IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テトラサン インコーポレイテッドの特許一覧

特開2022-125290高効率太陽電池構造体および製造方法
<>
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図1
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図2
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図3
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図4
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図5
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図6
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図7
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図8
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図9
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図10
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図11
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図12
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図13
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図14
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図15
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図16
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図17
  • 特開-高効率太陽電池構造体および製造方法 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125290
(43)【公開日】2022-08-26
(54)【発明の名称】高効率太陽電池構造体および製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0747 20120101AFI20220819BHJP
【FI】
H01L31/06 455
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022109838
(22)【出願日】2022-07-07
(62)【分割の表示】P 2019164770の分割
【原出願日】2010-04-21
(31)【優先権主張番号】61/171,194
(32)【優先日】2009-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511255524
【氏名又は名称】テトラサン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オリバー シュルツ-ヴィットマン
(72)【発明者】
【氏名】デニス デ カーステル
(57)【要約】
【課題】概して中心基板、導電層(若しくは複数の導電層)、非反射層(若しくは複数の非反射層)、不活性化層(若しくは複数の不活性化層)、および/または電極(若しくはは複数の電極)を備える、様々な組成からなる太陽電池が開示される。
【解決手段】多機能層が、不活性化、透過性、垂直方向キャリア流に十分な導電性、接合部、および/または様々な度合いの非反射性からなる機能の組合せを実現する。また、単面CVD蒸着プロセスならびに層形成および/または層転化のための熱処理を含む改良された製造方法も開示される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と;
前記基板を覆う界面不活性化層であって、前記界面不活性化層を通る短縮された電荷キャリア流路を含む界面不活性化層と;
前記界面不活性化層を覆う不活性化導電性膜であって、前記不活性化導電性膜は、熱処理によって形成された結晶構造を有し、かつ、前記不活性化導電性膜はドーパントを含んでおり、前記ドーパントは、前記熱処理の結果、前記不活性化導電性膜から前記界面不活性化層全体にわたって、少なくとも部分的に拡散し、前記の短縮された電荷キャリア流路を提供している、不活性化導電性膜と;
前記不活性化導電性膜上に施された、電極としての金属被覆と;
を含む太陽電池。
【請求項2】
前記太陽電池の後方部に良好な内部反射鏡を形成するための、反射防止層、及び/又は、低反射率層を更に含む、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記不活性化導電性膜が多結晶膜であり、前記熱処理が、前記不活性化導電性膜の結晶化を開始させるものである、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記熱処理が、前記多結晶膜の結晶化と、上昇した光透過率をもたらす、請求項3に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記熱処理が、前記不活性化導電性膜中のドーピング原子を活性化する、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記界面不活性化層及び前記不活性化導電性膜は、アモルファスのシリコン含有化合物の熱処理によって形成される、表面を不活性化する界面層と、高透過性を有する高ドープされた多結晶不活性化層に分離した多機能性膜である、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記界面不活性化層は、前記熱処理によって形成された穿孔を含み、前記穿孔は、前記基板と前記不活性化導電性膜との間のキャリアの輸送を可能にするものである、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記熱処理は500℃超であり、前記不活性化導電性膜中のドーピング原子が活性化し、ドーパント原子の拡散をもたらし、その結果、ドーパントは前記不活性化導電性膜から前記界面不活性化層へと拡散される、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記ドーパントがリンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項10】
前記ドーパントがホウ素を含むことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項11】
前記界面不活性化層が、酸化物を含む、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項12】
前記酸化物が、シリコン酸化物及びアルミニウム酸化物から選択される、請求項11に記載の太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池に関する。より詳細には、本発明は、電池の高効率化のために改良された太陽電池構造体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願情報
本出願は、2009年4月21日に出願され、出願番号第61/171,194号を割り当てられた、「High-Efficiency Solar Cell Structures and Methods of Manufacture」と題される先願の米国仮出願の利益を主張するものである。該出願は、ここに、参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。本発明の全態様が、上述の出願の任意の開示との組合せにおいて利用することができる。
【0003】
太陽電池は、実質的に無限の量の太陽エネルギーを利用可能な電力へと変換することにより、社会に広く利益をもたらしている。太陽電池の利用が増えるにつれ、大量生産および効率などの特定の経済的要素が重要となる。
【0004】
大量生産は、製造ステップの数および各ステップの複雑さを最小限に抑えることができる場合には、高い費用対効果および効率を実現するものと一般的には考えられている。
【0005】
本産業においては、完成された太陽電池の効率が20%以上であることが非常に望ましいものとされるが、このような効率の電池の既知の実施形態は、しばしば電池構造の複雑化および/または製造の複雑化が問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、高い作動効率を実現し、高い費用効率で製造することの可能な太陽電池が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によって、先行技術の欠点が克服され、さらなる利点がもたらされるが、本発明一態様において、概して中心基板、導電層(および複数の導電層)、非反射層(および複数の非反射層)、不活性化層(および複数の不活性化層)、および/または電極(および複数の電極)を備える以下に開示される太陽電池構造体のいずれか1つまたはそれらの組合せにその範囲が及ぶ。多機能層が、不活性化、透過性、垂直方向キャリア流に十分な導電性、接合部、および/または様々な度合いの非反射性からなる機能の組合せを実現する。また、単面CVD蒸着プロセスならびに層形成および/または層転化のための熱処理を含む改良された製造方法が開示される。
【0008】
一態様においては、本発明は、中心基板としてのウェーハを用意するステップと、この基板を覆って界面不活性化層を蒸着または成長するステップと、この不活性化層を覆って導電層を蒸着するステップと、熱処理を実施するステップと、非反射層(場合によっては後面ミラーを含む)を蒸着する任意ステップと、電極としての金属被覆を施すステップとを含む、これらの構造体のいずれかを製造する方法を含む。
【0009】
一実施形態においては、本発明は、熱処理を実施して、表面を不活性化する界面層と、高透過性を有する高ドープされた多結晶不活性化層とに分離する多機能性膜を作製するステップを含む。
【0010】
一実施形態においては、本発明は、アモルファスのシリコン含有化合物を蒸着するスップと、熱処理を利用して多結晶膜への結晶化を開始させるステップとを含む。
【0011】
一実施形態においては、本発明は、アモルファスのシリコン含有化合物を蒸着するステップと、熱処理を利用することにより、この膜の結晶化を生じさせ、光学的透過性を上昇させるステップとを含む。
【0012】
一実施形態においては、本発明は、アモルファスのシリコン含有化合物を蒸着するステップと、熱処理を利用してこの化合物中のドーピング原子を活性化させるステップとを含む。
【0013】
一実施形態においては、本発明は、アモルファスのシリコン含有化合物を蒸着するステップと、500℃超の熱処理を利用してこの化合物中のドーピング原子を活性化させ、ドーパント原子の基板ウェーハ内への拡散を引き起こすことにより、高低接合部またはpn接合部を形成するステップとを含む。
【0014】
さらに、上記において概説した方法に対応するシステムおよびコンピュータプログラム製品が、本明細書において説明され、特許請求される。
【0015】
さらに、本発明の技術により、さらなる特徴および利点が実現される。本発明の他の実施形態および態様が、本明細書に詳細に説明されるが、これらは、特許請求される本発明の一部と見なされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明と見なされる主題は、本明細書の最後の特許請求の範囲において、詳細に示され、明確に特許請求される。添付の図面と組み合わされる以下の詳細な説明から、本発明の前述のおよび他の目的、特徴、および利点が明らかになる。
【0017】
図1】ドープされたポリシリコン層および不活性化された界面を有するn型結晶シリコン太陽電池のエネルギーバンド図である。
図2】前方接合部p型ウェーハの1タイプの少数キャリア流および多数キャリア流を示す、太陽電池の部分断面図である。
図3】後方接合部p型ウェーハの1タイプの少数キャリア流および多数キャリア流を示す、太陽電池の部分断面図である。
図4】前方接合部n型ウェーハの1タイプの少数キャリア流および多数キャリア流を示す、太陽電池の部分断面図である。
図5】後方接合部n型ウェーハの1タイプの少数キャリア流および多数キャリア流を示す、太陽電池の部分断面図である。
図6】n型前方部、n型ウェーハまたはp型ウェーハ、およびp型後方部を有する、太陽電池の部分断面図である。
図7】両面構成においてn型前方部、n型ウェーハまたはp型ウェーハ、p型後方部を有する、太陽電池の部分断面図である。
図8】n型前方部、n型ウェーハ、p型後方部を有し、非反射コーティングの絶縁を含む、太陽電池の部分断面図である。
図9】n型前方部、n型ウェーハ、p型後方部を有し、多機能性、透過性、かつ導電性の高ドープされたシリコン化合物層を含む、太陽電池の部分断面図である。
図10】n型ウェーハまたはp型ウェーハ、前方層のいくつかの改良点を有するn型前方部、およびp型後方部を有する、太陽電池の部分断面図である。
図11】p型前方部、n型ウェーハまたはp型ウェーハ、n型後方部を有する、太陽電池の部分断面図である。
図12】両面構成においてp型前方部、n型ウェーハまたはp型ウェーハ、n型後方部を有する、太陽電池の部分断面図である。
図13】p型前方部、p型ウェーハ、n型後方部を有し、非反射コーティングの絶縁を含む、太陽電池の部分断面図である。
図14】p型前方部、p型ウェーハ、n型後方部を有し、多機能性、透過性、かつ導電性の高ドープされたシリコン化合物層を含む、太陽電池の部分断面図である。
図15】n型ウェーハまたはp型ウェーハ、前方層のいくつかの改良点を有するp型前方部、およびn型後方部を有する、太陽電池の部分断面図である。
図16】電池へと圧着または接合される埋め込み電極を有するガラスまたは他の透過性膜を有する、太陽電池の部分断面図である。
図17】後方部上に局在化電極を備える、電池へと圧着または接合される埋め込み電極を有するガラスまたは他の透過性膜を有する、太陽電池の部分断面図である。
図18】追加のシリコンバッファ層が中に形成された、太陽電池の部分断面図である。
【0018】
これらの図面は全て、本発明によるものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1図5の例示的な太陽電池のエネルギーバンド図および部分断面図を参照すると、好ましくは、太陽放射が、通常は前面と呼ばれる太陽電池の一方の表面を照射することが想定される。入射する光子から電気エネルギーへの高いエネルギー変換効率を実現するためには、この電池を形成するシリコン基板材料内における効率的な光子の吸収が重要となる。これは、基板自体を除く全ての層内における光子の低寄生光吸収によって実現することが可能である。
【0020】
簡明化のために、層表面の幾何学的表面形状(例えばピラミッドまたは他の表面組織(surface texture)などの表面組織を層表面上に形成することが可能である)は、これらの図面に示さないが、幾何学的形状および/または表面は、太陽電池効率の向上に有益である任意の形状で組織化(textured)されてもよく、本発明の範囲内に含まれることが理解されよう。
【0021】
高い太陽電池効率にとって重要な1つのパラメータは、表面不活性化である。表面不活性化は、太陽電池内におけるある物理的表面の、またはその近傍の、電子と正孔との再結合の抑制をもたらす。表面再結合は、誘電体層の塗布により低減させることが可能である。これらの層は、界面状態密度を低下させ、したがって再結合中心の個数を低減させる。2つの例が、熱成長シリコン酸化物およびPECVD蒸着シリコン窒化物である。表面を不活性化する層の別の例が、真正アモルファスシリコンである。さらに、これらの層は、この仕組みにより異極性のキャリアの個数を低減させ再結合率を低下させる電荷を生じさせることが可能である。2つの例が、シリコン窒化物およびアルミニウム酸化物である。
【0022】
表面付近のあるタイプのキャリアの量を低減させる別の方法は、層ドープタイプの同一のまたは逆のドープのドーピング原子の拡散である。この場合には、高低接合部(後表面場または前表面場とも通常呼ばれる)またはpn接合部を得るために、層ドープを超えるレベルのドープが必要となる。これは、上述の表面不活性化の他の方法と組み合わせることが可能である。
【0023】
表面不活性化は、高効率太陽電池の実現において重要な役割を果たし得る。本発明による以下に説明される太陽電池構造体の殆どにおいては、多層または多機能層が、優れた表面不活性化を実現することが可能である。これは、非常に急勾配のドーププロファイルと、基板の少数キャリアが通過するトンネルバリアをもたらす低い界面状態密度および高いバンドギャップを有する層を使用することによる界面の追加的な不活性化とにより実現することが可能である。対応するエネルギーバンド図が、図1に示される。実線は、不活性化された界面およびドープされた多結晶シリコン不活性化層を有するn型結晶シリコンウェーハのケースを示す。破線は、時としてヘテロ接合電池と呼ばれる、n型結晶シリコンウェーハと、真正アモルファスシリコンの上にドープされたアモルファスシリコン層が形成された二層構造体とのケースを示す。
【0024】
これらの構造体は、高効率太陽電池に別の利点をもたらす。すなわち、接触子の下方の区域における再結合が、接触子を有さない区域と同程度まで低くなり得る。これらの接触子は、不活性化によりシールドされ得る。その結果、この接触区域は、光学特性が最適化され、したがって抵抗損失が低減され得るが、キャリア再結合が低減される。
【0025】
材料、ドープタイプ、およびドープ濃度の選択に応じて、開示される電池構造体は、前方接合電池または後方接合電池として分類することができる。前方接合電池においては、少数キャリア(p型ウェーハの場合にはこれらは電子である)は、照射側に集められる。後方接合電池においては、少数キャリアは、照射とは逆の側に集められる。概して、p型ウェーハおよびn型ウェーハについての図2図5の太陽電池の部分断面図に、電流パターンが示される。
【0026】
図2は、太陽電池20についてのキャリア流を示す。太陽電池20において、少数キャリア(実線)は、前方接合を有するp型ウェーハ25から前方電極21まで流れる。電子は、電極21に達するために、薄いn型エミッタ22内の側方流を利用する必要があり、エミッタ22の側方シート抵抗が、抵抗損失を増大させる。多数キャリア(破線)は、全面後方電極29への最短の幾何学的経路を利用することが可能である。
【0027】
図3は、後方接合を有するp型ウェーハ35からの太陽電池30についてのキャリア流を示す。多数キャリア(破線)は、前方電極31に達するために、全体のウェーハ導電性を利用することが可能である。少数キャリア(実線)は、背面n型エミッタ38に達するために、最短の幾何学的経路を利用することが可能であり、エミッタ内におけるこれらの搬送は、側方が主要となるのではなく垂直方向となる。この後方接合構造体は、エミッタ層の側方導電性のための要件を低減させる。
【0028】
図4は、太陽電池40についてのキャリア流を示す。太陽電池40において、少数キャリア(実線)は、前方接合を有するn型ウェーハ45から前方電極41まで流れる。正孔は、電極41に達するためには、薄いp型エミッタ42内の側方流を利用する必要があり、エミッタの側方導電性が、抵抗損失を生じさせる。多数キャリア(破線)は、全面後方電極49への最短の幾何学的経路を利用することが可能である。
【0029】
図5は、後方接合を有するn型ウェーハ55からの太陽電池50についてのキャリア流を示す。多数キャリア(破線)は、前方電極51に達するために、全体的なウェーハ導電性を利用することが可能である。少数キャリア(実線)は、背面p型エミッタ58に達するために、最短の幾何学的経路を利用することが可能であり、エミッタ内におけるこれらの搬送は、側方が主要となるのではなく垂直方向となる。この後方接合構造体は、エミッタ層の側方導電性のための要件を低減させる。
【0030】
全面後方接触子を有する後方接合電池は、少数キャリアが接触子に達するためにエミッタ内を側方に流れる必要がなく、エミッタ内におけるこれらの搬送が主に垂直方向となるという利点を有する。これにより、エミッタ内における少数キャリアの側方搬送に付随する損失が低下する。全ての接触区域の被覆が、この構造体のこの特性から利点を引き出すための要件であるため、シールドされた接触子が、重要となる。これは例えば、金属が、あらゆる位置においてこの層に接触し(「全ての接触区域の被覆」)、例えば図4のエミッタ内におけるのと同様に、少数キャリアが最も近い接触子の方向に側方に流れる必要がないという理由によるものである。
例示的な電池構造体:n型前方部、n型ウェーハまたはp型ウェーハ、p型後方部
【0031】
図6は、n型前方部、n型ウェーハまたはp型ウェーハ、およびp型後方部を有する太陽電池60の部分断面図である。
【0032】
金属電極61および69が、外方層62および68の上にそれぞれ位置決めされる。これは、この金属が、ウェーハに接触するまで下層を貫通する必要がないという利点を有する。さらに、シリコンバルクウェーハ65が、これらの接触界面からシールドされ、したがって、接触界面のキャリア再結合が、最小限に抑えられる。この構造体は、n型前方表面を有し、この表面は、p型ウェーハ65については、前方部上に少数キャリア(電子)を集める。したがって、組み合わされる層62、63、および64の例えば500 Ohm/平方の最大側方シート抵抗率が必要となる。n型ウェーハについては、この構造体は、後方部上に少数キャリア(正孔)を集める。したがって、この太陽電池における電流パターンは、異なり、層62の側方導電性の要件が、比較的重要ではなくなる。電池60の例示的な層には、以下のものが含まれる。
【0033】
61:前方金属電極。
【0034】
62:透過性の導電性膜。屈折率は、1.4<n<3の範囲であり、厚さは、20nm<厚さ<110nmの範囲であり、シート抵抗率は、p型ウェーハ(前方接合太陽電池)については500 Ohm/平方未満であり、比抵抗率は、n型ウェーハ(後方接合太陽電池)についてはrho<1000 Ohm・cmの範囲となる。例としては、インジウムスズ酸化物、アルミニウムをドープされた亜鉛酸化物、フッ素をドープされたスズ酸化物、タンタル酸化物、アンチモンスズ酸化物、ゲルマニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、ガリウム酸化物、カドミウムアンチモン酸化物のような透過性の導電性酸化物が含まれる。
【0035】
63:電気的に不活性化する導電性膜。1e18cm-3<ND<5e21cm-3で高nドープされ、厚さは、2nm<厚さ<50nmの範囲であり、比抵抗率は、rho<1000 Ohm・cmの範囲である。例としては、以下のものが含まれる。
・ n型アモルファスシリコン炭化物またはn型多結晶シリコン炭化物。すなわち、リンをドープされたシリコン炭化物、窒素をドープされたシリコン炭化物。
・ n型アモルファスシリコンまたはn型多結晶シリコン。すなわち、リンをドープされたアモルファスシリコン、窒素をドープされたアモルファスシリコン。
・ n型アモルファスダイヤモンド状炭素またはn型多結晶ダイヤモンド状炭素。すなわち、窒素をドープされたダイヤモンド状炭素。
【0036】
上記の例のいずれにおいても、酸素および水素が含まれてもよい(nドープされたSiCxyz、nドープされたSiNxyz)。
【0037】
64:電気的に不活性化する界面層。厚さは、<10nmであり、厚さが薄いため導電性要件はなく、厚さが薄いため吸収制限はない。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物が含まれる。
【0038】
65:n型結晶シリコンウェーハまたはp型結晶シリコンウェーハ。厚さはw<300umの範囲であり、ベース抵抗率は、n型ウェーハについては0.5 Ohm・cm<rho<20 Ohm・cmであり、p型ウェーハについては0.1 Ohm・cm<rho<100 Ohm・cmである。
【0039】
66:電気的に不活性化する界面層。厚さは、<10nmであり、厚さが薄いため導電性要件はなく、厚さが薄いため吸収制限はない。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物が含まれる。
【0040】
67:電気的に不活性化する導電性の膜。1E18~5E21/cm3で高pドープされ、比抵抗率は、rho<1000 Ohm・cmの範囲である。例としては、以下のものが含まれる。
・ p型アモルファスシリコン炭化物またはp型多結晶シリコン炭化物。すなわち、ホウ素をドープされたシリコン炭化物、アルミニウムをドープされたシリコン炭化物、ガリウムをドープされたシリコン炭化物。
・ p型アモルファスシリコンまたはp型多結晶シリコン。すなわち、ホウ素をドープされたシリコン、アルミニウムをドープされたシリコン、ガリウムをドープされたシリコン。
・ p型アモルファスダイヤモンド状炭素またはp型多結晶ダイヤモンド状炭素。すなわち、ホウ素をドープされたダイヤモンド状炭素、アルミニウムをドープされたダイヤモンド状炭素。
【0041】
上記の例のいずれにおいても、酸素および水素が含まれてもよい(pドープされたSiCxyz、pドープされたSiNxyz)。
【0042】
68:透過性のおよび導電性の膜。屈折率は、1.4<n<3の範囲であり、比抵抗率は、rho<1000オームcmの範囲である。例としては、インジウムスズ酸化物、アルミニウムをドープされた亜鉛酸化物、フッ素をドープされたスズ酸化物、タンタル酸化物、アンチモンスズ酸化物、ゲルマニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、ガリウム酸化物、カドミウムアンチモン酸化物のような導電性酸化物が含まれる。
【0043】
69:後方金属電極。
【0044】
図7は、両面構成においてn型前方部、n型ウェーハまたはp型ウェーハ、p型後方部を有する太陽電池70の部分断面図である。電池70は、電池60と同様であるが、後方部上に局所的電極79を備える。後方部上のこの局所的構造物により、太陽電池の背面から衝突する光子は、ウェーハ75内に吸収され、電子‐正孔対を生じさせることが可能となる。これは、低い追加モジュール製造コストおよび追加モジュール設置コストでアルベド(albedo)を利用することが可能な屋外作動条件下において太陽電池により生成される電力出力を上昇させることが可能である。
【0045】
図8は、n型前方部、n型ウェーハ、p型後方部を有し、非反射コーティングの絶縁を含む、太陽電池80の部分断面図である。この構造体は、電池構造体60および70の前方表面上の導電層が高い吸収率を有するような材料の組合せの場合に特に有利である。接触層83の上に直に電極81を配置することにより、層82の導電性要件が適用不要となり、従来的な非反射コーティング膜(これは絶縁体である)を使用することが可能となる。電池80の例示的な層には、以下のものが含まれる。
【0046】
81:前方金属電極。
【0047】
82:非反射膜。屈折率は、1.4<n<3の範囲であり、厚さは、20nm<厚さ<110nmの範囲である。例としては、シリコン窒化物、シリコン炭化物、シリコン酸化物、透過性導電性酸化物が含まれる。
【0048】
83:電気的に不活性化する導電性の膜。厚さは、<110nmであり、1e18cm-3<ND<5e21cm-3で高nドープされ、比抵抗率は、rho<1000 Ohm・cmの範囲である。例としては、以下のものが含まれる。
・ n型アモルファスシリコン炭化物またはn型多結晶シリコン炭化物。すなわち、リンをドープされたシリコン炭化物、窒素をドープされたシリコン炭化物。
・ n型アモルファスシリコンまたはn型多結晶シリコン。すなわち、リンをドープされたアモルファスシリコン、窒素をドープされたアモルファスシリコン。
・ n型アモルファスダイヤモンド状炭素またはn型多結晶ダイヤモンド状炭素。すなわち、窒素をドープされたダイヤモンド状炭素。
【0049】
上記の例のいずれにおいても、酸素および水素が含まれてもよい(nドープされたSiCxyz、nドープされたSiNxyz)。
【0050】
84:電気的に不活性化する界面層。厚さは、<10nmであり、厚さが薄いため導電性要件はなく、厚さが薄いため吸収制限はない。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物が含まれる。
【0051】
85:n型結晶シリコンウェーハ。厚さはw<300umの範囲であり、ベース抵抗率は、n型ウェーハについては0.5 Ohm・cm<rho<20 Ohm・cmである。
【0052】
86:電気的に不活性化する界面層。厚さは、<10nmであり、厚さが薄いため導電性要件はなく、厚さが薄いため吸収制限はない。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物が含まれる。
【0053】
87:電気的に不活性化する導電性の膜。1e18cm-3<NA<5e21cm-3で高pドープされ、比抵抗率は、rho<1000 Ohm・cmの範囲である。例としては、以下のものが含まれる。
・ p型アモルファスシリコン炭化物またはp型多結晶シリコン炭化物。すなわち、ホウ素をドープされたシリコン炭化物、アルミニウムをドープされたシリコン炭化物、ガリウムをドープされたシリコン炭化物。
・ p型アモルファスシリコンまたはp型多結晶シリコン。すなわち、ホウ素をドープされたシリコン、アルミニウムをドープされたシリコン、ガリウムをドープされたシリコン。
・ p型アモルファスダイヤモンド状炭素またはp型多結晶ダイヤモンド状炭素。すなわち、ホウ素をドープされたダイヤモンド状炭素、アルミニウムをドープされたダイヤモンド状炭素。
【0054】
上記の例のいずれにおいても、酸素および水素が含まれてもよい(pドープされたSiCxyz、pドープされたSiNxyz)。
【0055】
88:透過性のおよび導電性の膜。屈折率は、1.4<n<3の範囲であり、比抵抗率は、rho<1000 Ohm・cmの範囲である。例としては、インジウムスズ酸化物、アルミニウムをドープされた亜鉛酸化物、フッ素をドープされたスズ酸化物、タンタル酸化物、アンチモンスズ酸化物、ゲルマニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、ガリウム酸化物、カドミウムアンチモン酸化物のような透過性の導電性酸化物が含まれる。
【0056】
89:後方金属電極。
【0057】
図9は、n型前方部、n型ウェーハ、p型後方部を有し、多機能性、透過性、かつ導電性の高ドープされたシリコン化合物層を含む、太陽電池90の部分断面図である。本発明のこの態様は、上述の他の開示の改良である。その理由として、例えば図6の太陽電池60の層62および63(および本明細書において開示される任意の他の実施形態における任意の他の同様の層)の機能が、図9に図示される多機能層93aへと集約される。この層は、電気的に不活性化し、透過性であり、電極への垂直方向のキャリア流にとって十分な導電性を有し(後方接合太陽電池)、ウェーハ95との接合部を形成し、および/または、入射光の反射率を低下させる(例えば非反射コーティング)。後方では、層97aは、例えば図6の太陽電池60の層67および68(および本明細書において開示される任意の他の実施形態における任意の他の同様の層)の機能を集約することが可能である。層97aは、ウェーハ95との接合部を形成し、900nmを上回る波長の光子に対する高い反射性をもたらす屈折率を有し、ウェーハ95から金属電極99までの垂直方向のキャリア流にとって十分な導電性を有する。電池90の例示的な層には、以下のものが含まれる。
【0058】
91:前方金属電極。
【0059】
93a:電気的に不活性化する透過性の導電性膜。屈折率は、1.4<n<3の範囲であり、厚さは、20nm<厚さ<100nmの範囲であり、比抵抗率は、n型ウェーハ(後方接合太陽電池)についてはrho<1000 Ohm・cmの範囲であり、1e18cm-3<ND<5e21cm-3で高nドープされる。例としては、以下のものが含まれる。
・ n型アモルファスシリコン炭化物またはn型多結晶シリコン炭化物。すなわち、リンをドープされたシリコン炭化物、窒素をドープされたシリコン炭化物。
・ n型アモルファスシリコンまたはn型多結晶シリコン。すなわち、リンをドープされたアモルファスシリコン、窒素をドープされたアモルファスシリコン。
・ n型アモルファスダイヤモンド状炭素またはn型多結晶ダイヤモンド状炭素。すなわち、窒素をドープされたダイヤモンド状炭素。
【0060】
上記の例のいずれにおいても、酸素および水素が含まれてもよい(nドープされたSiCxyz、nドープされたSiNxyz)。
【0061】
94:電気的に不活性化する界面層。厚さは、<10nmであり、厚さが薄いため導電性要件はなく、厚さが薄いため吸収制限はない。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物が含まれる。
【0062】
95:n型結晶シリコンウェーハまたはp型結晶シリコンウェーハ。厚さはw<300umの範囲であり、ベース抵抗率は、n型ウェーハについては0.5 Ohm・cm<rho<20 Ohm・cmであり、p型ウェーハについては0.1 Ohm・cm<rho<100 Ohm・cmである。
【0063】
96:電気的に不活性化する界面層。厚さは、<10nmであり、厚さが薄いため導電性要件はなく、厚さが薄いため吸収制限はない。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物が含まれる。
【0064】
97a:電気的に不活性化する透過性導電性の膜。比抵抗率は、rho<1000Ohm・cmの範囲である。例としては、以下のものが含まれる。
・ p型アモルファスシリコン炭化物またはp型多結晶シリコン炭化物。すなわち、ホウ素をドープされたシリコン炭化物、アルミニウムをドープされたシリコン炭化物、ガリウムをドープされたシリコン炭化物。
・ p型アモルファスシリコンまたはp型多結晶シリコン。すなわち、ホウ素をドープされたシリコン、アルミニウムをドープされたシリコン、ガリウムをドープされたシリコン。
・ p型アモルファスダイヤモンド状炭素またはp型多結晶ダイヤモンド状炭素。すなわち、ホウ素をドープされたダイヤモンド状炭素、アルミニウムをドープされたダイヤモンド状炭素。
【0065】
上記の例のいずれにおいても、酸素および水素が含まれてもよい(pドープされたSiCxyz、pドープされたSiNxyz)。
【0066】
99:後方金属電極。
【0067】
図10は、n型ウェーハまたはp型ウェーハ、前方層のいくつかの改良点を有するn型前方部、およびp型後方部を有する、太陽電池100の部分断面図である。背面表面構造部(便宜上省略されている)が、本明細書において説明される他の構造部のいずれかに従って実装され得る。
【0068】
この構造体は、例えば上述の構造体の前方表面などの上の層x3およびx4が許容度を超える高い吸収率を有するような材料の組合せの場合に特に有利である。(これらのx3およびx4という表記は、以下においてさらに説明されるが、それぞれ3、3a、4、4aで終わる参照数字を有する上述の層のいずれかを表す)。電池100においては、接触子の下方のみに層103および104を配置することにより、それらの光学特性(屈折率、吸収率)が、電池の効率にとって重要なものではなくなる。抵抗損失は、接触子101への垂直方向のキャリア流によってのみ引き起こされる。さらに、層102、104b、および105bが、接触子をシールドする必要はなく、そのためこれらの層の透過性および表面不活性化についての最適化が可能となる。これらの層が、実際に側方導電性をもたらすものである場合には、接触子の方向への電流が促進され、接触構造部同士を互いからさらに離して配置することが可能となる。これは、光学的陰影損失(optical shading loss)を低下させる。この構造体は、層102、104b、および105bの側方導電性要件が適用不要となることから、後方接合部との組合せにおいて最も良く機能する。電池100の例示的な層には、以下のものが含まれる。
【0069】
101:前方金属電極。
【0070】
102:非反射膜。屈折率は、1.4<n<3の範囲であり、厚さは、<150nmである。例としては、シリコン窒化物、シリコン炭化物、シリコン酸化物、チタン酸化物、透過性導電性酸化物が含まれる。
【0071】
103:電気的に不活性化する導電性の膜。例えば、厚さは、<50nmであり、例えば、比抵抗率は、rho<1000Ohm・cmの範囲である。例としては、以下のものが含まれる。
・ n型アモルファスシリコン炭化物またはn型多結晶シリコン炭化物。すなわち、リンをドープされたシリコン炭化物、窒素をドープされたシリコン炭化物。
・ n型アモルファスシリコンまたはn型多結晶シリコン。すなわち、リンをドープされたアモルファスシリコン、窒素をドープされたアモルファスシリコン。
・ n型アモルファスダイヤモンド状炭素またはn型多結晶ダイヤモンド状炭素。すなわち、窒素をドープされたダイヤモンド状炭素。
【0072】
上記の例のいずれにおいても、酸素および水素が含まれてもよい(nドープされたSiCxyz、nドープされたSiNxyz)。
【0073】
104:電気的に不活性化する界面層。厚さは、<10nmであり、厚さが薄いため導電性要件はなく、厚さが薄いため吸収制限はない。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物が含まれる。
【0074】
104b:電気的に不活性化する界面層。厚さは、<110nmである。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物、シリコン炭化物、またはこれらの材料の中の2つ以上の積層(stacks)が含まれる。
【0075】
105:n型結晶シリコンウェーハまたはp型結晶シリコンウェーハ。厚さはw<300umの範囲であり、ベース抵抗率は、n型ウェーハについては0.5Ohm・cm<rho<20Ohm・cmであり、p型ウェーハについては0.1Ohm・cm<rho<100Ohm・cmである。
【0076】
105b:リンを拡散されたシリコン層(任意)。シート抵抗は、>70Ohm/平方である。
【0077】
上述の構造体は、相互に排他的なものではなく、本発明に従って、ある構造体の任意の特徴を本明細書の任意の他の構造体に適用することが可能である。
例示的な電池構造体:p型前方部、n型ウェーハまたはp型ウェーハ、n型後方部
【0078】
図11は、p型前方部、n型ウェーハまたはp型ウェーハ、n型後方部を有する太陽電池110の部分断面図である。
【0079】
この電池においては、金属電極111および119が、外方層112および118の上にそれぞれ配置される。これは、この金属が、ウェーハに接触するまで下層を貫通する必要がないという利点をもたらす。さらに、シリコンバルクウェーハ115が、これらの接触界面からシールドされ、したがって、接触界面のキャリア再結合が、最小限に抑えられる。この構造体は、p型前方表面を有する。この構造体は、n型ウェーハについては、前方部上に少数キャリア(正孔)を集める。したがって、組み合わされる層112、113、および114の500Ohm/平方の最大側方シート抵抗率が許容される。p型ウェーハについては、この構造体は、後方部上に少数キャリア(電子)を集める。したがって、この太陽電池における電流パターンは、異なり、層112の側方導電性に関する要件が、比較的重要ではなくなる。電池110の例示的な層には、以下のものが含まれる。
【0080】
111:前方金属電極。
【0081】
112:透過性のおよび導電性の膜。屈折率は、1.4<n<3の範囲であり、厚さは、<110nmであり、シート抵抗率は、n型ウェーハについては500Ohm/平方未満であり、比抵抗率は、p型ウェーハについてはrho<1000Ohm・cmの範囲である。例としては、インジウムスズ酸化物、アルミニウムをドープされた亜鉛酸化物、フッ素をドープされたスズ酸化物、タンタル酸化物、アンチモンスズ酸化物、ゲルマニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、ガリウム酸化物、カドミウムアンチモン酸化物のような透過性の導電性酸化物が含まれる。
【0082】
113:電気的に不活性化する導電性の膜。1e18cm-3<NA<5e21cm-3で高pドープされ、比抵抗率は、rho<1000Ohm・cmの範囲である。例としては、以下のものが含まれる。
・ p型アモルファスシリコン炭化物またはp型多結晶シリコン炭化物。すなわち、ホウ素をドープされたシリコン炭化物、アルミニウムをドープされたシリコン炭化物、ガリウムをドープされたシリコン炭化物。
・ p型アモルファスシリコンまたはp型多結晶シリコン。すなわち、ホウ素をドープされたシリコン、アルミニウムをドープされたシリコン、ガリウムをドープされたシリコン。
・ p型アモルファスダイヤモンド状炭素またはp型多結晶ダイヤモンド状炭素。すなわち、ホウ素をドープされたダイヤモンド状炭素、アルミニウムをドープされたダイヤモンド状炭素。
【0083】
上記の例のいずれにおいても、酸素および水素が含まれてもよい(pドープされたSiCxyz、pドープされたSiNxyz)。
【0084】
114:電気的に不活性化する界面層。<10nmであり、厚さが薄いため導電性要件はなく、厚さが薄いため吸収制限はない。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物が含まれる。
【0085】
115:n型結晶シリコンウェーハまたはp型結晶シリコンウェーハ。厚さはw<300umの範囲であり、ベース抵抗率は、n型ウェーハについては0.5 Ohm・cm<rho<20 Ohm・cmであり、p型ウェーハについては0.1 Ohm・cm<rho<100 Ohm・cmである。
【0086】
116:電気的に不活性化する界面層。厚さは、<10nmであり、厚さが薄いため導電性要件はなく、厚さが薄いため吸収制限はない。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物が含まれる。
【0087】
117:電気的に不活性化する透過性の導電性膜。1e18cm-3<ND<5e21cm-3で高nドープされ、例えば、厚さは、2nm<厚さ<50nm以上の範囲であり、比抵抗率は、rho<1000 Ohm・cmの範囲である。例としては、以下のものが含まれる。
・ n型アモルファスシリコン炭化物またはn型多結晶シリコン炭化物。すなわち、リンをドープされたシリコン炭化物、窒素をドープされたシリコン炭化物。
・ n型アモルファスシリコンまたはn型多結晶シリコン。すなわち、リンをドープされたアモルファスシリコン、窒素をドープされたアモルファスシリコン。
・ n型アモルファスダイヤモンド状炭素またはn型多結晶ダイヤモンド状炭素。すなわち、窒素をドープされたダイヤモンド状炭素。
【0088】
上記の例のいずれにおいても、酸素および水素が含まれてもよい(nドープされたSiCxyz、pドープされたSiNxyz)。
【0089】
118:透過性のおよび導電性の膜。屈折率は、1.4<n<3の範囲であり、比抵抗率は、rho<1000 Ohm・cmの範囲である。例としては、インジウムスズ酸化物、アルミニウムをドープされた亜鉛酸化物、フッ素をドープされたスズ酸化物、タンタル酸化物、アンチモンスズ酸化物、ゲルマニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、ガリウム酸化物、カドミウムアンチモン酸化物のような透過性の導電性酸化物が含まれる。
【0090】
119:後方金属電極。
【0091】
図12は、両面構成においてp型前方部、n型ウェーハまたはp型ウェーハ、n型後方部を有する太陽電池120の部分断面図である。電池120は、電池110と同様であるが、後方部上に局所的電極129を備える。後方部上のこの局所的構造物により、太陽電池の背面から衝突する光子は、ウェーハ125内に吸収され、電子‐正孔対を生じさせることが可能となる。これは、低い追加モジュール製造コストおよび追加モジュール設置コストでアルベド(albedo)を利用することが可能な屋外作動条件下において太陽電池の効率を向上させることが可能である。
【0092】
図13は、p型前方部、p型ウェーハ、n型後方部を有し、非反射コーティングの絶縁を含む、太陽電池130の部分断面図である。この構造体は、電池構造体110および120の前方表面上の導電層が高い吸収率を有するような材料の組合せの場合に特に有利である。接触層133の上に直に電極131を配置することにより、層132の導電性要件が適用不要となり、従来的な非反射コーティング膜(これは絶縁体である)を使用することが可能となる。この構造体は、層133および134の側方導電性要件が重要ではなくなることから、後方接合部との組合せにおいて最も良く機能する。電池130の例示的な層には、以下のものが含まれる。
【0093】
131:前方金属電極。
【0094】
132:非反射膜。屈折率は、1.4<n<3の範囲で、<150nmである。例としては、シリコン窒化物、シリコン炭化物、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、透過性導電性酸化物が含まれる。
【0095】
133:電気的に不活性化する透過性の導電性膜。厚さは、<110nmであり、比抵抗率は、rho<1000 Ohm・cmの範囲である。例としては、以下のものが含まれる。
・ p型アモルファスシリコン炭化物またはp型多結晶シリコン炭化物。すなわち、ホウ素をドープされたシリコン炭化物、アルミニウムをドープされたシリコン炭化物、ガリウムをドープされたシリコン炭化物。
・ p型アモルファスシリコンまたはp型多結晶シリコン。すなわち、ホウ素をドープされたシリコン、アルミニウムをドープされたシリコン、ガリウムをドープされたシリコン。
・ p型アモルファスダイヤモンド状炭素またはp型多結晶ダイヤモンド状炭素。すなわち、ホウ素をドープされたダイヤモンド状炭素、アルミニウムをドープされたダイヤモンド状炭素。
【0096】
上記の例のいずれにおいても、酸素および水素が含まれてもよい(pドープされたSiCxyz、pドープされたSiNxyz)。
【0097】
134:電気的に不活性化する界面層。厚さは、<10nmであり、厚さが薄いため導電性要件はなく、厚さが薄いため吸収制限はない。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物が含まれる。
【0098】
135:p型結晶シリコンウェーハ。厚さはw<300umの範囲であり、ベース抵抗率は、p型ウェーハについては0.1 Ohm・cm<rho<100 Ohm・cmである。
【0099】
136:電気的に不活性化する界面層。厚さは、<10nmであり、厚さが薄いため導電性要件はなく、厚さが薄いため吸収制限はない。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物が含まれる。
【0100】
137:電気的に不活性化する透過性の導電性膜。1e18cm-3<ND<5e21cm-3で高nドープされ、比抵抗率は、rho<1000 Ohm・cmの範囲である。例としては、以下のものが含まれる。
・ n型アモルファスシリコン炭化物またはn型多結晶シリコン炭化物。すなわち、リンをドープされたシリコン炭化物、窒素をドープされたシリコン炭化物。
・ n型アモルファスシリコンまたはn型多結晶シリコン。すなわち、リンをドープされたアモルファスシリコン、窒素をドープされたアモルファスシリコン。
・ n型アモルファスダイヤモンド状炭素またはn型多結晶ダイヤモンド状炭素。すなわち、窒素をドープされたダイヤモンド状炭素。
【0101】
上記の例のいずれにおいても、酸素および水素が含まれてもよい(nドープされたSiCxyz、nドープされたSiNxyz)。
【0102】
138:透過性のおよび導電性の膜。屈折率は、1.4<n<3の範囲であり、比抵抗率は、rho<1000 Ohm・cmの範囲である。例としては、インジウムスズ酸化物、アルミニウムをドープされた亜鉛酸化物、フッ素をドープされたスズ酸化物、タンタル酸化物、アンチモンスズ酸化物、ゲルマニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、ガリウム酸化物、カドミウムアンチモン酸化物のような透過性の導電性酸化物が含まれる。
【0103】
139:後方金属電極。
【0104】
図14は、p型前方部、p型ウェーハ、n型後方部を有し、多機能性、透過性、かつ導電性の高ドープされたシリコン化合物層を含む、太陽電池140の部分断面図である。本発明のこの態様は、上述の他の開示の改良である。その理由は、例えば図11の太陽電池110の層112および113(および本明細書において開示される任意の他の実施形態における任意の他の同様の層)の機能が、図14に図示される多機能層143aへと集約されているからである。この層は、電気的に不活性化し、透過性であり、電極への垂直方向のキャリア流にとって十分な導電性を有し(後方接合太陽電池)、ウェーハ145との接合部を形成し、および/または、入射光の反射率を低下させる(例えば非反射コーティング)。背面では、147aは、例えば図11の太陽電池110の層117および118(および本明細書において開示される任意の他の実施形態における任意の他の同様の層)の機能を集約することが可能である。層147aは、ウェーハ145との接合部を形成し、900nmを上回る波長の光子に対する高い反射性をもたらす屈折率を有し、ウェーハ145から金属電極149までの垂直方向のキャリア流にとって十分な導電性を有する。電池140の例示的な層には、以下のものが含まれる。
【0105】
141:前方金属電極。
【0106】
143a:電気的に不活性化する透過性の導電性膜。屈折率は、1.4<n<3の範囲であり、厚さは、<150nmであり、比抵抗率は、rho<1000 Ohm・cmの範囲である。例としては、以下のものが含まれる。
・ p型アモルファスシリコン炭化物またはp型多結晶シリコン炭化物。すなわち、ホウ素をドープされたシリコン炭化物、アルミニウムをドープされたシリコン炭化物、ガリウムをドープされたシリコン炭化物。
・ p型アモルファスシリコンまたはp型多結晶シリコン。すなわち、ホウ素をドープされたシリコン、アルミニウムをドープされたシリコン、ガリウムをドープされたシリコン。
・ p型アモルファスダイヤモンド状炭素またはp型多結晶ダイヤモンド状炭素。すなわち、ホウ素をドープされたダイヤモンド状炭素、アルミニウムをドープされたダイヤモンド状炭素。
【0107】
上記の例のいずれにおいても、酸素および水素が含まれてもよい(pドープされたSiCxyz、nドープされたSiNxyz)。
【0108】
144:電気的に不活性化する界面層。厚さは、<10nmであり、厚さが薄いため導電性要件はなく、厚さが薄いため吸収制限はない。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物が含まれる。
【0109】
145:n型結晶シリコンウェーハまたはp型結晶シリコンウェーハ。厚さは、w<300umの範囲であり、ベース抵抗率は、n型ウェーハについては0.5 Ohm・cm<rho<20 Ohm・cmであり、p型ウェーハについては0.1 Ohm・cm<rho<100 Ohm・cmである。
【0110】
146:電気的に不活性化する界面層。厚さは、<10nmであり、厚さが薄いため導電性要件はなく、厚さが薄いため吸収制限はない。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物が含まれる。
【0111】
147a:電気的に不活性化する透過性の導電性膜。比抵抗率は、rho<1000 Ohm・cmの範囲であり、1E18cm-3<ND<5E21cm-3で高nドープされる。例としては、以下のものが含まれる。
・ n型アモルファスシリコン炭化物またはn型多結晶シリコン炭化物。すなわち、リンをドープされたシリコン炭化物、窒素をドープされたシリコン炭化物。
・ n型アモルファスシリコンまたはn型多結晶シリコン。すなわち、リンをドープされたアモルファスシリコン、窒素をドープされたアモルファスシリコン。
・ n型アモルファスダイヤモンド状炭素またはn型多結晶ダイヤモンド状炭素。すなわち、窒素をドープされたダイヤモンド状炭素。
【0112】
上記の例のいずれにおいても、酸素および水素が含まれてもよい(nドープされたSiCxyz、nドープされたSiNxyz)。
【0113】
149:後方金属。
【0114】
図15は、n型ウェーハまたはp型ウェーハ、前方層のいくつかの改良点を有するp型前方部、およびn型後方部を有する、太陽電池150の部分断面図である。背面表面構造部(便宜上省略されている)が、本明細書において説明される他の構造部のいずれかに従って実装され得る。
【0115】
この構造体は、例えば上述の構造体の前方表面などの上の層xx3およびxx4が許容度を超える高い吸収率を有するような材料の組合せの場合に特に有利である。電池150においては、接触子の下方にのみ層153および154を配置することにより、それらの光学特性(屈折率、吸収率)が、電池の効率にとって重要なものではなくなる。抵抗損失は、接触子151への垂直方向のキャリア流によってのみ引き起こされる。さらに、層152、154b、および155bが、接触子をシールドする必要はなく、そのためこれらの層の透過性および表面不活性化についての最適化が可能となる。これらの層が、実際に側方導電性をもたらす場合には、接触子の方向への電流が促進され、接触構造部同士を互いからさらに離して配置することが可能となる。これは、光学的陰影損失を低下させる。この構造体は、層152、154b、および155bの側方導電性要件が適用不要となることから、後方接合部との組合せにおいて最も良く機能する。電池150の例示的な層には、以下のものが含まれる。
【0116】
151:前方金属電極。
【0117】
152:非反射膜。屈折率は、1.4<n<3の範囲であり、厚さ厚さは、<110nmである。例としては、シリコン窒化物、シリコン炭化物、シリコン酸化物、チタン酸化物が含まれる。
【0118】
153:電気的に不活性化する導電性膜。厚さは、<110nmであり、比抵抗率は、rho<1000 Ohm・cmの範囲である。例としては、以下のものが含まれる。
・ p型アモルファスシリコン炭化物またはp型多結晶シリコン炭化物。すなわち、ホウ素をドープされたシリコン炭化物、アルミニウムをドープされたシリコン炭化物、ガリウムをドープされたシリコン炭化物。
・ p型アモルファスシリコンまたはp型多結晶シリコン。すなわち、ホウ素をドープされたシリコン、アルミニウムをドープされたシリコン、ガリウムをドープされたシリコン。
・ p型アモルファスダイヤモンド状炭素またはp型多結晶ダイヤモンド状炭素。すなわち、ホウ素をドープされたダイヤモンド状炭素、アルミニウムをドープされたダイヤモンド状炭素。
【0119】
上記の例のいずれにおいても、酸素および水素が含まれてもよい(pドープされたSiCxyz、pドープされたSiNxyz)。
【0120】
154:電気的に不活性化する界面層。厚さは、<10nmであり、厚さが薄いため導電性要件はなく、厚さが薄いため吸収制限はない。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物が含まれる。
【0121】
154b:電気的に不活性化する界面層。厚さは、<10nmである。例としては、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、チタン窒化物、シリコン炭化物が含まれる。
【0122】
155:n型結晶シリコンウェーハまたはp型結晶シリコンウェーハ。厚さは、w<300umの範囲であり、ベース抵抗率は、n型ウェーハについては0.5 Ohm・cm<rho<20 Ohm・cmであり、p型ウェーハについては0.1 Ohm・cm<rho<100 Ohm・cmである。
【0123】
155b:リンを拡散されたシリコン層(任意)。シート抵抗は、>70 Ohm/平方である。
【0124】
上述の構造体は、相互に排他的なものではなく、本発明に従って、ある構造体の任意の特徴を本明細書の任意の他の構造体に適用することが可能である。
例示的な電池構造体:代替的な電極構成
【0125】
図16は、電池へと圧着または接合される埋め込み電極を有するガラスまたは他の透過性膜を有する、太陽電池160の部分断面図である。この代替形態は、上述の構造体のいずれかにも適用され、n型前方部またはp型前方部、n型ウェーハまたはp型ウェーハ、およびp型後方部またはn型後方部を備えることが可能である。電池上に直に配設される金属電極の一代替形態として、金属電極161および169が、ガラスまたは他の積層膜161aおよび169aに埋め込まれる。ガラスまたは積層膜が、圧力下において圧着または積層されると、埋め込まれた電極は、外方層162および168の頂部上にそれぞれ接触する。これは、金属を電池自体に直に配設する必要がなく、そのため電池の反りを引き起こし得る典型的な膜応力源が除去されるという利点を有する。これは、薄膜シリコンシートおよび/または非常に薄いウェーハなどの非常に大面積のウェーハを取り扱う場合に、特に有用である。上述の実施形態の多くにおいて、金属電極は、電池に接触するまで下層を貫通する必要はない。さらに、様々な導電材料を使用して、金属電極161および169と外方層162および168の表面との間の導電性を向上させることが可能である。これらの導電材料には、異方性導電膜(ACF)、導電性エポキシ、またはばね様接触プローブが含まれるが、それらに限定されない。電池160の例示的な層には、以下のもの(上述の材料のいずれかから形成することが可能であるが、ここでは簡明化のために省略される)が含まれる。
161a:埋め込み金属電極を担持するガラスプレートまたは透過性膜。
161:前方金属電極。
162:透過性の導電性膜。
163:電気的に不活性化する導電性膜。
164:電気的に不活性化する界面層。
165:n型結晶シリコンウェーハまたはp型結晶シリコンウェーハ。厚さは、w<300nmの範囲である。
166:電気的に不活性化する界面層。
167:電気的に不活性化する導電性膜。
168:透過性の導電性膜。
169:後方金属電極。
169a:埋め込み金属電極を担持するガラスプレートまたは透過性膜。
【0126】
図17は、後方部上に局在化電極179を備える、電池へと圧着または接合される埋め込み電極を有するガラスまたは他の透過性膜を有する、太陽電池170の部分断面図である。後方部上のこの局在化電極構造物により、太陽電池の背面に衝突する光子は、ウェーハ175内に吸収され、この両面構成において電子‐正孔対を生じさせることが可能となる。これは、低い追加モジュール製造コストおよび追加モジュール設置コストでアルベド(albedo)を利用することが可能な屋外作動条件下において太陽電池の効率を上昇させることが可能である。
【0127】
この代替形態は、上述の構造体のいずれかにも適用され、n型前方部またはp型前方部、n型ウェーハまたはp型ウェーハ、およびp型後方部またはn型後方部を備えることが可能である。電池上に直に配設される金属電極の一代替形態として、金属電極171および179が、ガラスまたは他の積層膜171aおよび179aに埋め込まれる。ガラスまたは積層膜が、圧力下において圧着または積層されると、埋め込まれた電極は、外方層172および178の頂部上にそれぞれ接触する。これは、金属を電池自体に直に配設する必要がなく、そのため電池の反りを引き起こし得る典型的な膜応力源が除去されるという利点を有する。これは、薄膜シリコンシートおよび/または非常に薄いウェーハなどの非常に大面積のウェーハを取り扱う場合に、特に有用である。上述の実施形態の多くにおいて、金属電極は、電池に接触するまで下層を貫通する必要はない。さらに、様々な導電材料を使用して、金属電極171および179と外方層172および178の表面との間の導電性を向上させることが可能である。これらの導電材料には、異方性導電膜(ACF)、導電性エポキシ、またはばね様接触プローブが含まれるが、それらに限定されない。電池170の例示的な層には、以下のもの(上述の材料のいずれかから形成することが可能であるが、ここでは簡明化のために省略される)が含まれる。
171a:埋め込み金属電極を担持するガラスプレートまたは透過性膜。
171:前方金属電極。
172:透過性の導電性膜。
173:電気的に不活性化する導電性膜。
174:電気的に不活性化する界面層。
175:n型結晶シリコンウェーハまたはp型結晶シリコンウェーハ。厚さは、w<300nmの範囲である。
176:電気的に不活性化する界面層。
177:電気的に不活性化する導電性膜。
178:透過性の導電性膜。
179:後方金属電極。
179a:埋め込み金属電極を担持するガラスプレートまたは透過性膜。
【0128】
上述の構造体は、相互に排他的なものではなく、本発明に従って、ある構造体の任意の特徴を本明細書の任意の他の構造体に適用することが可能である。
製造方法
【0129】
以下のプロセスの流れは、上述において開示された構造体を作製するための方法の例であるが、本発明の範囲から逸脱することなく他の方法も可能である。初めに、新着のウェーハが、表面に損傷のない状態で入手され、組織化されるかまたは他の様式でその幾何学的形状を変更されてもよく、清浄な表面を有する。上述のように、および簡明化のため、層表面の幾何学的表面形状(例えばピラミッドまたは他の表面組織などの表面組織を層表面上に形成することが可能である)は、これらの図面に示さないが、幾何学的形状および/または表面は、太陽電池効率の向上に有益である任意の形状で組織化されてもよく、本発明の範囲内に含まれることが理解されよう。
【0130】
その後の処理ステップは、以下の通りであることが可能である(「xx4」または任意の他の同様の指示数字などの表記の使用は、4、14、134、4a、14a、134a等々の「4」または「4a」で終わる、図1図18の上述の構造体のいずれかの類似の層を意味する)。
・ 界面不活性化層xx4およびxx6の蒸着または成長。
・ 層xx3およびxx7の蒸着。
・ 熱処理。
・ 層xx2およびxx8の任意の蒸着(後方部上の良好な内部反射鏡(internal mirror)のための、基本的に3.0未満、2.6未満、2.0未満、1.5未満の屈折率である低反射率層(low reflective index layer)を場合によっては含む)。
・ 金属被覆。
【0131】
上述の構造体のいずれにおいても、層(例えばxx2、xx3、xx4、xx6、xx7、およびxx8など)は、導電性であり、すなわち、金属被覆を外方層上に直に配置することが可能である(典型的な高効率太陽電池においては、これは当てはまらない。なぜならば、表面不活性化は電気絶縁体でもある材料によって通常なされるからである)。これにより、革新的な金属被覆手法が可能となり、例えば、ガラスまたは積層シート内に埋め込まれた電極を有するモジュールへと、太陽電池を積層することが可能となる。さらに、導電性シートを塗布して、電池を機械的に強化することが可能である。金属被覆の別の様式は、細い金属の線の蒸着を含むことができる。表面が導電性であるため、金属ペーストに関する要件は、低減される。なぜならば、これらの表面は、外方層に直に接触し、太陽電池に接触するようにエッチングにより絶縁層を貫通する必要がないからである。別の例は、導電性表面上への金属の直接的な蒸着(evaporation)またはスパッタリングである。
【0132】
上述の太陽電池構造体内の殆どの層は、PECVD、APCVD、LPCVD、PVD、メッキ等々の方法により蒸着または成長させることが可能である。いくつかの層および層の組合せについては、層および構造体を作製する革新的な方法が有効である場合がある。例えば、熱酸化またはプラズマ蒸着またはプラズマを用いた酸化を利用して、界面不活性化層(および複数の界面不活性化層)を形成することが可能である。
【0133】
例えば、費用効率の高い作製方法により高効率の太陽電池を実現するためには、一方の側のみに種々の特徴の膜を蒸着することが有利である。これを行うことは困難である恐れがあるが(例えばLPCVD蒸着された多結晶シリコンなどの標準的な管状炉蒸着の場合など)、PECVD蒸着は、ウェーハの他方の側への蒸着を伴うことなく一方の側に対して行うことが可能である。PECVDの手段は、産業規模で利用可能となっているが、アモルファスシリコン層または微晶シリコン層を蒸着することが可能な温度状況においてのみ作動し得る。説明した電池構造体においては、熱処理により、アモルファスシリコン層が多結晶シリコン層に変わりうる。さらにこれは、ドープされたアモルファスシリコン層またはアモルファスシリコン炭化物の化合物等々にも当てはまる。この結晶化は、シリコン/アモルファスシリコン界面層(これらが電池構造体内に存在する場合)の不活性化品質に負の影響を与える。しかし、層xx4およびxx6は、ウェーハ表面を結晶化された多結晶層から保護する。したがって、界面は、熱処理後にも依然として不活性化された状態にあり、これらの層システムは、熱処理温度においても安定状態にある。
【0134】
本発明によれば、この結晶化プロセスの際に、層の多数の特性が変化する。すなわち、ドナーまたは受容体が活性化され、光学的透過性が上昇し、水素が層から放出される。熱処理は、化合物中のドーピング原子を活性化させ、基板ウェーハ内へのドーパント原子の拡散を引き起こして、高低接合部またはpn接合部を形成させ得る。
【0135】
本発明によれば、層xx4およびxx6の良好な不活性化が、高温熱処理後にも持続する、および/または向上する。不活性化は、蒸着後に十分である場合があるが、高温熱処理により、その特性が向上し得る。不活性化は、これらの層の組成により、温度安定性(500℃、600℃、または700℃から1100℃以上まで)を有する。したがって、500℃以上での熱処理が、本発明の一態様をなす。この構造体の他の潜在的利点には、次のことが含まれ得る。すなわち、熱処理により、少なくとも界面におけるシリコン基板の結晶性は変質しないことが可能となる点である。この理由は、第1の界面層がアモルファスSiO2であり、および/または導電層がSiCであるためである。したがって、本発明の別の態様は、シリコン基板の結晶性の変質を伴うことなく熱処理を実施すること、および/または、界面不活性化層が熱処理の際に再結晶化の緩衝体として機能することを意図する。
【0136】
層の組成が、正確に選択される場合には、単一のプロセスにおいて蒸着される層が、2つ(またはそれ以上)の層へと分離する。このアモルファス蒸着される層内に含まれる酸素が、シリコン界面の方向に移動し、薄い酸化物が成長し得る。この仕組みが、酸化物含有膜xx3およびxx7を使用することにより利用される場合には、不活性化する界面層xx4およびxx6は、層xx3およびxx7より先に作製される必要はなく、したがって、説明した全ての構造体が、層xx4およびxx6を伴わずに機能することも可能となる。これと同時に、膜が結晶化し、ドーパントが活性化され得る。この効果は、上記において開示される電池90および140などの構造体を非常に短いプロセスの流れで作製するために使用することが可能であるが、この適用例に限定されない。そのような理由により、層xx3およびxx7が少量の酸素を含む場合には、あらゆる構造体内の層xx3およびxx7を使用してこの仕組みを利用することが可能となり、例示のリストは、酸素を含む同一の層によってさらに拡張される。
【0137】
不活性化する界面層xx4およびxx6ならびに高ドープされた層xx3およびxx7が、固有の応力を伴って蒸着または成長するか、または上述の結晶化のための熱処理が、応力を生じさせる場合には、これは、ウェーハ表面xx5の不活性化特性に負の影響を与える恐れがある。この負の影響を防ぐために、および図18の太陽電池180の部分断面図を参照すると、薄いシリコン膜1831および1871を不活性化膜184および186の頂部上に蒸着して、バッファ層として機能させることが可能である。図18は、それぞれ不活性化層184および186と高ドープされた層183aおよび187aとの間のシリコンバッファ層1831および1871のこのコンセプトを説明する。このコンセプトは、上記において開示される電池90および140について特に有利であるが、その適用は、これらの構造体に限定されない。
【0138】
このシリコンバッファ層は、例えばドープされないポリシリコンであることが可能である。この場合には、この膜は、両側に蒸着することが可能であるため、標準的な管状炉を使用することが可能である。不活性化層184および186が、薄い熱酸化物であるプロセスシーケンスにおいては、酸化プロセスは、同一の炉であるが異なる管内において(ウェーハの移動を省く)、またはさらには同一の管内において、多結晶シリコンの蒸着の直後に実施することが可能である。不活性化のために必要なドープは、結晶化のために利用される熱処理により、膜183aおよび187a内に含まれるドーパントを動かし、同時に層183aおよび187aから層1831および1871内にそれぞれドーパントを移動させて、それらを不活性化させ、導電性にさせることによって、生じさせることが可能である。バッファ層の許容される厚さは、頂部上に蒸着されるドープされた層のドープレベルにより、およびこのドープされた頂部層の結晶化のために利用される時間/温度プロファイルにより、決定される。ドープされない層は、ドープされた層183aおよび187aによりこの熱処理の際にドープされる。バッファ層1831および1871は、複数のシリコン層から構成することも可能である。
【0139】
この熱処理の別の効果は、不活性化する界面層184および186の再構築である。これらの層の厚さ、熱処理、およびこれらの層を覆う層に応じて、これらの層は収縮し、ビアホールが開口し(例えば穿孔が生じ)、隣接しあう層1831および1871がウェーハ185に直に接触することが可能となる。界面の非常に小さな部分により、キャリアは、層184および186を迂回することが可能となる。ビアホールが全くまたは十分には開口しないように、熱処理が選択される場合には、層184および186は、キャリアのトンネリング(tunneling)を可能にするのに十分な薄さであることが必要となる。
【0140】
本発明の他の態様は、改良された金属被覆製造方法を含む。一例においては、上述の構造体のいずれの金属被覆も、2009年4月21日に出願され、「Method for Forming Structures in a Solar Cell」と題される先行出願の米国特許仮出願第61/171,187号と、代理人整理番号第3304.002AWOとして出願され、「Method for Forming Structures in a Solar Cell」と題される同一出願人により同時に国際出願された国際特許出願とに従って形成され得る。これらの出願はそれぞれ、ここに参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。これらの出願によれば、金属被覆は、太陽電池の表面上に導電性接触/ヘテロ接触パターンを形成する方法によって形成することができ、該方法は、太陽電池の少なくとも1つの下方層を覆って薄い導電層を形成するステップと、レーザビームを利用してこの薄い導電層の大部分を除去することにより、導電性接触/ヘテロ接触パターンをそのあとに残すステップとを含む。自己整列金属被覆が、導電性接触パターンの上に形成されてもよい。この下方層は、薄い導電層の下方に不活性化層および/または非反射層を含んでもよく、この導電性接触パターンは、太陽電池の半導体層への少なくとも1つの下方層を介した電気的接触部を形成する。
【0141】
別の例においては、上述の構造体のいずれかの金属被覆が、2009年4月22日に出願され、「Localized Metal Contacts By Localized Laser Assisted Reduction Of Metal-Ions In Functional Films, And Solar Cell Applications Thereof」と題される先行出願の米国特許仮出願第61/171,491号と、代理人整理番号第3304.003AWOとして出願され、「Localized Metal Contacts By Localized Laser Assisted Conversion Of Functional Films In Solar Cells」と題される同一出願人により同時に国際出願された国際特許出願とに従って形成され得る。これらの出願はそれぞれ、ここに参照によりその全体として本明細書に組み込まれる。これらの出願によれば、金属被覆は、太陽電池の層内に少なくとも1つの電気接触子を形成する方法によって形成することができ、該方法は、レーザ照射時に電気接触子へと選択的に変更され得る材料を含む太陽電池内の層を形成するステップと、この層の少なくとも1つの区域に選択的レーザ照射を与えることにより、この層のこの区域内に少なくとも1つの電気接触子を形成するステップとを含む。この層の他の領域は、例えば透過性の導電性膜および非反射膜、および/または上述のような不活性化など、太陽電池の機能層を構成してもよく、除去される必要はない。
【0142】
本発明は、概して中心基板、導電層(および複数の導電層)、非反射層(および複数の非反射層)、不活性化層(および複数の不活性化層)、および/または電極(および複数の電極)を含む、上記において開示される太陽電池構造体の任意の1つまたは組合せにまでその範囲が及ぶ。上述の構造体は、相互に排他的なものではなく、本発明に従って、ある構造体の任意の特徴を本明細書の任意の他の構造体に適用することが可能である。
【0143】
本発明は、これらの構造体のいずれの製造方法をも含み、該製造方法は、中心基板としてのウェーハを用意するステップと、この基板を覆って界面不活性化層xx4およびxx6を蒸着または成長するステップと、この不活性化層を覆って導電層xx3およびxx7を蒸着するステップと、熱処理を実施するステップと、非反射層xx2およびxx8(後方部における良好な内部反射鏡(internal mirror)のための低反射率層を場合によっては含む)を蒸着する任意ステップと、電極としての金属被覆を施すステップとを含む。
【0144】
一実施形態においては、本発明は、熱処理を実施して、表面を不活性化する界面層と、高透過性を有する高ドープされた多結晶不活性化層とに分離する多機能性膜を作製するステップを含む。
【0145】
一実施形態においては、本発明は、アモルファスのシリコン含有化合物を蒸着するステップと、熱処理を利用して多結晶膜への結晶化を開始させるステップとを含む。
【0146】
一実施形態においては、本発明は、アモルファスのシリコン含有化合物を蒸着するステップと、熱処理を利用することにより、この膜の結晶化を生じさせ、光学的透過性を上昇させるステップとを含む。
【0147】
一実施形態においては、本発明は、アモルファスのシリコン含有化合物を蒸着するステップと、熱処理を利用してこの化合物中のドーピング原子を活性化させるステップとを含む。
【0148】
一実施形態においては、本発明は、アモルファスのシリコン含有化合物を蒸着するステップと、500℃超の熱処理を利用してこの化合物中のドーピング原子を活性化させ、ドーパント原子の基板ウェーハ内への拡散を引き起こすことにより、高低接合部またはpn接合部を形成するステップとを含む。
【0149】
本発明のこれらのプロセス制御態様の1つまたは複数を、例えばコンピュータ使用可能媒体などを有する製品(例えば1つまたは複数のコンピュータプログラム製品など)内に含ませることが可能である。この媒体は、中に例えば本発明の可能性を具現化し促進するためのコンピュータ読み取り可能プログラムコード手段などを有している。この製品は、コンピュータシステムの一部として含まれるか、または別個に販売され得る。
【0150】
さらに、本発明の可能性を実現するために機械により実行可能な少なくとも1つの命令プログラムを具体化する、その機械による読み取りが可能な少なくとも1つのプログラム記憶デバイスを提供することが可能である。
【0151】
本明細書において示される流れ図およびステップは、単なる例である。本発明の趣旨から逸脱しない、本明細書において説明されるこれらの図またはステップ(又は操作)に対する多数の変形形態が存在する。例えば、これらのステップは、異なる順序で実施されてもよく、またはステップが、追加、削除、または変更されてもよい。これらの変形形態は全て、特許請求される本発明の一部と見なされる。
【0152】
本明細書においては好ましい実施形態を詳細に示し説明したが、本発明の趣旨から逸脱することなく種々の変更、追加、および代替等々を行うことが可能であり、したがってこれらは、以下の特許請求の範囲において規定される本発明の範囲内に含まれるものと見なされることが、当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2022-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と;
前記基板の上に配置された多層不活性化膜であって、
基板上の、非導電性酸化物を含む層であって、層全体に導電性ドーパントが拡散している、非導電性酸化物層、及び、
非導電性酸化物層上の導電層であって、前記導電層は、シリコン、シリコン炭化物、ダイヤモンド状炭素の1つ以上から選択される材料を含み、前記導電層の少なくとも一部は、結晶化不活性化層を含んでいる、導電層、
を含む多層不活性化膜と;
前記導電層上に配置された少なくとも1つの電極であって、前記導電層及び前記非導電性酸化物層の前記導電性ドーパントを介して前記基板と電気的に接続されている、前記少なくとも1つの電極と;
を含む太陽電池。
【請求項2】
前記結晶化不活性化層が透過性フィルム層である、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記導電性ドーパントが、前記非導電性酸化物層と前記基板全体に拡散している、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記非導電性酸化物層が穿孔を含む、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記導電性ドーパントが、ホウ素、窒素、リン、アルミニウム、ガリウムの1つ以上から選択される材料を含む、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記非導電性酸化物層が、シリコン酸化物、シリコン窒化物、真正アモルファスシリコン、真正多結晶シリコン、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、リン窒化物、又はチタン窒化物の1つ以上から選択される材料を含む、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記導電層上に少なくとも1つの導電性膜を有し、前記少なくとも1つの電極が前記少なくとも1つの導電性膜に接触している、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記少なくとも1つの導電性膜が、透過性導電性膜である、請求項7に記載の太陽電池。
【外国語明細書】