(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022125989
(43)【公開日】2022-08-29
(54)【発明の名称】タイヤ特性の安全測定
(51)【国際特許分類】
G01M 17/02 20060101AFI20220822BHJP
B60C 23/04 20060101ALI20220822BHJP
B60C 19/00 20060101ALI20220822BHJP
【FI】
G01M17/02
B60C23/04 160Z
B60C19/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022021768
(22)【出願日】2022-02-16
(31)【優先権主張番号】21157609
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】516186407
【氏名又は名称】メレクシス・テクノロジーズ・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】MELEXIS TECHNOLOGIES SA
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】シャブロ,ジェレミー
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131LA06
3D131LA21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車輪のタイヤ内または車輪のタイヤの内面に取り付けられたセンサモジュールの健全性を評価するために構成されたシステム。
【解決手段】システム100は、第1の加速度信号および/または第2の加速度信号を生成するように構成されたセンサモジュール110と、第1の加速度信号の少なくとも2つの特徴を決定し、並びに/または第1の加速度信号の少なくとも1つの特徴および第2の加速度信号の少なくとも1つの特徴を決定するように構成された処理モジュール120であって、複数の特徴は、センサモジュールが取り付けられているタイヤの部分が地面に当たって接地面を形成したときに発生する加速度信号での摂動を特徴付け、処理モジュール120は、これらの特徴またはその組み合わせが事前定義された動作特性を満たすかどうかを評価することにより、特徴の一貫性を検証するように構成される、処理モジュール120と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪のタイヤ内または車輪のタイヤの内面に取り付けられたセンサの健全性を評価するように構成されたシステム(100)であって、
第1の加速度信号をもたらす第1の方向での第1の加速度を測定するように、および/または第2の加速度信号をもたらす、前記第1の方向とは異なる第2の方向での第2の加速度を測定するように構成されたセンサモジュール(110)と、
処理モジュール(120)であって、前記処理モジュール(120)は、
前記第1の加速度信号および/または前記第2の加速度信号を受信し、
前記第1の加速度信号の少なくとも2つの特徴を決定し、および/または前記第1の加速度信号の少なくとも1つの特徴および前記第2の加速度信号の少なくとも1つの特徴を決定する、
ように構成され、複数の前記特徴は、前記センサモジュールが取り付けられている前記タイヤの部分が地面に当たって接地面を形成したときに生じる前記加速度信号での摂動を特徴付け、複数の前記特徴のうちの1つは第1の特徴であり、他の特徴は第2の特徴であり、前記処理モジュール(120)はさらに、
前記第1の特徴、前記第2の特徴またはその組み合わせが事前定義された動作特性を満たすかどうかを評価することで、前記第1の特徴および前記第2の特徴の一貫性を検証する、
ように構成された、処理モジュール(120)と、
を備える、システム(100)。
【請求項2】
前記事前定義された動作特性は、上限および/または下限を含む、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記上限および/または前記下限は、前記第2の特徴に対する限界であり、前記第1の特徴の関数で定められる、請求項2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記処理モジュールは、後続の接地面から前記少なくとも2つの特徴を決定するように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記第1の特徴は、前記第2の特徴の種類とは異なる種類を有する、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記第1の特徴は、接地面によって生じる摂動の期間であり、前記第2の特徴は、接地面によって生じる摂動の振幅である、請求項5に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記第1の方向は、法線方向であり、または前記第1の方向は、接線方向である、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記センサモジュールは、前記第1の方向での前記第1の加速度および前記第2の方向での前記第2の加速度を測定するように構成され、前記第1の方向は、法線方向であり、前記第2の方向は、接線方向である、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記処理モジュールは、後続の接地から前記少なくとも2つの特徴を決定するように構成され、前記第1の特徴は、前記第2の特徴とは異なる種類である、請求項8に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記処理モジュールは、較正によって前記事前定義された動作特性を取得するように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項11】
前記処理モジュールは、全ての健全性評価での複数の比較結果を組み合わせるように構成される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項12】
前記少なくとも2つの特徴は、非線形の関係を有し、対応する事前定義された動作特性は、前記特徴の非線形の関係に従って非線形の関係を有する、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項13】
前記少なくとも2つの特徴は、線形の関係を有し、対応する事前定義された動作特性は、前記特徴の線形の関係に従って線形の関係を有する、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項14】
車輪のタイヤ内または前記車輪のタイヤの内面に取り付けられている場合の加速度センサの正しい動作を決定する方法(200)であって、
第1の加速度信号をもたらす第1の方向での第1の加速度を測定すること、および/または第2の加速度信号をもたらす、前記第1の方向とは異なる第2の方向での第2の加速度を測定すること(210)と、
前記第1の加速度信号および/または前記第2の加速度信号を受信すること(220)と、
前記第1の加速度信号の少なくとも2つの特徴を決定すること、および/または前記第1の加速度信号の少なくとも1つの特徴と前記第2の加速度信号の少なくとも1つの特徴とを決定することであって、複数の前記特徴は、前記センサが取り付けられている前記タイヤの部分が地面に当たって接地面を形成したときに生じる前記加速度信号での摂動を特徴付け、複数の前記特徴のうちの1つは、第1の特徴であり、他の特徴は、第2の特徴である、決定すること(230)と、
前記第1の特徴、前記第2の特徴またはその組み合わせが少なくとも1つの事前定義された動作特性を満たすかどうかを評価することで、前記第1の特徴および前記第2の特徴の一貫性を検証すること(240)と、
を含む、方法(200)。
【請求項15】
前記方法は、前記センサの正しい動作中に前記少なくとも2つの特徴を測定することで前記事前定義された動作特性を取得することをさらに含む、
請求項12に記載の方法(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のタイヤに取り付けられたセンサデバイスの分野に関する。より具体的には、タイヤ特性の安全測定のためのシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤ空気圧監視センサ(TPMS)は、タイヤの空気圧を測定するために広く使用されている。TPMSからの信号に基づいて、運転手は、タイヤの空気圧が低下していることを知ることができる。運転手は、それに基づいて、タイヤにて漏れがないかチェックし、該当するタイヤを膨らませることができる。
【0003】
このようなタイヤ空気圧監視センサは、タイヤに取り付けられる車輪に取り付けられ得、加速度センサを備え得る。将来的には、加速度センサからの信号から得られる主要な特徴を活用して、車輪にかかる負荷またはタイヤのトレッドの摩耗レベルなどの安全関連情報を抽出するために使用できるデータを提供できると期待されている。
【0004】
特定のシナリオでは、このような情報を使用して、横滑り防止装置(ESP)などのさまざまな車両制御アルゴリズムの動作を調整できる。この状況において、当該情報の取得、処理、および送信は、例えばISO26262などの規格で定義されているように、重要な(自動車の)安全度水準(ASIL)に関連付けられている。
【0005】
本発明の範囲は、タイヤに取り付け可能な加速度センサの健全性、およびタイヤに取り付けられたときの当該加速度センサによる信号測定の健全性を評価する方法を提案することである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態の目的は、タイヤに取り付け可能なセンサモジュールの健全性を評価するためのシステムおよび方法を提供することである。
【0007】
上記目的は、本発明による方法および装置によって達成される。
【0008】
第1の態様では、本発明の実施形態は、車輪のタイヤ内または車輪のタイヤの内面に取り付けられたセンサモジュールの健全性を評価するために構成されたセンサシステムに関する。
【0009】
このシステムは、第1の加速度信号をもたらす第1の方向での第1の加速度を測定するように、および/または第2の加速度信号をもたらす、第1の方向とは異なる第2の方向での第2の加速度を測定するように構成されたセンサモジュールを備える。
【0010】
センサモジュールは、さらに、
-第1の加速度信号の少なくとも2つの特徴を決定し、および/または
-第1の加速度信号の少なくとも1つの特徴および第2の加速度信号の少なくとも1つの特徴を決定する、
ように構成されている。複数の特徴は、センサモジュールが取り付けられているタイヤの部分が地面に当たって接地面を形成したときに生じる加速度信号の摂動を特徴付け、複数の特徴のうちの1つは第1の特徴であり、他の特徴は第2の特徴である。
【0011】
センサモジュールは、さらに、これらの特徴またはそれらの組み合わせが事前定義された動作特性を満たすかどうかを評価することによって、第1の特徴および第2の特徴の一貫性を検証するように構成されている。
【0012】
事前定義された動作特性は、1つ以上の特徴またはその組み合わせの上限および/または下限を含み得る。これは、例えば、第1の特徴の関数における第2の特徴の上限および/または下限であってもよい。しかしながら、本発明はそれに限定されない。
【0013】
本発明の実施形態の利点は、センサが1つしかない場合でも、センサの正しい動作を検証することが可能であるということである。これは、第1の加速度信号の少なくとも2つの特徴を決定することによって(例えば、第1の加速度信号のみが測定される場合)、または第1の加速度信号の特徴および第2の加速度信号の特徴を決定することによって(両方の加速度信号が測定された場合)、およびこれらの特徴またはその組み合わせが少なくとも1つの事前定義された動作特性を満たしているかどうかを評価することにより、第1の特徴と第2の特徴の一貫性を検証することによって実現される。決定される少なくとも2つの特徴は、センサの通常の動作状態下で一貫している特徴である。それらの一貫性は、提案された評価によって確認できる。したがって、通常の動作状態とは、センサに欠陥がなく、車輪のタイヤに取り付けられたときに動作している動作状態を指す。
【0014】
本発明の実施形態では、センサモジュールは加速度計を含む。この加速度計は、微小電気機械システム(MEMS)加速度計であってもよい。MEMS加速度計は、2つの別個の試験質量を含み得る。これらは同じ基板に統合され得る。それらは、各加速度計が異なる加速度成分を測定するように統合され得る。
【0015】
第2の態様では、本発明の実施形態は、車輪のタイヤ内または車輪のタイヤの内面に取り付けられたときの加速度センサの正しい動作を決定するための方法に関する。この方法は、
-第1の加速度信号をもたらす第1の方向での第1の加速度を測定すること、および/または第2の加速度信号をもたらす、第1の方向とは異なる第2の方向での第2の加速度を測定することと、
-第1の加速度信号および/または第2の加速度信号を受信することと、
-第1の加速度信号の少なくとも2つの特徴を決定し、並びに/または第1の加速度信号の少なくとも1つの特徴および第2の加速度信号の少なくとも1つの特徴を決定することであって、複数の特徴は、センサが取り付けられているタイヤの部分が地面に当たって接地面を形成したときに生じる加速度信号での摂動を特徴付け、複数の特徴のうちの1つは第1の特徴であり、他の特徴は第2の特徴である、決定することと、
-これらの特徴またはその組み合わせが少なくとも1つの事前定義された動作特性を満たすかどうかを評価することにより、第1の特徴と第2の特徴の一貫性を検証することと、
を含む。
【0016】
本発明の特定の好ましい態様は、添付の独立請求項および従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、単に請求項に明示的に記載されているだけでなく、必要に応じて、独立請求項の特徴および他の従属請求項の特徴とを組み合わされてもよい。
【0017】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかであり、当該実施形態を参照して明瞭となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、センサモジュールが取り付けられたタイヤの概略図を示す。
【
図2】
図2は、接地面の発生の瞬間に、タイヤに取り付けられたセンサによって測定された、法線加速度の典型的な信号形状を示す。
【
図3】
図3は、接地面の発生の瞬間に、タイヤに取り付けられたセンサによって測定された、接線加速度の典型的な信号形状を示す。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による、加速度信号を相互相関させて得られた信号の例を示す。
【
図5】
図5は、連続した接地事象による加速度信号を示す。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態による例示的なシステムのブロック図を示す。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態による例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図8】
図8は、複数の特徴が単一の加速度信号から得られる、本発明の実施形態による例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図9】
図9は、特徴が2つの加速度信号から得られる、本発明の実施形態による例示的な方法のフローチャートを示す。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態による、連続する接地面のいくつかの対について抽出された接地面時間幅の特徴、およびこれらの連続する特徴間の差異およびこれらの差異の限界を示す。
【
図11】
図11は、抽出された接地面振幅の同じグラフを示す。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態による、一貫性の限界を用いて、接地面時間幅および振幅の特徴を従属値として互いに確認する方法を示す。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態による、一貫性の限界を用いて、接地面時間振幅および周期の特徴を依存値として互いに確認する方法を示す。
【
図14】
図14は、本発明の実施形態による、一貫性の限界を用いて、周期および接地面時間幅を依存値として互いに確認する方法を示す。
【
図15】
図15は、
図11に示されている非線形の関係を有する2つの特徴のさまざまな制限の実装の可能な実装を示す。
【0019】
クレーム内の参照符号は、範囲を限定すると解釈されるべきではない。
【0020】
異なる図面では、同じ参照記号は同じまたは類似の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、特定の実施形態に関して、特定の図面を参照して説明されるが、本発明は、それに限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。記載されている図面は概略的であり、限定しない。図面では、いくつかの要素の大きさは、説明の目的で誇張されており、縮尺どおりに描かれていない場合がある。寸法および相対寸法は、本発明の実施に対する実際の縮小に対応していない。
【0022】
明細書および特許請求の範囲における第1、第2などの用語は、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも時間的、空間的、ランク付けまたは他のやり方で順序を説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書に記載の本発明の実施形態は、本明細書に記載または図示された順序以外の順序で動作できることを理解されたい。
【0023】
特許請求の範囲で使用される「備える(又は含む)」という用語は、その後に記載された手段に限定されると解釈されるべきではないことに留意されたい。他の要素やステップを除外しない。したがって、これは、言及された特徴、整数、ステップまたは構成部品の存在を指定することを意図すると解釈されるべきであるが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップまたは構成部品、またはそれらのグループの存在または追加を排除しない。したがって、「手段AおよびBを備える装置」という表現の範囲は、構成要素AおよびBのみからなる装置に限定されるべきではない。これは、本発明に関して、単に装置に関連する構成要素がAおよびBであることを意味する。
【0024】
本明細書全体を通して「一実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所での「一実施形態において」または「実施形態において」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らないが、そうである場合もある。さらに、特定の特徴、構造または特性は、1つまたは複数の実施形態において、本開示から当業者に明らかであるように、任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0025】
同様に、本発明の例示的な実施形態の説明において、本発明の様々な特徴は、開示を合理化し、様々な発明的な態様の1つ以上の理解を助ける目的で、単一の実施形態、図、またはその説明に一緒にグループ化されることがあることを理解されたい。しかしながら、この開示方法は、特許請求の範囲に記載された発明が各特許請求の範囲に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、発明の態様は、前述の単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない。したがって、詳細な説明に続く特許請求の範囲は、これにより、詳細な説明に明示的に組み込まれ、各特許請求の範囲は、本発明の別個の実施形態としてそれ自体で成り立つ。
【0026】
さらに、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれる他の特徴ではないいくつかの特徴を含むが、当業者によって理解されるように、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内にあり、異なる実施形態を形成する。例えば、特許請求の範囲では、特許請求の範囲に記載の実施形態のいずれかは、任意の組み合わせで使用され得る。
【0027】
本明細書で提供される記載では、多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の詳細なしで実施され得ることが理解される。他の例では、本明細書の理解を曖昧にしないために、よく知られた方法、構造、および技法は詳細に示されていない。
【0028】
第1の態様では、本発明の実施形態は、車輪のタイヤまたは車輪のタイヤの内面に取り付けられたセンサモジュールの健全性を評価するために構成されたセンサシステム100に関する。
【0029】
システム100は、第1の方向の第1の加速度を測定して第1の加速度信号をもたらすように、および/または第1の方向とは異なる第2の方向の第2の加速度を測定して第2の加速度信号をもたらすように構成されたセンサモジュール110を備える。
【0030】
本発明の実施形態では、センサモジュールは、タイヤまたは車輪のタイヤの内面に取り付けられている。センサは、例えば、タイヤに完全に組み込まれる(オーバモールドされる)か、部分的にオーバモールドされるか、内面に取り付けられ/接着されるか、または専用のゴムソケットを使用してタイヤの内側に固定される。
【0031】
そのようなセンサモジュール110がタイヤまたはタイヤの内面に取り付けられると、それはタイヤと一緒に回転する。タイヤと地面が接触すると、タイヤが変形する。この変形により、加速度信号が変化する。したがって、センサからのデータには摂動が存在する。この摂動は、センサの近くでの接地面の発生によって引き起こされる。この接地面発生期間中にセンサデータを取得することは、接地面取得とも呼ばれる。したがって、このようなセンサモジュールをタイヤに取り付けると、タイヤのダイナミクスとその特性、およびタイヤと路面との相互作用に関連する物理現象を明らかにする信号を測定できる。
【0032】
図1は、タイヤ310の概略図を示している。路面と接触しているタイヤの部分320は「接地面(コンタクトパッチ)」と呼ばれることがある。接地面測定で一般的に使用されるもう1つの用語は、タイヤの「フットプリント」である。センサモジュール110はタイヤの内側に取り付けられ、タイヤ310が路面に当たると接地面320が形成される。
図2および
図3は、タイヤに取り付けられたセンサによって接地面の発生の瞬間に測定された、法線加速度と接線加速度の典型的な信号形状を示している。本発明の実施形態では、第1の方向は、例えば、法線方向であり得る。代替の実施形態では、第1の方向は接線方向であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、第1の方向は法線方向であり得、第2の方向は接線方向であり得、またはその逆であり得る。
【0033】
測定された加速度信号から、異なる信号処理操作を用いることによって、いくつかの情報(本発明では特徴とも呼ばれる)を抽出できる。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態は、1つの加速度センサのみを含み得る。その場合、第1の加速度信号のみが生成され、第1の加速度信号から少なくとも2つの特徴が決定される。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態において、2つの加速度信号が生成され得る。その場合、第1の加速度信号の特徴が決定され得、第2の加速度信号の特徴が決定され得る。あるいは、両方の特徴が、同じ加速度信号から決定されてもよい。
【0036】
いずれの場合も、1つ以上の加速度信号の少なくとも2つの特徴が決定される。これらの特徴は、第1の特徴および第2の特徴と呼ばれる。
【0037】
本発明の実施形態では、第1の特徴および第2の特徴の一貫性は、これらの特徴またはそれらの組み合わせが予想される動作特性を満たすかどうかを評価することによって検証される。動作特性は、特徴間の予想される関係を定めてもよく、関係間の上限と下限は、タイヤ内に取り付けられる場合、正しく動作するセンサにおいて変化し得る。
【0038】
本発明の実施形態では、事前定義された動作特性は、上限および/または下限(動作限界とも呼ばれる)を含み得る。
【0039】
本発明の実施形態では、第1の特徴は、予想される動作特性から第2の特徴の少なくとも1つの動作限界を取得するために使用され、特徴に一貫性があるかどうかを決定するために、第2の特徴を少なくとも1つの動作限界と比較することによって比較結果が得られる。本発明の実施形態では、センサモジュールの正しい動作は、比較結果から決定され得る。システムは、比較結果を出力するように構成され得る。
【0040】
本発明の実施形態では、第1の特徴が与えられると、第2の特徴について、事前定義された動作特性から、動作の上限および下限を決定できる。正しく動作している間、第2の特徴は動作の上限と下限の間にあるはずである。そうでない場合、システムは、センサの誤った動作を示している可能性がある。
【0041】
本発明の実施形態では、センサの正しい動作を決定するには単一のセンサで十分である。得られた特徴は、その場合、その単一のセンサからの特徴である。
【0042】
本発明の実施形態では、事前定義された動作特性は、センサの較正によって取得され得る。あるいは、本発明の実施形態では、事前定義された動作特性は、例えば、オンボードメモリに格納され得、またはインターフェースを介して取得され得る。
【0043】
本発明の実施形態の利点は、接地面測定および関連する特徴の健全性を評価できることである。
【0044】
本発明の実施形態では、データの取得は、アナログ-デジタル変換器(ADC)を使用して実行され得る。このADCは、センサからのアナログ信号をデジタル化されたデータに変換する。処理モジュールは、アナログ-デジタル変換器からのデータをサンプリングし、摂動の特徴的な特性を決定するために取得されたデータを処理できる。
【0045】
このような摂動の例が
図2に示されている。これは、半径方向の加速度(つまり、
図2のZ軸に沿った加速度)を測定するように調整された加速度センサによって生成された摂動を示す。摂動の振幅は時間の関数で示される。摂動は、第1の最大値から最小値への立ち下がりエッジと、最小値から第2の最大値への立ち上がりエッジを有する。接地(パッチ)期間は、摂動の期間の尺度である。接地期間(t
patch)は、例えば、第1の最大値と第2の最大値との間の期間として定められ得る。摂動の振幅によって交差される閾値は、パルスの特徴的な特性として使用され得る。前縁が閾値を超える瞬間、または後縁が閾値を超える瞬間も、パルスの特徴として使用され得る。接地期間(t
patch)は、前縁がしきい値を超えた瞬間から後縁がしきい値を超えた瞬間までの経過時間として定められ得る。加速度信号、および/またはその特徴的な特性は、無線で送信され得る。本発明の実施形態では、無線メッセージは、例えば、センサモジュールの一意の識別子および測定された接地期間を表す値を含み得る。
【0046】
図3は、時間の関数としての接線加速度センサの加速度信号を示す。信号の取得は、ADCを使用して行われ得る。本例では、接地期間は、接線加速度信号の2つの反対のピーク間で測定される。
【0047】
本発明の実施形態では、相互相関(例えば、以下で説明する符号付きステップ相互相関)アルゴリズムを使用して、例えば、測定された法線加速度信号から接地面時間幅(tpatch)および接地振幅(apatch)を抽出できる。
【0048】
以下の式は、本発明の例示的な実施形態に従って、符号付きステップ相互相関値S(n)が、測定されたデータサンプルaおよびパラメータNを有する符号付き参照数列yから計算され得る方法を説明する。
【0049】
【0050】
この式では、Nは0より大きい自然数であり、yはステップ関数である。本発明の実施形態では、Nは1であってもよく、1より大きくてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、Nの最小値は2である。
【0051】
ステップ関数yは、たとえば次の式で記述され得る。
【数2】
当該式は、次の式の反数である。
【数3】
【0052】
本発明のいくつかの実施形態では、0≦m<Nの場合のy(m)の符号は、N≦m<2Nの場合のy(m)の符号と反対であり、ここで、y(m)はゼロとは異なる。0≦m<Nの場合のsign(y(m))は、N≦m<2Nの場合のsign(y(m)),-1の反数である。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態では、符号付き参照数列y(m)での1つ以上のサンプルについてy=0である。符号付き参照数列y(m)は、例えば、ゼロとは異なる自然数のk1およびk2(例えば等しくてもよい)での、0≦m≦N-k1およびN+k2≦m<2Nの場合はゼロとは異なり、N-k1<m<N+k2の場合はゼロとなる。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態では、ゼロとは異なるy(m)のサンプルの絶対値は、一定であってもよく、または変動してもよい(異なるデータサンプルに異なる重みを与える)。本発明のいくつかの実施形態では、
である。この例では、ステップ関数は有限の符号付きステップ数列信号である。
【0055】
測定された法線加速度信号から接地面時間幅(t
patch)及び接地振幅(a
patch)を抽出するために使用される符号付きステップ相互相関の使用例が
図4に示されている。この例は、実際に測定された法線加速度値からの計算された特徴を示す。また、接地時間幅(t
patch)および接地深さ(a
patch)の特徴が符号付きステップ相互相関(SSCC)アルゴリズム(N=16)を使用して計算される方法を視覚的に定める。この例で使用したタイヤは225/45R17タイヤであった。速度は時速30kmであった。ドラム機構が使用された。
【0056】
図5に示すように、このような特徴が少なくとも2つの連続する接地面事象に対して抽出される場合、2つの接地事象間の時間など、追加された情報をさらに抽出して、車輪回転の時間期間(t
period)を間接的に測定できる。この図は、2つの連続した接地面での測定された法線加速度信号を示す。その場合、測定期間はタイヤの全回転の期間よりわずかに長くなる。この図は原理を示しているだけであり、必ずしも縮尺どおりではないことに注意すべきである。
【0057】
図6は、本発明の実施形態による例示的なシステムのブロック図を示す。このシステムは、センサモジュール110と処理モジュール120とを含む。処理モジュールは、単一のプロセッサまたは複数のプロセッサとして実装できる(つまり、機能は複数のプロセッサで実装され得る)。特徴は、例えば、タイヤに取り付けられたプロセッサ/マイクロコントローラによって取得でき、特徴のさらなる検証は、タイヤの外側のプロセッサ/マイクロコントローラで行うことができる。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態では、特徴の比較/検証動作は、タイヤ内の処理モジュール120で実現され、処理モジュール120は、タイヤ外の電子制御ユニット(ECU)160に誤差信号を送信する。この誤差信号は、測定された特徴に関する整合性情報を示す。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態では、処理モジュールのいくつかの機能は、外部処理モジュールで実装され得る。これはECU160であってもよい。
【0060】
センサシステム100は、加速度信号の特徴および/または比較結果をECU160に無線で送信するための通信システム130を備え得る。
【0061】
第2の態様では、本発明の実施形態は、車輪のタイヤ内に、または車輪のタイヤの内面に取り付けられたときの加速度センサの正しい動作を決定するための方法200に関する。このような方法の例示的なフローチャートが
図7に示されている。この方法は、
-第1の加速度信号をもたらす第1の方向の第1の加速度を測定すること210、および/または第2の加速度信号をもたらす、第1の方向とは異なる第2の方向の第2の加速度を測定することと、
-第1の加速度信号および/または第2の加速度信号を受信すること220と、
-第1の加速度信号の少なくとも2つの特徴を決定すること230、および/または第1の加速度信号の少なくとも1つの特徴及び第2の加速度信号の少なくとも1つの特徴を決定することであって、特徴は、センサが取り付けられているタイヤの部分が地面にぶつかり、接地面を形成したときに生じる加速度信号での摂動の特性を示し、特徴の1つは第1の特徴であり、別の特徴は第2の特徴である、決定することと、
-これらの特徴またはそれらの組み合わせが少なくとも1つの事前定義された動作特性を満たしているかどうかを評価することにより、第1の特徴と第2の特徴の一貫性を検証すること240と、
を含む。
【0062】
本発明の実施形態では、加速度センサの正しい動作を示す結果は、この検証を使用して取得され得る。
【0063】
本発明の実施形態では、処理モジュール120は、後続の接地面から少なくとも2つの特徴を決定するように構成される。これらの少なくとも2つの特徴は、例えば、第1の加速度信号からのみ得られ得る。本発明の実施形態の利点は、第1の加速度センサのみで、センサの正しい動作を決定するのに十分であるということである。本発明のいくつかの実施形態では、センサは、ただ1つの(第1の)加速度信号を取得するように構成され得る。
【0064】
本発明の実施形態では、特徴は、2つの異なる加速度信号(例えば、半径方向および接線方向)から得ることができる。
【0065】
本発明の実施形態では、第1の特徴は、第2の特徴の種類とは異なる種類を有し得る。異なる種類の特徴の一貫性は、第2の特徴を、第1の特徴に依存する動作限界と比較することによって決定され得る。これらの限界は、正しく動作しているセンサの較正によって取得され得る。これらの限界は、所定の動作特性の一部であってもよい。本発明の実施形態では、異なる種類のこれらの特徴は、ただ1つの加速度信号(例えば、半径方向または接線方向)から取得されてもよく、または2つの加速度信号から取得されてもよい(例えば、第1の特徴は、半径方向の加速度から導出される期間であってもよく、および第2の特徴は、接線加速度から導出される振幅であってもよい)。
【0066】
第1の特徴は、例えば、接地面の発生によって引き起こされる摂動の期間であり得、第2の特徴は、例えば、接地面の発生によって引き起こされる摂動の振幅であり得る。
【0067】
本発明の実施形態では、両方の特徴は、同じ摂動から取得され得る。較正により、動作特性が決定され得る。この動作特性は、例えば、特徴がその範囲内に留まるべき動作限界を含み得る。特徴がこれらの動作制限の1つを超える場合、センサが正しい動作をしているか疑問が生じ得る。振幅の動作限界は、例えば、期間の関数で決定され得るか、またはその逆に、期間の動作限界は、振幅の関数で決定され得る。
【0068】
本発明の実施形態では、処理モジュールは、後続の接地から少なくとも2つの特徴を決定するように構成され得、第1の特徴は、第2の特徴とは異なる種類であり得る。いくつかの実施形態では、第1の特徴は、第1の加速度信号から、第2の特徴は、第2の加速度信号からさえも取得され得る。
【0069】
本発明の実施形態では、処理モジュールは、全体的な健全性評価において複数の比較結果を組み合わせるように構成される。その場合、3つ以上の特徴が決定されてもよい。特徴の一貫性は、たとえば、特徴の対ごとに検証できる。
【0070】
本発明の例示的な実施形態では、接地面測定の健全性は、以下の評価の1つまたは組み合わせを適用することによって確認され得る。当該評価は、
-同じ方向の加速度測定から抽出された、異なるが相関する特徴の一貫性の確認と、
-あるタイヤ回転からその次の回転では値が大きく異なることは予想されないという事実に基づいて、連続した接地面測定から抽出された特徴の比較(比較は、予想される通常の使用法(一定速度での運転、制動、加速)、および連続する測定間の最大保証時間(測定間の相関関係を確保するため)に基づいて行われる。驚くべきことに、本発明者らは、(通常の使用法とみなされる)制動または加速する場合でも、連続する接地測定値は依然として相関しており、したがって、接地面測定の健全性を確認するために使用できることを発見した。)と、
-異なる軸に沿って配置された少なくとも2つの加速度センサから抽出された類似または有意に相関する特徴の比較と、
を含む。
【0071】
図8は、本発明の実施形態による例示的な方法のフローチャートを示す。加速度信号は、センサモジュール110によって提供される。次に、特徴F1、F2、・・・FNが加速度信号から230において計算される。この場合、加速度センサからの1つの信号を使用して、いくつかの特徴が計算される。次に、特徴一貫性確認240が行われる。この例では、特徴一貫性確認は、特徴のさまざまな対に対して実行される。有意な相関を有する抽出された特徴の選択された対は、一貫性確認の入力として使用される。本発明の実施形態では、1つの特徴を使用して、他の特徴の少なくとも1つの動作限界を決定でき、他の特徴を少なくとも1つの動作限界と比較して、一貫性の結果を取得する。したがって、一貫性の結果C1、C2、・・・CNが得られる。これらを最後のステップで組み合わせて、全体的な一貫性の結果を取得する。したがって、全体的な一貫性評価が得られる。例えば、すべての一貫性確認(または最も重要な一貫性確認)が正しいと評価された場合にのみ、全体的な一貫性評価が肯定的であるとみなされてもよい。
【0072】
この図では、連続した接地測定から特徴が比較され得る。一貫性確認は、連続した接地面から得られた値の違いを検証する。この例では、毎回2つの特徴が比較される。しかしながら、本発明はそれに限定されない。また、2つ以上の特徴(例えば、3つの特徴、4つの特徴、またはさらに多くの特徴)が比較され得る。
【0073】
図9では、2つの加速度信号S1、S2が生成される。例えば、第1の方向の第1の加速度信号と、第1の方向とは異なる第2の方向の第2の加速度である。第1の特徴は、第1の加速度信号から得られ、第2の特徴は、第2の加速度信号から得られる。これらの特徴は、同じ種類(例えば、両方の加速度信号からの期間、または両方の加速度信号からの振幅)を有してもよく、異なる種類(例えば、一方の加速度信号からの期間ともう一方の加速度信号からの振幅)を有してもよい。異なる加速度センサから抽出された特徴が互いに確認される。例えば、法線加速度から抽出された接地面時間幅を、接線加速度から抽出された接地面時間幅と比較できる。得られた一貫性の結果は、全体的な一貫性の結果を得るために収集される。本発明の実施形態では、2つの加速度信号S1およびS2は、加速度計から得られる。加速度計は、例えば、MEMS加速度計であってもよい。本発明の例示的な実施形態では、MEMS加速度計は、同じ基板に統合された2つの別個の試験質量(プルーフマス)(またはテストマス)を含み、それぞれが加速度成分(例えば、半径方向および接線方向)を測定する。
【0074】
本発明の実施形態の利点は、一貫性の結果が組み合わされることである。したがって、得られた特徴に基づく健全性評価は、2つの特徴のみの一貫性が確認される実施形態と比較して強化される。
【0075】
提案方法の実例として、
図10~
図15は、車両に搭載され、100km/hまでの様々な速度といくつかの方向転換を含む、十分なロードトリップ(例えば車での移動)を行ったセンサモジュール110からの実際の値を使用して得られた結果を示す。
【0076】
図10は、連続する接地面のいくつかの対について抽出された接地面時間幅(t
patch)特徴を示す。また、これらの連続する特徴の違い、並びにこの違いを1つの上限閾値および1つの下限閾値と比較して、測定の一貫性を評価する方法も示す。一貫性確認は、t
patch特徴値が(1つの車輪のサイクル内で)2つの連続する測定間で予想外に変化しないはずという観察に基づいて、許容上限および許容下限に基づいて差分値に対して実行され得る。強い制動および加速事象、つまり速度とt
patchの高速変更があった場合でも、差分値が大幅に逸脱することはなく、したがって、一貫性確認のための信頼できる情報を提供することが観察された。この例では、事前定義された動作特性は、(1つの車輪のサイクル内で)2つの連続する測定の接地期間の間の差の一貫性の上限と下限であり得る。この差は、接地の添え字(インデックス)kを用いて次のように計算され得る。
【0077】
【0078】
他の実施形態では、差は必要ではなく、上限/下限は、tpatch[k]に基づいてtpatch[k-1]で設定されてもよく、またはその逆であってもよい。
【0079】
図11は、連続する接地面のいくつかの対について抽出された接地面の振幅(a
patch)の同じグラフを示す。この図は、様々な速度と方向の変化を伴う十分なロードトリップで取得されたa
patch特徴を示している。直接連続的に取得したa
patch値が表示される。連続する値の差も計算され、一貫性の上限と下限に対して確認される。この例では、事前定義された動作特性は、(1つの車輪のサイクル内で)2つの連続する測定の接地振幅間の差の一貫性の上限と下限であり得る。この差は、接地の添え字kを用いて次のように計算され得る。
【0080】
【0081】
本発明の実施形態では、接地面時間幅および振幅の特徴は、
図12に示されるような一貫性の限界を用いて、従属値として互いに確認できる。この図は、様々な速度と方向の変化を伴う十分なロードトリップで取得されたa
patch特徴とt
patch特徴の関係を示す。依存する上限と下限に基づいて、これら2つの特徴間で一貫性確認を行うことができる。この例では、事前定義された動作特性は、各接地時間幅t
patchでの接地振幅a
patchの上限と下限を含んでもよい。
図12に示すように、符号付きステップ相互相関アルゴリズムを使用して特徴を抽出できるが、これは必須ではなく、上記したように、生データから特徴を抽出できる。
【0082】
他の特徴の一貫性も検証され得る。例えば、
図13は、同じ条件で取得された接地面振幅a
patchと周期t
periodの特徴の関係を示している。特徴は、様々な速度と方向の変更を伴う十分なロードトリップで取得される。依存する上限と下限に基づいて、これら2つの特徴間で一貫性確認を行うことができる。この例では、事前定義された動作特性は、異なる接地周期t
periodに対する接地振幅a
patchの上限および下限を含み得る。
【0083】
図14は、同じ条件で取得された、周期t
periodと接地面時間幅t
patchの関係を示す。依存する上限と下限に基づいて、これら2つの特徴間で一貫性確認を行うことができる。この例では、事前定義された動作特性は、異なる接地時間幅t
widthに対する接地周期t
periodの上限および下限を含み得る。
【0084】
本発明の実施形態では、一貫性の上限および下限は、2つの比較された特徴の値平面において、単純な一定の閾値として定められ得る。これらの一貫性の限界は、例えば、連続する特徴値の間の差を確認するときに適用できる。
【0085】
本発明の実施形態では、少なくとも2つの特徴は非線形関係を有し得る。これらの実施形態では、対応する事前定義された動作特性は、特徴の非線形関係に従って非線形関係を有する。
【0086】
本発明の実施形態では、非線形動作特性は、連続的な形で表現され得る。他の実施形態では、それらは区分的線形限界として表現され得る。本発明の他の実施形態では、それらは表状の限界として表現できる。
【0087】
本発明の実施形態では、少なくとも2つの特徴は線形関係を有し得、対応する事前定義された動作特性は、特徴の線形関係に従って線形関係を有する。
【0088】
単純な線形関数は、通常、互いに直接比例関係にある特徴を確認するときに使用される。これらは、事前定義された動作特性で非線形関数として格納され得る(
図15の左側のグラフを参照)。このような非線形関数は、
図12および
図13の例で定められ得る。
【0089】
区分的線形または線形関数は、
図14の特徴のように、区分的線形または線形関係を有する特徴の上限と下限を定めるために使用され得る。区分的線形関数を使用して、非線形限界を概算することもできる(
図15の中央のグラフを参照)。
【0090】
本発明の実施形態では、ルックアップテーブル(ビニング)を使用して、上限または下限を概算できる。一貫性確認方法と限界との実装の選択のトレードオフは、実装の複雑さ、実装コスト、精度、および安全性の間で行う必要がある。
【0091】
前述したように、本発明の実施形態による方法は、センサの正しい動作中に少なくとも2つの特徴を測定することによって、事前定義された動作特性限界を取得することを含み得る。これにより、センサの予想される動作範囲を対象に含めるために、車輪がさまざまな速度で回転され得る。そして、較正により動作特性が取得され得る。本発明の実施形態による方法では、少なくとも2つの特徴が、後続の接地面から決定され得る。本発明の実施形態による方法では、第1の特徴が第2の特徴の種類とは異なる種類を有するように、少なくとも2つの特徴を決定できる。
【外国語明細書】