(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125985
(43)【公開日】2022-08-29
(54)【発明の名称】吐出カートリッジの気体管理
(51)【国際特許分類】
A61M 11/00 20060101AFI20220822BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20220822BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20220822BHJP
B41J 2/175 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
A61M11/00 F
B05C5/00 101
B05C11/10
B41J2/175 153
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022020965
(22)【出願日】2022-02-15
(31)【優先権主張番号】17/248,996
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン ジュニア.・ジェームス ディー.
【テーマコード(参考)】
2C056
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
2C056KC02
2C056KC05
2C056KC18
4F041AB01
4F041BA32
4F042CA01
4F042CB19
4F042CB24
(57)【要約】
【課題】流体を吐出するためのカートリッジ。
【解決手段】リザーバは流体を保持し提供する。内部チャンバを有する塔部は、リザーバから流体を受け取り流体を提供する。塔部はリザーバに近接した第1端と、リザーバから遠位にある第2端と、塔部の第2端のポートと、リザーバから流体を導くための内部とを有する。第1リブと第2リブは、塔部の内部において塔部の第1端と第2端との間で塔部の長さに沿って延伸する。第1リブと第2リブの両方は、第2端と実質的に隣接した第2端を有し、第1リブは、塔部の第1端へ向け塔部の長さに沿って第2リブの第1端よりも長く延伸する第1端を有する。吐出ヘッドは、ポートから流体を受け取るための第1ビアを有し、カートリッジから流体を吐出する。第1リブと第2リブのうちの少なくとも1つは、ポート内において第1ビアと少なくとも部分的に重なり、間隙により第1ビアから間隔が空けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を吐出するためのカートリッジであって、
前記流体を保持し供給するためのリザーバと、
前記リザーバから前記流体を受け取り、更に前記流体を供給するための内部チャンバを有する塔部と、
前記カートリッジから流体を吐出するための吐出ヘッドと
を含み、
前記塔部が、
前記リザーバに近接した第1端と、
前記リザーバから遠位にある第2端と、
前記塔部の前記第2端のポートと、
前記リザーバからの前記流体を導くための内部と、
前記塔部の前記内部において前記塔部の前記第1端と前記第2端との間で前記塔部の長さに沿って延伸する第1リブと第2リブと
を含み、
前記第1リブと前記第2リブの両方が、前記第2端と実質的に隣接した第2端を有し、
前記第1リブが、前記塔部の前記第1端へ向け前記塔部の長さに沿って前記第2リブの前記第1端よりも長く延伸した第1端を有し、
前記吐出ヘッドが、前記ポートから前記流体を受け取るための第1ビアを有し、
前記第1リブと前記第2リブのうちの少なくとも1つが、前記ポート内において前記第1ビアと少なくとも部分的に重なり、間隙により前記第1ビアから間隔が空けられている
カートリッジ。
【請求項2】
前記第1リブ及び前記第2リブの前記第2端が、前記第1ビアが形成された前記吐出ヘッドの受け面に対し平行でない、
請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記塔部が、前記塔部の長さに沿って前記第1リブ又は第2リブのいずれかとは異なる距離を延伸する第3リブを更に含む、
請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記間隙が約300ミクロン~約500ミクロンである、
請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記吐出ヘッドの第2ビアを更に含み、
前記第1リブが前記第1ビアと少なくとも部分的に重なり、前記第2リブが前記第2ビアと少なくとも部分的に重なる、
請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項6】
点鼻薬送出カートリッジである、
請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項7】
前記塔部が前記リザーバよりも上となるよう前記カートリッジが配向されたとき、前記気泡が前記第1ビア内へ吸引されることを前記第1リブ及び前記第2リブが防止する、
請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項8】
前記第1ビアと、前記第1リブ及び前記第2リブの両方の前記第2端とが、互いに実質的に平行に配向された、
請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記第1ビアと、前記第1リブ及び前記第2リブの両方の前記第2端とが、互いに実質的に垂直に配向された、
請求項1に記載のカートリッジ。
【請求項10】
流体を吐出するためのカートリッジであって、
前記流体を保持し供給するためのリザーバと、
前記リザーバから前記流体を受け取り、更に前記流体を供給するための内部チャンバを有する塔部と、
前記カートリッジから流体を吐出するための吐出ヘッドと
を含み、
前記塔部が、
前記リザーバに近接した第1端と、
前記リザーバから遠位にある第2端と、
前記塔部の前記第2端のポートと、
前記リザーバからの前記流体を導くための内部と、
前記塔部の前記内部において前記塔部の前記第1端と前記第2端との間で前記塔部の長さに沿って延伸する少なくとも第1リブと第2リブと
を含み、
前記第1リブと前記第2リブの両方が、前記第2端と実質的に隣接した第2端を有し、
前記第1リブが、前記第1端へ向け前記塔部の長さに沿って前記第2リブよりも長く延伸し、
前記吐出ヘッドが、前記ポートから前記流体を受け取るための少なくとも第1ビアを含み、
前記第1リブと前記第2リブの両方が、前記ポート内において前記第1ビアと少なくとも部分的に重なり、間隙により前記第1ビアから間隔が空けられている、
カートリッジ。
【請求項11】
前記第1リブ及び前記第2リブの前記第2端が、前記第1ビアが形成された前記吐出ヘッドの受け面に対し平行でない、
請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記間隙が約300ミクロン~約500ミクロンである、
請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記吐出ヘッドの第2ビアと、
両方が前記第2ビアと少なくとも部分的に重なる第3リブと第4リブと
を更に含み、
前記第1リブと前記第2リブと前記第3リブと前記第4リブの全てが前記塔部内で異なる長さに延伸する、
請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項14】
点鼻薬送出カートリッジである、
請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記塔部が前記リザーバよりも上となるよう前記カートリッジが配向されたとき、前記気泡が前記第1ビア内へ吸引されることを前記第1リブ及び前記第2リブが防止する、
請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項16】
流体を吐出するためのカートリッジであって、
前記流体を保持し供給するためのリザーバと、
前記リザーバから前記流体を受け取り、更に前記流体を供給するための内部チャンバを有する塔部と、
前記カートリッジから流体を吐出するための吐出ヘッドと
を含み、
前記塔部が、
前記リザーバに近接した第1端と、
前記リザーバから遠位にある第2端と、
前記塔部の前記第2端のポートと、
前記リザーバからの前記流体を導くための内部と、
前記塔部の前記内部において前記塔部の前記第1端と前記第2端との間で前記塔部の長さに沿って延伸する少なくとも第1リブと第2リブと
を含み、
前記第1リブと前記第2リブの両方が、前記第2端と実質的に隣接した第2端を有し、
前記第1リブが、前記第1端へ向け前記塔部の長さに沿って前記第2リブよりも長く延伸し、
前記吐出ヘッドが、前記ポートから前記流体を受け取るための少なくとも第1ビアを有し、
前記第1リブと前記第2リブの両方が、前記ポート内において前記第1ビアと少なくとも部分的に重なり、間隙により前記第1ビアから間隔が空けられており、
前記第1リブ及び前記第2リブの前記第2端が、前記第1ビアが形成された前記吐出ヘッドの受け面に対し平行でなく、
前記間隙が約300ミクロン~約500ミクロンである、
カートリッジ。
【請求項17】
前記吐出ヘッドの第2ビアと、
両方が前記第2ビアと少なくとも部分的に重なる第3リブと第4リブと
を更に含み、
前記第1リブと前記第2リブと前記第3リブと前記第4リブの全てが前記塔部内で異なる長さに延伸する、
請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項18】
点鼻薬送出カートリッジである、
請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記塔部が前記リザーバよりも上となるよう前記カートリッジが配向されたとき、前記気泡が前記第1ビア内へ吸引されることを前記第1リブと前記第2リブが防止する、
請求項16に記載のカートリッジ。
【請求項20】
前記第1ビアと、前記第1リブ及び前記第2リブの両方の前記第2端とが、互いに実質的に平行に配向された、
請求項16に記載のカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体吐出カートリッジの分野に関するものである。特に、本発明は流体吐出カートリッジ内の気泡の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
流体吐出カートリッジはインクジェット技術に類似するが、インク以外の流体を吐出するために用いられる。例えば、流体吐出カートリッジは、経口又は鼻腔又は皮膚を介すといった様々な方法で送達されることができる1以上の流体薬物の様々な組合せを吐出することができる。
【0003】
流体吐出技術は、その基本形態においてリザーバと吐出ヘッドとを含むカートリッジを特に用いる。リザーバは、インクであってよいが他の流体でもあり得る、カートリッジにより放出すべき液体を保持する。所与のカートリッジは、吐出すべき単一の流体を有する単一のリザーバを有し得る。ただし、別のカートリッジでは、吐出すべきいくつかの異なる流体を含むいくつかのリザーバを有する可能性がある。
【0004】
吐出される流体に関わらず、空気といった気体がカートリッジの流体リザーバ内に巻き込まれる可能性がある。カートリッジが使用されるほとんどの状況において、吐出ヘッドはカートリッジの下方にあるか、カートリッジと水平に隣接しており、流体に巻き込まれた空気又は他の気体がリザーバと吐出ヘッドとの間の結合部へと自然に流れることはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、状況によっては、吐出ヘッドが流体を鼻腔といった実質的に垂直上方向に吐出することを要する。この構成において、カートリッジの流体リザーバ内の気体は自然と吐出ヘッドへ向かい上へと流れる。この条件は、流体がリザーバから吐出ヘッド内に流出することを妨げる傾向にあり、よってカートリッジを動作不能とする。
【0006】
このため、上述したような問題を、少なくとも部分的に、低減させるものが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記及び他のニーズが、流体を吐出するためのカートリッジにより満たされる。リザーバは流体を保持し提供する。内部チャンバを有する塔部がリザーバから流体を受け取り、流体を提供する。塔部は、リザーバに近接した第1端と、リザーバから遠位にある第2端と、塔部の第2端のポートと、リザーバからの流体を導く内部とを有する。第1リブと第2リブが、塔部の第1端と第2端との間で塔部の長さに沿って延伸する。第1リブと第2リブの両方が、前記第2端と実質的に隣接した第2端を有し、第1リブが、塔部の第1端へ向け塔部の長さに沿って第2リブの第1端よりも長く延伸する第1端を有する。吐出ヘッドは、ポートから流体を受け取るための第1ビアを有し、カートリッジから流体を吐出する。第1リブと第2リブのうちの少なくとも1つが、ポート内において第1ビアと少なくとも部分的に重なり、間隙により第1ビアから間隔が空けられている。
【0008】
本発明の本様態による様々な実施形態において、第1リブ及び第2リブの第2端は、第1ビアが形成された吐出ヘッドの受け面に対し平行でない。いくつかの実施形態において、塔部は、塔部の長さに沿って第1リブ又は第2リブのいずれかとは異なる距離を延伸する第3リブを含む。いくつかの実施形態において、間隙は約300ミクロン~約500ミクロンである。いくつかの実施形態において、吐出ヘッドは第2ビアを含み、第1リブが少なくとも部分的に第1ビアと重なり、第2リブが少なくとも部分的に第2ビアと重なる。いくつかの実施形態において、カートリッジは点鼻薬送出カートリッジである。いくつかの実施形態において、第1リブ及び第2リブは、塔部がリザーバよりも上となるようカートリッジが配向されたとき、気泡が第1ビア内へ吸引されることを防止する。いくつかの実施形態において、第1ビアと、第1リブと第2リブの両方の第2端とが、相互に実質的に平行に配向される。いくつかの実施形態において、第1ビアと、第1リブと第2リブの両方の第2端とが、相互に実質的に垂直に配向される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の更なる利点は、詳細をより明確に示すため縮尺通りでない図面を考慮して詳細な説明を参照することにより明らかとなる。同様の符号はいくつかの図面を通して同様の要素を示す。
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態による下向きのカートリッジの部分的な側面断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施形態による上向きのカートリッジの部分的な側面断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施形態によるカートリッジの内部の上面斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施形態によるカートリッジの内部の平面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1の実施形態による下向きのカートリッジの部分的な側面斜視断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1の実施形態によるカートリッジの外部の底面図である。
【
図7】
図7は、本発明の第1の実施形態によるカートリッジの外部の拡大した部分的な底面図である。
【
図8】
図8は、本発明の第2の実施形態によるカートリッジの内部の上面斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の第2の実施形態によるカートリッジの内部の平面図である。
【
図10】
図10は、本発明の第2の実施形態による下向きのカートリッジの部分的な側面斜視断面図である。
【
図11】
図11は、本発明の第2の実施形態によるカートリッジの外部の底面図である。
【
図12】
図12は、本発明の第2の実施形態による下向きのカートリッジと吐出ヘッドの部分的な側面斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照し、本発明の第1の実施形態による、メンテナンス配向といった下向きのカートリッジ100の部分的な側面断面図を図示している。カートリッジ100は、リザーバ102と、塔部110と、吐出ヘッド106とを含む。カートリッジ100のこれら基本要素それぞれに関する追加的な説明を以下に提供する。
【0011】
リザーバ102は、吐出ヘッド106により吐出される1以上の流体を有する1以上のチャンバを含む。本発明の実施形態が複数の流体を吐出するカートリッジ100に適用可能であるとはいえ、ここで説明する実施形態は図面を不必要に制限しないよう単一の流体のみを吐出する。ただし、より多くの流体が意図されることを理解されたい。
【0012】
塔部110は、取付面112でリザーバ102に取り付けられたフィルタ114を介し、吐出すべき流体をリザーバ102から吐出ヘッド106へと導く。塔部110は、フィルタ114と吐出ヘッド106との間のカートリッジの部分である。
図1に見られるように、1以上の気泡104aと104bが流体に巻き込まれている。カートリッジ100が塔部110を伴い下向きに設けられたとき、気泡104aと104bはリザーバ102とフィルタ114に近接する塔部110の端部付近に留まる傾向にある。気泡104aと104bがこの位置にあるとき、リザーバ102から吐出ヘッド106への流体の適切な流れに問題をもたらすことはない。
【0013】
ただし、カートリッジ100が
図2に図示されるように塔部110を伴い送出配向といった上向きに反転されたとき、気泡104aと104bはリザーバ102及びフィルタ114から遠位にある塔部110の端部付近へ移動する傾向にある。
図2に見られるように、比較的小さな気泡104bが遠位端へ移動するが、吐出ヘッド106への流体の流れを壊滅的な度合いで干渉する位置ではない。比較的大きな気泡104aは
図2に図示された実施形態における遠位端へ移動していない。
【0014】
気泡104aと104bのいずれもリザーバ102から吐出ヘッド106への流体の流れを実質的に妨げる位置に移動していない理由は、塔部110のリブ108の存在にあり、リブ108は塔部110内に流路を形成する。1つの実施形態において、リブ108は、塔部110内においてリブ108の間に様々なサイズの流路を形成するよう配置されてよい。気泡104aと104bは、気泡104aと104bの特定のサイズを収容する塔部110内のいずれかの流路を通って流れる傾向にあり、次いでそこに留まり、流体が気泡104aと104bが通過するには小さすぎる他の流路を通り流れることを可能とする。
【0015】
様々な実施形態において、リブ108はチップ106の表面に対し異なる角度で配置される。いくつかの実施形態において、リブ108はチップ106の表面に対し垂直から約5°の角度に設けられる。他の実施形態において、これらは異なる角度で設けられてよく、他の実施形態において、これらはチップ106の表面に対し実質的に垂直であってよい。
【0016】
このため、
図2に図示されるように、比較的大きな気泡104aはリブ108間の流路を通って上へ移動することはできず、リブ108のうちの1つの端部により捕捉され、これに対し流体は他の流路において気泡104aを追い越して流れる。比較的小さな気泡104bは、リブ108間に形成された流路のうちの1つを通って完全に上まで流れるに十分であるほど小さいが、次いでリブ108の近接によりそのサイズによって流路内で捕捉され、やはり流体がリブ108間の他の流路を通り吐出ヘッド106へ流れることを可能とする。
【0017】
このように、塔部110のリブ108の配置により、流路はその内に気泡104aと104bを捕捉し保持するよう形成され、よって気泡104aと104bが吐出ヘッド106に隣接した位置に到達して吐出ヘッド106への流体の流れを遮断することを防止する。本発明の実施形態の更なる理解を提供するため、リブ108の異なる実施形態及び図を以下に説明する。
【0018】
図3を参照し、本発明の第1の実施形態によるカートリッジ100の内部の上面斜視図を図示している。この視図は、塔部100内のリブ108を見るためリザーバ102を通して見下ろしたものである。本実施形態において、リブ108は塔部100内の十字の4つの腕を形成しており、十字の中央には空隙を有しており、4つの腕のいずれも互いに交わらない。このため、流路は全てのリブ108の間の空間に形成される。
図4はリブ108のもう1つの平面図を提供する。
【0019】
図5を参照し、本発明の第1の実施形態による下向きのカートリッジ100の部分的な斜視断面図を図示している。本実施形態において、リブ108は塔部110の遠位端からリザーバ102へ向かい異なる長さに延伸する。これら異なる長さは、リブ108の端部に比較的大きな気泡104aと104bを収容可能な部分的な流路を形成し、比較的小さな気泡104aと104bはリブ108の間に形成された流路を通過することができる。このため、いくつかの実施形態において、リブ108の全てが異なる長さを有してよく、他の実施形態において、リブ108の全てが同一の長さを有してよい。いくつかの実施形態において、リブ108は全てが塔部100の頂部又は近端と呼ばれるものまで延伸してよく、他の実施形態において、リブ108は
図5に示すように異なる長さに延伸してよい。
【0020】
図6を参照し、本発明の第1の実施形態によるカートリッジ100の外部の底面図を図示している。本視図において、吐出ヘッド106は、塔部110の遠位端の流体経路を通して可視であるリブ108のいくらかの詳細を示すため、取り付けられていない。見て取れるように、リブ108のいくつかは流体経路をいくらか閉鎖しているが、完全には閉鎖していない。
図7は、
図6と同一の視図の拡大部分を提供しており、リブ108の端部が塔部110の流体経路を通してより容易に見られる。
【0021】
図8を参照し、本発明の第2の実施形態によるカートリッジ100の内部の上面斜視図を図示している。本実施形態において、リブ108の異なる配置が存在する。例えば、第2の実施形態はやはり4つのリブ108を有するが、これらは第1の実施形態の十字ではなく、互いに平行に設けられる。
図9、10、11は理解し易いよう第2の実施形態の異なる視図を提供している。
【0022】
このため、本発明は、リブ108の特定の数、リブ108の特定の配置、又はリブ108の高さの特定の組合せに限定されないことを理解されたい。更に、リブ108は互いに対し十字又は平行配置のいずれかに制限されるものではなく、いくつかの実施形態においては1つのリブ108ともう1つのリブ108との間は均一の角度でなくてもよい。
【0023】
図12を参照し、本発明の第2の実施形態による、全て下向きである、塔部110と、2つのリブ108と、吐出ヘッド106のチップ層とを含むカートリッジ100の拡大した部分的な側面斜視断面図を図示している。本視図に図示された実施形態において、リブ108の遠位端はチップ106のビア1202上の間隙1204を形成する。いくつかの実施形態において、間隙1204は約300ミクロン~約500ミクロンのサイズであってよい。このため、リブ108は流体が間隙204を通りビア1202へ流れるよう送り出されることを可能とし、このようにして塔部110から吐出ヘッド106への流体の流れに干渉しない。
【0024】
図12を参照し、
図1の底部付近に図示されたものに類似した、塔部110のチップ106への取付点における、塔部110の遠位端の部分的な断面図を図示している。この拡大図において、チップ106の表面に近接したリブ108の端部と、チップ106に形成されたビア1202との間の関係を比較的容易に理解することができる。
【0025】
図12に図示されるように、リブ108はチップ106の表面に近接した端部を有しており、いくつかの実施形態における端部は平坦でなくてよく、それら端部が上方に横たわるヒータチップ106の表面に平行でなくてよい。
図12に図示された実施形態において、左側のリブ108の端部はやや尖っているか丸められており、左側のビア1202上を直接覆うリブ108の中央部分は、左側のリブ108の2つの側部よりもチップ106の表面にやや近い。他の実施形態において、
図12の右側のリブ108の端部は、リブ108の端部の1つの側部が他の側部よりもチップ106の表面から離れるよう傾斜してよい。このようにして、吐出配向(上向き)においてリブ108の端部の位置に到達した気泡104aと104bは、メンテナンス配向(下向き)においてリブ108の端部から逃れ易い。
【0026】
いくつかの実施形態において、リブ108の端部はビア1202と平行で且つ部分的に重複するよう設けられてよい。このようにして、リブ108により変位させられた気泡104aと104bは、これらが吐出ヘッド106へと吸引され得るビア1201内へと進みにくくなる。
【0027】
本発明の実施形態の上記説明は、例示及び説明の目的で提示している。網羅的であること、又は本発明を忠実に開示された形態に限定することを意図していない。上記の教示に照らし、明らかな改変又は変形が可能である。実施形態は、本発明の原理及びその実用的応用の実例を提供するために選択され及び説明されており、これにより当業者は考えられる特定の使用に適するよう本発明を様々な実施形態及び様々な改変を伴い利用することを可能とする。そのような全ての改変及び変形は、それらが公正に、法的に、そして公平に権利を与えられる幅に従って解釈される場合、添付の特許請求の範囲によって決定される本発明の範囲内にある。
【符号の説明】
【0028】
100:カートリッジ
102:リザーバ
104a、104b:気泡
106:吐出ヘッド
108:リブ
110:塔部
112:取付面
114:フィルタ
120、1202:ビア
1204:間隙