(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125553
(43)【公開日】2022-08-29
(54)【発明の名称】無人搬送車ルート案内システム、無人搬送車ルート案内方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20220822BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20220822BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
G05D1/02 J
G08G1/00 X
G01C21/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023198
(22)【出願日】2021-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130498
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 禎哉
(72)【発明者】
【氏名】溝口 英次
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
2F129AA06
2F129BB15
2F129DD20
2F129EE17
2F129EE29
5H181AA20
5H181CC04
5H181FF05
5H181FF13
5H301AA02
5H301AA03
5H301AA09
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD07
5H301EE03
5H301EE13
5H301FF11
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG17
5H301LL08
5H301MM09
(57)【要約】
【課題】ルートに沿って床に永久磁石を埋設したり、磁気テープまたは反射テープを貼り付ける必要がなく、ルートを変更する場合にも大掛かりな工事が強いられずに容易にルート変更することができ、導入コストも比較的安価に抑えることが可能な無人搬送車ルート案内システムを提供する。
【解決手段】ルートの所定箇所に表示機Wを設置し、表示機Wに表示された情報である表示内容を撮像・読取可能な撮像手段Z3を搭載した無人搬送車Zが、表示機Wに向かって走行する際に撮像手段Z3により撮像した表示機Wの表示内容を読み取ることで、当該表示内容に従った自動走行を実施するように構成した無人搬送車ルート案内システムXとした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人搬送車をルートに沿って自動走行させる無人搬送車ルート案内システムであって、
前記ルートの所定箇所に表示機を設置し、
前記表示機に表示された情報である表示内容を撮像・読取可能な撮像手段を搭載した前記無人搬送車が、前記表示機に向かって走行する際に前記撮像手段により撮像した前記表示機の表示内容を読み取ることで、当該表示内容に従った自動走行を実施するように構成していることを特徴とする無人搬送車ルート案内システム。
【請求項2】
前記表示機は、前記表示機の識別ID、走行速度、進行方向、走行距離、走行命令、停止命令のうち、少なくとも何れか1つの情報を表示するものである請求項1に記載の無人搬送車ルート案内システム。
【請求項3】
前記無人搬送車が前記表示機に到着した際に当該表示機の位置に基づいて当該無人搬送車の現在位置を推定する位置推定部を備えている請求項1または2に記載の無人搬送車ルート案内システム。
【請求項4】
前記表示機は、複数の前記無人搬送車毎に前記表示機の表示内容を切替可能に構成されたものであり、
さらに、
前記無人搬送車毎の走行ルートを生成する走行ルート生成部と、
前記走行ルート生成部によって生成した前記走行ルートに基づいて、前記表示機に表示する表示内容及び表示タイミングを決定する表示タイミング決定部とを備えている請求項1乃至3の何れかに記載の無人搬送車ルート案内システム。
【請求項5】
前記無人搬送車が前記表示機の表示内容を撮像・読取できなかった場合に停車するように設定している請求項1乃至4の何れかに記載の無人搬送車ルート案内システム。
【請求項6】
表示内容が切り替え可能な表示機を用いて、無人搬送車をルートに沿って自動走行させる無人搬送車ルート案内方法であって、
前記無人搬送車の走行ルートを生成する走行ルート生成ステップと、
前記走行ルートに基づいて、前記表示機に表示する表示内容と表示タイミングを決定する表示タイミング決定ステップと、
前記表示タイミングに基づいて、前記表示機の表示内容を切り替える表示切替ステップと、
前記表示機の表示内容を前記無人搬送車が読み取る表示内容読み取りステップと、を経ることを特徴とする無人搬送車ルート案内方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)のルート案内システム及び無人搬送車ルート案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者が直接操縦することなく所定の荷物を目的地まで自動的に搬送する無人搬送車(AGV)は、生産現場や製品の保管・出荷を行う物流センター等において導入され、幅広く活用されている。このような無人搬送車を目標走行経路に沿って自動的に走行させるシステムを実現するためには、無人搬送車を目的地まで誘導するシステムが必要であり、目標走行経路の誘導方式が種々開発され、実用化されている。
【0003】
例えば、磁気誘導方式は、床面に貼り付けられた磁気テープまたは床に埋設された永久磁石の磁気を無人搬送車に搭載した磁気センサにより検出し、無人搬送車の走行速度制御と操舵制御を行い、目標走行経路に追従した自律走行を行うものである(例えば特許文献1)。
【0004】
また、光学方式は、床面に貼り付けられた反射テープからの反射光を無人搬送車に搭載した光学センサにより検出し、無人搬送車の走行速度制御と操舵制御を行い、目標走行経路に追従した自律走行を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の各種方式を実際に導入した場合、目標走行経路(ルート)に沿って床に永久磁石を埋設したり、磁気テープまたは反射テープを貼り付ける必要があるため、ルート変更時には変更ルートに沿って永久磁石を埋設し直したり、磁気テープ等を貼り付け直す大規模な工事が必要であり、時間・費用・手間が掛かるという問題がある。
【0007】
また、上述した従来の各種方式を実際に導入した場合、ルートに沿って無人搬送車を走行させるために、全ての無人搬送車に磁気センサまたは光学センサを搭載する必要があり、導入コストの大幅な増大化に直結する。
【0008】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、主たる目的は、ルートに沿って床に永久磁石を埋設したり、磁気テープまたは反射テープを貼り付ける必要がなく、ルートを変更する場合にも大掛かりな工事が強いられずに容易にルート変更することができ、導入コストも比較的安価に抑えることが可能な無人搬送車ルート案内システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は、無人搬送車をルートに沿って自動走行させる無人搬送車ルート案内システムであって、ルートの所定箇所に表示機を設置し、表示機に表示された情報である表示内容を撮像・読取可能な撮像手段を搭載した無人搬送車が、表示機に向かって走行する際に撮像手段により撮像した表示機の表示内容を読み取ることで、当該表示内容に従った自動走行を実施するように構成していることを特徴としている。
【0010】
このような本発明に係る無人搬送車ルート案内システムであれば、ルートの所定箇所に設置された表示機に向かって走行する際に撮像手段により撮像した表示機の表示内容を読み取ることで、当該表示内容に従った自動走行を実施するように構成しているため、ルートに沿って床に永久磁石を埋設したり、磁気テープまたは反射テープを貼り付ける必要がない。また、ルートを変更する場合にも表示機の表示内容を変更したり、表示機の設置位置を変更することで対処できるため、永久磁石を埋設し直したり、磁気テープ等を貼り付け直す大掛かりな工事を行わくても容易にルート変更することができる。また、本発明に係る無人搬送車ルート案内システムでは、表示機の表示内容を撮像・読取可能な撮像手段を搭載した無人搬送車であれば本システムで用いることが可能であるため、全ての無人搬送車に磁気センサまたは光学センサを実装する態様と比較して、導入コストも比較的安価に抑えることが可能である。
【0011】
特に、表示機が、表示機の識別ID、走行速度、進行方向、走行距離、走行命令、停止命令のうち、少なくともいずれか1つの情報を表示するものであれば、このような表示内容を撮像手段で読み取ることで、当該表示内容に従った自動走行を実施するルート案内システムを実現できる。
【0012】
本発明に係る無人搬送車ルート案内システムは、無人搬送車の現在位置を推定する位置推定部を備えたものであってもよい。この場合、位置推定部として、無人搬送車が表示機に到着した際に当該表示機の位置に基づいて当該無人搬送車の現在位置を推定するものを適用することで、無人搬送車の位置管理を適切に行うことができる。
【0013】
本発明において、表示機は、複数の無人搬送車毎に表示機の表示内容を切替可能に構成されたものであることが好ましい。そして、本発明に係る無人搬送車ルート案内システムが、さらに、無人搬送車毎の走行ルートを生成する走行ルート生成部と、走行ルート生成部によって生成した走行ルートに基づいて表示機に表示する表示内容及び表示タイミングを決定する表示タイミング決定部とを備えたものであれば、無人搬送車毎に異なる走行ルートを自動走行させることが可能になり、全ての無人搬送車を同じルートで自動走行させることしかできない態様と比較して、搬送効率の向上を図ることができ、無人搬送車の省エネにもつながる。
【0014】
また、本発明において無人搬送車が表示機の表示内容を撮像・読取できなかった場合に停車するように設定すると、表示機の表示内容を撮像・読取できないことに起因して無人搬送車が迷走・暴走するという事態を未然に防止でき、安全面においても優れた無人搬送車ルート案内システムを実現できる。
【0015】
また、本発明に係る無人搬送車ルート案内方法は、表示内容が切り替え可能な表示機を用いて、無人搬送車をルートに沿って自動走行させる方法であって、無人搬送車の走行ルートを生成する走行ルート生成ステップと、走行ルート生成ステップで生成した走行ルートに基づいて表示機に表示する表示内容及び表示タイミングを決定する表示タイミング決定ステップと、表示タイミング決定ステップで決定した表示タイミングに基づいて表示機の表示内容を切り替える表示切替ステップと、表示機の表示内容を無人搬送車が読み取る表示内容読み取りステップとを経ることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
このように、本発明によれば、ルートに沿って床に永久磁石を埋設したり、磁気テープまたは反射テープを貼り付ける必要がなく、ルートを変更する場合にも大掛かりな工事を強いられることなく容易にルート変更することができ、導入コストも比較的安価に抑えることが可能な無人搬送車ルート案内システム及び無人搬送車ルート案内方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムの概要模式図。
【
図2】同実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムの全体構成ブロック図。
【
図3】同実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムを導入した搬送エリアの平面模式図。
【
図4】同実施形態に係る無人搬送車ルート案内システム全体のフローチャート図。
【
図5】同実施形態における無人搬送車の状態の一例を示す図。
【
図6】同実施形態における運搬スケジュールの一例を示す図。
【
図7】同実施形態における表示タイミングの一例を示す図。
【
図8】同実施形態における無人搬送車の動作フローを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXは、
図1に示すように、例えば屋内の所定エリア(搬送エリア)内に設置された表示機Wと、表示機Wの表示内容にしたがって搬送エリア内を自動走行可能な無人搬送車Zとを備えている。なお、本システムは屋外でも利用可能である。
【0020】
表示機Wは、所定の画面W1に無人搬送車Zに対する指示内容を表示するものである。本実施形態では、表示機Wを支柱等を用いて床に自立させた状態で設置している。表示機Wの画面W1には、表示機No.、無人搬送車ZのID番号、走行速度、走行する方向(右折、左折、折返、直進)、走行距離、停止等の情報が表示される。なお、表示する情報は何れか一つでもよいし、いくつかの情報を組み合わせて表示するようにしてもよい。特に、無人搬送車ZのID番号、走行する方向または停止の指示については、本実施形態では表示することが望ましい情報である。表示形式は、二次元コード、文字、矢印等を挙げることができ、タイプの異なる表示形式を併記(例えば二次元コードと文字を併記)することもできる。表示形式として文字を含む場合には、本システムの管理を行う人員にもその表示内容を把握させることができて便利である。表示機Wに表示される情報が本発明における「表示内容」である。各表示機Wには、適宜のコントローラを実装し、画面W1に表示内容を表示するタイミング等を制御するように構成している。
【0021】
無人搬送車Zは、車体Z1と、車体Z1に設けられたタイヤ等の駆動手段Z2と、車体Z1に搭載された撮像手段Z3とを備え、所定の地点に設置されている表示機Wの表示内容を撮像手段Z3によって撮像して読み取ることで、表示内容に従った自律走行を行うものである。なお、
図1では撮像手段Z3による撮像可能範囲Z31を模式的にパターンを付して示している。各無人搬送車Zには、それぞれ固有のIDが割り当てられている。なお、各無人搬送車Zには、適宜のコントローラを実装し、駆動手段Z2や撮像手段Z3の動作等を制御するように構成している。
【0022】
本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXは、
図2に示すように、運搬管理部X1と、ルート管理部X2と、表示機処理部X3と、無人搬送車処理部X4とを備える。
【0023】
運搬管理部X1は、無人搬送車ルート案内システムX全体を管理するものであり、主として荷物の管理(どの荷物をどの場所まで搬送するか)を行うものである。
【0024】
ルート管理部X2は、無人搬送車Zのルートを生成するものであり、主として無人搬送車Z毎の荷物搬送ルートの生成(どの荷物をどの無人搬送車Zでどの場所まで搬送するか)を行うものである。
【0025】
表示機処理部X3は、表示機W毎の処理を実行するものである。各表示機Wの画面W1に表示される表示内容は表示機処理部X3によって切替可能であり、交差点に進入した無人搬送車ZをICタグによって特定し、その無人搬送車Zの走行経路(ルート)に合わせた表示内容を表示することができる。
【0026】
無人搬送車処理部X4は、無人搬送車Z毎の処理を実行するものである。無人搬送車処理部X4による処理内容は、後述の無人搬送車Zの動作フローに関する説明で言及する。
【0027】
本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXが、このような各部の処理によって所定の搬送エリア内における無人搬送車Zの荷物搬送ルートを案内する処理を
図3及び
図4等を参照して説明する。
【0028】
図3に示す本システム導入事例では、搬送エリア内に複数の拠点(A、B、C、D)を決定し、複数の表示機Wを所定のポイントに設置している。具体的には、同図に示すように、表示機1を拠点Aに設置し、拠点Aに対して直線上に対向する拠点Bに表示機5を設置し、拠点Aと拠点Bとの中間地点に表示機2、表示機3、表示機4を設置している。また、拠点Aと拠点Bが対向する方向を平面における縦方向とした場合に、拠点Bに対して横方向に所定距離の間隔で並ぶ拠点C、拠点Dにはそれぞれ表示機11、表示機12を1台ずつ設置し、拠点Cに対して縦方向に対向し且つ拠点Aと拠点Bとの中間地点に対して横方向に略一致する交差点に表示機6、表示機7、表示機8を設置し、拠点Dに対して縦方向に対向し且つ拠点Aと拠点Bとの中間地点に対して横方向に略一致する交差点に表示機9、表示機10を設置している。また、同図においてグレーの塗り潰し部分で表す無人搬送車Zのルートは対向2車線であり、ルート上に示す矢印の方向にのみ走行するように設定している。そして、同図において略矩形状で示す各表示機Wは、角部分に切取部分が無い直線部分(図中、表示機Wを示す図形の長辺)に対してルート上の矢印の方向に向かってくる無人搬送車Zの撮像手段Z3によって撮像・読取可能な表示内容を画面に表示するように設定されている。
【0029】
本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXでは、
図4に示すように、運用を開始すると表示機処理部X3によって全ての表示機Wの画面W1に「停止」を表示させ(開始時停止表示ステップS1)、搬送エリア内における無人搬送車Zの運搬スケジュールを運搬管理部X1によって作成する(運搬スケジュール作成ステップS2)。運搬スケジュール作成ステップS2では、複数台用意されている無人搬送車Zのそれぞれの状況・状態を把握し、それに基づいて運搬スケジュールを作成する。
図5に示す例では、無人搬送車(AGV)は4台あり、そのうちID番号2の無人搬送車が故障中であり、他の3台が使用可能な状態にある。運用開始前及び運用開始時点では全ての無人搬送車Zが拠点Aに待機している状態とする。運搬する荷物は3個であり、これらの荷物を3台の無人搬送車Zで指定拠点まで運搬する運搬スケジュールを作成する。なお、荷物を無人搬送車Zへ積み下ろしする作業は考慮せず、運搬の優先度や時間制限は考慮しないものとする。
【0030】
運搬スケジュール作成ステップS2では、無人搬送車Z毎に荷物の割り当てと、回送ルート(荷物を取りに行くための走行ルート)と配達ルートを決定する。
図5及び
図6に示す例では、無人搬送車2号機が故障のため、無人搬送車1号機に荷物i(
図6では丸数字1)、無人搬送車3号機に荷物ii(同図では丸数字2)、無人搬送車4号機に荷物iii(同図では丸数字3)を割り当てる。そして、回送ルートと配達ルートから使用する表示機WのNo.(
図5及び
図6では「表示機NO」と表記)と、それぞれの指令と速度を決定して
図6に示す運搬スケジュールを運搬管理部X1によって作成する。この運搬スケジュール作成ステップS2のうち、無人搬送車Z毎に回送ルート(荷物を取りに行くための走行ルート)と配達ルートを決定するステップが、本発明における「走行ルート生成ステップ」に相当する。
【0031】
ここで、無人搬送車1号機に関する運搬スケジュールの作成手順及び設定内容を
図6を参照して説明する。
【0032】
先ず、無人搬送車1号機の回送ルートは拠点Aから拠点Bに向かうルートであるため、
図3から表示機WはNo.3とNo.5を使用する。そして、指令番号1として、表示機No.3まで速度5で走行し、到達後の走行はそのまま直進であるため、次指令は「直進」で次指令速度を10に設定する。次いで、指令番号2として、表示機No.5まで速度10で走行し、到達後の走行は折返であるため、次指令は「折返」で次指令速度を5に設定する。無人搬送車1号機が回送ルートに続いて走行する配達ルートは拠点Bから拠点Dであるため、
図3から表示機WはNo.2、No.6、No.9、No.12をこの順に使用する。指令番号3として、表示機No.2まで速度5で走行し、到達後の走行は右折であるため、次指令は「右折」で次指令速度を5に設定する。指令番号4として、表示機No.6まで速度5で走行し、到達後の走行はそのまま直進であるため、次指令は「直進」で次指令速度を10に設定する。指令番号5として、表示機No.9まで速度10で走行し、到達後の走行は右折であるため、次指令は「右折」で次指令速度を5に設定する。指令番号6として、表示機No.12まで速度5で走行し、到達後の走行は無い(走行終了である)ため、次指令は「完了」に設定する。
【0033】
また、無人搬送車2号機に関する運搬スケジュールの作成手順及び設定内容は以下の通りである。
【0034】
先ず、無人搬送車2号機の回送ルートは拠点Aから拠点Dに向かうルートであるため、
図3から表示機WはNo.3、No.6、No.9、No.12、No.10、No.8、No.11を使用する。そして、指令番号1として、表示機No.3まで速度5で走行し、到達後の走行は左折であるため、次指令は「左折」で次指令速度を15に設定する。次いで、指令番号2として、表示機No.6まで速度15で走行し、到達後の走行は直進であるため、次指令は「直進」で次指令速度を10に設定する。指令番号3として、表示機No.9まで速度10で走行し、到達後の走行は右折であるため、次指令は「右折」で次指令速度を5に設定する。指令番号4として、表示機No.12まで速度5で走行し、到達後の走行は折返なので次指令は「折返」で次指令速度を10に設定する。無人搬送車2号機が回送ルートに続いて走行する配達ルートは拠点Dから拠点Cであるため、
図3から表示機WはNo.10、No.8、No.11をこの順に使用する。指令番号5として、表示機No.10まで速度10で走行し、到達後の走行は左折であるため、次指令は「左折」で次指令速度を5に設定する。指令番号6として、表示機No.8まで速度5で走行し、到達後の走行は左折であるため、次指令は「左折」で次指令速度を5に設定する。指令番号7として、表示機No.11まで速度5で走行し、到達後の走行は無い(走行終了である)ため、次指令は「完了」に設定する。
【0035】
また、無人搬送車3号機に関する運搬スケジュールの作成手順及び設定内容は以下の通りである。
【0036】
先ず、無人搬送車3号機の回送ルートは拠点Aから拠点Cに向かうルートであるため、
図3から表示機WはNo.3、No.6、No.11を使用する。そして、指令番号1として、表示機No.3まで速度5で走行し、到達後の走行は左折であるため、次指令は「左折」で次指令速度を10に設定する。次いで、指令番号2として、表示機No.6まで速度10で走行し、到達後の走行は右折であるため、次指令は「右折」で次指令速度を5に設定する。指令番号3として、表示機No.11まで速度5で走行し、到達後の走行は折返であるため、次指令は「折返」で次指令速度を5に設定する。無人搬送車3号機が回送ルートに続いて走行する配達ルートは拠点Cから拠点Aであるため、
図3から表示機WはNo.7、No.4、No.1をこの順に使用する。指令番号4として、表示機No.7まで速度5で走行し、到達後の走行は左折であるため、次指令は「左折」で次指令速度を10に設定する。指令番号5として、表示機No.4まで速度10で走行し、到達後の走行は右折であるため、次指令は「右折」で次指令速度を5に設定する。指令番号6として、表示機No.1まで速度5で走行し、到達後の走行は無い(走行終了である)ため、次指令は「完了」に設定する。
【0037】
以上のような運搬スケジュールを使用可能な無人搬送車Z毎に作成・設定する。ここで、ある拠点同士を結ぶルートは通常固定されているため、ルート毎に使用する表示機W、及び表示機Wの表示内容(次指令や速度)は予め定義しておくことによって自動で設定することができる。このように、本実施形態では、ルート管理部X2が、無人搬送車Z毎の走行ルートを生成する「走行ルート生成部」としての機能を発揮する。
【0038】
次に、本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXでは、作成した運搬スケジュールに基づいて表示機Wの表示タイミングをルート管理部X2によって作成する(表示タイミング作成ステップS3)。表示タイミング作成ステップS3では、表示機No.1から順番に表示タイミングを設定する。作成した運搬スケジュールが
図6に示すものである場合、先ず表示機No.1(同図では表示機NO1)を検索し、ヒットした表示機No.1に関連付けられている無人搬送車Zの号車番号(ID番号)、指令番号、速度、次指令、次指令速度を設定(リストアップ)する。作成した運搬スケジュールでは、表示機No.1が1件のみであるため、次に、表示機No.2(
図6では表示機NO2)を検索し、ヒットした表示機No.2に関連付けられている無人搬送車Zの号車番号(ID番号)、指令番号、速度、次指令、次指令速度を設定する。以下、同様の手順で表示機Wの最終番号まで順番に検索し、リストアップする。なお、表示機No.(表示機NO)が同じものが複数ある場合は、指令番号が小さい方を優先し、指令番号が同じ場合は、無人搬送車Zの号車番号が小さい方を優先する。本実施形態では、各表示機W間の距離はすべて同じ場合を想定しているため、表示機Wの表示内容を切り替えるタイミングはn分毎とする。各表示機W間の距離が異なる場合は、距離に合わせて表示機Wの表示切替タイミングを適宜スケジューリングすることもできる。このように、本実施形態では、ルート管理部X2が、無人搬送車Z毎に生成した走行ルートに基づいて各表示機Wに表示する表示内容と表示タイミングを決定する「表示タイミング決定部」としての機能を発揮する。また、表示タイミング作成ステップS3は、無人搬送車Z毎に生成した走行ルートに基づいて表示機Wに表示する表示内容と表示タイミングを決定する本発明における「表示タイミング決定ステップ」に相当する。
【0039】
次に、本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXでは、作成した表示機Wの表示タイミングに基づいて各表示機Wに表示させる処理を表示機処理部X3によって行う(表示ステップS4、
図4参照)。表示ステップS4では、無人搬送車処理部X4が全ての無人搬送車Zに「開始」指令を出力する処理(無人搬送車開始指令ステップS5)をきっかけに、すなわち「無人搬送車開始指令」を受けて、
図7の表示タイミングリストから表示機No.(同図では表示機NO)毎の1行目項目、つまり、無人搬送車Zの号車番号(ID番号)、指令番号、速度、次指令、次指令速度と、「走行」を該当する表示機Wにそれぞれ表示する。したがって、例えば表示機No.1には、無人搬送車Zの号車番号(ID番号)である「4」、指令番号である「6」、速度である「5」、次指令である「完了」、次指令速度「-」、そして「走行」を表示内容として表示する。
図7の表示タイミングリストに基づくと、表示機No.3、6、9、11、12は複数行ある(表示タイミングリスト作成時に複数件ヒットした)ことが特定できる。これらの表示機No.(
図7では表示機NO)3、6、9、11、12の画面W1には表示タイミングリストにおける各表示機Wの1行目の項目と「走行」を表示する。したがって、例えば表示機No.3には、無人搬送車の号車番号(ID番号)である「1」、指令番号である「1」、速度である「5」、次指令である「直進」、次指令速度「10」、そして「走行」を表示内容として表示する。
【0040】
このような無人搬送車開始指令ステップS5に続いて、本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXは、表示機タイミング作成ステップS3で作成した表示タイミングのスケジュールを参照し、すべての表示が未完了であるか否かを判定し(運搬未完了判定ステップS6)、運搬未完了であると判定した場合(運搬未完了判定ステップS6;Y)には、表示機No.毎に無人搬送車Zが到着すると、当該表示機Wに、
図7の表示タイミングリストにある当該表示機No.(同図では表示機NO)の次の行を「走行」と共に表示させる処理を表示機処理部X3によって行う(次指令切替表示ステップS7)。なお、本実施形態では表示の切替はn分毎としたが、表示の切替タイミングは適宜設定できる。したがって、例えば表示機No.3に無人搬送車1号車が接近するタイミングで、当該表示機No.3には、次指令に関する表示内容として、
図7の表示タイミングリストにある当該表示機No.3の2行目の項目、すなわち、無人搬送車Zの号車番号(ID番号)である「3」、指令番号である「1」、速度である「5」、次指令である「左折」、次指令速度「15」、そして「走行」が表示される。
【0041】
なお、運搬未完了判定ステップS6において、運搬未完了ではないと判定した場合(運搬未完了判定ステップS6;N)、つまり運搬が完了していると判定した場合は、そのまま終了になる。
【0042】
また、次指令切替表示ステップS7において、
図7の表示タイミングリストにある当該表示機No.(同図では表示機NO)に関して「次の行」が無い場合は、「停止」を表示する(
図4のフローチャートでは省略)。上述の表示ステップS4、次指令切替表示ステップS7は、表示タイミングに基づいて表示機W毎の表示内容を切り替える本発明における「表示切替ステップ」に相当する。また、開始時停止表示ステップS1や、次指令切替表示ステップS7に続いて「停止」を表示するステップも本発明における「表示切替ステップ」に相当する。
【0043】
以上の処理を繰り返し、全ての表示機Wについて表示タイミングリストの全行の走行が完了した時点、すなわち、運搬未完了判定ステップS6において、運搬未完了ではない(運搬が完了している)と判定した時点(運搬未完了判定ステップS6;N)で終了とする。
【0044】
次に、本実施形態に係る無人搬送車Zのルート案内システムXにおける無人搬送車Zの動作フローを
図8を参照して説明する。なお、この処理は無人搬送車処理部X4で行うようにしてもよい。
【0045】
上述の無人搬送車開始指令ステップS5(
図4参照)を経た時点で、先ず、無人搬送車Zは、無人搬送車処理部X4を介して走行開始指令を受け取り、荷の搬送先へ向けて走行を開始する(走行開始ステップS11)。なお、走行開始地点に表示機Wを設置しておき、この表示機Wを介して無人搬送車Zへ走行開始指令を伝えるようにしてもよい。次に、無人搬送車Zに搭載されている撮像手段Z3を用いて、表示機Wと無人搬送車Zの距離を画像から推定し、所定の距離まで近付いているか否かを判定し、所定の距離まで近付いていれば表示機Wへ到着したと判断する(表示機到着確認ステップS12)。到着判断については、例えば、撮像手段Z3が表示機Wの表示を認識したことをもって到着したと判断するようにしてもよい。次に、到達した表示機Wの表示内容を特定する(表示内容特定ステップS13)。表示機Wの表示内容を特定する処理は、撮像手段Z3によって表示機Wの表示内容を撮像し、読み取る処理であり、本発明における「表示内容読み取りステップ」に相当する。表示機Wの表示内容を特定した際にその地点において自車の位置合せ(無人搬送車Zがどの表示機Wの周辺にいるかを確認)を行うことが可能である。さらに、無人搬送車処理部X4は位置推定部(図示省略)を有することもできる。位置推定部は、無人搬送車Zが表示機Wに到着すると、表示機Wの位置から無人搬送車Zの現在位置を推定するものであり、このような位置推定部によって無人搬送車Zの位置管理をすることも可能である。なお、位置推定部は無人搬送車Zが有してもよいし、表示機処理部X3、ルート管理部X2、または運搬管理部X1が有していてもよい。表示内容特定ステップS13に続いて、特定(確認)した表示機Wの表示内容について指令番号とID番号が当該無人搬送車Zに関するものであるか否かを判定し(番号判定ステップS14)、指令番号とID番号が当該無人搬送車Zに関するものであると判定した場合(番号判定ステップS14;Y)には、表示機Wに「走行」が表示されているか否かを判定(走行表示判定ステップS15)し、表示されている場合(走行表示判定ステップS15;Y)には当該表示機Wの表示内容に基づいて方向転換を行い、指示された走行速度で走行する(走行ステップS16)。次いで、次の表示機Wに到着すると、表示機到着判断ステップS12に戻り、上述した処理を続行する。
【0046】
なお、番号判定ステップS14において指令番号とID番号が当該無人搬送車Zに関するものでないと判定した場合(番号判定ステップS14;N)には、異常を通知し(異常通知ステップS20)、動作中であれば停止になり(停止ステップS21)、「終了」となる。また、上述した走行開始ステップS11から走行ステップS16の処理を行っている際に、無人搬送車Zに何らかの異常が発生した場合にも異常を通知し、動作を停止させるようにしてもよい。
【0047】
また、走行表示判定ステップS15において、表示機Wに「走行」が表示されていないと判定した場合(走行表示判定ステップS15;N)には、動作中であれば停止になり(停止ステップS21)、「終了」となる。
【0048】
本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXでは、以上の無人搬送車Zに関する動作フローを無人搬送車Z毎に行う。
【0049】
このように、本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXによれば、ルートの所定箇所に表示機Wを設置し、表示機Wに表示された情報である表示内容を撮像・読取可能な撮像手段Z3を搭載した無人搬送車Zが、表示機Wに向かって走行する際に撮像手段Z3により撮像した表示機Wの表示内容を読み取ることで、当該表示内容に従った自動走行を実施するように構成しているため、ルートに沿って床に永久磁石を埋設したり、磁気テープまたは反射テープを貼り付ける必要がなく、無人搬送車Zをルートに沿って自動走行させることができる。加えて、本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXによれば、ルートを変更する場合にも表示機Wの表示内容を変更したり、表示機Wの設置位置を変更することで対処できるため、永久磁石を埋設し直したり、磁気テープ等を貼り付け直す大掛かりな工事が強いられずに容易にルート変更することができる。また、本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXによれば、表示機Wの表示内容を撮像・読取可能な撮像手段Z3を無人搬送車Zに搭載することで当該無人搬送車Zをルートに沿って自律走行させることができるため、全ての無人搬送車Zに磁気センサまたは光学センサを実装する態様と比較して、導入コストも比較的安価に抑えることが可能であるとともに、無人搬送車Zに高いマシンスペックが要求されることなく、撮像手段Z3として用いるカメラの画素数が低くても対応できることから、コスト面において有利である。さらには、無人搬送車Zを目標走行経路に沿って自動的に走行させるシステムとして磁気誘導方式や光学方式を採用した場合であれば、磁気センサや光学センサによる継続的な検出処理を確実に行えるように無人搬送車の走向速度を遅い速度(例えば時速2キロメートル乃至4キロメートル)に設定しなければならないが、本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXによれば、撮像手段Z3による撮像・読取処理は断続的な処理であるため、磁気センサや光学センサによる継続的な検出処理を考慮する必要がなく、磁気誘導方式や光学方式を採用した場合と比較して無人搬送車Zの走向速度を速く設定することが可能であり、搬送処理効率の向上に貢献する。
【0050】
また、本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXによれば、表示機Wの表示内容を特定または認識した際にその地点において自車の位置合せを行うことが可能であるため、無人搬送車Zとサーバを接続してサーバから無人搬送車Zへ指示を出す態様や、無人搬送車Zにジャイロセンサを設けて自車の位置合せをしながら自律走行させる態様と比較して、無人搬送車ZにGPS機能またはジャイロセンサを付帯させることが必須にならず、誤差が蓄積し難いルート案内システムを実現できる。
【0051】
無人搬送車Zの自動走行システムとして、レーザー光を照射し、物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測し、物体までの距離や方向を測定するLiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)方式を用いた自動運転システムも知られているが、3次元情報を持つ高精細な地図が必須である。一方、本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXは、このような高精度な3Dマップを必要としない点で導入し易いものである。
【0052】
さらに、本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXによれば、表示機の表示内容を無人搬送車Z毎に切替可能に構成しているため、無人搬送車Z毎に異なるルートを自動走行させることが可能になり、全ての無人搬送車Zを同じルートで自動走行させることしかできない態様と比較して、搬送効率の向上を図ることができ、無人搬送車Zの省エネにもつながる。
【0053】
加えて、本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXによれば、無人搬送車Zが表示機の表示内容を撮像・読取できなかった場合に停車するように設定しているため、表示機の表示内容を撮像・読取できないことに起因して無人搬送車Zが迷走・暴走するという事態を未然に防止でき、安全面においても優れたルート案内システムを実現できる。
【0054】
さらに加えて、本実施形態に係る無人搬送車ルート案内システムXによれば、表示機Wの表示に従って無人搬送車Zが運行するため、無人搬送車Zは走行中に他の機器やシステムと通信することなく自動で運行できる。これにより、無人搬送を行いたい施設(屋内外問わず)内で無人搬送車Zの通信インフラの整備をしなくても自動走行が可能となる。
【0055】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態において無人搬送車Zに異常(遅れ、事故、無人搬送車による表示機Wの読取トラブル、無人搬送車Zの故障等)が発生しているか否かを無人搬送車Z、または無人搬送車処理部X4などが判定し、異常が発生していると判定した場合には、運行の続行が不可能か否かを判定するようにしてもよい。運行の続行が不可能であると判定した場合には、全ての表示機Wの画面に「停止」を表示させ、運搬終了とすることで、安全に無人搬送車Zを停車させることができる。また、表示機Wの故障・異常等を表示機Wまたは表示機処理部X3などで判定し、全ての表示機Wの画面に「停止」を表示させるようにしてもよい。
【0056】
また、本実施形態では表示機処理部X3が表示機Wの表示を切り替えているが、表示機Wに予め表示スケジュールを送信しておき、それぞれの表示機Wが表示スケジュールに合わせて表示を切り替えるようにしてもよい。
【0057】
また、無人搬送車ZにICタグを取り付け、表示機WがICタグを読み取ることで、無人搬送車Zが表示機Wに到着しているか否かを判断するようにしてもよい。また、無人搬送車Zが表示機Wの表示内容を読み取り、当該表示内容にしたがった走行(または停止の場合もある)を実行した後、当該表示機Wに対して表示内容を実行した旨を通知するようにしてもよい。この場合、通知を受け取った表示機Wは、次の表示内容を表示させる。さらに、上述の実施形態では無人搬送車Zが表示機Wに到着した旨を表示機Wに対して通知する態様を例示したが、無人搬送車処理部X4、表示機処理部X3、ルート管理部X2、または運搬管理部X1の何れかに対して無人搬送車Zが表示機Wに到着した旨を通知するようにしてもよい。
【0058】
また、無人搬送車の動作や表示機の表示タイミングを時刻や時間で管理するようにしてもよい。
【0059】
また、表示機の表示内容が、表示機の光り方のパターンによって特定可能な内容であってもよい。この場合、表示機として信号機または信号機に準じたものを適用することができる。
【0060】
本発明に係る無人搬送車ルート案内システム及び無人搬送車ルート案内方法では、システム導入現場(屋内、屋外問わず)に応じて、使用する無人搬送車や表示機の数は適宜変更・選択することができ、搬送ルート(回送ルート、配送ルート)も適宜変更・選択することができる。
【0061】
また、本発明に係る無人搬送車ルート案内システム及び無人搬送車ルート案内方法では、荷など人以外の物品の搬送を行う機能を有する無人搬送車として、JISに定義されている積載形、牽引形、フォークリフト形(JIS D6801:2019)、これら何れのタイプのものであっても適用することができる。
【0062】
その他、各部の具体的構成や処理内容についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0063】
W…表示機
X…無人搬送車ルート案内システム
Z…無人搬送車
Z3…撮像手段