(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125497
(43)【公開日】2022-08-29
(54)【発明の名称】出隅構造
(51)【国際特許分類】
E04F 19/02 20060101AFI20220822BHJP
【FI】
E04F19/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023109
(22)【出願日】2021-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】板橋 茂
(72)【発明者】
【氏名】小泉 しをり
(72)【発明者】
【氏名】水野 彩香
(57)【要約】
【課題】対象物が出隅部にぶつかった場合でも対象物の安全性を確保し、外壁の欠けを防止する出隅構造を提供すること。
【解決手段】建物の出隅部Cに設けられている下地材6と、出隅部Cの一辺に形成される第1化粧材7aと、出隅部Cの他一辺に形成され第1化粧材7aとの間に間隙が形成される第2化粧材7bと、第1化粧材7aと第2化粧板7bとの間に設けられる出隅部材2と、シール部材10とを有しており、出隅部材2は、下地材6に取り付けられる平面視L字型の固定面材3と、固定面材3に設けられ下地材6に固定面材3を固定する固定手段と、平面視固定面材3の頂点を成す稜辺Eに固定された水平断面視円状の縦柱4と、を備えており、第1化粧材7aおよび第2化粧材7bが、固定手段の屋外側に固定され、シール部材10が、第1化粧材7aと縦柱4とからなる隙間Gおよび第2化粧材7bと縦柱4とからなる隙間Gを埋めていることを特徴としたことにある。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の出隅部に設けられている下地材と、前記出隅部の一辺に形成される第1化粧材と、前記出隅部の他一辺に形成され前記第1化粧材との間に間隙が形成される第2化粧材と、前記間隙に設けられる出隅部材と、シール部材とを有しており、
前記出隅部材は、前記下地材に取り付けられる平面視L字型の固定面材と、
前記固定面材に形成され前記下地材に前記固定面材を固定する固定手段と、
平面視前記固定面材の頂点を成す稜辺に固定された水平断面視円状の縦柱と、を備えており、
前記第1化粧材および前記第2化粧材が、前記固定手段の屋外側に固定され、
前記シール部材が、前記第1化粧材と前記縦柱とからなる隙間および前記第2化粧材と前記縦柱とからなる隙間を埋めていることを特徴とする出隅構造。
【請求項2】
前記縦柱は、前記第1化粧材の屋外面と前記第2化粧材の屋外面との延長線からなる交点よりも屋外側に突出していることを特徴とする請求項1に記載の出隅構造。
【請求項3】
前記縦柱は丸鋼であって、溶接によって前記固定面材に固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の出隅構造。
【請求項4】
前記縦柱の上端部および下端部は、天井および屋外床に埋め込まれていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の出隅構造。
【請求項5】
前記縦柱は木材であって、前記固定面材から屋外側に突出して前記固定面材と前記縦柱とを繋ぐ第1ピース板材が設けられ、前記第1ピース板材に第2係止孔が形成されており、
前記第1ピース板材が前記縦柱を挟むように接して第2締結部材が前記第2係止孔を挿通して前記縦柱が前記固定面材に固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の出隅構造。
【請求項6】
前記縦柱は木材であって、軸方向にスリッドと、前記スリッドに直交する固定孔と、が形成されており、
前記固定面材は、屋外側に突出するように前記稜辺に設けられた第2ピース板材を備えており、
前記第2ピース板材は、第3係止孔が形成されており、
前記第2ピース板材が前記スリッドに嵌め込まれ、第3締結部材が前記固定孔および前記第3係止孔を連続して挿通して、前記縦柱が前記固定面材に固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の出隅構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の出隅部に用いられる出隅構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建物外壁や柱等の出隅部付近で高齢者または子供が転倒した場合、出隅部から人への衝撃を緩和するための安全確保性が重視されている。また、人でなくとも車いす、ベビーカーまたは避難車等が建物の外壁や柱の出隅部にぶつかった場合、小さい衝撃でも容易に表面に窪みや欠けが発生するものとなるため、出隅部が破損する恐れがあり、出隅構造の耐久性が低下するものであった。
【0003】
そこで、特許文献1は、コーナーカバー本体にあらかじめ強度を補強する補強部およびカバー本体の側部から側方へ突出する取付座を備えた固定補強体を設けた構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のコーナーカバーは丸みを帯びていないため、対象物が出隅部にぶつかった場合、対象物の安全性が確保されておらず、また外壁が破損する恐れがあった。
【0006】
そこで本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その主目的は、対象物が出隅部にぶつかった場合でも対象者の安全性を確保し、外壁の欠けを防止する出隅構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、建物の出隅部に設けられている下地材と、出隅部の一辺に形成される第1化粧材と、出隅部の他一辺に形成され第1化粧材との間に間隙が形成される第2化粧材と、間隙に設けられる出隅部材と、シール部材とを有しており、出隅部材は、下地材に取り付けられる平面視L字型の固定面材と、固定面材に形成され下地材に固定面材を固定する固定手段と、平面視固定面材の頂点を成す稜辺に固定された水平断面視円状の縦柱と、を備えており、第1化粧材および第2化粧材が、固定手段の屋外側に固定され、シール部材が、第1化粧材と縦柱とからなる隙間および第2化粧材と縦柱とからなる隙間を埋めていることを特徴としたことにある。
【0008】
好ましくは、縦柱は、第1化粧材の屋外面と第2化粧材の屋外面との延長線からなる交点よりも屋外側に突出していることを特徴としたことにある。
【0009】
好ましくは、縦柱は丸鋼であって、溶接によって固定面材に固定されていることを特徴としたことにある。
【0010】
好ましくは、縦柱の上端部および下端部は、天井および屋外床に埋め込まれていることを特徴としたことにある。
【0011】
好ましくは、縦柱は木材であって、固定面材から屋外側に突出して固定面材と縦柱とを繋ぐ第1ピース板材が設けられ、第1ピース板材に第2係止孔が形成されており、第1ピース板材が縦柱を挟むように接して第2締結部材が第2係止孔を挿通して縦柱が固定面材に固定されていることを特徴としたことにある。
【0012】
好ましくは、縦柱は木材であって、軸方向にスリッドと、スリッドに直交する固定孔と、が形成されており、固定面材は、屋外側に突出するように前記稜辺に設けられた第2ピース板材を備えており、第2ピース板材は、第3係止孔を具備しており、第2ピース板材がスリッドに嵌め込まれ、第3締結部材が固定孔および第3係止孔を連続して挿通して、縦柱が固定面材に固定されていることを特徴としたことにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る出隅構造によれば、建物の出隅部に用いられ、下地材と、出隅部の一辺に形成される第1化粧材と、他一辺に形成され第1化粧材との間に間隙が形成される第2化粧材と、間隙に設けられる出隅部材と、シール部材とを有しており、出隅部材は、平面視L字型の固定面材と、下地材に固定面材を固定する固定手段と、平面視固定面材の頂点を成す稜辺に固定された水平断面視円状の縦柱と、を備えているため、固定手段により出隅部材を出隅部に固定することができ、縦柱が丸みを帯びているので、出隅部にぶつかっても角がないため安全を確保することができる。また第1化粧材および第2化粧材が、屋外側に固定手段を覆い隠すように固定され、シール部材が、第1化粧材と縦柱とからなる隙間および第2化粧材と縦柱とからなる隙間を埋めているので、全体としての強度や意匠性を高めることができる。
【0014】
本発明に係る出隅構造によれば、縦柱が第1化粧材の屋外面と第2化粧材の屋外面との延長線からなる交点よりも屋外側に突出しているので、対象物が出隅部にぶつかっても第1化粧材または第2化粧材よりも縦柱が先に当たるため第1化粧材と第2化粧材を保護することができる。
【0015】
本発明に係る出隅構造によれば、縦柱は丸鋼であり固定面材に固定する際は溶接を用いることができるので、容易に固定することができる。
【0016】
本発明に係る出隅構造によれば、縦柱の上端部および下端部は、天井および屋外床に埋め込まれているので縦柱の固定強度を高めることができる。
【0017】
本発明に係る出隅構造によれば、縦柱は木材であって、屋外側に突出して設けられ固定面材と縦柱とを繋ぐ第1ピース板材と、第1ピース板材に設けられた第2係止孔と、を備えており、第1ピース板材が縦柱を挟むように接して第2締結部材が第2係止孔を挿通して縦柱が固定面材に固定されているので、縦柱を後付けすることができる。
【0018】
本発明に係る出隅構造によれば、縦柱は木材であって、軸方向に形成されたスリッドと、径方向に形成された固定孔と、を備えており、固定面材は、屋外側に突出して稜辺に設けられた第2ピース板材を備えており、第2ピース板材は、第3係止孔を具備しており、第2ピース板材がスリッドに嵌め込まれ、第3締結部材が固定孔および第3係止孔を連続して挿通して、縦柱が固定面材に固定されているので、縦柱を後付けすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る第1実施形態の出隅部材を示す概略斜視図である。
【
図2】本発明に係る第1実施形態の出隅構造を示す概略水平断面図である。
【
図3】本発明に係る第1実施形態の出隅構造を示す概略垂直断面図である。
【
図4】本発明に係る出隅部材の変形例を示す概略斜視図である。
【
図5】本発明に係る第2実施形態の出隅構造を示す概略水平断面図である。
【
図6】本発明に係る第3実施形態である(a)縦柱を示す概略平面図、(b)固定面材を示す概略斜視図である。
【
図7】本発明に係る第3実施形態の出隅構造を示す概略水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の出隅構造1a,1b,1cについて、図面を参照して詳細に説明する。出隅構造1a,1b,1cは主に建物の外壁や柱の出隅部Cに用いられる。
【0021】
(第1実施形態)
図1に示す出隅部材2は、L字型に形成された複数の固定面材3と、平面視固定面材3の頂点となる稜辺Eに固定された丸鋼の縦柱4とを有しており、固定面材3には固定手段である第1係止孔5aが形成されている。縦柱4は丸鋼であるため固定面材3とは溶接によって容易に固定することができる。縦柱4の長手方向の長さLは建物の高さに応じて適宜変更可能であり2.0m~4.0mである。また。固定面材3のピッチ間L1は縦柱4の素材や長さLに応じて適宜変更可能であり、0.5m~1.5mである。
【0022】
図2に示す出隅構造1aは、下地材6上に第1化粧材7aと第2化粧材7bとが形成されており、第1化粧材7aと第2化粧材7bとの間隙に出隅部材2が設けられている。出隅部材2の固定面材3が建物の出隅部Cに取り付けられてビスや釘などの第1締結部材8aが第1係止孔5aを挿通して下地材6に打ち込まれて固定されており、また第1化粧材7aおよび第2化粧材7bが第1係止孔5aおよび第1締結部材8a上を屋外側に覆い隠すようにモルタル9によって固定されている。また、第1化粧材7aと縦柱4との隙間Gおよび第2化粧材7bと縦柱4との隙間Gはシール部材10によって埋められている。
【0023】
縦柱4は、第1化粧材7aの屋外面の延長線と第2化粧材7bの屋外面の延長線とが交わる交点Xよりも屋外側に突出している。したがって、車椅子やベビーカー等の対象物が出隅部Cにぶつかった場合であっても、第1化粧材7aまたは第2化粧材7bがぶつかる前に縦柱4にぶつかるため、第1化粧材7aまたは第2化粧材7bが欠けたりしないように保護することができる。また、縦柱4を円形状にすることでぶつかっても対象物の安全が配慮されている。
【0024】
図3に示すように、縦柱4の上端部11および下端部12は、それぞれ天井Tおよび屋外床Fに埋め込まれている。したがって、出隅部Cに対する固定強度を高めることができる。
【0025】
実際に施行する際は、下地材6に固定面材3の第1係止孔5aから第1締結部材を打ち出隅部材2を出隅部Cに固定し、その後、第1化粧材7aと第2化粧材7bとをモルタル9によって第1係止孔5aを隠すように固定し、最後にシール部材10を用いて隙間Gを埋めて完了する。
【0026】
図4に示すように、出隅部材2の固定面材13は、連続した一つの構成としても構わない。複数の固定面材3を縦柱4に溶接するよりも、連続した一つの固定面材13とすることで、容易に縦柱4に溶接することができる。
【0027】
(第2実施形態)
縦柱4が中実の木材であって、溶接により縦柱4を固定面材3,13に固定することが困難である場合、以下に示すように、縦柱4を固定面材3,13に固定してもよい。
【0028】
第2実施形態の出隅構造1bを示した
図5にあるように、縦柱4と固定面材3,13とを固定するために出隅部材2の固定面材3,13には第1ピース板材14が設けられている。第1ピース板材14は、屋外側に突出して2か所固定面材3,13に設けられており、また、第1ピース板材14には縦柱4に固定するための第2係止孔5bが形成されている。縦柱4が第1ピース板材14に挟み込まれるように2点で接しており、ビスや釘等の第2締結部材8bが第1ピース板材14の第2係止孔5bを介して挿通して縦柱4に打ち込まれることで縦柱4が固定面材3,13に固定されている。固定面材3,13および下地材6は、第1実施形態と同様に、固定面材3,13が出隅部Cに取り付けられており、第1締結部材8aが固定面材3,13に形成された第1係止孔5aを挿通して下地材6に打ち込まれて固定されている。そして、第1化粧材7aと第2化粧材7bとが第1係止孔5aを隠すようにモルタル9で固定されている。また、縦柱4と第1化粧材7aとからなる隙間Gおよび縦柱4と第2化粧材7bとからなる隙間Gをシール部材10が埋めており、同時に第1ピース板材14も隠して出隅構造1の外観を仕上げて出隅構造1の耐久性を上げている。
【0029】
実際に施行する際は、下地材6に固定面材3,13の第1係止孔5aからビスなどの第1締結部材8aを打ちこんで第1ピース板材14が設けられている固定面材3,13を出隅部Cに固定し、その後、木材からなる縦柱4を第1ピース板材14に接するように取り付けて、第1ピース板材14の第2係止孔5bからビスなどの第2締結部材8bを縦柱4に打ち込んで縦柱4を固定面材3,13に固定する。最後に、第1化粧材7aと第2化粧材7bとをモルタル9によって第1係止孔5aを隠すように固定し、最後にシール部材10を用いて隙間Gを埋めて完了する。本実施形態においては、縦柱4は後付けをするので、縦柱4を天井Tや屋外床Fに埋め込んでいない。
【0030】
本実施形態のように、固定面材3,13を出隅部Cに固定しておけば、縦柱4を後付けができるので利便性を上げることができる。すなわち、出隅部材2全体の重量が重い場合であっても、縦柱4の後付けが可能であるため、固定面材3,13と縦柱4とを分けて出隅部Cに取り付けることができ、施工性を上げることができる。また、リフォーム等で出隅構造1を解体する場合、固定面材3,13と縦柱4とを分離することができるので容易に取り壊しをすることができる。
【0031】
また、本実施形態においては、1つの固定面材3,13に対して2個の第1ピース板材14が設けられていたが、3個以上の第1ピース板材14が設けられていてもよく、第2係止孔5bの数も3個以上形成されていてもよい。
【0032】
(第3実施形態)
縦柱4が中実の木材であって、溶接により縦柱4を固定面材3,13に固定することが困難である場合、以下に示すように、縦柱4を固定面材3,13に固定してもよい。
【0033】
図6(a)に示すように、縦柱4は、軸方向に対してスリッド15が形成されており、またスリッド15に直交するように径方向に固定孔16が複数箇所一定の間隔で形成されている。また、
図6(b)に示すように、固定面材3,13の平面視L字の頂点の稜辺Eに第2ピース板材17が設けられている。第2ピース板材17は、縦柱4のスリッド15に嵌め込み可能となっており、嵌め込み後、第3係止孔5cと固定孔16とが連続して一致するように第3係止孔5cが複数箇所一定の間隔で形成されている。
【0034】
第3実施形態の出隅構造1を示した
図7にあるように、固定面材3に設けられた第2ピース板材17が屋外側に突出しており、縦柱4のスリッド15に嵌め込まれている。固定孔16と第3係止孔5cとは孔の位置が一致おり、ドリフトピンなどの第3締結部材8cが固定孔16と第3係止孔5cとを連続して挿通して、縦柱4が固定面材3,13に固定されている。固定面材3,13および下地材6は、第1実施形態および第2実施形態と同様に、固定面材3,13が出隅部Cに取り付けられており、第1締結部材8aが固定面材3,13に形成された第1係止孔5aを挿通して下地材6に打ち込まれて固定されている。そして、第1化粧材7aと第2化粧材7bとが屋外側に第1係止孔5aを隠すようにモルタル9で固定されている。また、縦柱4と第1化粧材7aとからなる隙間Gおよび縦柱4と第2化粧材7bとからなる隙間Gをシール部材10が埋めており、出隅構造1の外観を仕上げて出隅構造1の耐久性を上げている。
【0035】
実際に施行する際は、下地材6に固定面材3,13の第1係止孔5aからビスなどの第1締結部材8aを打ちこむ。その後、固定面材3,13に設けられた第2ピース板材17を木材からなる縦柱4のスリッド15に嵌め込んで、第2ピース板材17の第3係止孔5cおよび縦柱4の固定孔16を連続させてドリフトピンなどの第3締結部材8cを縦柱4に挿通し縦柱4を固定面材3,13に固定する。最後に、第1化粧材7aと第2化粧材7bとをモルタル9によって第1係止孔5aを隠すように固定し、最後にシール部材10を用いて隙間Gを埋めて完了する。なお、本実施形態においては、縦柱4は後付けができるように、縦柱4を天井Tや屋外床Fに埋め込んでいない。
【0036】
本実施形態のように、固定面材3,13を出隅部Cに固定しておけば、縦柱4を後付けや交換することで利便性を上げることができる。すなわち、出隅部材2全体の重量が重い場合であっても、縦柱4の後付けが可能であるため、固定面材3,13と縦柱4とを分けて出隅部Cに取り付けることができ、施工性を上げることができる。また、リフォーム等で出隅構造1を解体する場合、固定面材3,13と縦柱4とを分離することができるので容易に取り壊しをすることができる。また、縦柱4が対象物に当たり破損等した場合であっても、第3締結部材8cを外すことにより縦柱4を新たに交換することができる。
【0037】
また、本実施形態においては、必要であれば固定孔16に第3締結部材8cを隠すように蓋が設けられていてもよい。蓋を有することで出隅構造1の意匠性を上げることができる。
【0038】
なお、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更してもよい。第1実施形態から第3実施形態まで、固定面材3はL字型形状の直角であったが、出隅部Cの角度に応じて鋭角や鈍角に適宜変更してもよい。また、固定面材3に縦柱4を固定する際は、溶接や締結部材を用いなくとも接着剤で固定されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係る出隅構造は、対象物が出隅部にぶつかった場合でも対象者の安全性を確保し、外壁の欠けを防止するために好適に用いられる。
【符号の説明】
【0040】
1 出隅構造
2 出隅部材
3 固定面材
4 縦柱
5a 第1係止孔
5b 第2係止孔
5c 第3係止孔
6 下地材
7a 第1化粧材
7b 第2化粧材
8a 第1締結部材
8b 第2締結部材
8c 第3締結部材
9 モルタル
10 シール部材
11 上端部
12 下端部
13 固定面材
14 第1ピース板材
15 スリッド
16 固定孔
17 第2ピース板材
C 出隅部
E 稜辺
G 隙間
T 天井
F 屋外床
L 長さ
L1 ピッチ間
L2 長さ
X 交点