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特開2022-125648入力システム、これを用いた情報を受け渡しする方法及び該方法を実行させるためのプログラム
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  • 特開-入力システム、これを用いた情報を受け渡しする方法及び該方法を実行させるためのプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125648
(43)【公開日】2022-08-29
(54)【発明の名称】入力システム、これを用いた情報を受け渡しする方法及び該方法を実行させるためのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20220822BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
G06Q10/00
G05B19/418 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023353
(22)【出願日】2021-02-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-02
(71)【出願人】
【識別番号】520513196
【氏名又は名称】木村 章一
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100199369
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 尚之
(72)【発明者】
【氏名】木村 章一
【テーマコード(参考)】
3C100
5L049
【Fターム(参考)】
3C100AA29
3C100AA38
3C100BB15
3C100BB31
3C100BB33
3C100CC02
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】作業現場等において、軽微な投資によって作業者が情報をコンピュータに入力することができる入力装置を提供すること。
【解決手段】ホストコンピュータに接続されるコンピュータと、表示装置と、物理的入力釦とを有する入力システムである。コンピュータは、インターフェイス部、作業現場で作業を行う作業者が選択すべき選択要素が含まれた1または2以上の選択入力画面を作成する選択入力画面作成部、選択入力画面を表示装置に表示するための表示部、情報をホストコンピュータに送信する出力部とを備え、選択入力画面には、選択入力画面において必要とされる物理的入力釦を示す入力釦映像及び選択入力画面において必要とされる物理的入力釦の作用を説明する作用表示映像が示されている。物理的入力釦を用いて作業者によって選択された選択要素が、出力部を通じてホストコンピュータに送信される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
在庫管理及び/または工程管理を行うホストコンピュータに有線又は無線で接続されるコンピュータと、当該コンピュータにつながり作業現場に配置される表示装置と、前記コンピュータにつながり作業現場に配置される2つ以上の物理的入力釦とを有する入力システムであって、
前記コンピュータは、前記ホストコンピュータからの情報を受け取るインターフェイス部、当該インターフェイス部により受け取った情報に基づいて前記製造現場で作業を行う作業者が選択すべき選択要素が含まれた1または2以上の選択入力画面を作成する選択入力画面作成部、当該選択入力画面を前記表示装置に表示するための表示部、当該コンピュータで処理された情報を前記ホストコンピュータに送信する出力部とを備え、
前記表示装置に表示された前記選択入力画面には、当該選択入力画面において必要とされる前記物理的入力釦を示す入力釦映像及び当該選択入力画面において必要とされる前記物理的入力釦の作用を説明し、前記入力釦映像に関連付けられて付された作用表示映像が示され、前記選択要素であって、前記物理的入力釦を用いて前記作業者によって選択された選択要素が、前記出力部を通じて前記ホストコンピュータに送信されることを特徴とする入力システム。
【請求項2】
前記物理的入力釦が、前記選択入力画面のページ戻しの釦並びにページ送り及び/または決定の釦の2つの釦と、前記選択入力画面内の上方向移動の釦、下方向移動の釦、右方向移動の釦及び左方向移動の釦の4つの釦の合計6つの釦からなる請求項1に記載の入力システム。
【請求項3】
前記物理的入力釦が、押し釦またはフットスイッチである請求項1または2に記載の入力システム。
【請求項4】
在庫管理及び/または工程管理を行うホストコンピュータに有線又は無線で接続されるコンピュータ、当該コンピュータにつながり作業現場に配置される表示装置、前記コンピュータにつながり作業現場に配置される2つ以上の物理的入力釦とを有し、前記コンピュータは、前記ホストコンピュータからの情報を受け取るインターフェイス部、当該インターフェイス部により受け取った情報に基づいて前記作業現場で作業を行う作業者が選択すべき選択要素が含まれた1または2以上の選択入力画面を作成する選択入力画面作成部、当該選択入力画面を前記表示装置に表示するための表示部、当該コンピュータで処理された情報を前記ホストコンピュータに送信する出力部とを備える入力システムにおける情報を受け渡しする方法であって、
前記インターフェイス部が前記ホストコンピュータより情報を受け取るステップ、
前記インターフェイス部が受け取った情報に基づいて前記作業現場で作業を行う作業者が選択すべき選択要素が含まれた1または2以上の選択入力画面を作成するステップであって、当該選択入力画面において必要とされる前記物理的入力釦を示す入力釦映像及び当該選択入力画面において必要とされる前記物理的入力釦の作用を説明し、前記入力釦映像に関連付けられて付された作用表示映像を示す択入力画面を作成するステップ、
前記作業者が前記入力釦映像及び作用表示映像を見て、前記物理的入力釦を操作して選択すべき選択要素を選択するステップ、
選択された選択要素の情報が、前記出力部を通じて前記ホストコンピュータに送信されるステップ、を含む情報を受け渡しする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の情報を受け渡しする方法を前記入力システムに実行させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、作業者が通常のコンピュータ入力手段を使うことができない製造現場等で入力することができる入力システム及びこれを用いた情報を受け渡しする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
在庫管理や工程管理は経営上極めて重要な要素であり、企業の大小にかかわらず、製造現場等での正確な工程進行状況の把握や製品在庫の把握は非常に重要である。営業部門から受注を受けた製造管理部門が、その受注に対して完成品在庫の数量と製造仕掛中の製品の数量を瞬時に把握して営業部門に回答することは、企業間競争を勝ち抜くためにも必要な状況になっている。在庫管理や工程管理を効率よく進めるために、製造現場等で作業者が入力した情報をリアルタイムにホストコンピュータに送って管理を行うことが望ましい。
【0003】
IT技術が発展する前は、製造現場においては製品とともにロットカードや作業指図書等と呼ばれる紙媒体を工程ラインに流して、工程完了後に事務所で管理担当者がパソコンに入力して集計作業を行ってきた。このような紙媒体を用いる方法では、タイムラグが発生してしまうため、製造現場にパソコンやタブレット端末を導入して、作業者が作業完了の都度これらパソコン等のキーボード等に入力し、ホストコンピュータにデータを送って、リアルタイムの在庫管理や工程管理が行われるようになってきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような紙媒体に記載された結果を工程管理者等がコンピュータに入力する場合は、上述の通りタイムラグが避けられず、作業者の記載と工程管理者のコンピュータ入力の二重の手間の発生も避けられない。さらに、工程管理者のコンピュータ入力に間違いがないとはいえず、ホストコンピュータに蓄積されるデータの信頼性にも問題があった。
【0005】
上記のような製造現場等にパソコンやタブレット端末を導入する場合、製造現場等の環境によっては、キーボード等の入力装置を現場に配備できないようなケースや、作業者がキーボード等の入力装置を使用できないケースがある。保護手袋をして行う作業、塵埃環境下で行う作業、高湿度環境下で行う作業、身体に障害を有する作業者が行う作業等の種々のケースがあり、例えば、溶接作業、鍛造作業、機械加工作業、メッキ作業、鋳造作業、酸処理作業、鋳型作成作業、組み立て作業等、その作業種類は非常に数多く多岐にわたっている。
【0006】
このような、キーボード等の通常の入力手段が利用できない状況に対する対応として、種々のセンサを製造現場や製造設備に配置して、センサで認識した情報を直接ホストコンピュータに送ることも考えられる。例えば、カメラで作業者の顔を写して顔認識ソフトで作業者の名前を特定する方法、作業完了した製品の重量を測定し、単位重量で除して完成品数を計算してホストコンピュータにその数量データを送る方法などである。このようなIoTの技術を駆使し、リアルタイムに製造現場等からの情報をホストコンピュータに吸い上げて、在庫管理や製造管理を行うためには数多くのセンサを装置に取り付け、数多くのプログラムを走らせる必要があり、そのためには多大な費用を要する。このような方法を駆使して現場情報をホストコンピュータに送るためには莫大な投資が必要であり、大企業でも利益に見合う投資を行うことができず、中小企業においてはなおさらである。
【0007】
このような状況下、製造現場において作業者がリアルタイムにコンピュータ入力ができず、そのような環境の作業では紙媒体に頼らざるを得ず、IT技術の発展した現下においても、先端技術を応用した情報をやり取りする世界から置き去りにされた状態が続いている。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンピュータ入力を行うことが難しい作業現場等において、軽微な投資によって作業者が情報をコンピュータに入力することができる入力装置を提供し、この入力装置を用いてホストコンピュータに情報を送る方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた本発明に係る本発明(1)は、在庫管理及び/または工程管理を行うホストコンピュータに有線又は無線で接続されるコンピュータと、当該コンピュータにつながり作業現場に配置される表示装置と、前記コンピュータにつながり作業現場に配置される2つ以上の物理的入力釦とを有する入力システムであって、前記コンピュータは、前記ホストコンピュータからの情報を受け取るインターフェイス部、当該インターフェイス部により受け取った情報に基づいて前記製造現場で作業を行う作業者が選択すべき選択要素が含まれた1または2以上の選択入力画面を作成する選択入力画面作成部、当該選択入力画面を前記表示装置に表示するための表示部、当該コンピュータで処理された情報を前記ホストコンピュータに送信する出力部とを備え、前記表示装置に表示された前記選択入力画面には、当該選択入力画面において必要とされる前記物理的入力釦を示す入力釦映像及び当該選択入力画面において必要とされる前記物理的入力釦の作用を説明し、前記入力釦映像に関連付けられて付された作用表示映像が示され、前記選択要素であって、前記物理的入力釦を用いて前記作業者によって選択された選択要素が、前記出力部を通じて前記ホストコンピュータに送信されることを特徴とする入力システムである。
【0010】
本発明(1)の入力システムでは、キーボード等の入力手段の代わりに物理的入力釦という入力手段を作業者が取り扱うことが特徴である。物理的入力釦を用いるため、どのような環境であってもわずかな対応、例えば防塵対策や防湿対策を講じておけば、保護手袋等をしている作業者であっても物理的入力釦を押すだけで操作できるので、環境に依存することがなく、作業者の身体の状態にかかわらず情報をコンピュータに入力することができる。
【0011】
物理的入力釦の操作を補助するために、表示装置に映される作業者が選択すべき選択要素が含まれた1または2以上の選択入力画面がある。この選択入力画面内に、作業者が選択すべき選択要素、例えば作業者の名前等が表示されている。さらに、選択入力画面には、選択入力画面において必要とされる物理的入力釦を示す入力釦映像及び選択入力画面において必要とされる物理的入力釦の作用を説明し、入力釦映像に関連付けられて付された作用表示映像が示されているので、作業者はこれらの情報を基にして、物理的入力釦を操作することによって簡便に製造現場における情報を、例え保護手袋等をしている状態であってもコンピュータに入力することができ、この入力システムの実現のためには大きな投資は必要ではなく、軽微な投資で実現可能となる。作用表示映像は、全ての入力釦映像に対して必ずしも必要とされるものではなく、物理的入力釦の中の特定の物理的入力釦の作用が常に一定の場合は、その作用表示映像は作業者にとっては必要がないため当然に省略できる。
【0012】
本発明(2)の入力システムは、前記物理的入力釦が、前記選択入力画面のページ戻しの釦並びにページ送り及び/または決定の釦の2つの釦と、前記選択入力画面内の上方向移動の釦、下方向移動の釦、右方向移動の釦及び左方向移動の釦の4つの釦の合計6つの釦からなる本発明(1)の入力システムである。
【0013】
物理的入力釦の数を、製造現場等における作業内容によって種々の数が考えられるが、ページ戻しの釦並びにページ送り及び/または決定の釦の2つの釦と、前記選択入力画面内の上方向移動の釦、下方向移動の釦、右方向移動の釦及び左方向移動の釦の4つの釦の合計6つとすることによって、ほとんどの製造現場等における作業に対応することができる。
【0014】
本発明(3)の入力システムは、物理的入力釦が、押し釦またはフットスイッチである本発明(1)または(2)の入力システムである。押し釦またはフットスイッチであることによって、より簡便に作業者が操作をすることができる。押し釦のなかでもキノコ型押し釦が好ましい。
【0015】
本発明(4)の情報を受け渡しする方法は、在庫管理及び/または工程管理を行うホストコンピュータに有線又は無線で接続されるコンピュータ、当該コンピュータにつながり作業現場に配置される表示装置、前記コンピュータにつながり作業現場に配置される2つ以上の物理的入力釦とを有し、前記コンピュータは、前記ホストコンピュータからの情報を受け取るインターフェイス部、当該インターフェイス部により受け取った情報に基づいて前記製造現場で作業を行う作業者が選択すべき選択要素が含まれた1または2以上の選択入力画面を作成する選択入力画面作成部、当該選択入力画面を前記表示装置に表示するための表示部、当該コンピュータで処理された情報を前記ホストコンピュータに送信する出力部とを備える入力システムにおける情報を受け渡しする方法であって、前記インターフェイス部が前記ホストコンピュータより情報を受け取るステップ、前記インターフェイス部が受け取った情報に基づいて前記製造現場で作業を行う作業者が選択すべき選択要素が含まれた1または2以上の選択入力画面を作成するステップであって、当該選択入力画面において必要とされる前記物理的入力釦を示す入力釦映像及び当該選択入力画面において必要とされる前記物理的入力釦の作用を説明し、前記入力釦映像に関連付けられて付された作用表示映像を示す択入力画面を作成するステップ、前記作業者が前記入力釦映像及び作用表示映像を見て、前記物理的入力釦を操作して選択すべき選択要素を選択するステップ、選択された選択要素の情報が、前記出力部を通じて前記ホストコンピュータに送信されるステップ、を含む情報を受け渡しする方法である。
【0016】
本発明(4)の情報を受け渡しする方法によると、本発明(1)と同じく、コンピュータ入力を行うことが難しい作業現場等において、軽微な投資によって作業者が情報をコンピュータに入力することができる。
【0017】
本発明(5)のプログラムは、本発明(4)の情報を受け渡しする方法を入力システムに実行させるための、プログラムである。本発明(5)のプログラムを用いることによって、コンピュータ入力を行うことが難しい作業現場等において、軽微な投資によって作業者が情報をコンピュータに入力することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、コンピュータ入力を行うことが難しい作業現場等において、軽微な投資によって作業者が情報をコンピュータに入力することができる入力装置を提供し、この入力装置を用いてホストコンピュータに情報を送る方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の入力システムを用いてホストコンピュータに情報を送る状況を模式的に示す。
図2】選択入力画面の一例である作業一覧画面を示す。
図3】選択入力画面の一例である作業者登録画面を示す。
図4】選択入力画面の一例である実績入力画面を示す。
図5】選択入力画面の一例である図面表示画面を示す。
図6】選択入力画面の一例であるズームアップ図面表示画面を示す。
図7】選択入力画面の一例である不良入力画面を示す。
図8】選択入力画面の一例である確認画面を示す。
図9】本発明を用いて製造現場等において作業者が物理的入力釦を操作して情報をコンピュータに送る一連の操作のフローチャートの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0021】
図1は、本発明の入力システム1を用いてホストコンピュータ10に情報を送る状況を模式的に示すものである。作業者60は、保護手袋61を装着して、酸処理液64で満たされた酸処理洗浄浴槽63に製品が入った酸洗浄用バスケット62の出し入れを行っている。このような作業を行っている作業者は、保護手袋61を作業中装着しているためキーボード等の通常のコンピュータ入力装置を操作することはできない。
【0022】
ホストコンピュータ10とコンピュータ30とはインターネット回線20を介してつながっている。物理的入力釦40と表示装置50は、コンピュータ30とつながっている。物理的入力釦40は6つの入力釦である、物理的入力釦(U)41U、物理的入力釦(D)41D、物理的入力釦(R)41R、物理的入力釦(L)41L、物理的入力釦(E)41E及び物理的入力釦(B)41Bから構成されている。ここで、物理的入力釦の語の後ろに括弧で付されているアルファベットは、Uは上、Dは下、Rは右、Lは左、Eはエンター、Bはバックの意味で便宜的に付しているに過ぎない。図1の物理的入力釦40と入力釦映像とは、釦位置と釦模様で対応関係をわかりやすく識別しているが、その他に、色による識別であっても良い。コンピュータ10は製造現場等の作業者近くに配置する必要は必ずしもなく、製造現場の環境によっては離れた別室に配置し、コンピュータ30と物理的入力釦40及び表示装置50とは、ローカルエリアネットワーク(LAN)回線でつないでもよい。
【0023】
表示装置50の画面には、選択入力画面53が映し出され、その中に選択要素54がある。選択入力画面53の右側には、物理的入力釦40に対応する、入力釦映像51と作用表示映像52が映し出されている。入力釦映像51は、入力釦映像(U)51U、入力釦映像(D)51D、入力釦映像(R)51R、入力釦映像(L)51L、入力釦映像(E)51E及び入力釦映像(B)51Bから構成されている。ここで、入力釦映像の語の後ろに括弧で付されているアルファベットは、物理的入力釦の語の後ろに括弧で付されているアルファベットと同じ意味である。作用表示映像52は、作用表示映像(U)52U、作用表示映像(D)52D、作用表示映像(R)52R、作用表示映像(L)52L、作用表示映像(E)52E及び作用表示映像(B)52Bから構成されている。ここで、作用表示映像の語の後ろに括弧で付されているアルファベットは、物理的入力釦の語の後ろに括弧で付されているアルファベットと同じ意味である。
【0024】
情報の流れの概略を、図1を用いて示す。ホストコンピュータ10からの情報がインターネット回線20を経由してコンピュータ30のインターフェイス部31に流れ、その情報は、選択入力画面作成部32で処理され、表示部33を経由して表示装置50の画面に映し出される。作業者60は、表示装置50に映し出される映像を見て、その映像を参考にして、物理的入力釦40の中のいずれかの釦を押して操作し、その情報の一部は選択入力画面作成部32にラインL1を通って流れ、表示装置50の映像を更新する。その情報の一部は、ラインL2を通って出力部34に入り、インターネット回線30を介してホストコンピュータ10のメモリに格納される。
【0025】
図2~8は、表示装置50に映し出される種々の選択入力画面53であって、機械加工の製造現場の選択入力画面53の例を示している。順に説明する。ホストコンピュータ10からのデータに基づき、作業一覧が示されている。以下、一部符号のみで記載する場合がある。51U、52U、51D及び52Dを参考にして対応する物理的入力釦40を押して選択をし、51Eに対応する物理的入力釦41Eを押すと図3の作業者登録に移る。
【0026】
図3の作業者登録の画像では、選択要素53の中の作業者自身の名前を51U,51R及び52Dに対応する物理的入力釦40を押して選択をし、51Eに対応する物理的入力釦41Eを押して図4の実績入力に移る。図2の作業一覧に戻る場合は、51Bに対応する物理的入力釦41Bを押す。
【0027】
図4の実績入力の画像では、作業が完了するとカウントアップの51Uに対応する物理的入力釦41Uを押して実績数を増やす。誤ってカウントアップした場合は、カウントダウンの51Dに対応する物理的入力釦41Dを押して実績数の修正を行う。作業中に図面を見たい場合は、図面表示51Lに対応する物理的入力釦41Lを押して図5の図面表示に移る。
【0028】
図5の図面表示では、品目R002-1の図面が表示されているので、作業者は作業中にその図面を参考にして作業を行うことができる。図面表示の選択入力画面には、入力釦映像は、51Uと51Bしかない。これは、この画面ではこれだけで足りるからである。ズームアップ51Uに対応する物理的入力釦41Uを押すと、図6のズームアップ図面表示に移行する。図6のズームアップ図面表示の51U、51D、51R及び51Lに対応する物理的入力釦40を押すと、ズームアップ図面の位置が移動して、作業者が見たい部分を拡大して見ることができる。51Bに対応する物理的入力釦41Bを押すと、図5の図面表示に戻り、さらに51Bに対応する物理的入力釦41Bを押すと、図4の実績入力に戻ることができる。
【0029】
作業を続けて行っていくと、いずれ実績数が指示数と一致する。この時点で作業は完了するが、作業中に不良品が発生した場合は、不良品入力51Rに対応する物理的入力釦41Rを押して、図7の不良入力に移行する。51U又は51Dに対応する物理的入力釦40を押して該当する不良内容をハイライトさせて、不良入力51Lに対応する物理的入力釦41Lを押すと、該当する不良内容が1つカウントされる。ここで、51Eに対応する物理的入力釦41Eを押すと、図8の確認に移行する。51Bに対応する物理的入力釦41Bを押すと、図4の実績入力に戻ることができる。
【0030】
図8の確認では、作業結果が表示されている。これを見て問題がなければ、51Eに応する物理的入力釦41Eを押して情報がラインL2を通って出力部34に送られ、インターネット回線20を経由してホストコンピュータ10のメモリに格納される。図7の不良入力から51Bに対応する物理的入力釦41Bを押して、図4の実績入力に戻ることもできる。
【0031】
図9は、本発明の入力システムを用いて製造現場において作業者が物理的入力釦を操作して情報をコンピュータに送る一連の操作のフローチャートの一例を示している。ステップS1で、ホストコンピュータ10からパソコンに情報をダウンロードし、図2の作業一覧が表示装置50に表示される。S2で作業を選択して実行すると、図3の作業者登録に移行する。ステップS3で、作業者登録画面の作業者を選択して実行すると図4の実績入力画面に移行する。ステップS4で、実績入力画面の表示内容が正しいかどうか確認をする。作業開始前に作業をする上で図面確認が必要であれば、ステップS6で図面表示画面に移行する。ステップS7で、図面表示の拡大が必要な場合は、図6のズームアップ図面表示画面に移行する。ステップ8で、ズームアップされた図面を確認し、図面完了後にステップS9で、作業を実施する。ステップ10で、作業実施の結果、良品が製造されたか否か判断する。不良品の場合は、ステップ11で、図4の不良入力を行い図7の不良入力画面に移行する。その後、ステップ12で不良内容を選択して不良入力を行う。その後S9の作業実施に戻る。ステップ10で、作業実施の結果、良品が製造されたと判断された場合は、ステップ13で、図4の実績入力においてカウントアップを行う。作業継続の結果、ステップ14で、実績数と指示数が同じであれば、S15のステップで確認画面に移行して、確認後終了する。実績数と指示数が異なれば、ステップS9に戻って作業を継続する。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上説明したように、本発明の入力システムは、コンピュータ入力を行うことが難しい作業現場等において、軽微な投資によって作業者が情報をコンピュータに入力することができる入力装置を提供できるので、IT技術を利用して現場情報をコンピュータに入力が難しい環境であっても、リアルタイムに現場情報をホストコンピュータに好適に送ることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 入力システム
10 ホストコンピュータ
20 インターネット回線
30 コンピュータ
31 インターフェイス部
32 選択入力画面作成部
33 表示部
34 出力部
40 物理的入力釦
41U 物理的入力釦(U)
41D 物理的入力釦(D)
41R 物理的入力釦(R)
41L 物理的入力釦(L)
41E 物理的入力釦(E)
41B 物理的入力釦(B)
50 表示装置
51 入力釦映像
51U 入力釦映像(U)
51D 入力釦映像(D)
51R 入力釦映像(R)
51L 入力釦映像(L)
51E 入力釦映像(E)
51B 入力釦映像(B)
52 作用表示映像
52U 作用表示映像(U)
52D 作用表示映像(D)
52R 作用表示映像(R)
52L 作用表示映像(L)
52E 作用表示映像(E)
52B 作用表示映像(B)
53 選択入力画面
54 選択要素
60 作業者
61 保護手袋
62 酸洗浄用バスケット
63 酸洗浄浴槽
64 酸処理液
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-06-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
在庫管理及び/または工程管理を行うホストコンピュータに有線又は無線で接続されるコンピュータと、当該コンピュータにつながり作業現場に配置される表示装置と、前記コンピュータにつながり作業現場に配置される2つ以上の物理的入力釦とを有する入力システムであって、
前記コンピュータは、前記ホストコンピュータからの情報を受け取るインターフェイス部、当該インターフェイス部により受け取った情報に基づいて前記作業現場で作業を行う作業者が選択すべき選択要素が含まれた1または2以上の選択入力画面を作成する選択入力画面作成部、当該選択入力画面を前記表示装置に表示するための表示部、当該コンピュータで処理された情報を前記ホストコンピュータに送信する出力部とを備え、
前記表示装置に表示された前記選択入力画面には、当該選択入力画面において必要とされる前記物理的入力釦を示す入力釦映像及び当該選択入力画面において必要とされる前記物理的入力釦の作用を説明し、前記入力釦映像に関連付けられて付された作用表示映像が示され、前記選択要素であって、前記物理的入力釦を用いて前記作業者によって選択された選択要素が、前記出力部を通じて前記ホストコンピュータに送信されることを特徴とする入力システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記課題を解決するためになされた本発明に係る本発明(1)は、在庫管理及び/または工程管理を行うホストコンピュータに有線又は無線で接続されるコンピュータと、当該コンピュータにつながり作業現場に配置される表示装置と、前記コンピュータにつながり作業現場に配置される2つ以上の物理的入力釦とを有する入力システムであって、前記コンピュータは、前記ホストコンピュータからの情報を受け取るインターフェイス部、当該インターフェイス部により受け取った情報に基づいて前記作業現場で作業を行う作業者が選択すべき選択要素が含まれた1または2以上の選択入力画面を作成する選択入力画面作成部、当該選択入力画面を前記表示装置に表示するための表示部、当該コンピュータで処理された情報を前記ホストコンピュータに送信する出力部とを備え、前記表示装置に表示された前記選択入力画面には、当該選択入力画面において必要とされる前記物理的入力釦を示す入力釦映像及び当該選択入力画面において必要とされる前記物理的入力釦の作用を説明し、前記入力釦映像に関連付けられて付された作用表示映像が示され、前記選択要素であって、前記物理的入力釦を用いて前記作業者によって選択された選択要素が、前記出力部を通じて前記ホストコンピュータに送信されることを特徴とする入力システムである。