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▶ 吉崎 司郎の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125477
(43)【公開日】2022-08-29
(54)【発明の名称】皮膚真菌症治療剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/194 20060101AFI20220822BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20220822BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
A61K31/194
A61P31/10
A61K9/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023074
(22)【出願日】2021-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】596094452
【氏名又は名称】吉崎 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉崎 司郎
(72)【発明者】
【氏名】高柳 俊夫
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076BB31
4C076CC31
4C206AA01
4C206AA02
4C206DA34
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA36
4C206MA83
4C206NA14
4C206ZB31
(57)【要約】
【課題】皮膚真菌症治療に有効な手段を提供すること。
【解決手段】クエン酸三置換塩を含む、皮膚真菌症治療用外用剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クエン酸三置換塩を含む、皮膚真菌症治療用外用剤。
【請求項2】
前記クエン酸三置換塩の置換基が、カリウム、ナトリウム、リチウム、アンモニウムのいずれかで構成される、請求項1に記載の皮膚真菌症治療用外用剤。
【請求項3】
液剤である、請求項1又は2に記載の皮膚真菌症治療用外用剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚真菌症の治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
有機酸(カルボン酸)が各種の微生物に対して抗菌作用を示すことは知られており、いくつかのカルボン酸が食品などの保存料として広く使われている。そして、皮膚糸状菌などの病原性真菌によって引き起こされる皮膚真菌症(いわゆる水虫)に対しても数種類のカルボン酸が治癒作用を持つことが知られている。しかし、カルボン酸の塩類が病原性真菌に対する抗菌作用を有することは、あまり知られていない。
【0003】
クエン酸と水虫との関連については、クエン酸が単独で皮膚糸状菌症に対する治療作用を持つ、と明確に規定している特許情報は公開されておらず、他の抗菌活性物質とクエン酸との混合物が水虫治癒作用を示す、とする特許情報が散見される程度である。例えば、抗菌活性を持つ馬油と15%クエン酸との混合物(特許文献1)、水虫に対する民間療法薬である竹酢液と1%クエン酸との混合物(特許文献2、3)、月桃エキス発酵液とクエン酸を含有するもろみ酢との混合物(特許文献4)、トロロアオイ抽出液とサリチル酸、クエン酸との混合物(特許文献5)、海水塩とクエン酸などを混合した水虫伝搬防止製品(特許文献6)、クエン酸を含有する水虫治療用フィルム製剤(特許文献7)などが報告されている。
【0004】
クエン酸塩類と水虫との関連について述べている特許文献としては、次の3つを挙げることができる。公知の水虫薬であるビホナゾールに助剤(クエン酸ナトリウム、没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス)を加えるとビホナゾールの抗菌活性が上昇することが開示されている(特許文献8、9)。しかし、これらの助剤によりビホナゾールの抗真菌活性が上昇する理由については不明であるとされており、助剤とされるクエン酸ナトリウムの役割についても解明されていない。また、資生堂(株)の商品であるオーデコロン・マッサージジェル「キオラ インナーセラムR(ディスペンサータイプ)」が水虫患者の水虫を完治させるとして、この商品に含まれている11個の構成成分すべてを含む混合物が水虫治療薬として開示されている(特許文献10)。これらの構成成分の一つとしてクエン酸ナトリウムが含まれているが、これらの11個の成分のうちのどの成分が水虫治癒作用を示すのかは不明なままであり、解明されていない。カルボン酸塩類と水虫との関連について述べている特許文献としては、安息香酸、ソルビン酸、エデト酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩)が爪水虫、角質増殖型水虫などの難治性水虫を外用で治すことが開示されている(特許文献11)。最近、クエン酸三アルカリ金属塩が皮膚真菌症に対する治療効果を示すことが開示されている(特許文献12)
【0005】
カルボン酸が抗菌活性を示すことの大きな要因としては、カルボン酸の酸性に由来するpHの低下が挙げられている。また、イオン化していない非解離のカルボン酸が微生物の菌体内へと取り込まれることによる菌体内のpH低下による障害や、カルボン酸固有の効果も抗菌活性の一因であると考えられている(非特許文献1)。水虫薬として使われているカルボン酸としては、民間療法薬である酢酸(食酢、木酢液、竹酢液)、中国産の水虫薬である華陀膏(安息香酸とサリチル酸とを含有)がある。クエン酸も民間療法薬として知られている(非特許文献2)が、一方でクエン酸は真菌に対して抗菌作用を示さないとする学術論文がある。松田らは、クエン酸およびクエン酸三ナトリウムが病原性真菌であるカンジダ菌(Candida krusei)とアスペルギルス菌(Aspergillus oryzae)に対する抗菌活性を示さなかったことを報告している(非特許文献3)。抗真菌薬(水虫治療薬)として我が国で認可を得ているカルボン酸としては炭素数11個のウンデシレン酸があるが、臨床上はわずかに使われているだけである(非特許文献4)。クエン酸三ナトリウムがカンジダ菌(Candida albicans)に対して抗菌活性を示したとする論文があるが、そのMIC値はカンジダ症に対して臨床的に使用されている合成抗菌剤のMIC値よりも数万倍以上も弱く、実際のカンジダ症に対する有効性は示されていない(非特許文献5)。上述のように、カルボン酸の抗菌活性は非解離のカルボン酸分子に由来するものと考えられていることから、カルボン酸の塩類に関しては抗菌活性がないものと理解されている。また、カルボン酸の塩類が解離して生じるカルボン酸アニオンは微生物の細胞壁を通過しないものと理解されており、このことからもカルボン酸の塩類は抗菌活性を持たないと考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開1992-149129号公報
【特許文献2】特開2003-171304号公報
【特許文献3】特許第3628647号公報
【特許文献4】特開2005-255638号公報
【特許文献5】特開1992-76973号公報
【特許文献6】特開2003-144535号公報
【特許文献7】特開2007-63227号公報
【特許文献8】特開1997-194373号公報
【特許文献9】特許第3120965号公報
【特許文献10】特開2005-263695号公報
【特許文献11】特許第5548832号公報
【特許文献12】特許第5951084号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】食品危害微生物のターゲット制御、33頁、松田敏生、幸書房、2009年。
【非特許文献2】クエン酸で医者いらず、114頁、長田正松、小島徹、日東書院、2005年。
【非特許文献3】有機酸類の抗菌作用-各種pHにおける最少発育阻止濃度の検討-、松田敏生、矢野俊博、丸山昌弘、熊谷英彦、日本食品工業学会誌、41、687(1994)。
【非特許文献4】E. J.Foley and S. W. Lee, J. Invest. Dermatol., 10, 249 (1948).
【非特許文献5】Yee-Iean Lee, T. Cesario, J. Owens, E. Shanbrom, and L. D. Thrupp, Nutrition, 18, 665-666 (2002).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
人や動物の水虫は人獣共通感染症であり、薬物治療を行ってもなかなか完治には至りにくいことが知られている。皮膚の浅い部分に寄生している水虫菌をなぜ殺すことができないのか、その理由は明らかにはされていないが、皮膚科領域で使われているアゾール系抗真菌剤やアリルアミン系抗真菌剤などの合成抗真菌剤が皮膚の中へと透過しにくいことが一つの大きな要因になっているためではないか、と考えられる。これらの抗真菌剤は、in vitroの薬剤感受性試験では皮膚糸状菌に対する強力な抗菌活性を示すが、薬剤が皮膚糸状菌のいる部位まで届かなければ水虫は治らない。この観点から、新規な水虫薬としては皮膚への透過性にすぐれた新しいタイプの薬剤の開発が望ましく、そのような皮膚への浸透性を持つ薬剤は水虫を完治させるだけの効力を備えているものと期待される。また、爪水虫に対しては内服用抗真菌剤を用いる治療法が行われているが、この内服療法では肝障害などの副作用を伴うこともあるので、副作用の少ない外用療法で爪水虫を治すことができる薬剤の開発も望まれている。即ち、本発明は、皮膚や爪に対する浸透性に優れ、皮膚糸状菌症などを効果的に治療することができる皮膚真菌症治療剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するためには、従来行われてきた合成抗真菌剤の類縁体を研究する手法とは全く異なる観点から抗真菌剤の研究を行う必要がある。従来の合成抗真菌剤は一般に水に不溶性ないしは難溶性であるが、このことが皮膚への透過性を損なう大きな要因になっているものと考えられる。皮膚への透過性を高めるためには、水溶性の高い化合物を選択することが望ましい。このような概念の元に検討を行った結果、本発明者は安息香酸、ソルビン酸、エデト酸のアルカリ金属塩類、クエン酸三アルカリ金属塩類が優れた水虫治癒効果を示すことを見出した(特許文献11、12)。そしてさらに検討を行い、クエン酸三置換塩類が優れた水虫治癒効果を持ち、かつ、皮膚刺激性もないことを見出した。このような知見に更なる検討を重ね、下記に代表される発明が完成した。
項1.
クエン酸三置換塩を含む、皮膚真菌症治療用外用剤。
項2.
前記クエン酸三置換塩の置換基が、カリウム、ナトリウム、リチウム、アンモニウムのいずれかで構成される、項1に記載の皮膚真菌症治療用外用剤。
項3.
液剤である、項1又は2に記載の皮膚真菌症治療用外用剤。
【発明の効果】
【0010】
クエン酸そのものは自身の持つ酸性のために皮膚への刺激が強く、人の水虫治療には使いにくいが、クエン酸三置換塩類は酸性が消失しているので皮膚への刺激が少なく、安心して使える水虫治療剤である。クエン酸は、好気的代謝に関する最も重要な生化学反応経路であるクエン酸回路の一構成物質であり、人体中にも豊富に存在しているため、安全性にも優れる。クエン酸三置換塩類は、皮膚真菌症に対して強い治癒作用を持つ、副作用の少ない理想的な水虫治療薬として人類社会に貢献する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
クエン酸三置換塩には、置換基としてカリウム、ナトリウム、リチウム、アンモニウムのいずれかの一つ以上を含むクエン酸三置換塩が挙げられる。より具体的には、クエン酸三置換塩にはクエン酸二カリウムナトリウム、クエン酸二カリウムリチウム、クエン酸二カリウムアンモニウム、クエン酸カリウム二ナトリウム、クエン酸カリウム二リチウム、クエン酸カリウム二アンモニウム、クエン酸カリウムナトリウムリチウム、クエン酸カリウムナトリウムアンモニウム、クエン酸カリウムリチウムアンモニウム、クエン酸二ナトリウムリチウム、クエン酸二ナトリウムアンモニウム、クエン酸ナトリウム二リチウム、クエン酸ナトリウム二アンモニウム、クエン酸ナトリウムリチウムアンモニウム、クエン酸二リチウムアンモニウム、クエン酸二アンモニウムリチウムが含まれる。
【0012】
これらのクエン酸三置換塩は、いずれも外用で人の水虫を容易に完治させることが判明した。つまり、クエン酸三置換塩は水の存在下で三アニオンに解離し、それらの三アニオンが皮膚真菌症患部の皮膚内へと容易に浸透する。そして、クエン酸三アニオンが良好な水虫治癒効果を示すことから、カルボン酸由来の酸性が抗菌作用を示すと解釈する従来の抗菌作用機序とは全く異なる、新規な機構でクエン酸三アニオンが皮膚糸状菌などの病原性真菌に作用していることは明らかである。クエン酸三アニオンのこの新規な抗菌作用は、クエン酸三アニオンが有するキレート作用により病原性真菌から重要な役割を担う金属イオン(カルシウムイオン、マグネシウムイオン,亜鉛イオン、鉄イオンなど)が奪われて真菌が生存できなくなることに由来すると考えられる。また真菌は真核生物であるのでクエン酸回路を持っており、真菌が寄生している皮膚角層内へとクエン酸三アニオンが流入すると真菌の菌糸と胞子がクエン酸アニオンを吸収していずれも増殖しようとするが、皮膚角質層内では金属イオンが枯渇しているために真菌はすぐに死滅すると考えられる。なお、一般的にはイオン類は皮膚を透過しないとされているが、皮膚真菌症の患部では真菌によって角層バリアが破壊されており、このためにクエン酸アニオンが皮膚角層内へと移行すると考えられる。
【0013】
クエン酸三置換塩の水溶液は皮膚や爪への浸透性が良く、これまで治りにくいとされてきた水虫を容易に完治させる。皮膚の水虫に対しては、クエン酸三置換塩類を含む薬剤を例えば1日1~多数回水虫患部に適用することにより、病原性真菌を殺すために必要な皮膚内の薬剤濃度が保たれて病原性真菌を消滅させることができ、1週間~半月間の処理により皮膚の水虫の完治を達成することができる。
【0014】
クエン酸三置換塩の水溶液は爪組織への浸透性もよく、爪水虫を外用療法で治すことができる。爪の水虫に対しては、クエン酸三置換塩を含む薬剤を1日1~3回爪患部に適用することにより、病原性真菌を殺すために必要な爪患部内の薬剤濃度が保たれて病原性真菌を消滅させることができ、数カ月~1年半程度の処理により爪水虫完治を達成することができる。爪組織は伸びるのが遅く、爪全体が生え変わるまでには手の爪で3ヶ月程度、足の爪では半年~1年以上もかかるので、爪水虫の治療には長期間にわたる処理が必要である。
【0015】
従来、爪水虫は内服用抗真菌薬の内服療法でしか治せないものであったが、クエン酸三置換塩含有液剤を用いれば外用療法で爪水虫を治せることが判明した。クエン酸三置換塩はほぼ中性pHを持ち、クエン酸由来の酸性による皮膚への刺激がないので、皮膚の炎症を起こしにくいというすぐれた特性も併せ持っている。このように、クエン酸三置換塩類は、理想的な皮膚真菌症(いわゆる水虫)治療剤として人類社会に貢献する役割を担えるであろう。
【0016】
外用剤におけるクエン酸三置換塩の薬剤濃度は、皮膚糸状菌などの病原性真菌を殺し得る任意の範囲内の濃度を選択できるが、クエン酸三アニオンを皮膚内へと透過させて長時間その濃度を維持すること好ましい。また、爪水虫では爪の一番奥に潜む真菌の生息部位までクエン酸三アニオンを到達させることが望ましい。このような観点からクエン酸三置換類の濃度は0.1~20重量%程度が好ましく、さらに好ましくは1~10重量%である。この薬剤濃度が低すぎると皮膚糸状菌に対する効果が十分でないので、薬剤の投与回数を多くする必要が生じてくる。また、薬剤濃度が高すぎると皮膚に対する刺激が大きくなって皮膚の敏感な部分に炎症が生じかねない。
【0017】
クエン酸三置換塩は、医薬品とするために必要な程度の水溶性を備えている。このため、液剤、クリーム剤、噴霧剤、軟膏剤などの剤型を必要に応じて適宜選択することができる。クエン酸三置換塩を溶解するための溶媒としては、水、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、マクロゴールなどのクエン酸塩が可溶な任意の溶媒を使うことができる。クエン酸三置換塩類は、既知の合成抗真菌薬と混合して使用してもよく、また、木酢液、竹酢液、酢酸、植物抽出液などの水虫に対する民間伝承薬と任意の割合で混合しても差し支えはないが、これらの既知の薬剤は皮膚への刺激性が強いので併用しないことが好ましい。
【0018】
クエン酸二水素一置換塩であるクエン酸二水素カリウム、クエン酸二水素ナトリウム、およびクエン酸一水素二置換塩であるクエン酸一水素二カリウム、クエン酸一水素二ナトリウムも病原性真菌に対する抗菌活性を有するが、これらの塩類は遊離のカルボキシル基を含んでいるために皮膚への刺激性があり、さらにクエン酸三置換塩と比較すると水虫治癒効果が低い。
【実施例0019】
以下、実施例により本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0020】
[実施例1]
クエン酸三リチウム四水和物13.4gに20%エタノールを加えて1000gとし、1%試験液を調製した。下腹部にできている体部水虫に対して1%試験液を1日2回噴霧乾燥したところ、半月後に皮膚症状が消失して健康な皮膚を回復した。
【0021】
[実施例2]
クエン酸二カリウム26.8gを水940mlに溶解し、氷水冷攪拌下に1N苛性ソーダ水溶液100mlを滴下して2.5%クエン酸二カリウムナトリウム試験液を調製した。左手親指爪にできている爪白癬に対して2.5%試験液を1日3回塗布したところ、健康な爪が伸長して3ヶ月後には爪白癬が完治した。
【0022】
[実施例3]
クエン酸二ナトリウム1.5水和物26.1gを水340mlに溶解し、氷水冷攪拌下に1N苛性カリ水溶液100mlを滴下して5%クエン酸二ナトリウムカリウム試験液を調製した。太ももにできている体部白癬に対して5%試験液を1日3回塗布したところ、10日後に白癬が完治した。
【産業上の利用可能性】
【0023】
日本で数多くの患者が存在するといわれている皮膚真菌症(いわゆる水虫)の治療剤が提供される。これまで水虫は完治しにくいものであったが、本発明の皮膚真菌症治療剤を用いることにより水虫は容易に完治できる。さらに、従来は治療することができなかった重度爪水虫(爪母に真菌が寄生している状態)も本発明化合物を用いて完治させることができた。よって、本発明は、水虫という厄災から人類を救済し得るものであり、産業上の利用可能性は極めて大きい。