部279の中心側へ傾斜している。巻取り側垂直部339は、奥側壁部269に対して略垂直である。すなわち、巻取り側傾斜部337が奥側壁部269に対して垂直な角度から傾斜した傾斜角度に比べ、巻取り側垂直部339が奥側壁部269に対して垂直な角度から傾斜した傾斜角度の方が、小さい。なお、巻取り側垂直部339の傾斜角度は、ゼロでもよい。すなわち、巻取り側垂直部339は、奥側壁部269に対して垂直な角度から傾斜しておらず、奥側壁部269に対して垂直でもよい。
【0085】
巻取り側筒部279は、巻取り側垂直部339において、第2インクリボン213をガイドする。このため、第2リボン露出部221と第2巻取りコア207との間において、第2インクリボン213の幅方向が第2巻取りコア207の回転軸と略平行になった状態で第2インクリボン213が送られるように、第2インクリボン213がガイドされる。これにより、第2インクリボン213にシワが生じることを抑制することができる。また、巻取り側筒部279には、巻取り側傾斜部337が設けられているため、奥側ケース229の成形時に型抜きを適切に行うことができる。なお、巻取り側筒部279の周方向において、巻取り側垂直部339が占める角度は、特に限定されるものではないが、第2インクリボン213を適切にガイドすることができる範囲内で、なるべく小さい方が、その分、巻取り側傾斜部337が占める角度が大きくなり、型抜きを適切に行うことができるため、好ましい。
【0086】
以上のように、本実施形態のリボンカートリッジ200は、第2巻取りコア207と、巻取り側筒部279と、第1リボンガイド281と、第2リボンガイド283とを備えている。巻取り側筒部279は、第2インクリボン213をガイドし、第2カートリッジ装着部7に装着された際に、第1巻取り軸31が挿入される。第1リボンガイド281は、巻取り側筒部279よりも送り方向下流側の位置で、第2インクリボン213をガイドする。第2リボンガイド283は、第1リボンガイド281よりも送り方向下流側の位置で、第2インクリボン213をガイドする。第1リボンガイド281は、装着方向手前側から見て、巻取り側筒部279と第2リボンガイド283とを結ぶガイド仮想線325よりもリボンカートリッジ200の内側に設けられている。
【0087】
この構成によれば、第2インクリボン213は、巻取り側筒部279と第2リボンガイド283との間において、ガイド仮想線325よりも、リボンカートリッジ200の内側を送られる。これにより、第2リボンガイド283がガイド仮想線325上を送られる構成に比べて、リボンカートリッジ200を小型化することができる。
【0088】
[変形例]
本発明は、上記の実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採用可能であることは言うまでもない。例えば、上記の実施形態は、上述したほか、以下のような形態に変更することができる。
【0089】
巻取り側筒部279の送り方向下流側、且つ第1リボンガイド281の送り方向上流側に、第3リボンガイドを設けてもよい。また、第3リボンガイドは、装着方向手前側から見て、ガイド仮想線325よりもリボンカートリッジ200の外側に設けてもよい。このとき、第2リボン露出部221から第2巻取りコア207へ送られる第2インクリボン213は、巻取り側筒部279に接触せず、第3リボンガイドに接触した後、第1リボンガイド側へ送るようにしてもよい。
【0090】
巻取り側筒部279は、第2リボン露出部221から第2巻取りコア207へ送られる第2インクリボン213を、その周面の+Y側の一部に接触させることでガイドしてもよい。このとき、巻取り側筒部279と第2インクリボン213のインク面213aとが接触することにより、巻取り側筒部279においてリボンカスが生じるおそれがある。そのため、閉塞部329は、繰出し側筒部277から第2リボン露出部221へ送られる第2インクリボン213と巻取り側筒部279との間の空間へ向けて、繰出し側筒部277から延出させてもよい。
【0091】
第1リボンガイド281は、奥側壁部269と一体に形成された構成に限定されるものではなく、例えば円柱状に形成され、奥側壁部269に対して回転可能な構成でもよい。この構成では、第1リボンガイド281が、第2インクリボン213の送りに従動して回転するため、第1リボンガイド281の周面と第2インクリボン213のインク面213aとの摩擦が低減する。これにより、第1リボンガイド281において第2インクリボン213から発生するリボンカスを低減することができる。
【0092】
本発明の「第1のリボンカートリッジ」は、本実施形態のテープカートリッジ100のように、第1テープ111のような印刷媒体が収容された構成に限定されるものではなく、印刷媒体が収容されていない構成でもよい。同様に、本発明の「第2のリボンカートリッジ」は、本実施形態のリボンカートリッジ200のように、印刷媒体が収容されていない構成に限定されるものではなく、印刷媒体が収容された構成でもよい。
【0093】
テープ印刷装置Pは、第1繰出し軸29を備えていない構成でもよい。この場合、リボンカートリッジ200は、繰出し側筒部277を備えていなくてもよい。また、テープ印刷装置Pは、第2繰出し軸45を備えていない構成でもよい。
【0094】
リボンカートリッジ200が装着される印刷装置は、第1テープ111や第2テープ500のように、テープ状の印刷媒体に印刷を行う構成に限定されるものではない。すなわち、本発明の「印刷装置」は、例えば、ロール紙や枚葉紙に印刷を行うものでもよい。
【0095】
図12に示すように、変形例のリボンカートリッジ300は、リボン部手前側ケース353と、ローラー部手前側ケース355と、共通奥側ケース357とを備えている。リボン部手前側ケース353は、リボン部手前壁部359と、リボン部手前壁部359の周縁部から装着方向奥側に突出したリボン部手前側周壁部361とを備えている。ローラー部手前側ケース355は、ローラー部手前壁部363と、ローラー部手前壁部363の周縁部から装着方向奥側に突出したローラー部手前側周壁部365とを備えている。共通奥側ケース357は、共通奥壁部367と、共通奥壁部367から装着方向手前側に突出したリボン部奥側周壁部369およびローラー部奥側周壁部371とを備えている。
【0096】
リボン部手前側ケース353と共通奥側ケース357とは、リボン部手前側周壁部361とリボン部奥側周壁部369とを突き合わせるようにして組み合され、インクリボン収容部373の外殻を構成している。インクリボン収容部373は、実施形態のリボンカートリッジ200と略同様に構成されている。ローラー部手前側ケース355と共通奥側ケース357とは、ローラー部手前側周壁部365とローラー部奥側周壁部371とを突き合わせるようにして組み合され、ローラー収容部375の外殻を構成している。ローラー収容部375は、第2プラテンローラー403と同様のプラテンローラーを回転可能に支持、および収納し、実施形態のテープガイド400と略同様に構成されている。インクリボン収容部373とローラー収容部375とは、共通奥壁部367を介して、一体に形成されている。すなわち、リボンカートリッジ300は、実施形態のリボンカートリッジ200に相当するインクリボン収容部373と、実施形態のテープガイド400に相当するローラー収容部375とが、一体化されたものである。また、リボン部手前側ケース353とローラー部手前側ケース355との間に、装置ケース1外から導入された第2テープ500が送られる第2テープ経路377が設けられている。
【符号の説明】
【0097】
200…リボンカートリッジ、205…第2繰出しコア、207…第2巻取りコア、213…第2インクリボン、213a…インク面、217…第2リボンコア収容部、219…第2ヘッド挿入部、221…第2リボン露出部、229…奥側ケース、269…奥側壁部、271…第2周壁部、277…繰出し側筒部、279…巻取り側筒部、281…第1リボンガイド、283…第2リボンガイド、285…受け挿入部、287…圧入穴、289…第1ガイド本体、291…第1ガイドリブ、293…第2ガイド本体、295…第2ガイドリブ、297…受け挿入穴、299…奥側第1壁部、301…奥側第2壁部、303…奥側第3壁部、305…奥側第4壁部、307…奥側周壁凹部、309…基板取付部、311…回路基板、313…周壁凸部、315…奥側第1部分壁部、317…奥側第2部分壁部、319…奥側第3部分壁部、325…ガイド仮想線、327…筒間仮想線、329…閉塞部、331…筒凸部、333…繰出し側傾斜部、335…繰出し側垂直部、337…巻取り側傾斜部、339…巻取り側垂直部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12