(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125665
(43)【公開日】2022-08-29
(54)【発明の名称】音声再生プログラムおよび音声再生装置
(51)【国際特許分類】
G10L 13/02 20130101AFI20220822BHJP
A63F 13/54 20140101ALI20220822BHJP
G10L 13/00 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
G10L13/02 130A
A63F13/54
G10L13/00 100A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023383
(22)【出願日】2021-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸谷 知久
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩介
(57)【要約】
【課題】ユーザの興趣性を向上させた音声再生プログラムおよび音声再生装置を提供する。
【解決手段】ゲーム装置5を、音声データを再生する再生部565と、再生部565に再生させる音声データを決定する決定部564として機能させ、音声データは、複数の発音sound_1~sound_3が行われるように構成されており、決定部564は、音声データを再生させるスピーカ62に基づいて、音声データから再生部565に再生させる発音数を決定する、または、音声データに施す音響処理の内容を決定する、音声再生プログラムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
音声データを再生する再生部と、
前記再生部に再生させる前記音声データを決定する決定部と
して機能させ、
前記音声データは、複数の発音が行われるように構成されており、
前記決定部は、前記音声データを再生させる再生装置に基づいて、前記音声データから前記再生部に再生させる発音数を決定する、または、前記音声データに施す音響処理の内容を決定する、音声再生プログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記決定部は、前記複数の発音に設定された優先度に従って、前記再生部に再生させる前記発音を決定する、音声再生プログラム。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記決定部は、前記発音に対して設定された音量の大きさに基づいて、前記再生部に再生させる前記発音を決定する、音声再生プログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかにおいて、
前記再生部は、前記決定部が前記発音数を決定した場合、所定の帯域を強調する、音声再生プログラム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかの音声再生プログラムを記憶した記憶部と、
前記音声再生プログラムを実行する制御部と
を備えた、音声再生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声再生プログラムおよび音声再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザの感じるリアル感、臨場感を向上させるために、ユーザの視点とオブジェクト空間内を移動する移動体との関係に基づいて、ユーザが聞くことになる移動体に関連するゲーム音を変化させるようにした3次元ゲーム装置が存在する(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ゲーム装置やPCなどの装置では、外部接続された再生装置(外付けのスピーカなど)や内蔵された再生装置(内蔵スピーカ)などから音声データを再生する。再生装置の性能によって再生できる音声が異なるため、同一の音声データであっても各再生装置で再生される音声が互いに異なることがある。このため、再生装置の性能に関わらず、同一の音声データを再生する構成では、ユーザの興趣性を欠く可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、ユーザの興趣性を向上させた、音声再生プログラムおよび音声再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、コンピュータを、
音声データを再生する再生部と、
前記再生部に再生させる前記音声データを決定する決定部と
して機能させ、
前記音声データは、複数の発音が行われるように構成されており、
前記決定部は、前記音声データを再生させる再生装置に基づいて、前記音声データから前記再生部に再生させる発音数を決定する、または、前記音声データに施す音響処理の内容を決定する、音声再生プログラムである。
【0007】
また、第1の発明では、前記決定部は、前記複数の発音に設定された優先度に従って、前記再生部に再生させる前記発音を決定する、としてもよい。
【0008】
また、第1の発明では、前記決定部は、前記発音に対して設定された音量の大きさに基づいて、前記再生部に再生させる前記発音を決定する、としてもよい。
【0009】
また、第1の発明では、前記再生部は、前記決定部が前記発音数を決定した場合、所定の帯域を強調する、としてもよい。
【0010】
第2の発明は、第1の発明の音声再生プログラムを記憶した記憶部と、
前記音声再生プログラムを実行する制御部と
を備えた、音声再生装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザの興趣性を向上させた、音声再生プログラムおよび音声再生装置を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】実施形態1における音声データに含まれる発音の概念図。
【
図3】実施形態1におけるゲーム装置の動作を示すフローチャート。
【
図4】実施形態2におけるリバーブ処理の内容を説明するための図。
【
図5】実施形態2におけるゲーム装置の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態にかかるゲームプログラムおよびゲーム装置について、図面を参照して説明する。本発明の音声再生プログラムは、ゲームプログラムの一機能として実装されている。音声再生装置は、ゲーム装置として実現されている。
【0014】
本実施形態で説明するゲームプログラムは、例えば、パーソナルコンピュータ、プレイステーション(登録商標)、XBox(登録商標)、PlayStation Vita(登録商標)などのゲーム装置において実行される。
【0015】
このゲームプログラムによるゲームでは、ユーザの操作を受けて、ユーザキャラクタを三次元の仮想ゲーム空間(以下、単に仮想空間という)で活動させたり、ユーザキャラクタの仲間に対して様々なアクションを行わせたりする。
【0016】
このゲームでは、ユーザキャラクタ等の移動過程やアクション等において、所定のトリガ条件を満たすとサウンドが流れる。所定のトリガ条件とは、例えば、ユーザキャラクタの所定場所への移動、敵キャラクタの出現、敵キャラクタを倒したあと、アイテムの発見などである。
【0017】
このゲームを実行するゲーム装置は、スピーカなどの再生装置と外部接続された場合、当該再生装置に音声データを再生させる。また、ゲーム装置は、外部の再生装置と接続されていない場合、内蔵されたスピーカに音声データを再生させる。特に、このゲーム装置は、音声データを再生させる再生装置の種類によって、再生する音声データを変化させる。
【0018】
(実施形態1)
<ゲーム装置の構成>
図1は、本実施形態のゲーム装置5の構成を示すブロック図である。ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて、所定のゲームを実行する。ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62(再生装置)およびコントローラ63が外部接続または内蔵される。ゲーム装置5では、インストールされたゲームプログラムおよびゲームデータに基づいてゲームが進行する。
【0019】
ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0020】
ネットワークインターフェース51は、例えば、ゲーム装置5や外部のサーバ装置(図示を省略)との間で各種データを送受信するために、前記通信ネットワークに通信可能に接続される。
【0021】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報にしたがって、ユーザキャラクタおよびゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52はディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0022】
オーディオ処理部53は、制御部56の指示にしたがってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。オーディオ処理部53はスピーカ62と接続されており、再生および合成されたゲーム音声は、スピーカ62から出力される。
【0023】
上述したように、スピーカ62は、ゲーム装置5に外部接続または内蔵される。ゲーム装置5に外部接続されるスピーカ62としては、例えば、ホームシアターに用いられるような、複数のスピーカユニットによって構成されたスピーカ(以下、「ホームシアター用スピーカ」ともいう)や、TVに内蔵されたスピーカ(以下、「TV用スピーカ」ともいう)などがある。一般的に、ゲーム装置5に内蔵されたスピーカ(以下、「内蔵スピーカ」ともいう)、TV用スピーカ、ホームシアター用スピーカの順に、性能が高くなる。
【0024】
操作部54は、コントローラ63と接続され、操作入力に関するデータをコントローラ63との間で送受信する。例えば、ユーザは、コントローラ63に設けられたボタン等の操作子(図示を省略)を操作することにより、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0025】
記憶部55は、HDD、RAMおよびROM等で構成される。記憶部55は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶することができる。また、記憶部55には、他のゲーム装置5から受信した他アカウント情報なども記憶される。
【0026】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、ゲーム装置5自身の動作を制御する。例えば、制御部56は、前記ゲームプログラムを実行することにより、グラフィック処理部52およびオーディオ処理部53を動作させる。
【0027】
<制御部の機能的構成>
制御部56は、ゲームプログラムを実行することにより、通信部561、ゲーム進行部562、判定部563、決定部564および再生部565として機能する。
【0028】
通信部561は、ネットワークインターフェース51を介して、他のゲーム装置5と通信を行う機能である。通信部561は、操作部54がコントローラ63から受信した各種操作信号を、他のゲーム装置5に送信する。
【0029】
ゲーム進行部562は、ユーザの操作に応じて、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または三次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0030】
また、ゲーム進行部562は、ユーザの操作に応じて、当該ユーザの操作対象となるキャラクタを仮想空間において動作させる。例えば、ゲーム進行部562は、コントローラ63からの操作信号に応じて、キャラクタを動作させる。
【0031】
判定部563は、音声データを再生するスピーカ62の種類を判定する。例えば、判定部563は、ゲーム装置5にスピーカ62が外部接続されている場合、スピーカ62からの信号を検知して、スピーカ62の種類(例えば、TV用スピーカ、ホームシアター用スピーカなど)を判定する。一方、判定部563は、ゲーム装置5にスピーカ62が外部接続されていない場合、スピーカ62の種類が内蔵スピーカであると判定する。
【0032】
決定部564は、判定部563が判定したスピーカ62の種類に基づいて、スピーカ62に再生させる発音数を決定する。
【0033】
図2は実施形態1における音声データに含まれる発音の概念図である。例えば、仮想空間上に、大型の敵キャラクタであるモンスターC1、中型の敵キャラクタであるモンスターC2および小型の敵キャラクタであるモンスターC3が配置されていたとする。そして、モンスターC1~C3が発する音声として、sound_1~sound_3がそれぞれ設定されており、優先度が高~低とそれぞれ設定されているとする。
【0034】
この場合、決定部564は、スピーカ62がホームシアター用スピーカである場合、sound_1~sound_3の全ての発音を再生部565に再生させる発音と決定する。ホームシアター用スピーカは、一般的に高性能であるため、多数の発音を同時に再生しても、各発音を正確に再生させることができる。すなわち、決定部564は、スピーカ62がホームシアター用スピーカである場合、全ての発音を再生部565に再生させる発音と決定する。
【0035】
また、決定部564は、スピーカ62がTV用スピーカである場合、優先度が低い発音であるsound_3を除く、sound_1,sound_2を再生部565に再生させる発音と決定する。TV用スピーカは、多数の発音を同時に再生した場合、一部の発音が他の発音と重なってしまい、各発音を正確に再生させることができないことがある。このため、決定部564は、スピーカ62がTV用スピーカである場合、音声データから、優先度が低い発音を除いた他の発音を再生部565に再生させる発音と決定する。
【0036】
また、決定部564は、スピーカ62が内蔵スピーカである場合、優先度が高い発音であるsound_1のみを再生部565に再生させる発音と決定する。内蔵スピーカは、一般的に性能が低く、同時に発音できる発音数が少ないことが多い。このため、決定部564は、スピーカ62が内蔵スピーカである場合、音声データから、優先度が高い発音のみを再生部565に再生させる発音と決定する。
【0037】
再生部565は、決定部564が決定した発音(発音数)に基づいて、音声データを再生する。
【0038】
(ゲーム装置の動作)
図1~
図3を用いて、ゲーム装置における動作の一連の流れを説明する。
図3はゲーム装置5の動作を示すフローチャートである。
【0039】
まず、判定部563は、音声データを再生するスピーカ62の種類を判定する(ステップS1)。具体的に、判定部563は、ゲーム装置5にスピーカ62が外部接続されている場合、スピーカ62と通信して、スピーカ62の種類(例えば、TV用スピーカ、ホームシアター用スピーカなど)を判定する。一方、判定部563は、ゲーム装置5にスピーカ62が外部接続されていない場合、スピーカ62の種類が内蔵スピーカであると判定する。
【0040】
決定部564は、判定部563が判定したスピーカ62の種類に基づいて、スピーカ62に再生させる発音数を決定する(ステップS2)。
【0041】
図2の場合、決定部564は、スピーカ62がホームシアター用スピーカである場合、sound_1~sound_3の全ての発音を再生部565に再生させる発音と決定する。決定部564は、スピーカ62がTV用スピーカである場合、優先度が低い発音であるsound_3を除く、sound_1,sound_2を再生部565に再生させる発音と決定する。決定部564は、スピーカ62が内蔵スピーカである場合、優先度が高い発音であるsound_1のみを再生部565に再生させる発音と決定する。
【0042】
再生部565は、決定部564が決定した発音に基づいて、音声データを再生する(ステップS3)。
【0043】
以上をまとめると、本実施形態のゲームプログラムは、ゲーム装置5(コンピュータ)を、音声データを再生する再生部565と、再生部565に再生させる音声データを決定する決定部564として機能させ、音声データは、複数の発音sound_1~sound_3が行われるように構成されており、決定部564は、音声データを再生させるスピーカ62(再生装置)に基づいて、音声データから再生部565に再生させる発音数を決定するものである。
【0044】
<発明の効果>
以上のように、決定部564は、音声データを再生させるスピーカ62に基づいて、音声データから再生部565に再生させる発音数を決定する。例えば、スピーカ62の性能が低い場合には、決定部564が再生させる発音数を抑えるように発音数を決定することで、スピーカ62に正確に発音をさせることができる。これにより、ユーザの興趣性を向上させることができる。
【0045】
また、決定部564は、複数の発音sound_1~sound_3に設定された優先度に従って、再生部565に再生させる発音を決定する。ゲームプレイに重要な発音(例えば、ボスモンスターの音声など)に高い優先度を設定することで、ユーザの興趣性を向上させることができる。
【0046】
(実施形態2)
実施形態1では、決定部564は、スピーカ62の種類に基づいて、スピーカ62に再生させる発音数を決定したが、実施形態2では、スピーカ62の種類に基づいて、音声データに施す音響処理の内容を決定する。なお、本実施形態では、スピーカ62の種類に基づいて、リバーブ(残響)処理が行われることを例にして説明する。
【0047】
図4は音声データに施される音響処理を説明するための図である。
図4(a)~(c)は、スピーカ62の種類に基づいて再生される音声データの状況を示している。
図4(a)~(c)は、スピーカ62がホームシアター用スピーカ、TV用スピーカおよび内蔵スピーカである場合をそれぞれ示す。
【0048】
図4(a)に示すように、スピーカ62がホームシアター用スピーカである場合、低音を強調するための音声であるインパクト強調用低音が加えられた音声データに、ホームシアター用リバーブ処理(処理負荷:高)が施された後、音声データがスピーカ62から再生される。
【0049】
ホームシアター用スピーカは、複数のスピーカユニットを備えるため、各スピーカユニットから異なる音声を再生させることが可能である。このため、決定部564は、各スピーカユニットから再生される音声データに対して、処理負荷の高いリバーブ処理(ホームシアター用リバーブ処理)を施すことを決定する。これにより、ユーザに臨場感のある音声を提供することができる。
【0050】
図4(b)に示すように、スピーカ62がTV用スピーカである場合、音声データに、標準リバーブ処理(処理負荷:中)が施された後、音声データがスピーカ62から再生される。すなわち、決定部564は、スピーカ62がTV用スピーカである場合、音声データに対して、標準的なリバーブ処理(標準リバーブ処理)を施すことを決定する。
【0051】
図4(c)に示すように、スピーカ62が内蔵スピーカである場合、音声データに、高音域強調エフェクト処理および内蔵スピーカ用リバーブ処理(処理負荷:低)が施された後、音声データがスピーカ62から再生される。
【0052】
例えば、内蔵スピーカは、ホームシアター用スピーカおよびTV用スピーカよりも性能が劣るため、正確に再生できる音声が限られる。このため、決定部564は、音声データに対して、高音域を強調するエフェクト処理(高音域強調エフェクト処理)を施した上で、内蔵スピーカの特性に応じた、処理負荷の低いリバーブ処理(内蔵スピーカ用リバーブ処理)ことを決定する。これにより、内蔵スピーカに適した音声データを再生することができる。
【0053】
(ゲーム装置の動作)
図5は本実施形態におけるゲーム装置5の動作を示すフローチャートである。
図5では、
図3と比較すると、ステップS2に代えてステップS4が行われる。
【0054】
ステップS4では、決定部564は、スピーカ62の種類に基づいて、音声データに施すリバーブ処理の内容を決定する。
【0055】
図4では、決定部564は、スピーカ62がホームシアター用スピーカである場合、インパクト強調用低音が加えられた音声データに、ホームシアター用リバーブ処理(処理負荷:高)を施すことを決定する。決定部564は、スピーカ62がTV用スピーカである場合、音声データに、標準リバーブ処理(処理負荷:中)を施すことを決定する。決定部564は、音声データに、高音域強調エフェクト処理および内蔵スピーカ用リバーブ処理(処理負荷:低)を施すことを決定する。
【0056】
以上をまとめると、本実施形態のゲームプログラムは、ゲーム装置5(コンピュータ)を、音声データを再生する再生部565と、再生部565に再生させる音声データを決定する決定部564として機能させ、音声データは、複数の発音が行われるように構成されており、決定部564は、音声データに施すリバーブ処理(音響処理)の内容を決定するものである。
【0057】
<発明の効果>
以上のように、決定部564は、音声データを再生させるスピーカ62に基づいて、音声データに施すリバーブ処理の内容を決定する。例えば、スピーカ62の特性に応じたリバーブ処理を音声データに施すことで、スピーカの特性に応じた音声データを再生させることができる。これにより、ユーザの興趣性を向上させることができる。
【0058】
[その他の実施形態]
なお、実施形態1では、決定部564は、各発音に設定された優先度に基づいて、再生する発音を決定したが、これに限られない。例えば、決定部564は、発音に対して設定された音量の大きさに基づいて、再生部565に再生させる発音を決定してもよい。
【0059】
具体的に、決定部564は、音量が大きい発音を優先的に、再生部565に再生させる発音として決定する。例えば、大型のモンスターがボスモンスターであることが多く、大型のモンスターの発音には大きな音量が設定される。これにより、ゲームプレイに重要な発音(例えば、ボスモンスターの音声など)が優先的に再生されるため、ユーザの興趣性を向上させることができる。なお、発音を発するモンスター(キャラクタ)の状況(怒り、睡眠など)に応じて、発音に対して設定される音量が変化してもよい。
【0060】
また、再生部565は、決定部564が発音数を決定した場合、所定の帯域を強調してもよい。例えば、再生部565は、スピーカ62がホームシアター用スピーカである場合、低音域を強調する。これにより、迫力のある音響効果を得ることができる。したがって、ユーザの興趣性を向上させることができる。
【0061】
また、実施形態2では、音響処理がリバーブ処理(残響処理)である場合を例にして説明したが、これに限られない。音響処理は、例えば、反響処理(エコー処理)、特定の周波数帯を強調する処理や減衰させる処理、音声を歪ませる処理などのエフェクト処理であってもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、スピーカ62がホームシアター用スピーカ、TV用スピーカ、内蔵スピーカである場合を例にして説明したが、これに限られない。ゲーム装置5に外部接続または内蔵されるスピーカ62はどのようなものであってもよく、決定部564はスピーカ62の特性に応じて、発音数や音響処理の内容を決定すればよい。
【0063】
また、スピーカ62は、必ずしもゲーム装置5に内蔵されている必要はなく、ゲーム装置5に外部接続されるものであってもよい。
【0064】
また、再生部565(または決定部564)は、複数のスピーカ62がゲーム装置5に接続されている場合、所定の優先度に従って、音声データを再生するスピーカ62を選択してもよい。この優先度は、ユーザによって設定されてもよいし、予め設定されていてもよい。また、再生部565(または決定部564)は、外部接続されたスピーカよりも内蔵スピーカの方の優先度が高く設定されている場合、音声データを内蔵スピーカから優先して再生させる。
【0065】
また、ゲーム装置5が実行するゲームは、アドベンチャーゲームやアクションゲーム、FPS(First Person shooter)、レースゲーム、スポーツゲーム、RPG(ロールプレインゲーム)、シューティングゲームなど、どのようなジャンルのゲームであってもよい。
【0066】
また、ゲームプログラムは、いわゆるオンラインゲーム用のゲームプログラムとして実装してもよい。ゲームプログラムがオンラインゲーム用である場合には、制御部56で行っていた処理をそれらに代わってサーバ側で行ってもよいし、サーバ側とクライアント(ゲーム装置5)側とで分担してもよい。この場合、ゲーム装置5を含むゲームシステムに認証サーバやマッチングサーバを備え、ゲーム装置5からの要求に応じて、ユーザのマッチングを行ってもよい。
【0067】
上記実施形態では、ゲーム装置5が、パーソナルコンピュータおよびプレイステーション等の装置である場合について説明したが、ゲーム装置5の種類は、これに限定されない。例えば、ゲーム装置5は、スマートフォンやタブレット、ゲームセンターに提供されるアーケードゲームの筐体などであってもよい。
【0068】
また、上記実施形態のゲーム装置5を、例えば、映画やアニメーションなどの動画コンテンツを再生する再生装置に適用可能である。この場合、決定部564は、再生装置の種類に応じて、再生させる発音数、または、音声データに施す音響処理の内容を決定すればよい。
【0069】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能
である。
【符号の説明】
【0070】
5 ゲーム装置
53 オーディオ処理部
55 記憶部
56 制御部
561 通信部
562 ゲーム進行部
563 判定部
564 決定部
565 再生部
62 スピーカ