特開 2022-125663 魚釣用リール

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2022125663

(43)【公開日】2022-08-29

(54)【発明の名称】魚釣用リール

(51)【国際特許分類】

   A01K 89/01 20060101AFI20220822BHJP

   A01K 89/012 20060101ALI20220822BHJP

【ＦＩ】

A01K89/01 Z

A01K89/012

【審査請求】未請求

【請求項の数】15

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2021023379

(22)【出願日】2021-02-17

(71)【出願人】

【識別番号】000002495

【氏名又は名称】グローブライド株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100140822

【弁理士】

【氏名又は名称】今村 光広

(72)【発明者】

【氏名】大井川 凌

(72)【発明者】

【氏名】安田 悠

【テーマコード（参考）】

2B108

【Ｆターム（参考）】

2B108BJ05

2B108BJ10

2B108DA08

(57)【要約】      （修正有）

【課題】魚釣用リールの回転部に被検出部を設け、魚釣用リール本体内にスプール回転検出のための検出部を配置することで、ロータの存在による影響を回避しながら誤検知を低減し、かつ制御手段や通信手段等の部品を配置するスペースを確保することが可能な魚釣用リールを提供することにある。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールは、釣糸が巻かれるスプールと、該スプールの回転軸と同じ回転軸で回転するロータとを有する回転部と、該ロータを回転操作する操作手段を有する本体部と、該スプールの回転を検出するスプール回転検出部と、を備え、該スプール回転検出部は、該回転部に設けられた被検出部と、該本体部に設けられ、該被検出部の回転を検出し電気信号に変換する検出部とを含むように構成される。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

釣糸が巻かれるスプールと、該スプールの回転軸と同じ回転軸で回転するロータとを有する回転部と、該ロータを回転操作する操作部を有する本体部と、該スプールの回転を検出するスプール回転検出部と、を備える魚釣用リールであって、
該スプール回転検出部は、該回転部に設けられた被検出部と、該本体部に設けられ、該被検出部の回転を検出し電気信号に変換する検出部とを含むことを特徴とする魚釣用リール。

【請求項2】

前記本体部は、該スプール回転検出部に電力を供給する電源部を有する、請求項１に記載の魚釣用リール。

【請求項3】

前記被検出部は、連結部を介して回転可能に前記スプールに連結された回転体に設けられる、請求項１又は２に記載の魚釣用リール。

【請求項4】

前記スプールが軸方向に移動可能な場合、前記回転体は、前記スプールに対して軸方向に移動できないようにして該スプールに連結されている、請求項３に記載の魚釣用リール。

【請求項5】

前記スプールが軸方向に移動可能な場合、前記回転体は、前記スプールと共に該軸方向に移動可能とされ、前記被検出部は、前記スプールの軸方向移動量以上の軸方向長さを有するように設けられる、請求項３に記載の魚釣用リール。

【請求項6】

前記被検出部が前記スプールに設けられている場合であって、前記スプールが軸方向に移動可能な場合、前記被検出部は、前記スプールの軸方向移動量以上の軸方向長さを有するように設けられる、請求項１に記載の魚釣用リール。

【請求項7】

前記被検出部は、前記スプールに設けられる、請求項１又は２に記載の魚釣用リール。

【請求項8】

前記被検出部は、前記ロータを貫通して該被検出部の回転を検出可能である、請求項１から７までのいずれか１項に記載の魚釣用リール。

【請求項9】

前記被検出部は、給電することなく前記検出部により検出可能である、請求項１から８までのいずれか１項に記載の魚釣用リール。

【請求項10】

前記検出部は、磁気センサであり、前記被検出部は、磁石であり、該ロータは非磁性体であることを、請求項８又は９に記載の魚釣用リール。

【請求項11】

前記検出部は、コイルであり、前記被検出部は、導体であり、該ロータは非金属であることを特徴とする、請求項８又は９に記載の魚釣用リール。

【請求項12】

前記検出部は、静電容量センサであり、前記被検出部は、誘電率の異なる材料の組み合わせである、請求項８又は９に記載の魚釣用リール。

【請求項13】

前記検出部は、受光部を有する光センサであり、前記被検出部は、反射体であり、前記ロータは該発光部の発する光の少なくても一部を透過可能であることを特徴とする、請求項８又は９に記載の魚釣用リール。

【請求項14】

前記検出部は、マイクであり、前記被検出部は、音源生成部である、請求項８又は９に記載の魚釣用リール。

【請求項15】

前記検出部は、温度センサであり、前記被検出部は、発熱体である、請求項８又は９に記載の魚釣用リール。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、スプールの回転を検出できる、省スペース化が可能な魚釣用リールに関する。

【背景技術】

【0002】

従来より、釣糸を放出可能な様々なスピニングリールが知られている。このようなスピニングリールを用いた釣りを行う場合、ルアーや餌を投擲した際に、釣糸がどの程度放出されたかを正確に把握するためや、ドラグ回転時の発音を行なうためには、スプールの回転に関する情報を入手することが重要になっている。

【0003】

スプールの回転を検出する魚釣用リールとして、例えば、特許文献１では、スプールとスプール軸に取つけた静止部材の一方にスプールの回転を検知して電気信号に変換報知する装置の作動部を、他方に該装置の受動部を設けたスピニングリールについて開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】実開昭５６－５９８６８号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

しかしながら、特許文献１に係る方法では、スプールの回転を検知する手段以外に様々な部品が配置されるため、ドライブユニット全体が大型化し、通信手段やマイコン、電源を設けるスペースを確保することが難しく、また外部から給電を行なうのが難しいという問題があった。また、魚釣用リールにスプールの回転を検知する手段を設けようとしても、ロータの存在自体がそのような手段を設けることを困難なものとしてしまうという内在的課題が存在していた。

【0006】

本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、魚釣用リールの回転部に被検出部を設け、魚釣用リール本体内にスプール回転検出のための検出部を配置することで、ロータの存在による影響を回避しながら誤検知を低減し、かつ制御手段や通信手段等の部品を配置するスペースを確保することが可能な魚釣用リールを提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。

【課題を解決するための手段】

【0007】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リールは、釣糸が巻かれるスプールと、該スプールの回転軸と同じ回転軸で回転するロータとを有する回転部と、該ロータを回転操作する操作部を有する本体部と、該スプールの回転を検出するスプール回転検出部と、を備え、該スプール回転検出部は、該回転部に設けられた被検出部と、該本体部に設けられ、該被検出部の回転を検出し電気信号に変換する検出部とを含むように構成される。

【0008】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記本体部は、該スプール回転検出部に電力を供給する電源部を有するように構成される。

【0009】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、連結部を介して回転可能に前記スプールに連結された回転体に設けられる。

【0010】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記スプールが軸方向に移動可能な場合、前記回転体は、前記スプールに対して軸方向に移動できないようにして該スプールに連結されている。

【0011】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記スプールが軸方向に移動可能な場合、前記回転体は、前記スプールと共に該軸方向に移動可能とされ、前記被検出部は、前記スプールの軸方向移動量以上の軸方向長さを有するように設けられる。

【0012】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部が前記スプールに設けられている場合であって、前記スプールが軸方向に移動可能な場合、前記被検出部は、前記スプールの軸方向移動量以上の軸方向長さを有するように設けられる。

【0013】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、前記スプールに設けられる。また、本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、前記ロータを貫通して該被検出部の回転を検出可能であるように構成される。また、本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、給電することなく前記検出部により検出可能であるように構成される。

【0014】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記検出部は、磁気センサであり、前記被検出部は、磁石である。また、本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記検出部は、コイルであり、前記被検出部は、導体である。

【0015】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記検出部は、静電容量センサであり、前記被検出部は、誘電率の異なる材料の組み合わせである。

【0016】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記検出部は、受光部を有する光センサであり、前記被検出部は、反射体であり、前記ロータは該発光部の発する光の少なくても一部を透過可能である。

【0017】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記検出部は、マイクであり、前記被検出部は、音源生成部である。

【0018】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記検出部は、温度センサであり、前記被検出部は、発熱体である。

【発明の効果】

【0019】

上記実施形態によれば、魚釣用リールの回転部に被検出部を設け、魚釣用リール本体内にスプール回転検出のための検出部を配置することで、ロータの存在による影響を回避しながら誤検知を低減し、かつ制御手段や通信手段等の部品を配置するスペースを確保することができる魚釣用リールを提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【0020】

【図1】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールの基本構成を説明する図である。

【図2】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールの基本構成を説明する図である。

【図3】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールのスプール回転検出部を説明する図である。

【図4】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールのスプール回転検出部を説明する図である。

【発明を実施するための形態】

【0021】

以下、本発明に係る魚釣用リールの実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。

【0022】

まず、図１を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１の構成について説明する。

【0023】

図示のように、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１は、釣糸が巻かれるスプール２と、該スプール２の回転軸と同じ回転軸で回転するロータ３とを有する回転部４と、該ロータ３を回転させる操作部５（例えば、ハンドル）を有する本体部６と、該スプール２の回転を検出するスプール回転検出部７と、を備え、該スプール回転検出部７は、該スプール２に設けられた被検出部８と、該本体部６に設けられ、該被検出部８の回転を検出し電気信号に変換する検出部９とを含むように構成される。図１では、操作部５としてハンドルを用いているが、モータなどの動力源とユーザからの操作を受け付けるレバー等との組み合わせによってもよい。

【0024】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１によれば、魚釣用リールのスプールに被検出部を設け、魚釣用リール本体内にスプール回転検出のための検出部を配置することで、ロータの存在による影響を回避しながら誤検知を低減し、かつ制御手段や通信手段等の部品を配置するスペースを確保することができる魚釣用リールを提供することが可能となる。このようにして、被検出部と検出部の間に、ロータ（若しくは別の回転体等）が存在しても、被検出部のみを検出する構成をとることが可能となる。

【0025】

次に、図２を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１の別の構成について説明する。

【0026】

図示のように、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１は、釣糸が巻かれるスプール２と、該スプール２の回転軸と同じ回転軸で回転するロータ３とを有する回転部４と、該ロータ３を回転させる操作部５（例えば、ハンドル）を有する本体部６と、該スプール２の回転を検出するスプール回転検出部７と、を備え、該スプール回転検出部７は、該回転部４に設けられた被検出部８と、該本体部６に設けられ、該被検出部８の回転を検出し電気信号に変換する検出部９とを含むように構成される。図２でも同様に、操作部５としてハンドルを用いているが、モータなどの動力源とユーザからの操作を受け付けるレバー等との組み合わせによってもよい。

【0027】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１によれば、魚釣用リールの回転部に被検出部を設け、魚釣用リール本体内にスプール回転検出のための検出部を配置することで、ロータの存在による影響を回避しながら誤検知を低減し、かつ制御手段や通信手段等の部品を配置するスペースを確保することができる魚釣用リールを提供することが可能となる。このようにして、被検出部と検出部の間に、ロータ（若しくは別の回転体等）が存在しても、被検出部のみを検出する構成をとることが可能となる。

【0028】

また、図２に示すように、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１において、当該本体部６は、該スプール回転検出部７に電力を供給する電源部１０を有するように構成される。このようにして、スペース確保のための影響を最小化することが可能となる。

【0029】

次に、図３を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１について説明する。図示のように、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１において、当該被検出部８は、連結部１１を介して回転可能に当該スプール２に連結された回転体１２に設けられる。

【0030】

ここで、回転体１２とは、樹脂や軽金属で形成される、スプール２と同期して回転する構造部材であり、被検出部８とは、磁石や反射板などであり、連結部１１とはピンやバネである。このようにしてスプールとともに回転する回転体に被検出部を設けることで、スプール２が上下に摺動しても、連結部１１がスプール２の回転方向の移動のみを回転体１２に伝達するため、検出部９と被検出部８の回転軸方向の距離を保つことが可能となる。

【0031】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１において、スプール２が軸方向に移動可能な場合、当該回転体１２は、当該スプール２に対して軸方向に移動できないようにして該スプールに連結されるようにしてもよい。より具体的には、例えば、当該スプールには回転軸とは異なる位置且つ、該スプールの移動方向に貫通穴を構成する。また、回転自由で回転軸方向に固定されたプレート部品を構成する。さらに、プレート部品は、被検出部を備えており、ピンによって該貫通穴と連結する構成をとる。このようにして、スプールが移動可能であっても、被検出部は回転軸方向に移動せずスプールの回転方向のみを検出することが可能となる。

【0032】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１において、被検出部８がスプール２に設けられている場合であって、当該スプール２が軸方向に移動可能な場合、当該被検出部８は、当該スプール２の軸方向移動量以上の軸方向長さを有するように設けることができる。このようにして、当該スプールが回転軸方向のどの位置にいる場合でも該検出部が該被検出部を検出することが可能となる。

【0033】

次に、図４を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１について説明する。図示のように、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１において、当該被検出部８は、当該スプール２自体に設けるようにしてもよい。このようにして、必要最低限の部品構成でスプールの回転を検出することが可能となる。ここで、図示のような、スプールがオシレートしても検出部９の検出範囲を超えないようなスプールのオシレート方向に延在する被検出部（例えば、同オシレート方向に長い磁石など）を取付けることで、スプールのオシレートの影響を受けることなく、的確かつ確実にスプールの回転を検出することが可能となる。

【0034】

また、図４に示すように、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１において、当該検出部９は、磁気センサであり、当該被検出部８は、磁性体であるように構成される。磁性体として、例えば、磁石などが考えられるが、これに限られない。このとき、ロータ３の少なくても検出部９と被検出部８の間に配置される箇所は、非磁性材料で構成される。具体的には、アルミニウム、マグネシウム等の非鉄金属や、エンジニアリングプラスチック等が該当する。このようにして、被検出部８の磁性体の磁力を、検出部９の磁気センサで検知することで、スプールの回転を的確かつ確実に検出することができる。また、被検出部８として永久磁石を用いることで、検出部と検出部の間にロータが介在しても、被検出部８に給電を行なう必要がないため、ロータ３の円滑な回転を妨げることがない。また、ロータ３を非磁性材料で構成することで、被検出部８と検出部９の間にロータ３が配置されても、スプールの回転検出を妨げることがない。

【0035】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１において、当該検出部９は、コイルであり、当該被検出部８は、導体である。このとき、ロータ３の少なくても検出部９と被検出部８の間に配置される箇所は、エンジニアリングプラスチック等の非金属材料で構成される。このようにして、被検出部８の導体に、検出部９のコイルが近付いたり離れたりする際の渦電流の変化を同センサで検知することにより、スプールの回転を検出することができる。

【0036】

また、当該非検出部８を永久磁石としてもよい。この場合は、被検出部８の永久磁石に、検出部９のコイルが近付いたり離れたりする際の誘導起電力の変化を同センサで検知することにより、スプールの回転を検出することができる。このとき、ロータ３の少なくても検出部９と被検出部８の間に配置される箇所は、非磁性材料で構成される。

【0037】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１において、当該検出部９は、静電容量センサであり、当該被検出部８は、誘電率の異なる材料の組み合わせである。このとき、ロータ３の少なくても検出部９と被検出部８の間に配置される箇所は、絶縁体等の誘電率の低い材質で構成される。このようにして、被検出部８の誘電体に、検出部９の静電容量センサが近付いたり離れたりする際の静電力の変化を同センサで検知することにより、スプールの回転を検出することができる。

【0038】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１において、当該検出部９は、発光部を有する光センサであり、当該被検出部８は、反射体又は遮蔽板である。このとき、ロータ３の少なくても検出部９と被検出部８の間に配置される箇所は、発光部の発する光を透過可能とする。具体的には、当該箇所をアクリルやポリカーボネート等の透明材料で構成したり、空孔を設けることで、少なくても光の一部を透過させる。このようにして、検出部９の光センサの発光部からの光を被検出部８の反射体又は遮蔽板で反射させ、反射光を同検出部９の光センサで受光を検知することで、スプールの回転を検出することができる。また、被検出部８として反射対または遮光板を用いることで、検出部と検出部の間にロータが介在しても、被検出部８に給電を行なう必要がないため、ロータ３のスムーズな回転を妨げることがない。また、被検出部８と検出部９の間にロータ３が配置されても、スプールの回転検出を妨げることがない。

【0039】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１において、当該検出部９は、マイクであり、当該被検出部８は、音源生成部または音波反射材である。ここで、例えば、音源生成部として、圧電素子を用いることができるが、これに限られない。圧電素子は、スプールが回転した際に音を発する構成部材を用いることで、回転時の音を検出するようにすることができる。このとき、ロータ３の少なくとも検出部９と被検出部８の間に配置される箇所は、スリットを設ける、遮音性の低い材質を用いるなどにより、音波を貫通しやすいようにしておくとよい。また、音源として、超音波などの直進性の高い性質のものを用いるとよい。このようにして、スプールの回転を検出することができる。

【0040】

本発明の一実施形態に係る魚釣用リール１において、当該検出部９は、温度センサであり、当該被検出部８は、発熱体である。このとき、ロータ３の少なくても検出部９と被検出部８の間に配置される箇所は、金属等の熱伝導率の高い材質を用いたり、空隙を設けることで輻射熱を通過させやすくしたりするとよい。ここで、例えば、発熱体として、例えば、スプールが回転した際に摩擦により熱を発生させる任意の構造を形成することで、回転時の温度変化を検出するようにすることができる。このようにして、スプールの回転を検出することができる。

【0041】

上述の実施形態のように、本発明では、検出部９として非接触で被検出部８の近接を検知可能なものを用いると良い。これにより、被検出部８と検出部９の間にロータ３が存在しても、スプールの回転を検出することができる。また、検出部９をリール本体に配置できるため、給電を行なったり、検出した情報をマイコン等に伝えたりすることが容易となる。また、ロータ３のスムーズな回転を妨げることがない。また、本発明では、被検出部８として給電を行なわずに検出部９で検出可能なものを用いると良い。これにより、本体からロータを介して被検出部８に給電を行なう必要が無くなり、ロータ３のスムーズな回転を妨げることがない。また、本発明では、ロータ３として検出部８が被検出部９の近接検知を妨げないものを用いると良い。これにより、被検出部８と検出部９の間にロータ３が存在しても、スプールの回転を検出することができる。

【0042】

本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。

【符号の説明】

【0043】

１ 魚釣用リール
２ スプール
３ ロータ
４ 操作部
５ ハンドル
６ 本体部
７ スプール回転検出部
８ 被検出部
９ 検出部
１０ 電源部
１１ 連結部
１２ 回転部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】