(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125783
(43)【公開日】2022-08-29
(54)【発明の名称】ピロー包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20220822BHJP
B65D 77/20 20060101ALI20220822BHJP
A47K 7/00 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
B65D83/08 B
B65D77/20 F
B65D77/20 T
A47K7/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023565
(22)【出願日】2021-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】391027424
【氏名又は名称】株式会社フクヨー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】福田 昭人
(72)【発明者】
【氏名】山路 誠記
(72)【発明者】
【氏名】伊東 哲也
【テーマコード(参考)】
3E014
3E067
【Fターム(参考)】
3E014LB02
3E067AA12
3E067AB75
3E067AB77
3E067AB99
3E067AC04
3E067AC14
3E067BA12A
3E067BB12A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BB25A
3E067BC07A
3E067CA04
3E067CA07
3E067CA16
3E067CA24
3E067EA06
3E067EA17
3E067EB03
3E067EB11
3E067EB17
3E067EB29
3E067EE02
3E067EE59
3E067FA01
3E067FB07
3E067FC01
3E067GD07
3E067GD08
(57)【要約】
【課題】湿潤シート体を取り出すための袋体の開口を大きくすることができる。
【解決手段】ピロー包装体1は、複数枚のウェットティッシュAが積層されてなるシート積層体100と、シート積層体100を収納すると共にウェットティッシュAを取り出すための取出し口8が上面フィルム4に形成された袋体3と、袋体3の上面フィルム4に貼り付けられて取出し口8を覆う封止ラベル9と、を備える。封止ラベル9は、取出し口8に重なる位置に設けられた摘み片11を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の湿潤シート体が積層されてなるシート積層体と、
前記シート積層体を収納すると共に前記湿潤シート体を取り出すための取出し口が上面フィルムに形成された袋体と、
前記袋体の前記上面フィルムに貼り付けられて前記取出し口を覆う封止ラベルと、
を備え、
前記封止ラベルは、前記取出し口に重なる位置に設けられた摘み片を含む、ピロー包装体。
【請求項2】
前記摘み片は、前記封止ラベルに設けられた切込みラインの少なくとも一部によって形成されている、請求項1に記載のピロー包装体。
【請求項3】
前記上面フィルムに取り付けられて、前記取出し口を露出可能な開口を有するキャップを更に備え、
前記封止ラベルは、前記開口の範囲内に配置されている、請求項1又は2に記載のピロー包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットティッシュ又はフェイスマスク等の湿潤シート体が包装されてなるピロー包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示されるように、フィルム材料からなる袋体にウェットティッシュを収容し、取出開口を介してウェットティッシュを取り出せるように構成された包装体が知られている。この包装体では、取出開口を開閉するリシールラベルが、取出開口を覆って貼着されている。この他にも、特許文献2~4に記載されるように、袋体の開口を覆うラベルが袋体に貼着された、種々の構造・包装体が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-182253号公報
【特許文献2】特開2009-249031号公報
【特許文献3】特開2010-228797号公報
【特許文献4】特開平11-310281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の技術では、袋体の上面に貼着されたラベルには、ラベルを開封するための摘み部が設けられる(例えば特許文献1に記載の開封ツマミ23)。摘み部は、ラベルの端部(短辺部等)又は縁部から突出するように設けられる。摘み部の裏面には、接着剤が塗布されていないか、又は塗布された接着剤の接着力が抑制されている。
【0005】
ところが、ラベルは、摘み部を含む所定の面積をもつ一方で、摘み部は、取出し用の開口よりも外側、即ち袋体の上面(開口していない領域)に重なる位置に設けられる。このことは、ラベルのうち摘み部を除いた部分の面積の範囲内に開口が収まるように、ラベル及び開口を構成せねばならないことを意味する。従来の構造では、ラベルの面積の制約を受けた結果、袋体の上面における開口を十分に大きくとることが難しかった。
【0006】
本発明は、湿潤シート体を取り出すための袋体の開口を大きくすることができるピロー包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のピロー包装体は、複数枚の湿潤シート体が積層されてなるシート積層体と、シート積層体を収納すると共に湿潤シート体を取り出すための取出し口が上面フィルムに形成された袋体と、袋体の上面フィルムに貼り付けられて取出し口を覆う封止ラベルと、を備える。封止ラベルは、取出し口に重なる位置に設けられた摘み片を含む。
【0008】
このピロー包装体によれば、封止ラベルは、使用者が摘み片を指でつまんで持ち上げることで、上面フィルムから剥がされ、開封される。封止ラベルが開封された後、上面フィルムに形成された取出し口を通じて湿潤シート体が取り出される。摘み片は取出し口に重なる位置に設けられているので、摘み片は、取出し口の範囲内に配置され得る。よって、摘み片が、取出し口を覆う封止ラベルの面積(すなわち取出し口を覆う面積)に関して制約を及ぼすことがない。その結果、湿潤シート体を取り出すための取出し口を十分に大きくすることができる。
【0009】
摘み片は、封止ラベルに設けられた切込みラインの少なくとも一部によって形成されていてもよい。この構成によれば、摘み片を含む封止ラベルを容易に作製し得る。封止ラベルを単純な形状(例えば、略矩形の形状又は楕円状等)とすることができ、その中央部付近に切込みラインを形成するだけで、摘み片を形成することができる。
【0010】
ピロー包装体は、上面フィルムに取り付けられて、取出し口を露出可能な開口を有するキャップを更に備え、封止ラベルは、開口の範囲内に配置されていてもよい。この構成によれば、キャップの開口の範囲内において、取出し口をできるだけ大きく確保することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ウェットティッシュAを取り出すための取出し口8を十分に大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係るピロー包装体を示す斜視図である。
【
図2】キャップの開口と封止ラベルと取出し口との位置関係を示す平面図である。
【
図3】ピロー包装体の封止ラベルを開封した状態を示す斜視図である。
【
図4】参考形態に係るピロー包装体の封止ラベルを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1に示されるように、一実施形態に係るピロー包装体1は、複数枚のウェットティッシュ(湿潤シート状体)Aが折り畳まれた状態で積層されてなるシート積層体100を収納した容器である。ピロー包装体1は、シート積層体100と、シート積層体100を収納する袋体3とを備える。
【0015】
ウェットティッシュAは、例えば不織布等からなる矩形のシートであり、水、又は所定の組成を有する液剤により湿潤されている。ウェットティッシュAは、取出し口8から1枚ずつ取り出して使用され得るよう、折り畳まれた状態で、シート積層体100の厚み方向(袋体3の上面フィルム4に直交する方向)に積層されている。シート積層体100は公知の方法により製造され得る。
【0016】
袋体3は、例えばプラスチックフィルム製である。袋体3は、例えば、薄いフィルムから形成されているため、安定した定形性を有しない。袋体3は変形自在である。袋体3は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はナイロン等からなる。袋体3は、PP、PE、PET、ナイロン等からなる単層構造であってもよく、PET/PPまたはPEからなる2層または3層構造であってもよい。袋体3は、ウェットティッシュAに含浸された水分又は液剤の成分を袋体3の内部に保持できるよう、気密性及び液密性(封止性、又は密閉性)を有する。
【0017】
袋体3は、透明であってもよく、不透明であってもよい。
図1に示される例では、袋体3が透明であるため、内部のシート積層体100が見えている。当然ながら、袋体3が不透明である場合には、内部のシート積層体100は、外部からは取出し口8を通じてのみ見ることができる。
【0018】
袋体3は、その上面に配置された上面フィルム4を含む。この上面フィルム4には、ウェットティッシュAを取り出すための略矩形(四角形)の取出し口8が形成されている。取出し口8は、ウェットティッシュAの取出しのために十分な大きさを有する。取出し口8は、例えば、上面フィルム4の中央部に形成されている。
【0019】
ピロー包装体1は、袋体3の上面フィルム4に貼り付けられて取出し口8を覆うプラスチックフィルム製の封止ラベル9を備える。封止ラベル9は、例えば、略矩形状を呈する。封止ラベル9は、取出し口8よりも大きい面積を有し、取出し口8の全体を覆う。封止ラベル9は、取出し口8を覆った上で、上面フィルム4の表面4aに貼り付けられている。封止ラベル9の構成は、公知の構成を採り得る。封止ラベル9の構成は、公知の構成(例えば、PET、PP、PEからなる単層、PET/PPまたはPEからなる2層または3層)であってもよい。封止ラベル9の形状についても、密閉性を保てる形状であればどのような形状であってもよい。
【0020】
ピロー包装体1は、更に、上面フィルム4に取り付けられた樹脂製のキャップ5を備える。キャップ5は、上面フィルム4に接着等によって固定された略矩形状のベース部6と、ベース部6に対して回動可能に連結され、ベース部6を開閉可能な蓋部7とを有する。キャップ5の材質は特に限定されない。キャップ5は、定形性を有しており、上面フィルム4に取り付けられることで、上面フィルム4の形状を保持している。ウェットティッシュAが取り出される際、上面フィルム4がシワを生じたり波打ったりすることが防止されている。
【0021】
ベース部6は、例えば上面フィルム4の中央に配置された矩形状の平板部6bと、平板部6bの周縁に形成されたリブである周縁部6aと、平板部6bの中央部に形成された略矩形状の開口6cとを含む。枠状の平板部6bは、上面フィルム4の表面4aの一部を覆う。開口6c内には、上面フィルム4の露出部4cが配置されており、露出部4cが開口6cから露出する。上記の封止ラベル9は、上面フィルム4の露出部4cに貼り付けられている。開口6cの内部に、上記した封止ラベル9及び取出し口8が配置される(
図2も参照)。すなわち、封止ラベル9は、開口6cの範囲内に配置されている。上記の構成により、開口6cは、取出し口8を露出可能である。
【0022】
蓋部7は、平板部6bに対応する大きさ及び形状を有しており、長辺部に設けられた取っ手部7aと、開口6cに嵌り込む封止凸部7bとを含む。ベース部6には、周縁部6aの一部にリブが形成されない不連続部が設けられており、その不連続部に係止部6eが形成されている。取っ手部7aの裏面側に設けられた爪部等(図示せず)が係止部6eに係合することで、蓋部7の閉止状態(袋体3の密閉状態)が維持される。使用者は、取っ手部7aを指で引っ張り上げることで、蓋部7を容易に開け、開口6c及び封止ラベル9(封止ラベル9が開封されている場合は取出し口8も)を露出させることができる。
【0023】
キャップ5は、袋体3の上面フィルム4の形状を保持する。キャップ5は、袋体3内の気密性を保持するように構成されてもよいが、気密性を保持できない構造であってもよい。通常、連続取り出しされるタイプ(ポップアップタイプ)のピロー包装体1では、ウェットティッシュAを1枚取り出すと、2枚目のウェットティッシュAの一部が取出し口8から突出する。キャップ5が袋体3内の気密性を保持することができる場合、例えば、非使用時に封止ラベル9で袋体3を封止する必要がなく、蓋部7を閉じるだけで済む。よって、封止ラベル9を再度貼るときのようにウェットティッシュAの突出部分を袋体3の内部にしまい込む必要がなく、利便性が高い。
【0024】
以下、
図1~
図3を参照して、封止ラベル9の詳細構成について説明する。
図1及び
図2に示されるように、封止ラベル9は、封止ラベル9を開封する際に使用者によってつままれる摘み片11を含んでいる。摘み片11は、例えば、封止ラベル9の略中央に設けられている。
図2に示されるように、封止ラベル9のラベル裏面9b(
図3参照)には、接着剤が塗布された接着領域12が設けられている。ラベル裏面9bの大部分が接着領域12になっていてもよいが、接着領域12の中央には、摘み片11に対応する位置に、例えば矩形の糊殺し領域13が設けられている。糊殺し領域13は、U字状の外形を有する摘み片11の全部又は一部にわたって形成されている。糊殺し領域13により、使用者は、摘み片11を指でつまんで封止ラベル9を持ち上げ、上面フィルム4から封止ラベル9を剥離させ、取出し口8を露出させることができる。封止ラベル9に設けられた接着領域12により、袋体3の上面フィルム4に対して封止ラベル9が繰り返し剥離・接着可能となっていてもよい。接着領域12は、上面フィルム4の表面4aに対して封止ラベル9を何度でも貼ったり剥がしたりすることを可能としてもよい。
【0025】
摘み片11は、封止ラベル9に設けられた切込みライン10の一部によって形成されている。切込みライン10は、ひと続きの(一本の)切込み線から構成される。切込みライン10は、封止ラベル9の略中央部に形成されたU字部10aと、U字部10aに連続する折返し部10bと、折返し部10bに連続する末端部10cとを含む。U字部10aは、その平行な2辺が封止ラベル9の長辺と平行になるように配置される。U字部10aの平行な2辺と半円状部分(円弧状部分)とによって、摘み片11が形成される。折返し部10bは、例えば、U字部10aよりも小さな(半径の小さな)U字状を描いている。末端部10cは、例えば、中心角が180度以上、望ましくは270度以上の円弧の一部の形状を有する。切込みライン10は、U字部10aの折返し部10bとは反対側に位置する第1端10eと、末端部10cの折返し部10bとは反対側に位置する第2端10fとを含む。切込みライン10の全体は、封止ラベル9の内部に形成されており、封止ラベル9の端縁には達していない。第1端10eと封止ラベル9の短辺部、折返し部10bと封止ラベル9の短辺部、及び、第2端10fと封止ラベル9の短辺部との間には、所定の距離が残されている。この距離に相当する封止ラベル9の部分は、摘み片11を持ち上げた際に、破断することがないように構成されている。
【0026】
なお、封止ラベル9には、U字部10aの半円状部分(円弧状部分)に接続されて、半円状部分の外周側に延びる補助直線部10dが形成されていてもよい。U字部10a及び補助直線部10dの裏面側に糊殺し領域13が設けられている。使用者が、U字部10aと補助直線部10dの接続部分(又はその付近)に指を押し当てることで、摘み片11をつまみ易くなっている。
【0027】
切込みライン10は、封止ラベル9を厚み方向に貫通するように形成されてもよい。若しくは、切込みライン10は、U字部10aのみが厚み方向に貫通していてもよい。U字部10a以外の部分は、容易に破断される程度に形成されていてもよい。具体的には、U字部10a以外の部分では、切込みが厚み方向の途中まで形成されていてもよい。U字部10a以外の部分が、ミシン目状に形成されてもよい。「封止ラベル9を厚み方向に貫通する」とは、切込みが、ラベル表面9aからラベル裏面9bに達することを意味する。「切込みが厚み方向の途中まで形成」されるとは、切込みが、ラベル表面9aから厚みの途中まで形成されてラベル裏面9bに達していないこと、又は、ラベル裏面9bから厚みの途中まで形成されてラベル表面9aに達していないことを意味する。
【0028】
図3に示されるように、ラベル裏面9bには、取出し口8に対応する大きさの抜きフィルム片14が接着領域12を介して貼り付いている。この抜きフィルム片14は、最初に封止ラベル9が剥がされる前の時点で、上面フィルム4の一部を構成する。抜きフィルム片14は、例えば、大ロールによって形成される。抜きフィルム片14と上面フィルム4との境界線は、上面フィルム4の厚み方向の途中まで形成された切込みラインとして形成される。当該切込みラインは、表面4aから厚みの途中まで形成されて裏面4bに達しないように、又は、裏面4bから厚みの途中まで形成されて表面4aに達しないように形成される。抜きフィルム片14は、封止ラベル9の最初の開封時までは、袋体3内の気密性を保持する。封止ラベル9が最初に開封される際、上記境界線の部分が破断し、抜きフィルム片14は封止ラベル9のラベル裏面9bと一体になって、上面フィルム4から抜き取られる。その後、抜きフィルム片14は常にラベル裏面9bに貼り付いた状態となる。抜きフィルム片14は、切込みライン10の全体(ラベル貫通領域R)を覆っている。接着領域12は抜きフィルム片14よりも大きい領域に設けられているので、抜きフィルム片14からはみ出した接着領域12の周縁部が、封止ラベル9を露出部4cに貼り付かせる。
【0029】
本実施形態のピロー包装体1によれば、封止ラベル9は、使用者が摘み片11を指でつまんで持ち上げることで、上面フィルムから剥がされ、開封される。封止ラベル9が開封された後、上面フィルム4に形成された取出し口8を通じてウェットティッシュAが取り出される。摘み片11は取出し口8に重なる位置に設けられているので、摘み片11は、取出し口8の範囲内に配置され得る。よって、摘み片11が、取出し口8を覆う封止ラベル9の面積(すなわち取出し口を覆う面積)に関して制約を及ぼすことがない。その結果、ウェットティッシュAを取り出すための取出し口8を十分に大きくすることができる。別の観点からピロー包装体1の利点を説明すると、袋体3の上面フィルム4の面積(サイズ)が決められており、上面フィルム4に取出し口8が形成されたピロー包装体1に対して、取出し口8を広く設けることができる。
【0030】
例えば、
図4に示されるような、封止ラベル90と、取出し口80とを備える構造では、摘み片110は、封止ラベル90の端部(短辺部)に設けられている。接着領域120は封止ラベル90の裏面に設けられ、摘み片110の裏面は糊殺し領域130とされている。このような構造では、取出し口80の大きさを十分確保できないことが問題であった。本実施形態の封止ラベル9によれば、そのような問題が解決されている。
【0031】
摘み片11は、封止ラベル9に設けられた切込みライン10の少なくとも一部によって形成されている。この構成によれば、摘み片11を含む封止ラベル9を容易に作製し得る。封止ラベル9を単純な形状(略矩形の形状、或いは楕円状等)とすることができ、その中央部付近に切込みライン10を形成するだけで、摘み片11を形成することができる。
【0032】
ピロー包装体1は、上面フィルム4に取り付けられて、取出し口8を露出可能な開口6cを有するキャップ5を更に備える。封止ラベル9は、開口6cの範囲内に配置されている。この構成によれば、キャップ5の開口6cの範囲内において、取出し口8をできるだけ大きく確保することができる。
【0033】
また、抜きフィルム片14がラベル裏面9bに貼り付いており、切込みライン10の全体を覆っているため、封止ラベル9を閉じた際に、切込みライン10を通じて内部の水分等が揮発しにくくなっている。
【0034】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。たとえば、ピロー包装体1は、紙製またはプラスチック製の直方体状(矩形状)の箱体を備えてもよい。シート積層体100を収納する袋体3が、箱体に更に収納された状態で使用されてもよい。その場合、箱体の上面部には、湿潤シート体を取り出すための略矩形(四角形)の上面開口が形成され、上面開口から、封止ラベル9及び取出し口8が露出される。
【0035】
キャップ5が省略されてもよい。キャップ5を備えないピロー包装体においては、封止ラベル9は、繰り返し開閉可能であることが望ましい。また、キャップ5が省略される場合に、上面フィルム4に対して、定形性を有する薄板状の支持体が添設されてもよい。支持体は、上面フィルム4の表面4aに取り付けられてもよく、裏面4bに取り付けられてもよい。
【0036】
摘み片11が、切込みライン10によって形成される構成に限られない。1枚のシート状の封止ラベル9上に、別部材からなる摘み片11が固着された構成であってもよい。摘み片11は、例えば、封止ラベル9の中央部において、ラベル表面9aに固着される。
【0037】
湿潤シート体は、ウェットティッシュAに限られない。湿潤シート体は、フェイスマスク、乳児用のお尻拭きを含む衛生用品、又は他のあらゆる種類の湿潤状態にあるシート状体であってもよい。
【0038】
袋体3は、アルミニウムフィルム製等の軽量な金属フィルム製であってもよい。封止ラベル9も、アルミニウムフィルム製等の軽量な金属フィルム製であってもよい。
【0039】
封止ラベル9が、使用開始時に完全に取り外されてもよい。キャップ5が袋体3内の気密性を保持するように構成されている場合、使用開始時に、封止ラベル9が完全に剥がされて取り去られてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…ピロー包装体、3…袋体、4…上面フィルム、5…キャップ、6…ベース部、6c…開口、7…蓋部、8…取出し口、9…封止ラベル、10…切込みライン、10a…U字部、11…摘み片、12…接着領域、13…糊殺し領域、14…抜きフィルム片、100…シート積層体、A…ウェットティッシュ(湿潤シート体)、R…ラベル貫通領域。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
複数枚の湿潤シート体が積層されてなるシート積層体と、
前記シート積層体を収納すると共に前記湿潤シート体を取り出すための取出し口が上面フィルムに形成された袋体と、
前記袋体の前記上面フィルムに貼り付けられて前記取出し口を覆う封止ラベルと、
を備え、
前記封止ラベルは、前記取出し口の範囲内の位置に設けられた摘み片を含む、ピロー包装体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明のピロー包装体は、複数枚の湿潤シート体が積層されてなるシート積層体と、シート積層体を収納すると共に湿潤シート体を取り出すための取出し口が上面フィルムに形成された袋体と、袋体の上面フィルムに貼り付けられて取出し口を覆う封止ラベルと、を備える。封止ラベルは、取出し口の範囲内の位置に設けられた摘み片を含む。