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特開2022-125455光学系及びそれを有するレンズ装置、撮像装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125455
(43)【公開日】2022-08-29
(54)【発明の名称】光学系及びそれを有するレンズ装置、撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20220822BHJP
   G02B 13/04 20060101ALI20220822BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/04
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023046
(22)【出願日】2021-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】時田 知樹
(72)【発明者】
【氏名】前瀧 聡
(72)【発明者】
【氏名】新里 悠希
(72)【発明者】
【氏名】井野 友裕
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087KA03
2H087LA01
2H087LA03
2H087MA06
2H087NA07
2H087PA07
2H087PA09
2H087PA19
2H087PA20
2H087PB09
2H087PB11
2H087PB12
2H087QA02
2H087QA03
2H087QA07
2H087QA17
2H087QA19
2H087QA21
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA32
2H087QA37
2H087QA41
2H087QA42
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
(57)【要約】
【課題】広画角、小型軽量、像ぶれ補正時の周辺画質劣化を抑制しつつ非防振時に高い光学性能を有する光学系及びそれを有するレンズ装置、撮像装置を提供すること。
【解決手段】光学系は、最も物体側に配置された負の屈折力の第1レンズ、及び最も像側に配置され、像側に凸面を有するメニスカス形状の第2レンズを有する光学系であって、無限遠合焦時の等距離射影方式における歪曲収差量、最大像高における実光線の半画角、第1レンズの焦点距離、第2レンズの焦点距離、第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離、光学系の焦点距離、第2レンズの像側の面から像面までの光軸上の距離を各々適切に設定すること。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最も物体側に配置された負の屈折力の第1レンズ、及び最も像側に配置され、像側に凸面を有するメニスカス形状の第2レンズを有する光学系であって、
無限遠合焦時の等距離射影方式における歪曲収差量をDist_fθ、最大像高における実光線の半画角をθ、前記第1レンズの焦点距離をf1、前記第2レンズの焦点距離をfL、前記第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離をTTL、前記光学系の焦点距離をf、前記第2レンズの像側の面から像面までの光軸上の距離をskdとするとき、
0.000<Dist_fθ<0.885×θ-24.137
-1.0<f1/fL<0.6
0.0<TTL/f<4.3
0.3<skd/ftanθ<0.7
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。
【請求項2】
開口絞りを更に有し、
前記第1レンズの物体側の面から前記開口絞りまでの光軸上の距離をLf、前記開口絞りから前記第2レンズの像側の面までの光軸上の距離をLrとするとき、
0.3<Lf/Lr<0.8
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記第2レンズのシェイプファクターをχ、前記第2レンズの物体側の面の曲率半径をR21、前記第2レンズの像側の面の曲率半径をR22とするとき、
0.75<|χ|/(f/skd)<2.00
χ=(R22+R21)/(R22-R21)
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項4】
-1.7<f1/f<0.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光学系。
【請求項5】
前記第2レンズの物体側に配置された第3レンズの像側の面から前記第2レンズの物体側の面までの光軸上の距離をdとするとき、
0.3<d/f<1.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の光学系。
【請求項6】
前記光学系に含まれる屈折力を有するレンズのうちアッベ数が最大となるレンズのアッベ数をνdmとするとき、
68<νdm
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項7】
前記第1レンズの像側の面の曲率半径をR1とするとき、
0.30<R1/f<1.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の光学系。
【請求項8】
-0.4<f/fL<0.7
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の光学系。
【請求項9】
最大像高をymaxとするとき、
0.6<ymax/f<1.5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の光学系。
【請求項10】
前記光学系は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群からなることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の光学系。
【請求項11】
前記光学系は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群からなることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の光学系。
【請求項12】
前記光学系は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群からなることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の光学系。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の光学系と、
歪曲収差を補正するための歪曲補正データを保持する記憶部とを有することを特徴とするレンズ装置。
【請求項14】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の光学系と、前記光学系によって形成される像を受光する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系に関し、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、像ぶれを補正する手段として光学系の一部をシフトさせるレンズシフト式の防振機構や撮像素子をシフトさせるセンサーシフト式の防振機構が知られている。中心射影方式の光学系では、光学系に入射する光線の入射角の変化に対する像点の移動量は撮像面上で一様にならないため、防振機構によって撮像面中心の像ぶれ補正を行っても撮像面周辺には像ぶれが残存してしまう。
【0003】
特許文献1には、光学系の射影方式によって生じる画角内での像ぶれの差異が目立たないように、光学系の射影方式や焦点距離、及び物体距離の情報を用いて、特定の像点位置の像ぶれが低減されるように像ぶれ補正を行う撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-44876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の撮像装置は、特定の像点位置の像ぶれを補正可能であるが、全画角の像ぶれを一様に補正することはできない。
【0006】
等距離射影方式の光学系では、像ぶれ補正時の撮像面周辺の画質が劣化しにくい。そのため、撮像面周辺の画質劣化を抑制するためには、中心射影方式における歪曲収差を負の方向へ大きく発生させ、等距離射影方式における歪曲収差量の絶対値を小さくする必要がある。
【0007】
中心射影方式における歪曲収差量の絶対値が大きい光学系は、形成される画像が大きく歪んでしまうため、電子歪曲補正を搭載した撮像装置と合わせて使用する場合が多い。この場合、中心射影方式における歪曲収差を過剰に発生させると、電子歪曲補正の引き延ばしにより撮像面周辺の画質が劣化する。
【0008】
本発明は、広画角、小型軽量、像ぶれ補正時の周辺画質劣化を抑制しつつ非防振時に高い光学性能を有する光学系及びそれを有するレンズ装置、撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面としての光学系は、最も物体側に配置された負の屈折力の第1レンズ、及び最も像側に配置され、像側に凸面を有するメニスカス形状の第2レンズを有する光学系であって、無限遠合焦時の等距離射影方式における歪曲収差量をDist_fθ、最大像高における実光線の半画角をθ、第1レンズの焦点距離をf1、第2レンズの焦点距離をfL、第1レンズの物体側の面から像面までの光軸上の距離をTTL、光学系の焦点距離をf、第2レンズの像側の面から像面までの光軸上の距離をskdとするとき、
0.000<Dist_fθ<0.885×θ-24.137
-1.0<f1/fL<0.6
0.0<TTL/f<4.3
0.3<skd/ftanθ<0.7
なる条件式を満足することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、広画角、小型軽量、像ぶれ補正時の撮像面周辺の画質劣化を抑制しつつ非防振時に高い光学性能を有する光学系及びそれを有するレンズ装置、撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1の光学系の断面図である。
図2】実施例1の光学系の縦収差図である。
図3】実施例1の光学系の横収差図である。
図4】任意像高における実光線の半画角と実像高の説明図である。
図5】ftanθ系歪曲収差量と焦点距離との関係を示す図である。
図6】実施例1の像高ごとの像ぶれ量を示す図である。
図7】実施例2の光学系の断面図である。
図8】実施例2の光学系の縦収差図である。
図9】実施例2の光学系の横収差図である。
図10】実施例3の光学系の断面図である。
図11】実施例3の光学系の縦収差図である。
図12】実施例3の光学系の横収差図である。
図13】実施例4の光学系の断面図である。
図14】実施例4の光学系の縦収差図である。
図15】実施例4の光学系の横収差図である。
図16】実施例5の光学系の断面図である。
図17】実施例5の光学系の縦収差図である。
図18】実施例5の光学系の横収差図である。
図19】実施例6の光学系の断面図である。
図20】実施例6の光学系の縦収差図である。
図21】実施例6の光学系の横収差図である。
図22】実施例7の光学系の断面図である。
図23】実施例7の光学系の縦収差図である。
図24】実施例7の光学系の横収差図である。
図25】実施例8の光学系の断面図である。
図26】実施例8の光学系の縦収差図である。
図27】実施例8の光学系の横収差図である。
図28】実施例9の光学系の断面図である。
図29】実施例9の光学系の縦収差図である。
図30】実施例9の光学系の横収差図である。
図31】実施例10の光学系の断面図である。
図32】実施例10の光学系の縦収差図である。
図33】実施例10の光学系の横収差図である。
図34】撮像装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
図1,7,10,13,16,19,22,25,28,31はそれぞれ、実施例1乃至10の光学系の無限遠合焦時における断面図である。各実施例の光学系は、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等の撮像装置に用いられる。
【0014】
各断面図において左方が物体側で、右方が像側である。各実施例の光学系は、複数のレンズ群を有して構成されている。本願明細書においてレンズ群とは、フォーカシング又は像ぶれ補正に際して一体的に移動又は静止するレンズのまとまりである。なお、レンズ群は1枚のレンズから構成されていてもよいし、複数のレンズから成っていてもよい。また、レンズ群は開口絞りを含んでいてもよい。
【0015】
各断面図において、Liは光学系に含まれるレンズ群のうち物体側から数えてi番目(iは自然数)のレンズ群を表している。
【0016】
また、SPは開口絞りである。IPは像面であり、各実施例の光学系をデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が配置される。各実施例の光学系を銀塩フィルム用カメラの撮影光学系として使用する際には像面IPにはフィルム面に相当する感光面が置かれる。
【0017】
図2,8,11,14,17,20,23,26,29,32はそれぞれ、実施例1乃至10の光学系の縦収差図である。球面収差図においてFnoはFナンバーであり、d線(波長587.56nm)、g線(波長435.835nm)に対する球面収差量を示している。非点収差図においてMはメリディオナル像面、Sはサジタル像面を示している。歪曲収差図においてd線に対する歪曲収差量を示している。色収差図ではg線における倍率色収差量を示している。ωは近軸計算による半画角(°)である。
【0018】
図3,9,12,15,18,21,24,27,30,33はそれぞれ、実施例1乃至10の光学系の横収差図である。上から順に像高の10割、8割、7割、5割、中心におけるd線及びg線の収差図を示している。破線はd線のサジタル像面、実線はd線のメリディオナル像面、二点鎖線はg線のメリディオナル像面を表している。
【0019】
次に、各実施例の光学系における特徴的な構成について述べる。
【0020】
各実施例の光学系は、最も物体側に配置された負の屈折力の第1レンズG1を有する。これにより、光学系を広画角化しやすくなる。また、中心射影方式における歪曲収差を負の方向へ大きく発生させ、等距離射影方式における歪曲収差量(fθ系歪曲収差量)の絶対値を小さくすることができる。
【0021】
各実施例の光学系は、最も像側に配置され、像側に凸面を有するメニスカス形状の第2レンズGLを有する。これにより、fθ系歪曲収差量を抑制しつつ像面湾曲を補正することができる。
【0022】
各実施例の光学系は、以下の条件式(1)を満足する。
【0023】
0.000<Dist_fθ<0.885×θ-24.137 (1)
ここで、Dist_fθは、無限遠合焦時のfθ系歪曲収差量である。θは、最大像高における実光線の半画角である。
【0024】
条件式(1)のfθ系歪曲収差量は、像中心から最大像高の範囲のうち、像ぶれ量が最大となるfθ系歪曲収差量である。fθ系歪曲収差量は正負の符号をもつ値であるが、像ぶれ量が最大となるのは符号に依らずfθ系歪曲収差量の絶対値が最大となる場合である。最大像高は、撮影可能な像点のうち、最も光軸から離れた像点の光軸からの距離である。
【0025】
以下、条件式(1)の上限値が実光線の半画角θの一次関数である理由について説明する。中心射影方式における理想像高をy1、実像高をypとするとき、任意像高の中心射影方式における歪曲収差量(ftanθ系歪曲収差量)Dist_ftanθ_1[%]は以下の式で表される。
【0026】
Dist_ftanθ_1=((yp-y1)/y1)×100
また、等距離射影方式における理想像高をy2とするとき、任意像高のfθ系歪曲収差量Dist_fθ_1[%]は以下の式で表される。
【0027】
Dist_fθ_1=((yp-y2)/y2)×100
理想像高y1,y2は、光学系の焦点距離をf、任意像高における実光線の半画角をθiとするとき、以下の式で定義される。
【0028】
y1=ftanθi
y2=fθi
また、理想像高y1、y2は、最大像高における実光線の半画角θを用いて以下の式で表される。
【0029】
y1=ftanθ
y2=fθ
ここで、図4を参照して、任意像高における実光線の半画角θiと実像高ypについて説明する。図4は、半画角θiと実像高ypの説明図である。半画角θiは、任意の像高で結像する主光線が第1レンズG1の物体側の面において、光軸となす角度である。実像高ypは、半画角θiで第1レンズG1に入射した光線が像面上において結像する像高である。また、半画角θiのうち、最大値を、最大像高における実光線の半画角θと定義する。
【0030】
ここで、理想的な状態として任意像高のfθ系歪曲収差量が0%である場合、任意像高のftanθ系歪曲収差量Dist_ftanθ_1[%]は以下の式で表される。
【0031】
Dist_ftanθ_1=((θ/tanθ)-1)×100
ftanθ系歪曲収差量は半画角θに対して単調減少となる。そのため、図5に示されるように、任意像高のfθ系歪曲収差量が0%である場合、焦点距離が短いほどftanθ系歪曲収差量の絶対値が大きくなる。
【0032】
ftanθ系歪曲収差量の絶対値が大きすぎると歪曲収差補正時の撮像面周辺の画質が劣化しやすくなり、fθ系歪曲収差量が大きすぎると像ぶれ補正時の撮像面周辺の画質劣化が大きくなる。そこで、ftanθ系歪曲収差量の絶対値を小さくすることで歪曲収差補正時の撮像面周辺の画質劣化を抑制すると共に、fθ系歪曲収差量の大きさをある程度許容する。これにより、像ぶれ補正時の撮像面周辺の画質と非防振時の撮像面周辺の画質のバランスが最適な光学系を構成できる。そのため、条件式(1)の上限値を、広画角な光学系ほどfθ系歪曲収差量の大きさをある程度許容する一次関数としている。
【0033】
以下、条件式(1)を満足することによる効果について説明する。図6は、実施例1の像高ごとの像ぶれ量を示す図である。像ぶれ量は、撮像面を中心に光学系を0.5度チルトさせ手ぶれを与えた際の、任意像高における像点変位量から、像中心の像点変位量を差し引いた値である。また、比較のために、同じ焦点距離(例えば実施例1では24.7mm)でftanθ系歪曲収差量が0%である場合の任意像高における像ぶれ量(Δ(y)―Δ(0))も示されている。
【0034】
ここで、任意像高をy、像ぶれ補正角をθrとするとき、ftanθ系歪曲収差量が0%である場合の任意像高における像点変位量Δ(y)は以下の式で表される。
【0035】
Δ(y)=f×tan(atan(y/f)+θr)-y
また、中心における(任意像高yが0である)像点変位量Δ(0)は、以下の式で表される。
【0036】
Δ(0)=f×tan(θr)
実施例1乃至10の最大像高における像ぶれ量と、ftanθ系歪曲収差量が0%である場合の像ぶれ量(Δ(y)―Δ(0))との比較を、以下の表3,4にまとめて示す。fθ系歪曲収差量を抑制するとこで各実施例の最大像高における像ぶれ量は、ftanθ系歪曲収差量が0%である場合の像ぶれ量に対して53%~95%低減している。
【0037】
条件式(1)の上限値を上回ってfθ系歪曲収差量が大きくなると、像ぶれ補正時の撮像面周辺の画質劣化が大きくなる。条件式(1)の下限値を下回ってfθ系歪曲収差量が小さくなると、ftanθ系歪曲収差量の絶対値が過剰に大きくなるため、歪曲補正時に撮像面周辺の画質劣化を抑制することが困難になる。
【0038】
各実施例の光学系は、以下の条件式(2)乃至(4)を満足する。
【0039】
-1.0<f1/fL<0.6 (2)
0.0<TTL/f<4.3 (3)
0.3<skd/ftanθ<0.7 (4)
ここで、f1は、第1レンズG1の焦点距離である。fLは、第2レンズGLの焦点距離である。TTLは、第1レンズG1の物体側の面から像面までの光軸上の距離である。fは、光学系の焦点距離である。skdは、第2レンズGLの像側の面から像面までの光軸上の距離である。
【0040】
条件式(2)は、第1レンズG1の焦点距離と第2レンズGLの焦点距離との比を規定している。第2レンズGLの焦点距離が負である場合に、条件式(2)の上限値を上回って第2レンズGLの焦点距離が短くなると、ftanθ系歪曲収差量をキャンセルしてしまい、fθ系歪曲収差量が大きくなる。結果として、像ぶれ補正時の撮像面周辺の画質劣化を抑制することが困難になるため好ましくない。また、上限値を上回って第1レンズG1の焦点距離が長くなると、ftanθ系歪曲収差量の絶対値を大きくしにくくなり、fθ系歪曲収差量を小さくすることが困難になるため好ましくない。第1レンズGLの焦点距離が正である場合に、下限値を下回って第1レンズG1の焦点距離が長くなると、ftanθ系歪曲収差量の絶対値を大きくしにくくなり、fθ系歪曲収差量を小さくすることが困難になるため好ましくない。また、下限値を下回って第1レンズGLの焦点距離が短くなると、ftanθ系歪曲収差量の絶対値を大きくしやすくなるが、像面湾曲が負の方向へ倒れやすくなり補正が困難になる。
【0041】
条件式(3)は、第1レンズG1の物体側の面から像面までの光軸上の距離と光学系の焦点距離との比を規定している。条件式(3)の上限値を上回って第1レンズG1の物体側の面から像面までの光軸上の距離が長くなると、撮像面周辺の光量確保のために、第1レンズG1の径が大きくなる。結果として光学系が大型化するため、撮像面周辺の光量確保と小型軽量化の両立が困難になる。条件式(3)の下限値を下回って光学系の焦点距離が負の値をとると、光学系が実像を結ぶことができなくなる。
【0042】
条件式(4)は、第2レンズGLの像側の面から像面までの光軸上の距離と、光学系の焦点距離及び最大像高における実光線の半画角から算出される最大理想像高との比を規定している。条件式(4)の上限値を上回って第2レンズGLの像側の面から像面までの光軸上の距離が長くなると、光学系が大型化するため好ましくない。条件式(4)の下限値を下回って第2レンズGLの像側の面から像面までの光軸上の距離が短くなると、第2レンズGLの径が大きくなり、光学系が大型化するため好ましくない。
【0043】
各実施例の光学系は、上述した構成を有することで、広画角、小型軽量、像ぶれ補正時の撮像面周辺の画質劣化を抑制しつつ非防振時に高い光学性能を有することが可能である。
【0044】
なお、条件式(1)乃至(4)の数値範囲を以下の条件式(1a)乃至(4a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0045】
0.000<Dist_fθ<0.885×θ-25.137 (1a)
-0.70<f1/fL<0.57 (2a)
1.0<TTL/f<4.2 (3a)
0.32<skd/ftanθ<0.65 (4a)
また、条件式(1)乃至(4)の数値範囲を以下の条件式(1b)乃至(4b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0046】
0.000<Dist_fθ<0.885×θ-26.137 (1b)
-0.60<f1/fL<0.55 (2b)
2.0<TTL/f<4.0 (3b)
0.34<skd/ftanθ<0.61 (4b)
次に、各実施例の光学系が満足することが好ましい条件について述べる。各実施例の光学系は、以下の条件式(5)乃至(12)のうち1つ以上を満足することが好ましい。
【0047】
0.3<Lf/Lr<0.8 (5)
0.75<|χ|/(f/skd)<2.00 (6)
-1.7<f1/f<0.0 (7)
0.3<d/f<1.0 (8)
68<νdm (9)
0.30<R1/f<1.00 (10)
-0.4<f/fL<0.7 (11)
0.6<ymax/f<1.5 (12)
ここで、Lfは、第1レンズG1の物体側の面から開口絞りSPまでの光軸上の距離である。Lrは、開口絞りSPから第2レンズGLの像側の面までの光軸上の距離である。χは、第2レンズGLのシェイプファクターである。dは、第2レンズGLの物体側に配置された第3レンズの像側の面から第2レンズGLの物体側の面までの光軸上の距離である。νdmは、光学系に含まれる屈折力を有するレンズのうちアッベ数が最大となるレンズのアッベ数である。R1は、第1レンズG1の像側の面の曲率半径である。ymaxは、最大像高である。
【0048】
条件式(5)は、第1レンズG1の物体側の面から開口絞りSPまでの光軸上の距離と開口絞りSPから第2レンズGLの像側の面までの光軸上の距離との比を規定している。条件式(5)の上限値を上回って第1レンズG1の物体側の面から開口絞りSPまでの光軸上の距離が長くなると、光学系が対称型に近づき、ftanθ系歪曲収差量が出にくいガウスタイプの構成になる。結果として、fθ系歪曲収差量の抑制が困難になるため好ましくない。また、条件式(5)の上限値を上回って第1レンズG1の物体側の面から開口絞りSPまでの光軸上の距離が更に長くなると、光学系が対称型でなくなり、ftanθ系歪曲収差量が出やすい構成になる。結果として、撮像面周辺の光量確保のために第1レンズG1が大型化し、fθ系歪曲収差量の抑制と光学系の小型軽量化の両立が困難になる。条件式(5)の下限値を下回って第1レンズG1の物体側の面から開口絞りSPまでの光軸上の距離が短くなると、開口絞りSPより前方に配置できるレンズの枚数が少なくなる。結果として、第1レンズG1によって発散させた光線を開口絞りSPに収斂させることと、球面収差の補正の両立が困難になる。
【0049】
条件式(6)は、第2レンズGLのシェイプファクターの絶対値と、光学系の焦点距離に対する第2レンズGLの像側の面から像面までの光軸上の距離との比を規定している。条件式(6)を満足することで、第2レンズGLをfθ系歪曲収差量の抑制と撮像面周辺の画質劣化の抑制を両立するのに適切な形状とすることができる。
【0050】
ただし、シェイプファクターは、第2レンズGLの物体側の面の曲率半径をR21、第2レンズGLの像側の面の曲率半径をR22とするとき、以下の条件式で表される。
【0051】
χ=(R2+R1)/(R2-R1)
条件式(6)の上限値を上回って第2レンズGLのシェイプファクターの絶対値が大きくなると、第2レンズGLの像側の面から像面までの光軸上の距離に対して、第2レンズGLの屈折力が弱くなりすぎるため、像面湾曲の補正が困難になる。また、条件式(6)の上限値を上回って第2レンズGLの像側の面から像面までの光軸上の距離が大きくなると、光学系が大型化するため好ましくない。条件式(6)の下限値を下回って第2レンズGLのシェイプファクターの絶対値が小さくなると、第2レンズGLの両面が凹形状に近づき、第2レンズGLの像側の面から像面までの光軸上の距離に対して屈折力が強くなりすぎる。結果として、撮像素子への入射角が大きくなり撮像面周辺での色ムラが発生しやすくなるため好ましくない。また、条件式(6)の下限値を下回って第2レンズGLの像側の面から像面までの光軸上の距離が小さくなると、第2レンズGLの径が大きくなり、光学系が大型化するため好ましくない。
【0052】
条件式(7)は、第1レンズG1の焦点距離と光学系の焦点距離との比を規定している。条件式(7)の上限値を上回って第1レンズG1の焦点距離が正の値をとると、ftanθ系歪曲収差を大きく発生させにくくなり、fθ系歪曲収差量の抑制が困難になる。また、条件式(7)の上限値を上回って光学系の焦点距離が負の値をとると、光学系が実像を結ぶことができなくなる。条件式(7)の下限値を下回って第1レンズG1の焦点距離が長くなると、ftanθ系歪曲収差を大きく発生させにくくなり、fθ系歪曲収差量の抑制が困難になる。
【0053】
条件式(8)は、第2レンズGLの物体側に配置された第3レンズGLfの像側の面から第2レンズGLの物体側の面までの光軸上の距離と光学系の焦点距離との比を規定している。条件式(8)の上限値を上回って第3レンズGLfの像側の面から第2レンズGLの物体側の面までの光軸上の距離が長くなると、レンズ全長が長くなり光学系が大型化するため好ましくない。条件式(8)の下限値を下回って第3レンズGLfの像側の面から第2レンズGLの物体側の面までの光軸上の距離が短くなると、正規の光路とは異なる光路を通る光線によるゴーストやフレアが発生しやすくなるため好ましくない。
【0054】
条件式(9)は、光学系に含まれる屈折力を有するレンズのうちアッベ数が最大となるレンズのアッベ数を規定している。条件式(9)の下限値を下回ってアッベ数が小さくなると、倍率色収差の補正が困難になり、歪曲補正時の撮像面周辺の画質劣化を抑制しにくくなるため好ましくない。
【0055】
条件式(10)は、第1レンズG1の像側の面の曲率半径と光学系の焦点距離との比を規定している。条件式(10)の上限値を上回って第1レンズG1の像側の面の曲率半径が大きくなると、第1レンズG1の屈折力を強くしにくくなり、fθ系歪曲収差量を抑制することが困難になるため好ましくない。条件式(10)の下限値を下回って第1レンズG1の像側の面の曲率半径が小さくなると、像面湾曲の補正が困難になるため好ましくない。
【0056】
条件式(11)は、第2レンズGLの焦点距離と光学系の焦点距離との比を規定している。第2レンズGLの焦点距離が正である場合に、条件式(11)の上限値を上回って第2レンズGLの焦点距離が短くなると、ftanθ系歪曲収差量の絶対値を大きくしやすくなるが、像面湾曲が負の方向へ倒れやすくなり補正が困難になるため好ましくない。第2レンズGLの焦点距離が負である場合に、条件式(11)の下限値を下回って第2レンズGLの焦点距離が短くなると、ftanθ系歪曲収差量をキャンセルしてしまい、fθ系歪曲収差量が大きくなってしまう。結果として、像ぶれ補正時の撮像面周辺の画質劣化の抑制が困難になるため好ましくない。更に、撮像素子への入射角が大きくなり撮像面周辺での色ムラが発生しやすくなり好ましくない。
【0057】
条件式(12)は、歪曲収差による倍率変化を考慮して、最大像高と光学系の焦点距離との比を規定している。条件式(12)を満足する最大像高に合わせてメカ機構や光学系を構成することで光学系やレンズ装置を小型軽量化することができる。条件式(12)の上限値を上回って最大像高が大きくなると、所望の撮影画角よりも広い範囲の光線を撮像面に結像させることとなるため、メカ機構や光学系が過剰に大型化し、光学系やレンズ装置の小型軽量化が困難になる。条件式(12)の下限値を下回って最大像高が小さくなると、所望の撮影画角よりも狭い画角となってしまうため好ましくない。
【0058】
なお、条件式(5)乃至(12)の数値範囲を以下の条件式(5a)乃至(12a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0059】
0.31<Lf/Lr<0.79 (5a)
0.76<|χ|/(f/skd)<1.95 (6a)
-1.68<f1/f<-0.50 (7a)
0.305<d/f<0.800 (8a)
69<νdm (9a)
0.40<R1/f<0.95 (10a)
-0.35<f/fL<0.50 (11a)
0.65<ymax/f<1.30 (12a)
また、条件式(5)乃至(12)の数値範囲を以下の条件式(5b)乃至(12b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0060】
0.32<Lf/Lr<0.78 (5b)
0.77<|χ|/(f/skd)<1.91 (6b)
-1.67<f1/f<-1.00 (7b)
0.31<d/f<0.72 (8b)
70<νdm (9b)
0.5<R1/f<0.9 (10b)
-0.33<f/fL<0.31 (11b)
0.7<ymax/f<1.2 (12b)
次に、各実施例の光学系について詳細に述べる。
【0061】
実施例1,2,5,6,7の光学系は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、負の屈折力の第4レンズ群L4からなる。無限遠から至近へのフォーカシングに際して、第1乃至第3レンズ群L1~L3は一体となって物体側に移動する。また、第2レンズ群L2を光軸に垂直な方向の成分を含む方向へ駆動させることで、手振れによる画質劣化を低減させる効果を得ることができる。
【0062】
実施例3,10の光学系は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2からなる。無限遠から至近へのフォーカシングに際して、第2レンズ群L2は物体側に移動する。
【0063】
実施例4,8,9の光学系は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2からなる。無限遠から至近へのフォーカシングに際して、第1レンズ群L1は物体側に移動する。
【0064】
以下に、実施例1乃至10にそれぞれ対応する数値実施例1乃至10を示す。
【0065】
各数値実施例の面データにおいて、r(mm)は各光学面の曲率半径、d(mm)は第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)を表わしている。ただし、mは光入射側から数えた面の番号である。また、ndは各光学部材のd線に対する屈折率、νdは光学部材のアッベ数を表わしている。なお、ある材料のアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.56nm)、F線(486.13nm)、C線(656.27nm)における屈折率をNd、NF、NCとするとき、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
で表される。
【0066】
なお、各数値実施例において、d(mm)、焦点距離(mm)、Fナンバー、近軸計算による半画角(°)は全て各実施例の光学系が無限遠物体に焦点を合わせたときの値である。バックフォーカスBFは、最終レンズ面(最も像側のレンズ面)から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものである。レンズ全長は、光学系の最前面(第1レンズG1の物体側のレンズ面)から最終レンズ面(第2レンズGLの像側のレンズ面)までの距離にバックフォーカスを加えた値である。
【0067】
また、光学面が非球面の場合は、面番号の右側に、*の符号を付している。非球面形状は、xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸に垂直な方向の光軸からの高さ、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4,A6,A8,A10,A12を各次数の非球面係数とするとき、
x=(h/R)/[1+{1-(1+K)(h/R)1/2+A4×h
+A6×h+A8×h+A10×h10+A12×h12
で表している。なお、各非球面係数における「e±XX」は「×10±XX」を意味している。
【0068】

[数値実施例1]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 46.591 1.50 1.59522 67.7
2 15.443 7.46
3 -160.898 1.00 1.49700 81.5
4 27.998 4.44
5 27.873 4.56 1.88300 40.8
6 -79.081 2.15
7 -30.746 1.40 1.72825 28.5
8 54.035 4.81 1.83481 42.7
9 -32.962 3.62
10(絞り) ∞ 3.53
11 109.286 1.66 1.67003 47.2
12 -156.912 2.30
13 -58.076 4.39 1.43875 94.9
14 -11.557 1.50 1.59270 35.3
15 86.355 5.11
16* 42.958 8.47 1.58313 59.4
17* -25.134 1.98
18 -168.710 2.56 1.75500 52.3
19 -54.973 8.98
20 -28.988 1.75 1.58144 40.8
21 -93.864 12.06
像面 ∞

非球面データ
第16面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.52956e-005 A 6= 3.53537e-008 A 8=-4.62667e-011

第17面
K = 0.00000e+000 A 4= 6.35564e-006 A 6= 1.09070e-008 A 8= 2.06544e-011

各種データ
焦点距離 24.22
Fナンバー 1.85
像高 19.38
レンズ全長 85.24
BF 12.06

レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 56.63
2 11 96.39
3 13 59.31
4 18 -296.03

[数値実施例2]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 985.539 1.82 1.51633 64.1
2 17.158 15.51
3 34.682 4.09 1.91082 35.3
4 -103.244 2.48
5 -278.122 3.72 1.90043 37.4
6 -20.975 1.01 1.72825 28.5
7 88.008 2.64
8(絞り) ∞ 4.08
9 59.289 2.02 1.67790 55.3
10 -603.073 3.52
11 -16.069 1.00 1.85478 24.8
12 85.583 4.09 1.49700 81.5
13 -26.232 0.15
14 208.905 5.14 1.91082 35.3
15 -26.730 0.15
16 -75.893 2.50 1.53110 55.9
17* -54.541 2.90
18 -75.731 2.43 1.72916 54.7
19 -48.700 10.32
20 -23.656 2.00 1.51742 52.4
21 -40.841 11.04
像面 ∞

非球面データ
第17面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.70633e-005 A 6=-2.60973e-008 A 8= 4.39794e-010 A10=-2.46146e-012 A12= 5.15007e-015

各種データ
焦点距離 24.90
Fナンバー 1.89
像高 19.34
レンズ全長 82.62
BF 11.04

レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 58.86
2 9 79.73
3 11 59.19
4 18 -333.58

[数値実施例3]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1* 25.113 3.00 1.58313 59.4
2* 10.312 2.04
3 15.534 1.80 1.49700 81.5
4 10.615 9.16
5 -10.697 1.01 1.85025 30.1
6 -13.983 0.24
7 -40.608 3.05 1.80100 35.0
8 -10.921 1.20 1.84666 23.8
9 -17.234 0.50
10(絞り) ∞ 3.14
11 16.980 1.44 1.83400 37.2
12 10.869 5.38 1.63930 44.9
13 20.309 2.41
14 551.683 3.25 1.69350 50.8
15 -24.854 0.18
16 21.256 8.33 1.43875 94.7
17 -20.855 0.26
18 -23.874 1.20 1.91082 35.3
19 47.080 5.06 1.49700 81.5
20 -23.991 6.13
21* -25.292 2.04 1.80625 40.9
22* -55.521 12.19
像面 ∞

非球面データ
第1面
K =-1.68024e+001 A 4= 1.01363e-005 A 6= 5.96364e-008 A 8= 1.05057e-010 A10=-9.57409e-015 A12= 1.88900e-017

第2面
K =-2.61452e+000 A 4= 9.90786e-005 A 6= 7.05034e-007 A 8=-3.41129e-009 A10= 8.50729e-012 A12= 4.91614e-013

第21面
K = 1.81679e+000 A 4=-2.12502e-004 A 6= 1.24995e-006 A 8=-1.10161e-009 A10=-3.53326e-012 A12= 2.35773e-014

第22面
K =-2.77116e+001 A 4=-2.04628e-004 A 6= 1.51336e-006 A 8=-5.23831e-009 A10= 1.60638e-011 A12=-2.05837e-014

各種データ
焦点距離 19.48
Fナンバー 2.88
像高 18.60
レンズ全長 73.01
BF 12.19

レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -56.33
2 10 26.36

[数値実施例4]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 131.933 1.50 1.60311 60.6
2 14.276 2.87
3 33.256 1.00 1.48749 70.2
4 14.716 8.40
5 35.207 1.95 1.83400 37.2
6 -370.104 5.37
7(絞り) ∞ 1.80
8 22.559 1.50 1.90366 31.3
9 14.367 3.12 1.83481 42.7
10 -23.331 1.10
11 -16.083 2.00 1.69895 30.1
12 17.432 6.18 1.59282 68.6
13 -13.649 1.71
14* -10.515 2.10 1.53110 55.9
15* 237.808 7.17
16 -100.091 3.11 1.60311 60.6
17 -38.075 10.49
像面 ∞

非球面データ
第14面
K = 0.00000e+000 A 2= 2.43012e-002 A 4= 1.38762e-005

第15面
K = 0.00000e+000 A 2= 3.16016e-004 A 4= 9.33046e-005

各種データ

焦点距離 16.48
Fナンバー 2.91
像高 17.90
レンズ全長 61.37
BF 10.49

レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 18.17
2 16 100.00

[数値実施例5]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 47.896 1.50 1.59522 67.7
2 15.443 7.07
3 -2015.260 1.00 1.49700 81.5
4 27.998 5.59
5 29.856 4.02 1.88300 40.8
6 -94.153 3.16
7 -31.869 1.40 1.72825 28.5
8 61.739 4.44 1.83481 42.7
9 -31.814 2.61
10(絞り) ∞ 3.52
11 114.888 1.69 1.67003 47.2
12 -154.226 2.04
13 -102.191 4.49 1.43875 94.9
14 -12.578 1.50 1.59270 35.3
15 63.431 5.98
16* 42.495 7.77 1.58313 59.4
17* -28.755 1.98
18 -157.537 2.43 1.75500 52.3
19 -56.471 9.41
20 -28.820 1.75 1.58144 40.8
21 -75.679 11.70
像面 ∞

非球面データ
第16面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.06246e-005 A 6= 2.97160e-008 A 8=-2.99393e-011

第17面
K = 0.00000e+000 A 4= 6.88152e-006 A 6= 1.28659e-008 A 8= 2.61005e-011

各種データ
焦点距離 24.35
Fナンバー 1.85
像高 19.44
レンズ全長 85.06
BF 11.70

レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 53.51
2 11 98.51
3 13 66.55
4 18 -356.55

[数値実施例6]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 51.077 1.50 1.59522 67.7
2 15.443 7.15
3 2551.129 1.00 1.49700 81.5
4 27.998 4.99
5 29.819 4.63 1.88300 40.8
6 -93.193 3.82
7 -32.429 1.40 1.72825 28.5
8 59.121 4.25 1.83481 42.7
9 -31.124 2.02
10(絞り) ∞ 3.53
11 110.341 1.64 1.67003 47.2
12 -160.304 2.10
13 -86.897 4.30 1.43875 94.9
14 -12.316 1.50 1.59270 35.3
15 52.000 5.43
16* 41.112 9.04 1.58313 59.4
17* -25.452 1.98
18 -410.854 2.85 1.75500 52.3
19 -61.560 7.61
20 -33.093 1.75 1.58144 40.8
21 -180.992 12.73
像面 ∞

非球面データ
第16面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.31224e-005 A 6= 2.92295e-008 A 8=-3.98246e-011

第17面
K = 0.00000e+000 A 4= 7.09044e-006 A 6= 1.28289e-008 A 8= 9.20685e-012

各種データ
焦点距離 23.80
Fナンバー 1.85
像高 19.62
レンズ全長 85.25
BF 12.73

レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 52.15
2 11 97.78
3 13 61.09
4 18 -360.68

[数値実施例7]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 -65.346 1.50 1.51633 64.1
2 18.367 4.52
3 33.326 4.08 1.91082 35.3
4 -77.949 3.11
5 -367.577 4.34 1.90043 37.4
6 -17.892 1.00 1.72825 28.5
7 58.354 2.64
8(絞り) ∞ 4.08
9 32.731 1.79 1.67790 55.3
10 117.535 3.52
11 -13.366 1.00 1.85478 24.8
12 -40.548 4.62 1.49700 81.5
13 -13.938 0.15
14 115.105 3.12 1.91082 35.3
15 -76.884 0.15
16 -89.547 2.70 1.53110 55.9
17* -25.502 2.90
18 60.044 1.86 1.72916 54.7
19 109.086 10.30
20 -22.321 2.00 1.51742 52.4
21 -47.591 10.00
像面 ∞

非球面データ
第17面
K = 0.00000e+000 A 2= 3.61342e-003 A 4= 1.67784e-005 A 6=-3.81888e-008 A 8= 4.56124e-010 A10=-2.46146e-012 A12= 5.15007e-015

各種データ
焦点距離 25.67
Fナンバー 1.83
像高 18.20
レンズ全長 69.38
BF 10.00

レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 274.28
2 9 66.35
3 11 39.74
4 18 -176.40

[数値実施例8]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 84.880 3.00 1.60311 60.6
2 14.785 3.38
3 74.807 1.05 1.48749 70.2
4 15.325 7.12
5 33.475 2.87 1.83400 37.2
6 -1016.960 5.37
7(絞り) ∞ 1.80
8 24.083 1.50 1.90366 31.3
9 16.593 4.72 1.83481 42.7
10 -23.182 1.00
11 -16.419 2.00 1.69895 30.1
12 18.418 6.32 1.59282 68.6
13 -15.597 3.33
14* -11.283 2.10 1.53110 55.9
15* 25.024 9.82
16 -100.205 6.00 1.60311 60.6
17 -28.555 8.52
像面 ∞

非球面データ
第14面
K = 0.00000e+000 A 2= 2.18897e-002 A 4= 7.00119e-006

第15面
K = 0.00000e+000 A 2=-1.98407e-002 A 4= 6.43278e-005

各種データ
焦点距離 18.77
Fナンバー 2.91
像高 18.80
レンズ全長 69.89
BF 8.52

レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 21.09
2 16 64.19

[数値実施例9]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1 105.322 1.50 1.60311 60.6
2 14.277 2.93
3 24.785 1.00 1.48749 70.2
4 11.051 5.85
5 20.947 2.71 1.83400 37.2
6 46.589 5.37
7(絞り) ∞ 1.80
8 15.346 0.93 1.90366 31.3
9 9.958 3.94 1.83481 42.7
10 -30.919 1.00
11 -33.906 0.92 1.69895 30.1
12 11.427 4.97 1.59282 68.6
13 -40.275 0.89
14* -35.827 2.10 1.53110 55.9
15* 38.790 5.81
16 -84.086 5.00 1.60311 60.6
17 -24.001 10.49
像面 ∞

非球面データ
第14面
K = 0.00000e+000 A 2= 2.34872e-002 A 4=-5.72991e-004 A 6= 3.26573e-007 A 8=-2.89939e-008

第15面
K = 0.00000e+000 A 2= 2.05321e-002 A 4=-3.28720e-004 A 6= 2.20159e-006 A 8=-1.50415e-009

各種データ
焦点距離 16.70
Fナンバー 2.91
像高 17.80
レンズ全長 57.21
BF 10.49

レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 20.16
2 16 54.00

[数値実施例10]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd
1* 25.113 3.00 1.58313 59.4
2* 10.261 2.68
3 18.439 1.80 1.49700 81.5
4 11.316 7.73
5 -10.507 1.63 1.85025 30.1
6 -13.402 0.24
7 -34.092 2.79 1.80100 35.0
8 -11.551 1.20 1.84666 23.8
9 -18.129 1.46
10(絞り) ∞ 0.50
11 16.548 1.44 1.83400 37.2
12 10.012 7.00 1.63930 44.9
13 23.957 1.78
14 797.697 2.95 1.69350 50.8
15 -24.446 0.18
16 28.623 7.06 1.43875 94.7
17 -15.662 0.46
18 -16.542 1.20 1.91082 35.3
19 528.818 3.04 1.49700 81.5
20 -24.367 13.94
21* -40.614 2.04 1.80625 40.9
22* -62.892 7.97
像面 ∞

非球面データ
第1面
K =-1.61181e+001 A 4=-3.32013e-005 A 6= 2.62378e-007 A 8=-2.75096e-010 A10=-9.57409e-015 A12= 1.88900e-017

第2面
K =-1.70663e+000 A 4=-4.24144e-005 A 6= 1.26885e-006 A 8=-3.41129e-009 A10= 8.50729e-012 A12= 4.82414e-013

第21面
K = 4.05875e+000 A 4=-2.50541e-004 A 6= 5.67205e-007 A 8= 1.05141e-009 A10=-3.53326e-012 A12= 2.35773e-014

第22面
K =-1.12477e+000 A 4=-2.50124e-004 A 6= 1.35230e-006 A 8=-4.46993e-009 A10= 1.60638e-011 A12=-2.05837e-014

各種データ
焦点距離 19.48
Fナンバー 2.88
像高 18.50
レンズ全長 72.08
BF 7.97

レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 -41.44
2 10 24.95

各数値実施例における種々の値を、以下の表1~4に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
[撮像装置]
次に、本発明の光学系を撮像光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)の実施例について、図34を用いて説明する。図34において、10はカメラ本体、11は実施例1乃至10で説明したいずれかの光学系によって構成された撮影光学系である。12はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系11によって形成された光学像を受光して光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。カメラ本体10はクイックリターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでもよいし、クイックリターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでもよい。
【0074】
なお、撮影光学系11は、カメラ本体10に着脱可能なレンズ装置内に含まれていてもよい。また、レンズ装置は、歪曲収差を補正するための歪曲補正データを保持する記憶部を有していてもよい。
【0075】
このように本発明の光学系をデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、レンズが小型である撮像装置を得ることができる。
【0076】
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0077】
G1 第1レンズ
GL 第2レンズ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34