(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125889
(43)【公開日】2022-08-29
(54)【発明の名称】制振材
(51)【国際特許分類】
B32B 27/32 20060101AFI20220822BHJP
B32B 5/18 20060101ALI20220822BHJP
F16F 15/02 20060101ALI20220822BHJP
E04B 1/82 20060101ALI20220822BHJP
E04B 1/86 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
B32B27/32 Z
B32B5/18
F16F15/02 Q
E04B1/82 H
E04B1/86 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023718
(22)【出願日】2021-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】特許業務法人SSINPAT
(72)【発明者】
【氏名】小助川 陽太
(72)【発明者】
【氏名】中島 友則
【テーマコード(参考)】
2E001
3J048
4F100
【Fターム(参考)】
2E001DF07
2E001GA12
2E001HA33
2E001HB02
2E001HB03
2E001HB04
2E001HD01
2E001HD08
3J048BD02
3J048BD04
3J048BD07
3J048EA07
3J048EA36
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3J048EA38
4F100AB01B
4F100AB10B
4F100AG00B
4F100AK01B
4F100AK03A
4F100AK07A
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4F100DG11B
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4F100GB07
4F100GB31
4F100GB41
4F100JH02
4F100JK07A
4F100YY00A
(57)【要約】
【課題】制振性に優れ、かつ凹凸を有するかまたは曲面である表面への追従性に優れた制振材を提供すること。
【解決手段】樹脂層(1)と、前記樹脂層(1)に積層された拘束層(2)とを備え、前記樹脂層(1)が、オレフィン系重合体(A)の発泡体からなり、前記発泡体が、動的粘弾性測定により求められる損失正接tanδのピークを0℃以上40℃以下の温度範囲に1つ以上有する、制振材。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂層(1)と、前記樹脂層(1)に積層された拘束層(2)とを備え、
前記樹脂層(1)が、オレフィン系重合体(A)の発泡体からなり、
前記発泡体が、動的粘弾性測定により求められる損失正接tanδのピークを0℃以上40℃以下の温度範囲に1つ以上有する、制振材。
【請求項2】
前記樹脂層(1)の厚さが0.1mm以上10mm以下である請求項1に記載の制振材。
【請求項3】
前記拘束層(2)の厚さが0.06mm以上12mm以下である請求項1または2に記載の制振材。
【請求項4】
前記オレフィン系重合体(A)が、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(i)の含有割合が16~95モル%であり、4-メチル-1-ペンテンを除く炭素数2~20のα-オレフィンから導かれる構成単位(ii)の含有割合が5~84モル%であり、非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)の含有割合が0~10モル%(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の含有割合の合計を100モル%とする)である共重合体(A-1)である、請求項1~3のいずれか一項に記載の制振材。
【請求項5】
前記炭素数2~20のα-オレフィンがプロピレンである請求項4に記載の制振材。
【請求項6】
前記拘束層(2)が金属板、金属メッシュ、樹脂層、繊維強化樹脂層、およびガラスクロスから選ばれる、請求項1~5のいずれか一項に記載の制振材。
【請求項7】
前記拘束層(2)がアルミニウム板である請求項6に記載の制振材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制振材に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車、船舶、鉄道車両、航空機、家庭電化機器、OA機器、AV機器、事務機器、建築・住宅設備、工作機械、産業機械などの分野に用いられる部品および筐体には、その運転時に振動や騒音を生じやすく、振動および騒音の発生を抑制すべく制振性が要求される。前述の部品および筐体の制振性を向上させるために、部品および筐体に制振材を貼付することが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、塩素化ポリエチレンを含む制振樹脂組成物からなる制振樹脂層を有する制振材が記載されている。また、特許文献2、3には、ブチルゴムを含む制振層を備える制振シートが記載されている。さらに、特許文献4には、樹脂層にエポキシ樹脂系発泡体が使用された、鋼板の制振に用いることのできる貼着シートが記載されている。
【0004】
一方、特許文献5には、4-メチル-1-ペンテン系重合体によって構成された発泡体であって、動的粘弾性測定により求められる損失正接(tanδ)の極大値を示す温度、およびその最大値が特定された発泡体と、前記発泡体に接合されており、かつ前記発泡体とは異なる部材とを備える複合体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-125150号公報
【特許文献2】特開平09-136998号公報
【特許文献3】特開2013-181155号公報
【特許文献4】特開2005-53014号公報
【特許文献5】国際公開第2018/143411号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
樹脂層に金属箔等の拘束層が積層された従来の拘束型制振材は、制振対象となる部材の凹凸を有するかまたは曲面である表面に貼付して使用する場合に、表面への追従性の観点から改善の余地があった。
本発明は、制振性に優れ、かつ凹凸を有するかまたは曲面である表面への追従性に優れた制振材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは前記課題を解決すべく検討した結果、以下に記載の制振材により前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の[1]~[7]に関する。
【0008】
[1]
樹脂層(1)と、前記樹脂層(1)に積層された拘束層(2)とを備え、
前記樹脂層(1)が、オレフィン系重合体(A)の発泡体からなり、
前記発泡体が、動的粘弾性測定により求められる損失正接tanδのピークを0℃以上40℃以下の温度範囲に1つ以上有する、制振材。
[2]
前記樹脂層(1)の厚さが0.1mm以上10mm以下である前記[1]の制振材。
[3]
前記拘束層(2)の厚さが0.06mm以上12mm以下である前記[1]または[2]の制振材。
[4]
前記オレフィン系重合体(A)が、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(i)の含有割合が16~95モル%であり、4-メチル-1-ペンテンを除く炭素数2~20のα-オレフィンから導かれる構成単位(ii)の含有割合が5~84モル%であり、非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)の含有割合が0~10モル%(ただし、構成単位(i)、(ii)および(iii)の含有割合の合計を100モル%とする)である共重合体(A-1)である、前記[1]~[3]のいずれかの制振材。
[5]
前記炭素数2~20のα-オレフィンがプロピレンである前記[4]の制振材。
[6]
前記拘束層(2)が金属板、金属メッシュ、樹脂層、繊維強化樹脂層、およびガラスクロスから選ばれる、前記[1]~[5]のいずれかの制振材。
[7]
前記拘束層(2)がアルミニウム板である前記[6]の制振材。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、制振性に優れ、かつ凹凸を有するかまたは曲面である表面への追従性に優れた制振材が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の制振材は、
樹脂層(1)と、前記樹脂層(1)に積層された拘束層(2)とを備え、
前記樹脂層(1)が、オレフィン系重合体(A)の発泡体からなり、
前記発泡体が、動的粘弾性測定により求められる損失正接tanδのピークを0℃以上40℃以下の温度範囲に1つ以上有する
ことを特徴としている。
【0011】
[樹脂層(1)]
樹脂層(1)は、動的粘弾性測定により求められる損失正接tanδのピークを0℃以上40℃以下の温度範囲に1つ以上有する、オレフィン系重合体(A)の発泡体からなる。
【0012】
<オレフィン系重合体(A)の発泡体>
オレフィン系重合体(A)の発泡体は、室温程度を中心として高い制振効果を得るという観点から、動的粘弾性測定により求められた損失正接tanδのピークを0℃以上40℃以下の温度範囲に1つ以上有する。得られる制振材の制振性をより高める観点から、前記発泡体は、上記tanδのピークを10℃以上40℃の温度範囲に1つ以上有することが好ましい。
【0013】
損失正接tanδについて説明する。オレフィン系重合体(A)の発泡体からなる試料について、雰囲気温度を連続的に変化させながら動的粘弾性測定を行い、貯蔵弾性率(G')、損失弾性率(G")を測定し、G"/G'で与えられる損失正接tanδを求める。温度と損失正接tanδとの関係をみると、損失正接tanδは一般に特定の温度においてピークを有する。そのピークが現れる温度は一般にガラス転移温度(以下「tanδ-Tg」ともいう)と呼ばれる。損失正接tanδのピークが現れる温度は、実施例において記した動的粘弾性測定(発泡体を短冊状に縦30mm×幅10mmに切り出し、チャック間距離20mm、周波数1.59Hz、歪量0.1%、昇温速度4℃/分、捻りモードの条件で温度範囲0℃~110℃までの動的粘弾性)に基づき求めることができる。
【0014】
ピークにおける損失正接tanδの値、すなわち極大値は、好ましくは0.8~3.0である。
0℃以上40℃以下の温度範囲におけるtanδのピークの有無は、0℃以上40℃以下の温度範囲にtanδのピークの頂点が存在するか否かにより判断される。
【0015】
tanδのピークを上記温度範囲に1つ以上有するオレフィン系重合体(A)の発泡体は、例えば、オレフィン系重合体(A)の後述する構成単位(i)~(iii)の組成比の調整によって得ることができる。
【0016】
オレフィン系重合体(A)の135℃デカリン中の極限粘度[η]は、加工性の観点から、好ましくは0.5dL/g以上、より好ましくは0.6dL/g以上、さらに好ましくは0.7dL/g以上であり、好ましくは5.0dL/g以下、より好ましくは4.0dL/g以下、さらに好ましくは3.5dL/g以下である。極限粘度[η]の調整方法は特に制限されないが、重合中に水素分子を併用しオレフィン系重合体(A)の分子量を調整することで、極限粘度[η]を調整することができる。
【0017】
オレフィン系重合体(A)の、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)は、得られる制振材の機械特性および加工性の観点から、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下であり、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上である。MwおよびMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、標準ポリスチレン換算法により得られる。
【0018】
オレフィン系重合体(A)は、1種または2種以上のオレフィンから形成される重合体であり、単独重合体であっても共重合体であってもよい。オレフィンとしては、例えば、α-オレフィン、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、官能基化ビニル化合物が挙げられる。
【0019】
α-オレフィンとしては、例えば、直鎖状または分岐状のα-オレフィンが挙げられ、α-オレフィンの炭素数は特に限定されないが、好ましくは2~20である。
直鎖状α-オレフィンの炭素数は、好ましくは2~20、より好ましくは2~15、さらに好ましくは2~10である。直鎖状α-オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンが挙げられ、好ましくはエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンである。
【0020】
分岐状α-オレフィンの炭素数は、好ましくは5~20、より好ましくは5~15である。分岐状α-オレフィンとしては、例えば、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセンが挙げられる。
【0021】
環状オレフィンの炭素数は、好ましくは3~20、より好ましくは5~15である。環状オレフィンとしては、例えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロへプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、ビニルシクロヘキサンが挙げられる。
【0022】
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン;o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレン等のモノまたはポリアルキルスチレンが挙げられる。
【0023】
官能基化ビニル化合物としては、例えば、水酸基含有オレフィン;(メタ)アクリル酸、プロピオン酸、3-ブテン酸、4-ペンテン酸、5-ヘキセン酸、6-ヘプテン酸、7-オクテン酸、8-ノネン酸、9-デセン酸、10-ウンデセン酸などの不飽和カルボン酸;アリルアミン、5-ヘキセンアミン、6-ヘプテンアミンなどの不飽和アミン;(2,7-オクタジエニル)コハク酸無水物、ペンタプロペニルコハク酸無水物、上記不飽和カルボン酸から得られた無水物などの不飽和カルボン酸無水物;4-エポキシ-1-ブテン、5-エポキシ-1-ペンテン、6-エポキシ-1-ヘキセン、7-エポキシ-1-ヘプテン、8-エポキシ-1-オクテン、9-エポキシ-1-ノネン、10-エポキシ-1-デセン、11-エポキシ-1-ウンデセン等の不飽和エポキシ化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのエチレン性不飽和シラン化合物が挙げられる。
【0024】
水酸基含有オレフィンとしては、例えば、末端水酸基化オレフィンが挙げられる。末端水酸基化オレフィンとしては、例えば、ビニルアルコール、アリルアルコール、水酸化-1-ブテン、水酸化-1-ペンテン、水酸化-1-ヘキセン、水酸化-1-オクテン、水酸化-1-デセン、水酸化-1-ウンデセン、水酸化-1-ドデセン、水酸化-1-テトラデセン、水酸化-1-ヘキサデセン、水酸化-1-オクタデセン、水酸化-1-エイコセン等の炭素数2~20、好ましくは炭素数2~15の直鎖状の水酸化-α-オレフィン;水酸化-3-メチル-1-ブテン、水酸化-3-メチル-1-ペンテン、水酸化-4-メチル-1-ペンテン、水酸化-3-エチル-1-ペンテン、水酸化-4,4-ジメチル-1-ペンテン、水酸化-4-メチル-1-ヘキセン、水酸化-4,4-ジメチル-1-ヘキセン、水酸化-4-エチル-1-ヘキセン、水酸化-3-エチル-1-ヘキセン等の炭素数5~20、好ましくは炭素数5~15の分岐状の水酸化-α-オレフィンが挙げられる。
【0025】
オレフィン系重合体(A)を形成するモノマーとしては、前述したオレフィンとともに、非共役ポリエンおよび共役ジエンから選ばれる少なくとも1種を用いることもできる。
非共役ポリエンの炭素数は、好ましくは5~20、より好ましくは5~10である。非共役ポリエンとしては、例えば、1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン、4,8-ジメチル-1,4,8-デカトリエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-ビニリデン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエンが挙げられる。
【0026】
共役ジエンの炭素数は、好ましくは4~20、より好ましくは4~10である。共役ジエンとしては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエンが挙げられる。
【0027】
オレフィン系重合体(A)は、作業者や作業環境に対する汚染性が低い(低汚染性)という観点から、非ハロゲン化オレフィン系重合体であることが好ましい。
オレフィン系重合体(A)は、損失正接tanδのピークを0~40℃付近に1つ以上持つ共重合体を得やすいという観点から、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(i)と、4-メチル-1-ペンテンを除く炭素数2~20のα-オレフィンから導かれる構成単位(ii)とを有する共重合体(A-1)を含むことが好ましい。
【0028】
共重合体(A-1)における炭素数2~20のα-オレフィンとしては、炭素数2~10の直鎖状α-オレフィンが好ましく、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセンおよび1-オクテンがより好ましく、エチレンおよびプロピレンが好ましく、プロピレンが特に好ましい。共重合体(A-1)における構成単位(ii)は、1種であっても2種以上の組合せであってもよい。
【0029】
共重合体(A-1)は、必要に応じて、非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)を有していてもよい。共重合体(A-1)における構成単位(iii)は、1種であっても2種以上の組合せであってもよい。
【0030】
共重合体(A-1)は、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の共重合成分から導かれる構成単位を有していてもよい。その他の共重合成分としては、例えば、前述した、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、官能基化ビニル化合物、共役ジエンが挙げられる。
【0031】
共重合体(A-1)において、構成単位(i)、(ii)および(iii)の含有割合の合計を100モル%として、構成単位(i)の含有割合が16~95モル%であり、構成単位(ii)の含有割合が5~84モル%であり、構成単位(iii)の含有割合が0~10モル%であることが好ましく、構成単位(i)の含有割合が26~90モル%であり、構成単位(ii)の含有割合が10~74モル%であり、構成単位(iii)の含有割合が0~7モル%であることがより好ましく、構成単位(i)の含有割合が61~85モル%であり、構成単位(ii)の含有割合が15~39モル%であり、構成単位(iii)の含有割合が0~5モル%であることがさらに好ましい。上記含有割合は、13C-NMRにより測定することができる。
【0032】
オレフィン系重合体(A)は、例えば、メタロセン系触媒などの重合触媒を用いる従来公知の方法により製造することができる。この方法としては、例えば、国際公開第2011/055803号、国際公開第2005/121192号に記載の方法が挙げられる。
オレフィン系重合体(A)は1種または2種以上用いることができる。
【0033】
(任意の添加剤)
オレフィン重合体(A)の発泡体には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、銅害防止剤、難燃剤、中和剤、可塑剤、造核剤、気泡防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、老化防止剤、脂肪酸金属塩、軟化剤、分散剤、着色剤、滑剤、天然油、合成油、ワックス、オレフィン系重合体(A)以外の重合体等の添加剤が配合されていてもよい。
【0034】
<樹脂層(1)の製造方法>
オレフィン系重合体(A)の発泡体からなる樹脂層(1)は、たとえば、オレフィン系重合体(A)またはオレフィン系重合体(A)と添加剤との混合物をシート状に発泡成形することにより得ることができる。
【0035】
成形装置および成形条件は特に限定されず、従来公知の成形装置および成形条件を採用することができるが、押出成形装置による成形が好ましい。
オレフィン系重合体(A)の発泡体の製造の際に用いる発泡剤としては、化学発泡剤および物理発泡剤が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、併用してもよい。
【0036】
化学発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、各種カルボン酸塩、水素化ホウ素ナトリウム、アゾジカルボアミド、N,N-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジッド)、アゾビスイソブチロニトリル、パラトルエンスルホニルヒドラジッド、重曹クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0037】
物理発泡剤としては、二酸化炭素、窒素、または二酸化炭素と窒素の混合物等が挙げられ、いずれもガス状、液状または超臨界状態のいずれでも供給することが可能である。
化学発泡剤は押出成形機に投入する前にオレフィン系重合体(A)と均一に混合することが好ましい。
【0038】
また、物理発泡剤として二酸化炭素を使用する場合は、オレフィン系重合体(A)が押出成形機内で混練、可塑化された状態になった後、直接押出成形機内へ注入することが好ましい。
オレフィン系重合体(A)の発泡倍率は特に限定されず、得られる発泡体の諸物性を考慮して適宜決定することができる。
【0039】
[拘束層(2)]
拘束層(2)は、樹脂層(1)を拘束し、樹脂層(1)に靭性を付与する。拘束層(2)は、制振材としての効果を高めるために、一実施形態において樹脂層(1)に積層される。拘束層(2)は、例えば、シート状で、樹脂層(1)に密着一体化できる層である。
【0040】
拘束層(2)としては、例えば、金属板、金属メッシュ、樹脂層、繊維強化樹脂層、ガラスクロスが挙げられる。
金属板としては、例えば、アルミニウム板、スチール板、ステンレス板、ニッケル板、銅板が挙げられる。
【0041】
金属メッシュとは、金属材料を平織、綾織、平畳織、綾畳織などにしたもので、例えば、ステンレスメッシュ(ステンレス金網)が挙げられる。また金属メッシュは、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂などの合成樹脂が含浸された、樹脂含浸金属メッシュであってもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩化ビニル樹脂(PVC)、各種ポリアミド樹脂、各種ポリオレフィン系樹脂、各種ポリエステル系樹脂が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂はそれぞれ1種または2種以上用いることができる。
【0042】
樹脂層を形成するための樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの各種ポリエステル、ナイロン6(ポリアミド6)などの各種ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの各種ポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどの各種(メタ)アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩化ビニル樹脂(PVC)が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂が挙げられる。また樹脂としては、発泡体であってもよく、例えば、熱可塑性樹脂の発泡体である、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡エチレン-酢酸ビニル共重合体や、熱硬化性樹脂の発泡体であるウレタンフォームが挙げられる。拘束層(2)としての樹脂層は、上述の樹脂層(1)とは異なる樹脂から形成される層である。
【0043】
繊維強化樹脂層を形成するための繊維強化樹脂としては、例えば、各種のガラス繊維強化樹脂(FRP)、炭素繊維強化樹脂(CFRP)が挙げられ、公知の繊維強化樹脂が挙げられる。
【0044】
ガラスクロスは、ガラス繊維を布にしたものであって、公知のものが挙げられる。またガラスクロスは、表面に粘着剤が付着されたものであってもよい。またガラスクロスは、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂などの合成樹脂が含浸された、樹脂含浸ガラスクロスであってもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、塩化ビニル樹脂(PVC)、各種ポリアミド樹脂、各種ポリオレフィン系樹脂、各種ポリエステル系樹脂が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂はそれぞれ1種または2種以上用いることができる。
【0045】
拘束層(2)の中では、制振性、加工性およびコストの観点から、金属板、金属メッシュ、樹脂層、ガラスクロスが好ましく、金属板、樹脂層、ガラスクロスがより好ましく、金属板がさらに好ましく、アルミニウム板が特に好ましい。
【0046】
拘束層(2)の厚さは、制振性、作業性または凹凸追従性の観点から、好ましくは0.06mm以上、より好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは1.2mm以上、より一層好ましくは2mm以上であり、好ましくは12mm以下、より好ましくは10mm以下、さらに好ましくは8mm以下である。本発明の制振材は、樹脂層が上述した発泡体からなるため、拘束層がある程度厚い場合であっても、樹脂層が発泡体ではない制振材と比較して優れた凹凸追従性を発揮する。
【0047】
[他の層]
本発明の制振材は、樹脂層(1)および拘束層(2)の他に、樹脂層(1)における拘束層(2)が積層された面とは反対側の面上に、必要に応じて、公知の離型紙または離型フィルムを有してもよい。その場合は、離型紙または離型フィルムは、樹脂層(1)をシート化するときに、樹脂層(1)に積層することが好ましい。
【0048】
<制振材の製造方法>
本発明の制振材は、種々公知の製造方法、例えば、プレス機や押出機等の装置を用いて上記樹脂層(1)を得た後、必要に応じて、樹脂層(1)に拘束層(2)を圧着または熱圧着する方法、あるいは、拘束層(2)面にオレフィン系重合体(A)またはオレフィン系重合体(A)と添加剤との混合物を押出機等の装置を用いて押出しラミネートして、拘束層(2)上に樹脂層(1)を形成する方法が挙げられる。
【0049】
<制振材の用途>
本発明の制振材は、制振対象となる部材(例えば部品または筐体)に貼付され、その部品または筐体を制振する。
【0050】
このため、上記制振材は、自動車、船舶、鉄道車両、航空機、家庭電化機器、OA機器、AV機器、事務機器、建築・住宅設備、工作機械、産業機械などの、振動が発生する様々な用途における部品または筐体に対して使用することができる。上記制振材は、作業者や作業環境に対する汚染性が低いことから、クリーンルーム等での使用に好適であり、クリーンルーム等で使用され、振動が発生する、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、半導体パネル製造装置、有機ELパネル製造装置、シリコンウエハー製造装置、携帯電話製造装置、タッチパネル製造装置、プリント基板製造装置、塗工装置、偏光フィルム押し出し機、偏光フィルム巻き取り機、光学フィルム押し出し機、光学フィルム巻き取り機、裁断機、レーザー微細加工装置、超音波加工装置、半導体露光装置、液晶露光装置、X線検査装置、医薬品製造装置、農薬製造装置、ホモジナイザー、ミキサー、プレス機、クリーンベンチ、エアシャワー、ベルトコンベヤー、空調設備、製品製造機、製品充填機、包装印字機、洗浄機、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、膜厚測定機、エッチング装置、成膜装置、LED基板作製装置、真空乾燥機、イナートオーブン、高温炉、研磨機等の、半導体、液晶、食品、化粧品、医薬品等の製造現場での使用ができる。
【0051】
例えば、上記制振材が樹脂層(1)の表面に離型紙または離型フィルムを備える場合には、使用時には樹脂層(1)の表面から離型紙または離型フィルムを剥がして、次いで、その樹脂層(1)の表面を、被着体である制振対象(各種部品、筐体など)に貼着する。樹脂層(1)と制振対象(各種部品、筐体など)とを、例えば、圧着または熱圧着(焼き付け)等することにより、本発明の制振材を制振対象に貼付することができる。
【実施例0052】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0053】
[測定方法および評価方法]
以下の実施例等において、測定および評価は以下の方法で行った。
【0054】
<重合体の分析>
[組成]
オレフィン系共重合体の、各構成単位のモル分率(モル%)は、13C-NMRによる測定値により求めた。測定値は、ECX400P型核磁気共鳴装置(日本電子(株)製)を用いて、測定温度:120℃、測定溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン=4/1、積算回数:8000回にて、共重合体の13C-NMRのスペクトルを測定して得た。
【0055】
[極限粘度]
オレフィン系重合体の極限粘度[η]は、測定装置としてウベローデ粘度計を用い、デカリン溶媒中、135℃で測定した。具体的には、約20mgの粉末状の重合体をデカリン25mLに溶解させた後、ウベローデ粘度計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηSPを測定した。このデカリン溶液にデカリン5mLを加えて希釈した後、上記と同様にして比粘度ηSPを測定した。この希釈操作を2回繰り返し、重合体の濃度(C)を0に外挿したときのηSP/Cの値を極限粘度[η](単位:dL/g)として求めた(下記式1参照)。
[η]=lim(ηSP/C) (C→0) ・・・式1
【0056】
[重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)]
オレフィン系重合体の重量平均分子量(Mw)、および重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、標準ポリスチレン換算法により算出した。測定条件は、下記の通りである。
測定装置 :GPC(ALC/GPC 150-C plus型、
示差屈折計検出器一体型、Waters製)
カラム :GMH6-HT2本、およびGMH-HTL2本を直列に接続
(いずれも東ソー(株)製)
溶離液 :o-ジクロロベンゼン
カラム温度:140℃
流量 :1.0mL/min
【0057】
[動的粘弾性]
実施例等で用いられた樹脂層を短冊状に縦30mm×幅10mmに切り出し、試験片とした。次いで、Anton Paar社製MC301を用いて、チャック間距離20mm、周波数1.59Hz、歪量0.1%、昇温速度4℃/分、捻りモードの条件で温度範囲0℃~110℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定した。得られたグラフから、当該温度範囲でのガラス転移点に起因する損失正接(tanδ)のピークが現れる温度、すなわち損失正接(tanδ)の極大値を示す温度(ガラス転移温度:Tg)およびそのtanδの極大値をそれぞれ求めた。
【0058】
<制振材の評価>
[凹凸追従性]
縦100mm×幅300mm×厚さ3mmのアルミニウム板に高さ1mmの凸部を設け、それに対し、縦100mm×幅200mmの制振材の樹脂層側を圧着ローラーで圧着し、貼り付けた。その後、目視により制振材の凹凸追従性を評価した。表1中の記号の意味は以下のとおりである。
〇:アルミニウム板からの剥がれ部分なし
×:アルミニウム板からの剥がれ部分あり
【0059】
[制振性]
縦100mm×幅300mmの制振材の樹脂層側を、幅100mm×長さ600mm×厚さ40mmのアルミニウム製の基材(被着体)の中心部分に圧着し、試験片とした。インパクトハンマー(PCB社製)で基材を加振し、加速度ピックアップ(PCB社製)で加速度を検出し、FFTアナライザ(OROS社製)で計測することで、基材の振動加速度レベルを測定した。得られた周波数応答関数(アクセレランス:A/F)の共振周波数において、500Hz付近の振動加速度レベルのピーク値を、基材のみの場合と比較し、低減した量を求めた。振動加速度レベルのピーク値の低減量が大きいほど制振性に優れる。
【0060】
次の基準で1点~3点で評価した。
0dB以上6dB未満減少 = 1点
6~12dB減少 = 2点
12dBを超えて減少 = 3点
【0061】
(重合体の製造)
[重合例1]
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃でノルマルヘキサン300ml(乾燥窒素雰囲気、活性アルミナ上で乾燥したもの)、4-メチル-1-ペンテン450mlを装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
【0062】
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.40MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1mmol、ジフェニルメチレン(1-エチル-3-t-ブチル-シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.01mmolを含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入して重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。
【0063】
得られた溶媒を含む重合体を100℃、減圧下で12時間乾燥することで4-メチル-1-ペンテン共重合体(A-1)を得た。共重合体(A-1)中の4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位含量は72モル%、プロピレンから導かれる構成単位含量は28モル%であった。また共重合体(A-1)の135℃デカリン中の極限粘度[η]は1.5dL/gであり、重量平均分子量(Mw)は337,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.1、tanδ-Tgは28℃、tanδの極大値は2.8であった。
【0064】
(樹脂シートの製造)
[製造例1]
成形機としては、単軸押出成形機(シリンダー内径D:50mm、フルフライトスクリュー、スクリュー有効長をLとしたときL/D:32mm、二酸化炭素供給位置:スクリュー供給部側から17.5D)、Tダイ(ダイ幅:320mm、リップ開度:0.5~1.8mm)、冷却ロール(外径50mm、鏡面仕上げ硬質クロムメッキ表面処理付のスチール製、水冷式)、二酸化炭素供給装置、冷却ロール、および引取機、とからなる装置を用いた。
【0065】
まず、重合例1で得られた4-メチル-1-ペンテン共重合体(A-1)を100質量部、および発泡剤(重曹クエン酸ナトリウム(大塚化学(株)製)を0.3質量部ドライブレンドし、得られた混合物をホッパーに投入し、さらに二酸化炭素供給装置から押出成形機のシリンダーの途中(位置17.5D)に二酸化炭素を10~23MPaの圧力で注入した。このとき二酸化炭素の注入量としては押出量に対して、0.1~0.8質量%となるよう調整にした。シリンダー各部の温度100~230℃、スクリュー回転数20~36rpmの条件で各成分原料を溶融・混練し、シリンダーヘッド部の樹脂温度130~195℃で、押出量5~8.5kg/時間となるようにTダイから押出した。押し出された発泡シートは、冷却ロール(ロール内部通水温度30℃)で冷却して、引取機を用いて引き取り(引取速度0.4~2.3m/分)、シート幅約300mm、厚さ0.5mmの発泡体(シート状樹脂層(1))を得た。
【0066】
[製造例2]
重合例1で得られた4-メチル-1-ペンテン共重合体(A-1)を、加熱プレスを用い、190℃で5分加熱後、冷却プレスし、厚さ0.5mmのシート状樹脂層(2)を得た。
【0067】
(制振材の製造)
[実施例1]
製造例1で得られた発泡体(シート状樹脂層(1)、以下「4MP-1共重合体発泡体」ともいう。)の一方の表面に、拘束層として厚さ0.2mmのアルミニウム板を圧着して貼り付け、樹脂層と拘束層の合計厚さが0.7mmの制振材を得た。
この制振材を評価した。結果を表1に示す。
【0068】
[実施例2~5]
アルミニウム板を表1に記載した厚さのものに変更したこと以外は実施例1と同様にして、制振材を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0069】
[比較例1]
拘束層としてアルミニウム板を使用せず、厚さ0.5mmのシート状樹脂層のみを制振材として使用したこと以外は実施例1と同様にして、制振材を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0070】
[比較例2]
シート状樹脂層(1)を製造例2で製造されたシート状樹脂層(2)(以下「4MP-1共重合体」ともいう。)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、制振材を製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0071】
[比較例3]
シート状樹脂層(1)をポリエチレン系発泡シート(ハイシート(登録商標)、三井化学東セロ(株)製、Tgはポリエチレンの一般的な値、以下「発泡PE」ともいう。)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、評価した。結果を表1に示す。
【0072】