(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126047
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】縦型製袋充填包装機、内容物入りフィルム包装袋の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65B 51/10 20060101AFI20220823BHJP
B65B 9/093 20120101ALI20220823BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
B65B51/10 300
B65B9/093
B65B57/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021023889
(22)【出願日】2021-02-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】596088093
【氏名又は名称】オリヒロエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122312
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 正優
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 正貴
(72)【発明者】
【氏名】山口 晶
(72)【発明者】
【氏名】横山 隆之
【テーマコード(参考)】
3E050
3E094
【Fターム(参考)】
3E050AA03
3E050AB02
3E050AB08
3E050BA01
3E050BA02
3E050BA11
3E050CA01
3E050CB03
3E050CB07
3E050DB05
3E050DC02
3E050DD03
3E050DF01
3E050DH02
3E050DH10
3E050FA01
3E050FB01
3E050FB07
3E050FC01
3E050GA01
3E050GA10
3E050GC02
3E050JA03
3E094AA12
3E094CA12
3E094DA03
3E094DA08
3E094EA03
3E094FA14
3E094GA12
3E094HA10
(57)【要約】
【課題】皺を発生させずに袋底を矩形に折り畳んで、内容物を充填したフィルム包装袋を効率よく製造できる縦型製袋充填包装機を提供する。
【解決手段】縦型製袋充填包装機1は、フィルムFをロールFrから繰り出すフィルム供給部5と、フィルムFをチューブ状に折り込んで搬送方向を下方向に変える製袋ガイド31と、フィルムFの側縁同士を上下方向に熱シールしてチューブ状にする縦シール部60と、フィルムFを下方向に搬送するフィルム搬送部50と、フィルムFの内側に内容物Xを投入する充填部70と、フィルムFを左右方向に熱シールして袋体にする横シール部80と、袋体の底部を内側から矩形に広げた後に熱シールして矩形の底面を形成する角底シール部90と、袋体をフィルムFから切り離すカッターと、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムをロールから繰り出すフィルム供給部と、
前記フィルムをチューブ状に折り込んで搬送方向を下方向に変える製袋ガイドと、
前記フィルムの側縁同士を上下方向に熱シールしてチューブ状にする縦シール部と、
前記フィルムを下方向に搬送するフィルム搬送部と、
前記フィルムの内側に内容物を投入する充填部と、
前記フィルムを左右方向に熱シールして袋体にする横シール部と、
前記袋体の底部を内側から矩形に広げて熱シールして矩形の底面にする角底シール部と、
前記袋体を前記フィルムから切り離すカッターと、
を備える縦型製袋充填包装機。
【請求項2】
前記角底シール部は、
前記袋体の底部を内側から矩形に広げて、前記袋体の両隅部分を三角形に折り畳む角底成形部と、
前記両隅部分を前後方向に熱シールする角底熱ヒーターと、
を備える、請求項1に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項3】
前記角底熱ヒーターは、前記横シール部の上面において前記両隅部分を前後方向に熱シールする、請求項2に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項4】
前記角底成形部は、
前記フィルムの内面に当接する四本の第一案内棒と、
前記四本の第一案内棒を四隅方向に移動させる第一案内棒駆動部と、
を備える、請求項2または3に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項5】
前記第一案内棒駆動部は、
前記四本の第一案内棒を前記フィルムの内側に当接させながら四隅方向外側で前記角底熱ヒーターに近接する作動位置に下降移動させ、
前記四本の第一案内棒を四隅方向内側で前記角底熱ヒーターから離間する退避位置に上昇移動させて、前記フィルムの内側に接触不能にする、請求項4に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項6】
前記フィルム搬送部は、前記四本の第一案内棒が前記退避位置から前記作動位置に移動するときに、前記両隅部分の折り畳み量に応じて、前記フィルムを下方向に搬送する、請求項5に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項7】
前記横シール部は、
前記フィルムを扁平化させる扁平成形部と、
前記フィルムを左右方向に挟持して熱シールする横熱ヒーターと、
を備える、請求項1から6のうちいずれか一項に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項8】
前記扁平成形部は、
前記フィルムの内面に当接する二本の第二案内棒と、
前記二本の第二案内棒を左右方向に移動させる第二案内棒駆動部と、
を備える、請求項7に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項9】
前記フィルムを前記製袋ガイドに保持させるフィルムクランプと、
前記フィルム供給部と前記製袋ガイドの間に架け渡された前記フィルムを弛ませるフィルムテンション解放部と、
前記製袋ガイドを支持して、前記内容物を計量する計量部と、
を備える、請求項1から8のうちいずれか一項に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項10】
前記計量部は、一対のロードセルを備え、
前記製袋ガイドは、前記一対のロードセルの間に架け渡される、請求項9に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項11】
前記横シール部の直下に配置されて、前記横シール部が作動するときに、前記袋体の厚みを規制する一対の脱気板を備える、請求項1から10のうちいずれか一項に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項12】
前記横シール部の下方向に配置されて、前記横シール部が作動するときに、前記袋体の底部を支持する袋支持部を備え、
前記袋支持部は、前記カッターが作動した後に、前記袋体を袋体搬出部に向けて搬送する、請求項1から11のうちいずれか一項に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項13】
前記袋支持部は、コンベヤを備え、
前記コンベヤを下方向に揺動させて、前記袋体を滑落させる、請求項12に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項14】
前記袋体搬出部は、前記袋支持部の下方向に収容箱を搬送し、
前記袋支持部は、前記コンベヤを下方向に揺動させて、前記収容箱の上蓋を開け広げる、請求項13に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項15】
前記フィルムは、共押出ポリエチレン多層フィルムまたは低密度ポリエチレン単層フィルムである、請求項1から14のうちいずれか一項に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項16】
ロールから繰り出したフィルムをチューブ状に折り込むフィルムフォーミング工程と、
前記フィルムの側縁同士を上下方向に熱シールしてチューブ状にする縦シール工程と、
前記フィルムを下方向に搬送するフィルム搬送工程と、
前記フィルムの内部に内容物を投入する充填工程と、
前記フィルムを左右方向に熱シールして袋体にする横シール工程と、
前記袋体の底部を内側から矩形に広げた後に熱シールして矩形の底面を形成する角底シール工程と、
前記袋体を前記フィルムから切り離す袋体切離工程と、
を有する内容物入りフィルム包装袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックフィルムから底面が矩形の袋体を形成して、液体や流動体等の内容物を充填する縦型製袋充填包装機に関する。特に、靭性が低いプラスチックフィルムから大容量のフィルム包装袋を形成して内容物を充填した後に、自動的に箱詰めを行う縦型製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
縦型製袋充填包装機は、帯状のプラスチックフィルムから袋体を形成すると共に、この袋体に内容物を充填して、内容物が封入されたフィルム包装袋を連続的に製造する。縦型製袋充填包装機は、食品を自動包装するために用いられることが多い。
食品衛生等の観点から、縦型製袋充填包装機において、内容物が封入されたフィルム包装袋を製造した後に、さらにこのフィルム包装袋を輸送用の段ボール箱等に自動的に投入(箱詰め)することが求められる。
【0003】
飲食店等で消費される業務用食品が充填されるフィルム包装袋には、安価なプラスチックフィルム(共押出ポリエチレン多層フィルム、低密度ポリエチレン単層フィルム等)が用いられることが多い。このようなプラスチックフィルムは、薄くて靭性(粘り気)が低いため、フィルム包装袋を段ボール箱等に投入すると、袋底の両隅部分が変形して不規則に折れ曲がる。
このフィルム包装袋に冷えると固まる食品(バターやチョコレート、油脂等)を充填した場合には、袋底の両隅部分から内容物を取り出すことが困難になる。両隅部分が冷えて固まった内容物にくい込むため、内容物をフィルム包装袋から取り出すときにフィルムが千切れて内容物内に取り残されてしまう。食品への異物混入を回避するためには、袋底の両隅角部に充填された内容物を廃棄せざるをえなくなる。
このため、縦型製袋充填包装機において、低靭性のプラスチックフィルムから、底面が四角形で箱詰めに適したフィルム包装袋を製造することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の縦型製袋充填包装機は、横シール部、角筒成形ガイド筒、三角フラップ形成部材を協働させて、包装袋の袋底を折り畳んで矩形の底面を形成する。フィルムを角筒成形ガイド筒に沿って搬送しながら、角筒成形ガイド筒と横シール部の間のフィルムを三角フラップ形成部材で押し付ける。包装袋の袋底を四角形に良好に折り畳めるのは、アルミニウム箔フィルムやドライラミネート多層フィルム等の高靭性のプラスチックフィルムを用いているからである。
【0006】
しかし、上述した低靭性フィルムを用いた場合には、フィルムが弛みやすいため、袋底を折り畳むと、フィルム包装袋の底面に皺が発生してしまう。特に、大容量のフィルム包装袋を形成する場合には、角筒成形ガイド筒と横シール部の距離が大きくなるため、高靭性フィルムを用いたとしても、袋底を皺がなく安定して折り畳むことができないという課題がある。
【0007】
また、角筒成形ガイド筒は、表面積が大きいため、内容物が付着する可能性が高い。このため、角筒成形ガイド筒を定期的に取り外して洗浄することが必要になる。特に、粘性が高い食品を充填する場合には、角筒成形ガイド筒の洗浄を頻繁に行う必要がある。
しかし、角筒成形ガイド筒は、取り付け取り外しが容易ではなく、メンテナンス性に劣るという課題がある。
【0008】
本発明は、皺を発生させずに袋底を矩形に折り畳んで、内容物を充填したフィルム包装袋を効率よく製造できる縦型製袋充填包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る縦型製袋充填包装機の実施態様は、フィルムをロールから繰り出すフィルム供給部と、前記フィルムをチューブ状に折り込んで搬送方向を下方向に変える製袋ガイドと、前記フィルムの側縁同士を上下方向に熱シールしてチューブ状にする縦シール部と、前記フィルムを下方向に搬送するフィルム搬送部と、前記フィルムの内側に内容物を投入する充填部と、前記フィルムを左右方向に熱シールして袋体にする横シール部と、前記袋体の底部を内側から矩形に広げて熱シールして矩形の底面にする角底シール部と、前記袋体を前記フィルムから切り離すカッターと、を備えることを特徴とする。
【0010】
前記角底シール部は、前記袋体の底部を内側から矩形に広げて、前記袋体の両隅部分を三角形に折り畳む角底成形部と、前記両隅部分を前後方向に熱シールする角底熱ヒーターと、を備えることを特徴とする。
【0011】
前記角底熱ヒーターは、前記横シール部の上面において前記両隅部分を前後方向に熱シールする、ことを特徴とする。
【0012】
前記角底成形部は、前記フィルムの内面に当接する四本の第一案内棒と、前記四本の第一案内棒を四隅方向に移動させる第一案内棒駆動部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
前記第一案内棒駆動部は、前記四本の第一案内棒を前記フィルムの内側に当接させながら四隅方向外側で前記角底熱ヒーターに近接する作動位置に下降移動させ、前記四本の第一案内棒を四隅方向内側で前記角底熱ヒーターから離間する退避位置に上昇移動させて、前記フィルムの内側に接触不能にする、ことを特徴とする。
【0014】
前記フィルム搬送部は、前記四本の第一案内棒が前記退避位置から前記作動位置に移動するときに、前記両隅部分の折り畳み量に応じて、前記フィルムを下方向に搬送する、ことを特徴とする。
【0015】
前記横シール部は、前記フィルムを扁平化させる扁平成形部と、前記フィルムを左右方向に挟持して熱シールする横熱ヒーターと、を備えることを特徴とする。
【0016】
前記扁平成形部は、前記フィルムの内面に当接する二本の第二案内棒と、前記二本の第二案内棒を左右方向に移動させる第二案内棒駆動部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
前記フィルムを前記製袋ガイドに保持させるフィルムクランプと、前記フィルム供給部と前記製袋ガイドの間に架け渡された前記フィルムを弛ませるフィルムテンション解放部と、前記製袋ガイドを支持して、前記内容物を計量する計量部と、を備えることを特徴とする。
【0018】
前記計量部は、一対のロードセルを備え、前記製袋ガイドは、前記一対のロードセルの間に架け渡される、ことを特徴とする。
【0019】
前記横シール部の直下に配置されて、前記横シール部が作動するときに、前記袋体の厚みを規制する一対の脱気板を備えることを特徴とする。
【0020】
前記横シール部の下方向に配置されて、前記横シール部が作動するときに、前記袋体の底部を支持する袋支持部を備え、前記袋支持部は、前記カッターが作動した後に、前記袋体を袋体搬出部に向けて搬送する、ことを特徴とする。
【0021】
前記袋支持部は、コンベヤを備え、前記コンベヤを下方向に揺動させて、前記袋体を滑落させる、ことを特徴とする。
【0022】
前記袋体搬出部は、前記袋支持部の下方向に収容箱を搬送し、前記袋支持部は、前記コンベヤを下方向に揺動させて、前記収容箱の上蓋を開け広げる、ことを特徴とする。
【0023】
前記フィルムは、共押出ポリエチレン多層フィルムまたは低密度ポリエチレン単層フィルムである、ことを特徴とする。
【0024】
本発明に係る内容物入りフィルム包装袋の製造方法の実施態様は、ロールから繰り出したフィルムをチューブ状に折り込むフィルムフォーミング工程と、前記フィルムの側縁同士を上下方向に熱シールしてチューブ状にする縦シール工程と、前記フィルムを下方向に搬送するフィルム搬送工程と、前記フィルムの内部に内容物を投入する充填工程と、前記フィルムを左右方向に熱シールして袋体にする横シール工程と、前記袋体の底部を内側から矩形に広げた後に熱シールして矩形の底面を形成する角底シール工程と、前記袋体を前記フィルムから切り離す袋体切離工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、皺のない矩形の底面を形成して、内容物を充填したフィルム包装袋を製造できる縦型製袋充填包装機を実現できる。特に、低靭性フィルムからフィルム包装袋を形成する場合や大容量のフィルム包装袋を形成する場合であっても、皺を発生させることなく、袋底を矩形に折り畳むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】内容物入りフィルム包装袋を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る縦型製袋充填包装機1の側面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る縦型製袋充填包装機1(製袋充填包装部6)の正面図である。
【
図4】フィルムテンション解放部20を示す図であって、(a)平面図、(b)側面図である。
【
図5】角底シール部90を示す斜視図であって、(a)上部構造、(b)下部構造を示す。
【
図6】内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法のフィルムフォーミング工程S1等を示す図であって、(a)側面図、(b)正面図である。
【
図7】内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法のフィルム搬送工程S5を示す図であって、(a)側面図、(b)正面図である。
【
図8】内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法のフィルムテンション解放工程S6を示す一部拡大側面図であって、(a)テンション解放前、(b)テンション解放後を示す。
【
図9】内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法の内容物充填・計量工程S7を示す側面図である。
【
図10】内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法の横シール工程S3を示す図であって、(a)側面図、(b)正面図である。
【
図11】内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法の角底シール工程S4を示す一部拡大図であって、(a)側面図、(b)正面図、(c)平面図である。
【
図12】内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法の袋体切離工程S8を示す図であって、(a)側面図、(b)正面図である。
【
図13】内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法の箱詰工程S9を示す図であって、(a)側面図、(b)正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係る縦型製袋充填包装機1および内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法について説明する。
【0028】
〔内容物入りフィルム包装袋G〕
図1は、内容物入りフィルム包装袋Gを示す斜視図である。
内容物入りフィルム包装袋Gは、一枚のプラスチックフィルムFから形成された、いわゆるピロー形の包装袋(袋体)に内容物Xを充填したものである。フィルム包装袋Gは、いわゆる業務用の包装袋であり、店舗等で大量消費される食品等が充填される。フィルム包装袋Gは、内容物Xの収容量(充填量)が例えば1L以上の大容量の包装袋である。
【0029】
内容物入りフィルム包装袋Gを立てた姿勢にしたときの高さ方向を上下方向ともいう。内容物入りフィルム包装袋Gの幅方向を左右方向ともいう。内容物入りフィルム包装袋Gの厚み方向を前後方向ともいう。
【0030】
フィルム包装袋Gは、上端が左右方向に延びる扁平形状、下端が前後左右方向(水平方向)に延びる四角形(矩形)の形状を有する。
具体的には、フィルム包装袋Gは、逆台形状の前面G1,後面G2、細長い三角形の一対の側面G3、四角形状の底面G4を有する。これら各面G1~G4により、内容物Xが収容(充填)される収容空間が形成される。フィルム包装袋Gは、柔軟なフィルムFからなるため、内容物Xが充填されると各面G1~G4が湾曲したり膨れたりして、各面G1~G4の境界は不明確(不明瞭)になる。
さらに、フィルム包装袋Gは、各側面G3と底面G4に接続する二つのフラップG5を有する。フラップG5は、三角形の形状を有し、収容空間とは封止されて内容物Xは充填されない。
【0031】
フィルム包装袋Gの上端には、左右方向に延在する横シールY1が設けられる。横シールY1は、前面G1と後面G2を溶着する。
後面G2の左右方向の中央には、上下方向に延在する縦シールTが設けられる。縦シールTは、一枚のプラスチックフィルムFの側縁同士(後面G2の右方側と左方側)を溶着する。縦シールTは、背貼シールとも呼ばれる。縦シールTの上端は、横シールY1に接続(溶着)する。縦シールTの下端は、底面G4の中心まで延在する。
底面G4の中央には、左右方向に延在する横シールY2が設けられる。横シールY2は、底面G4の前方側と後方側を溶着する。横シールY2の中央は、縦シールTの下端に接続(溶着)する。横シールY2の左右方向の両端は、フラップG5の先端(袋体の両隅)まで延在する。
側面G3、底面G4、フラップG5の境界には、前後方向に延在する一対の角底シールKが設けられる。角底シールKの中央は、横シールY2に接続(溶着)する。一対の角底シールKは、フラップG5と収容空間を封止する。
【0032】
フィルムFは、例えば、共押出ポリエチレン多層フィルム、低密度ポリエチレン単層フィルム等の安価なフィルムである。これらのフィルムは、薄くて靭性(粘り気)が低い。靭性が低いことを、日本では「腰が弱い」と表現する。このようなフィルムFを用いることにより、機械的強度を必要最低限に抑えた安価なフィルム包装袋Gが製造される。
【0033】
内容物Xは、液状またはペースト状(半固形物)の飲料、食品等である。具体的には、飲料水や液卵等の液体、マーガリンやショートニング、チョコレート、油脂等の流動体である。
チョコレートや油脂等は冷えると固まるため、通常のピロー形のフィルム包装袋に充填されると、袋底の両隅部分で固まって取り出すことが困難になる。
フィルム包装袋Gは、袋底(底面G4)が矩形であり、両隅部分が存在しない(フラップG5になる)ため、チョコレートや油脂等の内容物Xを取り出せなくなることがない。
【0034】
〔縦型製袋充填包装機1〕
図2は、縦型製袋充填包装機1の側面図である。
図3は、縦型製袋充填包装機1(製袋充填包装部6)の正面図である。
縦型製袋充填包装機1は、帯状のフィルムFからピロー形のフィルム包装袋(袋体)Gを形成すると同時に、このフィルム包装袋Gに内容物Xを充填する。
【0035】
縦型製袋充填包装機1は、制御部(不図示)により制御されて、フィルムFを下方向に間欠搬送しながら、内容物Xを充填する。縦型製袋充填包装機1は、フィルム包装袋Gの内部に空気を極力残さないように、内容物Xをほぼ満杯に充填する。
縦型製袋充填包装機1は、内容物Xを計量しながらフィルム包装袋Gに充填する。縦型製袋充填包装機1は、内容物Xの重量(充填量、投入量)を精度よく一定にする。縦型製袋充填包装機1は、内容物の定量性に優れたフィルム包装袋Gを連続して製造する。
【0036】
フィルムFの長手方向を搬送方向ともいう。フィルムFの幅方向を横方向ともいう。
製袋充填包装部6におけるフィルムFの長手方向を鉛直方向、上下方向または縦方向ともいう。製袋充填包装部6におけるフィルムFの横方向を左右方向ともいう。製袋充填包装部6におけるフィルムFの厚み方向を前後方向ともいう。
【0037】
製袋ガイド31の中心軸Oに対して直交する方向(水平放射方向)のうち、左前方向、右前方向、左後方向および右後方向の四つの方向を四隅方向という。
中心軸Oに近づく方向を内側、中心軸Oから遠のく方向を外側という。
【0038】
図2,
図3に示すように、縦型製袋充填包装機1は、フィルム供給部5、製袋充填包装部6を備える。縦型製袋充填包装機1には、搬送コンベヤ110が付設される。
フィルム供給部5は後方に、製袋充填包装部6は前方に配置される。フィルム供給部5、製袋充填包装部6は、装置フレーム2の内部に配置される。装置フレーム2は、脚部3を介して床面に設置される。
【0039】
〔フィルム供給部5〕
フィルム供給部5は、フィルムFを製袋充填包装部6に向けて供給する。
フィルム供給部5は、複数の従動ローラー、搬送ローラー対10、フィルムテンション解放部20等を備える。
フィルム供給部5は、ロール状に巻かれたフィルムF(ロールFr)を軸支する。フィルム供給部5は、ロールFrからフィルムFを繰り出し、複数のローラー等を経由させる。フィルム供給部5は、フィルムFに弛みや蛇行がないように、一定のテンションを掛けて送り出す。
【0040】
フィルム供給部5において、フィルムテンション解放部20は、フィルムFの搬送方向の最下流に配置される。搬送ローラー対10は、フィルムテンション解放部20の直上流に配置される。
【0041】
〈搬送ローラー対10〉
搬送ローラー対10は、駆動ローラー11と従動ローラー12からなる。駆動ローラー11と従動ローラー12は、並列に密着して配置される。駆動ローラー11は、駆動モーター13により回転駆動される。
搬送ローラー対10は、駆動ローラー11と従動ローラー12でフィルムFを常に挟持しながらフィルムFを送り出す。
【0042】
〈フィルムテンション解放部20〉
図4は、フィルムテンション解放部20を示す図であって、(a)平面図、(b)側面図である。
フィルムテンション解放部20は、三つの従動ローラー21,22,23と、この従動ローラー21,22,23を移動させるローラー移動部25を備える。
【0043】
従動ローラー21,22,23は、並列に離間して配置される。従動ローラー21,22,23は、均等な間隔を空けて配置され、フィルムFが架け渡される。
従動ローラー21,22は、フィルムFの外面に密着する。従動ローラー23は、フィルムFの内面に密着する。フィルムFの外面はフィルム包装袋Gの外面に、内面は内面になる。
【0044】
ローラー移動部25は、従動ローラー21,22,23をフィルムFに密着させたり、フィルムFから離間させたりする。ローラー移動部25は、従動ローラー21,22,23を従動回転可能に支持する支持部材26と、支持部材26を駆動するエアシリンダ27を備える。
【0045】
支持部材26は、従動ローラー21,22,23を軸支する。支持部材26は、装置フレーム2に対して、従動ローラー22の回転軸22c周りに回転可能に支持される。
エアシリンダ27は、フィルムFの外面側に配置されて、支持部材26に接続される。エアシリンダ27は、支持部材26に回転軸22c周りの回転力を付与する。つまり、エアシリンダ27は、従動ローラー21,23を回転軸22c周りに回転(公転)させる。
従動ローラー21,23が回転軸22c周りに回転すると、従動ローラー21,23がフィルムFに密着したり、離間したりする。これにより、ローラー移動部25は、フィルムFにテンションを与えたり、テンションを解放したりする。
【0046】
フィルムFは、フィルム供給部5から斜め上方向に送り出される。フィルムFは、フィルム供給部5から製袋充填包装部6の上端(後述する製袋ガイド31)に向けて搬送される。フィルムFは、製袋充填包装部6の上端において、搬送方向が下方向に変わる。
【0047】
〔製袋充填包装部6〕
製袋充填包装部6は、フィルムFを下方向(縦方向)に送りながら、フィルムFにフィルム包装袋Gを形成する。製袋充填包装部6は、内容物Xを計量しながらフィルム包装袋Gに充填する。製袋充填包装部6は、フィルムFからフィルム包装袋Gを切り離して、内容物Xが充填されたフィルム包装袋G(内容物入りフィルム包装袋G)を連続して製造する。
【0048】
製袋充填包装部6は、製袋部7、充填包装部8等を備える。
製袋部7が上方向に、充填包装部8が下方向に配置される。フィルムFは、製袋部7を経由して充填包装部8に送られる。製袋部7は、チューブ状のフィルムFを形成し、充填包装部8は、内容物Xが充填されたフィルム包装袋Gを製造する。
【0049】
〔製袋部7〕
製袋部7は、フィルムFを縦方向(下方向)に送りながら、フィルムFをチューブ状に形成する。製袋部7は、製袋ガイドユニット30、計量部40、フィルム搬送部50、縦シール部60を備える。
【0050】
〈製袋ガイドユニット30〉
製袋ガイドユニット30は、製袋ガイド31、フィルムクランプ34、支持フレーム38を備える。
製袋ガイドユニット30は、フィルムFをチューブ状に折り込む。さらに、製袋ガイドユニット30は、チューブ状のフィルムFを下方向に吊り下げた状態で保持する。
【0051】
製袋ガイド31は、フィルム供給部5から供給されたフィルムFに密着して(フィルムFを摺動させて)、チューブ状に折り込みつつ、搬送方向を斜め上方向から下方向に方向転換する。製袋ガイド31は、セーラー部32、パイプ部33を備える。
【0052】
セーラー部32は、ステンレス製の薄板をセーラー服の襟の様に折り込んだ部材であって、上流側が平板状、下流側が円筒状に形成される。セーラー部32の下流側は、上下方向に延びる。
パイプ部33は、ステンレス製の円筒体であって、セーラー部32の下流側(円筒状の部位)に嵌入される。パイプ部33は、上下方向に沿って配置され、セーラー部32との間に僅かな隙間が設けられる。パイプ部33は、上端がセーラー部32よりもやや上方向に突出し、下端がセーラー部32よりも下方向に延びる。
【0053】
フィルムFは、セーラー部32の上面に沿って搬送され、セーラー部32とパイプ部33の隙間に挿入される。フィルムFは、セーラー部32とパイプ部33の隙間を経てチューブ状に折り込まれる。チューブ状のフィルムFは、パイプ部33の外周面に沿って下方向に搬送される。
【0054】
フィルムクランプ34は、セーラー部32の上流端に配置される。フィルムクランプ34は、固定バー35、可動バー36、エアシリンダ37を備える。
固定バー35と可動バー36は、セーラー部32よりもやや上流側において、横方向に沿って並列に離間して配置される。固定バー35が後方向に、可動バー36が前方向に配置される。
固定バー35と可動バー36の間にフィルムFが挿通される。固定バー35は、フィルムFの内面から僅かに離間して固定される。可動バー36は、フィルムFの外面から僅かに離間してエアシリンダ37に連結される。
エアシリンダ37は、可動バー36を押圧して、固定バー35に密着させたり、固定バー35から離間させたりする。
フィルムクランプ34は、エアシリンダ37を駆動して、固定バー35と可動バー36によりフィルムFを挟持できる。
【0055】
支持フレーム38は、製袋ガイド31とフィルムクランプ34のみを支持する部材である。支持フレーム38は、直方体状に形成される。
支持フレーム38は、装置フレーム2とは別個独立に設けられる。支持フレーム38は、製袋充填包装部6の上方向(上流側)に配置される。支持フレーム38は、計量部40を介して装置フレーム2に支持される。
支持フレーム38には、セーラー部32の下端、パイプ部33の上端が接続される。パイプ部33は、支持フレーム38よりも下方向に延びる。
【0056】
〈計量部40〉
計量部40は、製袋ガイドユニット30の重量変化を測定するものであり、一対のロードセル41を備える。ロードセル41は、装置フレーム2に固定され、支持フレーム38を支持する。
ロードセル41は、製袋充填包装部6の横方向外側(左側、右側)にそれぞれ配置される。一対のロードセル41の間に、支持フレーム38が架け渡されるように配置(載置)される。
計量部40は、支持フレーム38を支持するので、製袋ガイド31から吊り下げられたフィルムFの重量変化を測定できる。つまり、計量部40は、チューブ状のフィルムFに投入された内容物Xを計量(重量測定)する。
【0057】
〈フィルム搬送部50〉
フィルム搬送部50は、フィルムFを所定のピッチで下向きに間欠搬送する。フィルム搬送部50は、セーラー部32の下方向において、パイプ部33の両側面に配置される。
フィルム搬送部50は、フィルムFを下方向に送る二つの回転ベルト51を備える。回転ベルト51は、パイプ部33の両側面(左右方向)にそれぞれ配置され、縦方向に延在する。二つの回転ベルト51は、回転ベルト駆動部(不図示)を介して装置フレーム2に連結される。
回転ベルト51は、横方向内側に移動して(互いに近づいて)、パイプ部33に密着する。これにより、フィルムFは、回転ベルト51とパイプ部33により挟持される。フィルム搬送部50は、二つの回転ベルト51を間欠的に回転させて、フィルムFを下方向に搬送する。フィルム搬送部50によるフィルムFの搬送量(1ピッチ)は、フィルム包装袋Gの縦方向の長さに一致する。
回転ベルト51は、横方向外側に移動して(互いに離れて)、パイプ部33およびフィルムFから離間できる。
【0058】
〈縦シール部60〉
縦シール部60は、セーラー部32の下方向において、パイプ部33の前面に配置される。縦シール部60は、セーラー部32を経てチューブ状に折り込まれたフィルムFの側縁同士を縦方向に沿って熱シール(熱溶着)する。縦シール部60は、縦熱ヒーター61と案内ローラー対62,63を備える。
【0059】
縦熱ヒーター61は、縦方向に延在する一対のヒーターバーからなり、縦ヒーターバー駆動部(不図示)を介して装置フレーム2に連結される。
縦熱ヒーター61がフィルムFの側縁同士を縦方向に沿って熱シールすることにより、フィルムFに縦シールT(不図示)が形成されて、フィルムFが完全なチューブ状になる。
縦シールTは、背中シールとも呼ばれる。縦熱ヒーター61(縦シールT)の長さは、フィルム包装袋Gの縦方向の長さに一致する。
縦熱ヒーター61(一対のヒーターバー)は、フィルムFを熱シールするときは、横方向内側に移動してフィルムFを挟持する。縦熱ヒーター61(一対のヒーターバー)は、フィルムFを熱シールしないときは、横方向外側に移動してフィルムFから離間する。
【0060】
案内ローラー対62,63は、それぞれ一対の従動ローラーからなり、フィルムFの側縁同士を重ねた状態で挟持する。案内ローラー対62,63は、常にフィルムFの側縁を挟持する。
案内ローラー対62が縦熱ヒーター61の直上、案内ローラー対63が縦熱ヒーター61の直下に配置される。案内ローラー対62は、二つの従動ローラーにより、熱シールされる直前のフィルムFの両側縁(側縁同士)を挟持する。案内ローラー対63は、二つの従動ローラーにより、熱シールされた直後のフィルムFの両側縁(縦シールT)を挟持する。
【0061】
案内ローラー対62,63は、支持フレーム38に連結されたローラー支持フレーム65に対して回転可能に固定される。ローラー支持フレーム65は、矩形状に形成されて、パイプ部33の前面に配置される。ローラー支持フレーム65は、支持フレーム38の底面から下方向に延びて、縦熱ヒーター61を囲う。
つまり、案内ローラー対62,63は、縦熱ヒーター61とは異なって、支持フレーム38に連結される。
【0062】
〔充填包装部8〕
充填包装部8は、チューブ状のフィルムFの内部に内容物Xを充填し、さらに内容物Xが充填されたフィルム包装袋Gを製造する。充填包装部8は、充填部70、横シール部80、角底シール部90、袋支持部100等を備える。
【0063】
〈充填部70〉
充填部70は、チューブ状のフィルムFの内部に液状またはペースト状の内容物Xを投入(充填)する。充填部70は、ノズル71、シャッター72、液送ポンプ(不図示)を備える。
ノズル71は、パイプ部33の中心軸に沿って配置される。ノズル71は、パイプ部33に挿通されて、下方向に延びる。ノズル71は、パイプ部33よりも上方向に突出して、装置フレーム2に固定される。ノズル71は、例えば飲料水を下方向に吐出する。
シャッター72は、ノズル71の下端(先端)に内蔵されて、ノズル71の開度を調整する。つまり、シャッター72は、内容物Xの吐出量を調整する。
液送ポンプは、ノズル71の上部に向けて内容物Xを輸送する。
【0064】
〈横シール部80〉
横シール部80は、ノズル71の下端の下方向に配置される。横シール部80は、チューブ状のフィルムFを横方向にわたって熱シール(熱溶着)して、フィルム包装袋Gを形成する。
横シール部80は、扁平成形部81、横熱ヒーター84、シワ除去部87、脱気板88を備える。
【0065】
扁平成形部81は、チューブ状のフィルムFを横方向に扁平化(平坦化)する。扁平成形部81は、一対の案内棒82と、この案内棒82を横方向に揺動させるエアシリンダ83を備える。
案内棒(第二案内棒)82は、パイプ部33の両側面(左面、右面)の下端からさらに下方向に延びる棒体である。案内棒82は、その下端(先端)がノズル71の下端よりも下方に位置し、横方向外側に揺動可能に配置される。
エアシリンダ(第二案内棒駆動部)83は、案内棒82の上端を押圧して、案内棒82を横方向外側に揺動させる。
扁平成形部81は、一対の案内棒82の下端を横方向外側に揺動させることにより、チューブ状のフィルムFを内部から横方向外側に押し広げて扁平にする。
【0066】
横熱ヒーター84は、ノズル71と案内棒82の直下において横方向に延在する。横熱ヒーター84は、一対のヒーターバー85,86からなり、フィルムFを挟んで配置される。横熱ヒーター84は、横ヒーターバー駆動部(不図示)を介して装置フレーム2に連結される。
横熱ヒーター84がチューブ状のフィルムFを横方向にわたって熱シールすることにより、フィルムFに横シールYが形成される。また、チューブ状のフィルムFがフィルム包装袋Gになる。
ヒーターバー85,86は、フィルムFを熱シールするときは、前後方向内側に移動して(互いに近づいて)、フィルムFを挟持する。ヒーターバー85,86は、熱シールしないときは、前後方向外側に移動して(互いに離れて)、フィルムFから離間する。
ヒーターバー85には、横シールYを横方向に亘って切断(上下に二分割して横シールY1,Y2を形成)するカッター(不図示)が設けられる。
横熱ヒーター84の下方向には、フィルム包装袋Gの横シールYを冷却するエアブロー(不図示)が設けられる。
【0067】
シワ除去部87は、横熱ヒーター84の直下において横方向に延在する。シワ除去部87は、一対二組(四つ)のクランプバーからなり、横方向外側において、それぞれフィルムF(フィルム包装袋G)を挟んで配置される。シワ除去部87は、シワ取り板駆動部(不図示)を介して装置フレーム2に連結される。
シワ除去部87は、横熱ヒーター84がフィルムFを熱シールする前に、フィルムFの左右方向の両端をそれぞれ把持する。
横熱ヒーター84がフィルムFを熱シールするときに、シワ除去部87がフィルムFの横方向外側を把持しているので、横シールYに皺が発生しづらくなる。
シワ除去部87(一対のクランプバー)は、フィルムFを把持するときは、前後方向内側に移動してフィルムFを挟持する。シワ除去部87(一対のクランプバー)は、フィルムFを把持しないときは、前後方向外側に移動してフィルムFから離間する。
【0068】
脱気板88は、シワ除去部87の直下において横方向に延在する。脱気板88は、一対の平板からなり、フィルムF(フィルム包装袋G)を挟んで配置される。脱気板88は、脱気板駆動部(不図示)を介して装置フレーム2に連結される。
脱気板88は、横熱ヒーター84がフィルムFを熱シールする前に、フィルムFを前後方向に押圧する。脱気板88は、フィルムF(フィルム包装袋G)の厚みを規制する。これにより、フィルムFに充填された内容物Xがシワ除去部87の直下まで上昇する。つまり、脱気板88は、フィルムF(フィルム包装袋G)から空気を上方向に押し出す。
脱気板88(一対の平板)は、フィルムFを押圧するときは、前後方向内側に移動してフィルムFを挟んで近接する。脱気板88(一対の平板)は、フィルムFを押圧しないときは、前後方向外側に移動してフィルムFから離間する。
【0069】
〈角底シール部90〉
図5は、角底シール部90を示す斜視図であって、(a)上部構造、(b)下部構造を示す。
角底シール部90は、横シール部80の直上に配置される。角底シール部90は、横シールYが形成されたチューブ状のフィルムFの底部を四角形に折り曲げて、一対の角底シールKを形成する。つまり、フィルム包装袋Gに四角形の底面を形成する。
角底シール部90は、角底成形部91、角底熱ヒーター94を備える。
【0070】
角底成形部91は、チューブ状のフィルムFの底部を内側から四隅方向外側に広げて四角形に折り込む。
角底成形部91は、一対二組(四本)の案内棒92と、この案内棒92を上下移動と回転揺動させる案内棒駆動部93を備える。
案内棒(第一案内棒)92は、パイプ部33に挿通されて、パイプ部33の両側面(左面、右面)の下端からさらに下方向に延びる棒体である。案内棒92は、二本の案内棒82の前後方向にそれぞれ一つずつ配置される。案内棒92は、その下端(先端)が案内棒82の下端よりも横方向内側に位置する。
案内棒92は、作動時には、その下端が案内棒82の下端よりも下方(ヒーターバー85,86に近接)で前後方向外側に位置する(作動位置P)。
案内棒92は、退避時には、その下端が案内棒82の下端とほぼ同一の高さで前後方向内側に位置する(退避位置Q)。
【0071】
案内棒駆動部(第一案内棒駆動部)93は、パイプ部33の上方に配置された複数のエアシリンダからなり、案内棒92を上下方向に移動させ、案内棒92を縦軸周りに回転させて、その下端を前後方向外側(四隅方向外側)に揺動させる。
角底成形部91は、案内棒駆動部93により一対二組(四本)の案内棒92の下端を前後方向外側(作動位置P)に下降移動させることにより、チューブ状のフィルムFの底部を内部から矩形に押し広げる(矩形に展開する)。つまり、フィルムF(フィルム包装袋G)に底面G4を出現させる。
【0072】
角底成形部91は、チューブ状のフィルムFが横シール部80のヒーターバー85,86に挟持された後に作動する。フィルムFの下端がヒーターバー85,86により固定されている状態で、フィルムFの底部を内部から矩形に押し広げることにより、フィルムFの底部の両隅部分が三角形に折り畳まれる。つまり、フィルムF(フィルム包装袋G)にフラップG5を出現させる。
角底成形部91は、フィルムFに角底シールKが形成されるまで作動する。
【0073】
案内棒駆動部93は、フィルムFがヒーターバー85,86に完全に挟持されるまでは、案内棒92を退避位置Qで待機させる。退避位置Qは、案内棒92がフィルムFの内側に触れることが不可能(接触不能)な位置である。
案内棒92がフィルムFの内側に触れて、扁平成形部81(一対の案内棒82)によるフィルムFの扁平化を阻害させてしまうことを防止する。横シールYを形成するときに、フィルムFの底部に皺が発生させないためである。
案内棒駆動部93は、フィルムFに角底シールKが形成されると、案内棒92を退避位置Qに上昇移動させる。
【0074】
角底熱ヒーター94は、横シール部80のヒーターバー85,86の上面において前後方向に延在する。角底熱ヒーター94は、一対二組のヒーターバー95,96からなり、フィルムFの底部の両隅部分を斜め上下方向に挟んで配置される。一対のヒーターバー95,96同士は、平行に配置される。
二つのヒーターバー95は、それぞれ前後方向に二分割されて、ヒーターバー85,86の上面に配置される。ヒーターバー95aがヒーターバー85の上面に配置され、ヒーターバー95bがヒーターバー86の上面に配置される。
二つのヒーターバー96は、それぞれヒーターバー95の外側斜め上方(横方向外側の上方向)に配置され、角底熱ヒーターバー駆動部97を介して装置フレーム2に連結される。
【0075】
角底熱ヒーター94は、ヒーターバー85,86が密着すると同時に、二つのヒーターバー95a,95bも密着して機能可能になる。
角底熱ヒーター94は、角底成形部91がフィルムF底部を折り込んだ後に、角底熱ヒーターバー駆動部97により二つのヒーターバー96をヒーターバー95に密着させる。そして、ヒーターバー95,96がフィルムF(フィルム包装袋G)の底部の両隅部分(三角形に折り畳まれた部位)を前後方向にわたって熱シールすることにより、フィルム包装袋Gに角底シールKが形成される。これにより、フィルム包装袋Gの底部が四角形の底面G4になり、フラップG5が封止される。
角底熱ヒーター94は、フィルムFに角底シールKが形成されると、角底熱ヒーターバー駆動部97によりヒーターバー96をヒーターバー95から離間させる。
【0076】
〈袋支持部100〉
袋支持部100は、脱気板88の直下に配置される。袋支持部100は、フィルムFの下端に形成されたフィルム包装袋Gを切り離すときに、フィルム包装袋Gの底部を支持する。袋支持部100は、フィルムFから切り離されたフィルム包装袋Gを、直下に配置された段ボール箱Bに向けて滑落させる。
袋支持部100は、袋支持駆動部(不図示)を介して装置フレーム2に連結される。
袋支持部100は、一対二組(四つ)のローラーコンベヤ101,102からなり、フィルムF(フィルム包装袋G)を前後左右方向から囲うように配置される。
ローラーコンベヤ101,102は、複数の従動ローラーを並列かつ平板状に配置したものである。一対のローラーコンベヤ101がフィルムFを挟んで前後方向に配置される。一対のローラーコンベヤ102がフィルムFを挟んで左右方向に配置される。
ローラーコンベヤ101,102は、揺動可能であり、ほぼ水平な姿勢になったり、ほぼ垂直な姿勢になったりする。
【0077】
一対のローラーコンベヤ101は、互いの下端同士が近づくように揺動すると、側方から見て浅いV字形になる。これにより、一対のローラーコンベヤ101は、フィルム包装袋Gの底部を支持する。
一対のローラーコンベヤ101は、互いに垂直になるように揺動すると、フィルム包装袋Gが抜け落ちる空間を形成する。これにより、一対のローラーコンベヤ101は、フィルム包装袋Gを下方向に滑落させる。
一対のローラーコンベヤ102は、一対のローラーコンベヤ101を挟んで配置される。一対のローラーコンベヤ102は、互いに水平になるように揺動すると、前方から見て直線形になる。これにより、一対のローラーコンベヤ102は、フィルム包装袋Gの底部を支持する。
一対のローラーコンベヤ102は、互いに垂直になるように揺動すると、フィルム包装袋Gが抜け落ちる空間を形成する。これにより、一対のローラーコンベヤ102は、フィルム包装袋Gを下方向に滑落させる。
【0078】
〈搬送コンベヤ110〉
搬送コンベヤ(袋体搬出部)110は、充填包装部8の直下に配置される。搬送コンベヤ110は、製袋充填包装部6の設置面(床面)において、製袋充填包装部6の脚部3の間を横切って敷設される。
搬送コンベヤ110は、複数の従動ローラーを並列かつ平板状に配置したものであり、段ボール箱Bを充填包装部8の直下に向けて搬送(搬入、搬出)する。
【0079】
段ボール箱(収容箱)Bは、フィルム包装袋Gを収容する箱体であり、例えば0201形(JIS Z 1507)が用いられる。段ボール箱Bは、上蓋が開いた状態(外フラップと内フラップが垂直に立った状態)で充填包装部8の直下に搬入(配置)される。
【0080】
〔内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法〕
次に、縦型製袋充填包装機1を用いて、内容物入りフィルム包装袋Gを製造する工程について、図を参照しながら説明する。説明の都合上、
図6から
図13では、装置の一部の図示を省略している。
【0081】
内容物入りフィルム包装袋Gを製造する工程は、フィルムフォーミング工程S1、縦シール工程S2、横シール工程S3、角底シール工程S4、フィルム搬送工程S5、フィルムテンション解放工程S6、内容物充填・計量工程S7、袋体切離工程S8、箱詰工程S9を有する。
そして、フィルムフォーミング工程S1、縦シール工程S2、横シール工程S3、角底シール工程S4、フィルム搬送工程S5、フィルムテンション解放工程S6、内容物充填・計量工程S7、横シール工程S3、(縦シール工程S2、角底シール工程S4)、袋体切離工程S8、箱詰工程S9の順に行われる。
【0082】
図6は、内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法のフィルムフォーミング工程S1等を示す図であって、(a)側面図、(b)正面図である。
具体的には、フィルムフォーミング工程S1から角底シール工程S4を示す。フィルムFをチューブ状に折り込み、フィルムFの下端(先端)を密閉して袋状にする。さらに、フィルムFの下端に四角形の底面G4(フラップG5)を形成する。
【0083】
(フィルムフォーミング工程S1)
まず、フィルム供給部5においてロールFrからフィルムFが繰り出される(
図2参照)。そして、フィルムFは、製袋ガイド31を経て、チューブ状に折り込まれて、下向きに送られる。
フィルムフォーミング工程S1は、以降の工程において常に継続される。
【0084】
(縦シール工程S2)
次いで、フィルムFは、縦シール部60により側縁同士を熱シールされて完全なチューブ状になる。フィルムFに縦シールTが形成される。
そして、縦シール部60はフィルムFから離間し、する。そして、フィルムFはさらに下方向に送られる。
【0085】
(横シール工程S3)
次いで、
図6に示すように、フィルムFは、横シール部80により横方向に熱シールされて下端が密封される。つまり、フィルムFに横シールYが形成されて、袋体になる。
横シール工程S3の詳細については、後述する。
【0086】
(角底シール工程S4)
次いで、フィルムF(袋体)は、角底シール部90により底部を平坦に折り込まれ、さらに前後方向に熱シールされる(一対の角底シールKが形成される)。フィルムFは、底部が四角形の底面G4と三角形のフラップG5になる。
横シールYと角底シールKが形成されると、横シール部80と角底シール部90はフィルムFから離間する。
角底シール工程S4の詳細については、後述する。
【0087】
〈フィルム搬送工程S5〉
図7は、内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法のフィルム搬送工程S5を示す図であって、(a)側面図、(b)正面図である。
フィルム搬送工程S5は、フィルムF(袋体)の内部への内容物Xの供給に備えて、フィルムFを所定位置まで搬送する。
図7に示すように、フィルム搬送部50は、二つの回転ベルト51を間欠的に回転させてフィルムFを下方向に送り出す。同時に、搬送ローラー対10が補助的に作動する。搬送ローラー対10は、駆動モーター13により駆動ローラー11を回転駆動して、ロールFrからフィルムFを繰り出す。フィルムFが搬送されるとき、フィルムFにテンション(張力)が発生する。
図7に示すように、製袋充填包装部6において、フィルムFは、1ピッチの長さで下方向に送り出される。1ピッチは、フィルム包装袋Gの縦方向の長さになる。
【0088】
〈フィルムテンション解放工程S6〉
図8は、内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法のフィルムテンション解放工程S6を示す一部拡大側面図であって、(a)テンション解放前、(b)テンション解放後を示す。
フィルムテンション解放工程S6は、フィルム搬送工程S5が完了した直後に、フィルムFの内部への内容物Xの供給に先だって行われる。
フィルムテンション解放工程S6は、フィルムクランプ工程S6A、フィルム弛緩工程S6B、回転ベルト退避工程S6Cを有する。
【0089】
(フィルムクランプ工程S6A)
フィルムクランプ工程S6Aでは、製袋ガイド31から吊り下げられたチューブ状のフィルムFが下方向に移動しないように保持する。
図8に示すように、フィルムクランプ34は、エアシリンダ37により可動バー36を固定バー35に向けて移動させて、フィルムFを把持する。これにより、フィルムFの移動が規制される。
フィルムクランプ34がセーラー部32に固定されているので、フィルムFは、吊り下げられた状態で製袋ガイド31に保持される。
【0090】
(フィルム弛緩工程S6B)
フィルム弛緩工程S6Bでは、フィルムFに掛かっているテンションを解放させる。
ロールFrからフィルムFを繰り出して充填包装部8まで搬送(ウェブ搬送)するとき、フィルムFにはテンションが掛かる。このフィルムFのテンションが、計量部40による内容物Xの計量に悪影響を与える。フィルムFのテンションがロードセル41に作用すると、内容物Xの計量(重量測定)が不安定になって測定誤差を発生させる。このため、内容物Xの計量、ひいては内容物Xの定量性が損なわれる。
そこで、フィルムテンション解放部20は、フィルムFのテンションを解放させる。具体的には、フィルム供給部5と製袋充填包装部6の間に架け渡されたフィルムFのテンションを解放(弛緩)させる。これにより、ロードセル41の測定誤差の発生を防止して、内容物Xの計量が正確に行われるようにする。
【0091】
図8に示すように、フィルムテンション解放部20は、ローラー移動部25により従動ローラー21,23を移動させる。エアシリンダ27が支持部材26を押圧して、従動ローラー21,23を回転軸22c周りに回転(公転)させる。
従動ローラー21,23が回転軸22c周りに回転すると、従動ローラー21,23はフィルムFから離間する。これにより、フィルムテンション解放部20に架け渡されていたフィルムFが弛んでテンションが解放される。
【0092】
一方、搬送ローラー対10は、フィルムFを常に保持する。このため、フィルムテンション解放部20が作動してフィルムFのテンションを解放しても、フィルム供給部5におけるフィルムFのテンションは維持される。フィルムFは、ロールFrから搬送ローラー対10の間において、弛まずにテンションが維持される。つまり、フィルムFは、搬送ローラー対10とセーラー部32の間においてのみ、テンションが解放される。
搬送ローラー対10がフィルムFのテンションを維持しているので、フィルム搬送(間欠搬送)を再開するときに、フィルムFのシワ発生や蛇行を回避できる。このため、フィルム搬送(間欠搬送)を円滑に再開することが可能になる。
【0093】
(回転ベルト退避工程S6C)
回転ベルト退避工程S6Cでは、回転ベルト51を横方向外側に移動させてパイプ部33(フィルムF)から離間させる。
回転ベルト51がパイプ部33から離間すると、製袋ガイドユニット30は装置フレーム2から分離する。つまり、製袋ガイドユニット30が計量部40のみを介して装置フレーム2に支持(載置)される。
内容物Xの計量を行うときに、回転ベルト51が製袋ガイドユニット30やフィルムFに触れていると、計量部40による内容物Xの計量に悪影響を与える(測定誤差が発生する)。そこで、
図8に示すように、回転ベルト51を移動させて、製袋ガイドユニット30を装置フレーム2から分離する。
一方、案内ローラー対62,63は、フィルムFの側縁を常に挟持している。しかし、案内ローラー対62,63は、装置フレーム2ではなく、ローラー支持フレーム65を介して支持フレーム38に固定されている。このため、案内ローラー対62,63がフィルムFの側縁を挟持していても、計量部40による内容物Xの計量に悪影響を与えない。
【0094】
〈内容物充填・計量工程S7〉
図9は、内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法の内容物充填・計量工程S7を示す側面図である。
内容物充填・計量工程S7は、チューブ状のフィルムFの内部に内容物Xを投入し、同時に内容物Xを計量(重量測定)する工程である。つまり、内容物Xの充填工程と計量工程を同時に行う。
【0095】
まず、計量部40は、ロードセル41をゼロリセットする。
次いで、
図9に示すように、充填部70は、シャッター72を解放し、さらに液送ポンプを駆動して、ノズル71から内容物Xを吐出(供給)させる。計量部40は、二つのロードセル41により、チューブ状のフィルムFに充填された内容物Xの重量測定を開始する。計量部40は、内容物Xの測定結果をリアルタイムで制御部に出力する。
【0096】
内容物Xの重量が目標重量(目標値)に近づくと、充填部70は、液送ポンプの流量を減らし、シャッター72の開度を絞る(投入量を抑える)。そして、充填部70は、内容物Xの重量が目標重量になると、液送ポンプを停止し、シャッター72を閉じる。
製袋充填包装部6は、チューブ状のフィルムFに内容物Xを投入しながら、内容物Xを計量しているので、内容物Xの重量(充填量、投入量)を一定にできる。
しかも、内容物Xの計量を行うときに、製袋ガイドユニット30が計量部40のみを介して装置フレーム2に支持されている。さらに、フィルム供給部5と製袋充填包装部6の間に架け渡されたフィルムFのテンションが解放されている。つまり、フィルムFは、実質的に、製袋ガイドユニット30のみに支持された状態になっている。
したがって、計量部40は、チューブ状のフィルムFに充填された内容物Xの重量を正確に測定できる。よって、内容物Xの定量性が向上する。
【0097】
〈横シール工程S3〉
図10は、内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法の横シール工程S3を示す図であって、(a)側面図、(b)正面図である。
横シール工程S3は、チューブ状のフィルムFを横方向に亘って熱シールして、フィルム包装袋Gの上端を封止する工程である。横シール工程S3は、次のフィルム包装袋Gの下端を封止する工程(前述した横シール工程S3)でもある。
【0098】
まず、
図10(b)に示すように、回転ベルト51をパイプ部33に押し付けて、フィルムFを挟持する。このとき、回転ベルト51は回転せずに、フィルムFを保持する。
次いで、
図10(b)に示すように、扁平成形部81によりフィルムFを横方向に広げて扁平にする。エアシリンダ83で案内棒82を押圧して、案内棒82を横方向外側に揺動させる。一対の案内棒82がフィルムFの内面を横方向外側に押圧することにより、チューブ状のフィルムFの一部(フィルム包装袋Gよりも上方向)が横方向に広がって扁平化する。
【0099】
次いで、
図10(a)に示すように、脱気板88が前後方向内側に移動して、フィルムFに充填されている内容物Xを押圧する。これにより、フィルム包装袋Gの上端側が扁平化して、内容物Xが横熱ヒーター84の直下まで押し上げられる。
【0100】
次いで、
図10(a)に示すように、シワ除去部87が前後方向内側に移動して、フィルムFの横方向外側を把持する。これにより、フィルムFが横方向に伸縮しづらくなる。
さらに、
図10(a)に示すように、横熱ヒーター84が横方向内側に移動して、フィルムFを横方向に亘って挟持する。これにより、フィルムFに横シールYが形成されて、内容物X入りフィルム包装袋Gが形成(製造)される。
【0101】
(縦シール工程S2:次のフィルム包装袋Gの製造工程)
横シールYの形成と同時に、前述した縦シール工程S2が行われる。縦熱ヒーター61が横方向内側に移動して、フィルムFの側縁同士を挟持する。これにより、フィルムFに縦シールTが形成される。
【0102】
(角底シール工程S4:次のフィルム包装袋Gの製造工程)
図11は、内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法の角底シール工程S4を示す一部拡大図であって、(a)側面図、(b)正面図、(c)平面図である。
説明の都合上、
図11には、四本の案内棒92の作動時(作動位置P)と退避時(退避位置Q)を図示する。
【0103】
横シールYの形成と同時に、前述した角底シール工程S4が行われる。
角底シール工程S4は、フィルムF(袋体)の底部を平坦に折り込み、さらにフィルムFの両隅部分を前後方向に亘って熱シールして、四角形の底面G4を形成する工程である。
【0104】
角底シール工程S4は、フィルムFの下端が横方向に広がって扁平になった状態で保持されると、開始される。角底シール工程S4は、横熱ヒーター84がフィルムFを挟持した直後に開始される。
横熱ヒーター84がフィルムFを挟持すると、ヒーターバー85,86の上面に配置された二つのヒーターバー95a,95bがフィルムFを挟んで密着して、それぞれヒーターバー95として機能可能になる。
【0105】
まず、扁平成形部81が二本の案内棒82を横方向内側に戻すと、角底成形部91は、四本の案内棒92を退避位置Qからと作動位置Pに移動させる。具体的には、角底成形部91は、
図11(a),(b)に示すように、四本の案内棒92を退避位置Qから下降させて、ヒーターバー85,86に近接させる。さらに、
図11(a),(c)に示すように、角底成形部91は、四本の案内棒92を退避位置Qから縦軸周りに回転させて、四本の案内棒92の先端(下端)を前後方向外側に揺動させる。つまり、四本の案内棒92は、それぞれの先端が互いに離間する方向に広がるように移動する(作動位置P)。
角底成形部91が四本の案内棒92を作動させるとき、フィルム搬送部50は、フィルムFを僅かに下方向に送り出す。このフィルム搬送量は、フラップG5の横方向の長さ(角底シールKを底辺とする三角形(フラップG5)の高さ)に対応する。
これにより、
図11(c)に示すように、ヒーターバー85,86の上面において、扁平状態のフィルムF(袋体)の底部が内部から広げられて、底部が平坦な四角形になる(底面G4が出現する)。同時に、フィルムFの底部の両隅部分がそれぞれ三角形に折り畳まれる(フラップG5が出現する)。
フィルム搬送部50がフィルムFを僅かに下方向に送り出しているので、フィルムFの底部は、皺が発生することなく、底面G4とフラップG5に折り込まれる。二つのフラップG5は、それぞれヒーターバー95を跨ぐようにして三角形に折り畳まれる。
【0106】
次に、角底熱ヒーター94は、二つのヒーターバー96を斜め上方からと作動位置に移動させる。具体的には、
図11(b)に示すように、角底熱ヒーターバー駆動部97は、ヒーターバー96を斜め下方に移動させて、ヒーターバー95に押し付ける。これにより、フィルムF(底面G4と二つのフラップG5の境界)が一対のヒーターバー95,96に挟持される。そして、ヒーターバー95,96がフィルムFに一対の角底シールKを形成すると、底面G4と二つのフラップG5が封止される。一対の角底シールKは、ヒーターバー85,86の上面において形成されるため、横シールYにそれぞれ接続(溶着)する。
このようにして、フィルムFの底部に、四角形の底面G4とフラップG5が形成される。
【0107】
フィルムFに角底シールKが形成されると、角底熱ヒーターバー駆動部97は、ヒーターバー96を退避位置(斜め上昇)に移動させる。また、案内棒駆動部93は、四本の案内棒92を退避位置Qに移動させる。
【0108】
〈袋体切離工程S8〉
図12は、内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法の袋体切離工程S8を示す図であって、(a)側面図、(b)正面図である。
袋体切離工程S8は、フィルム包装袋GをフィルムFから切り離す工程である。
まず、横熱ヒーター84は、一方のヒーターバーに内蔵されたカッターにより、横シールYを上下方向に切断(横シールY1,Y2に二分割)する。これにより、フィルム包装袋Gは、フィルムFから切り離される。
次いで、縦熱ヒーター61は、横方向外側に移動してフィルムFから離間する。また、シワ除去部87および脱気板88は、前後方向外側に移動してフィルムFから離間する。さらに、扁平成形部81は、エアシリンダ83により案内棒82を横方向内側に揺動させて、フィルムFの扁平化を止める。
そして、
図12に示すように、横熱ヒーター84は、前後方向外側に移動してフィルムFから離間する。これにより、フィルム包装袋Gは、横熱ヒーター84から離間して、袋支持部100のみに支持(載置)される。
【0109】
〈箱詰工程S9〉
図13は、内容物入りフィルム包装袋Gの製造方法の箱詰工程S9を示す図であって、(a)側面図、(b)正面図である。
箱詰工程S9は、フィルム包装袋Gを袋支持部100から移送して、段ボール箱Bに詰め込む工程である。
まず、袋支持部100は、ローラーコンベヤ101,102を下方向に揺動させて、フィルム包装袋Gを下方向に落下させる。ローラーコンベヤ101,102が下方向に揺動すると、ローラーコンベヤ101,102の間に、フィルム包装袋Gが落下する空間が形成される。
フィルム包装袋Gの直下には、予め段ボール箱Bが配置されている。段ボール箱Bは、上蓋が開いた状態(外フラップと内フラップが垂直に立った状態)で充填包装部8に搬入されている。
ローラーコンベヤ101,102が下方向に揺動すると、段ボール箱Bの上蓋(外フラップ、内フラップ)の内面に当接して、上蓋を外側に押し曲げる。
図13に示すように、ローラーコンベヤ101,102が下方向に揺動することにより、フィルム包装袋Gは、ローラーコンベヤ101,102に沿って滑落して、段ボール箱Bに収容される。このとき、フィルム包装袋Gは、段ボール箱Bの上蓋に殆ど接触せずに、段ボール箱Bに収容される。フィルム包装袋Gは、段ボール箱Bの上蓋に引っ掛かったり、擦れたりしないので、フィルム包装袋Gに傷やピンホール等が発生しない。ローラーコンベヤ101,102は、フィルム包装袋Gを落下させた後に、再び下方向に揺動して、ほぼ水平な姿勢になる。
そして、フィルム包装袋Gが収容された段ボール箱Bは、製袋充填包装部6から搬出される
【0110】
以上により、内容物入りフィルム包装袋Gを製造する工程が完了する。
縦型製袋充填包装機1は、次のフィルム包装袋Gの製造工程を行うために、フィルムテンション解放工程S6の作用を解除する。まず、回転ベルト51を横方向内側に移動させてパイプ部33(フィルムF)に密着させる。次いで、従動ローラー21,23をフィルムFに密着させて、フィルムFにテンションを与える。さらに、可動バー36を固定バー35から離間させて、フィルムFの搬送を可能にする。
そして、新たな段ボール箱Bが袋支持部100の直下に搬入される。
【0111】
縦型製袋充填包装機1は、内容物入りフィルム包装袋Gを製造する工程を繰り返す。縦型製袋充填包装機1は、フィルムフォーミング工程S1から箱詰工程S9を繰り返す。
このようにして、縦型製袋充填包装機1は、複数の内容物入りフィルム包装袋Gを連続して製造する。
【0112】
上述した通り、縦型製袋充填包装機1は、フィルムF(袋体)の底部を内側から四角形(矩形)に広げて熱シールして四角形の底面G4にする角底シール部90を備える。
このため、皺のない底面G4を形成して、内容物Xを充填したフィルム包装袋Gを効率よく製造できる。特に、フィルムFが低靭性フィルムの場合や、大容量のフィルム包装袋Gを形成する場合であっても、皺を発生させることなくフィルムFを袋底を四角形に折り畳むことができる。
【0113】
内容物Xが冷えると固まる食品であっても、フィルム包装袋Gには両隅部分が存在しないので、内容物Xを取り出しやすくなる。したがって、内容物の無駄な廃棄をなくすことができる。
【0114】
フィルムFの内面に当接する四本の案内棒92を備え、この四本の案内棒92を四隅方向に移動させる。このため、フィルムFの底部を底面G4とフラップG5に折り込むことができる。
四本の案内棒92は、表面積が小さいため、内容物が付着する可能性が低い。このため、案内棒92の洗浄頻度を低くすることができる。また、四本の案内棒92は、取り付け取り外しが容易であり、メンテナンス性に優れる。
【0115】
フィルム搬送部50は、四本の案内棒92が退避位置Qから作動位置Pに移動するときに、フラップG5(両隅部分)の折り畳み量に応じて、フィルムFを下方向に搬送する。このため、フィルムFの底部に皺を発生させることなく、袋底を折り畳むことができる。
【0116】
案内棒駆動部93は、四本の案内棒92を四隅方向内側で角底熱ヒーター94から離間する退避位置Qに上昇移動させて、フィルムFの内側に接触不能にする。このため、四本の案内棒92が横シールYの形成を阻害しない。
【0117】
縦型製袋充填包装機1は、内容物Xの充填と同時に、計量部40により内容物Xの計量を行う。このとき、縦型製袋充填包装機1は、フィルムテンション解放部20によりフィルムFに掛かっているテンションを解放(弛緩)する。また、フィルムクランプ34によりフィルムFを製袋ガイド31に保持する。
このため、計量部40は、フィルムFのテンションに影響されずに、製袋ガイド31から吊り下げられたフィルムFの重量変化を測定できる。つまり、計量部40は、フィルムFに充填された内容物Xの計量(重量測定)を正確に行うことができる。したがって、縦型製袋充填包装機1は、一定量の内容物Xをフィルム包装袋Gに充填できる。
よって、縦型製袋充填包装機1は、内容物Xの定量性に優れたフィルム包装袋Gを連続して製造できる。
【0118】
袋支持部100は、ローラーコンベヤ101,102によりフィルム包装袋Gを支持し、さらに段ボール箱Bに向けて搬送するので、梱包作業の効率化を図ることができる。
また、ローラーコンベヤ101,102により段ボール箱Bの上蓋を開け広げるので、フィルム包装袋Gが上蓋に触ずに段ボール箱Bに収容できる。したがって、フィルム包装袋Gにおけるピンホール等の発生を防止できる。
【0119】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
【0120】
フィルムFは、帯状に限らない。フィルムFは、インフレーションフィルムであってもよい。インフレーションフィルムを用いる場合は、製袋ガイド31に代えて、方向転換用ローラー等が用いられる。
複数枚の帯状フィルムからフィルム包装袋Gを形成してもよい。
【0121】
内容物Xは、液体や流動体に限らず、液体や流動体に固体が含まれる場合であってもよい。また、内容物Xは、食物やスナック菓子等の固体のみであってもよい。
【0122】
袋支持部100のローラーコンベヤ101,102は、ベルトコンベヤであってもよい。搬送コンベヤ110は、ベルトコンベヤであってもよい。
【0123】
収容箱は、段ボール箱に限らない。収容箱は、プラスチック容器や一斗缶でもあってもよい。
内容物入りフィルム包装袋Gを段ボール箱B等の収容箱に収容する場合に限らない。内容物入りフィルム包装袋Gを収容箱に入れずに、そのまま搬送コンベヤ110に載せて、縦型製袋充填包装機1から搬出してもよい。この場合、搬送コンベヤ110は、ローラーコンベヤではなく、ベルトコンベヤを用いる。
【0124】
充填部70のノズル71は、1つの場合に限らない。大口径ノズルと小口径ノズルを併せ持つものであってもよい。大口径ノズルと小口径ノズルは、それぞれシャッターを有し、個別にシャッターを開閉できる。
内容物充填・計量工程S7の前半では、大口径ノズルと小口径ノズルのそれぞれのシャッターを開いて内容物Xを吐出する(投入量を増やす)。内容物充填・計量工程S7の後半(特に、充填停止前)では、大口径ノズルのシャッターを閉じて、小口径ノズルのみから内容物Xを吐出する(投入量を抑える)。
充填部70が大口径ノズルと小口径ノズルを備えるので、充填時間を短縮できる。また、充填停止前に小口径ノズルのみから内容物Xを吐出するので、充填停止時の充填誤差が少なくなり、内容物Xの重量(充填量)をより正確(一定)にできる。
【0125】
フィルムFは、ナイロンやポリエステル等の高強度フィルムを積層したドライラミネートフィルムを用いてもよい。複数のフィルムを相互に移動可能な状態に重ねたものを用いてもよい。これにより、機械的強度が高いフィルム包装袋Gを製造できる。
【符号の説明】
【0126】
1 縦型製袋充填包装機 2 装置フレーム 5 フィルム供給部 6 製袋充填包装部 7 製袋部 8 充填包装部 10 搬送ローラー対 11 駆動ローラー 12 従動ローラー 13 駆動モーター 20 フィルムテンション解放部 21,22 従動ローラー 22c 回転軸 23 従動ローラー 25 ローラー移動部 26 支持部材 27 エアシリンダ 30 製袋ガイドユニット 31 製袋ガイド 32 セーラー部 33 パイプ部 34 フィルムクランプ 35 固定バー 36 可動バー 37 エアシリンダ 38 支持フレーム 40 計量部 41 ロードセル 50 フィルム搬送部 51 回転ベルト 60 縦シール部 61 縦熱ヒーター 62,63 案内ローラー対 65 ローラー支持フレーム 70 充填部 71 ノズル 72 シャッター 80 横シール部 81 扁平成形部 82 案内棒(第二案内棒) 83 エアシリンダ(第二案内棒駆動部) 84 横熱ヒーター 85,86 ヒーターバー 87 シワ除去部 88 脱気板 90 角底シール部 91 角底成形部 92 案内棒(第一案内棒) 93 案内棒駆動部(第一案内棒駆動部) 94 角底熱ヒーター 95,96 ヒーターバー 97 角底熱ヒーターバー駆動部 100 袋支持部 101,102 ローラーコンベヤ 110 搬送コンベヤ(袋体搬出部) F フィルム Fr ロール G フィルム包装袋(袋体) G1 表面 G2 後面 G3 側面 G4 底面 G5 フラップ(両隅部分) T 縦シール Y,Y1,Y2 横シール K 角底シール X 内容物 B 段ボール箱(収容箱)
【手続補正書】
【提出日】2022-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムをロールから繰り出すフィルム供給部と、
前記フィルムをチューブ状に折り込んで搬送方向を下方向に変える製袋ガイドと、
前記フィルムの側縁同士を上下方向に熱シールしてチューブ状にする縦シール部と、
前記フィルムを下方向に搬送するフィルム搬送部と、
前記フィルムの内側に内容物を投入する充填部と、
前記フィルムを左右方向に熱シールして袋体にする横シール部と、
前記袋体の底部を内側から矩形に広げて熱シールして矩形の底面にする角底シール部と、
前記袋体を前記フィルムから切り離すカッターと、
を備え、
前記角底シール部は、
前記袋体の底部を内側から矩形に広げて、前記袋体の両隅部分を三角形に折り畳む角底成形部と、
前記両隅部分を前後方向に熱シールする角底熱ヒーターと、
を備え、
前記角底成形部は、
前記フィルムの内面に当接する四本の第一案内棒と、
前記四本の第一案内棒を四隅方向に移動させる第一案内棒駆動部と、
を備え、
前記横シール部は、
前記フィルムを扁平化させる扁平成形部と、
前記フィルムを左右方向に挟持して熱シールする横熱ヒーターと、
を備え、
前記扁平成形部は、
前記フィルムの内面に当接する二本の第二案内棒と、
前記二本の第二案内棒を左右方向に移動させる第二案内棒駆動部と、
を備え、
前記第一案内棒駆動部が前記四本の第一案内棒を四隅方向外側に移動させるとき、前記第二案内棒駆動部が前記二本の第二案内棒を左右方向内側に移動させ、
前記第一案内棒駆動部が前記四本の第一案内棒を四隅方向内側に移動させるとき、前記第二案内棒駆動部が前記二本の第二案内棒を左右方向外側に移動させる、
縦型製袋充填包装機。
【請求項2】
前記第一案内棒駆動部は、
前記四本の第一案内棒を四隅方向外側で前記角底熱ヒーターに近接して前記フィルムの内側に接触する作動位置に下降移動させ、
前記四本の第一案内棒を四隅方向内側で前記角底熱ヒーターから離間して前記フィルムの内側に接触しない退避位置に上昇移動させる、請求項1に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項3】
前記フィルム搬送部は、前記四本の第一案内棒が前記退避位置から前記作動位置に移動するときに、前記両隅部分の折り畳み量に応じて、前記フィルムを下方向に搬送する、請求項2に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項4】
前記角底熱ヒーターは、前記横シール部の上面において前記両隅部分を前後方向に熱シールする、請求項1から3のうちいずれか一項に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項5】
前記フィルムを前記製袋ガイドに保持させるフィルムクランプと、
前記フィルム供給部と前記製袋ガイドの間に架け渡された前記フィルムを弛ませるフィルムテンション解放部と、
前記製袋ガイドを支持して、前記内容物を計量する計量部と、
を備える、請求項1から4のうちいずれか一項に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項6】
前記計量部は、一対のロードセルを備え、
前記製袋ガイドは、前記一対のロードセルの間に架け渡される、請求項5に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項7】
前記横シール部の直下に配置されて、前記横シール部が作動するときに、前記袋体の厚みを規制する一対の脱気板を備える、請求項1から6のうちいずれか一項に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項8】
前記横シール部の下方向に配置されて、前記横シール部が作動するときに、前記袋体の底部を支持する袋支持部を備え、
前記袋支持部は、前記カッターが作動した後に、前記袋体を袋体搬出部に向けて搬送する、請求項1から7のうちいずれか一項に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項9】
前記袋支持部は、コンベヤを備え、
前記コンベヤを下方向に揺動させて、前記袋体を滑落させる、請求項8に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項10】
前記袋体搬出部は、前記袋支持部の下方向に収容箱を搬送し、
前記袋支持部は、前記コンベヤを下方向に揺動させて、前記収容箱の上蓋を開け広げる、請求項9に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項11】
前記フィルムは、共押出ポリエチレン多層フィルムまたは低密度ポリエチレン単層フィルムである、請求項1から10のうちいずれか一項に記載の縦型製袋充填包装機。
【請求項12】
ロールから繰り出したフィルムをチューブ状に折り込むフィルムフォーミング工程と、
前記フィルムの側縁同士を上下方向に熱シールしてチューブ状にする縦シール工程と、
前記フィルムを下方向に搬送するフィルム搬送工程と、
前記フィルムの内部に内容物を投入する充填工程と、
前記フィルムを左右方向に熱シールして袋体にする横シール工程と、
前記袋体の底部を内側から矩形に広げた後に熱シールして矩形の底面を形成する角底シール工程と、
前記袋体を前記フィルムから切り離す袋体切離工程と、
を有し、
前記角底シール工程は、
前記フィルムの内面に当接する四本の第一案内棒を四隅方向に移動させて、前記袋体の底部を内側から矩形に広げて、前記袋体の両隅部分を三角形に折り畳む角底成形工程と、
前記両隅部分を前後方向に熱シールする角底熱ヒーター工程と、
を有し、
前記横シール工程は、
前記フィルムの内面に当接する二本の第二案内棒を左右方向に移動させて、前記フィルムを扁平化させる扁平成形工程と、
前記フィルムを左右方向に挟持して熱シールする横熱ヒーター工程と、
を有し、
前記角底成形工程において前記四本の第一案内棒を四隅方向外側に移動させるとき、前記扁平成形工程において前記二本の第二案内棒を左右方向内側に移動させ、
前記角底成形工程において前記四本の第一案内棒を四隅方向内側に移動させるとき、前記扁平成形工程において前記二本の第二案内棒を左右方向外側に移動させる、
内容物入りフィルム包装袋の製造方法。
【請求項13】
前記角底成形工程において
前記四本の第一案内棒を四隅方向外側で前記角底熱ヒーターに近接して前記フィルムの内側に当接する作動位置に下降移動させ、
前記四本の第一案内棒を四隅方向内側で前記角底熱ヒーターから離間して前記フィルムの内側に接触しない退避位置に上昇移動させる、請求項12に記載の内容物入りフィルム包装袋の製造方法。
【請求項14】
フィルム搬送工程において、前記四本の第一案内棒が前記退避位置から前記作動位置に移動するときに、前記両隅部分の折り畳み量に応じて前記フィルムを下方向に搬送する、請求項12または13に記載の内容物入りフィルム包装袋の製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項14
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項14】
前記フィルム搬送工程において、前記四本の第一案内棒が前記退避位置から前記作動位置に移動するときに、前記両隅部分の折り畳み量に応じて前記フィルムを下方向に搬送する、請求項13に記載の内容物入りフィルム包装袋の製造方法。