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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125714
(43)【公開日】2022-08-29
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20220822BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
G03G15/00 303
G03G15/01 Y
G03G15/01 113
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023457
(22)【出願日】2021-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実
(72)【発明者】
【氏名】三浦 博史
【テーマコード(参考)】
2H270
2H300
【Fターム(参考)】
2H270KA04
2H270KA13
2H270KA28
2H270KA32
2H270LA17
2H270LD03
2H270LD15
2H270MA07
2H270MA08
2H270MA15
2H270MB16
2H270MB27
2H270MB35
2H270MB36
2H270MB55
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC06
2H270ZC08
2H300EB04
2H300EB07
2H300EB12
2H300EF02
2H300EF06
2H300EF08
2H300EH17
2H300EH33
2H300EJ09
2H300EJ33
2H300EJ39
2H300EJ47
2H300EK03
2H300GG01
2H300GG03
2H300GG04
(57)【要約】
【課題】現像剤像の逆転写の発生を考慮した正確な濃度補正を行うことを目的とする。
【解決手段】画像形成装置1は、感光体ドラム11を含む画像形成部10と、感光体ドラム11に対向する搬送ベルト21を有する転写ユニット20と、搬送ベルト21に転写されたトナー像の濃度を検出する濃度センサ50と、濃度センサ50の検出結果に応じて濃度補正を行う濃度補正部(濃度補正処理実行判定部601、検出電圧濃度値変換部602、濃度補正制御部603および検出濃度値補正部604)とを有する。濃度補正部は、第1の転写電圧VTR1で転写された第1の画像(例えばブラックパッチ112)の検出濃度と、第2の転写電圧VTR2で転写された第2の画像(例えばブラックパッチ111)の検出濃度とに基づいて、濃度補正量を決定する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体を含む画像形成部と、
前記像担持体に対向するベルトを有する転写ユニットと、
前記ベルトに転写された現像剤像の濃度を検出する濃度検出部と、
前記濃度検出部の検出結果に応じて濃度補正を行う濃度補正部と
を有し、
前記濃度補正部は、第1の転写電圧で前記ベルトに転写された第1の画像の濃度と、前記第1の転写電圧とは異なる第2の転写電圧で前記ベルトに転写された第2の画像の濃度とに基づいて濃度補正量を決定する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記濃度補正部は、前記第1の画像の濃度と前記第2の画像の濃度との差分に基づき、前記濃度検出部による検出濃度の補正量を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記差分から前記検出濃度の補正量を決定するための係数を格納する記憶部をさらに有する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記濃度補正部は、
前記ベルト上に前記第1の画像および前記第2の画像を含む第1の濃度検出パターンを形成し、前記濃度検出部で検出した前記第1の画像の濃度および前記第2の画像の濃度に基づいて前記検出濃度の補正量を決定し、
前記ベルト上に第2の濃度検出パターンを形成し、前記濃度検出部で前記第2の濃度検出パターン中の画像の濃度を検出し、その検出濃度を前記検出濃度の補正量により補正する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
互いに色の異なる画像を形成する複数の画像形成部を有し、
前記濃度補正部は、色毎に前記検出濃度の補正量を決定する
請求項2から4までの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の画像および第2の画像はいずれも、第1の印字率を有する第1の部分と、第2の印字率を有する第2の部分とを含み、
前記濃度補正部は、前記第1の画像および前記第2の画像の前記第1の部分同士の濃度の差分、および前記第2の部分同士の濃度の差分に基づき、前記濃度補正量を決定する
請求項2から5までの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1の転写電圧は、印刷動作時に前記転写ユニットが現像剤像を記録媒体に転写する際の転写電圧と略等しく、
前記第2の転写電圧は、前記第1の転写電圧よりも高い
ことを特徴とする請求項1から6までの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成部は、前記像担持体に形成された潜像を形成する現像剤担持体を有し、
前記濃度補正量は、前記像担持体と前記現像剤担持体との間の電圧の調整量である
ことを特徴とする請求項1から7までの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成部は、前記像担持体を露光して潜像を形成する露光ヘッドを有し、
前記濃度補正量は、前記露光ヘッドの発光時間の調整量である
ことを特徴とする請求項1から8までの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記濃度補正部は、印刷枚数が所定枚数に達した場合に、前記第1の画像の濃度と前記第2の画像の濃度とに基づいて前記濃度補正量を決定する処理を実行する
請求項1から9までの何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法を用いるカラー画像形成装置は、感光体ドラムを備えた複数の画像形成部を一列に配列し、これらの画像形成部で形成したトナー像(現像剤像)を搬送ベルト上の記録媒体に転写する。
【0003】
印刷画像の濃度(印刷濃度)は、画像形成装置の使用状況あるいは環境条件により変化するため、実際の印刷濃度を目標濃度に近付けるための濃度補正が行われる。濃度補正は、搬送ベルト上に濃度検出パターンを転写し、その濃度を濃度センサで検出することによって行う(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-258281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、カラー画像形成装置では、上流側の画像形成部で搬送ベルトに転写された濃度検出パターン(トナー像)が、下流側の画像形成部を通過する際に感光体ドラムに逆転写される場合がある。逆転写は、連続印刷を行った場合に発生しやすい。このような逆転写が発生すると、濃度検出パターンに基づく正確な濃度補正を行うことができない。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、現像剤像の逆転写の発生を考慮した正確な濃度補正を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る画像形成装置は、像担持体を含む画像形成部と、像担持体に対向するベルトを有する転写ユニットと、ベルトに転写された現像剤像の濃度を検出する濃度検出部と、濃度検出部の検出結果に応じて濃度補正を行う濃度補正部とを有する。濃度補正部は、第1の転写電圧で転写された第1の画像の濃度と、第2の転写電圧で転写された第2の画像の濃度とに基づいて濃度補正量を決定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1の転写電圧で転写された第1の画像の濃度と第2の転写電圧で転写された第2の画像の濃度とに基づいて濃度補正量が決定されるため、現像剤像の逆転写を考慮した正確な濃度補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態の画像形成装置の構成を示す図である。
図2】本実施の形態の各画像形成部および転写ユニットを示す模式図である。
図3】本実施の形態の濃度センサの構成を示す図(A)および濃度センサの動作を示す図(B),(C)である。
図4】本実施の形態の画像形成装置の制御系を示す機能ブロック図である。
図5】本実施の形態で検出濃度値補正に用いる濃度検出パターンを示す図(A),(B)である。
図6図5の濃度検出パターンの形成方法を示すタイミングチャートである。
図7】本実施の形態で現像電圧およびLED駆動時間の補正に用いる濃度検出パターンを示す図(A),(B)である。
図8図7の濃度検出パターンの形成方法を示すタイミングチャートである。
図9】本実施の形態で使用するセンサ検出電圧・濃度値変換テーブル(A)、目標印刷濃度値テーブル(B)、現像電圧値調整量テーブル(C)、LED駆動時間調整量テーブル(D)および検出濃度値補正テーブル(E)を示す図である。
図10】本実施の形態の濃度補正処理を示すフローチャートである。
図11図10の濃度補正処理における検出濃度値補正処理を示すフローチャートである。
図12】本実施の形態における濃度センサ検出電圧と濃度値との関係の一例を示すグラフである。
図13】本実施の形態における濃度値差分と濃度値補正量との関係の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<画像形成装置の構成>
本発明の実施の形態の画像形成装置について説明する。図1は、本実施の形態の画像形成装置1を示す図である。画像形成装置1は、電子写真法によってカラー画像を形成するものであり、例えばカラープリンタである。
【0011】
画像形成装置1は、媒体を給紙・搬送する媒体搬送部30と、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)のトナー像(現像剤像)を形成する画像形成部10K,10C,10M,10Yと、トナー像を記録媒体Pに転写する転写ユニット20と、トナー像を記録媒体Pに定着する定着装置40とを有する。
【0012】
画像形成装置1のこれらの構成要素は、筐体1aに収容されている。筐体1aの上部には、開閉可能なトップカバー1bが設けられている。画像形成部10K,10C,10M,10Y、転写ユニット20および定着装置40は、いずれも筐体1aに着脱可能に取り付けられている。
【0013】
媒体搬送部30は、媒体トレイ31と、ホッピングローラ32と、レジストローラ33およびピンチローラ34からなるローラ対とを有する。媒体トレイ31は、記録媒体Pを積層状態で収容する。記録媒体Pは、例えば、印刷用紙、OHPシート、封筒、複写紙、特殊紙等である。
【0014】
ホッピングローラ32は、ホッピングモータ75(図4)によって回転し、媒体トレイ31の記録媒体Pを一枚ずつ搬送路に送り出す。
【0015】
レジストローラ33およびピンチローラ34は、レジストモータ76(図4)によって回転し、記録媒体Pのスキューを矯正して画像形成部10K,10C,10M,10Yに向けて搬送する。
【0016】
画像形成部10K,10C,10M,10Yは、記録媒体Pの搬送路に沿って上流側から下流側、すなわち図1における右側から左側に配列されている。
【0017】
図2は、画像形成部10K,10C,10M,10Yおよび転写ユニット20を示す図である。図2に示すように、画像形成部10K,10C,10M,10Yは、像担持体としての感光体ドラム11K,11C,11M,11Yを有する。感光体ドラム11K,11C,11M,11Yに対向するように、露光ヘッドとしてのLEDヘッド13K,13C,13M,13Yが配置されている。
【0018】
画像形成部10K,10C,10M,10Yは、さらに、帯電部材としての帯電ローラ12K,12C,12M,12Yと、現像剤担持体としての現像ローラ14K,14C,14M,14Yと、供給部材としての供給ローラ15K,15C,15M,15Yと、層規制部材としての規制ブレード16K,16C,16M,16Yと、現像剤カートリッジとしてのトナーカートリッジ17K,17C,17M,17Yと、クリーニング部18K,18C,18M,18Yとを有する。
【0019】
画像形成部10K,10C,10M,10Yは、特に区別する必要がない場合には、「画像形成部10」と称する。また、画像形成部10K,10C,10M,10Yの上記の各構成要素は、特に区別する必要がない場合には、符号K,C,M,Yを省略して説明する。
【0020】
なお、LEDヘッド13K,13C,13M,13Yは、トップカバー1bによって支持されているが、機能上、画像形成部10K,10C,10M,10Yの一部と考えてもよい。これらLEDヘッド13K,13C,13M,13Yについても、特に区別する必要がない場合には、符号K,C,M,Yを省略して説明する。
【0021】
感光体ドラム11は、アルミニウム等で形成された円筒状の導電性基体の表面に感光層を形成したものである。感光体ドラム11の感光層には、LEDヘッド13の光照射によって静電潜像が形成される。感光体ドラム11は、ドラムモータ79(図4)によって回転する。感光体ドラム11の回転軸の方向は、主走査方向である。
【0022】
帯電ローラ12は、金属で形成されたシャフトの表面に、導電性の弾性体層を形成したものである。帯電ローラ12は、感光体ドラム11の表面に当接するように配置され、感光体ドラム11の回転に追従して回転する。帯電ローラ12は、帯電電圧発生部71(図4)によって帯電電圧を印加され、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる。
【0023】
LEDヘッド13は、主走査方向に配列された発光素子としての複数のLED(発光ダイオード)と、各LEDを駆動する駆動ICとを搭載した基板と、各LEDの光を感光体ドラム11の表面に集光するレンズアレイとを有する。レンズアレイは、セルフォック(登録商標)レンズ等のレンズ要素を配列したものである。LEDヘッド13は、LEDヘッドインタフェース部63(図4)によって駆動され、感光体ドラム11の表面を露光して静電潜像を形成する。
【0024】
現像ローラ14は、金属製のシャフトの表面に、ウレタンゴムあるいはシリコーンゴム等の導電性の弾性体層を形成したものである。現像ローラ14は、感光体ドラム11の表面に当接するように配置され、感光体ドラム11と逆方向に回転する。現像ローラ14は、現像電圧発生部72(図4)によって現像電圧を印加され、感光体ドラム11上の静電潜像にトナーを付着させ、トナー像を形成する。
【0025】
供給ローラ15は、金属製のシャフトの表面に、シリコーン等の発泡性の弾性体層を形成したものである。供給ローラ15は、現像ローラ14の表面に当接するように配置され、現像ローラ14と同方向に回転する。供給ローラ15は、供給電圧発生部73(図4)によって供給電圧を印加され、現像ローラ14にトナーを供給する。
【0026】
規制ブレード16は、現像ローラ14の軸方向に長い金属製の薄板である。規制ブレード16の一端はホルダに固定され、他端は現像ローラ14の表面に押し当てられている。規制ブレード16は、現像ローラ14の表面に形成されるトナー層(現像剤層)の厚さを規制する。
【0027】
クリーニング部18は、感光体ドラム11の表面に当接するように配置され、ゴム等の弾性体で形成されたブレードまたはローラである。クリーニング部18は、トナー像の転写後に感光体ドラム11の表面に残ったトナーを掻き取る。
【0028】
画像形成部10のうち、現像ローラ14と供給ローラ15と規制ブレード16とを囲む領域は、トナー貯蔵部となっている。トナー貯蔵部には、現像に用いられるトナーが貯蔵される。
【0029】
トナーカートリッジ17は、画像形成部10の図中上方に着脱可能(交換可能)に取り付けられる。トナーカートリッジ17は、未使用トナーを収容し、トナー貯蔵部にトナーを補給する。
【0030】
図1に示すように、転写ユニット20は、ベルト(転写体)としての搬送ベルト21と、搬送ベルト21が張架された駆動ローラ23および従動ローラ24と、駆動ローラ23と従動ローラ24との間に配置された4つの転写ローラ22K,22C,22M,22Yとを有する。転写ローラ22K,22C,22M,22Yは、特に区別する必要がない場合には、転写ローラ22と称する。
【0031】
転写ユニット20は、また、搬送ベルト21上の残留トナーを除去するベルトクリーニング部25と、ベルトクリーニング部25で除去された残留トナーを収容する廃トナー収容部26とを有する。なお、転写ユニット20は、ベルトクリーニング部25と廃トナー収容部26を有さない場合もある。
【0032】
搬送ベルト21は、高抵抗の半導電性プラスチックフィルムで形成された無端状のベルトである。搬送ベルト21は、光沢のある表面(外周面)を有し、当該表面に記録媒体Pを吸着保持して搬送する。濃度補正時には、搬送ベルト21の表面に、感光体ドラム11からトナー像が転写される。また、搬送ベルト21は、後述する濃度センサ50の赤外LED51の発光電流の調整用の基準反射物としても用いられる。
【0033】
駆動ローラ23は、ベルトモータ77(図4)によって回転し、搬送ベルト21を矢印eで示す方向に走行させる。従動ローラ24は、搬送ベルト21に所定の張力を付与する。
【0034】
転写ローラ22は、搬送ベルト21を介して感光体ドラム11に対向するように配置される。転写ローラ22は、金属製のシャフトの表面に、半導電性の弾性体層を形成したものである。転写ローラ22は、転写電圧発生部74(図4)によって転写電圧を印加され、感光体ドラム11のトナー像を搬送ベルト21上の記録媒体P、または搬送ベルト21に転写する。
【0035】
転写ユニット20の近傍には、濃度検出部としての濃度センサ50が配置されている。濃度センサ50は、搬送ベルト21の主走査方向の中央部に対向するように配置されている。
【0036】
図3(A)は、濃度センサ50の構成を示す模式図である。濃度センサ50は、発光部としての赤外LED51と、鏡面反射光受光部としての鏡面反射光受光用フォトトランジスタ52と、拡散反射光受光部としての拡散反射光受光用フォトトランジスタ53とを有する。
【0037】
赤外LED51は、赤外線を出射する。鏡面反射光受光用フォトトランジスタ52は、ブラックの濃度検出に用いられる。拡散反射光受光用フォトトランジスタ53は、シアン、マゼンタおよびイエローの濃度検出に用いられる。
【0038】
図3(B)は、拡散反射光受光用フォトトランジスタ53の検出動作を示す模式図である。拡散反射光受光用フォトトランジスタ53は、赤外LED51から出射され、搬送ベルト21の表面にシアン、マゼンタまたはイエローのトナーで形成された濃度検出用パターン54で拡散反射した光を受光し、受光量に応じた電圧を出力する。
【0039】
濃度検出用パターン54のシアン、マゼンタまたはイエローの濃度が濃ければ(すなわちシアントナー、マゼンタトナーまたはイエロートナーの量が多ければ)、拡散反射光受光用フォトトランジスタ53の受光光量が多くなり、従って出力電圧が高くなる。
【0040】
図3(C)は、鏡面反射光受光用フォトトランジスタ52の検出動作を示す模式図である。鏡面反射光受光用フォトトランジスタ52は、赤外LED51から出射され、搬送ベルト21の表面にブラックのトナーで形成された濃度検出用パターン55を経て搬送ベルト21で鏡面反射した光を受光し、受光量に応じた電圧を出力する。
【0041】
濃度検出用パターン55のブラックの濃度が濃ければ(すなわちブラックトナーの量が多ければ)、鏡面反射光受光用フォトトランジスタ52の受光光量が少なくなり、従って出力電圧は低くなる。
【0042】
濃度センサ50と搬送ベルト21との間には、カバー56(図1)が設置されている。カバー56は、濃度センサ50をトナーまたは紙粉で汚れないように覆っており、濃度補正時には駆動機構(図示せず)によって開放される。カバー56は、濃度センサ50の赤外LED51の発光電流の調整用の基準反射物として用いられるため、所定の基準に基づく拡散反射特性を有する。
【0043】
図1に示すように、定着装置40は、ヒートローラ41と加圧ローラ42を有する。ヒートローラ41は、ハロゲンランプ等のヒータ43を内蔵する。ヒートローラ41は、ヒータモータ78(図4)によって回転する。
【0044】
加圧ローラ42は、ヒートローラ41に押し当てられ、ヒートローラ41との間で定着ニップを形成する。ヒートローラ41および加圧ローラ42は、記録媒体P上に転写されたトナーを加圧、加熱して記録媒体Pに定着させる。
【0045】
記録媒体Pの搬送方向において定着装置40の下流側には、排出ローラ35およびピンチローラ36からなるローラ対が配置されている。排出ローラ35およびピンチローラ36は、ヒータモータ78(図4)からの回転伝達によって回転し、定着装置40を通過した記録媒体Pを装置外に排出する。
【0046】
また、記録媒体Pの搬送路に沿って、記録媒体Pの通過を検知する媒体センサ91,92,93,94が配置されている。媒体センサ91はレジストローラ33の上流側に配置され、媒体センサ92はレジストローラ33の下流側に配置されている。また、媒体センサ93は定着装置40の上流側に配置され、媒体センサ94は定着装置40の下流側に配置されている。媒体センサ91~94の検知信号に基づき、記録媒体Pの搬送制御およびジャム検知が行われる。
【0047】
<制御系>
図4は、画像形成装置1の画像形成動作(印刷動作)に関する制御系を示すブロック図である。画像形成装置1は、ホストインタフェース部61と、コマンド/画像処理部62と、ヘッド制御部としてのLEDヘッドインタフェース部63と、機構制御部60と、高圧制御部70とを有する。
【0048】
ホストインタフェース部61は、図示しないホストコンピュータとの物理的階層のインタフェースを担う部分であり、コネクタおよび通信用のチップを有する。
【0049】
コマンド/画像処理部62は、ホストコンピュータからのコマンドを解析する処理、および画像データをビットマップに展開する処理等を行う。コマンド/画像処理部62は、例えば、マイクロプロセッサ、RAM(Random Access Memory)およびビットマップ展開のための特別なハードウェア等を有する。
【0050】
LEDヘッドインタフェース部63は、コマンド/画像処理部62でビットマップに展開された画像データをLEDヘッド13のインタフェースに合わせて加工する。LEDヘッドインタフェース部63は、例えば、セミカスタムLSI(大規模集積回路)およびRAM等を有する。
【0051】
機構制御部60は、コマンド/画像処理部62からの指示により、媒体センサ91~94、濃度センサ50およびサーミスタ44等からの信号に基づき、各モータ75~79の駆動、ヒータ43の制御、および高圧制御部70の制御を行う。
【0052】
機構制御部60は、濃度補正処理実行判定部601と、検出電圧濃度値変換部602と、濃度補正制御部603と、検出濃度値補正部604とを有する。これら濃度補正処理実行判定部601、検出電圧濃度値変換部602、濃度補正制御部603および検出濃度値補正部604は、印刷濃度を目標濃度に近付ける濃度補正処理を行う「濃度補正部」を構成する。
【0053】
濃度補正処理実行判定部601は、予め設定された濃度補正処理実行条件に基づき、濃度補正処理を行うか否かを判定する。濃度補正処理実行条件は、電源投入時、および所定枚数印刷時である。
【0054】
濃度補正処理実行判定部601は、また、濃度補正処理実行条件が満足されると判定した場合には、検出濃度値補正部604に、どちらの実行条件が満足されたか(すなわち電源投入時かあるいは所定枚数印刷時か)を通知する。
【0055】
検出電圧濃度値変換部602は、濃度センサ50の検出電圧[V]を濃度値[O.D](以下、検出濃度値と称する)に変換する。検出電圧値の濃度値への変換は、後述するセンサ検出電圧-濃度値変換テーブル81(図9(A))と、検出濃度値補正部604が算出した検出濃度値補正量を用いて行う。
【0056】
濃度補正制御部603は、濃度補正処理全体を制御する。濃度補正処理では、検出濃度値に基づいて、検出濃度値が目標値に近付くように、現像電圧の調整量(以下、現像電圧値調整量)および各LEDヘッド13の駆動時間(発光時間:発光量)の調整量(以下、LED駆動時間調整量)を算出する。現像電圧値調整量およびLED駆動時間調整量は、「濃度補正量」に相当する。
【0057】
現像電圧値調整量およびLED駆動時間調整量の算出は、後述する目標印刷濃度値テーブル82(図9(B))、現像電圧値調整量テーブル83(図9(C))、およびLED駆動時間調整量テーブル84(図9(D))を用いて行う。
【0058】
検出濃度値補正部604は、濃度補正処理に先立って実行される検出濃度値補正処理を制御する。検出濃度値補正処理は、異なる転写電圧を印加して転写した濃度検出パターンの検出濃度値の差分に基づいて、連続印刷によって増加した逆転写による検出濃度値補正量を算出する。検出濃度値補正量の算出は、後述する検出濃度値補正テーブル85(図9(E))を用いて行う。
【0059】
記憶部65は、濃度補正処理に用いるセンサ検出電圧-濃度値変換テーブル81、目標印刷濃度値テーブル82、現像電圧値調整量テーブル83、LED駆動時間調整量テーブル84、および検出濃度値補正テーブル85を格納している。
【0060】
記憶部66は、検出濃度値補正処理に用いる濃度検出パターン110(図5(A))および濃度検出パターン120(図5(B))、並びに、濃度補正処理に用いる濃度検出パターン130(図7(A))および濃度検出パターン140(図7(B))を予め記憶している。記憶部65,66は、互いに異なる半導体メモリ等の記憶装置であってもよく、或いは、1つの半導体メモリ等の異なる記憶領域であってもよい。
【0061】
高圧制御部70は、マイクロプロセッサまたはカスタムLSIを有し、帯電電圧発生部71、現像電圧発生部72、供給電圧発生部73および転写電圧発生部74を制御する。
【0062】
帯電電圧発生部71は、画像形成部10K,10C,10M,10Yの各帯電ローラ12に帯電電圧を印加する。同様に、現像電圧発生部72は、各現像ローラ14に現像電圧を印加する。供給電圧発生部73は、各供給ローラ15に供給電圧を印加する。転写電圧発生部74は、転写ユニット20の転写ローラ22K,22C,22M,22Yに転写電圧を印加する。
【0063】
<印刷動作>
画像形成装置1の印刷動作について説明する。ホストインタフェース部61がホストコンピュータから画像データを受信すると、コマンド/画像処理部62が機構制御部60にヒータ43のウォームアップ開始の指示を送ると共に、画像データの展開処理を行い、1ページごとのビットマップデータを各色に対応して生成する。
【0064】
機構制御部60は、コマンド/画像処理部62からのウォームアップ開始の指示に基づき、ヒータモータ78を駆動してヒートローラ41を回転させる。機構制御部60は、また、サーミスタ44の検出信号に基づいてヒータ43をオンオフ制御し、ヒートローラ41を所定の定着温度まで加熱する。ヒートローラ41が定着温度に到達すると、機構制御部60は、印刷動作を開始する。
【0065】
機構制御部60は、ベルトモータ77およびドラムモータ79を駆動し、駆動ローラ23および感光体ドラム11を駆動する。
【0066】
高圧制御部70は、機構制御部60の指示に基づき、帯電電圧発生部71から帯電ローラ12に帯電電圧を印加し、現像電圧発生部72から現像ローラ14に現像電圧を印加し、供給電圧発生部73から供給ローラ15に供給電圧を印加する。
【0067】
各画像形成部10では、例えば、帯電ローラ12に-1000[V]の帯電電圧が印加され、感光体ドラム11の表面を約-600[V]に帯電させる。現像ローラ14には-200[V]の現像電圧が印加され、供給ローラ15には-250[V]の供給電圧が供給される。
【0068】
トナーカートリッジ17から供給されたトナーは、現像ローラ14と供給ローラ15との接触部等で摩擦帯電する。本実施の形態では、トナーはマイナス極性に摩擦帯電される。摩擦帯電したトナーは、現像ローラ14と供給ローラ15との間の電界によって現像ローラ14上に付着する。現像ローラ14上に付着したトナーは、規制ブレード16によって均一な厚さのトナー層となる。
【0069】
一方、コマンド/画像処理部62は、1ページごとのビットマップデータをLEDヘッドインタフェース部63に送信する。LEDヘッドインタフェース部63は、ビットマップデータに基づいてLEDヘッド13の各LEDを発光させて、感光体ドラム11を露光する。感光体ドラム11の表面は-600[V]に帯電しているが、露光領域の電位は-50[V]に低下し、静電潜像が形成される。感光体ドラム11の回転に伴い、現像ローラ14上のマイナス極性に帯電したトナーは感光体ドラム11の露光領域に付着し、トナー像が形成される。
【0070】
画像形成部10K,10C,10M,10Yにおける画像形成の開始と略同時に、機構制御部60はホッピングモータ75を駆動し、ホッピングローラ32を回転させ、媒体トレイ31の記録媒体Pを搬送路に送り出す。
【0071】
機構制御部60は、媒体センサ91の出力に基づき、記録媒体Pの先端がレジストローラ33とピンチローラ34との間に到達したことを検出すると、ホッピングモータ75を停止させる。次に、レジストモータ76を駆動してレジストローラ33を回転させ、記録媒体Pを搬送する。さらに、媒体センサ92の出力に基づき、記録媒体Pの後端が搬送ベルト21に到達したことを検出すると、レジストモータ76を停止させる。
【0072】
続いて、機構制御部60は、ベルトモータ77を駆動して駆動ローラ23を回転させ、搬送ベルト21上に静電吸着された記録媒体Pを感光体ドラム11と転写ローラ22とのニップ部すなわち転写ニップへ送る。
【0073】
記録媒体Pの先端が、画像形成部10K,10C,10M,10Yの各感光体ドラム11と転写ローラ22とのニップ部に到達するタイミングに合わせて、機構制御部60より電圧出力指示を受けた高圧制御部70が、転写電圧発生部74から転写ローラ22K,22C,22M,22Yに転写電圧を印加する。
【0074】
転写ローラ22K,22C,22M,22Yには、例えば3000[V]の転写電圧が供給され、感光体ドラム11上に現像されたトナー像が搬送ベルト21上の記録媒体Pに転写される。
【0075】
トナー像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト21によってさらに搬送され、定着装置40に到達する。機構制御部60は、媒体センサ93の出力に基づき、記録媒体Pの後端が定着装置40に到達したことを検出すると、ベルトモータ77およびドラムモータ79を停止する。また、高圧制御部70により、各電圧発生部71,72,73,74から帯電ローラ12、現像ローラ14、供給ローラ15および転写ローラ22への電圧印加を停止する。
【0076】
なお、ベルトモータ77が駆動している間、搬送ベルト21の表面に付着したまま残留したトナーは、ベルトクリーニング部25により除去され、廃トナー収容部26に収容される。
【0077】
記録媒体Pが定着装置40に到達すると、定着温度に到達しているヒートローラ41と、これに圧接する加圧ローラ42との間で記録媒体Pが加熱および加圧される。これにより記録媒体P上のトナーが溶融し、トナー像が記録媒体Pに定着される。トナー像が定着された記録媒体Pは、排出ローラ35およびピンチローラ36によって排出され、スタッカ上に載置される。
【0078】
機構制御部60は、媒体センサ94の出力に基づき、記録媒体Pのジャムあるいはヒートローラ41への巻き付きを監視しつつ、記録媒体Pの後端がスタッカに到達したことを検出すると、ヒータモータ78の回転およびヒータ43の加熱を停止し、印刷動作を完了する。
【0079】
<濃度検出パターン>
次に、本実施の形態の画像形成装置1による濃度補正処理について説明する。濃度補正処理は、搬送ベルト21上に濃度検出パターンを転写し、その濃度を濃度センサ50で検出して、検出濃度値が目標濃度値に近付くように、画像形成条件(例えば、現像電圧およびLED駆動時間)を調整する処理である。
【0080】
本実施の形態では、濃度検出パターンの濃度がトナー像の逆転写によって変化することを考慮して、検出濃度値を補正する(より具体的には、検出濃度値補正量を算出する)。この処理を、検出濃度値補正処理という。
【0081】
まず、検出濃度値の補正に用いる濃度検出パターン110および濃度検出パターン120について説明する。図5(A)は濃度検出パターン110を示す図であり、図5(B)は濃度検出パターン120を示す図である。濃度検出パターン110,120は、第1の濃度検出パターンに相当する。
【0082】
図5(A)に示す濃度検出パターン110は、搬送方向下流側から順に、ブラック(K)の2つのパッチ111,112と、シアン(C)の2つのパッチ113,114と、マゼンタ(M)の2つのパッチ115,116とを有する。各パッチ111~116は、Duty100%のトナー像部分である。Dutyとは、トナー現像面積率(所定面積に占めるトナーの面積割合)であり、印字率とも称する。
【0083】
濃度検出パターン110のうち、各色の1つ目のパッチ111,113,115は搬送ベルト21に第2の転写電圧VTR2[V]で転写され、各色の2つ目のパッチ112,114,116は搬送ベルト21に第1の転写電圧VTR1[V]で転写される。各パッチ111~116の搬送方向の長さはLp[mm]であり、隣り合うパッチ間にはギャップはない。
【0084】
第2の転写電圧VTR2は、第1の転写電圧VTR1よりも高い。転写電圧が高いパッチほどトナー帯電量が高く、下流側の画像形成部10での逆転写量は少ない。一方、転写電圧が低いパッチほどトナー帯電量が低く、下流側の画像形成部10での逆転写量が多い。そのため、異なる転写電圧VTR1,VTR2で転写されたパッチを用いることにより、逆転写量を反映させた検出濃度値の補正量を決定することができる。
【0085】
図5(B)に示す濃度検出パターン120は、搬送方向下流側から順に、ブラック(K)の2つのパッチ121,122と、シアン(C)の2つのパッチ123,124と、マゼンタ(M)の2つのパッチ125,126とを有する。各パッチ121~126は、Duty50%のトナー像部分である。
【0086】
濃度検出パターン120のうち、各色の1つ目のパッチ121,123,125は搬送ベルト21に第2の転写電圧VTR2[V]で転写され、各色の2つ目のパッチ122,124,126は搬送ベルト21に第1の転写電圧VTR1[V]で転写される。各パッチ121~126の搬送方向の長さはLp[mm]であり、隣り合うパッチ間にはギャップはない。
【0087】
濃度検出パターン110,120のうち、第1の転写電圧VTR1で搬送ベルト21に転写されたパッチは第1の画像に相当し、第2の転写電圧VTR2で搬送ベルト21に転写されたパッチは第2の画像に相当する。
【0088】
図6は、濃度検出パターン110の形成プロセスを示すタイミングチャートである。ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローの第1の転写電圧VTR1を、それぞれ、VTR1-K、VTR1-C、VTR1-M、VTR1-Yとする。ブラック、シアンおよびマゼンタの第2の転写電圧VTR2を、それぞれ、VTR2-K、VTR2-C、VTR2-Mとする。
【0089】
第1の転写電圧VTR1は、搬送ベルト21への濃度検出パターンの転写時のほか、通常印刷時(すなわち記録媒体Pへのトナー像の転写時)にも用いる。第2の転写電圧VTR2は、第1の転写電圧VTR1よりも高い電圧であり、搬送ベルト21への濃度検出パターンの転写時にのみ用いる。イエローの第2の転写電圧VTR2は設定されていない。
【0090】
ここでは、第1の転写電圧VTR1-K、VTR1-C、VTR1-M、VTR1-Yは1000[V]であり、第2の転写電圧VTR2-K,VTR2-C,VTR2-Mは2000[V]である。但し、これらの電圧値に限定されるものではなく、第2の転写電圧VTR2が第1の転写電圧VTR1よりも高ければよい。
【0091】
図2に示したように、感光体ドラム11K,11C,11M,11Yと転写ローラ22K,22C,22M,22Yとの接点の間隔は、Ld[mm]である。搬送ベルト21の移動方向において最も下流側の感光体ドラム11Yと転写ローラ22Yの接点から濃度センサ50までの距離は、Ls[mm]とする。本実施の形態では、Ld[mm]は1パッチの長さLp[mm]の3倍(Ld=3×Lp)に設定されている。
【0092】
図6において、機構制御部60は、ベルトモータ77を駆動して搬送ベルト21の移動を開始する。さらに、LEDヘッド13Kにより感光体ドラム11K上に静電潜像を形成し、ブラックトナーで現像することにより、感光体ドラム11K上にDuty100%の2つのブラックパッチ111,112を形成する。
【0093】
感光体ドラム11K上の1つ目のブラックパッチ111の先端が感光体ドラム11Kと転写ローラ22Kとのニップ部に到達するタイミングを起点として、機構制御部60は、転写電圧発生部74から転写ローラ22Kに第2の転写電圧VTR2-Kを印加し、続けて第1の転写電圧VTR1-Kを印加する。転写電圧VTR2-K,VTR1-Kの印加時間は、いずれも1パッチの長さLp[mm]に相当する時間とする。これにより、ブラックパッチ111,112が搬送ベルト21に転写される。
【0094】
続けて、機構制御部60は、搬送ベルト21を距離Ld[mm]移動させ、1つ目のブラックパッチ111の先端が感光体ドラム11Cと転写ローラ22Cとのニップ部に到達するタイミングに合わせて、転写電圧発生部74により転写ローラ22Cに第1の転写電圧VTR1-Cを印加する。第1の転写電圧VTR1-Cの印加時間は、2つのブラックパッチ111,112の距離2×Lp[mm]に相当する時間とする。
【0095】
さらに、機構制御部60は、LEDヘッド13Cにより感光体ドラム11C上に静電潜像を形成し、シアントナーで現像することにより、感光体ドラム11C上にDuty100%の2つのシアンパッチ113,114を形成する。このとき、搬送ベルト21上のブラックパッチ112の後端と、感光体ドラム11C上のシアンパッチ113の先端とが、同じタイミングで感光体ドラム11Cと転写ローラ22Cとのニップ部に到達するように、LEDヘッド13Cの発光タイミングを制御する。
【0096】
感光体ドラム11C上の1つ目のシアンパッチ113の先端が感光体ドラム11Cと転写ローラ22Cとのニップ部に到達するタイミングを起点として、機構制御部60は、転写電圧発生部74から転写ローラ22Cに第2の転写電圧VTR2-Cを印加し、続けて第1の転写電圧VTR1-Cを印加する。転写電圧VTR2-C,VTR1-Cの印加時間は、いずれも1パッチの長さLp[mm]に相当する時間とする。これにより、シアンパッチ113,114が搬送ベルト21に転写される。
【0097】
続けて、機構制御部60は、搬送ベルト21を距離Ld[mm]移動させ、ブラックパッチ111の先端が感光体ドラム11Mと転写ローラ22Mとのニップ部に到達するタイミングに合わせて、転写電圧発生部74から転写ローラ22Mに第1の転写電圧VTR1-Mを印加する。第1の転写電圧VTR1-Mの印加時間は、4つのパッチ111~114の距離4×Lp[mm]に相当する時間とする。
【0098】
さらに、機構制御部60は、LEDヘッド13Mにより感光体ドラム11M上に静電潜像を形成し、マゼンタトナーで現像することにより、感光体ドラム11M上にDuty100%の2つのマゼンタパッチ115,116を形成する。このとき、搬送ベルト21上のシアンパッチ114の後端と、感光体ドラム11M上のマゼンタパッチ115の先端とが、同じタイミングで感光体ドラム11Mと転写ローラ22Mとのニップ部に到達するように、LEDヘッド13Mの発光タイミングを制御する。
【0099】
感光体ドラム11M上の1つ目のマゼンタパッチ115の先端が感光体ドラム11Mと転写ローラ22Mとのニップ部に到達するタイミングを起点として、機構制御部60は、転写電圧発生部74から転写ローラ22Mに第2の転写電圧VTR2-Mを印加し、続けて第1の転写電圧VTR1-Mを印加する。転写電圧VTR2-M,VTR1-Mの印加時間は、いずれも1パッチの長さLp[mm]に相当する時間とする。これにより、マゼンタパッチ115,116が搬送ベルト21に転写される。
【0100】
続けて、機構制御部60は、搬送ベルト21を距離Ld[mm]移動させ、1つ目のブラックパッチ111の先端が感光体ドラム11Yと転写ローラ22Yとのニップ部に到達するタイミングに合わせて、転写電圧発生部74から転写ローラ22Yに第1の転写電圧VTR1-Yを印加する。第1の転写電圧VTR1-Yの印加時間は、6つのパッチ111~116の距離6×Lp[mm]に相当する時間とする。
【0101】
このようにして、図5(A)に示した濃度検出パターン110が形成される。図5(B)に示した濃度検出パターン120は、各パッチ121~126のDutyが50%であることを除き、濃度検出パターン110と同様の方法で形成される。
【0102】
次に、現像電圧の補正に用いる濃度検出パターン130およびLED駆動時間の補正に用いる濃度検出パターン140について説明する。図7(A)は濃度検出パターン130を示す図であり、図7(B)は濃度検出パターン140を示す図である。濃度検出パターン130,140は、第2の濃度検出パターンに相当する。
【0103】
図7(A)に示す現像電圧補正用の濃度検出パターン130は、搬送方向下流側から順に、Duty100%のブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のパッチ131,132,133,134と、Duty50%のブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のパッチ135,136,137,138とを有する。各パッチ131~138の搬送方向の長さはLp[mm]であり、隣り合うパッチ間にはギャップはない。各パッチ131~138は、搬送ベルト21に上記の第1の転写電圧VTR1[V]で転写される。
【0104】
図7(B)に示すLED駆動時間補正用の濃度検出パターン140は、搬送方向下流側から順に、Duty50%のブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のパッチ141,142,143,144を有する。各パッチ141~144の搬送方向の長さはLp[mm]であり、隣り合うパッチ間にはギャップはない。各パッチ141~144は、搬送ベルト21に第1の転写電圧VTR1[V]で転写される。
【0105】
このように、現像電圧補正用の濃度検出パターン130(図7(A))はDuty100%のパッチとDuty50%のパッチを有するのに対し、LED駆動時間補正用の濃度検出パターン140(図7(B))はDuty50%のパッチのみを有する。これは、現像電圧を決定する上では最大値と中央値が重要であり、LED駆動時間を決定する上では中央値が重要であるためである。
【0106】
但し、濃度検出パターン130はDuty100%のパッチとDuty50%のパッチの組み合わせに限定されるものではなく、濃度検出パターン140はDuty50%のパッチに限定されるものではない。
【0107】
図8は、現像電圧補正用の濃度検出パターン130の形成プロセスを示すタイミングチャートである。図8において、第1の転写電圧VTR1-K、VTR1-C、VTR1-M、VTR1-Yは、図6を参照して説明した第1の転写電圧VTR1-K、VTR1-C、VTR1-M、VTR1-Yと同じである。
【0108】
機構制御部60は、ベルトモータ77を駆動して搬送ベルト21の移動を開始する。さらに、LEDヘッド13Kにより感光体ドラム11K上に静電潜像を形成し、ブラックトナーで現像することにより、感光体ドラム11K上にDuty100%のブラックパッチ131を形成する。
【0109】
感光体ドラム11K上のブラックパッチ131の先端が感光体ドラム11Kと転写ローラ22Kとのニップ部に到達するタイミングを起点として、機構制御部60は、転写電圧発生部74から転写ローラ22Kに第1の転写電圧VTR1-Kを印加する。第1の転写電圧VTR1-Kの印加時間は、1パッチの長さLp[mm]に相当する時間とする。これにより、ブラックパッチ131が搬送ベルト21に転写される。
【0110】
続けて、機構制御部60は、搬送ベルト21を距離Ld[mm]移動させ、ブラックパッチ111の先端が感光体ドラム11Cと転写ローラ22Cとのニップ部に到達するタイミングに合わせて、転写電圧発生部74により転写ローラ22Cへの第1の転写電圧VTR1-Cを印加する。第1の転写電圧VTR1-Cの印加時間は、1パッチの長さLp[mm]に相当する時間とする。
【0111】
さらに、機構制御部60は、LEDヘッド13Cにより感光体ドラム11C上に静電潜像を形成し、シアントナーで現像することにより、感光体ドラム11C上にDuty100%のシアンパッチ132を形成する。このとき、搬送ベルト21上のブラックパッチ131の後端と、感光体ドラム11C上のシアンパッチ132の先端とが、同じタイミングで感光体ドラム11Cと転写ローラ22Cとのニップ部に到達するように、LEDヘッド13Cの発光タイミングを制御する。
【0112】
感光体ドラム11C上のシアンパッチ132の先端が感光体ドラム11Cと転写ローラ22Cとのニップ部に到達するタイミングを起点として、機構制御部60は、転写電圧発生部74から転写ローラ22Cに第1の転写電圧VTR1-Cを印加する。第1の転写電圧VTR1-Cの印加時間は、1パッチの長さLp[mm]に相当する時間とする。これにより、シアンパッチ132が搬送ベルト21に転写される。
【0113】
続けて、機構制御部60は、搬送ベルト21を距離Ld[mm]移動させ、ブラックパッチ131の先端が感光体ドラム11Mと転写ローラ22Mとのニップ部に到達するタイミングに合わせて、転写電圧発生部74から転写ローラ22Mに第1の転写電圧VTR1-Mを印加する。第1の転写電圧VTR1-Mの印加時間は、2つのパッチ131,132の距離2×Lp[mm]に相当する時間とする。
【0114】
さらに、機構制御部60は、LEDヘッド13Mにより感光体ドラム11M上に静電潜像を形成し、マゼンタトナーで現像することにより、感光体ドラム11M上にDuty100%のマゼンタパッチ133を形成する。このとき、搬送ベルト21上のシアンパッチ132の後端と、感光体ドラム11M上のマゼンタパッチ133の先端とが、同じタイミングで感光体ドラム11Mと転写ローラ22Mとのニップ部に到達するように、LEDヘッド13Mの発光タイミングを制御する。
【0115】
感光体ドラム11M上のマゼンタパッチ133の先端が感光体ドラム11Mと転写ローラ22Mとのニップ部に到達するタイミングを起点として、機構制御部60は、転写電圧発生部74から転写ローラ22Mに第1の転写電圧VTR1-Mを印加する。第1の転写電圧VTR1-Mの印加時間は、1パッチの長さLp[mm]に相当する時間とする。これにより、マゼンタパッチ133が搬送ベルト21に転写される。
【0116】
続けて、機構制御部60は、搬送ベルト21を距離Ld[mm]移動させ、ブラックパッチ131の先端が感光体ドラム11Yと転写ローラ22Yとのニップ部に到達するタイミングに合わせて、転写電圧発生部74から転写ローラ22Yに第1の転写電圧VTR1-Yを印加する。第1の転写電圧VTR1-Yの印加時間は、3つのパッチ131,132,133の距離3×Lp[mm]に相当する時間とする。
【0117】
さらに、機構制御部60は、LEDヘッド13Yにより感光体ドラム11Y上に静電潜像を形成し、イエロートナーで現像することにより、感光体ドラム11Y上にDuty100%のイエローパッチ134を形成する。このとき、搬送ベルト21上のマゼンタパッチ133の後端と、感光体ドラム11Y上のイエローパッチ134の先端とが、同じタイミングで感光体ドラム11Yと転写ローラ22Yとのニップ部に到達するように、LEDヘッド13Yの発光タイミングを制御する。
【0118】
感光体ドラム11Y上のイエローパッチ134の先端が感光体ドラム11Yと転写ローラ22Yとのニップ部に到達するタイミングを起点として、機構制御部60は、転写電圧発生部74から転写ローラ22Yに第1の転写電圧VTR1-Yを印加する。第1の転写電圧VTR1-Yの印加時間は、1パッチの長さLp[mm]に相当する時間とする。これにより、イエローパッチ134が搬送ベルト21に転写される。
【0119】
これにより、搬送ベルト21上に、濃度検出パターン130のパッチ131,132,133,134が形成される。すなわち、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの1セット目のパッチが形成される。
【0120】
また、LEDヘッド13Kにより感光体ドラム11K上に静電潜像を形成し、ブラックトナーで現像することにより、感光体ドラム11K上にDuty50%のブラックパッチ135(2セット目のブラックパッチ)を形成する。このとき、感光体ドラム11K上の1セット目のブラックパッチ131の後端が感光体ドラム11Kと転写ローラ22Kとのニップ部に到達するタイミングを起点とし、距離3×Lpに相当するタイミングでブラックパッチ135が当該ニップ部に到達するように、LEDヘッド13Kの発光タイミングを制御する。
【0121】
感光体ドラム11K上のブラックパッチ135の先端が感光体ドラム11Kと転写ローラ22Kとのニップ部に到達するタイミングを起点として、機構制御部60は、転写電圧発生部74から転写ローラ22Kに第1の転写電圧VTR1-Kを印加する。第1の転写電圧VTR1-Kの印加時間は、1パッチの長さLp[mm]に相当する時間とする。これにより、ブラックパッチ135が搬送ベルト21に転写される。
【0122】
以下、2セット目のシアンパッチ136、マゼンタパッチ137、およびイエローのパッチ138を、1セット目のパッチ132~134と同様に形成し、搬送ベルト21に転写する。これにより、搬送ベルト21上に、パッチ131~138からなる濃度検出パターン130(図7(A))が形成される。
【0123】
図7(B)に示した濃度検出パターン140は、各パッチ141~144のDutyが50%であることを除き、上述した濃度検出パターン130の1セット目のパッチ131~134と同様の方法で形成される。
【0124】
なお、図8のタイミングチャートでは、画像形成部10K,10C,10Mで搬送ベルト21に転写されたブラックパッチ、シアンパッチおよびマゼンタパッチが下流側の画像形成部10を通過する際には、各パッチが搬送ベルト21に転写されたときの転写電圧と同じ転写電圧が転写ローラ22に印加される。これは、印刷動作時(記録媒体Pにトナー像を印刷するとき)の転写電圧の印加方法に合わせたものである。
【0125】
図6のタイミングチャートにおいてもほぼ同様であるが、第2の転写電圧VTR2で転写されたパッチが下流側の画像形成部10を通過する際には、第2の転写電圧VTR2ではなく、第1の転写電圧VTR1が転写ローラ22に転写される。
【0126】
<濃度補正処理>
次に、本実施の形態の濃度補正処理について説明する。図9(A)~(E)は、濃度補正に用いるテーブル81~84を示す図である。
【0127】
図9(A)に示すセンサ検出電圧-濃度値変換テーブル81のテーブル値は、濃度センサ50が濃度検出パターンに対して出力した電圧(すなわち検出電圧)と、同じ濃度検出パターンを記録媒体Pに印刷したときの印刷濃度値との関係を示す1次近似式(図12)の係数A,Bである。係数A,Bは、予め実験的に求められている。
【0128】
図9(B)に示す目標印刷濃度値テーブル82のテーブル値は、目標とする印刷濃度値である。
【0129】
図9(C)に示す現像電圧値調整量テーブル83のテーブル値は、現像電圧値が1[V]変化するときの濃度値の変化量であり、予め実験的に求められている。
【0130】
図9(D)に示すLED駆動時間調整量テーブル84のテーブル値は、LED駆動時間が1[%]変化するときの濃度値の変化量であり、予め実験的に求められている。
【0131】
図9(E)に示す検出濃度値補正テーブル85のテーブル値は、異なる転写電圧VTR1,VTR2を印加して転写した濃度検出パターンの検出濃度値の差分と、逆転写による検出濃度値補正量との関係を示す1次近似式(図13)の係数C,Dである。係数C,Dは、予め実験的に求められている。
【0132】
図10は、本実施の形態の画像形成装置1における濃度補正処理を示すフローチャートである。ステップS1において、機構制御部60の濃度補正処理実行判定部601は、濃度補正処理を実行するための条件(実行条件)を満たしているか否かを判定する。ここでは、画像形成装置1の電源を投入したとき、または、前回の濃度補正処理以降の印刷枚数が所定枚数(例えば500枚)に達したときに、実行条件を満たしていると判定し、ステップS2に進む。
【0133】
ステップS2では、機構制御部60の濃度補正制御部603は、濃度センサ50のキャリブレーションを行う。キャリブレーションは、濃度センサ50の温度による赤外LED51の発光特性の変化、および製造上発生しうる濃度センサ50の発光感度あるいは受光感度のばらつきを吸収するため、赤外LED51に供給する電流値(すなわち、発光電流値)を調整するものである。
【0134】
具体的には、濃度補正制御部603は、赤外LED51を発光させ、基準鏡面反射物で反射した反射光を鏡面反射光受光用フォトトランジスタ52および拡散反射光受光用フォトトランジスタ53で受光し、これらの出力電圧が予め決められた値となるように、赤外LED51の発光電流値を調整する。
【0135】
赤外LED51の発光電流調整範囲は、例えば、15~25[mA]である。鏡面反射光受光用フォトトランジスタ52の出力電圧範囲および拡散反射光受光用フォトトランジスタ53の出力電圧範囲は、例えば、0~3[V]である。
【0136】
また、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像の濃度検出を行う際の赤外LED51のキャリブレーション用の基準拡散反射物は、例えば、濃度センサ50と搬送ベルト21との間に配置されているカバー56の濃度センサ50側の面である。カバー56の濃度センサ50側の面は、所定の基準に基づく拡散反射特性を有する。濃度補正制御部603は、カバー56を閉位置にした状態で、拡散反射光受光用フォトトランジスタ53の出力電圧が設定値(例えば2.00[V])となるように、赤外LED51の発光電流値を調整する。
【0137】
ブラックのトナー像の濃度検出を行う際の赤外LED51のキャリブレーション用の基準鏡面反射物は、例えば、搬送ベルト21である。搬送ベルト21の濃度センサ50と対向する面は、所定の基準に基づく鏡面反射特性を有する。濃度補正制御部603は、カバー56を開位置にした状態で、鏡面反射光受光用フォトトランジスタ52の出力電圧が設定値(例えば2.50[V])となるように、赤外LED51の発光電流値を調整する。
【0138】
続くステップS3では、機構制御部60の検出濃度値補正部604は、検出濃度値の補正処理を行う。検出濃度値の補正処理は、ある感光体ドラム11(例えば感光体ドラム11K)から搬送ベルト21に転写されたトナー像(パッチ)が、下流側の感光体ドラム11(例えば感光体ドラム11C)に転写される現象、すなわち逆転写が発生した場合の、濃度検出パターンの検出濃度値のずれを補正するための処理である。
【0139】
画像形成部10K,10C,10M,10Yのうち、最も下流側に配置された画像形成部10Yで転写されたトナー像は、逆転写を考慮する必要がない。そのため、イエローを除く3色、すなわちブラック、シアン、マゼンタの検出濃度値の補正量を決定する。
【0140】
図11は、検出濃度値の補正処理を示すフローチャートである。ステップS31において、機構制御部60の検出濃度値補正部604は、濃度補正処理実行判定部601から通知された濃度補正処理実行条件(図10のステップS1)が、電源投入時か、所定枚数印刷時かを判定する。
【0141】
逆転写による検出濃度値のずれは連続印刷によって発生するため、電源投入後であれば検出濃度値の補正処理は不要である。そのため、検出濃度値補正部604は、電源投入時の場合には検出濃度値補正処理を終了し、所定枚数印刷時の場合にはステップS32に進む。
【0142】
ステップS32において、機構制御部60の検出濃度値補正部604は、記憶部66に予め記憶した図5(A)の濃度検出パターン110を搬送ベルト21上に形成する。濃度検出パターン110とその形成方法は、図5(A)および図6を参照して説明した通りである。
【0143】
濃度検出パターン110を形成する際の現像電圧およびLED駆動時間は、予め決められた設定値DB,DKである。本実施の形態では、現像電圧の設定値DBは-200[V]であり、LED駆動時間の設定値DKは0.28[ms]である。
【0144】
なお、画像形成装置1の解像度が600dpiの場合、1ドットの大きさは0.042[mm]×0.042[mm]となる。印刷時の線速度(すなわち、感光体ドラム11の周速および搬送ベルト21の走行速度)を150[mm/s]とすると、副走査方向の1ドット周期は0.28[ms]となる。
【0145】
機構制御部60は、濃度検出パターン110の1つ目のブラックパッチ111の先端が感光体ドラム11Yと転写ローラ22Yとの転写ニップを通過してから、搬送ベルト21を距離Ls[mm]移動させ、濃度検出パターン110の1つ目のブラックパッチ111の先端を濃度センサ50の検出位置に到達させる。
【0146】
機構制御部60は、さらに、搬送ベルト21をLp/2[mm]移動させ、1つ目のブラックパッチ111の中央部を濃度センサ50の検出位置に到達させる。機構制御部60は、読み取るパターンの色に応じて、濃度センサ50の赤外LED51をステップS2で決定した発光電流で発光させ、濃度検出パターン110に赤外光を照射する。
【0147】
機構制御部60は、検出対象がブラックパッチのときには鏡面反射光受光用フォトトランジスタ52の出力電圧を読み取り、シアンパッチまたはマゼンタパッチのときには拡散反射光受光用フォトトランジスタ53の出力電圧を読み取る。
【0148】
ここでは、機構制御部60は、最初の検出対象がブラックパッチ111であるため、鏡面反射光受光用フォトトランジスタ52の出力電圧を読み取る。次に、搬送ベルト21を1パッチの長さLp[mm]だけ移動させることにより、2つ目のブラックパッチ112の中央部を濃度センサ50の検出位置に到達させ、鏡面反射光受光用フォトトランジスタ52の出力電圧を読み取る。
【0149】
機構制御部60は、さらに、搬送ベルト21を1パッチの長さLp[mm]移動させることにより、1つ目のシアンパッチ113の中央部を濃度センサ50の検出位置に到達させ、拡散反射光受光用フォトトランジスタ53の出力電圧を読み取る。さらに、搬送ベルト21を1パッチの長さLp[mm]移動させることにより、2つ目のシアンパッチ114の中央部を濃度センサ50の検出位置に到達させ、拡散反射光受光用フォトトランジスタ53の出力電圧を読み取る。
【0150】
同様にして、機構制御部60は、1つ目のマゼンタパッチ115および2つ目のマゼンタパッチ116を、濃度センサ50の検出位置に順次到達させ、拡散反射光受光用フォトトランジスタ53の出力電圧を読み取る。
【0151】
このようにして読み取った濃度検出パターン110の1つ目のブラックパッチ111の濃度センサ検出電圧をKV100_TR2とし、2つ目のブラックパッチ112の濃度センサ検出電圧をKV100_TR1とする。また、1つ目のシアンパッチ113の濃度センサ検出電圧をCV100_TR2とし、2つ目のシアンパッチ114の濃度センサ検出電圧をCV100_TR1とする。1つ目のマゼンタパッチ115の濃度センサ検出電圧をMV100_TR2とし、2つ目のマゼンタパッチ116の濃度センサ検出電圧をMV100_TR1とする。
【0152】
ステップS33において、機構制御部60の検出電圧濃度値変換部602は、ステップS32で検出したブラック、シアン、マゼンタの濃度センサ検出電圧を、図9(A)に示すセンサ検出電圧-濃度値変換テーブル81を用いて、濃度値に変換する。
【0153】
センサ検出電圧-濃度値変換テーブル81の係数A,Bの値は、予め実験によって求められたものである。図12は、ブラックおよびシアンについて実験により求めたセンサ検出電圧と濃度値との関係を示すグラフである。センサ検出電圧は濃度センサ50の出力電圧[V]であり、濃度値は光学センサで検出した濃度値[O.D](Optical Density)である。
【0154】
図12に示すように、センサ検出電圧と濃度値との関係は、1次近似式で表すことができる。ブラックの濃度値は、直線の傾きである係数K(A)と、切片である係数K(B)とを用いて、以下のように表すことができる。シアンの濃度値は、直線の傾きである係数C(A)と、切片である係数C(B)とを用いて、以下のように表すことができる。
ブラック濃度値=K(A)×検出電圧+K(B)
シアン濃度値=C(A)×検出電圧+C(B)
【0155】
同様に、マゼンタの濃度値は、係数M(A)および係数M(B)を用いて表すことができ、イエローの濃度値は、係数Y(A)および係数Y(B)を用いて表すことができる。図9(A)に示したセンサ検出電圧-濃度値変換テーブル81には、各色についての係数A,Bの値が格納されている。
【0156】
濃度検出パターン110の1つ目のブラックパッチ111の濃度値をKOD100_TR2とし、2つ目のブラックパッチ112の濃度値をKOD100_TR1とする。1つ目のシアンパッチ113の濃度値をCOD100_TR2とし、2つ目のシアンパッチ114の濃度値をCOD100_TR1とする。1つ目のマゼンタパッチ115の濃度値をMOD100_TR2とし、2つ目のマゼンタパッチ116の濃度値をMOD100_TR1とする。各濃度値は、以下の(1)~(6)で求められる。
KOD100_TR2=K(A)×KV100_TR2+K(B) …(1)
KOD100_TR1=K(A)×KV100_TR1+K(B) …(2)
COD100_TR2=C(A)×CV100_TR2+C(B) …(3)
COD100_TR1=C(A)×CV100_TR1+C(B) …(4)
MOD100_TR2=M(A)×MV100_TR2+M(B) …(5)
MOD100_TR1=M(A)×MV100_TR1+M(B) …(6)
【0157】
ステップS34において、機構制御部60の検出濃度値補正部604は、ステップS33で変換した濃度値から、Duty100%に対する検出濃度値補正量を、図9(E)に示した検出濃度値補正テーブル85を用いて算出する。検出濃度値補正量は、「検出濃度の補正量」とも称する。
【0158】
検出濃度値補正テーブル85の係数C,Dの値は、予め実験によって求められたものである。図13は、ブラックについて実験により求めた1つ目のパッチと2つ目のパッチの濃度値の差分[O.D]と検出濃度値補正量[O.D]との関係を示すグラフである。
【0159】
図13に示すように、1つ目のパッチと2つ目のパッチとの濃度値差分と、検出濃度値補正量とは、1次近似式で表すことができる。ブラックの検出濃度値補正量は、直線の傾きである係数K(C)と、切片である係数K(D)とを用いて、以下のように表すことができる。
ブラックの検出濃度値補正量=K(C)×濃度値差分+K(D)
【0160】
同様に、シアンの検出濃度値補正量は、係数C(C)および係数C(D)を用いて表すことができ、マゼンタの検出濃度値補正量は、係数M(C)および係数M(D)を用いて表すことができる。図9(E)に示した検出濃度値補正テーブル85には、ブラック、シアンおよびマゼンタについての係数C,Dの値が格納されている。
【0161】
1つ目のブラックパッチ111の濃度値と2つ目のブラックパッチ112の濃度値との差分ΔKOD100、1つ目のシアンパッチ113の濃度値と2つ目のシアンパッチ114の濃度値との差分ΔCOD100、および1つ目のマゼンタパッチ115の濃度値と2つ目のパッチ116の濃度値との差分ΔMOD100は、以下の式(7)~(9)で求められる。
ΔKOD100=KOD100_TR2-KOD100_TR1 …(7)
ΔCOD100=COD100_TR2-COD100_TR1 …(8)
ΔMOD100=MOD100_TR2-MOD100_TR1 …(9)
【0162】
これらの差分を用いて、ブラックのDuty100%に対する検出濃度値補正量KAD100、シアンのDuty100%に対する検出濃度値補正量CAD100、およびマゼンタのDuty100%に対する検出濃度値補正量MAD100は、以下の式(10)~(12)で求められる。
KAD100=K100(C)×ΔKOD100+K100(D) …(10)
CAD100=C100(C)×ΔCOD100+C100(D) …(11)
MAD100=M100(C)×ΔMOD100+M100(D) …(12)
【0163】
なお、濃度値差分(ΔKOD100、ΔCOD100、またはΔMOD100)が負の値になった場合には、検出濃度値補正量を0とする。
【0164】
ステップS35にて、機構制御部60の検出濃度値補正部604は、記憶部66に予め記憶された図5(B)の濃度検出パターン120を搬送ベルト21上に形成する。濃度検出パターン120とその形成方法は、図5(B)および図6を参照して説明した通りである。また、濃度検出パターン120のパッチ121~126の濃度検出方法は、上述した濃度検出パターン110のパッチ111~116の濃度検出方法と同様である。
【0165】
濃度検出パターン120の1つ目のブラックパッチ121の濃度センサ検出電圧をKV50_TR2とし、2つ目のブラックパッチ122の濃度センサ検出電圧をKV50_TR1とする。また、1つ目のシアンパッチ123の濃度センサ検出電圧をCV50_TR2とし、2つ目のシアンパッチ124の濃度センサ検出電圧をCV50_TR1とする。1つ目のマゼンタパッチ125の濃度センサ検出電圧をMV50_TR2とし、2つ目のマゼンタパッチ126の濃度センサ検出電圧をMV50_TR1とする。
【0166】
ステップS36において、機構制御部60の検出電圧濃度値変換部602は、ステップS35で検出したブラック、シアン、マゼンタの濃度センサ検出電圧を、図9(A)に示したセンサ検出電圧-濃度値変換テーブル81を用いて、濃度値に変換する。
【0167】
濃度検出パターン120の1つ目のブラックパッチ121の濃度値をKOD50_TR2とし、2つ目のブラックパッチ122の濃度値をKOD50_TR1とする。1つ目のシアンパッチ123の濃度値をCOD50_TR2とし、2つ目のシアンパッチ124の濃度値をCOD50_TR1とする。1つ目のマゼンタパッチ125の濃度値をMOD50_TR2とし、2つ目のマゼンタパッチ126の濃度値をMOD50_TR1とする。各濃度値は、以下の(13)~(18)で求められる。
KOD50_TR2=K(A)×KV50_TR2+K(B) …(13)
KOD50_TR1=K(A)×KV50_TR1+K(B) …(14)
COD50_TR2=C(A)×CV50_TR2+C(B) …(15)
COD50_TR1=C(A)×CV50_TR1+C(B) …(16)
MOD50_TR2=M(A)×MV50_TR2+M(B) …(17)
MOD50_TR1=M(A)×MV50_TR1+M(B) …(18)
【0168】
ステップS37において、機構制御部60の検出濃度値補正部604は、ステップS36で変換した濃度値から、Duty50%に対する検出濃度値補正量を、図9(E)に示した検出濃度値補正テーブル85を用いて算出する。
【0169】
1つ目のブラックパッチ121の濃度値と2つ目のブラックパッチ122の濃度値との差分ΔKOD50、1つ目のシアンパッチ123の濃度値と2つ目のシアンパッチ124の濃度値との差分ΔCOD50、および1つ目のマゼンタパッチ125の濃度値と2つ目のパッチ126の濃度値との差分ΔMOD50は、以下の式(19)~(21)で求められる。
ΔKOD50=KOD50_TR2-KOD50_TR1 …(19)
ΔCOD50=COD50_TR2-COD50_TR1 …(20)
ΔMOD50=MOD50_TR2-MOD50_TR1 …(21)
【0170】
これらの差分を用いて、ブラックのDuty50%に対する検出濃度値補正量KAD50、シアンのDuty50%に対する検出濃度値補正量CAD50、およびマゼンタのDuty50%に対する検出濃度値補正量MAD50は、以下の式(22)~(24)で求められる。
KAD50=K50(C)×ΔKOD50+K50(D) …(22)
CAD50=C50(C)×ΔCOD50+C50(D) …(23)
MAD50=M50(C)×ΔMOD50+M50(D) …(24)
【0171】
なお、濃度値差分(ΔKOD50、ΔCOD50、またはΔMOD50)が負の値になった場合には、検出濃度値補正量を0とする。
【0172】
このように検出濃度値補正量を算出した後、図11の検出濃度値補正処理を終了し、図10の濃度補正処理のステップS4に進む。検出濃度値補正量の初期値は、0とする。
【0173】
ステップS4において、機構制御部60の濃度補正制御部603は、記憶部66に予め記憶した図7(A)の濃度検出パターン130を搬送ベルト21上に形成する。濃度検出パターン130とその形成方法は、図7(A)および図8を参照して説明した通りである。また、濃度検出パターン130の各パッチの濃度検出方法は、上述した濃度検出パターン110の各パッチの濃度検出方法と同様である。
【0174】
濃度検出パターン130を形成する際の現像電圧およびLED駆動時間は、予め決められた設定値DB,DKである。本実施の形態では、現像電圧の設定値DBは-200[V]であり、LED駆動時間の設定値DKは0.28[ms]である。
【0175】
機構制御部60は、濃度検出パターン130のブラックパッチ131の先端が感光体ドラム11Kと転写ローラ22Kとの転写ニップを通過してから、搬送ベルト21を距離Ls[mm]移動させ、ブラックパッチ131の先端を濃度センサ50の検出位置に到達させる。
【0176】
機構制御部60は、さらに、搬送ベルト21をLp/2[mm]移動させ、ブラックパッチ131の中央部を濃度センサ50の検出位置に到達させる。機構制御部60は、読み取るパターンの色に応じて、濃度センサ50の赤外LED51をステップS2で決定した発光電流で発光させ、濃度検出パターン110に赤外光を照射する。
【0177】
機構制御部60は、検出対象がブラックパッチ131であるため、鏡面反射光受光用フォトトランジスタ52の出力電圧を読み取る。次に、搬送ベルト21を1パッチの長さLp[mm]移動させることにより、シアンパッチ132の中央部を濃度センサ50の検出位置に到達させ、拡散反射光受光用フォトトランジスタ53の出力電圧を読み取る。
【0178】
機構制御部60は、さらに、搬送ベルト21を1パッチの長さLp[mm]移動させることにより、マゼンタパッチ133の中央部を濃度センサ50の検出位置に到達させ、拡散反射光受光用フォトトランジスタ53の出力電圧を読み取る。さらに、搬送ベルト21を1パッチの長さLp[mm]移動させることにより、イエローパッチ134の中央部を濃度センサ50の検出位置に到達させ、拡散反射光受光用フォトトランジスタ53の出力電圧を読み取る。
【0179】
同様にして、機構制御部60は、2セット目のパッチ135,136,137,138の各中央部を、濃度センサ50の検出位置に順次到達させ、鏡面反射光受光用フォトトランジスタ52および拡散反射光受光用フォトトランジスタ53の出力電圧を読み取る。
【0180】
読み取った1セット目のブラックパッチ131の濃度センサ検出電圧をKV100とし、シアンパッチ132の濃度センサ検出電圧CV100とし、マゼンタパッチ133の濃度センサ検出電圧をMV100とし、イエローパッチ134の濃度センサ検出電圧をYV100とする。また、2セット目のブラックパッチ135の濃度センサ検出電圧をKV50とし、シアンパッチ136の濃度センサ検出電圧CV50とし、マゼンタパッチ137の濃度センサ検出電圧をMV50、イエローパッチ138の濃度センサ検出電圧をYV50とする。
【0181】
ステップS5において、機構制御部60の検出電圧濃度値変換部602は、ステップS4にて検出したブラック、シアン、マゼンタ、イエローの濃度センサ検出電圧を、図9(A)のセンサ検出電圧-濃度値変換テーブル81を用いて、濃度値に変換する。
【0182】
濃度検出パターン130の1セット目のブラックパッチ131の濃度値KOD100、シアンパッチ132の濃度値COD100、マゼンタパッチ133の濃度値MOD100、イエローパッチ134の濃度値YOD100、2セット目のブラックパッチ135の濃度値KOD50、シアンパッチ136の濃度値COD50、マゼンタパッチ137の濃度値MOD50、イエローパッチ138の濃度値YOD50は、以下の式(25)~(27)で求められる。
KOD100=K(A)×KV100+K(B)+KAD100 …(25)
COD100=C(A)×CV100+C(B)+CAD100 …(26)
MOD100=M(A)×MV100+M(B)+MAD100 …(27)
YOD100=Y(A)×YV100+Y(B) …(28)
KOD50=K(A)×KV50+K(B)+KAD50 …(29)
COD50=C(A)×CV50+C(B)+CAD50 …(30)
MOD50=M(A)×MV50+M(B)+MAD50 …(31)
YOD50=Y(A)×YV50+Y(B) …(32)
【0183】
ステップS6において、機構制御部60の濃度補正制御部603は、ステップS5で求めた濃度値と目標印刷濃度値テーブル82(図9(B))のテーブル値との差分から、各色の現像電圧値をいくら増減すればよいか算出する。
【0184】
この算出には、記憶部65に記憶されている現像電圧値調整量テーブル83(図9(C))を用いる。現像電圧値調整量テーブル83のテーブル値は、現像電圧値が1[V]変化したときの濃度値の変化量である。現像電圧が変化すると、現像ローラ14上のトナー層の厚さが変化し、これにより低Duty域から高Duty域まで濃度を増減させることができる。
【0185】
図9(C)に示した現像電圧値調整量テーブル83には、各色につきDuty100%のテーブル値とDuty50%のテーブル値が格納されている。ここでは、Duty100%のテーブル値とDuty50%のテーブル値との平均値を用いる。なお、例えばDuty100%をより重視する場合には、Duty100%のテーブル値とDuty50%のテーブル値とを2:1で重み付けするといった処理を行ってもよい。
【0186】
上記の式(25)~(32)で求めた濃度値と、目標印刷濃度値テーブル82のテーブル値と、現像電圧値調整量テーブル83のテーブル値とを用いて、ブラックの現像電圧値調整量KDB(A)、シアンの現像電圧値調整量CDB(A)、マゼンタの現像電圧値調整量MDB(A)、イエローの現像電圧値調整量YDB(A)は、以下の式(33)~(36)で求められる。
【数1】
【0187】
機構制御部60は、ステップS6で求めた各色の現像電圧値調整量DB(A)から、高圧制御部70に現像電圧を増減する指示を送る。現像電圧発生部72は、印刷動作時に、現像電圧初期値である設定値DBに現像電圧値調整量DB(A)を加えた現像電圧値を、各画像形成部10K,10C,10M,10Yの現像ローラ14に印加する。
【0188】
補正後のブラックの現像電圧値KDB、シアンの現像電圧値CDB、マゼンタの現像電圧値MDB、イエローの現像電圧値YDBは、以下の式(37)~(40)で求められる。
KDB=DB-KDB(A) …(37)
CDB=DB-CDB(A) …(38)
MDB=DB-MDB(A) …(39)
YDB=DB-YDB(A) …(40)
【0189】
ステップS7において、機構制御部60の濃度補正制御部603は、記憶部66に予め記憶した図7(B)の濃度検出パターン140を搬送ベルト21上に形成する。濃度検出パターン140とその形成方法は、図7(B)および図8を参照して説明した通りである。また、濃度検出パターン140の各パッチの濃度検出方法は、上述した濃度検出パターン110の各パッチの濃度検出方法と同様である。
【0190】
読み取った濃度検出パターン140のブラックパッチ141の濃度センサ検出電圧をKV’50とし、シアンパッチ142の濃度センサ検出電圧をCV’50とし、マゼンタパッチ143の濃度センサ検出電圧をMV’50とし、イエローパッチ144の濃度センサ検出電圧をYV’50とする。
【0191】
ステップS8において、機構制御部60の検出電圧濃度値変換部602は、ステップS7で検出したブラック、シアン、マゼンタ、イエローの濃度センサ検出電圧をセンサ検出電圧-濃度値変換テーブル81を用いて濃度値に変換する。
【0192】
濃度検出パターン140のブラックパッチ141の濃度値KOD’50、シアンパッチ142の濃度値COD’50、マゼンタパッチ143の濃度値MOD’50、イエローパッチ144の濃度値YOD’50は、以下の式(41)~(44)で求められる。
KOD’50=K(A)×KV’50+K(B)+KAD50 …(41)
COD’50=C(A)×CV’50+C(B)+CAD50 …(42)
MOD’50=M(A)×MV’50+M(B)+MAD50 …(43)
YOD’50=Y(A)×YV’50+Y(B) …(44)
【0193】
ステップS9において、機構制御部60の濃度補正制御部603は、ステップS8で求めた濃度値と目標印刷濃度値テーブル82(図9(B))のテーブル値との差分から、各色のLEDヘッド13K,13C,13M,13YのLED駆動時間をいくら増減すればよいか算出する。
【0194】
この算出には、記憶部66に記憶されているLED駆動時間調整量テーブル84(図9(D))を用いる。LED駆動時間調整量テーブル84のテーブル値は、LED駆動時間が1[%]変化するときの濃度値の変化量である。LED駆動時間を変化させると、主に低Duty域から中間Duty域まで濃度を増減させることができる。
【0195】
ブラックのLED駆動時間調整量KDK(A)、シアンのLED駆動時間調整量CDK(A)、マゼンタのLED駆動時間調整量MDK(A)、イエローのLED駆動時間調整量YDK(A)は、以下の式(45)~(48)で求められる。
KDK(A)=(KODT50-KOD’50)/ΔKDK50 …(45)
CDC(A)=(CODT50-COD’50)/ΔCDC50 …(46)
MDM(A)=(MODT50-MOD’50)/ΔMDM50 …(47)
YDY(A)=(YODT50-YOD’50)/ΔYDY50 …(48)
【0196】
機構制御部60は、ステップS9で求めた各色のLED駆動時間調整量DK(A)から、LEDヘッドインタフェース部63に各LEDヘッド13K,13C,13M,13Yの駆動時間を増減する指示を送る。
【0197】
LEDヘッドインタフェース部63は、印刷動作時に、LED駆動時間初期値である設定値DKに、LED駆動時間調整量DK(A)を加えたLED駆動時間で、各LEDヘッド13K,13C,13M,13Yを発光させる。
【0198】
補正後のブラックのLED駆動時間KDK、シアンのLED駆動時間CDK、マゼンタのLED駆動時間MDK、イエローのLED駆動時間YDKは、以下の式(49)~(52)で求められる。
KDK=DK+DK×KDK(A) …(49)
CDK=DK+DK×CDK(A) …(50)
MDK=DK+DK×MDK(A) …(51)
YDK=DK+DK×YDK(A) …(52)
【0199】
図10~11に示した濃度補正処理では、以上の一連の処理により、画像形成部10K,10C,10M,10Yの画像形成条件(現像電圧、LED駆動時間)を調節することで、印刷濃度を目標濃度に近づけることができる。
【0200】
<作用効果>
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。一般に、連続印刷を行うと、印刷パターンの印刷濃度の低下は比較的生じにくいが、搬送ベルト21上の濃度検出パターンの濃度の低下は生じやすい。
【0201】
例えば、記録媒体PとしてA4サイズの普通紙を用い、Duty5%の印刷パターンを2000枚連続で印刷し、連続印刷の前後で図7(A)の濃度検出パターン130を搬送ベルト21に転写して濃度センサ50で濃度を検出する。この場合、Duty100%のブラックパッチ131の検出濃度は、連続印刷前の1.50から、連続印刷後は1.36に低下する。また、Duty50%のブラックパッチ135の検出濃度は、連続印刷前の0.80から、連続印刷後は0.73に低下する。
【0202】
検出濃度値の低下は、連続印刷によってトナー像の電位が低下し、その結果、濃度補正処理時に搬送ベルト21から下流側の感光体ドラム11に逆転写されるトナー量が増加したことによるものである。
【0203】
濃度補正処理は、検出濃度値と印刷濃度値とが一致していることを前提としており、目標印刷濃度値になるように現像電圧値およびLED駆動時間を調整する。そのため、連続印刷によりトナーの逆転写が生じ、検出濃度値と印刷濃度値とのずれが生じると、濃度補正処理後の印刷濃度値が目標濃度値からずれてしまう。
【0204】
以下では、電源投入から所定枚数(例えば500枚)の印刷後に濃度補正処理(検出濃度値補正処理を含む)を実行した場合について説明する。ここでは、代表としてブラックについて説明するが、逆転写が発生するシアン、マゼンタも同様である。イエローについては、画像形成部10Yが最下流側に配置されているため、逆転写は発生しない。
【0205】
濃度補正処理(図10)のステップS1では、濃度補正処理実行判定条件を満足するため、ステップS2に進み、濃度センサキャリブレーションを行う。
【0206】
続くステップS3では検出濃度値補正処理(図11)に進む。検出濃度値補正処理のステップS31では、濃度補正処理実行条件を満足する(所定枚数印刷毎である)ため、ステップS32に進む。
【0207】
ステップS32では、濃度検出パターン110(図5(A))の形成および濃度検出を行う。ここでは、濃度検出パターン110の1つ目のブラックパッチ111の濃度センサ検出電圧KV100_TR2が0.79[V]であり、2つ目のブラックパッチ112の濃度センサ検出電圧KV100_TR1が0.87[V]であったものとする。
【0208】
ステップS33では、ステップS32で検出した濃度センサ検出電圧を、センサ検出電圧-濃度値変換テーブル81(図9(A))を用いて濃度値に変換する。図9(A)のK(A)を-0.85とし、K(B)を2.10とすると、式(1)から、ブラックパッチ111の濃度値KOD100_TR2は1.43となり、式(2)から、ブラックパッチ112の濃度値KOD100_TR1は1.36となる。
【0209】
ステップS34では、ステップS33で変換した濃度値と、検出濃度値補正テーブル85(図9(E))とを用いて、Duty100%に対する検出濃度値補正量を算出する。図9(E)のK100(C)を3.50とし、K100(D)を-0.10とすると、式(7)から、ブラックパッチ111,112の濃度値の差分ΔKOD100は0.07となり、式(10)から、Duty100%に対する検出濃度値補正量KAD100は0.15となる。
【0210】
この例では、ブラックパッチ111の転写時には第2の転写電圧VTR2-Kである2000[V]が印加され、ブラックパッチ112の転写時には第1の転写電圧VTR1-Kである1000[V]が印加されている。転写電圧が高いと、ブラックパッチが画像形成部10Kの転写ニップを通過する際に空隙で放電が増加し、放電による電荷の移動により、搬送ベルト21上のブラックパッチのトナー帯電量が上昇する。トナー帯電量が上昇すると、下流側の感光体ドラム11に逆転写されるトナー量が減少するため、検出濃度値が高くなる。
【0211】
第2の転写電圧VTR2-Kで転写されたブラックパッチ111の濃度値と、第1の転写電圧VTR1-Kで転写されたブラックパッチ112の濃度値との差分(=濃度上昇量)は、連続印刷によりトナー帯電量が低下するほど大きくなる。
【0212】
また、検出濃度値補正量は、検出濃度値の印刷濃度値に対するずれ量を表しており、連続印刷によりトナー帯電量が低下するほど、逆転写されるトナー量が増加するため、検出濃度値が低くなる。
【0213】
図13に示すように、転写電圧の異なる2つのパッチ(例えばブラックパッチ111,112)の濃度値差分と、検出濃度値補正量(すなわち検出濃度値の印刷濃度値に対するずれ量)には相関関係がある。本実施の形態では、この相関関係を用いることで、転写電圧の異なる2つのパッチの濃度値の差分から、検出濃度値補正量を求めている。
【0214】
ステップS35では、濃度検出パターン120(図5(B))の印刷および濃度検出を行う。ここでは、濃度検出パターン120の1つ目のブラックパッチ121の濃度センサ検出電圧KV50_TR2が1.58[V]であり、2つ目のブラックパッチ122の濃度センサ検出電圧KV50_TR1が1.61[V]であったものとする。
【0215】
ステップS36では、ステップS35で検出した濃度センサ検出電圧を、センサ検出電圧-濃度値変換テーブル81(図9(A))を用いて濃度値に変換する。式(13)から、ブラックパッチ121の濃度値KOD50_TR2は0.76となり、式(14)から、ブラックパッチ122の濃度値KOD50_TR1は0.73となる。
【0216】
ステップS37では、ステップS36で変換した濃度値と、検出濃度値補正テーブル85(図9(E))とを用いて、Duty50%に対する検出濃度値補正量を算出する。図9(E)のK50(C)を3.50とし、K50(D)を-0.06とすると、式(19)から、ブラックパッチ121,122の濃度値の差分ΔKOD50は0.03となり、式(22)から、ブラックのDuty50%に対する検出濃度値補正量KAD50は0.05となる。
【0217】
濃度補正処理(図10)のステップS4では、濃度検出パターン130(図7(A))の印刷および濃度検出を行う。ここでは、濃度検出パターン130の1セット目のブラックパッチ131の濃度センサ検出電圧KV100が0.87であり、2セット目のブラックパッチ135の濃度センサ検出電圧KV50が1.61[V]であったものとする。
【0218】
ステップS5では、ステップS4で検出した濃度センサ検出電圧を、センサ検出電圧-濃度値変換テーブル81(図9(A))を用いて濃度値に変換する。式(25)から、濃度検出パターン130のブラックパッチ131の濃度値KOD100は1.51となり、式(29)から、ブラックパッチ135の濃度値KOD50は0.78となる。
【0219】
なお、検出濃度値補正を行わなかった場合は、ブラックパッチ131の濃度値KOD100は1.36となり、ブラックパッチ135の濃度値KOD50は0.73となる。
【0220】
ステップS6では、ステップS5で変換した濃度値と、目標印刷濃度値テーブル82(図9(B))と、現像電圧値調整量テーブル83(図9(C))とを用いて、ブラックの現像電圧値調整量KDB(A)を算出する。
【0221】
目標印刷濃度値テーブル82のKODT100を1.60とし、KODT50を0.85とする。また、現像電圧値調整量テーブル83のΔKDB100を0.006とし、ΔKDB50を0.003とする。式(33)から、ブラックの現像電圧値調整量をKDB(A)は19[V]となる。また、式(37)から、ブラックの現像電圧値KDBは-219[V]となる。
【0222】
なお、検出濃度値補正を行わなかった場合は、ブラックの現像電圧値調整量KDB(A)は40[V]となり、ブラックの現像電圧値KDBは-240[V]となる。検出濃度値補正を用いた場合と比較すると、ブラックの現像電圧値KDBが-21[V]ずれた結果となる。
【0223】
ステップS7では、濃度検出パターン140(図7(B))の印刷および濃度検出を行う。ここでは、濃度検出パターン140の1セット目のブラックパッチ141の濃度センサ検出電圧KV’50が1.54であったものとする。
【0224】
ステップS8では、ステップS7で検出した濃度センサ検出電圧を、センサ検出電圧-濃度値変換テーブル81(図9(A))を用いて濃度値に変換する。式(41)から、濃度検出パターン140のブラックパッチ141の濃度値KOD’50は0.84となる。
【0225】
なお、検出濃度値補正を行わなかった場合は、ブラックパッチ141の濃度値KOD’50は0.79となる。
【0226】
ステップS9では、ステップS8で変換した濃度値と、目標印刷濃度値テーブル82(図9(B))と、LED駆動時間調整量テーブル84(図9(D))とを用いて、ブラックのLED駆動時間調整量KDK(A)を算出する。目標印刷濃度値テーブル82のKODT50を0.85とし、LED駆動時間調整量テーブル84のΔKDK50を0.01とすると、式(45)から、ブラックのLED駆動時間調整量KDK(A)は、1[%]となる。
【0227】
また、式(49)より、ブラックのLED駆動時間KDKは、0.28[ms]となる。
【0228】
なお、検出濃度値補正を行わなかった場合、ブラックのLED駆動時間調整量KDK(A)は6[%]であり、ブラックのLED駆動時間KDKは0.30[ms]となる。検出濃度値補正を用いた場合と比較すると、ブラックのLED駆動時間KDKが0.02[ms]ずれた結果となる。
【0229】
検出濃度値の補正を行った場合と行わなかった場合の印刷試験結果は、次の通りである。A4サイズの記録媒体Pを用い、ブラックのDuty5%の印刷パターンを用いて、2000枚の連続印刷を行った。なお、連続印刷とは、例えば、6時間で2000枚のペース(例えば、1日のうちの午前中に3時間で1000枚、午後に3時間で1000枚)で印刷を行うことを言う。
【0230】
2000枚の連続印刷の終了後に、記録媒体Pにブラックのテストパターン(Duty100%と、Duty50%の2通り)を印刷し、印刷画像の濃度(すなわち印刷濃度)を、X-Rite社製の濃度計で測定した。
【0231】
その結果、検出濃度値補正を行った場合には、Duty100%のテストパターンの印刷濃度は1.61[O.D]であり、Duty50%のテストパターンの印刷濃度は0.80[O.D]であった。すなわち、目標印刷濃度(Duty100%に対して1.60、Duty50%に対して0.85)に近い印刷濃度に補正することができた。
【0232】
これに対し、検出濃度値補正を行わなかった場合には、Duty100%のテストパターンの印刷濃度は1.74[O.D]であり、Duty50%のテストパターンの印刷濃度は0.91[O.D]であった。すなわち、Duty100%およびDuty50%のいずれについても、目標印刷濃度からの大きなずれが見られた。
【0233】
<実施の形態の効果>
以上説明したように、本実施の形態では、濃度補正部(濃度補正処理実行判定部601、検出電圧濃度値変換部602、濃度補正制御部603および検出濃度値補正部604)が、第1の転写電圧VTR1で転写された第1の画像(例えばブラックパッチ112)の濃度と、第2の転写電圧VTR2で転写された第2の画像(例えばブラックパッチ111)の濃度とに基づいて、濃度センサ50の検出濃度値(例えばKOD100,KOD50)を補正し、これにより濃度補正量(例えば現像電圧値調整量KDB、LED駆動時間調整量KDK等)を決定する。そのため、トナー像の逆転写を考慮した正確な濃度補正を行うことができる。
【0234】
また、検出濃度値補正部604は、第1の画像の濃度と第2の画像の濃度との差分(例えば濃度値差分ΔKOD100,ΔKOD50)に基づいて、検出濃度値補正量(例えばKAD100,KAD50)を決定する。そのため、濃度値差分と検出濃度値補正量との関係(図13)を用いて、より正確な濃度補正を行うことができる。
【0235】
また、搬送ベルト21上に第1の画像および第2の画像を含む第1の濃度検出パターン(濃度検出パターン110,120)を形成し、第1の画像および第2の画像の濃度に基づいて検出濃度値の補正量(例えばKAD100,KAD50)を決定し、その後、搬送ベルト21上に第2の濃度検出パターン(濃度検出パターン130,140)を形成し、濃度センサ50で第2の濃度検出パターン中の画像(例えばブラックパッチ131,141)の濃度を検出し、その検出濃度値(例えばKOD100,KOD50)を、上記の検出濃度値の補正量(例えばKAD100,KAD50)により補正する。そのため、検出濃度値の補正量の決定と、それを用いた検出濃度値の補正を正確に行うことができる。
【0236】
また、検出濃度値補正部604は、第1の画像および第2の画像における第1の印字率(例えば100%)の部分同士の濃度値の差分(例えば濃度値差分ΔKOD100)と、第2の印字率(例えば50%)の部分同士の濃度値の差分(例えば濃度値差分ΔKOD50)とに基づいて検出濃度値の補正量(例えば濃度値補正量KAD100,KAD50)を決定するため、より正確に濃度補正量(例えば現像電圧値調整量KDB等)を決定することができる。
【0237】
以上、本発明の望ましい実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良または変形を行なうことができる。
【0238】
また、本発明は、電子写真方式を利用して画像を形成する画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、複合機等に利用することができる。
【符号の説明】
【0239】
1 画像形成装置、 10,10K,10C,10M,10Y 画像形成部、 11,11K,11C,11M,11Y 感光体ドラム(像担持体)、 12 帯電ローラ(帯電部材)、 13,13K,13C,13M,13Y LEDヘッド(露光ヘッド)、 14 現像ローラ(現像剤担持体)、 15 供給ローラ(供給部材)、 16 規制ブレード(現像剤規制部材)、 20 転写ユニット、 21 搬送ベルト(ベルト)、 22,22K,22C,22M,22Y 転写ローラ、 23 駆動ローラ、 24 従動ローラ、 30 媒体搬送部、 40 定着装置、 50 濃度センサ、 51 赤外LED(発光素子)、 52 鏡面反射光受光用フォトトランジスタ、 53 拡散反射光受光用フォトトランジスタ、 54,55 濃度検出用パターン、 56 カバー、 60 機構制御部(制御部)、62 コマンド/画像処理部(制御部)、 63 ヘッドインタフェース部、 601 濃度補正処理実行判定部、 602 検出電圧濃度値変換部、 603 濃度補正制御部、 604 検出濃度値補正部、 65,66 記憶部、 70 高圧制御部、 71 帯電電圧発生部、 72 現像電圧発生部、 73 供給電圧発生部、 74 転写電圧発生部、 81 濃度値変換テーブル、 82 目標印刷濃度値テーブル、 83 現像電圧値調整量テーブル、 84 LED駆動時間調整量テーブル、 85 検出濃度値補正テーブル、 110,120,130,140 濃度検出パターン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13