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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125670
(43)【公開日】2022-08-29
(54)【発明の名称】ワイヤロープ検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/82 20060101AFI20220822BHJP
   B66B 7/12 20060101ALN20220822BHJP
【FI】
G01N27/82
B66B7/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023389
(22)【出願日】2021-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】酒井 春彦
(72)【発明者】
【氏名】山口 均
(72)【発明者】
【氏名】野地 健俊
【テーマコード(参考)】
2G053
3F305
【Fターム(参考)】
2G053AA11
2G053AB01
2G053AB22
2G053BA03
2G053BA14
2G053BB03
2G053BB11
2G053BC14
2G053BC20
2G053CA03
2G053DA02
2G053DA09
2G053DA10
3F305BB02
3F305BC36
3F305DA18
3F305DA21
(57)【要約】
【課題】分割可能に構成された筐体部を移動させて電気的に接続する場合に、筐体部の移動方向の調整に起因する検査作業者の作業負担を軽減することが可能なワイヤロープ検査装置を提供することである。
【解決手段】このセンサユニット100(ワイヤロープ検査装置)は、第1部分11および第2部分12に分割可能に構成されている筐体部10と、ワイヤロープWの磁束を検知する検知部20と、を備える。そして、検知部20は、分割されて収容される第1検知部21および第2検知部22と、第1検知部21と第2検知部22とを電気的に接続する接続部23とを含み、筐体部10は、筐体部10の第1部分11および第2部分12を組み合わせる際に、第1部分11および第2部分12を組み合わせる方向に対する第1部分11および第2部分12の相対的な傾きを抑制するガイド部10aを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象であるワイヤロープを取り囲むように設けられ、第1部分および第2部分に分割可能に構成されている筐体部と、
前記ワイヤロープの前記筐体部内における部分の磁束を検知する検知部と、を備え、
前記検知部は、前記筐体部の前記第1部分および前記第2部分のそれぞれに分割されて収容される第1検知部および第2検知部と、前記第1検知部と前記第2検知部とを電気的に接続する接続部とを含み、
前記筐体部は、前記筐体部の前記第1部分および前記第2部分を組み合わせる際に、前記第1部分および前記第2部分を組み合わせる方向に対する前記第1部分および前記第2部分の相対的な傾きを抑制するガイド部を含む、ワイヤロープ検査装置。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記第1部分に設けられる第1ガイド部と、前記第2部分に設けられる第2ガイド部とを含み、
前記第1ガイド部および前記第2ガイド部は、互いに係合することによって、前記組み合わせる方向に対する前記第1部分および前記第2部分の相対的な傾きを抑制する、請求項1に記載のワイヤロープ検査装置。
【請求項3】
前記筐体部の前記第1部分および前記第2部分は、直方体形状を有しており、
前記ガイド部は、前記第1部分および前記第2部分の組み合わされる方向から視た四隅において係合する、請求項2に記載のワイヤロープ検査装置。
【請求項4】
前記第1ガイド部は、前記ワイヤロープの延びる方向と直交する第1一方ガイド面と、前記ワイヤロープの延びる方向に沿って前記第1一方ガイド面と直交する第1他方ガイド面とを含み、
前記第2ガイド部は、前記第1一方ガイド面と当接する第2一方ガイド面と、前記第1他方ガイド面と当接する第2他方ガイド面とを含む、請求項3に記載のワイヤロープ検査装置。
【請求項5】
前記第1部分の前記ワイヤロープの延びる方向と直交する側面部分は、半円状の切り欠きである第1部分側凹部を有し、
前記第2部分の前記第2ガイド部は、前記第1部分の前記側面部分に向かって延びるように設けられた板状であり、前記第1部分側凹部と対向する半円状の切り欠きである第2部分側凹部を有し、
前記筐体部は、前記第1部分と前記第2部分とが組み合わされた状態で、前記第1部分側凹部と前記第2部分側凹部とによって前記ワイヤロープを取り囲む孔部を形成する、請求項3または4に記載のワイヤロープ検査装置。
【請求項6】
前記第1部分に設けられ、検査作業者による操作力が加えられることによって、前記ガイド部によって前記組み合わせる方向に対する前記第1部分および前記第2部分の相対的な傾きが抑制されながら、前記第1部分を前記第2部分から離間させる方向に移動させるレバー部をさらに備え、
前記レバー部は、前記検査作業者によって把持されるレバー把持部と、前記レバー把持部に接続され、前記第2部分と当接する棒状の当接部とを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
【請求項7】
前記当接部は、前記ワイヤロープを挟むように配置される棒状の一対の当接部を含み、
前記一対の当接部の各々は、一方端において前記第2部分と当接し、回動することによって前記第1部分を前記第2部分から離間させる方向に移動させ、
前記レバー把持部は、前記一対の当接部の各々の他方端同士を接続するように設けられている、請求項6に記載のワイヤロープ検査装置。
【請求項8】
前記レバー部の前記当接部は、前記第2部分の前記ワイヤロープの延びる方向における中央部分と当接する、請求項6または7に記載のワイヤロープ検査装置。
【請求項9】
前記筐体部は、水平方向に沿って延びる前記ワイヤロープを取り囲むように設けられ、
前記第1部分および前記第2部分は、鉛直方向に沿って分割可能に構成されており、
前記ガイド部は、前記鉛直方向に対する前記第1部分および前記第2部分の相対的な傾きを抑制する、請求項1~8のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
【請求項10】
前記筐体部は、検査対象である前記ワイヤロープを交換する際に分割され、前記ワイヤロープの検査を行う際に組み合わせられる、請求項1~9のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
【請求項11】
前記検知部は、電流が流れることによって前記ワイヤロープに対して磁界を印加する励磁コイルと、前記励磁コイルにより磁界が印加される前記ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルと、を含み、
前記励磁コイルは、前記接続部が接続されることによって前記ワイヤロープを取り囲むようにコイルループを形成する、請求項1~10のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
【請求項12】
前記ワイヤロープに対して予め磁界を印加し前記ワイヤロープの磁化の方向を整える磁界印加部をさらに備え、
前記励磁コイルは、前記磁界印加部により予め磁界が印加された後に、前記ワイヤロープの磁化を励振させ、
前記検知コイルは、前記ワイヤロープの延びる方向に沿って巻回するように設けられている、請求項11に記載のワイヤロープ検査装置。
【請求項13】
前記第2部分は、前記筐体部が設置される設置台に固定される固定部分を有し、
前記第1部分は、検査作業者によって把持される筐体把持部を有する、請求項1~12のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
【請求項14】
前記第1部分と前記第2部分とが組み合わせられた状態で、前記第1部分および前記第2部分を互いに固定する固定爪部をさらに備える、請求項1~13のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤロープ検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイヤロープの状態を検知する磁性体の検査装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1に記載されている磁性体の検査装置は、スチールワイヤロープ(磁性体)の傷の有無または断線を検出するように構成されている。この磁性体の検査装置は、検知部を備える。検知部は、スチールワイヤロープの磁界に基づく検知信号を取得する。また、検知部は、本体ケースの内部に収納されている。本体ケースは、互いに離間して分割可能に構成された第1ケース部と第2ケース部とを含む。検知部は、第1ケース部に配置された第1導線部と、第2ケース部に配置された第2導線部とを含む。そして、上記特許文献1に記載の磁性体の検査装置では、第1ケース部と第2ケース部とが結合された状態で、コネクタ部によって第1導線部と第2導線部とが接続されてコイルループが形成される。このコネクタ部には、端子が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-15656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている磁性体の検査装置のように、分割可能に構成されている本体ケース(筐体部)の各々に設けられた導線部同士をコネクタ部(接続部)の端子(接続ピン)によって接続する場合には、接続部の接続ピンの延びる方向(端子の接続方向)に沿って、分割された筐体部を移動させる必要がある。接続時に接続部の接続ピンの延びる方向から傾いた方向に筐体部を移動させた場合には、接続部による接続が困難となる。したがって、分割可能に構成された筐体部の各々を移動させて接続部を電気的に接続する場合には、移動方向を調整しながら接続ピンが延びる方向に沿うように適切な角度で筐体部を移動させる必要があるため、筐体部を組み合わせる際の移動方向の調整が検査作業者にとって負担となる。このため、分割可能に構成された筐体部の各々を移動させて接続部を電気的に接続する場合に、筐体部の移動方向の調整に起因する検査作業者の作業負担を軽減することが望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、分割可能に構成された筐体部を移動させて電気的に接続する場合に、筐体部の移動方向の調整に起因する検査作業者の作業負担を軽減することが可能なワイヤロープ検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるワイヤロープ検査装置は、検査対象であるワイヤロープを取り囲むように設けられ、第1部分および第2部分に分割可能に構成されている筐体部と、ワイヤロープの筐体部内における部分の磁束を検知する検知部と、を備え、検知部は、筐体部の第1部分および第2部分のそれぞれに分割されて収容される第1検知部および第2検知部と、第1検知部と第2検知部とを電気的に接続する接続部とを含み、筐体部は、筐体部の第1部分および第2部分を組み合わせる際に、第1部分および第2部分を組み合わせる方向に対する第1部分および第2部分の相対的な傾きを抑制するガイド部を含む。
【発明の効果】
【0008】
上記一の局面におけるワイヤロープ検査装置では、上記のように、筐体部は、筐体部の第1部分および第2部分を組み合わせる際に、第1部分および第2部分を組み合わせる方向に対する第1部分および第2部分の相対的な傾きを抑制するガイド部を含む。これにより、ガイド部によって、筐体部の第1部分と第2部分とを組み合わせる方向に対する第1部分および第2部分の相対的な傾きが抑制されるため、第1部分および第2部分を組み合わせる際に、検査作業者が筐体部の移動方向を調整することなく、接続部の接続ピンが適切に接続されるように第1部分および第2部分を容易に組み合わせることができる。その結果、分割可能に構成された筐体部を移動させて電気的に接続する場合に、筐体部の移動方向の調整に起因する検査作業者の作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態によるワイヤロープ検査システムの構成を示した模式図である。
図2】一実施形態によるセンサユニットの斜視図である。
図3】一実施形態によるセンサユニットの構成を示したブロック図である。
図4】一実施形態による筐体部の第1部分および第2部分が離間した状態を示す図である。
図5】一実施形態によるレバー部を説明するための斜視図である。
図6】一実施形態によるレバー部をY1方向側から見た模式図である。
図7】一実施形態によるガイド部を説明するための図であって、(A)は、X1方向側のガイド部を示した斜視図であり、(B)は、X2方向側のガイド部を示した斜視図である。
図8図2の200-200線に沿った断面図である。
図9】一実施形態による磁界印加部および検知部の構成を示した模式図である。
図10】一実施形態による検知部の構成を示した斜視図であって、(A)は、第1検知部と第2検知部とが離間した状態を示した図であり、(B)は、第1検知部と第2検知部とが組み合わされた状態を示した図である。
図11】一実施形態による励磁コイルの構成を説明するための模式図である。
図12】一実施形態による検知コイルの構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1図12を参照して、本実施形態によるセンサユニット100の構成について説明する。なお、センサユニット100は、特許請求の範囲の「ワイヤロープ検査装置」の一例である。
【0012】
(センサユニットの構成)
図1に示すように、センサユニット100は、センサユニット100と接続されるコントロールユニット101と、コントロールユニット101に接続されるPLC(Programmable Logic Controller)102と、表示部103とによってワイヤロープ検査システム200を構成する。コントロールユニット101は、センサユニット100から送信される磁束信号に基づいて、ワイヤロープWの状態(断線の有無等)を判定する。具体的には、コントロールユニット101は、センサユニット100によるワイヤロープWの磁束の計測結果の表示、センサユニット100によるワイヤロープWの磁束の計測結果に基づく解析などを行う。また、PLC102は、ワイヤロープWの検査の開始および停止のタイミングを制御することや、ワイヤロープWの検査(解析)に用いられるパラメータ(しきい値等)を変更するために用いられる。また、コントロールユニット101において判定された結果は、表示部103(外部PCのディスプレイおよびタブレット端末のディスプレイ等)に表示される。
【0013】
図2に示すように、センサユニット100は、水平方向(X方向)に沿って延びる検査対象であるワイヤロープWの状態を検知する。センサユニット100は、たとえば、工場においてワイヤロープWの異常(素線断線など)を検査するための装置である。また、センサユニット100は、設置台104に固定された状態で、ワイヤロープWが延びる方向(X方向)に沿って水平方向(X1方向)に移動されるワイヤロープWの検査を行い、磁束信号を計測するように構成されている。
【0014】
ワイヤロープWは、磁性を有する素線材料が編みこまれる(たとえば、ストランド編みされる)ことにより形成されており、長尺材からなる磁性体である。ワイヤロープWは、劣化による切断が生じることを未然に防ぐために、センサユニット100により状態(傷等の有無)を検査される。
【0015】
図3に示すように、センサユニット100は、筐体部10、検知部20、磁界印加部30、および、制御基板40を備える。
【0016】
筐体部10は、検査対象であるワイヤロープWを取り囲むように設けられる。筐体部10は、検知部20、磁界印加部30、および、制御基板40を内部に収容する。また、筐体部10は、第1部分11および第2部分12に分割可能(図2および図4参照)に構成されている。そして、筐体部10の第1部分11および第2部分12は、直方体形状を有している。ワイヤロープWは、筐体部10の第1部分11の内部に配置される。言い換えると、ワイヤロープWは、筐体部10の第2部分12の上面(Z1方向側の面)の上に載置される。なお、筐体部10は、樹脂(たとえばABS樹脂)により成形されている。筐体部10の第1部分11および第2部分12の詳細は後述する。
【0017】
検知部20は、筐体部10内におけるワイヤロープWの部分の磁束を検知するように構成されている。また、検知部20は、筐体部10の第1部分11および第2部分12のそれぞれに分割されて収容される第1検知部21および第2検知部22を含む。また、検知部20は、第1検知部21と第2検知部22とを電気的に接続する接続部23を含む。第1部分11および第2部分12が組み合わされた状態で、第1検知部21および第2検知部22は、接続部23を介して互いに電気的に接続される。そして、第1部分11および第2部分12が分割された状態では、第1検知部21および第2検知部22の接続が解除される。なお、検知部20および接続部23の詳細は後述する。
【0018】
磁界印加部30は、ワイヤロープWに対して、予め磁界を印加してワイヤロープWの磁化の方向を整える。磁界印加部30は、たとえば、永久磁石である。また、磁界印加部30は、ワイヤロープWの磁化の方向を略均一に整えるために、比較的強い磁界を印加することが可能に構成されている。なお、磁界印加部30の詳細は後述する。
【0019】
制御基板40は、センサユニット100の各部の制御を行うように構成されている。たとえば、制御基板40は、検知部20の動作(通電)を制御する。制御基板40は、CPUなどのプロセッサ、メモリ、および、AD変換器などを含む。また、制御基板40は、検知部20からの磁束信号を取得(受信)する。そして、制御基板40は、コントロールユニット101と通信可能に構成されており、取得された磁束信号をコントロールユニット101に出力(送信)する。センサユニット100とコントロールユニット101との接続は、有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。また、制御基板40は、筐体部10の第2部分12に配置されている。したがって、制御基板40は、第2部分12の上面(Z1方向側)の面によってワイヤロープWと区画されている。
【0020】
(筐体部の構成)
図2および図4に示すように、本実施形態では、筐体部10の第1部分11および第2部分12は、鉛直方向(Z方向)に沿って分割可能に構成されている。具体的には、設置台104に固定された第2部分12に対して、第1部分11が、鉛直上方向(Z1方向)に向かって検査作業者によって移動させられることによって、第1部分11と第2部分12とが離間されて分割される。
【0021】
図4に示すように、本実施形態では、第1部分11は、検査作業者によって把持される筐体把持部13を有する。筐体把持部13は、第1部分11の上面(Z1方向側の面)に固定されている。筐体把持部13は、筐体部10を持ち運ぶ場合に検査作業者によって把持される。また、筐体把持部13は、後述するレバー部16を動作させる場合に、検査作業者によって把持される。
【0022】
また、本実施形態では、第2部分12は、筐体部10が設置される設置台104に固定される固定部分14を有する。固定部分14は、第2部分12のワイヤロープWの延びる方向(X方向)側の側面部分(ワイヤロープWの延びる方向と直交する短辺側の側面部分)から、設置台104の設置面に沿うように延びる板状の部分である。固定部分14は、第2部分12のX1方向側とX2方向側の各々に設けられている。そして、固定部分14は、ネジなどの締結部材14aによって設置台104に固定される。
【0023】
また、筐体部10の第1部分11には、固定爪部15が設けられている。具体的には、第1部分11の長辺側の側面部分(Y方向側の側面部分)の両方にそれぞれ2つずつの固定爪部15が設けられている。固定爪部15は、第1部分11と第2部分12とが組み合わせられた状態で、第1部分11および第2部分12を互いに固定する。具体的には、固定爪部15は、第2部分12に設けられた爪係合部15aと係合することによって、第1部分11と第2部分12とを互いに固定する。
【0024】
〈レバー部〉
また、筐体部10の第1部分11には、レバー部16が設けられている。レバー部16は、検査作業者による操作力が加えられることによって、鉛直方向(Z方向)に沿って、第1部分11を第2部分12から離間させる方向(Z1方向)に向かって移動させる。
【0025】
図5および図6に示すように、レバー部16は、レバー把持部16aと一対の当接部16bおよび16cを含む。レバー把持部16aは、検査作業者によって把持される。当接部16bおよび16cは、ワイヤロープWのY方向における両側を挟むように配置される棒状の部材である。当接部16bおよび16cは、Z2方向側の一方端において、第2部分12と当接するように配置される。具体的には、当接部16bおよび16cは、第2部分12のワイヤロープWの延びる方向(X方向)における中央部分12aと当接する。中央部分12aは、第2部分12のZ1方向側の面(上面)のX方向における中央の領域である。また、当接部16bおよび16cは、Z1方向側の他方端において、レバー把持部16aの両端部に接続される。すなわち、本実施形態では、レバー把持部16aは、一対の当接部16bおよび16cの各々のZ1方向側の他方端同士を接続するようにY方向に沿って設けられている。
【0026】
図6に示すように、レバー把持部16aに対してX2方向側にレバー部16を回動させるように検査作業者による力が加えられることによって、当接部16bおよび16cが支点16dおよび16eを軸に回動する。支点16dおよび16eは、図示しないネジなどの締結部材によって、第1部分11のY方向側の側面部分(長辺側の側面部分)の内側に固定されている。なお、図6では、レバー部16をY1方向側から視た図を示しており、当接部16bおよび支点16dの図示は省略されている。当接部16bおよび16cは、回動することによって、第2部分12の中央部分12aに対して押し下げる方向(Z2方向)の力を働かせ、第1部分11を第2部分12から離間させる方向(Z1方向)に移動させる。
【0027】
〈ガイド部〉
図7および図8に示すように、本実施形態では、筐体部10は、ガイド部10a(図8参照)を含む。ガイド部10aは、筐体部10の第1部分11および第2部分12を組み合わせる際に、第1部分11および第2部分12を組み合わせる方向(鉛直方向、Z方向)に対する第1部分11および第2部分12の相対的な傾きを抑制する。具体的には、ガイド部10aは、筐体部10の第1部分11に設けられる第1ガイド部50と、第2部分12に設けられる第2ガイド部60を含む。第1ガイド部50および第2ガイド部60は、互いに係合することによって、第1部分11および第2部分12のZ方向に対する相対的な傾きを抑制する。
【0028】
本実施形態では、ガイド部10aは、第1部分11および第2部分12の組み合わされる方向である鉛直方向(Z方向)から視た四隅において係合する。具体的には、第1ガイド部50は、第1部分11のY方向側の側面部分(長辺側の側面)の両方における両端部のそれぞれに設けられた係合部51、52、53、および、54を有する。そして、第2ガイド部60は、第2部分12のワイヤロープWと直交する側面部分(YZ平面と平行な短辺側の側面)から、第1部分11の短辺側の側面部分に向かって延びるように設けられた板状である板状部61および62を有する。ガイド部10aは、X1方向側において、係合部51および52と、板状部61とが係合(嵌合)するとともに、X2方向側において、係合部53および54と、板状部62とが係合(嵌合)することによって、第1部分11および第2部分12の傾きを抑制するように構成されている。なお、図8では、検知部20および磁界印加部30の図示が省略されている。
【0029】
係合部51~54は、第1部分11の長辺側の側面部分の内表面から、Y方向において第1部分11の内側に向かって突出するように設けられている。そして、板状部61および62のY方向における幅w2(図8参照)は、第1部分11の短辺側の側面部分のY方向における幅w1(図8参照)よりも小さい。すなわち、第2ガイド部60は、第1部分11の長辺側の側面部分の内側に入り込むようにして、係合部51~54と係合する。
【0030】
図8に示すように、本実施形態では、たとえば、第1ガイド部50の係合部51は、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)と直交する第1一方ガイド面51aと、ワイヤロープWの延びる方向に沿って第1一方ガイド面51aと直交する第1他方ガイド面51bとを含む。そして、第1ガイド部50の係合部51と係合する第2ガイド部60の板状部61は、第1一方ガイド面51aと当接する第2一方ガイド面61aと、第1他方ガイド面51bと当接する第2他方ガイド面61bとを含む。
【0031】
第1一方ガイド面51aは、X2方向に板状部61の移動を規制する。そして、第1他方ガイド面51bは、Y2方向に板状部61の移動を規制する。すなわち、第1ガイド部50は、四隅において、X方向において、第2ガイド部60が筐体部10の内部に向かう方向を規制し、Y方向において、第2ガイド部60が筐体部10の外部に向かう方向を規制する。
【0032】
第1ガイド部50の係合部51と同様に、係合部52、53、および、54も、互いに直交する2つの面において、第2ガイド部60の板状部61および62と当接(面接触)する。すなわち、第1ガイド部50および第2ガイド部60は、XY平面における第1部分11および第2部分12の相対的な移動(傾き)を規制しながら、Z方向における移動をガイド(案内)するように構成されている。
【0033】
〈開口部〉
図2に示すように、筐体部10には、X2方向側から移動される(導かれる)ワイヤロープWが内部に挿入される側の開口部10bが設けられている。また、筐体部10には、内部のワイヤロープWが外部に出ていく側の開口部10cが設けられている。開口部10bおよび開口部10cの各々は、円形形状を有している。なお、開口部10bおよび10cは、特許請求の範囲における「ワイヤロープを取り囲む孔部」の一例である。
【0034】
図7に示すように、本実施形態では、第1部分11の短辺側の側面部分(ワイヤロープWの延びる方向と直交する側面部分)は、半円状の切り欠きである第1部分側凹部11bおよび11cを有する。そして、第2部分12の第2ガイド部60の板状部62および板状部61は、第1部分11の第1部分側凹部11bおよび11cと対向する半円状の切り欠きである第2部分側凹部12bおよび12cを有する。そして、第1部分11および第2部分12が組み合わされた状態で、第1部分側凹部11bと第2部分側凹部12bとによって、開口部10bが形成される。また、第1部分11および第2部分12が組み合わされた状態で、第1部分側凹部11cと第2部分側凹部12cとによって、開口部10cが形成される。
【0035】
また、本実施形態では、筐体部10は、検査対象であるワイヤロープWを交換する際に分割され、ワイヤロープWの検査を行う際に組み合わせられる。具体的には、第2部分12が設置台104に固定された状態で、検査作業者によってレバー部16に対して操作力が加えられることによって、第1部分11が、ガイド部10aにガイドされながらZ1方向に向かって真っすぐ持ち上げられる。そして、筐体部10の内部(第2部分12の上面)に載置されたワイヤロープWが検査作業者によって交換される。そして、第1部分11が、ガイド部10aに案内されながら、第2部分12と組み合わされることによって、交換されたワイヤロープWが、筐体部10の内部(第1部分11の内部)に配置される。
【0036】
(検知部による磁束の検知)
図9に示すように、本実施形態では、検知部20は、励磁コイル70および検知コイル80を含む。励磁コイル70は、電流が流れることによってワイヤロープWに対して磁界(磁束)を印加する。詳細には、励磁コイル70は、磁界印加部30によって予め磁界印加された後(整磁された後)に、ワイヤロープWの磁化を励振させる励振コイルである。そして、検知コイル80は、励磁コイル70により磁界が励振された状態のワイヤロープWの磁束を検知するように構成されている。
【0037】
〈磁界印加部〉
磁界印加部30は、ワイヤロープWの延びる方向と直交する方向(Z方向)に配置される1対の磁界印加部30aおよび磁界印加部30bを含む。具体的には、磁界印加部30aは筐体部10の第1部分11に配置される。そして、磁界印加部30bは、筐体部10の第2部分12に配置される。磁界印加部30aおよび30bは、それぞれN極側をワイヤロープWに向けるように配置されている。また、磁界印加部30は、検知部20よりもワイヤロープWの流れてくる上流側(X2方向側)に配置されている。なお、磁界印加部30aおよび30bは、それぞれ、第1部分11および第2部分12に配置されているため、第1部分11と第2部分12とが分割された状態では、磁界印加部30aおよび磁界印加部30bは互いに離間した状態となる。そして、第1部分11と第2部分12とが組み合わせられた状態で、磁界印加部30aおよび30bの間を通過したワイヤロープWは、磁界印加部30aおよび30bにより磁界が印加され、磁化の方向が整えられる。
【0038】
〈励磁コイル〉
励磁コイル70は、ワイヤロープWの磁化の状態を励振するように、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿って巻回されている。励磁コイル70は、励振交流電流が流されることにより、ワイヤロープWが延びる方向(X方向)に沿った磁束(磁界)をコイル内部(コイルの輪の内側)に発生させる。そして、励磁コイル70は、発生させた磁束(磁界)をワイヤロープWに印加する。具体的には、制御基板40による制御によって励磁コイル70に一定の大きさかつ一定の周波数を有する交流電流(励振電流)が流されることにより、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に振動する(X1方向への磁界とX2方向への磁界が周期的に現れる)ように磁界が印加される。すなわち、ワイヤロープWにおいて、磁界印加部30によって予め整えられた磁界(磁束)が、励磁コイル70によって振動(励振)させられる。
【0039】
図10に示すように、励磁コイル70は、プリント基板71、72、73、および、74を有する。そして、プリント基板71~74は、第1部分11に収容(配置)される第1検知部21と、第2部分12に収容(配置)される第2検知部22とに分割されて配置される。具体的には、第1検知部21は、プリント基板71、72、および、73を有する。そして、第2検知部22は、プリント基板74を有する。そして、励磁コイル70のプリント基板71~74は、接続部23によって電気的に接続される。接続部23は、コネクタ23a、23b、23c、および、23dを有する。
【0040】
プリント基板71および73は、ワイヤロープWの延びる方向に沿うとともに鉛直方向に沿うように(XZ平面に沿うように)配置されている。また、プリント基板72および74は、水平面(XY平面)に沿って配置されている。したがって、プリント基板71~74は、第1部分11および第2部分12が組み合わされた状態で(第1検知部21および第2検知部22が接続された状態で)ワイヤロープWを取り囲むように配置されている。また、第1検知部21のプリント基板71および73は、それぞれ、コネクタ23bおよび23dを有する。また、第2検知部22のプリント基板74は、コネクタ23aおよび23cを有する。
【0041】
第2検知部22(プリント基板74)側のコネクタ23aおよび23cは複数の接続ピンを含むオス型の接続端子である。コネクタ23aおよび23cの接続ピンは、プリント基板74の主表面から垂直な方向(Z方向)に沿って延びるように配置されている。また、第1検知部21(プリント基板71および73)側のコネクタ23bおよび23dは、コネクタ23aおよび23cの接続ピンが挿入されるメス型の接続端子である。コネクタ23bおよび23dは、それぞれ、プリント基板71およびプリント基板73の主表面に沿ってコネクタ23aおよび23cの接続ピンが挿入されるように配置されている。
【0042】
すなわち、コネクタ23aおよび23cの接続ピンは、第1部分11と第2部分12とが組み合わされる方向である鉛直方向(Z方向)に沿って延びるように配置されている。言い換えると、第1部分11および第2部分12は、組み合わされる際に、検知部20の第2検知部22の接続ピンが延びる方向に沿って移動される。そして、第1部分11および第2部分12が組み合わされる際に、ガイド部10aは、検知部20の接続ピンが延びる方向に対する第1部分11および第2部分12の相対的な傾きを抑制する。
【0043】
そして、図11に示すように、プリント基板71~74には、接続部23が電気的に接続されることによってコイルループを形成するように導体パターンが形成されている。そして、励磁コイル70は、第1部分11に配置される第1検知部21と第2部分12に配置される第2検知部22とが接続部23によって接続されることによって、コイルループを形成する。詳細には、励磁コイル70は、コネクタ23aと23bとが互いに接続され、コネクタ23cとコネクタ23dとが互いに接続されることによって、ワイヤロープWを取り囲むようにコイルループを形成する。なお、図11において、プリント基板72および74は、Z1方向から視た模式図によって示されている。そして、プリント基板71はY1方向側から視た模式図によって示されている。また、プリント基板73は、Y2方向側から視た模式図によって示されている。なお、プリント基板71~74は、片面、両面、または、多層基板のいずれにより構成されていてもよい。
【0044】
なお、第1検知部21のプリント基板72は、プリント基板71および73の各々と接続端子によって互いに接続されているが、第1部分11および第2部分12を分割した場合にも接続が解除されないように、互いにネジなどの締結部材によって固定された状態で配置されている。
【0045】
〈検知コイル〉
図10に示すように、本実施形態では、検知コイル80は、第1検知部21に含まれる第1検知コイル81と、第2検知部22に含まれる第2検知コイル82とを有する。検知コイル80は、第1検知コイル81と第2検知コイル82との2つのコイルによって1つのワイヤロープWを挟み込むように配置される。そして、検知コイル80は、励磁コイル70により磁界が印加されるワイヤロープWに対して相対的に移動しながらワイヤロープWの磁束を検知する。また、検知コイル80は、ワイヤロープWの延びる方向に沿ってワイヤロープWを巻回するように設けられている。
【0046】
具体的には、図12に示すように、第1検知コイル81と第2検知コイル82とは、それぞれ独立した鞍型コイル(サドル型コイル)である。第1検知コイル81と第2検知コイル82の各々は、ワイヤロープWの半周ずつを覆うように設けられている。したがって、第1検知コイル81と第2検知コイル82とを併せることによって、ワイヤロープWの周囲を全周に亘って取り囲む検知コイル80が構成される。たとえば、検知コイル80(第1検知コイル81および第2検知コイル82)は、それぞれ、フレキシブル基板に設けられた導体パターンによって構成されている。また、第1検知コイル81および第2検知コイル82は、ワイヤロープWの延びる方向に沿って巻回するように設けられている。すなわち、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿って、2つの鞍型コイルによって全周を巻回するように検知コイル80が設けられている。なお、本明細書では、「巻回する」とは、1周以上に亘って巻き回す(巻き付ける)ことのみならず、1周分以下(たとえば、半周)の回数(角度)分だけ巻き回すことも含む概念として記載している。
【0047】
第1検知コイル81と第2検知コイル82の各々は、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿って巻回するように設けられていることにより、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に沿ってコイルの内側を貫く向きの磁束を検知(測定)する。すなわち、センサユニット100は、ワイヤロープWの内部の磁束を測定する全磁束法により、ワイヤロープWの状態を検査する。全磁束法では、ワイヤロープWの表面の異常部分(素線断線)などからの漏洩磁束を測定する方法と異なり、ワイヤロープWの内部の異常部分(素線断裂、減肉、さびなど)をも測定可能な方法である。
【0048】
上記のように、検知コイル80(第1検知コイル81および第2検知コイル82)は、励磁コイル70によって周期的に時間変化させられる磁束(磁界)の変化を検知するように構成されている。そして、検知コイル80(第1検知コイル81および第2検知コイル82)は、検知した磁束を示す磁束信号を制御基板40に対して出力する。なお、第1検知コイル81は、接続部23を介して制御基板40に磁束信号を出力する。具体的には、接続部23は、第1検知部21に配置されるコネクタ23eおよび第2検知部22に配置されるコネクタ23fを含む。コネクタ23eおよび23fは、第1部分11および第2部分12が組み合わされることによって電気的に接続され、第1部分11および第2部分12が分割されることによって、接続が解除されるように構成されている。そして、第1検知コイル81は、接続されたコネクタ23eおよび23fを介して制御基板40に磁束信号を出力する。なお、第2検知コイル82は、制御基板40と同様に第2部分12に配置されているため、接続部23を介さず制御基板40に磁束信号を出力する。
【0049】
(本実施形態の効果)
本実施形態のセンサユニット100では、以下のような効果を得ることができる。
【0050】
本実施形態のセンサユニット100(ワイヤロープ検査装置)では、上記のように、筐体部10は、筐体部10の第1部分11および第2部分12を組み合わせる際に、第1部分11および第2部分12を組み合わせる方向に対する第1部分11および第2部分12の相対的な傾きを抑制するガイド部10aを含む。これにより、ガイド部10aによって、筐体部10の第1部分11と第2部分12とを組み合わせる方向に対する第1部分11および第2部分12の相対的な傾きが抑制されるため、第1部分11および第2部分12を組み合わせる際に、検査作業者が筐体部10の移動方向を調整することなく、接続部23の接続ピンが適切に接続されるように第1部分11および第2部分12を容易に組み合わせることができる。その結果、分割可能に構成された筐体部10を移動させて電気的に接続する場合に、筐体部10の移動方向の調整に起因する検査作業者の作業負担を軽減することができる。
【0051】
また、本実施形態では、以下のように構成したことによって、更なる効果が得られる。
【0052】
すなわち、本実施形態では、上記のように、ガイド部10aは、第1部分11に設けられる第1ガイド部50と、第2部分12に設けられる第2ガイド部60とを含み、第1ガイド部50および第2ガイド部60は、互いに係合することによって、組み合わせる方向に対する第1部分11および第2部分12の相対的な傾きを抑制する。このように構成すれば、第1ガイド部50と第2ガイド部60とが互いに係合することによって、第1部分11および第2部分12の相対的な傾きを抑制しながら、筐体部10を組み合わせる方向に容易に移動させることができる。そのため、正しい組み合わせ角度において第1部分11および第2部分12を容易に組み合わせることができる。その結果、筐体部10の移動方向の調整に起因する検査作業者の作業負担をより軽減することができる。
【0053】
また、本実施形態では、上記のように、筐体部10の第1部分11および第2部分12は、直方体形状を有しており、ガイド部10aは、第1部分11および第2部分12の組み合わされる方向から視た四隅において係合する。このように構成すれば、直方体形状の四隅にガイド部10aが設けられているため、第1部分11および第2部分12が組み合わされる方向と直交する面の面内方向における移動を効果的に抑制することができる。そのため、第1部分11および第2部分12の組み合わされる方向に対する相対的な傾きを効果的に抑制することができるので、筐体部10の移動方向の調整に起因する検査作業者の作業負担を効果的に軽減することができる。
【0054】
また、本実施形態では、上記のように、第1ガイド部50は、ワイヤロープWの延びる方向と直交する第1一方ガイド面51aと、ワイヤロープWの延びる方向に沿って第1一方ガイド面51aと直交する第1他方ガイド面51bとを含み、第2ガイド部60は、第1一方ガイド面51aと当接する第2一方ガイド面61aと、第1他方ガイド面51bと当接する第2他方ガイド面61bとを含む。このように構成すれば、組み合わせ時に、第1一方ガイド面51aおよび第2一方ガイド面61aが当接するとともに、第1他方ガイド面51bおよび第2他方ガイド面61bが当接することによって、直交する2つの方向に沿った面の各々において、第1ガイド部50と第2ガイド部60とを当接させることができる。その結果、第1部分11および第2部分12を組み合わせる方向に対して、それぞれ直交する2つの方向における傾きを抑制することができるので、第1部分11および第2部分12を組み合わせる方向に対する相対的な傾きをより効果的に抑制することができる。その結果、筐体部10の移動方向の調整に起因する検査作業者の作業負担をより効果的に軽減することができる。
【0055】
また、本実施形態では、上記のように、第1部分11のワイヤロープWの延びる方向と直交する側面部分は、半円状の切り欠きである第1部分側凹部11b(11c)を有し、第2部分12の第2ガイド部60は、第1部分11の側面部分に向かって延びるように設けられた板状であり、第1部分側凹部11bおよび11cと対向する半円状の切り欠きである第2部分側凹部12bおよび12cを有し、筐体部10は、第1部分11と第2部分12とが組み合わされた状態で、第1部分側凹部11bおよび11cと第2部分側凹部12bおよび12cとによってワイヤロープWを取り囲む開口部10bおよび10c(ワイヤロープWを取り囲む孔部)を形成する。このように構成すれば、第1部分11の側面部分と第2部分12の第2ガイド部60とを組み合わせることによって、ワイヤロープWを取り囲む筐体部10の側面を構成することができる。そのため、第2ガイド部60を筐体部10の側面と別個に設ける場合に比べて装置構成の複雑化を抑制することができる。
【0056】
また、本実施形態では、上記のように、第1部分11に設けられ、検査作業者による操作力が加えられることによって、ガイド部10aによって組み合わせる方向に対する第1部分11および第2部分12の相対的な傾きが抑制されながら、第1部分11を第2部分12から離間させる方向に移動させるレバー部16をさらに備え、レバー部16は、検査作業者によって把持されるレバー把持部16aと、レバー把持部16aに接続され、第2部分12と当接する棒状の当接部16bおよび16cとを含む。このように構成すれば、レバー部16を用いることによって、ガイド部10aによって傾きが抑制されながら第1部分11と第2部分12とを容易に離間させることができる。そのため、第1部分11および第2部分12を互いに離間させる場合に、接続部23の接続ピンの延びる方向に沿って筐体部10を移動させるための作業負担を抑制することができる。
【0057】
また、本実施形態では、上記のように、ワイヤロープWを挟むように配置される棒状の一対の当接部16bおよび16cを含み、一対の当接部16bおよび16cの各々は、一方端において第2部分12と当接し、回動することによって第1部分11を第2部分12から離間させる方向に移動させ、レバー把持部16aは、一対の当接部16bおよび16cの各々の他方端同士を接続するように設けられている。このように構成すれば、棒状の一対の当接部16bおよび16cがワイヤロープWを挟むように設けられているため、第1部分11を第2部分12から離間させる場合に、ワイヤロープWの両側において均等に力を加えることができる。そのため、ワイヤロープWの片側に力が偏ることに起因して、第1部分11および第2部分12の移動の方向が相対的に傾くことを抑制することができる。その結果、レバー部16を用いて第1部分11と第2部分12とを離間させることによって、接続部23の接続ピンの延びる方向に沿って筐体部10を移動させるための作業負担をより抑制することができる。
【0058】
また、本実施形態では、上記のように、レバー部16の当接部16bおよび16cは、第2部分12のワイヤロープWの延びる方向における中央部分12aと当接する。このように構成すれば、第2部分12のワイヤロープWの延びる方向における中央部分12aに力を加えることができるため、ワイヤロープWの延びる方向において、加えられる力が偏ることを抑制することができる。そのため、第1部分11および第2部分12の相対的な移動方向が傾くことを抑制することができるので、接続部23の接続ピンの延びる方向に沿って筐体部10を移動させるための作業負担をより抑制することができる。
【0059】
また、本実施形態では、上記のように、筐体部10は、水平方向に沿って延びるワイヤロープWを取り囲むように設けられ、第1部分11および第2部分12は、鉛直方向に沿って分割可能に構成されており、ガイド部10aは、鉛直方向に対する第1部分11および第2部分12の相対的な傾きを抑制する。このように構成すれば、ガイド部10aによって鉛直方向に対する第1部分11および第2部分12の相対的な傾きが抑制されるため、水平方向に延びるワイヤロープWに対して、鉛直方向(Z方向)に対する傾きを抑制しながら容易に第1部分11および第2部分12を組み合わせることができる。そのため、ワイヤロープWが水平方向に延びるように配置されている場合に、筐体部10の移動方向の調整に起因する検査作業者の作業負担を軽減することができる。
【0060】
また、本実施形態では、上記のように、筐体部10は、検査対象であるワイヤロープWを交換する際に分割され、ワイヤロープWの検査を行う際に組み合わせられる。このように構成すれば、ワイヤロープWの交換を行う場合に、ワイヤロープWの途中の部分に対して、ガイド部10aによって傾きを抑制しながらワイヤロープWを取り囲むように筐体部10を配置することができる。そのため、ワイヤロープWの途中の部分に対して筐体部10を配置する場合にも、筐体部10の移動方向の調整に起因する検査作業者の作業負担を軽減することができる。
【0061】
また、本実施形態では、上記のように、検知部20は、電流が流れることによってワイヤロープWに対して磁界を印加する励磁コイル70と、励磁コイル70により磁界が印加されるワイヤロープWの磁束を検知する検知コイル80と、を含み、励磁コイル70は、接続部23が接続されることによってワイヤロープWを取り囲むようにコイルループを形成する。ここで、ワイヤロープWを取り囲むようにコイルループを形成させることによって励磁コイル70を形成する場合には、励磁コイル70の巻き数に応じて接続部23の接続ピンの数が多くなる。そのため、ガイド部10aによって傾きを抑制しながら筐体部10を組み合わせることによって、接続部23の接続ピンの数が多い場合にも、精度よく接続部23を接続させることができる。その結果、接続部23の接続ピンの個数が比較的多い場合にも、筐体部10の移動方向の調整に起因する検査作業者の作業負担を軽減することができる。
【0062】
また、本実施形態では、上記のように、ワイヤロープWに対して予め磁界を印加しワイヤロープWの磁化の方向を整える磁界印加部30をさらに備え、励磁コイル70は、磁界印加部30により予め磁界が印加された後に、ワイヤロープWの磁化を励振させ、検知コイル80は、ワイヤロープWの延びる方向に沿って巻回するように設けられている。ここで、検知コイル80がワイヤロープWの延びる方向に沿って巻回するように設けられているため、筐体部10を分割可能に構成した場合には、検知コイル80を含む検知部20も分割させる必要がある。これに対して、本実施形態では、筐体部10の第1部分11および第2部分12を組み合わせて分割された検知部20を接続する場合に、ガイド部10aによって組み合わせる方向に対する相対的な筐体部10の傾きを抑制することができるので、分割された検知部20を容易に接続させることができる。また、磁界印加部30によって予め磁化の方向が整えられた状態のワイヤロープWに対して、検査を行うことができるので、ワイヤロープWの磁化が整えられていない場合に比べてノイズ(外乱)の発生を抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態では、上記のように、第2部分12は、筐体部10が設置される設置台104に固定される固定部分14を有し、第1部分11は、検査作業者によって把持される筐体把持部13を有する。このように構成すれば、設置台104に固定されている第2部分12に対して、筐体把持部13を把持することによって、ガイド部10aによって傾きを抑制しながら第1部分11を持ち上げて離間させることができる。そのため、接続部23の接続ピンの延びる方向に対する傾きを抑制しながら、第1部分11を第2部分12から容易に離間させることができる。その結果、第1部分11と第2部分12とを離間させるように移動させる場合に、第1部分11の移動方向の調整に起因する検査作業者の作業負担をより軽減することができる。
【0064】
また、本実施形態では、上記のように、第1部分11と第2部分12とが組み合わせられた状態で、第1部分11および第2部分12を互いに固定する固定爪部15をさらに備える。このように構成すれば、ガイド部10aによって、傾きが抑制された状態で組み合わされた第1部分11および第2部分12を固定爪部15によって固定することができる。そのため、ガイド部10aによる傾きの抑制に加えて固定爪部15による固定がされるため、第1部分11および第2部分12が組み合わされて検査が行われている最中に、接続部23の接続が不安定となることを抑制することができる。
【0065】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0066】
たとえば、上記実施形態では、第1ガイド部50および第2ガイド部60は、互いに係合することによって、組み合わせる方向に対する第1部分11および第2部分12の相対的な傾きを抑制する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、孔部として構成された第1ガイド部に対して、棒状に構成された第2ガイド部を挿入することによって、筐体部10の組み合わせられる方向に対する傾きを抑制するようにガイド部を構成してもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、筐体部10の第1部分11および第2部分12は、直方体形状を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、筐体部10は、円筒形状であってもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、ガイド部10aが、第1部分11および第2部分12の組み合わされる方向から視た四隅において係合する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ガイド部10aが、四隅の内の2か所において係合するようにしてもよい。また、ガイド部10aを、四隅ではなく、第1部分11および第2部分12の組み合わされる面の各辺において係合するようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、第1ガイド部50および第2ガイド部60が、互いに直交する2つの面においてそれぞれ当接する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1ガイド部50および第2ガイド部60が、3つ以上の面において互いに当接するようにしてもよい。また、第1ガイド部50および第2ガイド部60が、1つの面において互いに当接するようにしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、第2部分12の第2ガイド部60にワイヤロープWを取り囲む孔部である開口部10bおよび開口部10cを形成する第2部分側凹部12bおよび12cが設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2部分12の第2ガイド部60ではない側面部分に開口部10bおよび開口部10cを形成する凹部が設けられていてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、第1部分11にレバー部16が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2部分12にレバー部16を設けてもよい。また、第1部分11および第2部分12の両方にレバー部16を設けないようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、レバー部16が、一対の当接部16bおよび16cを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、レバー部16が1つの当接部を含むようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、レバー部16の一対の当接部16bおよび16cが第2部分12の中央部分12aと当接する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、当接部16bおよび16cが、第2部分12のワイヤロープWの延びる方向における端部と当接するようにしてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、筐体部10が、水平方向に沿って延びるワイヤロープWを取り囲む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、筐体部10を、鉛直方向に沿って延びるワイヤロープWを取り囲むように構成してもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、筐体部10は、検査対象であるワイヤロープWを交換する際に分割される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ワイヤロープWを交換する場合に筐体部10を分割せず、ワイヤロープWの端部を開口部10bから挿入するようにして、ワイヤロープWを交換するようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、検知部20が励磁コイル70と検知コイル80とを含み、励磁コイル70を接続部23が接続されることによってコイルループを形成するように構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、励磁コイル70を検知コイル80と同様に鞍型コイルとして構成してもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、検知コイル80が鞍型コイルである例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、検知コイル80を励磁コイル70と同様に、接続部が接続されることによってコイルループを形成するように構成してもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、ワイヤロープWに対して予め磁界を印加しワイヤロープWの磁化の方向を整える磁界印加部30を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、磁界印加部30を備えずにワイヤロープWの磁束を検知するように構成してもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、検知部20に対して、ワイヤロープWの流れてくる上流側(X2方向側)の片側にのみ磁界印加部30を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、磁界印加部30を、検知部20の両側に設けるようにしてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、第2部分12に、筐体部10が設置される設置台104に固定される固定部分14が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2部分12ではなく第1部分11に、設置台104に固定される固定部分を設けてもよい。また、固定部分を設けず、筐体部10を持ち運び可能に構成してもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、第1部分11と第2部分12とが組み合わせられた状態で、第1部分11および第2部分12を互いに固定する固定爪部15を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、固定爪部15を設けず、ガイド部10aが係合することによって、第1部分11と第2部分12とが組み合わされた状態で互いに固定されるようにしてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、センサユニット100(ワイヤロープ検査装置)が固定された状態でワイヤロープWが移動される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ワイヤロープWが固定された状態で、センサユニット100が移動されてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、検知コイル80によって全磁束法によるワイヤロープWの磁束の検知を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、検知コイルを、ワイヤロープWの外表面からの漏洩磁束を検知するように構成してもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、センサユニット100(ワイヤロープ検査装置)によって単一のワイヤロープWの検査が行われる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、センサユニットが複数のワイヤロープWを同時に検査可能に構成されていてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、ワイヤロープWを挟んで互いに対向するように設けられた磁界印加部30aおよび磁界印加部30bが、それぞれN極をワイヤロープW側に向けるように配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、2つの磁界印加部が、N極とS極とをそれぞれワイヤロープWに向けるように配置されていてもよい。また、2つの磁界印加部は、互いに対向する方向ではなく、ワイヤロープWの延びる方向に沿ってN極とS極とを配置するように配置されていてもよい。その場合、2つの磁界印加部は同じ向きでもよいし異なる向きでもよい。また、磁界印加部は、ワイヤロープWの延びる方向に沿って平行な向きから、斜めにずれた向きに磁界を印加するように配置されていてもよい。また、1つの磁界印加部を、ワイヤロープWの延びる方向と交わる方向の片側に配置してよい。
【0086】
また、上記実施形態では、磁界印加部30を永久磁石によって構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、磁界印加部を、電磁石によって構成してもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、第1部分11と第2部分12とが鉛直方向に分割される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1部分11が第2部分12に対してX方向に相対的に移動可能に構成されることにより、筐体部10が分割されてもよい。この場合には、接続部23の接続ピンは、X方向に沿って延びるように配置されるようにするとよい。
【0088】
また、上記実施形態では、センサユニット100(ワイヤロープ検査装置)からの磁束信号に基づいてワイヤロープWの状態(断線の有無等)をコントロールユニット101が判定する例を示したが、本発明はこれに限られない。センサユニット100自身がワイヤロープWの状態(断線の有無等)の判定を行ってもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、磁界(磁束)を変化させる方法として、励磁コイル70によりワイヤロープWに印加する磁界(磁束)の強さを時間変化(励振)させることによって検知コイル80において検知される磁界(磁束)の強さを時間的に変化させる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、磁界(磁束)の変化が、励磁コイル70を用いることなく、ワイヤロープWと検知コイル80とを相対移動させることにより検知コイル80において検知される磁界(磁束)の強さを時間的に変化させるようにしてもよい。
【0090】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0091】
(項目1)
検査対象であるワイヤロープを取り囲むように設けられ、第1部分および第2部分に分割可能に構成されている筐体部と、
前記ワイヤロープの前記筐体部内における部分の磁束を検知する検知部と、を備え、
前記検知部は、前記筐体部の前記第1部分および前記第2部分のそれぞれに分割されて収容される第1検知部および第2検知部と、前記第1検知部と前記第2検知部とを電気的に接続する接続部とを含み、
前記筐体部は、前記筐体部の前記第1部分および前記第2部分を組み合わせる際に、前記第1部分および前記第2部分を組み合わせる方向に対する前記第1部分および前記第2部分の相対的な傾きを抑制するガイド部を含む、ワイヤロープ検査装置。
【0092】
(項目2)
前記ガイド部は、前記第1部分に設けられる第1ガイド部と、前記第2部分に設けられる第2ガイド部とを含み、
前記第1ガイド部および前記第2ガイド部は、互いに係合することによって、前記組み合わせる方向に対する前記第1部分および前記第2部分の相対的な傾きを抑制する、項目1に記載のワイヤロープ検査装置。
【0093】
(項目3)
前記筐体部の前記第1部分および前記第2部分は、直方体形状を有しており、
前記ガイド部は、前記第1部分および前記第2部分の組み合わされる方向から視た四隅において係合する、項目2に記載のワイヤロープ検査装置。
【0094】
(項目4)
前記第1ガイド部は、前記ワイヤロープの延びる方向と直交する第1一方ガイド面と、前記ワイヤロープの延びる方向に沿って前記第1一方ガイド面と直交する第1他方ガイド面とを含み、
前記第2ガイド部は、前記第1一方ガイド面と当接する第2一方ガイド面と、前記第1他方ガイド面と当接する第2他方ガイド面とを含む、項目3に記載のワイヤロープ検査装置。
【0095】
(項目5)
前記第1部分の前記ワイヤロープの延びる方向と直交する側面部分は、半円状の切り欠きである第1部分側凹部を有し、
前記第2部分の前記第2ガイド部は、前記第1部分の前記側面部分に向かって延びるように設けられた板状であり、前記第1部分側凹部と対向する半円状の切り欠きである第2部分側凹部を有し、
前記筐体部は、前記第1部分と前記第2部分とが組み合わされた状態で、前記第1部分側凹部と前記第2部分側凹部とによって前記ワイヤロープを取り囲む孔部を形成する、項目3または4に記載のワイヤロープ検査装置。
【0096】
(項目6)
前記第1部分に設けられ、検査作業者による操作力が加えられることによって、前記ガイド部によって前記組み合わせる方向に対する前記第1部分および前記第2部分の相対的な傾きが抑制されながら、前記第1部分を前記第2部分から離間させる方向に移動させるレバー部をさらに備え、
前記レバー部は、前記検査作業者によって把持されるレバー把持部と、前記レバー把持部に接続され、前記第2部分と当接する棒状の当接部とを含む、項目1~5のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
【0097】
(項目7)
前記当接部は、前記ワイヤロープを挟むように配置される棒状の一対の当接部を含み、
前記一対の当接部の各々は、一方端において前記第2部分と当接し、回動することによって前記第1部分を前記第2部分から離間させる方向に移動させ、
前記レバー把持部は、前記一対の当接部の各々の他方端同士を接続するように設けられている、項目6に記載のワイヤロープ検査装置。
【0098】
(項目8)
前記レバー部の前記当接部は、前記第2部分の前記ワイヤロープの延びる方向における中央部分と当接する、項目6または7に記載のワイヤロープ検査装置。
【0099】
(項目9)
前記筐体部は、水平方向に沿って延びる前記ワイヤロープを取り囲むように設けられ、
前記第1部分および前記第2部分は、鉛直方向に沿って分割可能に構成されており、
前記ガイド部は、前記鉛直方向に対する前記第1部分および前記第2部分の相対的な傾きを抑制する、項目1~8のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
【0100】
(項目10)
前記筐体部は、検査対象である前記ワイヤロープを交換する際に分割され、前記ワイヤロープの検査を行う際に組み合わせられる、項目1~9のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
【0101】
(項目11)
前記検知部は、電流が流れることによって前記ワイヤロープに対して磁界を印加する励磁コイルと、前記励磁コイルにより磁界が印加される前記ワイヤロープの磁束を検知する検知コイルと、を含み、
前記励磁コイルは、前記接続部が接続されることによって前記ワイヤロープを取り囲むようにコイルループを形成する、項目1~10のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
【0102】
(項目12)
前記ワイヤロープに対して予め磁界を印加し前記ワイヤロープの磁化の方向を整える磁界印加部をさらに備え、
前記励磁コイルは、前記磁界印加部により予め磁界が印加された後に、前記ワイヤロープの磁化を励振させ、
前記検知コイルは、前記ワイヤロープの延びる方向に沿って巻回するように設けられている、項目11に記載のワイヤロープ検査装置。
【0103】
(項目13)
前記第2部分は、前記筐体部が設置される設置台に固定される固定部分を有し、
前記第1部分は、検査作業者によって把持される筐体把持部を有する、項目1~12のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
【0104】
(項目14)
前記第1部分と前記第2部分とが組み合わせられた状態で、前記第1部分および前記第2部分を互いに固定する固定爪部をさらに備える、項目1~13のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
【符号の説明】
【0105】
10 筐体部
10a ガイド部
10b、10c 開口部(ワイヤロープを取り囲む孔部)
11 第1部分
11b、11c 第1部分側凹部
12 第2部分
12a 中央部分
12b、12c 第2部分側凹部
13 筐体把持部
14 固定部分
15 固定爪部
16 レバー部
16a レバー把持部
16b、16c 当接部
20 検知部
21 第1検知部
22 第2検知部
23 接続部
30、30a、30b 磁界印加部
50 第1ガイド部
51a 第1一方ガイド面
51b 第1他方ガイド面
60 第2ガイド部
61a 第2一方ガイド面
61b 第2他方ガイド面
70 励磁コイル
80 検知コイル
100 センサユニット(ワイヤロープ検査装置)
104 設置台
W ワイヤロープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12