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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125664
(43)【公開日】2022-08-29
(54)【発明の名称】魚釣用リール
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/01 20060101AFI20220822BHJP
   A01K 89/012 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
A01K89/01 Z
A01K89/012
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023380
(22)【出願日】2021-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】大井川 凌
(72)【発明者】
【氏名】安田 悠
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108BJ05
2B108BJ10
2B108DA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オシレート機構を有する魚釣用リールであっても、スプールの軸方向移動による影響を回避しながら、正確かつ確実にスプールの回転検出を行うことができるスプール回転検出部を備えた魚釣用リールを提供する。
【解決手段】釣糸が巻かれるスプール2と、該スプール2の回転軸と同じ回転軸で回転するロータ3とを有する回転部と、該ロータ3を回転操作する操作部4と、前記スプール2を軸方向に移動可能にするためのオシレート機構13とを有する本体部6と、前記スプール2と該オシレート機構13とを接続する主軸部14と、該スプール2の回転を検出するスプール回転検出部7と、を備え該スプール回転検出部7は、該回転部、該本体部6又は該主軸部14のいずれかに設けられた被検出部8と、該本体部6に設けられ、該被検出部8の回転を検出し電気信号に変換する検出部9とを含むように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣糸が巻かれるスプールと、該スプールの回転軸と同じ回転軸で回転するロータとを有する回転部と、該ロータを回転操作する操作部と、前記スプールを軸方向に移動可能にするためのオシレート機構とを有する本体部と、前記スプールと該オシレート機構とを接続する主軸部と、該スプールの回転を検出するスプール回転検出部と、を備える魚釣用リールであって、
該スプール回転検出部は、該回転部、該本体部又は該主軸部のいずれかに設けられた被検出部と、該本体部に設けられ、該被検出部の回転を検出し電気信号に変換する検出部とを含むことを特徴とする魚釣用リール。
【請求項2】
前記被検出部は、前記スプールに設けられ、該被検出部は、前記スプールの軸方向移動量以上の軸方向長さを有するように設けられる、請求項1に記載の魚釣用リール。
【請求項3】
前記被検出部は、連結部を介して回転可能に前記スプールに連結された回転体に設けられる、請求項1に記載の魚釣用リール。
【請求項4】
前記被検出部は、連結部を介して前記スプールに支持された回転体に設けられ、該回転体は、軸方向に移動できないように該スプールと共に回転可能に支持されている、請求項1に記載の魚釣用リール。
【請求項5】
前記被検出部が前記本体部に設けられ、該被検出部は、連結部を介して前記主軸部に支持された回転体に設けられ、該回転体は、軸方向に移動できないように該主軸部と共に回転可能に支持されている、請求項1に記載の魚釣用リール。
【請求項6】
前記被検出部は、前記主軸部に設けられ、該被検出部は、前記スプールの軸方向移動量以上の軸方向長さを有するように設けられる、請求項1に記載の魚釣用リール。
【請求項7】
前記被検出部は、連結部を介して前記主軸部に支持された回転体に設けられ、該回転体は、該主軸部に対して軸方向に移動しないように該主軸部と共に回転可能に支持されている、請求項1に記載の魚釣用リール。
【請求項8】
前記被検出部は、前記スプールに設けられ、前記検出部は、前記オシレート機構と連結された検出台座部であって、前記本体部から突出するように、前記本体部に設けられた検出台座部に設けられる、請求項1に記載の魚釣用リール。
【請求項9】
前記本体部は、該スプール回転検出部に電力を供給する電源部を有する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の魚釣用リール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプールの回転を検出できる、省スペース化が可能な魚釣用リールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、釣糸を放出可能な様々なスピニングリールが知られている。このようなスピニングリールを用いた釣りを行う場合、ルアーや餌を投擲した際に、釣糸がどの程度放出されたかを正確に把握するためや、ドラグ回転時の発音を行なうためには、スプールの回転に関する情報を入手することが重要になっている。
【0003】
スプールの回転を検出する魚釣用リールとして、例えば、特許文献1では、スプールとスプール軸に取つけた静止部材の一方にスプールの回転を検知して電気信号に変換報知する装置の作動部を、他方に該装置の受動部を設けたスピニングリールについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭56-59868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に係る方法では、スプールの回転を検知する手段以外に様々な部品が配置されるため、ドライブユニット全体が大型化し、通信手段やマイコン、電源を設けるスペースを確保することが難しく、また外部から給電を行なうのが難しいという問題があった。また、オシレート機構を備えた魚釣用リールにスプールの回転を検知する手段を設けようとしても、当該オシレート機構により当該スプールが軸方向に上下に移動(オシレート)してしまうために、当該スプールの回転を正確かつ確実に検出することが難しいという問題があった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、オシレート機構を有する魚釣用リールであっても、スプールの軸方向移動による影響を回避しながら、正確かつ確実にスプールの回転検出を行うことができるスプール回転検出部を備えた魚釣用リールを提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールは、釣糸が巻かれるスプールと、該スプールの回転軸と同じ回転軸で回転するロータとを有する回転部と、該ロータを回転操作する操作部と、前記スプールを軸方向に移動可能にするためのオシレート機構とを有する本体部と、前記スプールと該オシレート機構とを接続する主軸部と、該スプールの回転を検出するスプール回転検出部と、を備える魚釣用リールであって、該スプール回転検出部は、該回転部、該本体部又は該主軸部のいずれかに設けられた被検出部と、該本体部に設けられ、該被検出部の回転を検出し電気信号に変換する検出部とを含むように構成される。
【0008】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、前記スプールに設けられ、該被検出部は、前記スプールの軸方向移動量以上の軸方向長さを有するように設けられる。
【0009】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、連結部を介して回転可能に前記スプールに連結された回転体に設けられる。
【0010】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、連結部を介して前記スプールに支持された回転体に設けられ、該回転体は、軸方向に移動できないように該スプールと共に回転可能に支持されている。
【0011】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は前記本体部に設けられ、該被検出部は、連結部を介して前記主軸部に支持された回転体に設けられ、該回転体は、軸方向に移動できないように該主軸部と共に回転可能に支持されている。
【0012】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、前記主軸部に設けられ、該被検出部は、前記スプールの軸方向移動量以上の軸方向長さを有するように設けられる。
【0013】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、連結部を介して前記主軸部に支持された回転体に設けられ、該回転体は、該主軸部に対して軸方向に移動しないように該主軸部と共に回転可能に支持されている。
【0014】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記被検出部は、前記スプールに設けられ、前記検出部は、前記オシレート機構と連結された検出台座部であって、前記本体部から突出するように、前記本体部に設けられた検出台座部に設けられる。
【0015】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リールにおいて、前記本体部は、該スプール回転検出部に電力を供給する電源部を有するように構成される。
【発明の効果】
【0016】
上記実施形態によれば、オシレート機構を有する魚釣用リールであっても、スプールの軸方向移動による影響を回避しながら、正確かつ確実にスプールの回転検出を行うことができるスプール回転検出部を備えた魚釣用リー ルを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールの基本構成を説明する図である。
図2】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールの基本構成を説明する図である。
図3】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールの基本構成を説明する図である。
図4】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールのスプール回転検出部を説明する図である。
図5】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールの基本構成を説明する図である。
図6】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールの基本構成を説明する図である。
図7】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールの基本構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る魚釣用リールの実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0019】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1の構成について説明する。図示のように、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1は、釣糸が巻かれるスプール2と、該スプール2の回転軸と同じ回転軸で回転するロータ3とを有する回転部4と、該ロータ3を回転操作する操作部5(例えば、ハンドル)と、該スプール2を軸方向に移動可能にするためのオシレート機構13とを有する本体部6と、該スプール2と該オシレート機構13とを接続する主軸部14と、該スプール2の回転を検出するスプール回転検出部7と、を備える魚釣用リール1であって、該スプール回転検出部7は、該回転部4、該本体部6又は該主軸部14のいずれかに設けられた被検出部8(図1の例では、被検出部8は回転部4に設けられている)と、該本体部6に設けられ、該被検出部8の回転を検出し電気信号に変換する検出部9とを含むように構成される。なお、図1では、操作部5としてハンドルを用いているが、モータなどの動力源とユーザからの操作を受け付けるレバー等との組み合わせによってもよい(以下同様)。
【0020】
図示の例では、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1の該被検出部7は、連結部15を介して当該スプール2に支持された回転体16に設けられ、該回転体16は、軸方向(主軸部14の軸方向(以下同様))に移動できないように該スプール2と共に回転可能に支持されている。
【0021】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1によれば、オシレート機構を有する魚釣用リールであっても、スプー ルの軸方向移動による影響を回避しながら、正確かつ確実にスプールの回転検出を行うことができるスプール回転検出部を備えた魚釣用リールを提供することが可能となる。このように、スプールと共に回転しつつ軸方向に移動しない回転体に被検出部を設けることで、検出部による被検出部の回転を正確かつ確実に検出する構成をとることが可能となる。
【0022】
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1の別の構成について説明する。
【0023】
図示のように、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1は、釣糸が巻かれるスプール2と、該スプール2の回転軸と同じ回転軸で回転するロータ3とを有する回転部4と、該ロータ3を回転操作する操作部5(例えば、ハンドル)と、該スプール2を軸方向に移動可能にするためのオシレート機構13とを有する本体部6と、該スプール2と該オシレート機構13とを接続する主軸部14と、該スプール2の回転を検出するスプール回転検出部7と、を備える魚釣用リール1であって、該スプール回転検出部7は、該回転部4、該本体部6又は該主軸部14のいずれかに設けられた被検出部8(図2の例では、被検出部8は本体部6に設けられている)と、該本体部6に設けられ、該被検出部8の回転を検出し電気信号に変換する検出部9とを含むように構成される。
【0024】
図示のように、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1では、被検出部8が本体部6に設けられ、該被検出部は、連結部17を介して当該主軸部14に支持された回転体18に設けられ、該回転体18は、軸方向(主軸部14の軸方向)に移動できないように該主軸部14と共に回転可能に支持されている。これは、例えば、該連結部17が該回転体18に対して一部貫通する、または該連結部17が、該主軸部に対して一部貫通するように構成することで、該回転体18は当該軸方向に移動しないようにすることができる。
【0025】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1によれば、オシレート機構を有する魚釣用リールであっても、スプールの軸方向移動による影響を回避しながら、正確かつ確実にスプールの回転検出を行うことができるスプール回転検出部を備えた魚釣用リールを提供することが可能となる。このように、主軸部と共に回転しつつ軸方向に移動しない回転体に被検出部を設けることで、検出部による被検出部の回転を正確かつ確実に検出する構成をとることが可能となる。
【0026】
次に、図3、4を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1の構成について説明する。図示のように、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1は、釣糸が巻かれるスプール2と、該スプール2の回転軸と同じ回転軸で回転するロータ3とを有する回転部4と、該ロータ3を回転操作する操作部5(例えば、ハンドル)と、該スプール2を軸方向に移動可能にするためのオシレート機構13とを有する本体部6と、該スプール2と該オシレート機構13とを接続する主軸部14と、該スプール2の回転を検出するスプール回転検出部7と、を備える魚釣用リール1であって、該スプール回転検出部7は、該回転部4、該本体部6又は該主軸部14のいずれかに設けられた被検出部8(図3、4の例では、被検出部8は回転部4のスプール2に設けられている)と、該本体部6に設けられ、該被検出部8の回転を検出し電気信号に変換する検出部9とを含むように構成される。なお、同様に、操作部5としてハンドルを用いているが、モータなどの動力源とユーザからの操作を受け付けるレバー等との組み合わせによってもよい。
【0027】
図示の例では、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1において、当該被検出部7は、当該スプール2に設けられ、該被検出部7は、当該スプール2の軸方向移動量(b)以上の軸方向長さ(a)を有するように設けられる。
【0028】
図4に示すように、当該被検出部8は、当該スプール2自体に設けるようにされるため、必要最低限の部品構成でスプールの回転を検出することが可能となる。ここで、図示のような、スプールがオシレートしても検出部9の検出範囲を超えないようなスプールのオシレート方向に延在する被検出部(例えば、同オシレート方向に長い磁石など)を取付けることで、スプールのオシレートの影響を受けることなく、的確かつ確実にスプールの回転を検出することが可能となる。
【0029】
ここで、図4に示すように、当該検出部9は、磁気センサであり、当該被検出部8は、磁性体であるように構成される。磁性体として、例えば、磁石などが考えられるが、これに限られない。このとき、ロータ3の少なくても検出部9と被検出部8の間に配置される箇所は、非磁性材料で構成される。具体的には、アルミニウム、マグネシウム等の非鉄金属や、エンジニアリングプラスチック等が該当する。このようにして、被検出部8の磁性体の磁力を、検出部9の磁気センサで検知することで、スプールの回転を的確かつ確実に検出することができる。また、被検出部8として永久磁石を用いることで、検出部と検出部の間にロータが介在しても、被検出部8に給電を行なう必要がないため、ロータ3の円滑な回転を妨げることがない。また、ロータ3を非磁性材料で構成することで、被検出部8と検出部9の間にロータ3が配置されても、スプールの回転検出を妨げることがない。
【0030】
このように、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1によれば、オシレート機構を有する魚釣用リールであっても、スプールの軸方向移動による影響を回避しながら、正確かつ確実にスプールの回転検出を行うことができるスプール回転検出部を備えた魚釣用リールを提供することが可能となる。このように、軸方向に移動するスプールに被検出部を設けても、被検出部の軸方向長さ(a)をスプールの軸方向移動量(b)以上とすることで、被検出部が軸方向に移動したとしても検出部による被検出部の回転を正確かつ確実に検出する構成をとることが可能となる。
【0031】
次に、図5を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1の構成について説明する。図示のように、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1は、釣糸が巻かれるスプール2と、該スプール2の回転軸と同じ回転軸で回転するロータ3とを有する回転部4と、該ロータ3を回転操作する操作部5(例えば、ハンドル)と、該スプール2を軸方向に移動可能にするためのオシレート機構13とを有する本体部6と、該スプール2と該オシレート機構13とを接続する主軸部14と、該スプール2の回転を検出するスプール回転検出部7と、を備える魚釣用リール1であって、該スプール回転検出部7は、該回転部4、該本体部6又は該主軸部14のいずれかに設けられた被検出部8(図5の例では、被検出部8は主軸部14に設けられている)と、該本体部6に設けられ、該被検出部8の回転を検出し電気信号に変換する検出部9とを含むように構成される。なお、同様に、操作部5としてハンドルを用いているが、モータなどの動力源とユーザからの操作を受け付けるレバー等との組み合わせによってもよい。
【0032】
図示の例では、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1において、当該被検出部7は、当該主軸部14に設けられ、該被検出部7は、当該スプール2と共に移動可能に連結された主軸部14の軸方向移動量(b)以上の軸方向長さ(a)を有するように設けられる。
【0033】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1によれば、オシレート機構を有する魚釣用リールであっても、スプールの軸方向移動による影響を回避しながら、正確かつ確実にスプールの回転検出を行うことができるスプール回転検出部を備えた魚釣用リールを提供することが可能となる。このように、スプールと共に移動可能に連結された主軸部に被検出部を設けても、被検出部の軸方向長さ(a)を当該スプールと共に移動可能に連結された主軸部の軸方向移動量(b)以上とすることで、被検出部が軸方向に移動したとしても検出部による被検出部の回転を正確かつ確実に検出する構成をとることが可能となる。
【0034】
次に、図6を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1の構成について説明する。図示のように、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1は、釣糸が巻かれるスプール2と、該スプール2の回転軸と同じ回転軸で回転するロータ3とを有する回転部4と、該ロータ3を回転操作する操作部5(例えば、ハンドル)と、該スプール2を軸方向に移動可能にするためのオシレート機構13とを有する本体部6と、該スプール2と該オシレート機構13とを接続する主軸部14と、該スプール2の回転を検出するスプール回転検出部7と、を備える魚釣用リール1であって、該スプール回転検出部7は、該回転部4、該本体部6又は該主軸部14のいずれかに設けられた被検出部8(図6の例では、被検出部8は主軸部14に設けられている)と、該本体部6に設けられ、該被検出部8の回転を検出し電気信号に変換する検出部9とを含むように構成される。なお、同様に、操作部5としてハンドルを用いているが、モータなどの動力源とユーザからの操作を受け付けるレバー等との組み合わせによってもよい。
【0035】
図示の例では、スプール2と主軸部14とが固定されており、操作部(ハンドル)5が回転すると、フェースギア19と、オシレート機構13を通じて主軸部14は同主軸部14の軸方向上下にオシレート(移動)する。当該オシレート機構13は従来高知の技術を用いることができ、その詳細は省略する。また、図示の例では、被検出部8は、主軸部14に設けられ、主軸部14の一部を構成している。このようにして、検出部9は、主軸部14の回転を電気信号に変換するようにする。本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1において、当該被検出部7は、当該主軸部14に設けられ、該被検出部7は、当該スプール2と共に移動可能に連結された主軸部14の軸方向移動量(b)以上の軸方向長さ(a)を有するように設けられる。ここで、被検出部8は、例えば、Dカット部であり、検出部9は、例えば、ボリューム抵抗とすることができるが、これらに限られない。また、本体部6には、ドラグ機構20が設けられており、スプール2の回転を制動することができる。
【0036】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1によれば、オシレート機構を有する魚釣用リールであっても、スプールの軸方向移動による影響を回避しながら、正確かつ確実にスプールの回転検出を行うことができるスプール回転検出部を備えた魚釣用リールを提供することが可能となる。このように、スプールと共に移動可能に連結された主軸部に被検出部を設けても、被検出部の軸方向長さ(a)を当該スプールと共に移動可能に連結された主軸部の軸方向移動量(b)以上とすることで、被検出部が軸方向に移動したとしても検出部による被検出部の回転を正確かつ確実に検出する構成をとることが可能となる。
【0037】
次に、図7を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1の別の構成について説明する。
【0038】
図示のように、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1は、釣糸が巻かれるスプール2と、該スプール2の回転軸と同じ回転軸で回転するロータ3とを有する回転部4と、該ロータ3を回転操作する操作部5(例えば、ハンドル)と、該スプール2を軸方向に移動可能にするためのオシレート機構13とを有する本体部6と、該スプール2と該オシレート機構13とを接続する主軸部14と、該スプール2の回転を検出するスプール回転検出部7と、を備える魚釣用リール1であって、該スプール回転検出部7は、該回転部4、該本体部6又は該主軸部14のいずれかに設けられた被検出部8(図7の例では、被検出部8は、後述する本体部6に設けられた検出台座部21に設けられている)と、該本体部6に設けられ、該被検出部8の回転を検出し電気信号に変換する検出部9とを含むように構成される。
【0039】
図示のように、スプール回転検出部7は、回転部4のスプール2に設けられた被検出部8と、検出台座部21に設けられた検出部9とで構成される。当該検出台座部21は、本体部6に設けられ、オシレート機構13からスプール2の回転軸の上下方向の伝達力を受け上下に摺動するようにされる。この伝達力は、操作部(ハンドル)5の回転に基づき回転するフェースギア19等の部品の回転力をオシレート機構13によりスプール2の回転軸の方向に上下に摺動させることにより伝達される。このようなオシレート機構13は、従来公知のものを用いることができ、主軸部14へも同様の周期でオシレート(上下移動)するように構成される。ここで、検出台座部21と主軸部14のオシレート機構は同じものを用いてもよいし、それぞれ別のオシレート機構を用いてもよい。
【0040】
スプール2は、図示しないドラグ機構により回転制動可能にされ、この制動力が放出力を上回ったとき、スプールが糸を放出する方向に回転する。その際の被検出部の変化を検出部により検出することでスプールの回転を検出することができる。図示の例では、本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1の被検出部は、前記スプールに設けられ、前記検出部は、前記オシレート機構と連結された検出台座部であって、本体部から突出するように、前記本体部に設けられた検出台座部に設けられる。また、本体部6に設けた電源部10により検出台座部21に設けた検出部9に給電を行うようにする。
【0041】
本発明の一実施形態に係る魚釣用リール1によれば、オシレート機構を有する魚釣用リールであっても、スプールの軸方向移動による影響を回避しながら、正確かつ確実にスプールの回転検出を行うことができるスプール回転検出部を備えた魚釣用リールを提供することが可能となる。このように、スプールに対して均等に糸を巻くためにスプールをオシレートさせながらも、検出部と被検出部の距離を一定に保持した状態で検出を行うことができるため、検出部による被検出部の回転を正確かつ確実に検出することが可能となる。また、このような構成により、従来、検出部に対して主軸部を通じた給電が困難であったが、当該検出台座部を通じて給電を行うことが可能となる。また、リール本体に検出部を持たせることで、検出部の出力信号を受け取るマイクロプロセッサや記憶装置、表示手段などの部材をリール本体に配置した場合に、容易に出力信号をその部材に送信することができる。なお、本発明の一実施形態において、電源部とは、電源から検出部へ給電を行う手段のことを指す。従って、リール自体に必ずしも電池を備える必要はなく、外部電源から電力を受け取るコネクタと、コネクタから検出部への給電を行なう有線給電手段の組み合わせによっても、電源部を実現することができる。外部電源としては、商用電源や携帯電源、リールと接続可能な外部装置内の電源などが挙げられる。
【0042】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0043】
1 魚釣用リール
2 スプール
3 ロータ
4 操作部
5 ハンドル
6 本体部
7 スプール回転検出部
8 被検出部
9 検出部
10 電源部
11 連結部
12 回転部
13 オシレート機構
14 主軸部
15 連結部
16 回転体
17 連結部
18 回転体
19 フェースギア
20 ドラグ機構
21 検出台座部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1