(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022012573
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム、車載装置、車両、情報処理装置及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
G08G1/01 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020114498
(22)【出願日】2020-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】597151563
【氏名又は名称】株式会社ゼンリン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(74)【代理人】
【識別番号】100176728
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】楠元 康之
(72)【発明者】
【氏名】久保 陽平
(72)【発明者】
【氏名】益田 勝也
(72)【発明者】
【氏名】細川 浩平
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181MC18
5H181MC19
5H181MC22
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】車両の走行中に撮影した画像を送信する技術を改善する。
【解決手段】情報処理方法は、車両10における情報処理方法であって、車両10の周辺を撮影して保存することと、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったと判定すると、当該判定をしたときに撮影した画像を情報処理装置に送信することと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両における情報処理方法であって、
前記車両の周辺を撮影して保存することと、
前記車両が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったと判定すると、当該判定をしたときに撮影した画像を情報処理装置に送信することと、を含む、情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記送信することは、前記判定をしたときを含む所定期間に撮影した画像を前記情報処理装置に送信する、情報処理方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理方法において、
前記判定をすると、前記車両が走行している道路をマップマッチングによって特定することができるようになるまでに撮影された画像を、前記情報処理装置に送信すること、をさらに含む、情報処理方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理方法において、
前記画像に併せて、前記車両の位置の情報を前記情報処理装置に送信すること、をさらに含む、情報処理方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理方法において、
前記画像は動画像である、情報処理方法。
【請求項6】
車両に、
前記車両の周辺を撮影して保存することと、
前記車両が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったと判定すると、当該判定をしたときに撮影した画像を情報処理装置に送信することと、を含む動作を実行させる、プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムにおいて、
前記送信することは、前記判定をしたときを含む所定期間に撮影した画像を前記情報処理装置に送信する、プログラム。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のプログラムにおいて、
前記判定をすると、前記車両が走行している道路をマップマッチングによって特定することができるようになるまでに撮影された画像を、前記情報処理装置に送信すること、をさらに含む動作を実行させる、プログラム。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記画像に併せて、前記車両の位置の情報を前記情報処理装置に送信すること、をさらに含む動作を実行させる、プログラム。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記画像は動画像である、プログラム。
【請求項11】
車両と通信可能な情報処理装置における情報処理方法であって、
前記車両から前記車両の周辺を撮影した画像を受信すると、前記画像を画像解析して、新規の道路があるかを判定すること、を含む、情報処理方法。
【請求項12】
車両と通信可能な情報処理装置に、
前記車両から前記車両の周辺を撮影した画像を受信すると、前記画像を画像解析して、新規の道路があるかを判定すること、を含む動作を実行させる、プログラム。
【請求項13】
車両に搭載されている撮影装置が撮影した前記車両の周辺の画像を保存する記憶部と、
前記車両が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったと判定すると、当該判定をしたときに撮影した画像を情報処理装置に送信する制御部と、を備える、車載装置。
【請求項14】
請求項13に記載の車載装置において、
前記制御部は、前記判定をしたときを含む所定期間に撮影した画像を前記情報処理装置に送信する、車載装置。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の車載装置において、
前記制御部は、前記判定をすると、前記車両が走行している道路をマップマッチングによって特定することができるようになるまでに撮影された画像を、前記情報処理装置に送信する、車載装置。
【請求項16】
請求項13から15のいずれか一項に記載の車載装置において、
前記制御部は、前記画像に併せて、前記車両の位置の情報を前記情報処理装置に送信する、車載装置。
【請求項17】
請求項13から16のいずれか一項に記載の車載装置において、
前記画像は動画像である、車載装置。
【請求項18】
請求項13から17のいずれか一項に記載の車載装置が搭載されている車両。
【請求項19】
車両と通信可能な通信部と、
前記車両から前記車両の周辺を撮影した画像を受信すると、前記画像を画像解析して、新規の道路があるかを判定する制御部と、を備える、情報処理装置。
【請求項20】
請求項13から17のいずれか一項に記載の車載装置と、
請求項19に記載の情報処理装置と、を備える、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、プログラム、車載装置、車両、情報処理装置及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の走行中に撮影した画像をデータセンターなどに送信し、データセンターにおいて画像を保存する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の走行中に撮影した画像を全て送信すると、通信に負荷がかかる。また、車両の走行中に撮影した画像を全て送信すると、データセンターなどにおいて、大量の画像データを保存することが必要となる。
【0005】
車両の走行中に撮影した画像を送信する技術には改善の余地があった。
【0006】
本開示の目的は、車両の走行中に撮影した画像を送信する技術を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る情報処理方法は、
車両における情報処理方法であって、
前記車両の周辺を撮影して保存することと、
前記車両が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったと判定すると、当該判定をしたときに撮影した画像を情報処理装置に送信することと、を含む。
【0008】
本開示に係るプログラムは、
車両に、
前記車両の周辺を撮影して保存することと、
前記車両が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったと判定すると、当該判定をしたときに撮影した画像を情報処理装置に送信することと、を含む動作を実行させる。
【0009】
本開示に係る情報処理方法は、
車両と通信可能な情報処理装置における情報処理方法であって、
前記車両から前記車両の周辺を撮影した画像を受信すると、前記画像を画像解析して、新規の道路があるかを判定すること、を含む。
【0010】
本開示に係るプログラムは、
車両と通信可能な情報処理装置に、
前記車両から前記車両の周辺を撮影した画像を受信すると、前記画像を画像解析して、新規の道路があるかを判定すること、を含む動作を実行させる。
【0011】
本開示に係る車載装置は、
車両に搭載されている撮影装置が撮影した前記車両の周辺の画像を保存する記憶部と、
前記車両が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったと判定すると、当該判定をしたときに撮影した画像を情報処理装置に送信する制御部と、を備える。
【0012】
本開示に係る情報処理装置は、
車両と通信可能な通信部と、
前記車両から前記車両の周辺を撮影した画像を受信すると、前記画像を画像解析して、新規の道路があるかを判定する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、車両の走行中に撮影した画像を送信する技術を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】車両が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなっている様子の一例を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
【
図6】本開示の実施形態に係る情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本開示の実施形態に係る情報処理システム1の構成を示す図である。
図1を参照して、本開示の実施形態に係る情報処理システム1の構成及び概要を説明する。
【0017】
情報処理システム1は、車両10と、情報処理装置20とを備える。車両10と情報処理装置20とは、ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。ネットワーク30は移動体通信網及びインターネットなどを含むネットワークであってよい。
【0018】
図1では、車両10及び情報処理装置20をそれぞれ1台ずつ示しているが、車両10及び情報処理装置20は、それぞれ2台以上であってもよい。
【0019】
車両10は、例えば、ガソリン車、ディーゼル車、HV(Hybrid Vehicle)、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)、EV(Electric Vehicle)、又はFCV(Fuel Cell Vehicle)などの任意の種類の自動車である。車両10は、本実施形態では運転手によって運転されるが、任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。車両10は、MaaS(Mobility as a Service)専用車両でもよい。
【0020】
車両10は、走行中は常時、車両10の周辺を撮影している。車両10は、少なくとも車両10の前方が写るように、車両10の周辺を撮影している。車両10は、車両10の前方に加えて、車両10の側方、及び車両10の後方なども写るように、車両10の周辺を撮影してもよい。車両10は、撮影した画像を全て情報処理装置20に送信するのではなく、所定の条件を満たしたときだけ、撮影した画像を情報処理装置20に送信する。
【0021】
所定の条件として、車両10は、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったときに、撮影した画像を情報処理装置20に送信する。ここで、「マップマッチング」とは、車両10のナビゲーション時などに、車両10の位置情報に基づいて、地図データ上において車両10がどの道路を走行しているかを特定することである。したがって、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなっているとき、車両10は、地図データに登録されていない新規の道路を走行している可能性がある。このような場合に、車両10は、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったと判定したときを含む所定期間に撮影した画像を、情報処理装置20に送信する。これにより、車両10は、地図データに登録されていない新規の道路を走行し始めると、新規の道路が写っている画像を、情報処理装置20に送信することができる。
【0022】
情報処理装置20は、例えば、サーバとして機能するように構成された専用のコンピュータである。情報処理装置20は、汎用のPC(Personal Computer)であってもよい。情報処理装置20は、車両10とネットワーク30を介して通信可能である。
【0023】
情報処理装置20は、車両10から、車両10が走行中に撮影した画像を受信する。情報処理装置20が受信する画像は、所定の条件を満たしたときに車両10が送信した画像である。
【0024】
情報処理装置20は、車両10から画像を受信すると、受信した画像の画像解析を行う。情報処理装置20は、画像解析により、受信した画像に新規の道路が含まれているかを判定する。ここで、「新規の道路」は、車両10がマップマッチングのために利用している地図データに登録されていない道路である。車両10から受信した画像に新規の道路が含まれている場合、情報処理装置20は、新規の道路の情報を、ナビゲーション用の地図データの更新などに利用することができる。情報処理装置20は、新規の道路の情報を、ネットワーク30を介して複数の車両10に配信してよい。複数の車両10は、画像を送信してきた車両10と他の車両10とを含む。
【0025】
図2を参照して、本開示の実施形態に係る車両10の構成を説明する。
【0026】
車両10は、通信装置101と、撮影装置102と、車載装置103と、複数のECU(Electronic Control Unit)104と、位置情報取得装置105とを備える。通信装置101、撮影装置102、車載装置103、複数のECU104及び位置情報取得装置105は、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワーク又は専用線を介して、互いに通信可能に接続されている。
【0027】
通信装置101は、ネットワーク30に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信装置101は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応する通信モジュールを含んでもよい。車両10は、通信装置101を介してネットワーク30に接続されている。通信装置101は、ネットワーク30を介して多様な情報を送信及び受信する。通信装置101は、ネットワーク30を介して、情報処理装置20と通信可能である。
【0028】
撮影装置102は、例えばカメラであってよい。撮影装置102は、車両10の周辺を撮影可能である。撮影装置102は、車両10の周辺を撮影できるように、車両10に設置されている。撮影装置102は、車両10が走行中に、車両10の周辺を常時撮影している。
図2では1台の撮影装置102を示しているが、複数の撮影装置102が、車両10に設置されていてもよい。
【0029】
車載装置103は、記憶部106と、制御部107と、受信部108とを備える。車載装置103は、例えば、ナビゲーション装置であってよい。あるいは、車載装置103は、例えば、ナビゲーション機能及びオーディオ機能を含むマルチメディア装置であってよい。
【0030】
記憶部106は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限定されない。記憶部106は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部106は、車載装置103の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部106は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信装置101によって受信された各種情報等を記憶してもよい。記憶部106に記憶された情報は、例えば通信装置101を介してネットワーク30から受信される情報で更新可能であってもよい。記憶部106の一部は、車載装置103の外部に設置されていてもよい。その場合、外部に設置されている記憶部106の一部は、任意のインタフェースを介して車載装置103と接続されてよい。
【0031】
記憶部106は、撮影装置102が撮影した車両10の周辺の画像を保存する。記憶部106は、撮影装置102が撮影した車両10の周辺の画像を、所定の時間分だけ保存してよい。例えば、撮影装置102が撮影した画像を、30分の間に撮影された分だけ保存する場合、記憶部106は、30分を超える分の画像を撮影装置102から取得すると、一番古い画像を消去して新しい画像を保存する。
【0032】
制御部107は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)などの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。制御部107は、車載装置103の各部を制御しながら、車載装置103の動作に関わる処理を実行する。
【0033】
受信部108は、複数のECU104から車両10に関する各種の車両情報を受信する。
【0034】
複数のECU104の各ECU104は、車両10に搭載された各種センサから、車両10に関する各種の車両情報を収集する。ECU104は、収集した車両情報を受信部108に送信する。
【0035】
ECU104が収集する車両情報は、例えば、速度、加速度、位置、ヘッドライトの状態、自動運転状態、及び、車両10が走行している道路がマップマッチングによって特定されているかを示す情報等である。
【0036】
位置情報取得装置105は、任意の衛星測位システムに対応する1つ以上の受信機を含む。例えば、位置情報取得装置105は、GPS(Global Positioning System)受信機を含んでもよい。位置情報取得装置105は、車両10の位置の測定値を位置情報として取得する。位置情報は、例えば住所、緯度、経度、及び高度等を含む。
【0037】
図3を参照して、本開示の実施形態に係る情報処理装置20の構成を説明する。
【0038】
情報処理装置20は、通信部201と、記憶部202と、入力部203と、出力部204と、制御部205とを備える。
【0039】
通信部201は、ネットワーク30に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部201は、LAN(Local Area Network)に対応する通信モジュールを含んでもよい。情報処理装置20は、通信部201を介してネットワーク30に接続されている。通信部201は、ネットワーク30を介して多様な情報を送信及び受信する。通信部201は、ネットワーク30を介して、車両10と通信可能である。
【0040】
記憶部202は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限定されない。記憶部202は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部202は、情報処理装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部202は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部201によって受信された各種情報等を記憶してもよい。記憶部202に記憶された情報は、例えば通信部201を介してネットワーク30から受信される情報で更新可能であってもよい。記憶部202の一部は、情報処理装置20の外部に設置されていてもよい。その場合、外部に設置されている記憶部202の一部は、任意のインタフェースを介して情報処理装置20と接続されてよい。
【0041】
入力部203は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力用インタフェースを含む。例えば、入力部203は、物理キー、静電容量キー、出力部204のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイク等を含むが、これに限定されない。
【0042】
出力部204は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力用インタフェースを含む。例えば、出力部204は、情報を映像で出力するディスプレイ、又は情報を音声で出力するスピーカ等を含むが、これに限定されない。
【0043】
制御部205は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部205は、情報処理装置20の各部を制御しながら、情報処理装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0044】
(情報処理システムの動作)
図1に示す情報処理システム1の動作を、
図1~
図3を参照して説明する。
【0045】
車両10の撮影装置102は、車両10の走行中、車両10の周辺を常時撮影している。撮影装置102が撮影する画像は、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。静止画像である場合、撮影装置102は、所定の時間間隔で静止画像を連続的に撮影する。
【0046】
車載装置103の記憶部106は、車両10の走行中に撮影装置102が撮影した、車両10の周辺の画像を保存する。
【0047】
受信部108は、車両10の走行中、車両10が走行している道路がマップマッチングによって特定されているかを示す情報を収集しているECU104から、当該情報を常時受信している。受信部108は、ECU104から受信した、車両10が走行している道路がマップマッチングによって特定されているかを示す情報を、制御部107に出力する。制御部107は、車両10が走行している道路がマップマッチングによって特定されているかを示す情報を、受信部108から取得する。
【0048】
受信部108は、車両10の走行中、車両10の位置の情報を位置情報取得装置105から常時受信している。受信部108は、位置情報取得装置105から受信した、車両10の位置の情報を、制御部107に出力する。制御部107は、車両10の位置の情報を、受信部108から取得する。制御部107は、車両10の位置の情報を、位置情報取得装置105から直接取得してもよい。
【0049】
制御部107は、受信部108から取得した、車両10が走行している道路がマップマッチングによって特定されているかを示す情報に基づいて、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定できているかを判定する。
【0050】
図4に、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定できなくなっているときの一例を示す。
図4において、車両10は、地点Aから地点Bまで、経路Rに沿って走行するものとする。
図4に示す例において、車両10が利用している地図データでは、経路Rに相当する道路は登録されていない。この場合、車両10が地点Aから経路Rに入ろうとすると、車両10が走行している道路がマップマッチングによって特定されているかを示す情報を収集しているECU104は、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定できていないとの情報を取得する。車両10が地点Bに到達すると、車両10が走行している道路がマップマッチングによって特定されているかを示す情報を収集しているECU104は、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定できているとの情報を取得する。
【0051】
制御部107は、受信部108から取得した情報に基づいて、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったと判定すると、当該判定をしたときを含む所定期間に撮影装置102によって撮影された画像を、通信装置101を介して情報処理装置20に送信する。所定期間は、予め設定された任意の期間であってよい。
【0052】
所定期間は、例えば、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったと判定したときの前後10秒間であってよい。この場合、制御部107は、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったと判定したとき以前の10秒間に撮影された画像と、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったと判定したとき以後の10秒間に撮影された画像とを、通信装置101を介して情報処理装置20に送信する。
【0053】
制御部107は、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったと判定したときを含む所定期間に撮影装置102によって撮影された画像を送信する際、併せて、当該所定期間に取得した車両10の位置の情報を、通信装置101を介して情報処理装置20に送信してもよい。
【0054】
情報処理装置20の通信部201は、車両10が送信した画像を受信する。記憶部202は、通信部201が受信した画像を保存する。
【0055】
制御部205は、車両10から取得した画像について、画像解析を行う。制御部205は、車両10から取得した画像を画像解析して、車両10が利用している地図データに登録されていない新規の道路があるかを判定する。
【0056】
画像解析の結果、新規の道路があると判定した場合、制御部205は、新規の道路の情報を、ナビゲーション用の地図データの更新などに利用することができる。制御部205は、例えば、機械学習によって学習された学習モデルに基づいて、車両10から取得した画像に、新規の道路が含まれているか否かを判定してよい。
【0057】
制御部205は、地図データに登録されていない新規の道路があると判定すると、新規の道路があることを、ネットワーク30を介して複数の車両10に配信してよい。複数の車両10は、画像を送信してきた車両10と他の車両10とを含む。これにより、ネットワーク30と通信可能な車両10は、地図データに登録されていない新規の道路があるとの情報をリアルタイムで取得することができる。
【0058】
本実施形態において、制御部107は、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったという条件を満たしたときに、当該条件を満たしたときを含む所定期間に撮影された画像を情報処理装置20に送信する。記憶部106は、このような条件を記述した条件記述ファイルを保存していてもよい。この場合、制御部107は、記憶部106に保存されている条件記述ファイルに記述されている条件を参照し、当該条件を満たしたと判定すると、当該判定をしたときを含む所定期間に撮影された画像を情報処理装置20に送信する。なお、制御部107が記憶領域を有する場合、条件記述ファイルは、制御部107が有する記憶領域に保存されていてもよい。
【0059】
図5及び
図6に示すフローチャートを参照して、情報処理システム1の動作を説明する。
図5は、車両10の動作を示すフローチャートである。
図6は、情報処理装置20の動作を示すフローチャートである。
【0060】
最初に、
図5を参照して、車両10の動作について説明する。
【0061】
ステップS101において、車両10の撮影装置102は、車両10が走行中に、車両10の周辺を常時撮影している。
【0062】
ステップS102において、車載装置103の記憶部106は、車両10の走行中に撮影装置102が常時撮影している、車両10の周辺の画像を保存する。
【0063】
ステップS103において、車載装置103の制御部107は、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定できているかを判定する。車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定できていると判定した場合、すなわちステップS103においてYesと判定した場合、制御部107はステップS103の処理を繰り返す。車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定できなくなったと判定した場合、すなわちステップS103においてNoと判定した場合、制御部107は、ステップS104に進む。
【0064】
ステップS104において、制御部107は、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったと判定したときを含む所定期間に撮影装置102によって撮影された画像を、通信装置101を介して情報処理装置20に送信する。
【0065】
次に、
図6を参照して、情報処理装置20の動作について説明する。
【0066】
ステップS201において、情報処理装置20の通信部201は、
図5のステップS104において車両10が送信した画像を受信する。
【0067】
ステップS202において、情報処理装置20の記憶部202は、通信部201が受信した画像を保存する。
【0068】
ステップS203において、情報処理装置20の制御部205は、車両10から受信した画像について画像解析を行う。制御部205は、画像解析の結果、受信した画像に新規の道路が含まれていると判定した場合、新規の道路があることを、ネットワーク30を介して複数の車両10に配信してよい。
【0069】
上述のように、本実施形態に係る情報処理方法において、車両10は、車両10が走行している道路をマップマッチングによって特定することができなくなったと判定すると、当該判定をしたときに撮影した画像を情報処理装置20に送信する。このように、本実施形態に係る情報処理方法において、車両10は、走行中に撮影した画像を全て情報処理装置20に送信するのではなく、所定の条件を満たしたときだけ、撮影した画像を情報処理装置20に送信する。これにより、本実施形態に係る情報処理方法は、車両10と情報処理装置20との間の通信負荷を低減することができる。また、本実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置20の記憶部202が、車両10によって撮影された画像を保存するために必要とする容量を低減することができる。したがって、本実施形態に係る情報処理方法は、車両10の走行中に撮影した画像を送信する技術を改善することができる。
【0070】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【0071】
例えば、上述した実施形態において車両10において実行される一部の処理動作が情報処理装置20において実行されてもよい。また、上述した実施形態において情報処理装置20において実行される一部の処理動作が車両10において実行されてもよい。
【0072】
例えば、スマートフォン又はコンピュータ等の汎用の電子機器を、上述した実施形態に係る情報処理装置20として機能させる構成も可能である。具体的には、実施形態に係る情報処理装置20等の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、電子機器のメモリに格納し、電子機器のプロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、一実施形態に係る開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 情報処理システム
10 車両
20 情報処理装置
30 ネットワーク
101 通信装置
102 撮影装置
103 車載装置
104 ECU(Electronic Control Unit)
105 位置情報取得装置
106 記憶部
107 制御部
108 受信部
201 通信部
202 記憶部
203 入力部
204 出力部
205 制御部