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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126270
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20220823BHJP
   G03G 15/20 20060101ALN20220823BHJP
【FI】
G03G21/16 152
G03G21/16 147
G03G15/20 505
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021024249
(22)【出願日】2021-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実
(72)【発明者】
【氏名】古澤 尉訓
【テーマコード(参考)】
2H033
2H171
【Fターム(参考)】
2H033AA21
2H033BA04
2H171FA01
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA05
2H171FA19
2H171GA03
2H171GA12
2H171GA13
2H171HA04
2H171JA12
2H171KA03
2H171KA04
2H171KA05
2H171KA09
2H171KA10
2H171KA11
2H171KA18
2H171KA22
2H171KA23
2H171MA02
2H171MA07
2H171QC36
2H171WA11
2H171WA21
(57)【要約】
【課題】本体装置に対する着脱可能な着脱ユニットのコネクタ接続を伴う装着では、コネクタ同士が嵌合しない場合があり、これを円滑に行うことが求められている。
【解決手段】着脱可能な定着装置100を有する画像形成装置1000において、本体側コネクタ211を保持し、画像形成装置1000本体に移動可能に設けられたフローティングユニット202と、定着装置100に設けられた定着装置側コネクタ113と、その周囲に設けられた定着コネクタガイド部114とを有し、定着コネクタガイド部114がフローティングユニット202に当接すると、コネクタ同士が嵌合可能な範囲に、定着コネクタガイド部114に対してフローティングユニット202が位置決めされ、定着装置側コネクタ113と本体側コネクタ211とが嵌合する際に、定着装置側コネクタ113に対して本体側コネクタ211が位置決めされる。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に着脱可能な着脱ユニットを有する画像形成装置において、
第1のコネクタを保持し、前記着脱ユニットと前記画像形成装置本体とのどちらか一方に移動可能に設けられた可動ガイド部材と、
前記着脱ユニットと前記画像形成装置本体とのどちらか他方に設けられる第2のコネクタと、
前記第2のコネクタの周囲に設けられた係合部と
を有し、
前記係合部が前記可動ガイド部材に当接すると、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが嵌合可能な範囲に、前記係合部に対して前記可動ガイド部材が位置決めされ、
前記第2のコネクタと前記第1のコネクタとが嵌合する際に、前記第2のコネクタに対して前記第1のコネクタが位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像形成装置本体に着脱可能な定着ユニットを有する画像形成装置において、
第1のコネクタを保持し、前記画像形成装置本体に移動可能に設けられた可動ガイド部材と、
前記定着ユニットに設けられた第2のコネクタと、
前記第2のコネクタの周囲に設けられた係合部と
を有し、
前記係合部が前記可動ガイド部材に当接すると、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが嵌合可能な範囲に、前記係合部に対して前記可動ガイド部材が位置決めされ、
前記第2のコネクタと前記第1のコネクタとが嵌合する際に、前記第2のコネクタに対して前記第1のコネクタが位置決めされることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記係合部が前記可動ガイド部材に当接した後、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが嵌合を開始することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記可動ガイド部材は、前記第1のコネクタの周囲を囲むように配置されて前記係合部に当接するコネクタ収容部を備え、前記コネクタ収容部の先端部には内側に向いた第1のテーパが形成されていることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1のコネクタには、前記第2のコネクタと対向する先端部の周囲に、外側に向いた第2のテーパが形成されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記係合部は、前記第2のコネクタの周囲を囲むように配置されて前記可動ガイド部材と当接する先端部には外側に向いた第3のテーパが形成されていることを特徴とする請求項3から5までの何れかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2のコネクタは、前記第1のコネクタと対向する先端部の周囲に、内側に向いた第4のテーパが形成されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記可動ガイド部材が前記着脱ユニットに設けられ、前記第2のコネクタが前記画像形成装置本体に形成されたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記着脱ユニットが転写ユニットであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記着脱ユニットがオプショントレイであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成装置本体に前記着脱ユニットが装着された状態において、前記可動ガイド部材と前記係合部とが離間していることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記画像形成装置本体に前記定着ユニットが装着された状態において、前記可動ガイド部材と前記係合部とが離間していることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタを有する着脱自在なユニット、例えば定着装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コネクタ同士の結合を伴うユニットの装着において、電極と接触電極との接触不良を回避するため、コネクタを傾斜面に当接しながら予め定められる方向に対して傾斜する方向に挿入した後、接触端子が電極に接触した状態で回転することで、予め定められる位置に装着される構成があった。
(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019―191419号公報(第8,9頁、図6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コネクタ同士が嵌合しない場合があり、この嵌合性を向上させることが課題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による画像形成装置は、画像形成装置本体に着脱可能な着脱ユニットを有する画像形成装置であって、
第1のコネクタを保持し、前記着脱ユニットと前記画像形成装置本体とのどちらか一方に移動可能に設けられた可動ガイド部材と、前記着脱ユニットと前記画像形成装置本体とのどちらか他方に設けられる第2のコネクタと、前記第2のコネクタの周囲に設けられた係合部とを有し、
前記係合部が前記可動ガイド部材に当接すると、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが嵌合可能な範囲に、前記係合部に対して前記可動ガイド部材が位置決めされ、前記第2のコネクタと前記第1のコネクタとが嵌合する際に、前記第2のコネクタに対して前記第1のコネクタが位置決めされることを特徴とする。
【0006】
本発明により別の画像形成装置は、画像形成装置本体に着脱可能な定着ユニットを有する画像形成装置であって、
第1のコネクタを保持し、前記画像形成装置本体に移動可能に設けられた可動ガイド部材と、前記定着ユニットに設けられた第2のコネクタと、前記第2のコネクタの周囲に設けられた係合部とを有し、
前記係合部が前記可動ガイド部材に当接すると、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとが嵌合可能な範囲に、前記係合部に対して前記可動ガイド部材が位置決めされ、前記第2のコネクタと前記第1のコネクタとが嵌合する際に、前記第2のコネクタに対して前記第1のコネクタが位置決めされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1のコネクタ及び/又は第2のコネクタの位置ずれを許容できるほか、画像形成装置本体に着脱ユニットを装着する際の着脱ユニットの位置ずれ許容範囲を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明による実施の形態1の画像形成装置の要部構成を概略的に示す概略構成図である。
図2】実施の形態1において、定着装置単体を斜め下方からみた外観斜視図である。
図3図2に示す定着装置において、下部に配設されたガイドプレートを外した状態の外観斜視図である。
図4図2に示す定着装置の下面図である。
図5図4に示す定着装置のA-A断面図である。
図6図4において、点線Aで囲んだ定着装置側コネクタ部の部分拡大図である。
図7図5において、点線Bで囲んだ定着装置側コネクタ部の部分拡大図である。
図8】定着装置と画像形成装置本体との対応関係を概略的に示す説明図であり、(a)は、画像形成装置本体に対して定着装置が上方に外された状態を示し、(b)は、画像形成装置本体に対して定着装置が装着された状態を示す。
図9】実施の形態1におる、本体コネクタユニットの外観斜視図である。
図10】実施の形態1において、本体コネクタユニットを構成するフローティングユニットの外観斜視図である。
図11】実施の形態1において、本体コネクタユニットを構成するホルダガイドの外観斜視図である。
図12】実施の形態1における、本体コネクタユニットの上面図である。
図13図12において、止めねじと平ワッシャを外した図である。
図14図12におけるA-A断面図である。
図15図14における点線囲み部Cの部分拡大図である。
図16図12におけるB-B断面図である。
図17】定着装置が画像形成装置本体に装着するまでの過程の説明に供する図である。
図18】定着装置が画像形成装置本体に装着するまでの過程の説明に供する図である。
図19】定着装置が画像形成装置本体に装着するまでの過程の説明に供する図である。
図20】定着装置が画像形成装置本体に装着するまでの過程の説明に供する図である。
図21】定着装置が画像形成装置本体に装着するまでの過程の説明に供する図である。
図22】定着装置が画像形成装置本体に装着するまでの過程の説明に供する図である。
図23】定着装置が画像形成装置本体に装着するまでの過程の説明に供する図である。
図24図23に点線囲み部Dで示すコネクタ接合部の部分拡大図である。
図25】(a)は、定着装置側コネクタの接続側を斜め上方からみた外観斜視図であり、(b)は、本体側コネクタの接続側を斜め下方からみた外観斜視図であり、(c)は、接続状態の両コネクタを右側面からみた側面図である。
図26】(a)は、図25(c)におけるC-C断面図であり、(b)は、図25(c)におけるD-D断面図である。
図27図20に示す動作過程の段階で、誘い込み移動が十分に行われなかった場合の説明に供する図である。
図28】本発明による実施の形態2の画像形成装置の要部構成を示す構成図であり、(a)は、画像形成装置本体に対して定着装置が上方に外された状態を示し、(b)は、画像形成装置本体に対して定着装置が装着された状態を示す。
図29】本発明による実施の形態3の画像形成装置の要部構成を示す構成図であり、(a)は、画像形成装置本体に対して転写装置が上方に外された状態を示し、(b)は、画像形成装置本体に対して転写装置が装着された状態を示す。
図30】本発明による実施の形態4の画像形成装置の要部構成を示す構成図である。(a)は、画像形成装置本体に対して第1オプショントレイ及び第2オプショントレイが下方に外された状態を示し、同図(b)は、画像形成装置本体に対して第1オプショントレイ及び第2オプショントレイが装着された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、本発明による実施の形態1の画像形成装置1000の要部構成を概略的に示す概略構成図である。
【0010】
同図に示す画像形成装置1000は、例えばカラー電子写真プリンタとしての構成を備え、装置内部には、記録媒体としての記録用紙1001を収納する給紙カセット1004が装着され、記録用紙1001を給紙カセット1004から取り出す給紙ローラ1005、記録用紙1001を所定のタイミングで画像形成部に給紙するレジストローラ1006が配置される。また、画像形成装置1000内には、画像形成部として、ブラック(K)の現像剤像としてのトナー画像を形成する現像装置1010K、イエロー(Y)のトナー画像を形成する現像装置1010Y、マゼンダ(M)のトナー画像を形成する現像装置1010M、シアン(C)のトナー画像を形成する現像装置1010C(これらの現像装置を特に区別する必要がない場合には単に1010とする場合がある)が、記録用紙1001の搬送経路に沿って、上流側から順に配置されている。これらの現像装置1010は、所定色のトナーを使用する外は同じ構成を有する。
【0011】
例えばブラック(K)のトナーを使用する現像装置1010Kに示すように、各現像装置1010は、静電潜像担持体としての感光体ドラム1011と、その周りに回転方向(矢印方向)上流側から順に配置された、感光体ドラム1011の表面に電荷を供給して帯電させる帯電装置1012、帯電された感光体ドラム1011の表面に画像データをもとに選択的に光を照射して静電潜像を形成する露光装置1013、感光体ドラム1011に形成された静電潜像を前記トナーにより現像してトナー画像を形成する現像剤供給装置1014、及び感光体ドラム1011の表面に残留したトナーを除去すべく、感光体ドラム1011に接触して配置されるクリーニング装置1015等を備える。
【0012】
また、画像形成装置1000内には、ベルト式の転写装置1020として、記録用紙1001を搬送し、且つ搬送する記録用紙1001に各現像装置で形成したトナー画像を順次転写するエンドレス転写ベルト1021、図示せぬ駆動部より回転されてエンドレス転写ベルト1021を矢印A方向に駆動するドライブローラ1022、ドライブローラ1022と対を成してエンドレス転写ベルト1021を張架するテンションローラ1023を備える。
【0013】
そして、前記記録用紙1001上に形成されたトナー画像を、熱及び圧力を加えることによって定着させる定着装置100、定着装置100を通過した記録用紙1001を搬送し、トナー画像が定着された記録用紙1001を貯留する排紙積載部1030に排出する搬送用ローラ1031,1032が配置される。尚、定着装置100は画像形成装置1000本体に対して着脱自在に装着されるが、その構成及び動作については、後で詳しく説明する。
【0014】
尚、図1中のX、Y、Zの各軸は、記録用紙1001が画像形成部を通過する際の搬送方向にX軸をとり、感光体ドラム1011の回転軸方向にY軸をとり、これら両軸と直交する方向にZ軸をとっている。また、後述する他の図においてX、Y、Zの各軸が示される場合、これらの軸方向は、共通する方向を示すものとする。即ち、各図のX、Y、Z軸は、各図の描写部分が、図1に示す画像形成装置1000を構成する際の配置方向を示している。またここでは、Z軸が略鉛直方向となるように配置されるものとする。
【0015】
以上の構成において、画像形成装置1000の印刷動作の概略について、図1を参照しながら説明する。尚、同図中の点線矢印は、搬送される記録用紙1001の搬送方向を示す。
【0016】
画像形成装置1000は、電源が投入されて操作者が画像形成を開始する周知の操作を行うと、給紙カセット1004に収納された記録用紙1001を、給紙ローラ1005によって給紙カセット1004から取り出し、レジストローラ1006により斜行を矯正した後、所定のタイミングで、4つの現像装置1010と転写装置1020からなる画像形成部に搬送する。
【0017】
このとき、感光体ドラム1011が矢印方向に回転するのに伴い、各現像装置1010の感光体ドラム1011の表面は、図示しない電源装置により電圧が印加された帯電装置1012により帯電される。続いて、帯電された感光体ドラム1011表面が露光装置1013の付近に到達すると、露光装置1013によって露光され、感光体ドラム1011表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像剤供給装置1014により現像され、感光体ドラム1011の表面に各色に対応したトナー画像が形成される。
【0018】
画像形成部に搬送された記録用紙1001は、エンドレス転写ベルト1021に吸着して矢印A方向に搬送され、各現像装置1010の矢印方向に回転する感光体ドラム1011とエンドレス転写ベルト1021とで順次ニップされる過程で、所定のタイミングで形成されたブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)の各色のトナー画像が順次重ねて転写され、記録用紙1001上に各色のトナーによるカラー画像が形成される。感光体ドラム1011は、転写後に感光体ドラム1011上に残留している残トナーがクリーニング装置1015によって掻き取られてクリーニングされた後、次の帯電に供される。
【0019】
続いて、表面に各色のトナーによるカラー画像が形成された記録用紙1001は、定着装置100に搬送される。記録用紙1001上のトナー画像は、定着装置100によって加圧及び加熱されて溶融し、記録用紙1001上に固定される。その後記録用紙1001は、搬送用ローラ1031,1032により排紙積載部1030に排出され、印刷の動作が終了する。
【0020】
ここで定着装置100は、記録用紙1001を加熱するのに十分な熱量を得るために、図示せぬ制御装置によりヒータ102へ電流を流し、ヒータ102上の抵抗発熱体が発熱して加熱ローラ101を加熱する。また加熱ローラ101に圧接して配置される加圧ローラ103は、図示せぬ駆動系により動力が付与され回転運動し、この回転によって駆動力が加熱ローラ101に伝達され、加熱ローラ101も回転運動する。定着装置100へ搬送された記録用紙1001は、ニップ部にて加熱・加圧されて上面に転写されたトナー画像が定着される。
【0021】
次に、画像形成装置1000本体に対して着脱自在に装着される定着装置100の装着機構につて説明する。尚、定着装置100のような、画像形成装置1000の構成要素の個々に対して、その構成要素を除いた部分を画像形成装置1000本体と称す場合がある。
【0022】
図2は、定着装置100単体を斜め下方からみた外観斜視図であり、図3は、図2に示す定着装置100において、下部に配設されたガイドプレート118を外した状態の外観斜視図であり、図4は、図2に示す定着装置100の下面図であり、図5は、図4に示す定着装置100のA-A断面図であり、図6は、図4において、点線Aで囲んだ定着装置側コネクタ部119の部分拡大図であり、図7は、図5において、点線Bで囲んだ定着装置側コネクタ部119の部分拡大図である。
【0023】
先ず、図2図7を参照しながら定着装置100の要部構成について説明する。図2に示すように、定着装置100の正面には、用紙受け入れ開口部120が形成され、矢印A方向に沿って搬送される記録用紙1001を受け入れる。以後、定着装置100を、正面(図2の矢印A方向)からみて、定着装置100の上下左右前後の方向を特定する場合がある。尚、図2図7において、定着装置側コネクタ113は、後述する第1接続子152及び第2接続子154(図25(a)参照)を除いた略図で示している。
【0024】
着脱ユニット又は定着ユニットとしての定着装置100の底部のベースプレート111(図3)には、ねじ112によってその左側端部に固定された第2のコネクタとしての定着装置側コネクタ113が配設され、また係合部としての定着コネクタガイド部114と左右の位置決めポスト115,116を備えてねじ117によって固定されたガイドプレート118が配設されている。定着コネクタガイド部114は、定着装置側コネクタ113の周囲を囲むように形成され、左右の位置決めポスト115,116は定着装置100の底部から垂下する。
【0025】
図6は、図4に示す定着装置100の定着装置側コネクタ部119の部分拡大図であり、図7は、図5に示す定着装置100の定着装置側コネクタ部119の部分拡大図である。従って、図7は、図6のA-A断面図である。
【0026】
図6図7に示すように、定着装置側コネクタ113は、その下半部が後述する本体側コネクタ211との接続部となっており、その周囲には下方に垂下する内側リブ121が形成され、内側リブ121によって囲まれる内側には、十字状に形成されて下方に垂下する十字突起部122と、方形に形成されて下方に垂下する囲み突起部123が前後に並んで形成されている(図25(a)参照)。
【0027】
図7に示すように、定着装置側コネクタ113を囲む定着コネクタガイド部114は、定着装置側コネクタ113の内側リブ121よりも所定距離αだけ下方に長く形成され、内側リブ121の下方先端部には、全周囲にわたってテーパ面が内側に向かって傾斜する第4のテーパとしての定着コネクタテーパ部121aが形成され、定着コネクタガイド部114の下方先端部には、6つの切り欠き部114bを除く全周囲にわたって、テーパ面が外側に向かって傾斜する第3のテーパとしてのガイドテーパ部114aが形成されている。
【0028】
ここで、定着装置100と画像形成装置1000本体との各部の対向関係について説明する。図8は、定着装置100と画像形成装置1000本体との対向関係を概略的に示す説明図であり、同図(a)は、画像形成装置1000本体に対して定着装置100が上方に外された状態を示し、同図(b)は、画像形成装置1000本体に対して定着装置100が装着された状態を示す。
【0029】
図8(a)に示すように、画像形成装置1000本体に対して定着装置100が着脱されるべく対向する場合、画像形成装置1000本体の、定着装置100の定着装置側コネクタ部119に対向する位置には本体コネクタユニット201が配設され、定着装置100の左位置決めポスト115に対向する位置には左位置決め穴251が配設され、定着装置100の右位置決めポスト116に対向する位置には右位置決め穴252が配置されている。
【0030】
図8(b)に示すように、画像形成装置1000本体に対して定着装置100が装着する時、定着装置100の定着装置側コネクタ部119の定着装置側コネクタ113と画像形成装置1000本体の本体側コネクタ211(図10参照)とが嵌合して電気的に接続が行われ、左位置決めポスト115と左位置決め穴251とが、また右位置決めポスト116と右位置決め穴252とがそれぞれ嵌合し、画像形成装置1000本体に対して定着装置100が位置決めされる。本体コネクタユニット201の構成及び定着装置側コネクタ113と本体側コネクタ211との嵌合についは以後、詳細に説明する。
【0031】
図9は、本体コネクタユニット201の外観斜視図であり、図10は、本体コネクタユニット201を構成するフローティングユニット202の外観斜視図であり、図11は、同じく本体コネクタユニット201を構成するホルダガイド203の外観斜視図である。また図12は本体コネクタユニット201の上面図であり、図13は、図12において止めねじ204と平ワッシャ205を外した図であり、図14は、図12におけるB-B断面図であり、図15は、図14における点線囲み部Cの部分拡大図であり、更に図16は、図12におけるC-C断面図である。尚、図9図16において、本体側コネクタ211は、後述する第3接続子243及び第4接続子247(図25(b)参照)を除いた略図で示している。
【0032】
これらの各図に示すように本体コネクタユニット201は、フローティングユニット202とホルダガイド203とを有し、ホルダガイド203が、図8で説明した画像形成装置1000本体の所定箇所に固定される。
【0033】
可動ガイド部材としてのフローティングユニット202は、第1のコネクタとしての本体側コネクタ211を収容するコネクタ収容部210とコネクタ収容部210の下部から左右に延在する左ガイド平面部213(図12)と右ガイド平面部214を有する。コネクタ収容部210は、左右前後に配置された4つの側壁部215,216,217,218を有し、これ等によって囲まれた内側に本体側コネクタ211を配置している。
【0034】
本体側コネクタ211は、2つの固定ねじ219によってその固定平面部220の前後端部がコネクタ収容部210に固定され、固定平面部220から上方に突出する突出部212が、定着装置100の定着装置側コネクタ113との接続部となっている。この突出部212には、定着装置側コネクタ113の十字突起部122(図6)が嵌入する十字溝部221と、同じく定着装置側コネクタ113の囲み突起部123(図6)が嵌入する囲み溝部222が形成されている。
【0035】
この突出部212の上方先端部の周囲にはテーパ面が外側に向かって傾斜する第2のテーパとしての本体コネクタテーパ部211aが形成され、フローティングユニット202のコネクタ収容部210の左右前後の4つの側壁部215,216,217,218の各上方先端部には、テーパ面が内側に向かって傾斜する第1のテーパとしてのユニットテーパ部210aが形成されている。ここでは、本体コネクタテーパ部211aの方がユニットテーパ部210aよりもわずかに上方に位置するように構成されている。但し、ここでの本体コネクタテーパ部211aの突出量は、図7に示す前記した所定距離αよりも小さく設定されている。
【0036】
図13に示すように、フローティングユニット202の、左ガイド平面部213には、一辺が切り欠かれた略方形状の規制孔213aが形成され、右ガイド平面部214には、略方形状の規制孔214aが形成されている。一方、ホルダガイド203には、フローティングユニット202を移動可能に保持するため、フローティングユニット202の規制孔213a及び規制項214aが対向する位置に、ねじ穴を有するねじ受け支柱203a及びねじ受け支柱203bを配設している。
【0037】
ホルダガイド203の上部は、フローティングユニット202の下面を載置するため、骨組み状の部材から形成されているが、各部材の上面は同一平面(以後、載置平面206と称す場合がある)となるように形成されている。ねじ受け支柱203a,203bは、図15に示すように、この載置平面206に対して高さhだけ高く形成されている。この高さhは、フローティングユニット202の左ガイド平面部213及び右ガイド平面部214の同一厚みdより大きく設定されている。
【0038】
以上のように構成されたフローティングユニット202は、図9に示すように、ホルダガイド203にねじ止めされるが、その際、フローティングユニット202の規制孔213aにホルダガイド203のねじ受け支柱203aが貫通し、同じく規制孔214aに受け支柱203bが貫通するようにして、ホルダガイド203の載置平面206上にフローティングユニット202載置する。その後、規制孔213a,214aを覆うような平ワッシャ205を介して、止めねじ204を各ねじ受け支柱203a,203bのねじ穴にねじ止し、平ワッシャ205を各ねじ受け支柱203a,203bの頂部に固定する。
【0039】
図15の断面図は、この段階でのホルダガイド203の載置平面206及び受け支柱203bと、右ガイド平面部214の規制孔214aと、平ワッシャ205の位置関係を示している。
【0040】
同図に示すように、規制孔214aは、受け支柱203bの外径より、所定のあそびが生じるように大きく形成され、平ワッシャ205と右ガイド平面部214の上面の間には摺動可能程度のわずかな隙間が生じている。これは、ねじ受け支柱203aとその周辺部材の関係においても同様である。
【0041】
従って、フローティングユニット202は、ホルダガイド203によって、平ワッシャ205によって上下方向(Z軸方向)の移動が規制されながら、載置平面206(Z軸を垂直な同一平面)上を、受け支柱203bと規制孔214aとのあそび分だけ全方向に移動可能に保持される。
【0042】
以上のように構成された本体コネクタユニット201は、図8で説明したように、定着装置100の左右の位置決めポスト115,116が画像形成装置1000本体の左右の位置決め穴251,252にそれぞれ嵌入して位置決めされて装着される際の、定着装置100の定着装置側コネクタ部119にほぼ対向する位置に配設される。
【0043】
図17図23は、定着装置100を画像形成装置1000本体に装着すべく、前記した図8(a)に示す装着位置上方の離間した位置から、同図(b)に示す装着状態となるまで移動する際の移動過程における、定着装置100の定着装置側コネクタ部119及び左位置決めポスト115と、画像形成装置1000本体の本体コネクタユニット201及び左位置決め穴251との係わりの経緯を示す動作説明図である。これらの図を参照しながら、定着装置100が画像形成装置1000から離間した位置から画像形成装置1000の装着位置に装着されるまでの動作について説明する。尚、図17図23において、定着装置側コネクタ113及び本体側コネクタ211は、後述する各接続子を除いた略図で示している。
【0044】
図17は、定着装置100が、画像形成装置1000本体の装着位置上方にあって、僅かに右側にずれているときの、本体コネクタユニット201周辺の位置関係を示している。尚、ここではこの初期状態において、フローティングユニット202が、ホルダガイド203に対してX-Y平面における移動可能領域の略中央部に位置しているものとして説明する。
【0045】
この状態から、定着装置100が下方(Z軸のマイナス方向)に移動すると、はじめに図18に示すように、定着装置側コネクタ部119のガイドテーパ部114aと本体コネクタユニット201の右側壁部216の先端部に形成されたユニットテーパ部210aが接触する。
【0046】
この状態から、更に定着装置100が下方に移動すると、当接するテーパ部同士の作用により、定着装置100は左方向への、フローティングユニット202は右方向への力を受け、相対的に逆方向に移動する。この時の各部の移動量は、取っ手105を持って定着装置100を装着する操作者の力配分、初期状態においてフローティングユニット202が、ホルダガイド203に対してX-Y平面における移動可能領域のどこに位置するか、定着装置100とフローティングユニット202の質量等の関係で異なるが、ここでは、テーパ部同士が摺動する間、定着装置100は僅かに左に移動し、フローティングユニット202は僅かに右方向に移動するものとする。図19は、テーパ部同士の摺動が終わった時点の状態を示している。
【0047】
このときの定着装置100とフローティングユニット202との相対移動により、定着装置側コネクタ部119は、左右方向(Y軸方向)において、フローティングユニット202のコネクタ収容部210(図10参照)の中心方向に移動し、相対移動が終了した時点で、図19に示すように、定着装置100の下方移動時に、定着装置側コネクタ113の定着コネクタテーパ部121aと本体側コネクタ211の本体コネクタテーパ部211aとの係合が可能な位置、言い換えると定着装置側コネクタ113が本体側コネクタ211に嵌入可能な位置まで導かれる。以後、このときの上記した相対移動を誘い込み移動と称す場合がある。
【0048】
この段階では、定着コネクタテーパ部121aと本体コネクタテーパ部211aとはまだ接触していない。これはコネクタ同士の接触が開始するよりも前に、定着コネクタガイド部114(図2)のガイドテーパ部114aとコネクタ収容部210(図10参照)のユニットテーパ部210aとのテーパ同士の摺動が終了して誘い込み移動が完了するように、4つのテーパ、即ち定着コネクタテーパ部121a、本体コネクタテーパ部211a、ガイドテーパ部114a、及びユニットテーパ部210aの各位置及び形状を設定しているためである。
【0049】
この状態から、更に定着装置100が下方に移動すると、図20に示すように、定着装置側コネクタ113の定着コネクタテーパ部121aと本体側コネクタ211の本体コネクタテーパ部211aとが接触し、更に図21に示すように、このテーパ同士の摺動が終わった時点で、左右方向(Y軸方向)における定着装置側コネクタ113と本体側コネクタ211との位置ずれはなくなる。この時のテーパ同士の摺動時にも定着装置100とフローティングユニット202とは相対的に移動するが、ここでもフローティングユニット202が僅かに右方向に移動するものとする。
【0050】
図27は、前記した図20に示す動作過程の段階で、前記した誘い込み移動が十分に行われなかった場合の状態を示している。このとき定着装置側コネクタ113の定着コネクタテーパ部121aと本体側コネクタ211の本体コネクタテーパ部211aとは係合に至らず、このままでは定着装置側コネクタ113が本体側コネクタ211に嵌入できないままとなる。
【0051】
図21の状態から、更に定着装置100が下方に移動すると、やがて図22に示すように定着装置側コネクタ113の十字突起部122及び囲み突起部123(図6参照)が本体側コネクタ211の十字溝部221及び囲み溝部222(図10参照)に嵌入し、両コネクタ、更には定着装置100とフローティングユニット202が、X-Y平面において一体的に移動する。
【0052】
更に、定着装置100の左位置決めポスト115の先細先端部115aの傾斜面が画像形成装置1000本体に配設された左位置決め穴251の上部に形成された導入テーパ部251aに当接する。
【0053】
ここでは、定着装置側コネクタ113が本体側コネクタ211に嵌入する前に、定着装置100が僅かに右側にずれているものとする。このずれは、結果的に、上記した定着装置側コネクタ113と本体側コネクタ211とがX-Y方向において一体的に移動するまでの過程でフローティングユニット202が、移動可能範囲内で初期位置から右側に僅かに移動しているためとすることができる。
【0054】
図22の状態から、更に定着装置100が下方に移動すると、定着装置100の左位置決めポスト115が、画像形成装置1000本体の左位置決め穴251にガイドされて僅かに左に移動しながら下方に移動し、やがて図23に示すように左位置決め穴251に完全に嵌入した状態で、定着装置100が画像形成装置1000本体に最終的に装着される。
【0055】
この過程で、フローティングユニット202も定着装置100と共に左方向に移動するため、定着装置側コネクタ113は、左右前後方向において大きな負荷を受けることなく、図23に示す装着位置まで下方に移動することが出来る。尚、図23に示す装着位置で、定着装置100は図示しない規制手段によって上下方向移動がロックされるものとする。
【0056】
このときフローティングユニット202が定着装置100と共に左方向に移動した位置で、前記した図12に示す止めねじ204の中心がフローティングユニット202の規制孔214aの略中心に位置するように、予め規制孔214a等の位置が設定されているものとする。
【0057】
図24は、図23に点線囲み部Dで示すコネクタ接合部の部分拡大図である。同図に示すように、この状態において、フローティングユニット202の左右の側壁部215,216と定着装置100の定着コネクタガイド部114との間には所定の隙間301,302が生ずるように形成されている。
【0058】
このため、定着装置100とフローティングユニット202の相対的な位置を決めるのが、定着装置側コネクタ113と本体側コネクタ211の接続によるものとなり、定着コネクタガイド部114とフローティングユニット202による誘い込み移動が、コネクタ同士がテーパで嵌合できる程度までであり、最終的な位置決めには関与しない構成になっている。
【0059】
ここで、定着装置側コネクタ113と本体側コネクタ211における各接続子(電極)について説明する。図25(a)は、定着装置側コネクタ113の接続側を斜め上方からみた外観斜視図であり、図25(b)は、本体側コネクタ211の接続側を斜め下方からみた外観斜視図であり、図25(c)は、接続状態の両コネクタを右側面からみた側面図である。更に図26(a)は、図25(c)におけるD-D断面図であり、図26(b)は、図25(c)におけるE-E断面図である。
【0060】
図25(a)に示すように、定着装置側コネクタ113における、十字突起部122で区分けされた4つのエリア151には、各エリアにおいて下方に垂下する4つの第1接続子152が配置され、囲み突起部123で囲まれた左右の内壁部153には、各内壁部153に沿って、弾性を有してく字状に内側に湾曲した7本の第2接続子154(図26(b)参照)が等間隔に、合計14本、下方に延在している。
【0061】
一方、図25(b)に示すように、本体側コネクタ211の十字溝部221は、第1接続子152を受入れる受入れ穴242を備えた4つの角柱部241によって形成され、各受入れ穴242には、弾性を有してく字状に内側に湾曲した第3接続子243(図26(a)参照)が植立している。また囲み溝部222を構成する内側ブロック245の左右の側壁にはそれぞれ連続する7つの凹凸部246が形成され、その凹部にはその底部に沿って第4接続子247が配設されている。
【0062】
図25(c)は、図23で示すように、定着装置100が画像形成装置1000本体に最終的に装着した状態における、定着装置側コネクタ113と本体側コネクタ211との接続状態を示す側面図である。
【0063】
この接続状態において、定着装置側コネクタ113の4つの各エリア151には本体側コネクタ211の角柱部241が収まり、角柱部241の受け入れ穴242内では、4対の第1接続子152と第3接続子243とが、それぞれ図26(a)に示すように圧接し、電気的接続状態となる。一方、本体側コネクタ211の凹凸部246の14か所の各凹部内では、14対の第2接続子154と第4接続子247とが、それぞれ図26(b)に示すように圧接し、電気的接続状態となる。
【0064】
従って、定着装置100が画像形成装置1000本体に装着されると、両者間で、電源や温度情報信号等の合計18系統の電気的接続を確保できる。
【0065】
このように、各接続子同士の電気的な接続が圧接によって確保されるため、定着装置側コネクタ113と本体側コネクタ211とがストレスなく嵌合することが望まれる。この点において、本実施の形態では、図24で説明したように、フローティングユニット202の左右の側壁部215,216と定着装置100の定着コネクタガイド部114との間には所定の隙間301,302が確保されるため、装着による外的なストレスが定着装置側コネクタ113と本体側コネクタ211の嵌合に及ぶことはない。
【0066】
尚、定着コネクタガイド部114のガイドテーパ部114a、定着装置側コネクタ113の定着コネクタテーパ部121a、及び本体側コネクタ211の本体コネクタテーパ部211aは、前後左右及び角部の各方向において同位置関係、同形状に構成されているものとする。従って、上記説明では、定着装置100が右側にずれた状態で装着が開始された場合について説明したが、全方向において、誘い込み移動等、同様に動作するものである。
【0067】
またここでは、装着の過程で、誘い込み移動→コネクタ同士の嵌合→左位置決めポスト115と左位置決め穴251による位置決めのための嵌合の順で行われたが、この順番に限定されるものではなく、位置決めのための嵌合が、誘い込み移動の前、或はコネクタ同士の嵌合の前に始まる構成であっても、本実施の形態による、誘い込み移動を伴うコネクタ同士の円滑な嵌合動作が妨げられることはない。
【0068】
また、本実施の形態では、定着コネクタガイド部114と定着装置側コネクタ113間に一対のテーパを設け、定着装置側コネクタ113と本体側コネクタ211間に一対のテーパを設けたが、これに限定されるものではなく、各組のどちらか一方にテーパを設け、他方にこれと係合する係合部を設けた構成としてもよいなど、種々の態様を取り得るものである。
【0069】
以上のように、本実施の形態1の画像形成装置によれば、定着装置100を画像形成装置1000本体に装着する際、先ず、定着コネクタガイド部114のガイドテーパ部114aとフローティングユニット202のユニットテーパ部210aが係合し、定着装置側コネクタ113の定着コネクタテーパ部121aと本体側コネクタ211の本体コネクタテーパ部211aとが係合可能な位置まで誘い込み移動をするため、画像形成装置1000本体に対する定着装置100の、装着時における位置ずれ許容範囲を広げることが出来る。またこの許容範囲内では、各コネクタの先端部同士が衝突することがないので、コネクタ破損を防止できる。
【0070】
また装着完了時に、外的なストレスが定着装置側コネクタ113と本体側コネクタ211の嵌合に及ぶことはないため、コネクタ同士の電気的な接続の信頼性を高めることができる。
更に、画像形成装置1000本体に対してフローティングユニット202がスライド移動可能に構成されているため、定着装置側コネクタ113及び/又は本体側コネクタ211の位置ずれを許容できる。
【0071】
実施の形態2.
図28は、本発明による実施の形態2の画像形成装置2000の要部構成を示す構成図であり、同図(a)は、画像形成装置2000本体に対して着脱ユニットとしての定着装置500が上方に外された状態を示し、同図(b)は、画像形成装置2000本体に対して定着装置500が装着された状態を示す。
【0072】
本実施の形態の画像形成装置2000が前記した例えば図8に示す実施の形態1の画像形成装置1000と主に異なる点は、図8に示す定着装置側コネクタ部119と本体コネクタユニット201の配置関係である。従って、本実施の形態の画像形成装置2000が、前記した実施の形態1の画像形成装置1000と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0073】
図28に示すように、画像形成装置2000では、実施の形態1では図8に示すように定着装置100に配設されている定着装置側コネクタ部119に相当する本体装置側コネクタ部619が画像形成装置2000本体に配設され、同じく実施の形態1では図8に示すように画像形成装置1000本体に配設されている本体コネクタユニット201に相当する定着コネクタユニット501が定着装置500に配設されている。ここで、本体装置側コネクタ部619は、定着装置側コネクタ部119と同じ構成を有して上下の向きを変えて配置され、定着コネクタユニット501は本体コネクタユニット201と同じ構成を有して上下の向きを変えて配置されている。
【0074】
従がって、以上の構成において、定着装置500を画像形成装置2000本体に装着すべく、図28(a)に示す装着位置上方の離間した位置から、同図(b)に示す装着状態となるまで移動する際の移動過程は、前記した図17図23までの動作説明図で、定着装置側コネクタ部119と本体コネクタユニット201との上下関係を逆にしたものとなる。
【0075】
従って、図28(a)に示す装着位置上方の離間した位置から、同図(b)に示す装着状態となるまでの定着装置500の移動過程において、ここでも前記した図17図23までの動作と同様に、誘い込み移動を伴って第2のコネクタとしての本体側コネクタ613と第1のコネクタとしての定着側コネクタ511とが接続完了状態となることが明白なので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0076】
以上のように、本実施の形態2の画像形成装置2000によれば、実施の形態1の画像形成装置1000の場合と同様に、画像形成装置2000本体に対する定着装置500の、装着時における位置ずれ許容範囲を広げることが出来る。
【0077】
また装着完了時に、外的なストレスが本体側コネクタ613と定着側コネクタ511の嵌合に及ぶことはないため、コネクタ同士の電気的な接続の信頼性を高めることができる。
更に、定着装置500本体に対してフローティングユニットがスライド移動可能に構成されているため、本体側コネクタ613及び/又は定着側コネクタ511の位置ずれを許容できる。
【0078】
実施の形態3.
図29は、本発明による実施の形態3の画像形成装置3000の要部構成を示す構成図であり、同図(a)は、画像形成装置3000本体に対して着脱ユニットとしての転写装置1020が上方に外された状態を示し、同図(b)は、画像形成装置3000本体に対して転写装置1020が装着された状態を示す。
【0079】
本実施の形態の画像形成装置3000が前記した例えば図8に示す実施の形態1の画像形成装置1000と主に異なる点は、画像形成装置3000本体と本体に対して着脱可能な転写装置1020間にも、転写装置側コネクタ部1119と本体コネクタユニット701が配置されている点である。従って、本実施の形態の画像形成装置3000が、前記した実施の形態1の画像形成装置1000と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0080】
図29に示すように、画像形成装置3000では、実施の形態1では図8に示すように定着装置100に配設されている定着装置側コネクタ部119と同構成の転写装置側コネクタ部1119が転写装置1020に配設され、同じく実施の形態1では図8に示すように画像形成装置1000本体に配設されている本体コネクタユニット201と同構成の本体コネクタユニット701が画像形成装置3000本体に配設されている。
【0081】
そして、画像形成装置3000本体に対して転写装置1020が着脱されるべく対応する場合、画像形成装置3000本体の、転写装置1020の転写装置側コネクタ部1119に対向する位置には本体コネクタユニット701が配設さし、転写装置1020の左位置決めポスト1115に対向する位置には左位置決め穴751が配設され、転写装置1020の右位置決めポスト1116に対向する位置には右位置決め穴752が配置されている。
【0082】
そして、左位置決めポスト1115の、形状及び転写装置側コネクタ部1119に対する位置関係は、図8に示す左位置決めポスト115の、形状及び定着装置側コネクタ部119に対する位置関係と同等とし、左位置決め穴751の、形状及び本体コネクタユニット701に対する位置関係は、図8に示す左位置決め穴251の、形状及び本体コネクタユニット201に対する位置関係と同等とする。
【0083】
従って、以上の構成において、転写装置1020を画像形成装置3000本体に装着すべく、図29(a)に示す装着位置上方の離間した位置から、同図(b)に示す装着状態となるまで移動する際の移動過程は、前記した図17図23までの動作説明図で、定着装置側コネクタ部119をこれと同構成の転写装置側コネクタ部1119とし、本体コネクタユニット201をこれと同構成の本体コネクタユニット701としたものとなる。
【0084】
従って、図29(a)に示す装着位置上方の離間した位置から、同図(b)に示す装着状態となるまでの転写装置1020の移動過程において、ここでも前記した図17図23までの動作と同様に、誘い込み移動を伴って第1のコネクタとしての本体側コネクタ711と第2のコネクタとしての転写側コネクタ1113とが接続完了状態となることが明白なので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0085】
以上のように、本実施の形態3の画像形成装置3000によれば、実施の形態1の画像形成装置1000の場合と同様に、画像形成装置3000本体に対する転写装置1020の、装着時における位置ずれ許容範囲を広げることが出来る。
【0086】
また装着完了時に、外的なストレスが本体側コネクタ711と転写側コネクタ1113の嵌合に及ぶことはないため、コネクタ同士の電気的な接続の信頼性を高めることができる。更に、画像形成装置3000本体に対してフローティングユニットがスライド移動可能に構成されているため、本体側コネクタ711及び/又は転写側コネクタ1113の位置ずれを許容できる。
【0087】
実施の形態4.
図30は、本発明による実施の形態4の画像形成装置4000の要部構成を示す構成図である。同図(a)は、画像形成装置4000本体に対して着脱ユニットとしての第1オプショントレイ1200及び第2オプショントレイ1300が下方に外された状態を示し、同図(b)は、画像形成装置1000本体に対して第1オプショントレイ1200及び第2オプショントレイ1300が装着された状態を示す。
【0088】
本実施の形態の画像形成装置4000が前記した例えば図8に示す実施の形態1の画像形成装置1000と主に異なる点は、画像形成装置4000本体と本体に対して着脱可能な第1オプショントレイ1200間、及び第1オプショントレイ1200に対して着脱可能な第2オプショントレイ1300間に、それぞれ挿入側コネクタ部171と受け入れ側コネクタ部181が配置されている点である。従って、本実施の形態の画像形成装置4000が、前記した実施の形態1の画像形成装置1000と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
【0089】
図30に示すように、画像形成装置4000では、実施の形態1では図8に示すように定着装置100に配設されている定着装置側コネクタ部119に相当する挿入側コネクタ部171が、画像形成装置4000本体の底部に形成された収容凹部4000a内、第1オプショントレイ1200の底部に形成された収容凹部1200a内、及び第2オプショントレイ1300の底部に形成された収容凹部1300a内にそれぞれ配設され、同じく実施の形態1では図8に示すように画像形成装置1000本体に配設されている本体コネクタユニット201に相当する受け入れ側コネクタ部181が第1オプショントレイ1200及び第2オプショントレイ1300の上面に配置されている。
【0090】
そして、第2オプショントレイ1300に対して、第1オプショントレイ1200が着脱されるべく対応する場合、第2オプショントレイ1300の、第1オプショントレイ1200の挿入側コネクタ部171に対応する位置には受け入れ側コネクタ部181が位置し、第1オプショントレイ1200の位置決め穴190に対応する位置には位置決めポスト191が位置するように配置されている。
【0091】
更に、第1オプショントレイ1200に対して、画像形成装置4000本体が着脱されるべく対応する場合、第1オプショントレイ1200の、画像形成装置4000本体の挿入側コネクタ部171に対応する位置には受け入れ側コネクタ部181が位置し、画像形成装置4000本体の位置決め穴190に対応する位置には位置決めポスト191が位置するように配置されている。
【0092】
そして、位置決め穴190の、挿入側コネクタ部171に対する距離関係は、図8に示す左位置決めポスト115の、定着装置側コネクタ部119に対する距離と同等とし、位置決めポスト191の、受け入れ側コネクタ部181に対する距離関係は、図8に示す左位置決め穴251の、本体コネクタユニット201に対する距離と同等とする。
【0093】
従がって、以上の構成において、第1オプショントレイ1200を第2オプショントレイに装着すべく、或は第1オプショントレイ1200に画像形成装置4000本体を装着すべく、図30(a)に示す装着位置上方の離間した位置から、同図(b)に示す装着状態となるまで移動する際の移動過程は、前記した図17図23までの動作説明図で、定着装置側コネクタ部119をこれと同構成の挿入側コネクタ部171とし、本体コネクタユニット201をこれと同構成の受け入れ側コネクタ部181としたものとなる。
【0094】
従って、各部の装着動作時の移動過程において、ここでも前記した図17図23までの動作と同様に、誘い込み移動を伴って受け入れ側コネクタ部181の第1のコネクタとしてのコネクタ185と挿入側コネクタ部171の第2のコネクタとしてのコネクタ175とが接続完了状態となることが明白なので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0095】
以上のように、本実施の形態4の画像形成装置4000によれば、実施の形態1の画像形成装置1000の場合と同様に、第2オプショントレイ1300に対する第1オプショントレイ1200の、及び/又は第1オプショントレイ1200に対する画像形成装置4000本体の、装着時における位置ずれ許容範囲を広げることが出来る。
【0096】
また装着完了時に、外的なストレスがコネクタ同士の嵌合に及ぶことはないため、コネクタ同士の電気的な接続の信頼性を高めることができる。
更に、受け入れ側コネクタ部181のフローティングユニットがスライド移動可能に構成されているため、コネクタ175及び/又はコネクタ185の位置ずれを許容できる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
上記した実施形態では、カラープリンタとしての画像形成装置に採用した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複写機、ファクシミリ、MFP等の画像処理装置にも利用可能である。またカラープリンタについて説明したが、モノクロプリンタであってもよい。
【符号の説明】
【0098】
100 定着装置、 101 加熱ローラ、 102 ヒータ、 103 加圧ローラ、 105 取っ手、 111 ベースプレート、 112 ねじ、 113 定着装置側コネクタ、 114 定着コネクタガイド部、 114a ガイドテーパ部、 114b 切り欠き部、 115 左位置決めポスト、 115a 先細先端部、 116 右位置決めポスト、 117 ねじ、 118 ガイドプレート、 119 定着装置側コネクタ部、 120 用紙受け入れ開口部、 121 内側リブ、 121a 定着コネクタテーパ部、 122 十字突起部、 123 囲み突起部、 151 エリア、 152 第1接続子、 153 内壁部、 154 第2接続子、 171 挿入側コネクタ部、 175 コネクタ、 181 受け入れ側コネクタ部、 185 コネクタ、 190 位置決め穴、 191 位置決めポスト、 201 本体コネクタユニット、 202 フローティングユニット、 203 ホルダガイド、 203a ねじ受け支柱、 203b ねじ受け支柱、 204 止めねじ、 205 平ワッシャ、 206 載置平面、 210 コネクタ収容部、 210a ユニットテーパ部、 211 本体側コネクタ、 211a 本体コネクタテーパ部、 212 突出部、 213 左ガイド平面部、 213a 規制孔、 214 右ガイド平面部、 214a 規制孔、 215 左側壁部、 216 右側壁部、 217 前側壁部、 218 後側壁部、 219 固定ねじ、 220 固定平面部、 221 十字溝部、 222 囲み溝部、 241 角柱部、 242 受入れ穴、 243 第3接続子、 245 内側ブロック、 246 凹凸部、 247 第4接続子、 251 左位置決め穴、 252 右位置決め穴、 301 隙間、 302 隙間、 500 定着装置、 501 定着コネクタユニット、 511 定着側コネクタ、 613 本体側コネクタ、 619 本体装置側コネクタ部、 701 本体コネクタユニット、 711 本体側コネクタ、 751 左位置決め穴、 752 右位置決め穴、 1000 画像形成装置、 1001 記録用紙、 1004 給紙カセット、 1005 給紙ローラ、 1006 レジストローラ、 1010 現像装置、 1011 感光体ドラム、 1012 帯電装置、 1013 露光装置、 1014 現像剤供給装置、 1015 クリーニング装置、 1020 転写装置、 1021 エンドレス転写ベルト、 1022 ドライブローラ、 1023 テンションローラ、 1030 排紙積載部、 1031 搬送用ローラ、 1113 転写側コネクタ、 1115 左位置決めポスト、 1116 右位置決めポスト、 1119 転写装置側コネクタ部、 1200 第1オプショントレイ、 1200a 収容凹部、 1300 第2オプショントレイ、 1300a 収容凹部、 2000 画像形成装置、 3000 画像形成装置、 4000 画像形成装置、 4000a 収容凹部。




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