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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126020
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】エレベータの制御システム
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/18 20060101AFI20220823BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
B66B1/18 K
B66B1/18 N
B66B3/00 M
B66B3/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023839
(22)【出願日】2021-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 豪
(72)【発明者】
【氏名】小村 章
【テーマコード(参考)】
3F303
3F502
【Fターム(参考)】
3F303AA05
3F303CA01
3F303CB22
3F303CB28
3F303DB11
3F303DC11
3F303DC13
3F303DC22
3F502HB01
3F502JA05
3F502JA20
3F502JA72
3F502JA75
3F502JA77
3F502MA03
3F502MA16
3F502MA43
3F502MA48
(57)【要約】
【課題】乗場での行先階の入力が必要なエレベータにおいて、当該行先階の入力が1人の利用者によって複数回行われることを防止する。
【解決手段】制御システムにおいて、表示部に利用者が近づくごとに、判断処理部が、生体情報取得部によって取得された生体情報が記憶部に保存済みであるか否かを判断する。判断処理部が、対象とする利用者の生体情報について「保存済みでない」と判断した場合、表示処理部が、表示部に、行先階を入力するための入力画面を表示する。そして、入力画面で行先階が入力された場合に、割当処理部が、その行先階を用いて乗りかごへの割当てを行うと共に、当該行先階の入力のために表示部に近づいた利用者の生体情報を記憶部に保存する。一方、判断処理部が、対象とする利用者の生体情報について「保存済みである」と判断した場合には、表示処理部は、割当てが既に存在することを利用者に伝えるための報知画面を、表示部に表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗場に設置される表示部と、
前記表示部に近づいた利用者から、当該利用者を識別するための生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部が取得した前記生体情報が選択的に保存される記憶部と、
前記表示部に利用者が近づくごとに、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報が前記記憶部に保存済みであるか否かを判断する判断処理部と、
前記判断処理部が前記生体情報について保存済みでないと判断した場合に、前記表示部に、行先階を入力するための入力画面を表示する表示処理部と、
前記入力画面で前記行先階が入力された場合に、その行先階を用いて乗りかごへの割当てを行うと共に、当該行先階の入力のために前記表示部に近づいた利用者の前記生体情報を前記記憶部に保存する割当処理部と、
を備え、
前記判断処理部が前記生体情報について保存済みであると判断した場合には、前記表示処理部は、前記割当てが既に存在することを利用者に伝えるための報知画面を、前記表示部に表示する、エレベータの制御システム。
【請求項2】
前記判断処理部が前記生体情報について保存済みであると判断した場合には、前記表示処理部は、その生体情報を持つ利用者について割り当てられている乗りかごの運行状況を取得し、取得した当該運行状況を前記報知画面において更に表示する、請求項1に記載のエレベータの制御システム。
【請求項3】
前記表示処理部は、前記報知画面において、既存の割当てを取り消すための取消ボタンを更に表示し、
前記割当処理部は、前記報知画面で前記取消ボタンが押された場合、当該取消ボタンを押した利用者についての既存の割当てを取り消すと共に、その利用者の前記生体情報を前記記憶部から削除する、請求項1又は2に記載のエレベータの制御システム。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記報知画面において、前記行先階を変更するための変更ボタンを更に表示し、
前記割当処理部は、前記報知画面で前記変更ボタンが押された場合、当該変更ボタンを押した利用者についての既存の割当てを取り消すと共に、その利用者の前記生体情報を前記記憶部から削除してから、変更後の行先階を用いて改めて乗りかごへの割当てを行う、請求項1~3の何れかに記載のエレベータの制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗場での行先階の入力が必要なエレベータの制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの制御技術には、出発階の乗場に設けられた行先階登録装置を用いて利用者が行先階を入力した場合に、その出発階及び行先階を、1つの乗場呼びとして、輸送効率を考慮した上で最適な乗りかごに割り当てるものが存在する(例えば、特許文献1参照)。この制御技術では、行先階登録装置において1人の利用者につき行先階の入力が1回であれば、乗りかごへの割当てと利用者との対応関係が1対1になるため、乗りかごへの無駄な割当てがなく、エレベータにおいて高い輸送効率が実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-75771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、行先階登録装置においては、1人の利用者が行先階の入力(乗場呼び)を複数回行うといったケースが生じ得る。そして、そのようなケースとして、利用者が悪戯で行先階を複数回入力するといったケースや、例えば待ち時間が長くなったときなどに確認のために利用者が行先階を再入力するといったケース、更には、行先階を変更するために利用者が別の行先階を再入力するといったケースなどが考えられる。これらのケースでは、乗りかごへの割当てが1人の利用者につき複数生じることになるため、乗りかごへの無駄な割当てが発生し、それが原因でエレベータの輸送効率が低下してしまう。
【0005】
そこで本発明の目的は、乗場での行先階の入力が必要なエレベータにおいて、当該行先階の入力が1人の利用者によって複数回行われることを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る制御システムは、乗場に設置される表示部と、生体情報取得部と、記憶部と、判断処理部と、表示処理部と、割当処理部と、を備える。生体情報取得部は、表示部に近づいた利用者から、当該利用者を識別するための生体情報を取得する。記憶部には、生体情報取得部が取得した生体情報が選択的に保存される。判断処理部は、表示部に利用者が近づくごとに、生体情報取得部によって取得された生体情報が記憶部に保存済みであるか否かを判断する。判断処理部が、対象とする利用者の生体情報について「保存済みでない」と判断した場合、表示処理部は、表示部に、行先階を入力するための入力画面を表示する。そして、割当処理部は、入力画面で行先階が入力された場合に、その行先階を用いて乗りかごへの割当てを行うと共に、当該行先階の入力のために表示部に近づいた利用者の生体情報を記憶部に保存する。一方、判断処理部が、対象とする利用者の生体情報について「保存済みである」と判断した場合には、表示処理部は、割当てが既に存在することを利用者に伝えるための報知画面を、表示部に表示する。
【0007】
上記制御システムによれば、不特定多数の利用者のうちの1人の利用者が表示部に近づくだけで、その利用者の生体情報が記憶部に保存済みであるか否かを判断することができ、その判断を以て、当該利用者が、乗りかごへの割当てが既に存在する利用者であるか否かを判断することができる。具体的には、対象とする利用者の生体情報について「保存済みでない」と判断できた場合には、その判断を以て、その利用者は、割当てが存在しない利用者(即ち、新規の利用者)であると判断できる。そして、この場合には、入力画面を表示することにより、その利用者による1回目の行先階の入力を許可することができる。一方、対象とする利用者の生体情報について「保存済みである」と判断できた場合には、その判断を以て、その利用者は、割当てが既に存在する利用者であると判断できる。そして、この場合には、入力画面に代えて報知画面を表示することにより、その利用者による2回目以降の行先階の入力を制限することができる。
【0008】
上記制御システムにおいて、判断処理部が、対象とする利用者の生体情報について「保存済みである」と判断した場合には、表示処理部は、その生体情報を持つ利用者について割り当てられている乗りかごの運行状況を取得し、取得した当該運行状況を報知画面において更に表示してもよい。この構成によれば、利用者は、表示部に近づくことで表示された報知画面を確認することにより、自身が乗車しようとする乗りかごの運行状況を認識することができる。従って、利用者は、その運行状況に基づいて、自身が乗車しようとする乗りかごが到着するまでの待ち時間を予測することができる。よって、例えば待ち時間が長くなったときの利用者の苛立ちが低減される。
【0009】
上記制御システムにおいて、表示処理部は、報知画面において、既存の割当てを取り消すための取消ボタンを更に表示してもよい。そして、割当処理部は、報知画面で取消ボタンが押された場合、当該取消ボタンを押した利用者についての既存の割当てを取り消すと共に、その利用者の生体情報を記憶部から削除してもよい。この構成によれば、行先階の入力後に何らかの理由でエレベータの利用が不要になった場合であっても、取消ボタンが押されて既存の割当てが取り消されることにより、既存の割当てが無駄になることが回避される。
【0010】
上記制御システムにおいて、表示処理部は、報知画面において、行先階を変更するための変更ボタンを更に表示してもよい。そして、割当処理部は、報知画面で変更ボタンが押された場合、当該変更ボタンを押した利用者についての既存の割当てを取り消すと共に、その利用者の生体情報を記憶部から削除してから、変更後の行先階を用いて改めて乗りかごへの割当てを行ってもよい。この構成によれば、行先階の入力後に何らかの理由で行先階の変更が必要になった場合であっても、利用者は、変更ボタンを押すことにより、既に割り当てられている乗りかごを乗り過ごしてから別の行先階を再度入力するといった無駄を発生させずに、行先階を変更することができる。また、変更画面で行先階が変更された場合には、既存の割当てが取り消されてから新たな割当てが改めて行われるため、既存の割当てが無駄になることが回避される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、乗場での行先階の入力が必要なエレベータにおいて、当該行先階の入力が1人の利用者によって複数回行われることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る制御システムの一実施形態が適用されたエレベータの構成を示した概念図である。
図2】(A)装置管理データの一例を示した概念図、及び(B)情報管理データの一例を示した概念図である。
図3A】群管理制御装置で実行される制御処理を示したフローチャートである。
図3B】群管理制御装置で実行される制御処理を示したフローチャートである。
図3C】群管理制御装置で実行される制御処理を示したフローチャートである。
図4】行先階登録装置の表示部(タッチパネル)に表示される画面として、(A)デフォルト画面、(B)入力画面、(C)割り当てられた乗りかごの情報を知らせるための報知画面、及び(D)乗りかごへの割当てが既に存在することを知らせるための報知画面、をそれぞれ例示した概念図である。
図5】第1変形例で実行される制御処理を示したフローチャートである。
図6】第1変形例にて行先階登録装置の表示部(タッチパネル)に表示される画面として、乗りかごの運行状況の表示がなされた報知画面を例示した概念図である。
図7A】第2変形例で実行される制御処理を示したフローチャートである。
図7B】第2変形例で実行される制御処理を示したフローチャートである。
図8】第2変形例にて行先階登録装置の表示部(タッチパネル)に表示される画面として、(A)取消ボタンが表示された報知画面、及び(B)乗りかごへの割当てが取り消されたことを知らせるための報知画面、をそれぞれ例示した概念図である。
図9A】第3変形例で実行される制御処理を示したフローチャートである。
図9B】第3変形例で実行される制御処理を示したフローチャートである。
図10】第3変形例にて行先階登録装置の表示部(タッチパネル)に表示される画面として、(A)変更ボタンが表示された報知画面、(B)変更画面、及び(C)乗りかごへの割当てが変更されたことを知らせるための報知画面、をそれぞれ例示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[1]エレベータ及びその制御システムの構成
図1は、本発明に係る制御システムの一実施形態が適用されたエレベータの構成を示した概念図である。図1に示されるように、エレベータは、乗りかご100と、行先階登録装置101と、エレベータ制御装置102と、群管理制御装置103と、を備える。以下、各部の構成について具体的に説明する。尚、特に限定されるものではないが、図1では、エレベータの構成として、乗りかご100を3つ設けたものが示されている。
【0014】
<行先階登録装置>
行先階登録装置101は、各階の乗場に設置されており、それらの行先階登録装置101には、それぞれを識別するための装置情報Pd1が設定されている。また、各行先階登録装置101には、表示部1と、生体情報取得部2と、が設けられている。
【0015】
本実施形態では、表示部1は、入力部としての機能を兼ね備えたタッチパネル10で構成されている。尚、表示部1は、タッチパネル10に限らず、入力部とは別個に構成されたものであってもよい。例えば、表示部1が、表示専用のモニタで構成され、入力部が、行先階Fdなどを入力するための機械式のボタンで構成されてもよい。
【0016】
タッチパネル10には、待機状態のときのデフォルト画面M0、行先階Fdを入力するための入力画面M1、各種情報を報知するための報知画面M2などが表示される。具体的には、デフォルト画面M0は、タッチパネル10に近づくことで画面が切り替わることを利用者に認識させるための画面である(図4(A)参照)。入力画面M1は、行先階Fdが入力(選択など)可能に表示された画面である(図4(B)参照)。報知画面M2は、乗車すべき乗りかご100の情報を利用者に伝えるための報知画面M2A(図4(C)参照)や、割当てが既に存在することを利用者に伝えるための報知画面M2B(図4(D)参照)などである。尚、これらの画面の詳細について後述する。
【0017】
生体情報取得部2は、表示部1(タッチパネル10)に近づいた利用者から、当該利用者を識別するための生体情報Piを取得する。本実施形態では、生体情報取得部2は、生体情報Piとして利用者の顔画像を取得する撮像装置である。尚、生体情報取得部2は、顔画像以外の生体情報Pi(例えば、指紋や網膜などの情報)を取得する装置に適宜変更されてもよい。
【0018】
生体情報取得部2が取得した生体情報Piやタッチパネル10で入力された行先階Fdなどの情報は、後述する群管理制御装置103にて実行される制御処理にて用いられる。そこで、行先階登録装置101は、生体情報取得部2がその利用者から生体情報Piを取得したり、タッチパネル10にて利用者が行先階Fdなどの情報を入力したりするごとに、適宜、それらの情報(生体情報Piや行先階Fdなどの情報)を群管理制御装置103へ送信する。また、行先階登録装置101は、情報の送信元である自身の位置を群管理制御装置103に認識させるために、その行先階登録装置101の装置情報Pd1も、生体情報Piや行先階Fdなどの情報と共に群管理制御装置103へ送信する。尚、送信する具体的なタイミングや情報の内容の詳細については後述する。
【0019】
<エレベータ制御装置>
エレベータ制御装置102は、乗りかご100に1つずつ対応させて設けられており、自身に対応する乗りかご100の動作を制御する。また、それらのエレベータ制御装置102には、それぞれを識別するための装置情報Pd2が設定されている。そして、エレベータ制御装置102は、群管理制御装置103によって一元的に管理及び制御される。
【0020】
<群管理制御装置>
群管理制御装置103は、記憶部3と制御部4とを有する。記憶部3は、ROMやRAMなどのメモリであり、当該記憶部3には、エレベータの制御に必要な各種情報が保存される。本実施形態では、エレベータの制御に必要な情報として、装置管理データD1と、情報管理データDpと、が記憶部3に保存される。ここで、装置管理データD1は、行先階登録装置101の装置情報Pd1ごとに、当該行先階登録装置101に関する他の情報が予め対応付けて保存されたデータである。また、情報管理データDpは、生体情報取得部2が取得した生体情報Piが選択的に保存されると共に、その都度、当該生体情報Piに関連した他の情報(行先階Fdなど)が対応付けて保存されるデータである。
【0021】
図2(A)は、装置管理データD1の一例を示した概念図である。この装置管理データD1では、装置情報Pd1ごとに、装置アドレスPa及び設置階Fsが予め対応付けられている。ここで、装置アドレスPaは、装置情報Pd1で識別される行先階登録装置101に対する動作制御や当該行先階登録装置101への情報送信などに使用されるアドレス(IPアドレスなど)である。設置階Fsは、装置情報Pd1で識別される行先階登録装置101が設置されている階である。
【0022】
図2(B)は、情報管理データDpの一例を示した概念図である。この情報管理データDpでは、生体情報Piごとに、出発階Fc、行先階Fd、かご情報Pg、及び割当時刻Tgが対応付けられる。ここで、出発階Fcは、生体情報Piで識別される利用者が乗りかご100に乗車する階である。本実施形態では、その利用者が行先階Fdの入力に用いた行先階登録装置101の設置階Fsが、出発階Fcとして用いられる。行先階Fdは、生体情報Piで識別される利用者が行先階登録装置101の入力画面M1(図4(B)参照)で入力した階である。かご情報Pgは、出発階Fc及び行先階Fdが1つの乗場呼びとして割り当てられた乗りかご100を識別するための情報(番号や記号など)である。割当時刻Tgは、乗りかご100への乗場呼びの割当てが実行されたときの時刻である。
【0023】
そして本実施形態では、何れかの出発階Fcから乗りかご100が出発したときに、そのときの出発階Fcと移動方向(上向き又は下向き)とを考慮して、情報管理データDpに保存されている情報のうちの、その出発した乗りかご100によって輸送が開始された乗場呼び(出発階Fc及び行先階Fd)を含んでいるものが、順次、情報管理データDpから削除される。例えば、図2(B)の例においては、A号機が1階から上向きに出発したときに、そのA号機によって輸送が開始された乗場呼びを含んでいる情報(ここでは、顔画像データNo1及びそれに関連する全ての情報)が情報管理データDpから削除される。尚、情報管理データDpからデータを適宜削除していく方法は、これに限定されるものではない。例えば、情報管理データDpに保存された情報のうちの、割当時刻Tgから所定時間(例えば、10分)が経過したもの(生体情報Pi及びそれに関連する全ての情報)が、順次、情報管理データDpから削除されてもよい。
【0024】
制御部4は、CPUなどの処理装置であり、利用者がタッチパネル10に近づいたときに行先階登録装置101から送信される情報(生体情報Pi及び装置情報Pd1を含む)を受信するごとに、制御処理として、判断処理、表示処理、及び割当処理を実行する。具体的には、以下のとおりである。
【0025】
判断処理では、制御部4は、受信した情報(以下、「受信情報Pr1」と称す)に含まれている生体情報Piが情報管理データDpに保存済みであるか否かを判断する。そして、制御部4は、受信情報Pr1に含まれている生体情報Piについて「保存済みでない」と判断した場合には、表示処理として、行先階Fdを入力するための入力画面M1をタッチパネル10に表示する(図4(B)参照)。
【0026】
そして、入力画面M1で行先階Fdが入力(本実施形態では、選択)された場合には、制御部4は、割当処理として、その行先階Fdを用いて乗りかご100への割当てを行うと共に、受信情報Pr1に含まれている生体情報Pi(即ち、当該行先階Fdの入力のためにタッチパネル10に近づいた利用者の生体情報Pi)を情報管理データDpに保存する。
【0027】
これらの処理によれば、不特定多数の利用者のうちの1人の利用者がタッチパネル10に近づくだけで、その利用者の生体情報Piが情報管理データDpに保存済みであるか否かを判断することができ、その判断を以て、当該利用者が、乗りかご100への割当てが既に存在する利用者であるか否かを判断することができる。具体的には、対象とする利用者の生体情報Piについて「保存済みでない」と判断できた場合には、その判断を以て、その利用者は、割当てが存在しない利用者(即ち、新規の利用者)であると判断できる。そして、この場合には、タッチパネル10に入力画面M1を表示することにより、その利用者による1回目の行先階Fdの入力を許可することができる。
【0028】
一方、対象とする利用者の生体情報Piについて「保存済みである」と判断できた場合(即ち、受信情報Pr1に含まれている生体情報Piについて「保存済みである」と判断した場合)には、その判断を以て、その利用者は、割当てが既に存在する利用者であると判断できる。この場合、制御部4は、行先階Fdの入力を制限するべく、表示処理として、割当てが既に存在することを利用者に伝えるための報知画面M2Bをタッチパネル10に表示する(図4(D)参照)。この処理によれば、その利用者による2回目以降の行先階Fdの入力を制限することができる。尚、利用者への報知は、タッチパネル10への表示に限定されない別の手段(スピーカからの音声出力など)で行われてもよい。
【0029】
このような一連の処理によれば、1人の利用者による2回目以降の行先階Fdの入力が画面(インタフェース)上で制限され、その結果として、1人の利用者によって行先階Fdの入力が複数回行われることが防止される。これにより、乗りかご100への割当てと利用者との対応関係が1対1で維持されることになり、群管理制御装置103は、乗りかご100への割当数を正確に把握することが可能になる。よって、エレベータにおいて高い輸送効率が実現される。
【0030】
本実施形態では、判断処理、表示処理、及び割当処理はそれぞれ、制御部4内に構成される判断処理部41、表示処理部42、及び割当処理部43によって実行される(図1参照)。具体的には、これらの処理部は、制御部4である処理装置(CPUなど)にプログラムを実行させることによってソフトウェアで構成されるものであり、そのようなプログラムは、記憶部3に保存されている。そして、当該プログラムは、携帯可能な記憶媒体(例えば、フラッシュメモリなど)に読取可能な状態で保存され、当該記憶媒体から読み出されたものが記憶部3に保存されてもよいし、他のサーバなどにダウンロード可能に保存され、当該サーバからダウンロードされたものが記憶部3に保存されてもよい。尚、上記の処理部は、群管理制御装置103内に制御部4を回路で構築することによってハードウェアで構成されてもよい。
【0031】
そして、このようなエレベータにおいて、本発明に係る制御システムの一実施形態が、表示部1と、生体情報取得部2と、記憶部3と、制御部4と、によって構成される。以下、このような制御システムで実行される制御処理として、群管理制御装置103(制御部4)で実行される制御処理(判断処理、表示処理、及び割当処理を含む)の詳細について説明する。
【0032】
[2]制御システムで実行される制御処理
図3A図3Cは、群管理制御装置103で実行される制御処理を示したフローチャートである。この制御処理は、利用者がタッチパネル10に近づいたときに行先階登録装置101から送信される情報(生体情報Pi及び装置情報Pd1を含む)を群管理制御装置103が受信した場合に開始される。
【0033】
制御処理が開始されると、群管理制御装置103の制御部4は、行先階登録装置101から受信した情報(受信情報Pr1)に含まれている生体情報Piを、生体情報変数X1に代入する(ステップS101)。ここで、生体情報変数X1は、制御処理の過程で生体情報Piが適宜格納される変数である。
【0034】
また、制御部4は、受信情報Pr1に含まれている装置情報Pd1を用いて、装置管理データD1から、その装置情報Pd1に対応する装置アドレスPa及び設置階Fsを読み出す(ステップS102)。尚、ステップS102は、ステップS101の前に実行されてもよい。
【0035】
次に、制御部4は、タッチパネル10に近づいた利用者が、乗りかご100への割当てが既に存在する利用者であるか否かを判断するべく、生体情報変数X1の値(即ち、ステップS101で生体情報変数X1に代入した生体情報Pi)が情報管理データDp内に保存済みであるか否かを判断する(ステップS103)。具体的には、制御部4は、情報管理データDp内に生体情報Piとして保存されている顔画像データの中に、生体情報変数X1に生体情報Piとして代入されている顔画像データから認識できる利用者と同一の利用者を認識できるものが存在するか否かを判断する。
【0036】
そして、制御部4は、ステップS103にて「保存済みでない(No)」と判断した場合には、その判断を以て、タッチパネル10に近づいた利用者は、乗りかご100への割当てが存在しない利用者(新規の利用者)であると判断できる。この場合、制御部4は、タッチパネル10に入力画面M1を表示することにより、その利用者による1回目の行先階Fdの入力を許可する。具体的には、以下のとおりである。
【0037】
制御部4は、先ず、状態変数Wを「新規」に設定する(ステップS111)。ここで、状態変数Wは、乗りかご100への割当ての状態を表す変数であり、新規の割当てが行われる場合には「新規」に設定され、後述するように既存の割当てが存在する場合には「既存」に設定される。尚、ステップS111は、後述するステップS124(図3B)の前であれば、ステップS112やステップS121の後など、別のタイミングで実行されてもよい。
【0038】
次に、制御部4は、タッチパネル10に近づいた利用者に行先階Fdの入力を許可するべく、ステップS102で読み出した装置アドレスPaで特定される行先階登録装置101へ入力画面表示信号S1を送信する(ステップS112)。ここで、入力画面表示信号S1は、タッチパネル10への入力画面M1の表示を行先階登録装置101に指令するための信号である。
【0039】
そして、行先階登録装置101は、入力画面表示信号S1を群管理制御装置103から受信した場合、入力画面M1を、デフォルト画面M0から切り替えてタッチパネル10に表示する(ステップS201。図4(A)→図4(B))。また、行先階登録装置101は、タッチパネル10に入力画面M1を表示したときの現在時刻T(具体的には、タッチパネル10の表示画面を入力画面M1に切り替えたときの現在時刻T)を、表示時刻T1に代入する。
【0040】
その後、行先階登録装置101は、先ず、入力画面M1にて行先階Fdが入力(選択)されたか否かを判断し(ステップS202)、ステップS202にて「入力されていない(Yes)」と判断した場合には、更に、表示時刻T1からの経過時間(T-T1)が、予め設定されている所定時間Tc1(例えば、6秒)以上になったか否かを判断する(ステップS202A)。ここで、所定時間Tc1は、入力画面M1にて行先階Fdが入力(選択)されるのを待つ時間である。そして、行先階登録装置101は、ステップS202にて「入力された(Yes)」と判断できるか、或いは、ステップS202Aにて「所定時間Tc1以上になった(Yes)」と判断できるまで、ステップS202及びS202Aを順次繰り返し実行する。
【0041】
行先階登録装置101は、ステップS202にて行先階Fdが「入力された(Yes)」と判断できた場合には、入力された行先階Fdを、群管理制御装置103へ送信し(ステップS203)、その後、タッチパネル10の表示画面をデフォルト画面M0に戻す。
【0042】
一方、行先階登録装置101は、入力画面M1にて行先階Fdが入力(選択)されずに所定時間Tc1が経過することで、ステップS202Aにて「所定時間Tc1以上になった(Yes)」と判断できた場合には、タイムアウト信号St1を群管理制御装置103へ送信し(ステップS202B)、その後、タッチパネル10の表示画面をデフォルト画面M0に戻す。ここで、タイムアウト信号St1は、行先階Fdが入力されずに所定時間Tc1が経過したことを群管理制御装置103に知らせるための信号である。
【0043】
群管理制御装置103の制御部4は、ステップS112の実行後(行先階登録装置101への入力画面表示信号S1の送信後)、ステップS102で読み出した装置アドレスPaで特定される行先階登録装置101から行先階Fd及びタイムアウト信号St1のどちらを受信したのかを判断する。具体的には、制御部4は、先ず、当該行先階登録装置101から行先階Fdを受信したか否かを判断し(ステップS113)、ステップS113にて「受信していない(No)」と判断した場合には、更に、その行先階登録装置101からタイムアウト信号St1を受信したか否かを判断する(ステップS113A)。そして、制御部4は、ステップS113及びS113Aの何れかで「受信した(Yes)」と判断できるまで、ステップS113及びS113Aを順次繰り返し実行する。
【0044】
制御部4は、ステップS113Aにてタイムアウト信号St1を「受信した(Yes)」と判断した場合には、その判断を以て、タッチパネル10に近づいた利用者にはエレベータを利用する意思がないと判断できるため、そのまま制御処理を終了させる。
【0045】
一方、制御部4は、ステップS113にて行先階Fdを「受信した(Yes)」と判断した場合には、その判断を以て、タッチパネル10に近づいた利用者にはエレベータを利用する意思があると判断できるため、受信した行先階Fdを用いて乗りかご100への割当てを行う。具体的には以下のとおりである(図3B参照)。
【0046】
制御部4は、先ず、行先階登録装置101から受信した行先階Fdを行先階変数X2に代入する(ステップS121)。ここで、行先階変数X2は、制御処理の過程で行先階Fdが適宜格納される変数である。
【0047】
次に、制御部4は、ステップS102で読み出した設置階Fsを出発階Fcとして用い、その出発階Fcと行先階変数X2の値(即ち、ステップS121で行先階変数X2に代入した行先階Fd)とを、1つの乗場呼びとして、何れか1つの乗りかご100に割り当てる(ステップS122)。そして、制御部4は、割り当てた乗りかご100のかご情報Pgを割当情報変数X3に代入し、当該乗りかご100への割当てを実行したときの現在時刻Tを割当時刻Tgに代入する。ここで、割当情報変数X3は、制御処理の過程でかご情報Pgが適宜格納される変数である。
【0048】
その後、制御部4は、生体情報変数X1の値(ステップS101で生体情報変数X1に代入した生体情報Pi)を情報管理データDpに保存する(ステップS123)。このとき、制御部4は、その生体情報変数X1の値(生体情報Pi)に対応付けて、出発階Fc(ステップS102で読み出した設置階Fs)、行先階変数X2の値(ステップS121で行先階変数X2に代入した行先階Fd)、割当情報変数X3の値(ステップS122で割当情報変数X3に代入したかご情報Pg)、及び割当時刻Tgの値(ステップS122で乗りかご100への割当てを実行したときの現在時刻T)を、情報管理データDpに更に保存する。
【0049】
そして本実施形態では、制御部4は、何れかの出発階Fcから乗りかご100が出発したときに、そのときの出発階Fcと移動方向(上向き又は下向き)とを考慮して、情報管理データDpに保存されている情報のうちの、その出発した乗りかご100によって輸送が開始された乗場呼び(出発階Fc及び行先階Fd)を含んでいるものを、順次、情報管理データDpから削除する(図3A図3Cのフローチャートでは不図示)。尚、制御部4は、情報管理データDpに保存した情報のうちの、割当時刻Tgから所定時間(例えば、10分)が経過したもの(生体情報Pi及びそれに関連する全ての情報)を、順次、情報管理データDpから削除してもよい。
【0050】
ステップS121~S123の割当処理の実行後、制御部4は、当該割当処理で割り当てた乗りかご100のかご情報Pg(乗車すべき乗りかご100のかご情報Pg)を利用者に伝えるための報知画面M2Aをタッチパネル10に表示する(図4(C)参照)。具体的には以下のとおりである。
【0051】
制御部4は、報知画面M2Aの表示に必要な情報として、行先階変数X2の値(ステップS121で行先階変数X2に代入された行先階Fd)、割当情報変数X3の値(ステップS122で割当情報変数X3に代入されたかご情報Pg)、及び状態変数Wの値(ステップS111で設定された「新規」)を、ステップS102で読み出した装置アドレスPaで特定される行先階登録装置101へ送信する(ステップS124)。
【0052】
そして、行先階登録装置101は、群管理制御装置103から情報を受信した場合において、その情報に状態変数Wが含まれていた場合には、当該状態変数Wの値に基づいて、タッチパネル10に表示すべき報知画面M2(報知画面M2A又はM2B)を選択する。
【0053】
具体的には、行先階登録装置101は、受信した情報に含まれている状態変数Wの値が「新規」であった場合には、乗車すべき乗りかご100の情報を利用者に伝えるための報知画面M2Aを選択し、その報知画面M2Aを、入力画面M1から切り替えてタッチパネル10に表示する(ステップS210。図4(B)→図4(C))。このとき、行先階登録装置101は、受信した情報に含まれている行先階Fd及びかご情報Pgを報知画面M2Aに表示する。これにより、利用者に、自身が乗車すべき乗りかご100を認識させることができる。尚、報知画面M2Aには、図4(C)に示されるように、かご情報Pgで識別される乗りかご100への割当てが行われたことを利用者に伝えるためのメッセージが表示されてもよい。
【0054】
そして、行先階登録装置101は、報知画面M2Aの表示から所定時間が経過したときに、タッチパネル10の表示画面をデフォルト画面M0に戻す。
【0055】
一方、制御部4は、ステップS103(図3A)にて「保存済みである(Yes)」と判断した場合には、その判断を以て、タッチパネル10に近づいた利用者は、乗りかご100への割当てが既に存在する利用者であると判断できる。この場合、制御部4は、入力画面M1を表示することに代えて、割当てが既に存在することを利用者に伝えるための報知画面M2Bをタッチパネル10に表示することにより、その利用者による2回目以降の行先階Fdの入力を制限する。具体的には以下のとおりである(図3C参照)。
【0056】
制御部4は、先ず、状態変数Wを「既存」に設定する(ステップS131)。尚、ステップS131は、後述するステップS133の前であれば、ステップS132の後に実行されてもよい。
【0057】
次に、制御部4は、既存の割当てがどのようなものであるのかを利用者に伝えるための情報(行先階Fd及びかご情報Pg)を、情報管理データDpから読み出す(ステップS132)。具体的には、制御部4は、生体情報変数X1の値(ステップS101で生体情報変数X1に代入した生体情報Pi)を用いて、情報管理データDpから、その値(生体情報Pi)に対応する行先階Fd及びかご情報Pgを読み出す。そして、制御部4は、読み出した行先階Fd及びかご情報Pgをそれぞれ行先階変数X2及び割当情報変数X3に代入する。
【0058】
その後、制御部4は、報知画面M2Bの表示に必要な情報として、行先階変数X2の値(ステップS132で行先階変数X2に代入された行先階Fd)、割当情報変数X3の値(ステップS132で割当情報変数X3に代入されたかご情報Pg)、及び状態変数Wの値(ステップS131で設定された「既存」)を、ステップS102で読み出した装置アドレスPaで特定される行先階登録装置101へ送信する(ステップS133)。
【0059】
そして、行先階登録装置101は、群管理制御装置103から上記情報を受信した場合、当該情報に含まれている状態変数Wの値が「既存」であることを以て報知画面M2Bを選択し、その報知画面M2Bを、デフォルト画面M0から切り替えてタッチパネル10に表示する(ステップS220。図4(A)→図4(D))。このとき、行先階登録装置101は、受信した情報に含まれている行先階Fd及びかご情報Pgを報知画面M2Bに表示すると共に、そのかご情報Pgで識別される乗りかご100への割当てが既に存在することを利用者に伝えるためのメッセージを報知画面M2Bに表示する。
【0060】
そして、行先階登録装置101は、報知画面M2Bの表示から所定時間が経過したときに、タッチパネル10の表示画面をデフォルト画面M0に戻す。
【0061】
このような制御処理によれば、1人の利用者による2回目以降の行先階Fdの入力が画面(インタフェース)上で制限され、その結果として、1人の利用者によって行先階Fdの入力が複数回行われることが防止される。これにより、乗りかご100への割当てと利用者との対応関係が1対1で維持されることになり、群管理制御装置103は、乗りかご100への割当数を正確に把握することが可能になる。よって、エレベータにおいて高い輸送効率が実現される。
【0062】
[3]変形例
[3-1]第1変形例
上記実施形態で説明した制御システムにおいて、群管理制御装置103の制御部4は、対象とする利用者の生体情報Piについて「保存済みである」と判断した場合には、その利用者について割り当てた乗りかご100の運行状況Phを取得し、取得した当該運行状況Phを、割当てが既に存在することを利用者に伝えるための報知画面M2Bにおいて更に表示してもよい(図6参照)。以下、この例を第1変形例として、その詳細について説明する。
【0063】
図5は、第1変形例で実行される制御処理を示したフローチャートである。本変形例では、制御部4は、上記実施形態で説明したステップS132(既存の割当てに関する各種情報の読出し)の実行後、ステップS133(行先階登録装置101への報知画面M2Bの表示に必要な情報の送信)を実行する前に、割当情報変数X3の値(ステップS132で割当情報変数X3に代入されたかご情報Pg)で識別される乗りかご100の運行状況Phを、当該乗りかご100を制御するエレベータ制御装置102から取得する(ステップS132A)。
【0064】
その後、制御部4は、ステップS133において、報知画面M2Bの表示に必要な情報として、行先階変数X2の値(行先階Fd)、割当情報変数X3の値(かご情報Pg)、及び状態変数Wの値(「既存」)と共に、ステップS132Aで取得した運行状況Phを、ステップS102で読み出した装置アドレスPaで特定される行先階登録装置101へ送信する。
【0065】
そして、行先階登録装置101は、群管理制御装置103から上記情報を受信した場合、ステップS220において、報知画面M2Bをタッチパネル10に表示すると共に、当該報知画面M2Bにおいて運行状況Phを更に表示する(図6参照)。
【0066】
このような制御処理によれば、利用者は、タッチパネル10に近づくことで表示された報知画面M2Bを確認することにより、自身が乗車しようとする乗りかご100の運行状況Phを認識することができる。従って、利用者は、その運行状況Phに基づいて、自身が乗車しようとする乗りかご100が到着するまでの待ち時間を予測することができる。よって、例えば待ち時間が長くなったときの利用者の苛立ちが低減される。
【0067】
[3-2]第2変形例
上記実施形態で説明した制御システムにおいて、群管理制御装置103の制御部4は、割当てが既に存在することを利用者に伝えるための報知画面M2Bにおいて、既存の割当てを取り消すための取消ボタンBcを更に表示してもよい(図8(A)参照)。そして、制御部4は、当該報知画面M2Bで取消ボタンBcが押された場合、当該取消ボタンBcを押した利用者についての既存の割当てを取り消すと共に、その利用者の生体情報Pi及びそれに関連する全ての情報を情報管理データDpから削除してもよい。以下、この例を第2変形例として、その詳細について説明する。
【0068】
図7A及び図7Bは、第2変形例で実行される制御処理を示したフローチャートである。本変形例では、制御部4は、報知画面M2Bに取消ボタンBcを更に表示するべく、上記実施形態で説明したステップS133(行先階登録装置101への報知画面M2Bの表示に必要な情報の送信)において、ステップS102で読み出した装置アドレスPaで特定される行先階登録装置101へ取消ボタン表示信号S2を更に送信する(図7A参照)。ここで、取消ボタン表示信号S2は、報知画面M2Bへの取消ボタンBcの更なる表示を行先階登録装置101に指令するための信号である。
【0069】
そして、行先階登録装置101は、群管理制御装置103から情報を受信した場合において、その情報に含まれている状態変数Wが「既存」であって、且つ、当該情報に取消ボタン表示信号S2が含まれていた場合には、ステップS220において、報知画面M2Bをタッチパネル10に表示すると共に、当該報知画面M2Bにおいて取消ボタンBcを押下可能に表示する(図8(A)参照)。また、行先階登録装置101は、タッチパネル10に報知画面M2Bを表示したときの現在時刻T(具体的には、タッチパネル10の表示画面を報知画面M2Bに切り替えたときの現在時刻T)を、表示時刻T2に代入する。
【0070】
その後、行先階登録装置101は、報知画面M2Bにて取消ボタンBcが押されたか否かを判断し(ステップS231)、ステップS231にて「押されていない(No)」と判断した場合には、更に、表示時刻T2からの経過時間(T-T2)が、予め設定されている所定時間Tc2(例えば、6秒)以上になったか否かを判断する(ステップS231A)。ここで、所定時間Tc2は、報知画面M2Bにて取消ボタンBcが押されるのを待つ時間である。そして、行先階登録装置101は、ステップS231にて「押された(Yes)」と判断できるか、或いは、ステップS231Aにて「所定時間Tc2以上になった(Yes)」と判断できるまで、ステップS231及びS231Aを順次繰り返し実行する。
【0071】
行先階登録装置101は、ステップS231にて取消ボタンBcが「押された(Yes)」と判断できた場合には、取消信号Scを、群管理制御装置103へ送信し(ステップS232)、その後、タッチパネル10の表示画面をデフォルト画面M0に戻す。ここで、取消信号Scは、報知画面M2Bにて取消ボタンBcが押されたことを群管理制御装置103に知らせるための信号である。
【0072】
一方、行先階登録装置101は、報知画面M2Bにて取消ボタンBcが押されずに所定時間Tc2が経過することで、ステップS231Aにて「所定時間Tc2以上になった(Yes)」と判断できた場合には、タイムアウト信号St2を群管理制御装置103へ送信し(ステップS231B)、その後、タッチパネル10の表示画面をデフォルト画面M0に戻す。ここで、タイムアウト信号St2は、取消ボタンBcが押されずに所定時間Tc2が経過したことを群管理制御装置103に知らせるための信号である。
【0073】
群管理制御装置103の制御部4は、ステップS133の実行後(行先階登録装置101への報知画面M2Bの表示に必要な情報の送信後)、ステップS102で読み出した装置アドレスPaで特定される行先階登録装置101から取消信号Sc及びタイムアウト信号St2のどちらを受信したのかを判断する。具体的には、制御部4は、先ず、当該行先階登録装置101から取消信号Scを受信したか否かを判断し(ステップS140)、ステップS140にて「受信していない(No)」と判断した場合には、更に、その行先階登録装置101からタイムアウト信号St2を受信したか否かを判断する(ステップS140A)。そして、制御部4は、ステップS140及びS140Aの何れかで「受信した(Yes)」と判断できるまで、ステップS140及びS140Aを順次繰り返し実行する。
【0074】
制御部4は、ステップS140Aにてタイムアウト信号St2を「受信した(Yes)」と判断した場合には、その判断を以て、タッチパネル10に近づいた利用者には既存の割当てを取り消す意思がないと判断できるため、そのまま制御処理を終了させる。
【0075】
一方、制御部4は、ステップS140にて取消信号Scを「受信した(Yes)」と判断した場合には、その判断を以て、タッチパネル10に近づいた利用者には既存の割当てを取り消す意思があると判断できるため、当該既存の割当てについての取消しを行う。具体的には以下のとおりである(図7B参照)。
【0076】
制御部4は、先ず、状態変数Wを「取消」に設定する(ステップS141)。尚、ステップS141は、後述するステップS144の前であれば、ステップS142やS143の後に実行されてもよい。
【0077】
次に、制御部4は、情報管理データDpに保存されている情報のうちの、生体情報変数X1の値(即ち、ステップS101で生体情報変数X1に代入した生体情報Pi)から認識できる利用者と同一の利用者を認識できる生体情報Pi及びそれに関連する全ての情報を、情報管理データDpから削除する(ステップS142)。また、制御部4は、その利用者についての既存の割当てを取り消す(ステップS143)。尚、ステップS142とステップS143の実行順は前後が逆になってもよい。
【0078】
その後、制御部4は、既存の割当てが取り消されたことを利用者に伝えるための報知画面M2Cをタッチパネル10に表示するべく、報知画面M2Cの表示に必要な情報として、状態変数Wの値(ステップS141で設定された「取消」)を、ステップS102で読み出した装置アドレスPaで特定される行先階登録装置101へ送信する(ステップS144)。
【0079】
そして、行先階登録装置101は、群管理制御装置103から上記情報を受信した場合、当該情報に含まれている状態変数Wの値が「取消」であることを以て報知画面M2Cを選択し、その報知画面M2Cを、取消ボタンBcが表示されている報知画面M2Bから切り替えてタッチパネル10に表示する(ステップS234。図8(A)→図8(B))。このとき、行先階登録装置101は、既存の割当てが取り消されたことを利用者に伝えるためのメッセージを報知画面M2Cに表示する。
【0080】
そして、行先階登録装置101は、報知画面M2Cの表示から所定時間が経過したときに、タッチパネル10の表示画面をデフォルト画面M0に戻す。
【0081】
このような制御処理によれば、行先階Fdの入力後に何らかの理由でエレベータの利用が不要になった場合であっても、取消ボタンBcが押されて既存の割当てが取り消されることにより、既存の割当てが無駄になることが回避される。
【0082】
[3-3]第3変形例
上記実施形態で説明した制御システムにおいて、群管理制御装置103の制御部4は、割当てが既に存在することを利用者に伝えるための報知画面M2Bにおいて、行先階Fdを変更するための変更ボタンBdを更に表示してもよい(図10(A)参照)。そして、制御部4は、当該報知画面M2Bで変更ボタンBdが押された場合、当該変更ボタンBdを押した利用者についての既存の割当てを取り消すと共に、その利用者の生体情報Pi及びそれに関連する全ての情報を情報管理データDpから削除してから、変更後の行先階Fdを用いて改めて乗りかご100への割当てを行ってもよい。以下、この例を第3変形例として、その詳細について説明する。
【0083】
図9A及び図9Bは、第3変形例で実行される制御処理を示したフローチャートである。本変形例では、制御部4は、報知画面M2Bに変更ボタンBdを更に表示するべく、上記実施形態で説明したステップS133(行先階登録装置101への報知画面M2Bの表示に必要な情報の送信)において、ステップS102で読み出した装置アドレスPaで特定される行先階登録装置101へ変更ボタン表示信号S3を更に送信する(図9A参照)。ここで、変更ボタン表示信号S3は、報知画面M2Bへの変更ボタンBdの更なる表示を行先階登録装置101に指令するための信号である。
【0084】
そして、行先階登録装置101は、群管理制御装置103から情報を受信した場合において、その情報に含まれている状態変数Wが「既存」であって、且つ、当該情報に変更ボタン表示信号S3が含まれていた場合には、ステップS220において、報知画面M2Bをタッチパネル10に表示すると共に、当該報知画面M2Bにおいて変更ボタンBdを押下可能に表示する(図10(A)参照)。また、行先階登録装置101は、タッチパネル10に報知画面M2Bを表示したときの現在時刻T(具体的には、タッチパネル10の表示画面を報知画面M2Bに切り替えたときの現在時刻T)を、表示時刻T2に代入する。
【0085】
その後、行先階登録装置101は、報知画面M2Bにて変更ボタンBdが押されたか否かを判断し(ステップS241)、ステップS241にて「押されていない(No)」と判断した場合には、更に、表示時刻T2からの経過時間(T-T2)が、予め設定されている所定時間Tc2(例えば、6秒)以上になったか否かを判断する(ステップS241A)。ここで、所定時間Tc2は、報知画面M2Bにて変更ボタンBdが押されるのを待つ時間である。そして、行先階登録装置101は、ステップS241にて「押された(Yes)」と判断できるか、或いは、ステップS241Aにて「所定時間Tc2以上になった(Yes)」と判断できるまで、ステップS241及びS241Aを順次繰り返し実行する。
【0086】
行先階登録装置101は、報知画面M2Bにて変更ボタンBdが押されずに所定時間Tc2が経過することで、ステップS241Aにて「所定時間Tc2以上になった(Yes)」と判断できた場合には、タイムアウト信号St2を群管理制御装置103へ送信し(ステップS241B)、その後、タッチパネル10の表示画面をデフォルト画面M0に戻す。ここで、タイムアウト信号St2は、変更ボタンBdが押されずに所定時間Tc2が経過したことを群管理制御装置103に知らせるための信号である。
【0087】
一方、行先階登録装置101は、ステップS231にて変更ボタンBdが「押された(Yes)」と判断できた場合には、行先階Fdを変更するための変更画面M3を、変更ボタンBdが表示されている報知画面M2Bから切り替えてタッチパネル10に表示する(ステップS242。図10(A)→図10(B))。ここで、変更画面M3は、変更先Feとなる行先階Fdが入力(選択など)可能に表示された画面である(図10(B)参照)。また、行先階登録装置101は、タッチパネル10に変更画面M3を表示したときの現在時刻T(具体的には、タッチパネル10の表示画面を変更画面M3に切り替えたときの現在時刻T)を、表示時刻T3に代入する。
【0088】
その後、行先階登録装置101は、変更画面M3にて変更先Feが入力(選択)されたか否かを判断し(ステップS243)、ステップS243にて「入力されていない(No)」と判断した場合には、更に、表示時刻T3からの経過時間(T-T3)が、予め設定されている所定時間Tc3(例えば、6秒)以上になったか否かを判断する(ステップS243A)。ここで、所定時間Tc3は、変更画面M3にて変更先Feが入力(選択)されるのを待つ時間である。そして、行先階登録装置101は、ステップS243にて「入力された(Yes)」と判断できるか、或いは、ステップS243Aにて「所定時間Tc3以上になった(Yes)」と判断できるまで、ステップS243及びS243Aを順次繰り返し実行する。
【0089】
行先階登録装置101は、ステップS243にて変更先Feが「入力された(Yes)」と判断できた場合には、入力された変更先Feを、群管理制御装置103へ送信し(ステップS244)、その後、タッチパネル10の表示画面をデフォルト画面M0に戻す。
【0090】
一方、行先階登録装置101は、変更画面M3にて変更先Feが入力(選択)されずに所定時間Tc3が経過することで、ステップS243Aにて「所定時間Tc3以上になった(Yes)」と判断できた場合には、タイムアウト信号St3を群管理制御装置103へ送信し(ステップS243B)、その後、タッチパネル10の表示画面をデフォルト画面M0に戻す。ここで、タイムアウト信号St3は、変更先Feが入力されずに所定時間Tc3が経過したことを群管理制御装置103に知らせるための信号である。
【0091】
群管理制御装置103の制御部4は、ステップS133の実行後(行先階登録装置101への報知画面M2Bの表示に必要な情報の送信後)、ステップS102で読み出した装置アドレスPaで特定される行先階登録装置101から、変更先Fe、タイムアウト信号St2、及びタイムアウト信号St3のうちのどの情報を受信したのかを判断する。具体的には、制御部4は、先ず、当該行先階登録装置101から変更先Feを受信したか否かを判断し(ステップS150)、ステップS150にて「受信していない(No)」と判断した場合には、更に、その行先階登録装置101からタイムアウト信号St2又はSt3を受信したか否かを判断する(ステップS150A)。そして、制御部4は、ステップS150及びS150Aの何れかで「受信した(Yes)」と判断できるまで、ステップS150及びS150Aを順次繰り返し実行する。
【0092】
制御部4は、ステップS150Aにてタイムアウト信号St2又はSt3を「受信した(Yes)」と判断した場合には、その判断を以て、タッチパネル10に近づいた利用者には行先階Fdを変更する意思がないと判断できるため、そのまま制御処理を終了させる。
【0093】
一方、制御部4は、ステップS150にて変更先Feを「受信した(Yes)」と判断した場合には、その判断を以て、タッチパネル10に近づいた利用者には行先階Fdを変更する意思があると判断できるため、受信した変更先Feを用いて乗りかご100への割当てを変更する。具体的には以下のとおりである(図9B参照)。
【0094】
制御部4は、先ず、状態変数Wを「変更」に設定する(ステップS151)。また、制御部4は、行先階登録装置101から受信した変更先Feを、変更後の行先階Fdとして行先階変数X2に代入する(ステップS152)。尚、ステップS151は、後述するステップS157の前であれば、ステップS152やS153の後など、別のタイミングで実行されてもよい。
【0095】
その後、制御部4は、情報管理データDpに保存されている情報のうちの、生体情報変数X1の値(即ち、ステップS101で生体情報変数X1に代入した生体情報Pi)から認識できる利用者と同一の利用者を認識できる生体情報Pi及びそれに関連する全ての情報を、情報管理データDpから削除する(ステップS153)。また、制御部4は、その利用者についての既存の割当てを取り消す(ステップS154)。尚、ステップS153とステップS154の実行順は前後が逆になってもよい。
【0096】
次に、制御部4は、ステップS102で読み出した設置階Fsを出発階Fcとして用い、その出発階Fcと行先階変数X2の値(即ち、ステップS152で行先階変数X2に代入した変更後の行先階Fd(=変更先Fe))とを、1つの乗場呼びとして、改めて何れか1つの乗りかご100に割り当てる(ステップS155)。そして、制御部4は、割り当てた乗りかご100のかご情報Pgを割当情報変数X3に代入し、当該乗りかご100への割当てを実行したときの現在時刻Tを割当時刻Tgに代入する。
【0097】
その後、制御部4は、改めて、生体情報変数X1の値(ステップS101で生体情報変数X1に代入した生体情報Pi)を情報管理データDpに保存する(ステップS156)。このとき、制御部4は、その生体情報変数X1の値(生体情報Pi)に対応付けて、出発階Fc(ステップS102で読み出した設置階Fs)、行先階変数X2の値(ステップS152で行先階変数X2に代入した変更後の行先階Fd(=変更先Fe))、割当情報変数X3の値(ステップS155で割当情報変数X3に代入したかご情報Pg)、及び割当時刻Tgの値(ステップS155で乗りかご100への割当てを実行したときの現在時刻T)を、情報管理データDpに更に保存する。
【0098】
ステップS151~S156の変更処理の実行後、制御部4は、当該変更処理で割り当てた乗りかご100のかご情報Pg(変更後の乗りかご100のかご情報Pg)を利用者に伝えるための報知画面M2Dをタッチパネル10に表示する。具体的には以下のとおりである。
【0099】
制御部4は、報知画面M2Dの表示に必要な情報として、行先階変数X2の値(ステップS152で行先階変数X2に代入された変更後の行先階Fd(=変更先Fe))、割当情報変数X3の値(ステップS155で割当情報変数X3に代入されたかご情報Pg)、及び状態変数Wの値(ステップS151で設定された「変更」)を、ステップS102で読み出した装置アドレスPaで特定される行先階登録装置101へ送信する(ステップS157)。
【0100】
そして、行先階登録装置101は、群管理制御装置103から上記情報を受信した場合、当該情報に含まれている状態変数Wの値が「変更」であることを以て報知画面M2Dを選択し、その報知画面M2Dを、変更画面M3から切り替えてタッチパネル10に表示する(ステップS245。図10(B)→図10(C))。このとき、行先階登録装置101は、受信した情報に含まれている行先階Fd及びかご情報Pgを報知画面M2Dに表示すると共に、行先階Fdに変更に伴って乗りかご100への割当てが変更されたことを利用者に伝えるためのメッセージを報知画面M2Dに表示する。
【0101】
そして、行先階登録装置101は、報知画面M2Dの表示から所定時間が経過したときに、タッチパネル10の表示画面をデフォルト画面M0に戻す。
【0102】
このような制御処理によれば、行先階Fdの入力後に何らかの理由で行先階Fdの変更が必要になった場合であっても、利用者は、変更ボタンBdを押すことにより、既に割り当てられている乗りかご100を乗り過ごしてから別の行先階Fdを再度入力するといった無駄を発生させずに、行先階Fdを変更することができる。また、変更画面M3で行先階Fdが変更された場合(即ち、変更先Feが入力(選択)された場合)には、既存の割当てが取り消されてから新たな割当てが改めて行われるため、既存の割当てが無駄になることが回避される。
【0103】
[3-4]他の変形例
第1~第3変形例で説明した制御処理は、それらの幾つか又は全てを組み合わせたものに適宜変更されてもよい。
【0104】
また、上述した制御処理において、1人の利用者がタッチパネル10に近づいて入力画面M1や変更画面M3が表示されている場合において、その利用者が何も入力せずにタッチパネル10から離れる一方で別の利用者が近づいた場合には、タッチパネル10の表示画面が、当該別の利用者の生体情報Piに応じた画面に即座に切り替えられてもよい。
【0105】
更に、上述した制御システムにおいて、情報管理データDp内に保存されている生体情報Piは、行先階登録装置101にて保存及び管理されてもよい。この場合、行先階登録装置101が、群管理制御装置103に代わって、タッチパネル10に近づいた利用者の生体情報Piが保存済みであるか否かを判断することができる。
【0106】
上述の実施形態及び変形例の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態又は変形例ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0107】
例えば、上述した制御システムは、乗りかご100を3つ備えたエレベータに限らず、それらの数が1又は複数に適宜変更されたエレベータにも適用できる。また、上述の実施形態及び変形例からは、発明の対象として、エレベータの制御システムに限らず、制御処理やプログラムなどが個々に抽出されてもよいし、それらの一部が部分的に抽出されてもよく、更には、利用者に報知するときの報知方法などが抽出されてもよい。
【符号の説明】
【0108】
1 表示部
2 生体情報取得部
3 記憶部
4 制御部
T 現在時刻
W 状態変数
10 タッチパネル
41 判断処理部
42 表示処理部
43 割当処理部
Bc 取消ボタン
Bd 変更ボタン
D1 装置管理データ
Dp 情報管理データ
Fc 出発階
Fd 行先階
Fe 変更先
Fs 設置階
M0 デフォルト画面
M1 入力画面
M2、M2A、M2B、M2C、M2D 報知画面
M3 変更画面
Pa 装置アドレス
Pg かご情報
Ph 運行状況
Pi 生体情報
S1 入力画面表示信号
S2 取消ボタン表示信号
S3 変更ボタン表示信号
Sc 取消信号
T1、T2、T3 表示時刻
Tg 割当時刻
X1 生体情報変数
X2 行先階変数
X3 割当情報変数
100 乗りかご
101 行先階登録装置
102 エレベータ制御装置
103 群管理制御装置
Pd1、Pd2 装置情報
Pr1 受信情報
St1、St2、St3 タイムアウト信号
Tc1、Tc2、Tc3 所定時間
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-05-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗場に設置される表示部と、
前記表示部に近づいた利用者から、当該利用者を識別するための生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部が取得した前記生体情報が選択的に保存される記憶部と、
前記表示部に利用者が近づくごとに、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報が前記記憶部に保存済みであるか否かを判断する判断処理部と、
前記判断処理部が前記生体情報について保存済みでないと判断した場合に、前記表示部に、行先階を入力するための入力画面を表示する表示処理部と、
前記入力画面で前記行先階が入力された場合に、その行先階を用いて乗りかごへの割当てを行うと共に、当該行先階の入力のために前記表示部に近づいた利用者の前記生体情報を前記記憶部に保存する割当処理部と、
を備え、
前記割当処理部は、前記利用者が入力した前記行先階を用いて前記割当てを行った後、当該行先階への前記乗りかごによる輸送が実行された場合、或いは、当該割当てを行った時刻から所定時間が経過した場合に、当該利用者の前記生体情報を前記記憶部から削除し、
一方、前記記憶部に前記生体情報が残っており、それが故に前記判断処理部が当該生体情報について保存済みであると判断した場合には、前記表示処理部は、前記割当てが既に存在することを利用者に伝えるための報知画面を、前記表示部に表示する、エレベータの制御システム。
【請求項2】
前記判断処理部が前記生体情報について保存済みであると判断した場合には、前記表示処理部は、その生体情報を持つ利用者について割り当てられている乗りかごの運行状況を取得し、取得した当該運行状況を前記報知画面において更に表示する、請求項1に記載のエレベータの制御システム。
【請求項3】
乗場に設置される表示部と、
前記表示部に近づいた利用者から、当該利用者を識別するための生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部が取得した前記生体情報が選択的に保存される記憶部と、
前記表示部に利用者が近づくごとに、前記生体情報取得部によって取得された前記生体情報が前記記憶部に保存済みであるか否かを判断する判断処理部と、
前記判断処理部が前記生体情報について保存済みでないと判断した場合に、前記表示部に、行先階を入力するための入力画面を表示する表示処理部と、
前記入力画面で前記行先階が入力された場合に、その行先階を用いて乗りかごへの割当てを行うと共に、当該行先階の入力のために前記表示部に近づいた利用者の前記生体情報を前記記憶部に保存する割当処理部と、
を備え、
前記判断処理部が前記生体情報について保存済みであると判断した場合には、前記表示処理部は、前記割当てが既に存在することを利用者に伝えるための報知画面を、前記表示部に表示し、且つ、当該報知画面において、既存の割当てを取り消すための取消ボタンを更に表示し、
前記割当処理部は、前記報知画面で前記取消ボタンが押された場合、当該取消ボタンを押した利用者についての既存の割当てを取り消すと共に、その利用者の前記生体情報を前記記憶部から削除する、エレベータの制御システム。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記報知画面において、前記行先階を変更するための変更ボタンを更に表示し、
前記割当処理部は、前記報知画面で前記変更ボタンが押された場合、当該変更ボタンを押した利用者についての既存の割当てを取り消すと共に、その利用者の前記生体情報を前記記憶部から削除してから、変更後の行先階を用いて改めて乗りかごへの割当てを行う、請求項1~3の何れかに記載のエレベータの制御システム。