(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126043
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】外装ルーバー
(51)【国際特許分類】
E06B 9/01 20060101AFI20220823BHJP
【FI】
E06B9/01 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023884
(22)【出願日】2021-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】森 正樹
【テーマコード(参考)】
2E020
【Fターム(参考)】
2E020AB06
2E020BA01
2E020BB02
2E020BC01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】施工性のよい外装ルーバーの提供。
【解決手段】ルーバー材1と、ルーバー材1a,1bを長手方向に連結するジョイントスリーブ2を備え、ルーバー材1a,1bは、中空部3を有し、ジョイントスリーブ2は、押圧片4を有し、一方側ルーバー材1aにネジ5で固定され、他方側ルーバー材1bに押圧片4により押圧してある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーバー材と、ルーバー材を長手方向に連結するジョイントスリーブを備え、ルーバー材は、中空部を有し、ジョイントスリーブは、押圧片を有し、一方側ルーバー材にネジで固定され、他方側ルーバー材に押圧片により押圧してあることを特徴とする外装ルーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の屋外側に設置される外装ルーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ビルの美観向上や目隠し等のために外装ルーバーを設置することがある。外装ルーバーは、長尺のルーバー材を間隔をおいて取付けて構成されるが、大きい外装ルーバーではルーバー材同士を長手方向に連結する場合があり、ルーバー材の端部同士の間にずれが生じないように連結しながら施工するのは容易ではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、施工性のよい外装ルーバーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による外装ルーバーは、ルーバー材と、ルーバー材を長手方向に連結するジョイントスリーブを備え、ルーバー材は、中空部を有し、ジョイントスリーブは、押圧片を有し、一方側ルーバー材にネジで固定され、他方側ルーバー材に押圧片により押圧してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1記載の発明による外装ルーバーは、ルーバー材と、ルーバー材を長手方向に連結するジョイントスリーブを備え、ルーバー材は、中空部を有し、ジョイントスリーブは、押圧片を有し、一方側ルーバー材にネジで固定され、他方側ルーバー材に押圧片により押圧してあるので、一方側ルーバー材にジョイントスリーブをネジで固定し、ジョイントスリーブを他方側ルーバー材の中空部内に挿入するだけで、一方側ルーバー材と他方側ルーバー材を連結することができ、施工性がよい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】(a)はルーバー材同士の連結部の側面図であり、(b)は同連結部の後面図、(c)はA-A断面図、(d)はB-B断面図である。
【
図2】本発明の外装ルーバーの一実施形態を示す正面図である。
【
図5】(a)はジョイントスリーブの側面図、(b)は同後面図、(c)は同平面図である。
【
図6】ルーバー材同士を連結するときの状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~4は、本発明の外装ルーバーの一実施形態を示している。本外装ルーバーは、ビル等の建物(図示省略)の屋外側に外観の意匠性向上や日射遮熱等の目的で設置されるものであって、
図2~4に示すように、建物の躯体6に取付けたアングル7に固定して上下方向に間隔をおいて設けた複数の取付材8,8,…と、取付材8,8,…の屋外側面に鉛直な姿勢で左右方向に間隔をおいて取付けた複数のルーバー材1,1,…とを備える。
各ルーバー材1は、
図3に示すように、下側(長手方向一方側)に位置する一方側ルーバー材1aと上側(長手方向他方側)に位置する他方側ルーバー材1bとをジョイントスリーブ2で連結したものとなっている。取付材8は、チャンネル9と、チェンネル9の上面にボルト・ナット11で取付けたアングル10とで構成してある。
【0008】
一方側ルーバー材1aと他方側ルーバー材1bは、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであって、
図1に示すように、見込方向が左右方向より長い略矩形断面の中空形材となっている。後側(見込方向他方側)には、ルーバー材1a,1bを取付材8に取付けるための金具12(
図3,4参照)を収納する取付金具収納溝13が設けてある。取付金具収納溝13は、後側が開口した略C字形断面に形成してある。中空部3の前側(見込方向一方側)の壁14の後面側と、中空部3の後側の壁15の前面側には、タッピングホール16が長手方向に沿って形成してある。
図3に示すように、他方側ルーバー材1bの上端と一方側ルーバー材1aの下端には、蓋体17がタッピングホール16に螺入するネジ18で取付けてある。
【0009】
ジョイントスリーブ2は、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであって、
図1,5に示すように、見込方向が左右方向より長い略矩形断面の中空形材となっている。後壁19には、ルーバー材1a,1bのタッピングホール16を逃がす溝20が形成してある。ジョイントスリーブ2の左右寸法aは、ルーバー材1a,1bの中空部3の内側の左右寸法Aより2mm程度小さくしてある。また、ジョイントスリーブ2の見込寸法bは、ルーバー材1a,1bの中空部3の内側の見込寸法Bより1~2mm程度小さくしてある。したがってジョイントスリーブ2は、ルーバー材1a,1bの中空部3内に容易に挿入することができる。
ジョイントスリーブ2は、
図5に示すように、後壁19の下側の位置に、後述するネジ5が螺入する孔21が形成してある。一方側ルーバー材1aには、中空部3の後側の壁15に同ネジ5を挿通するためのバカ孔22が設けてある。またジョイントスリーブ2は、前壁23の上側の位置に押圧片4が前側に突出して形成してある。押圧片4は、前壁23を切り起こして形成したものであり、下側に向かうにつれて前側に突出するように斜めに傾斜し、押圧片4の先端部は後側に向けてR状に曲げてある。
【0010】
ジョイントスリーブ2は、
図1に示すように、下側を一方側ルーバー材1aの中空部3に挿入し、後側より下側ルーバー材1aのバカ孔22に挿通したネジ(タッピングネジ)5をジョイントスリーブ2の孔21に螺入して締め付けることで、一方側ルーバー材1aの中空部3の後側の壁15に引き付けて固定されている。またジョイントスリーブは、上側が他方側ルーバー材1bの中空部3に挿入され、押圧片4が他方側ルーバー材1bの中空部3の前側の壁14を押圧(厳密には、同壁14の後面側に形成されたタッピングホール16を押圧)することで、他方側ルーバー材1bの中空部3の後側の壁15に押し付けられている。このように、ジョイントスリーブ2を一方側ルーバー材1aと他方側ルーバー材1bの中空部3に呑み込ませ、ジョイントスリーブ2の下側と上側が何れも一方側ルーバー材1aと他方側ルーバー材1bの中空部3内で後側の壁15に当接することで(
図1(c),(d)参照)、一方側ルーバー材1aの上端部と他方側ルーバー材1bの下端部との間に見込方向のずれが生じない。
【0011】
次に、本外装ルーバーの施工手順を説明する。まず、躯体6の屋外側端部に取付材8,8,…を所定の間隔で取付ける。
次に、取付材8,8に他方側ルーバー材1bを取付ける。他方側ルーバー材1bの取付けは、ボルト24を後方に突出して保持した金具12を他方側ルーバー材1bの取付金具収納溝13に小口から挿入し、取付材8の前方位置まで金具12をスライドさせて、ボルト24を取付材8に形成した切り欠き(図示省略)に上方より挿入し、ボルト24に後方からナット25を螺合して締め付けて行う。
次に、一方側ルーバー材1aの上端部の中空部3内にジョイントスリーブ2の下側を挿入し、後方からのネジ5でジョイントスリーブ2を中空部3の後側の壁15に引き付けて固定する。その上で、
図6に示すように、ジョイントスリーブ2の上側を他方側ルーバー材1bの中空部3に下方より挿入する。すると、押圧片4が他方側ルーバー材1bの中空部3の前側の壁14を押圧することで、ジョイントスリーブ2が他方側ルーバー材1bの中空部3の後側の壁15に押し付けられ、これにより一方側ルーバー材1aの上端部と他方側ルーバー材1bの下端部とが見込方向にずれのない状態で連結される。
その後、一方側ルーバー材1aを他方側ルーバー材1bと同様に取付材8に固定する。
【0012】
以上に述べたように本外装ルーバーは、ルーバー材1,1,…と、ルーバー材1a,1bを長手方向に連結するジョイントスリーブ2を備え、ルーバー材1a,1bは、中空部3を有し、ジョイントスリーブ2は、押圧片4を有し、一方側ルーバー材1aにネジ5で固定され、他方側ルーバー材1bに押圧片4により押圧してあるので、一方側ルーバー材1aにジョイントスリーブ2をネジ5で固定し、ジョイントスリーブ2を他方側ルーバー材1bの中空部3内に挿入するだけで、一方側ルーバー材1aと他方側ルーバー材1bを連結することができ、施工性がよい。
ジョイントスリーブ2は、長手方向他方側(上側)に押圧片4を有し、一方側ルーバー材1a及び他方側ルーバー材1bの中空部3に呑み込ませてあり、他方側ルーバー材1bの見込方向一方側(前側)の壁14に押圧片4が押し付けられ、一方側ルーバー材1aの見込方向他方側(後側)の壁15に引き付けてネジ5で固定してあるので、一方側ルーバー材1aと他方側ルーバー材1bの端部同士の間に見込方向のずれが生じない。
押圧片4は、ジョイントスリーブ2の壁(前壁)23を切り起こして形成してあるので、ジョイントスリーブ2を安価に製作できる。
押圧片4は、先端部が見込方向他方側(後側)に曲げてあるため、ルーバー材1a,1bが熱伸びする際及び元に戻る際に、押圧片4がルーバー材1bに引っ掛かることがないので、ルーバー材1a,1bの熱伸縮を妨げない。
また、本ジョイントスリーブ2によれば、ネジ止め箇所が一箇所でよいとともに、ルーバー材への孔加工も一箇所でよいため(他方側ルーバー材1bには孔加工が不要)、ルーバー材1a,1bの取付け及び加工に要する時間を短縮できる。
本外装ルーバーは、ジョイントスリーブ2で連結することによりルーバー材1a,1b同士を強固に連結することができる。また、ルーバー材1a,1bが連続しているように見えるので、意匠性がよい。さらに、ルーバー材1a,1b同士の面合せが容易に行える。
本外装ルーバーは、上側の他方側ルーバー材1bを先に取付け、下側の一方側ルーバー材1aの上端部にあらかじめ取付けたジョイントスリーブ2を他方側ルーバー材1bの下端部に下から突き上げるように嵌めて連結していくことで、ルーバー材1a,1bを鉛直に施工するのが容易である。
【0013】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。ルーバー材及びジョイントスリーブの形状、材質は、適宜変更することができる。本発明の外装ルーバーは、ルーバー材を左右方向に取付けたものであってもよい。本発明の外装ルーバーは、ルーバー材をジョイントスリーブで長手方向に連結したものであればよく、その用途や設置の目的等は問わない。
【符号の説明】
【0014】
1 ルーバー材
1a 一方側ルーバー材
1b 他方側ルーバー材
2 ジョイントスリーブ
3 中空部
4 押圧片
5 ネジ