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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022012575
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】フェイスシールド
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220107BHJP
   A42B 3/20 20060101ALI20220107BHJP
   A61F 9/04 20060101ALI20220107BHJP
   A61B 90/00 20160101ALI20220107BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A41D13/11 H
A42B3/20
A61F9/04 315
A61B90/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020114500
(22)【出願日】2020-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】598143343
【氏名又は名称】赤松化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104949
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100074354
【弁理士】
【氏名又は名称】豊栖 康弘
(72)【発明者】
【氏名】赤松 外之彦
【テーマコード(参考)】
3B107
【Fターム(参考)】
3B107DA06
3B107DA13
(57)【要約】
【課題】部品点数を減らして簡単な構造とすることで安価に多量生産する。使用時においては、簡単かつ容易に装着しながら、使用環境を改善する。
【解決手段】フェイスシールドは、撓性を有する透明な樹脂製で、所定の大きさを有する本体シート部10と、本体シート部10の上部の両側に、左右に突出して設けられて、互いの先端部同士を連結可能としてなるベルト部11とを備えている。本体シート部10は、左右に突出するベルト部11同士の間であって、一方の面側に突出して、裏面側を空洞状の凹部13としてなる複数の成形凸部12を形成している。フェイスシールドを装着した際、複数の成形凸部12の先端面12xが装着者の額Hに接触されて、ベルト部11が頭部Tに回されて互いの先端部同士が連結された状態で、本体シート部10が湾曲姿勢で顔面Fから離間して配置されるように構成している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の顔を覆うためのフェイスシールドであって、
可撓性を有する透明な樹脂製で、所定の大きさを有する本体シート部と、
前記本体シート部の上部の両側に、左右に突出して設けられて、互いの先端部同士を連結可能としてなるベルト部と、
を備えており、
前記本体シート部は、左右に突出する前記ベルト部同士の間であって、一方の面側に突出して、裏面側を空洞状の凹部としてなる複数の成形凸部を形成しており、
前記フェイスシールドを装着した際、複数の前記成形凸部の先端面が装着者の額に接触されて、前記ベルト部が頭部に回されて互いの先端部同士が連結された状態で、前記本体シート部が湾曲姿勢で顔面から離間して配置されるように構成してなることを特徴とするフェイスシールド。
【請求項2】
請求項1に記載のフェイスシールドであって、
前記本体シート部が、
複数の前記成形凸部を、左右の前記ベルト部同士を結ぶ直線上に、互いに離間して形成してなるフェイスシールド。
【請求項3】
請求項1または2に記載のフェイスシールドであって、
複数の前記成形凸部が、先窄み形状に形成されてなるフェイスシールド。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のフェイスシールドであって、
前記成形凸部が、
前記本体シート部の基準面に対して起立姿勢で形成された外周壁と、
前記外周壁の先端に形成された前記先端面とを備えており、
前記外周壁に、前記成形凸部の高さ方向に伸びる補強リブを形成してなるフェイスシールド。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のフェイスシールドであって、
前記成形凸部が、
前記本体シート部の基準面に対して起立姿勢で形成された外周壁と、
前記外周壁の先端に形成された前記先端面とを備えており、
前記外周壁の立ち上がり部を、前記成形凸部の先端方向に向かって次第に急峻となる湾曲面としてなるフェイスシールド。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のフェイスシールドであって、
前記本体シート部と前記ベルト部が、
1枚の樹脂シートで一体成形されてなるフェイスシールド。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のフェイスシールドであって、
前記ベルト部が、
前記本体シート部の一方の側縁に連結された第一ベルト部と、
前記本体シート部の他方の側縁に連結された第二ベルト部とを備え、
前記第一ベルト部と前記第二ベルト部のうち、一方を他方よりも長い長尺ベルト部として、他方を短尺ベルト部としており、
前記長尺ベルト部と前記短尺ベルト部の先端部同士が、装着者の側頭部側に位置して連結されるように構成してなるフェイスシールド。
【請求項8】
請求項7に記載のフェイスシールドであって、
前記本体シート部の一方の側縁であって、前記長尺ベルト部を設けた第一側縁と、該長尺ベルト部の下側側縁との境界部分に第一湾曲部を形成すると共に、
前記本体シート部の前記第一側縁と該本体シート部の下端縁との境界部分に第二湾曲部を形成しており、
前記本体シート部の正面視において、前記第一湾曲部に形成される第一湾曲ラインと前記第二湾曲部に形成される第二湾曲ラインが、前記第一側縁の中間点を対称の中心とする点対称な形状をなすように構成してなるフェイスシールド。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のフェイスシールドであって、
前記ベルト部が、
前記本体シート部の一方の側縁に連結された第一ベルト部と、
前記本体シート部の他方の側縁に連結された第二ベルト部とを備え、
前記第一ベルト部に複数のスリットを、前記第二ベルト部に、前記スリットに挿入可能な矢尻状の挿入部を形成してなるフェイスシールド。
【請求項10】
請求項9に記載のフェイスシールドであって、
前記第一ベルト部が、
各々の前記スリットに対応して、前記挿入部の連結位置を特定するための印を設けてなるフェイスシールド。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のフェイスシールドであって、
複数の前記成形凸部が、
前記本体シート部の中間部に配置される第一成形凸部と、
前記本体シート部の両側部に配置される第二成形凸部とを備えており、
前記第一成形凸部の平均高さを、前記第二成形凸部の平均高さよりも高くしてなるフェイスシールド。
【請求項12】
請求項11に記載のフェイスシールドであって、
前記第一成形凸部を2個設けると共に、
前記第二成形凸部を両側に1個ずつ設けてなるフェイスシールド。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のフェイスシールドであって、
前記成形凸部が、平面視において、前記本体シート部の中央側から側縁側に向かって突出高さが次第に低くなる形状に形成されてなるフェイスシールド。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のフェイスシールドであって、
前記本体シート部が、防曇材を含んでなるフェイスシールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェイスシールドに関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場においては、治療中に患者の体液や血液が飛散し、これが誤って医者や看護婦の眼、口、鼻に接触することがある。治療を受ける患者が伝染性の病原菌を保有している場合には、この病原菌を含む液体が医者等の眼、口、鼻に接触することにより、医者等が病原菌に感染するケースもあった。特に近年のCOVID-19、いわゆる新型コロナウィルスの世界的流行により、これに感染している患者の治療に際して医者等が病原菌に感染しないように、医者等の眼、口などと患者の病原菌を含む液体との接触を確実に防止する必要性は更に高まっている。また医療現場においては、有害な薬液を取り扱う場合も多く、これが誤って医者や看護婦の眼、口、鼻、あるいは皮膚などに接触し、医者等に障害を与えることもあった。
【0003】
そこで、有害な液体が顔面に接触しないようこれを保護する医療用顔面保護具が提案されている(例えば特許文献1参照)。この医療用顔面保護具は、図16に示すように、顔面を覆う液体不浸透性の透明な平板フィルム91が、当該平板フィルム91を頭部に固定する固定部材92に、平板フィルム91両側端に設けられたスペーサー部93を介して取り付けられている。これにより、着用時にスペーサー部93によって平板フィルム91と顔面との間に間隔が設けられ、眼鏡を着用していても顔が圧迫されたり、眼鏡がフィルムに接触しない構造としている。
【0004】
ただ、以上の構造の医療用顔面保護具は、平板フィルムで顔面を覆うため、顔面の前面側は被覆できるが、顔面の側面側は十分に被覆できない欠点がある。また、平面状の平板フィルムは、薄くすると変形し易くなって使用時における形状が安定しないため、厚く成形する必要があって、安価に多量生産できない問題点もあった。とくに、感染症の流行時における医療現場等においては、使用後は廃棄処分されるため、安価に多量生産することが求められる。
【0005】
これに対して、透明な平板フィルムに代えて、湾曲可能な透明プラスチック板を使用して装着者の顔を覆うフェイスシールドとして、図17の斜視図に示すように透明プラスチックシートからなるフェイスガード部81の両側にストラップ部82を連結すると共に、シート状のフェイスガード部81の上部に、顔面との間に間隔を設けるための湾曲可能なクッション材からなるスペーサー83を固定したものが提案されている。このフェイスシールド80は、図18の斜視図に示すように、スペーサー83を額に接触させる状態でフェイスガード部81で顔面を被覆して、両側に連結されたストラップ部82を後頭部側に配置して装着する構造としている。図18に示すフェイスシールド80は、ストラップ部82として伸縮性を有するゴム状の紐体を使用しており、ストラップ部82の弾性を利用してフェイスガード部81を顔面の定位置に保持できるようにしている。
【0006】
しかしながら、この種のフェイスシールド80は、使用者が眼鏡を装着している場合に、使用者の口から排出される息によって眼鏡が曇りやすくなる問題点がある。とくに、図に示すフェイスシールドは、使用者の額部分にスペーサー83を配置しているので、この部分において通気が悪くなり、使用者が口から吐く息が籠もって眼鏡を曇らせる原因となる。また、額に配置されるスペーサー83で生じる影により、使用者の手元が暗くなって作業に支障をきたす虞もあった。さらに、図に示すフェイスシールド80は、フェイスガード部81とストラップ部82とスペーサー83とを別々に用意して、これらを定位置に固定して製造するので、製造に手間がかかり、製造コストが高くなる問題点があった。さらに、このフェイスシールド80は、フェイスガード部81に固定されたスペーサー83により、立体的な構造となるため、多数の製品を搬送し、あるいは保管する際に、コンパクトに収納できない問題点もあった。
【0007】
以上の欠点を解消するフェースシールドとして、図19図20に示す構造のフェイスシールド70も提案されている。図に示すフェイスシールド70は、湾曲可能な透明プラスチックシートからなるフェイスガード部71と、装着者の額に配置する額バンド73と、額バンド73の両端に連結されて使用者の頭部に配置されるストラップ部72とを備えている。フェイスガード部71は、上部の両側に突出する連結片74を備えており、これらの連結片74には額バンド73と連結するための連結孔74aを開口している。額バンド73は、その両端部に、フェイスガード部71の連結片74を位置決めし、かつ、ストラップ部72を連結するための位置決め孔73aを開口している。この構造のフェイスシールド70は、フェイスガード部71の連結片74に設けた連結孔74aと、額バンド73の両端部に設けた位置決め孔73aの位置を合わせた状態で、連結孔74aと位置決め孔73aにストラップ部72の両端を挿通して固定することにより組み立てられる。このフェイスシールド70は、フェイスガード部71の両側に設けた連結孔74a同士の間隔を、額バンド73の両端部に設けた位置決め孔73a同士の間隔よりも大きくしており、額バンド73を装着者の額に密着させてストラップ部72を頭部に回して固定した状態では、シート状のフェイスガード部71が、両側の連結片74を両端として湾曲されるようにしている。
【0008】
以上のフェイスシールド70は、装着者の額に密着する額ベルト73と、装着者の頭部に回されるストラップ部72とで装着者の頭部の定位置に配置しながら、前面に配置されるシート状のフェイスガード部71を湾曲させて顔面を覆うことができる。このフェイスシールド70は、フェイスガード部71と額との間にスペーサーを配置することなくフェイスガード部71を顔面から離間させて配置するので、通気性をよくしながら、影ができるのを防止できる特長がある。また、シート状のフェイスガード部71と額バンド73とストラップ部72とで構成されるので、分解した状態ではコンパクトに収納でき、搬送や保管を効率よくできる特長もある。
【0009】
ただ、このフェースシールド70は、フェースガード部71を弛ませて湾曲姿勢とするので、フェースガード部71の形状や位置が安定せず、使用時においてフェースガード部71と顔面との位置関係が不安定になりやすい欠点がある。また、額バンド73を装着者の額の全体にわたって密着状態で配置するので、装着者に圧迫感を与えて快適に使用できない問題点もある。さらにまた、このフェイスシールド70は、使用時において、フェイスガード部71と額バンド73とを位置決めしながらストラップ部72を連結して組み立てる必要があるため、その組み立てに時間がかかる問題点がある。とくに、感染症対策として使用されるフェースシールドにおいては、使い捨てされることが前提となるため、使用するたびに組み立てる構造では極めて効率が悪く、便利に使用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実開平06-029511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、その目的の一は、部品点数を減らして簡単な構造とすることで安価に多量生産できると共に、使用時においては、簡単かつ容易に装着しながら、使用環境を改善でき、しかも、多数の製品を効率よく収納して保管できるフェイスシールドを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0012】
本発明の第1の側面に係るフェイスシールドは、装着者の顔を覆うためのフェイスシールドであって、撓性を有する透明な樹脂製で、所定の大きさを有する本体シート部と、本体シート部の上部の両側に、左右に突出して設けられて、互いの先端部同士を連結可能としてなるベルト部とを備えている。本体シート部は、左右に突出するベルト部同士の間であって、一方の面側に突出して、裏面側を空洞状の凹部としてなる複数の成形凸部を形成している。フェイスシールドを装着した際、複数の成形凸部の先端面が装着者の額に接触されて、ベルト部が頭部に回されて互いの先端部同士が連結された状態で、本体シート部が湾曲姿勢で顔面から離間して配置されるように構成している。
【0013】
上記構成により、本体シート部とベルト部とを連結して一体構造とすることで、製造コストを低減しながら安価に多量生産できると共に、使用時においては、特別な組み立て工程を必要とせず、簡単かつ容易に装着しながら、使用環境を改善して便利に使用できる特長が実現できる。このように、安価に多量生産できることで、新型コロナウィルスの世界的流行により需要がひっ迫しているフェイスシールドを安定供給することにつながると共に、簡便に装着できることから、医療現場等において、極めて便利に使用できる。また、本体シート部とベルト部とを一体構造とすることで、これらを別部材とする構造に比べて、搬送や保管にかかる手間を簡素化して扱いを簡便にできる特長もある。
【0014】
また、以上のフェースシールドは、複数の成形凸部の先端面を装着者の額に接触させる状態で、頭部に回したベルト部を介して定位置に固定するので、額全体に圧迫感を与えることなく、装着感を改善して快適に使用できる。さらに、複数の成形凸部の先端面を装着者の額に沿って接触させることで、本体シート部を湾曲姿勢として装着者の顔面を覆う位置に配置するので、使用する装着者に最適な形状に湾曲させて、良好な装着状態に安定して保持できると共に、装着者の顔面と本体シート部との間に所定の空間を形成することで、眼鏡やゴーグル等を着用した状態においても違和感なく装着することができる。
【0015】
本発明の第2の側面に係るフェイスシールドは、本体シート部が、複数の成形凸部を、左右のベルト部同士を結ぶ直線上に、互いに離間して形成している。
【0016】
上記構成により、複数の成形凸部を互いに離間して設けることで、フェイスシールドを顔面に装着する際には、隣接する成形凸部同士が干渉する事態を回避しつつ、複数の成形凸部の先端部が互いに接近する姿勢となるように本体シート部を湾曲して、複数の成形凸部の先端面を額にフィットさせることができる。このため、頭部の形状や大きさが異なる使用者に対しても、本体シート部を理想的な形状に湾曲しながら成形凸部の先端面を額にフィットさせて、顔面を確実に被覆できる。また、複数の成形凸部を左右のベルト部同士の間に直線上に配置することで、左右のベルト部を頭部に回して連結する状態では、成形凸部の先端面を額に対して面接触状態で押圧させて、本体シート部を顔面から離れた所定の位置に正しい姿勢で配置できる特長がある。とくに、ベルト部の引っ張り力を、各成形凸部の先端面が額を押圧する力として作用させることで、本体シート部を安定して装着できる。さらに、複数の成形凸部を離間して設けることで、フェイスシールドを装着した状態で、隣接する成形凸部の間に通気隙間を形成でき、本体シート部と顔面との間の通気性を改善できる。このため、装着者が吐く息により本体シート部の内面が曇るのを抑制できると共に、装着者が眼鏡を使用する際においては、眼鏡が曇るのを有効に防止できる。
【0017】
本発明の第3の側面に係るフェイスシールドは、複数の成形凸部を、先窄み形状に形成している。
【0018】
上記構成により、フェイスシールドを顔面に装着する際に、先窄み形状の成形凸部の先端部を互いに接近させる姿勢となるように本体シート部を湾曲できるので、本体シート部をより高い自由度で湾曲させて、複数の成形凸部の先端面を使用者の額にフィットさせることができる。また、成形凸部を先窄み形状とすることで、装着者の額に接触する先端面の面積を小さくしながら、隣接する成形凸部間に形成される通気隙間を広くすることができる。さらにまた、複数の成形凸部を先窄み形状とすることで、複数枚のフェイスシールドを互いに積層する状態では、一方のフェイスシールドの成形凸部を他方のフェイスシールドの凹部に嵌合させながら本体シート部を重ね合わせることでコンパクトに重ねることができ、多数枚を省スペースに収納しながら搬送し、また保管できる特長もある。
【0019】
本発明の第4の側面に係るフェイスシールドは、成形凸部が、本体シート部の基準面に対して起立姿勢で形成された外周壁と、外周壁の先端に形成された先端面とを備えており、外周壁に、成形凸部の高さ方向に伸びる補強リブを形成している。
【0020】
上記構成により、成形凸部の高さ方向に対する強度を高めることができ、成形凸部の先端面を装着者の額に押圧する状態で、本体シート部を安定して支持できる。
【0021】
本発明の第5の側面に係るフェイスシールドは、成形凸部が、本体シート部の基準面に対して起立姿勢で形成された外周壁と、外周壁の先端に形成された先端面とを備えており、外周壁の立ち上がり部を、成形凸部の先端方向に向かって次第に急峻となる湾曲面としている。
【0022】
上記構成により、成形凸部の外周壁の立ち上がり部を湾曲面とすることで、本体シート部から突出する成形凸部と本体シート部の基準面との境界部分を補強して、この部分に割れや亀裂が生じるの有効に防止できる。とくに、複数の成形凸部を備える本体シート部は、複数の成形凸部の立ち上がり部において湾曲されることで本体シート全体を所定の形状に湾曲させるので、成形凸部の立ち上がり部を補強する構造は、本体シート部の損傷を有効に防止しながら安心して使用できる特長が実現できる。
【0023】
本発明の第6の側面に係るフェイスシールドは、本体シート部とベルト部を1枚の樹脂シートで一体成形している。
【0024】
上記構成によると、本体シート部とベルト部とを1枚の樹脂シートで一体成形するので、製造工程を簡単にして安価に多量生産できる。
【0025】
本発明の第7の側面に係るフェイスシールドは、ベルト部が、本体シート部の一方の側縁に連結された第一ベルト部と、本体シート部の他方の側縁に連結された第二ベルト部とを備え、第一ベルト部と第二ベルト部のうち、一方を他方よりも長い長尺ベルト部として、他方を短尺ベルト部としており、長尺ベルト部と短尺ベルト部の先端部同士が、装着者の側頭部側に位置して連結されるように構成している。
【0026】
上記構成によると、本体シート部の両側に設けるベルト部のうち、一方を長尺ベルト部として、他方の短尺ベルト部より長くするので、本体シート部から突出するベルト部を片側に偏在して長く設けることができ、収納時や運搬時における扱いを容易にできる特長がある。とくに、本体シート部から突出する一方のベルト部を短くすることで、フェイスシールドを1枚の樹脂シートから製造する際に、カットにより生じる廃棄処分される部分を少なくでき、製造コストを低減できる。
【0027】
本発明の第8の側面に係るフェイスシールドは、本体シート部の一方の側縁であって、長尺ベルト部を設けた第一側縁と、長尺ベルト部の下側側縁との境界部分に第一湾曲部を形成すると共に、本体シート部の第一側縁と本体シート部の下端縁との境界部分に第二湾曲部を形成しており、本体シート部の正面視において、第一湾曲部に形成される第一湾曲ラインと第二湾曲部に形成される第二湾曲ラインが、第一側縁の中間点を対称の中心とする点対称な形状をなすように構成している。
【0028】
上記構成によると、図15に示すように、1枚の樹脂シート50から複数のフェイスシールド100を成形する際に、各々のフェイスシールド100を構成する本体シート部10と長尺ベルト部15の配置が互いに点対称な位置となるように配置しながら成形することで、樹脂シートのカット時に発生するロスを低減しながら効率よく製造できる。とくに、第一湾曲部の第一湾曲ラインと第二湾曲部の第二湾曲ラインとを点対称な配置とすることで、互いに隣り合って成形されるフェイスシールド同士のうち、一方のフェイスシールドにおける、本体シート部の下端縁→第二湾曲部→第一側縁→第一湾曲部→長尺ベルト部の下側側縁と伸びる切断ラインを、他方のフェイスシールドにおける、長尺ベルト部の下側側縁→第一湾曲部→第一側縁→第二湾曲部→本体シート部の下端縁と伸びる切断ラインとを一致させることができ、1回の切断により、同じ形状のフェイスシールドを効率よく製造できる。
【0029】
本発明の第9の側面に係るフェイスシールドは、ベルト部が、本体シート部の一方の側縁に連結された第一ベルト部と、本体シート部の他方の側縁に連結された第二ベルト部とを備え、第一ベルト部に複数のスリットを、第二ベルト部に、スリットに挿入可能な矢尻状の挿入部を形成している。
【0030】
本発明の第10の側面に係るフェイスシールドは、第一ベルト部に、各々のスリットに対応して、挿入部の連結位置を特定するための印を設けている。
【0031】
上記構成によると、第一ベルト部に設けた各々のスリットに対応して、挿入部の連結位置を特定するための印を設けているので、装着者が各自の頭部のサイズに最適な連結位置を、スリットに設けた印から経験的に学習することで、挿入部を特定のスリットに挿入して第一ベルト部と第二ベルト部を常に最適な位置で連結できる。これにより、フェイスシールドの装着にかかる時間を短縮しながら、常に最適な状態で装着できる。
【0032】
本発明の第11の側面に係るフェイスシールドは、複数の成形凸部が、本体シート部の中間部に配置される第一成形凸部と、本体シート部の両側部に配置される第二成形凸部とを備えており、第一成形凸部の平均高さを、第二成形凸部の平均高さよりも高くしている。
【0033】
上記構成により、フェイスシールドを装着した際に、本体シート部の中央部では第一成形凸部により、顔面と本体シート部との間に十分な空間を形成する一方、本体シート部の両側部では第二成形凸部により、ベルト部が連結された部分を装着者の頭部に接近するように本体シート部を変形させることで、装着者の側面側を効果的に被覆できる。
【0034】
本発明の第12の側面に係るフェイスシールドは、第一成形凸部を2個設けると共に、
前記第二成形凸部を両側に1個ずつ設けている。
【0035】
本発明の第13の側面に係るフェイスシールドは、成形凸部を、平面視において、本体シート部の中央側から側縁側に向かって突出高さが次第に低くなる形状に形成している。
【0036】
上記構成により、フェイスシールドを装着した際に、本体シート部の中央側は成形凸部と額を接触させて顔面との間に空間を形成する一方、本体シート部の両側部でベルト部が連結された部分においては装着者の頭部に接近するように本体シート部を変形させながらベルト部を連結できる。
【0037】
本発明の第14の側面に係るフェイスシールドは、本体シート部が、防曇材を含んでいる。
【0038】
上記構成により、本体シート部の表面を親水性として、装着者の吐く息などによる表面の曇りを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の実施形態1に係るフェイスシールドを示す一部拡大背面斜視図である。
図2図1に示すフェイスシールドを示す一部拡大正面斜視図である。
図3図2のフェイスシールドを湾曲させた状態を示す斜視図である。
図4図3のフェイスシールドを装着した状態を示す斜視図である。
図5図3のフェイスシールドを装着した状態を示す水平断面図である。
図6図2のフェイスシールドの正面図である。
図7図6のフェイスシールドの背面図である。
図8図6のフェイスシールドの右側面図である。
図9図6のフェイスシールドの平面図である。
図10図6のフェイスシールドの水平断面図である。
図11図10に示すフェイスシールドの模式水平断面図である。
図12図9のフェイスシールドの垂直断面図である。
図13図12に示すフェイスシールドの成形凸部の拡大断面図である。
図14】ベルト部の連結構造を示す拡大正面図である。
図15】1枚の樹脂シートから複数のフェイスシールドを成形する状態を示す概略平面図である。
図16】従来の医療用顔面保護具を示す側面図である。
図17】従来のフェイスシールドの他の一例を示す斜視図である。
図18図17に示すフェイスシールドの使用状態を示す斜視図である。
図19】従来のフェイスシールドの他の一例を示す展開図である。
図20図19に示すフェイスシールドの使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明のフェイスシールドの実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下のものに特定されない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一若しくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0041】
本発明のフェイスシールドは、装着者の顔面に装着して、顔面を外部の異物から保護するためのフェイスシールドであって、例えば、医療現場等において、医療従事者が患者から排出される飛沫や液体、血液等から顔面を保護する用途に使用される。ただ、本発明のフェイスシールドは、医療以外の目的、例えば、接客業等において、対面で応対する者同士における感染の防止や、工場等の種々の作業現場において、粉塵等の異物から顔面を保護する用途にも使用できる。
【0042】
[実施形態1]
本発明の実施形態1にかかるフェイスシールドを図1図14に示す。図1はフェイスシールドの一部拡大背面斜視図を、図2はフェイスシールドの一部拡大正面斜視図を、図3図2のフェイスシールドを湾曲させた状態を示す斜視図を、図4図3のフェイスシールドを装着した状態を示す斜視図を、図5図3のフェイスシールドを装着した状態を示す水平断面図を、図6図9はフェイスシールドの正面図、背面図、右側面図、及び平面図を、図10及び図11図6のフェイスシールドの水平断面図及び模式水平断面図を、図12及び図13図9のフェイスシールドの垂直断面図及び拡大断面図をそれぞれ示している。
【0043】
図1図13に示すフェイスシールド100は、可撓性を有する透明な樹脂製で、装着者の顔面Fを被覆する所定の大きさを有する本体シート部10と、本体シート部10の上部の両側に、左右に突出して設けられて、互いの先端部同士を連結可能としてなるベルト部11とを備えている。本体シート部10は、左右に突出するベルト部11同士の間であって、一方の面側に突出して、裏面側を空洞状の凹部13としてなる複数の成形凸部12を形成している。フェイスシールド10は、装着者が装着した際に、複数の成形凸部12の先端面12xが装着者の額Hに接触されて、ベルト部11が頭部Tに回されて互いの先端部同士が連結された状態で、本体シート部10が湾曲姿勢で顔面Fから離間して配置されるように構成している。
【0044】
(樹脂シート)
フェイスシールド100は、本体シート部10とベルト部11とを一体的に連結して製造している。フェイスシールド100は、可撓性を有する透明の樹脂シートであって、好ましくは1枚の樹脂シートで一体成形される。このように、本体シート部とベルト部とを1枚の樹脂シートで製造する構造は、製造工程を少なくして安価に多量生産できる特長がある。
【0045】
フェイスシールド100を形成する樹脂シートは、可撓性を有する透明の樹脂製シートであって、好ましくは、無色透明の樹脂シートである。このような樹脂として、例えば、熱可塑性樹脂である、ポリエチレンテレフタラート(PET)、とくに、非結晶ポリエチレンテレフタラート(A-PET)が使用される。ポリエチレンテレフタラート製のフェイスシールド100は、耐水性と生産性に優れる特長がある。ただ、フェイスシールド100を成形する樹脂には、ポリエチレンテレフタラート以外の熱可塑性樹脂を使用することもできる。さらに、フェイスシールド100を製造する樹脂は、防曇材を含むことができる。防曇材には、例えば、安全性の高いグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが使用できる。これらの防曇材を樹脂に練り込み、又は塗布することで、プラスチックの表面を親水性に変え、フェイスシールド100の表面、とくに本体シート部10の曇りを防止できる。このため、装着者が吐く息などによる表面の曇りを抑制できる。
【0046】
(本体シート部10)
本体シート部10は、所定の形状に湾曲された状態で、顔面全体を被覆できる大きさと形状としている。図1図2図6、及び図7に示す本体シート部10は、全体の形状を、四隅のコーナー部が面取りされた略長方形状としている。略長方形状の本体シート部10は、例えば、上下幅を20cm~50cm、好ましくは、25cm~40cmとし、左右幅を20cm~60cm、好ましくは、30cm~40cmとして、装着者の顔面全体を被覆できるようにしている。さらに、本体シート部10は、フェイスシールド100を顔面に装着する際に簡単に湾曲できるように所定の厚さに成形される。本体シート部10は、例えば、その厚さを0.1mm~0.4mm、好ましくは0.2mm~0.3mmとする。
【0047】
(ベルト部11)
本体シート部10は、上部の両側に、左右に突出するベルト部11を設けている。ベルト部11は、本体シート部10に一体的に連結して設けられる。左右に突出するベルト部11は、使用者の頭部に巻き付けた状態で連結できる十分な長さと幅を有する。ベルト部11は、例えば、幅を2cm~5cm、好ましくは3cm~4cmとし、本体シート部10から突出する突出量の全長(図1においてL1+L2)を30cm~40cmとする。図のベルト部11は、本体シート部10の一方の側縁に連結された第一ベルト部11Aと、本体シート部10の他方の側縁に連結された第二ベルト部11Bとを備えている。さらに、図1図2に示すベルト部11は、第一ベルト部11Aと第二ベルト部11Bのうち、いずれか一方を他方よりも長い長尺ベルト部15として、他方を短尺ベルト部16としている。
【0048】
図1図2、及び図6に示すフェイスシールド100は、本体シート部10の一方の側縁である第一側縁10aに設けたベルト部11を第一ベルト部11Aとし、本体シート部10の他方の側縁である第二側縁10bに設けたベルト部11を第二ベルト部11Bとすると共に、第一ベルト部11Aを長尺ベルト部15として、第二ベルト部11Bを短尺ベルト部16としている。図に示すベルト部は、長尺ベルト部15を短尺ベルト部16に対して十分に長く設計しており、長尺ベルト部15と短尺ベルト部16とを互いの先端部同士で連結する状態で、図及び図5に示すように、その連結位置24が、装着者の側頭部側に位置するようにしている。図1に示す長尺ベルト部15は、本体シート部10からの突出量となる全長L1を20cm以上であって、好ましくは25cm以上としている。また、図1に示す短尺ベルト部16は、本体シート部10からの突出量となる全長L2を10cm以下であって、例えば、4~6cmとしている。
【0049】
このように、一方のベルト部11を長尺ベルト部15として、他方のベルト部11を短尺ベルト部16とする構造は、本体シート部10から突出するベルト部11を片側に偏在して長く設けることができるので、収納時や運搬時における扱いを容易にできる。例えば、本体シート部10に対して片側に突出する長尺ベルト部15を折り返して本体シート部10に重ねることでコンパクトに折りたたみできる。とくに、本体シート部10とベルト部11とを1枚の樹脂シートで製造する構造においては、詳細には後述するが、本体シート部10から突出する一方のベルト部11を短くすることで、カットにより生じる廃棄処分される部分を少なくして製造コストを低減できる特長がある。
【0050】
さらに、ベルト部11は、第一ベルト部11Aと第二ベルト部11Bの先端部同士を互いに連結可能としている。図1ないし図5のベルト部11は、第一ベルト部11Aの先端部に複数のスリット21を設けると共に、第二ベルト部11Bの先端部には、スリット21に挿入可能な矢尻状の挿入部22を形成している。複数のスリット21は、図14に示すように、ベルト部11の長手方向に離して所定の間隔で設けられている。各スリット21は、短手方向に延長して設けられた直線部21aと、この直線部21aの両端に連結された傾斜部21bとからなる。両端の傾斜部21bは、直線部21aの両端からベルト部11の後端部側に向かってハの字状に広がる形状に設けられている。この形状のスリット21は、矢尻状の挿入部22をベルト部11の先端側から後端側に向かってスムーズに挿入できる特長がある。
【0051】
挿入部22は、先端部を山形とすると共に、後端部の両側には、外側方向に突出する引掛部22aを設けている。この形状の挿入部22は、対向するベルト部11の先端部に形成されたスリット21に挿入された状態で、両側の引掛部22aがスリット21の両端部に係止されて、抜けないように連結される。図14に示すスリット21は両端に傾斜部21bを備えており、この傾斜部21bに引掛部22aが案内されて、抜けないように係止される構造としている。この構造は、簡単な構造として、挿入部22を確実にスリット21に案内しながら、連結された状態では抜けない構造にできる。ただ、ベルト部の両端部は、その連結構造を以上の構造に特定しない。ベルト部の両端部は、互いに連結できる他の全ての構造が採用できる。
【0052】
図1ないし図5に示すベルト部11は、第一ベルト部11Aである長尺ベルト部15の先端部に複数のスリット21を設けて、第二ベルト部11Bである短尺ベルト部16の先端部に挿入部22を設けているが、ベルト部は、短尺ベルト部に複数のスリットを設けて、長尺ベルト部の先端部に挿入部を設けることもできる。
【0053】
さらに、図14に示すベルト部11は、第一ベルト部11Aに設けた各々のスリット21に対応して、挿入部22の連結位置を特定する印23を設けている。このような印23として、文字や数字、各種記号が採用できる。図14に示すベルト部11は、アルファベットからなる印23を設けている。これらの印23は、例えば、ベルト部11を成形する金型に設けた刻印により形成することができる。このように、各スリット21に対応して異なる印23を設けてなるベルト部11は、装着者が各自の頭部のサイズに最適な連結位置を、スリット21に設けた印23から経験的に学習することで、第一ベルト部11Aと第二ベルト部11Bを連結する際に、特定の印23を目印として常に最適な位置で連結できる。これにより、フェイスシールド100の装着にかかる時間を短縮しながら、常に最適な状態で装着できる。図に示すベルト部11は、複数のスリット21にアルファベットを対応させているが、各スリット21に設ける印23は、頭部周りの長さのサイズを50、52、54、56等の数字で表示することも、2L、L、M、S、2S等の汎用的な文字や記号を用いて表示することもできる。
【0054】
(成形凸部12)
本体シート部10は、上部の両側部に設けた一対のベルト部11の間に複数の成形凸部12を設けている。複数の成形凸部12は、本体シート部10の一方の表面から突出する姿勢で、左右方向に並んで形成されており、裏面側を空洞状の凹部13としている。図の本体シート部10は、平面状で所定の厚さを有する樹脂シートを真空成形して複数の成形凸部12を一体的に成形している。樹脂シートを真空成形して形成される成形凸部12は、裏面側に凹部13が形成される。
【0055】
複数の成形凸部12は、左右のベルト部11同士を結ぶ直線上に、互いに離間して形成されている。このように、複数の成形凸部12を左右のベルト部11の間に配置する構造は、ベルト部11を頭部Tに回して連結する状態で、ベルト部11の引っ張り力を、各成形凸部12の先端面12xが額Hを押圧する力として作用させることができ、複数の成形凸部12を安定して額Hに押圧できる特長がある。さらに、複数の成形凸部12を互いに離間して配置することで、フェイスシールド100を顔面Fに装着する際には、複数の成形凸部12の先端部を互いに接近させながら本体シート部10を湾曲させて、複数の成形凸部12の先端面12xを額Hにフィットさせることができる。
【0056】
さらに、複数の成形凸部12を互いに離間して設けることで、フェイスシールド100の装着時においては、図5に示すように、隣接する成形凸部12の間に空隙25を設けることができる。この空隙25は、使用時において通気隙間として通気性を高めることができる。このため、使用者が眼鏡を使用する際においても、眼鏡が曇る等の弊害を抑制できる。
【0057】
図1図13に示す成形凸部12は、シート状の本体シート部10に対して突出方向に向かって次第に幅が狭くなる先窄み形状に成形されている。成形凸部12は、図9に示す平面視において、突出方向に向かって次第に左右幅が狭くなる形状とすると共に、図8に示す側面視においても、突出方向に向かって次第に上下幅が狭くなる形状としている。この形状の成形凸部12は、真空成形時において、先窄み形状の傾斜面が金型の抜き勾配となって、金型からスムーズに剥離できる。また、成形凸部12を先窄み形状とすることで、裏面側に形成される凹部13の内面形状も凹部の底部に向かって先窄み形状に形成される。このため、製造された複数のフェイスシールド100を互いに積層する際には、成形凸部12を対向する凹部13に案内する状態で本体シート部10を重ねてコンパクトに収納できる。このように、互いに積層可能なフェイスシールド100は、多数を積層する状態で全体の厚さを薄くできるので、搬送時や保管時において、省スペースに収納できる特長がある。
【0058】
図に示す成形凸部12は、横断面形状を四角形状とする略角錐台形状としている。図に示す成形凸部12は、本体シート部10の基準面10Xに対して起立姿勢で形成された外周壁12a、12bと、外周壁12a、12bの先端に形成された先端面12xとを備えている。図に示す成形凸部12は、外周壁12a、12bの立ち上がり部を、成形凸部12の先端方向に向かって次第に急峻となる湾曲面18としている。この構造の成形凸部12は、外周壁12a、12bの立ち上がり部を湾曲面18とすることで、本体シート部10との境界部分においてエッジを設けることなく、本体シート部10から突出する成形凸部12と本体シート部10の基準面10Xとの境界部分を滑らかに傾斜する構造として、この部分に割れや亀裂が生じるの有効に防止できる。とくに、複数の成形凸部12を備える本体シート部10は、複数の成形凸部12の立ち上がり部において湾曲されることで本体シート全体を所定の形状に湾曲させるので、成形凸部12の立ち上がり部を補強することで、本体シート部10の損傷を有効に防止しながら安心して使用できる特長がある。
【0059】
さらに、図1及び図2に示す成形凸部12は、外周壁の一部をリブ形状に成形して補強している。図1及び図2において、本体シート部10の中央部に位置する成形凸部12は、図13の拡大断面図に示すように、上下に位置する外周壁12aに、成形凸部12の高さ方向に伸びる複数列の補強リブ17を形成している。図に示す成形凸部12は、外周壁12aの横断面形状を略波形とすることで、内側に突出する複数列の補強リブ17を形成している。この構造の成形凸部12は、高さ方向に対する強度を高めることができるので、成形凸部12の先端面12xを装着者の額Hに押圧する状態で、本体シート部10を安定して支持できる。図に示す成形凸部12は、上下の外周壁12aにのみ補強リブ17を設けて、左右の外周壁12bを平面状としている。ただ、成形凸部は、左右の外周壁にも補強リブを設けることができる。
【0060】
また、成形凸部12の先端面12xは、狭すぎると安定した装着が難しくなり、広すぎると圧迫感を感じるおそれがある。このため、先端面12xは上下幅を1~2cm、左右幅を2~4cm程度とする。さらにまた、先端面12xと外周面12a、12bとの境界部分は、面取りして湾曲面とすることで、装着者の接触部分に対する違和感を低減できる。
【0061】
複数の成形凸部12は、図1図5に示すように、本体シート部10の中間部に配置される第一成形凸部12Aと、本体シート部10の両側部に配置される第二成形凸部12Bとで構成している。図に示す本体シート部10は、全体で4個の成形凸部12を備えており、中間部に2個の第一成形凸部12Aを設けて、両側に1個ずつの第二成形凸部12Bを設けている。2つの第一成形凸部12Aは、本体シート部10の左右の中間部であって、左右対称の姿勢で設けている。第一成形凸部12Aをこの配列とする本体シート部10は、2つの第一成形凸部12Aを、図3及び図5に示すように、顔面Fの中心線を対称の軸として左右対称に配置することで、バランスよく装着できる。ただ、本体シート部は、第一成形凸部の個数を2個には限定せず、第一成形凸部を1個とすることも、3個以上とすることもできる。
【0062】
第一成形凸部12Aは、顔面Fの前面側に配置されて、本体シート部10を顔面から所定の距離離れた位置に配置する。このため、装着者が眼鏡やゴーグル等を着用する場合においても、眼鏡やゴーグルが本体シート部10に接触することなく、安心して使用できる。したがって、顔面Fの前面側に配置される第一成形凸部12Aは、顔面Fと本体シート部10との間隔を十分に保つことができるように、突出量を2cm以上であって、好ましくは2.5cm以上とする。また、第一成形凸部12Aは、突出量が大きくなると、本体シート部10を顔面に安定して装着するのが難しくなる虞があるので、突出量を5cm以下であって、好ましくは4.5cm以下とする。
【0063】
さらに、図に示す本体シート部10は、2つの第一成形凸部12Aの間において、本体シート部10から一段高く成形された段差部19を備えており、この段差部19の裏面側を段差凹部20としている。このように、2つの第一成形凸部12Aの間に段差部19を設ける構造は、この段差部19を湾曲抑制部として、2つの第一成形凸部12A間において湾曲される本体シート部10の湾曲を抑制する構造としている。とくに、図に示す本体シート部10は、中心線から左右に離れた位置に第一成形凸部12Aを形成しているので、これらの第一成形凸部12A間において本体シート部10の湾曲を抑制することで、本体シート部10の前面の中央部が極端に湾曲されるのを抑制して理想的な湾曲姿勢に湾曲できる特長がある。段差部19は、段差高さを大きくすることで湾曲を抑制する効果が大きくなるが、段差が大きすぎると、割れ等の破損が生じやすくなる。したがって、これらのことを考慮して段差部に段差高さは、好ましくは、0.3mmないし2mmとする。
【0064】
複数の第一成形凸部12Aは、同じ形状に形成しており、裏面側に形成される凹部13も同じ形状に形成されている。図1に示す第一成形凸部12Aは、平面視において、先端面12xが傾斜姿勢となる四角形状としている。ただ、第一成形凸部12Aは、等脚台形状に形成することもできる。とくに、奇数個の第一成形凸部を備える本体シート部においては、中心軸上に配置される第一成形凸部を等脚台形状に形成する。これにより、複数の第一成形凸部を左右にバランスよく配置しながら本体シート部を理想的に顔面から離間した位置に配置できる。
【0065】
第一成形凸部12Aの平面形状を四角形状とする本体シート部10は、左右の外周壁12bを傾斜面としている。図に示す第一成形凸部12Aは、内側に配置される外周壁12bを外側に配置される外周壁12bよりも高く成形しており、先端面12xを内側から外側に向かって次第に低くする傾斜面としている。以上の形状の第一成形凸部12Aを備える本体シート部10は、図5に示すように、本体シート部10を顔に沿って湾曲させる状態で、隣接する第一成形凸部12A同士が互いに干渉することなくスムーズに湾曲されて、各第一成形凸部12Aの先端面12xを額Hに接触させることができる。
【0066】
第二成形凸部12Bは、第一成形凸部12Aよりも平均的な突出高さを低く形成している。図1図5に示す第二成形凸部12Bは、平面視において、本体シート部10の中央側から側縁側に向かって突出高さが次第に低くなる形状に形成している。図に示す第二成形凸部12Bは、平面形状を略四角形状として、先端面12xを中央側から側縁側に向かって次第に低くなる傾斜面としている。以上のように、第二成形凸部12Bの突出高さを本体シート部10の側縁に向かって次第に低くする構造は、図5に示すように、本体シート部10を装着者の頭部に装着する状態で、頭部の前面側では、本体シート部10の中央部を顔面から所定の間隔に配置しながら、側頭部に近づくにつれて、本体シート部10を次第に頭部に接近するように配置でき、こめかみの近傍では、本体シート部10を頭部に接近させる姿勢で装着できる。これにより、装着者の両目の外側を確実に本体シート部10で被覆して保護できると共に、本体シート部10の両側部を頭部に接近させることで、ベルト部11の全長を短くできる。
【0067】
ただ、第二成形凸部は、平面形状を三角形状とすることもできる。三角形状の第二成形凸部は、例えば、中央側に配置される側面が本体シート部となす角度を、反対側である側縁側に配置される側面が本体シート部となす角度よりも大きい鋭角とする。この形状の第二成形凸部も、本体シート部を装着した際には、本体シート部の中央側では三角形状の第二成形凸部の頂点を額に接触させて空間を形成する一方、本体シート部の両側部においては、三角形状の第二成形凸部の頂点から側縁部に向かう傾斜面を先端面として額に接触させて、装着者の頭部に接近するように配置できる。
【0068】
以上の本体シート部10は、平面状の基準面10Xから突出する姿勢で複数の成形凸部12を設けているので、これらを積層して収納する際には、成形凸部12を対向する凹部13に案内しながら、平面状の本体シート部10を複数層に重ねる状態でコンパクトに収納できる。
【0069】
また、フェイスシールド100を顔面に装着する際には、平面状の本体シート部10を湾曲しながら装着する。平面状の本体シート部10は、複数の成形凸部12の先端面12xを装着者の額Hに接触させる状態で湾曲されて、全体の形状が、平面視において装着者の顔面の前面に沿う湾曲面となるように変形される。この形状に変形されることで、本体シート部10は、装着者の顔面を効率よく被覆して外部から保護できる。また、装着者の顔面Fに沿う湾曲面状に湾曲される本体シート部10は、所定の形状に湾曲されることで、使用時において安定して保形できる特長もある。
【0070】
ここで、図1図5に示す本体シート部10は、複数の成形凸部12を先窄み形状とするので、本体シート部10を湾曲させる状態では、隣接する成形凸部12同士の対向する側面同士が互いに接近する状態となってスムーズに湾曲される。また、本体シート部10は、隣接する複数の成形凸部12の先端面12xが、装着者の額Hに接触する状態で湾曲されるので、装着する装着者の顔面の大きさや形状に沿う状態で湾曲される。したがって、使用する装着者に最適な形状に湾曲されて、良好な装着状態に保持される。例えば、頭部の周囲が大きく、額部分が平面状に近い使用者(例えば、大柄な男性)においては、隣接する成形凸部12の先端面12xが平面に近い額の全面に密着することで、本体シート部10の湾曲形状は平面状に近くなる。この場合、使用者の顔面も大きくて平面状に近いため、効果的に被覆される。また、頭部の周囲が小さく、額部分が湾曲面に近い使用者(例えば、小柄な女性)においては、隣接する成形凸部12の先端面12xが湾曲面に近い額に沿って密着することで、本体シート部10の湾曲形状は円弧状に近くなる。この場合、使用者の顔面も小さく、頭部の外形も小さいため、本体シート部が円弧状に湾曲されることで、顔面全体が効果的に保護される。さらに、複数の成形凸部12を離間して設けることで、フェイスシールド100を装着する状態において、先端面12xが額Hに接触した複数の成形凸部12の間に通気隙間となる空隙25を形成して使用時における環境を良好にできる。
【0071】
以上のように、複数の成形凸部12を隣接して設けると共に、これらの成形凸部12の対向する側面を先細り形状の傾斜面とする構造は、本体シート部10を装着者の顔面に最適な形状に湾曲させながら無理なく装着できる特長が実現できる。
【0072】
以上のフェイスシールド100は、以下のようにして装着者の顔面に装着される。
(1)図3に示すように、複数の成形凸部12の先端面12xであって、とくに、第一成形凸部12Aの先端面12xが額Hに接触するように、本体シート部10を顔面Fに装着する。さらに、本体シート部10は、図5に示すように、複数の成形凸部12の先端部が互いに接近するように本体シート部10が湾曲される。本体シート部10は、複数の第一成形凸部12Aの先端面12xが額Hの前面に接触し、両側の第二成形凸部12Bの先端面12xが額Hの側部に接触する状態となるように、本体シート部10を湾曲させる。
(2)図4及び図5に示すように、左右のベルト部11の先端部同士を側頭部において連結する。ベルト部11は、頭部の周囲に沿って締め付ける状態で先端部同士を接近させると共に、最適な張力となる位置で連結する。左右のベルト部11は、一方の先端部に設けた挿入部22を、他方の先端部に設けたスリット21に挿入して連結される。
【0073】
さらに、フェイスシールド100は、以下のようにして装着者の顔面に装着することもできる。
(1)図14に示すように、左右のベルト部11の先端部同士を予め所定の位置で連結する。使用者は、自分の頭部のサイズに一致するスリット21の位置を覚えており、該当するスリット21の位置に挿入部22を挿入して、連結されたベルト部11の全長が所定の長さとなるようにセットする。図14に示すベルト部11は、挿入部22を「C」の印23が表示されたスリット21に挿入して連結する状態を示している。
(2)ベルト部11の先端部同士が互いに連結されて、本体シート部10とベルト部11とでリング状に形成されたフェイスシールド100を装着者の頭部に挿通して定位置にセットする。このとき、本体シート部10は、図4に示すように、複数の成形凸部12の先端面12xであって、とくに、第一成形凸部12Aの先端面12xが額Hに接触するように顔面Fに装着される。さらに、このとき、本体シート部10は、図5に示すように、複数の成形凸部12の先端部が互いに接近するように本体シート部10が湾曲される。本体シート部10は、複数の第一成形凸部12Aの先端面12xが額Hの前面に接触し、両側の第二成形凸部12Bの先端面12xが額Hの側部に接触する状態となるように、本体シート部10を湾曲させる。ベルト部11は、頭部の周囲に沿って締め付ける状態で先端部同士を接近させると共に、最適な張力となる位置で頭部Tに固定される。
【0074】
以上のようにして装着者の頭部に装着されるフェイスシールド100は、左右のベルト部11が装着者の頭部に引っ張られる状態で本体シート部10が締め付けられて、複数の成形凸部12の先端面12xが額Hに接触する状態で押圧する。ベルト部11による締め付け方向は、成形凸部12の先端面12xが額Hを押圧する方向と一致するため、本体シート部10は、成形凸部12の先端面12xを額Hに接触させる姿勢において安定して装着される。
【0075】
(フェイスシールドの製造工程)
以上のフェイスシールド100は、本体シート部10とベルト部11が1枚の樹脂シートから製造される。このように1枚の樹脂シートで製造される構造は、製造工程を少なくすることで、安価に多量生産できる特長がある。以上のように1枚の樹脂シートから製造されるフェイスシールド100は、図15に示すように、複数のフェイスシールド100を1つの金型で製造することができる。図15は、フェイスシールド10の本体シート部10と一方のベルト部11であって長さの長い長尺ベルト部15とが交互に配置されるように点対称の位置となるように配置して2つのフェイスシールド100を同時に成形する状態を示している。さらに、図15は、互いに点対称に配置された1対のフェイスシールド100を3組同時に成形する状態を示している。
【0076】
互いに点対称な位置に配置されるフェイスシールド100は、一方の本体シート部10の下端に、他方の長尺ベルト部15が隣接するように配置される。ここで、図に示すフェイスシールド100は、本体シート部10の一方の側縁であって、長尺ベルト部15を設けた第一側縁10aと、長尺ベルト部15の下側側縁15aとの境界部分に第一湾曲部31を形成すると共に、本体シート部10の第一側縁10aと本体シート部10の下端縁10cとの境界部分に第二湾曲部32を形成しており、本体シート部10の正面視において、第一湾曲部31に形成される第一湾曲ライン33と第二湾曲部32に形成される第二湾曲ライン34が、第一側縁10aの中間点Pを対称の中心とする点対称な形状をなすように構成している。
【0077】
本体シート部10と長尺ベルト部15とを以上の形状とするフェイスシールド100は、図15に示すように、1枚の樹脂シート50から複数のフェイスシールド100を成形する際に、各々のフェイスシールド100を構成する本体シート部10と長尺ベルト部15の配置が互いに点対称な位置となるように配置しながら成形することで、樹脂シートのカット時に発生するロスを低減しながら効率よく製造できる。とくに、本体シート部10の第一側縁10aと長尺ベルト部15の下側側縁15aとの境界部分に形成された第一湾曲部31の第一湾曲ライン33と、本体シート部10の第一側縁10aと本体シート部10の下端縁10cとの境界部分に形成された第二湾曲部32の第二湾曲ライン34とを、第一側縁10aの中間点Pを対称の中心とする点対称な配置とすることで、互いに隣り合って成形されるフェイスシールド100同士のうち、一方のフェイスシールド100における、本体シート部10の下端縁10c→第二湾曲部32→第一側縁10a→第一湾曲部31→長尺ベルト部15の下側側縁15aと伸びる切断ラインを、他方のフェイスシールド100における、長尺ベルト部15の下側側縁15a→第一湾曲部31→第一側縁10a→第二湾曲部32→本体シート部10の下端縁10cと伸びる切断ラインとを一致させることができ、1回の切断により、同じ形状のフェイスシールド100を効率よく製造できる。これにより、一度の型抜きでこれらの境界部分を同時に切断でき、切断にかかる時間を短縮して効率よく多量生産できる。
【0078】
以上のフェイスシールド100は、1枚の樹脂シートから本体シート部10とベルト部11とを一体成形している。このフェイスシールド100は、製造工程を簡単にして安価に多量生産できる。ただ、フェイスシールドは、ベルト部を、本体シート部と別部材として成形し、別部材として成形されたベルト部を溶着や接着等の方法で接合して本体シート部に連結することもできる。この場合においても、ベルト部は可撓性を有する樹脂シートで成形されるが、ベルト部を成形する樹脂シートは、本体シート部と異なる樹脂製とすることもできる。例えば、本体シート部と別部材として成形されるベルト部11は、必ずしも透明である必要はなく、また防曇性も要求されない。したがって、本体シート部10に使用する樹脂よりも安価な樹脂を使用してもよい。さらに、ベルト部は、本体シート部と異なる厚さとすることもできる。
【符号の説明】
【0079】
100…フェイスシールド
10…本体シート部
10X…基準面
10a…第一側縁
10b…第二側縁
10c…下端縁
11…ベルト部
11A…第一ベルト部
11B…第二ベルト部
12…成形凸部
12A…第一成形凸部
12B…第二成形凸部
12x…先端面
12a…外周壁
12b…外周壁
13…凹部
15…長尺ベルト部
15a…下側側縁
16…短尺ベルト部
17…補強リブ
18…湾曲面
19…段差部
20…段差凹部
21…スリット
21a…直線部
21b…傾斜部
22…挿入部
22a…引掛部
23…印
24…連結位置
25…隙間
31…第一湾曲部
32…第二湾曲部
33…第一湾曲ライン
34…第二湾曲ライン
50…樹脂シート
70…フェイスシールド
71…フェイスガード部
72…ベルト部
71…フェイスガード部
72…ベルト部
73…額バンド
73a…位置決め孔
74…連結片
74a…連結孔
80…フェイスシールド
81…フェイスガード部
82…ベルト部
83…スペーサー
91…平板フィルム
92…固定部材
93…スペーサー部
F…顔面
H…額
T…頭部
図1
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