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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126309
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】ピッキングシステムおよび管理装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20220823BHJP
【FI】
B65G1/137 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021024310
(22)【出願日】2021-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(72)【発明者】
【氏名】井上 祐一
(72)【発明者】
【氏名】飯田 竜太
(72)【発明者】
【氏名】青木 雅
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB06
3F522BB22
3F522BB35
3F522CC01
3F522DD02
3F522DD22
3F522DD32
3F522EE15
3F522FF01
3F522FF06
3F522FF18
3F522FF19
3F522FF27
3F522FF38
3F522GG16
3F522GG24
3F522GG34
3F522GG44
3F522HH02
3F522HH13
3F522HH16
3F522HH18
3F522HH19
3F522HH26
3F522HH35
3F522JJ02
3F522LL59
(57)【要約】
【課題】 倉庫内のピッキング作業を効率よく行う。
【解決手段】 指定される商品を棚Sから採集する作業者のピッキング作業を補助するピッキングシステム100であって、採集される商品が投入されるカート1と、カートに対するピッキング作業の割り当てを行う割当手段と、を備え、カートは、自律走行カートと、作業者によって移動される手動カートと、を含み、割当手段は、ピッキング作業に含まれる商品の属性に応じて、当該ピッキング作業を自律走行カートおよび手動カートのいずれかに割り当てる、ピッキングシステム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指定される商品を棚から採集する作業者のピッキング作業を補助するピッキングシステムであって、
採集される前記商品が投入されるカートと、
前記カートに対する前記ピッキング作業の割り当てを行う割当手段と、
を備え、
前記カートは、自律走行カートと、前記作業者によって移動される手動カートと、を含み、
前記割当手段は、前記ピッキング作業に含まれる前記商品の属性に応じて、当該ピッキング作業を前記自律走行カートおよび前記手動カートのいずれかに割り当てる、
ピッキングシステム。
【請求項2】
前記割当手段は、相対的に重量の大きい商品または相対的に総重量の大きい商品群が自律走行カートで搬送され、相対的に重量の小さい商品または相対的に総重量の小さい商品群が手動カートで搬送されるように、前記ピッキング作業の割り当てを行う、
請求項1記載のピッキングシステム。
【請求項3】
前記割当手段は、前記カートに商品を投入するピッキング作業者の情報に基づいて、当該カートのピッキング作業指示を割り当てる、
請求項1又は2記載のピッキングシステム。
【請求項4】
前記割当手段は、前記ピッキング作業者の体格が大きい場合、筋力が大きい場合又は男性である場合に、相対的に重量の大きい商品または相対的に総重量の大きい商品群が当該ピッキング作業者の作業となるように、前記ピッキング作業の割り当てを行う、
請求項3記載のピッキングシステム。
【請求項5】
前記自律走行カートを制御する制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、自己の状態または前記ピッキング作業の進捗状況に基づく特定の条件が満たされた場合には、当該条件に対応して設定された地点を目的地に決定する、
請求項1乃至4のいずれかに記載のピッキングシステム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記ピッキング作業で採集が完了した商品が投入されている前記自律走行カートを、前記商品を搬出する搬送エリアに移動させ、前記自律走行カートにおいて採集が完了できなかった前記商品が少なくとも1個ある場合には、前記自律走行カートを、搬送エリアとは異なる保留エリアに移動させる、
請求項1乃至5のいずれかに記載のピッキングシステム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記棚が載置された空間内において前記自律走行カートが走行可能な通路の情報を含むマップ情報を参照し、前記マップ情報に基づいて前記自律走行カートを走行させ、
前記制御手段は、現在時刻が予め設定された条件に合致するか否かに基づいて、前記マップ情報上の特定の地点にて前記自律走行カートの走行を継続させるか一時停止させるかを判断する、
請求項1乃至6のいずれかに記載のピッキングシステム。
【請求項8】
指定される商品を棚から採集する作業者のピッキング作業を補助する管理装置であって、
採集される前記商品が投入されるカートとネットワークを通じて接続され、
前記カートに対する前記ピッキング作業の割り当てを行う割当手段を備え、
前記カートは、自律走行カートと、前記作業者によって移動される手動カートと、を含み、
前記割当手段は、前記ピッキング作業に含まれる前記商品の属性に応じて、当該ピッキング作業を前記自律走行カートおよび前記手動カートのいずれかに割り当てる、
管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキングシステムおよび管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫内の商品をカートに収容するピッキング作業を補助する、ピッキングシステムが知られている。物流倉庫では慢性的な人手不足の問題が生じており、自走式ピッキングカートの需要が高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-1890380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、倉庫内のピッキング作業を効率よく行うことを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係るピッキングシステムは、指定される商品を棚から採集する作業者のピッキング作業を補助するピッキングシステムであって、採集される前記商品が投入されるカートと、前記カートに対する前記ピッキング作業の割り当てを行う割当手段と、を備え、前記カートは、自律走行カートと、前記作業者によって移動される手動カートと、を含み、前記割当手段は、相対的に重量の大きい商品または相対的に総重量の大きい商品群が自律走行カートで搬送され、前記割当手段は、前記ピッキング作業に含まれる前記商品の属性に応じて、当該ピッキング作業を前記自律走行カートおよび前記手動カートのいずれかに割り当てる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態に係るピッキングシステムが有するカートの様子を示す概略斜視図である。
図2】上記カートの(a)正面側・左側面側から見た斜視図、(b)正面側・右側面側から見た斜視図であって、上記カートにコンテナが載置されている様子を示す図である。
図3】上記カートの(a)背面図、(b)左側面図である。
図4】上記ピッキングシステムの構成を示す機能ブロック図である。
図5】上記ピッキングシステムが走行し、商品をピッキングする倉庫内におけるカートの走行経路の例を示す概念図である。
図6】上記倉庫に載置される棚の様子の1例を示す概念図であって、(a)斜視図、(b)正面図である。
図7】上記ピッキングシステムに記憶されている、作業者の属性に関するテーブルの例である。
図8】ピッキング作業指示の作業進捗を表示する画面の例である。
図9】上記カートが有する表示部に表示される画面の1例であって、(a)作業者設定画面、(b)メニュー画面の例である。
図10】上記カートが有する表示部に表示される画面の1例であって、(a)メニュー画面、(b)自己位置指定画面の例である。
図11】上記カートが有する表示部に表示される画面の1例であって、(a)移動開始画面、(b)移動中画面の例である。
図12】上記カートが有する表示部に表示される画面の1例であって、(a)作業指示確認画面、(b)ラベル・秤紐付け画面の例である。
図13】上記カートが有する表示部に表示される画面の1例であって、(a)移動開始画面、(b)移動中画面の例である。
図14】上記カートが有する表示部に表示される到着画面の例である。
図15】上記カートが有する表示部に表示される画面の1例であって、(a)ピッキング作業画面、(b)商品投入画面の例である。
図16】上記カートが有する表示部に表示される画面の1例であって、(a)投入終了画面、(b)商品確定画面の例である。
図17】上記カートが有する表示部に表示される画面の1例であって、(a)移動開始画面、(b)移動中画面の例である。
図18】上記カートが有する表示部に表示される画面の1例であって、(a)移動開始画面、(b)移動中画面の例である。
図19】上記カートが有する表示部に表示される画面の1例であって、(a)移動開始画面、(b)移動中画面の例である。
図20】上記カートが有する表示部に表示される画面の1例であって、(a)エラー画面、(b)緊急停止画面の例である。
図21】上記カートが有する表示部に表示される画面の1例であって、(a)ロケーション情報紐付け画面、(b)自己位置認識画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態に係るピッキングシステムについて、図を参照して説明する。
●ピッキングシステムの概要
ピッキングシステムは、多種類の商品が収容されている倉庫内において、商品を載せて搬送するためのカートを走行させ、倉庫からのピッキング作業を補助するシステムである。倉庫は、棚が載置された空間の例である。棚は、商品を区画して収容する構成の例であり、床に平置きのパレット又は段ボール箱等であってもよい。ピッキングシステムは、複数のカートを管理し、採集すべき商品の種類と数の情報を、複数のカートに割り当てる。また、ピッキングシステムは、各カートに収容すべき商品を示す情報、すなわちピッキング作業指示を、ピッキング作業者に伝達する。ピッキングシステムは、電気的な駆動部を有し自律的に走行する自律走行カートと、作業者が手動で移動させる手動カートと、を含んでよい。
【0008】
●自律走行カートの概要
図1乃至図3に示されるように、カート1は、商品を搬送する装置である。カート1は、自身に搭載される制御部20又は上位装置からの指示に基づいて自律走行を行う。以降の説明において、カート1による搬送方向を+Y方向、カート1の幅方向であって搬送方向に直交する方向を+X方向、鉛直方向を+Z方向とする。
【0009】
カート1は、底面に複数の車輪を有し、車輪の上方において上下2段の平板が略中央の支柱で連結された形状の装置である。当該支柱の下部には、カート1を制御する制御部20および各機能部に印加するバッテリが積載されている。カート1は、商品を計量するはかり部10(10a、10b、10c、10d)を複数有する。本実施形態においては、上段にはかり部10a、10bが進行方向前後に並設され、下段にはかり部10c、10dが制御部20を挟んで進行方向前後に配設されている。
【0010】
また、各はかり部10には、作業者が視認可能なはかり部の識別情報が表示されている。具体的には、はかり部10の側方に、A乃至Dのラベル12a乃至12dが貼付されている。また、ラベル12a乃至12dそれぞれの近傍又は重複する位置に、はかり部10の識別情報を含む秤バーコードが固定されている。秤バーコードは、スキャナ61で読み込むことにより、はかり部10の識別情報を特定させることができる。
【0011】
カート1は、はかり部10を複数有する。本実施形態においては、はかり部10は4個であり、それぞれ独立して計量可能である。図2(b)に示すように、はかり部10の上面は平板状になっており、それぞれにコンテナCが載置される。コンテナCは、例えば、各面が複数の細長い平板と蝶番とが連結されて構成される、折り畳み可能なコンテナ、所謂折り畳みコンテナである。コンテナCは、上方が開口した箱状の部材であり、コンテナCの内部にピッキングされた商品が収容される。はかり部10は、コンテナCに収容された商品をコンテナCごとに計量する。はかり部10は、コンテナCの重量をあらかじめ記憶しておき、風袋引き処理をすることで商品自体の重量を計測してもよい。
【0012】
なお、本実施形態に係るカート1は、はかり部10が上下2段に構成され、各段において進行方向に沿って2個のはかり部10が設けられているが、はかり部10はカートの幅方向に沿って複数、例えば2個設けられていてもよい。また、コンテナCを複数のはかり部10にまたがるように載置することで、各はかり部10に1個ずつコンテナCを載置する使用形態に比べて大容量のコンテナを搬送することもできる。
【0013】
カート1の上段であって、進行方向後部には、作業者がカート1に対する各種操作を行う作業台110が設けられている。作業台110には、主として、作業者がカート1を手動で移動させる際に把持するグリップ101、コンテナに貼付するラベルを発行する印字機構部41、タッチパネルディスプレイ5、バーコードを読み取るスキャナ61、物理的なボタン操作部7等が配設されている。
【0014】
図3(a)に示すように、印字機構部41は、作業台110の下面側に保持され、ラベルロール41rから引き出されるラベルに印字を行う。印字されたラベルは、カート1側方から排出される。なお、コンテナC等当該ラベルの貼付対象物にESL(Electric Shelf Label、電子棚札)を連結する態様の場合には、印字機構部41を有さない構成であってもよい。この場合、ピッキングシステム100は、ラベルの発行に代えてESLの表示内容を変更する処理を行う。
【0015】
タッチパネルディスプレイ5は液晶表示器5aとタッチパネル5bが互いに積層された構造となっており、同一面でデータの表示と入力とができるようになっている。液晶表示器5aは各種データの表示を行う、報知手段の例である。タッチパネル5bは操作者の指が触れると、触れた位置を検出し、検出した位置に応じた入力を受け付ける。液晶表示器5aは、作業者に対して、ピッキングすべき商品の情報又はカート1の状態等を表示する。スキャナ61は、商品、倉庫内の棚、コンテナC、ラベル等のバーコードを読み取り可能である。スキャナ61は、ワイヤレスのハンディスキャナ61aの他、作業台110の上方に固定され、作業台110上の一部を読取領域とする固定スキャナ61bを含んでいてもよい。固定スキャナ61bは、例えば印字機構部41により発行されるラベルを下方にかざすことで、バーコードを読み取ることができる。スキャナ61は、読取手段の例である。
【0016】
カート1の底面には、駆動輪71と、複数の補助輪72が配設されている。駆動輪71は、カート1の底面中央部であって、制御部20の下方に配設されている。駆動輪71は、幅方向に対をなして並設され、それぞれが独立して駆動される。駆動輪71は、制御部20により制御され、カート1を自律走行させる。複数の補助輪72は、カート1の底面周縁部に配設され、カート1を支持するとともに、カート1の移動に伴って回転する。
【0017】
また、カート1は、棒状のサインポール102を有する。サインポール102は、進行方向後部であって左側方に配設され、上方に伸び出ている。サインポール102は、1又は複数の色で明滅可能であり、カート1の状態や異常の有無を作業者に報知する報知手段の別の例である。
【0018】
また、カート1の下方には、カート1全体を外側から囲うフレーム103が設けられている。フレーム103は少なくとも、所定の部材を介在させて駆動輪71と一体的に構成されており、フレーム103が持ち上げられると、駆動輪71が走行面から離間する。
【0019】
カート1の前方には、少なくとも進行方向における前方の物体を検知する非接触センサ81、82および接触センサ91が配設されている。非接触センサ81は、カート1の前方および側方の一部にある物体を立体的に検知するセンサである。非接触センサ81は、例えばレーザレンジファインダおよび超音波センサを併用して構成されている。この構成によれば、黒色の壁、ガラス、および鏡であっても検知することができる。非接触センサ81は、例えばカートが走行可能な経路を認識し、カート1の走行可能なマップを生成するために用いることができる。また、非接触センサ81は、前方の障害物や人等を非接触で検知し、当該検知結果に応じて駆動輪71を減速又は停止させる。
【0020】
非接触センサ82は、平面上の物体を検知可能な2Dセンサであり、接触センサ91を内蔵するバンパーの下方に設けられている。この非接触センサ82は、非接触センサ81と異なり、マップの生成には用いられないが、走行面に近い高さの平面で前方の障害物や人等を非接触で検知することができる。これにより、カート1が障害物等に衝突したり、駆動輪71や補助輪72が障害物等を巻き込んだりするのを防ぐことができる。なお、この非接触センサ81についても、その検知結果に応じて駆動輪71を減速又は停止させてもよい。
【0021】
接触センサ91は、カート1前部のバンパーに内蔵され、物体の接触を検出するセンサである。接触センサ91は、例えばスイッチセンサである。カート1は、接触センサ91の検知に応じて駆動輪71を停止させる。接触センサ91によっても、カート1の衝突による事故を防止することができる。
【0022】
●ブロック図
図4は上記カート1の構成を示すブロック図である。カート1は、制御部20と、はかり部10と、印字部40と、操作部50と、読取部60と、駆動部70と、物体検知部80と、衝突検知部90と、を備えている。はかり部10はロードセル11を備え、商品の重量を計量する。印字部40は印字機構部41を有している。印字機構部41は、ラベルの印字を行い、印字したラベルを前記図3に示すラベル発行部42から排出(発行)する。操作部50はボタン操作部7およびタッチパネル5bにより実現される。読取部60はスキャナ61を備え、バーコード等の情報を読み取る。
【0023】
制御部20は、CPU21と、ロードセル制御部22と、印字制御部23と、操作制御部24と、表示制御部25と、ROM26と、RAM27と、読取制御部28と、駆動制御部29と、物体検知制御部30と、衝突検知制御部31と、通信処理部32と、を備えている。CPU21はバスを介して制御部20が備える各部と相互に接続されている。
【0024】
CPU21は、ROM26が記憶する制御プログラムとRAM27が記憶する各種情報を読み出し、読み出した制御プログラムと各種情報とに基づいて各部の制御を行う。またCPU21は、必要な情報をRAM27に記憶させる。ROM26は、例えば、CPU21において実行される各種プログラム等の各種情報を記憶している。RAM27は、CPU21が用いる情報を記憶する一時記憶領域である。またRAM27は、各種ファイルを記憶する記憶手段である。
【0025】
なお、CPU21は、操作制御部24を介してタッチパネル5bおよびボタン操作部7に入力される情報を取得する入力制御部でもある。タッチパネル5bとボタン操作部7は、それぞれ、入力手段の例である。
【0026】
また、CPU21は、タッチパネル5bに表示する下記する画面G1の表示内容を変更する出力制御部でもある。出力制御部は、オペレータに伝達する種々の情報を出力する構成であり、上述の通り液晶表示器5aを制御して情報を表示する構成に代えて、又は加えて、音等のその他の方法を用いてもよい。また、出力制御部は、サインポール102の明滅態様の制御を行ってよい。
【0027】
ロードセル制御部22は、はかり部10が備えるロードセル11の制御を行う。印字制御部23は印字部40の制御を行う。操作制御部24は、タッチパネル5bとボタン操作部7の制御を行う。タッチパネル5bは、液晶表示器5aに表示された下記する画面G1等の所定部分をタッチすることで、所望の操作を指示する。表示制御部25は、液晶表示器5aの制御を行う。読取制御部28は、読取部60が備えるスキャナ61の制御を行う。
駆動制御部29は、駆動部70が備える駆動輪71の制御を行う。物体検知制御部30は、物体検知部80が備える非接触センサ81、82の制御を行う。衝突検知制御部31は、衝突検知部90が備える接触センサ91の制御を行う。
【0028】
通信処理部32は、外部装置と無線通信を行う機能部である。通信処理部32は、例えばネットワークNWを通じて管理装置2と情報の送受信を行う。管理装置2は、サーバ又はクラウドコンピュータ等の上位装置である。通信処理部32は、当該カート1に計画されている、積載される商品の識別情報、当該商品が収容される倉庫内の位置情報、すなわちレーン、棚、ならびに棚内における段および列の情報、ならびに積載される商品の量等の情報を受信する。また、通信処理部32は、当該カート1に計画されている走行経路を受信する。さらに、通信処理部32は、タッチパネル5bを介して入力される作業者の識別情報を管理装置2に送信してもよい。
なお、上述の情報の一部又は全部は、カート1の制御部20が記憶し、カート1に送信する構成に代えて、管理装置2に記憶されていてもよい。
制御部20および管理装置2により構成される機能ブロックについては後述する。
【0029】
なお、作業者によって移動される手動カートは、上述の自律走行カート1の構成から駆動制御部29、駆動部70および駆動輪71を除いて構成され、その他の構成は自律走行カート1と同様である。また、手動カートは、自律走行カート1の駆動制御部29又は駆動部70を無効化したものであってもよい。
【0030】
●倉庫内におけるカート走行の概要
図5に示すように、倉庫Wは、ピッキングエリアA10、充電エリアA1、オリコンエリアA2、ピッキング開始エリアA3、搬送エリアA4および保留エリアA5に大別される。各エリアは、カート1の作業内容上呼び分けているに過ぎず、物理的に区画されているものでなくてもよい。なお、各エリアは、開閉する扉などにより物理的に区画されていてもよい。倉庫W内の少なくとも1箇所には、自己位置としてあらかじめ認識されている領域が区画されている。この領域は、例えばカート1の載置面積に対応した領域である。また、この領域は、例えば外縁がテープ等で区画されていて、作業者にも視認でき、かつ、カート1がエリア内外へ行き来できるようになっている。
【0031】
充電エリアA1は、カート1のバッテリに充電を行うエリアである。バッテリは、カート1に搭載された状態で充電可能であってもよいし、カート1から取り外して充電してもよい。充電エリアA1は、カート1に搭載されているバッテリを、蓄電されたバッテリに交換する作業が行われるエリアであってもよい。カート1は、充電エリアA1からオリコンエリアA2に移動する。
【0032】
オリコンエリアA2は、カート1に空のコンテナCを搭載するエリアである。空のコンテナCは、オリコンエリアA2に、折り畳まれて複数積層して収容されている。オリコンエリアA2の作業者は、コンテナCを組み立てて商品が収容できる形状に成形し、カート1のはかり部10に搭載する。コンテナCは、すべてのはかり部10に搭載されてもよいし、当該カート1への作業指示に基づいて、商品の採集が計画されているはかり部10にのみ搭載されてもよい。この場合、オリコンエリアA2において、カート1の液晶表示器5aに、当該カート1において商品の採集が計画されているはかり部10の情報が表示されてもよい。この情報は、例えばタッチパネル5bの操作により表示される。また、カート1は、当該カート1がオリコンエリアA2に存在していることを認識して採集が計画されるはかり部10の情報を表示してもよいし、当該表示を促す操作子をタッチパネル5bに表示してもよい。コンテナCが搭載されたカート1は、ピッキング開始エリアA3に移動する。
【0033】
ピッキング開始エリアA3は、ピッキングエリアA10の入口に区画されるエリアである。カート1は、ピッキング開始エリアA3を通ってピッキング作業を開始する。ピッキング作業者がカート1と併走しながらピッキング作業を行う態様においては、ピッキング作業者はピッキング開始エリアA3においてカート1との併走を開始する。ピッキング作業者がタッチパネル5b又はボタン操作部7によりログイン処理を行うと、ピッキング作業者とカート1とが紐づけられる。
【0034】
ピッキング作業者とカート1とが紐づけられると、当該ピッキング作業者の識別情報又は属性に応じて、当該カート1の作業指示が決定されてもよい。
ピッキング作業者およびカート1が紐づけられた後、カート1はピッキングエリアA10に移動する。
【0035】
ピッキングエリアA10は、ピッキング対象となる商品を収容する複数の棚Sが載置され、ピッキング作業者がピッキング作業を行うエリアである。複数の棚Sは、エリアの壁沿い又は内部に載置されており、カート1が走行可能な通路を区画している。すなわち、複数の棚Sの間は、カート1が走行可能な通路Tとなっている。倉庫W内において、カート1が走行可能な領域と、走行が不可能な領域とを区画した地図情報を、マップ情報という。
【0036】
カート1は、ピッキングエリアA10において走行と停止を繰り返し、ピッキング作業を補助する。具体的には、カート1は、ピッキング対象の商品が収容される棚Sまで自律走行を行い、棚Sの近傍で停止する。ピッキング作業者は、液晶表示器5aに表示されるピッキング作業指示に沿ってピッキング対象の商品を特定し、指示個数をカート1上のコンテナCへ投入、すなわちピッキング作業を行う。ピッキング作業が完了すると、カート1は、次のピッキング対象商品が収容される棚Sまで自律走行を行う。
【0037】
このとき、ピッキング作業者は、カート1とともに併走してもよく、1人のピッキング作業者が、縦列で走行する複数のカート1へのピッキング作業を行ってもよい。カート1の台数は、ピッキングシステム100がピッキング計画に含まれる商品の容積を計算することで、算出される。この構成によれば、作業者1人に対し複数のカートに対してピッキング作業ができるため、一度に大量の商品を運搬できる。
また、ピッキング作業者は、棚S近傍でカート1を待機してもよい。すなわち、ピッキング作業者は、カート1が自律走行してくるのを待ち、走行してきたカート1に対して作業を行う。この場合には、ピッキング作業者のカート1へのログイン処理は不要である。この構成によれば、ピッキング作業者はカート1と併走する必要がないため、作業負担が低減される。また、ピッキング作業が高頻度で必要なエリアには多くのピッキング作業者を配置し、低頻度のエリアには配置するピッキング作業者を少なくすることで、少ない人数で効率よくピッキング作業を行うことができる。
【0038】
ピッキング作業指示に含まれるピッキング作業が完了すると、カート1は、搬送エリアA4へ移動する。
【0039】
搬送エリアA4は、ピッキングが完了したコンテナCを搬出するエリアである。搬送エリアA4は、搬送エリアA4外部へ伸び出るコンベアが配設されている。例えば、コンテナCは、搬送エリアA4の搬送作業者によりカート1から降ろされ、コンベアを介して倉庫W外へ払い出される。
コンテナCが降ろされたカート1は、オリコンエリアA2に移動する。次の作業がある場合には、カート1には空のコンテナCの搭載指示が表示され、オリコンエリアA2において搭載を待機する。次の作業がない場合、又はカート1のバッテリ容量が所定値以下である場合には、カート1は充電エリアA1に移動する。所定値とは、例えば次の作業での使用が予測されるバッテリ容量である。
【0040】
なお、満載になったコンテナCは、ピッキング作業の際にコンテナCを搬送していたカート1により搬送エリアA4に運搬されてもよいし、ピッキングエリアA10において別のカートに乗せ換えられ、このカート1がコンテナCを搬送エリアA4に運搬してもよい。この構成によれば、満載になったコンテナCは同じカート1に積載される別のコンテナが満載になるのを待つことなく搬送エリアA4に運搬されるので効率がよい。また、ピッキング作業の際にコンテナCを搬送するカート1は、搬送エリアA4への移動が不要になる。この態様は、ピッキング作業者が棚S近傍でカート1を待機する際、特に有用である。
【0041】
保留エリアA5は、ピッキングエリアA10において計画を充足する商品が採集できなかった場合に、コンテナCを保管するエリアである。保留エリアA5にコンテナCが保管される状況として、例えば、ピッキング対象の商品が、棚Sへの補充の遅れ、又は欠品などの理由により棚Sに十分在庫されておらず、採集できない場合等がある。カート1は、ピッキング作業が完了できなかったコンテナCが少なくとも1個ある場合には、搬送エリアA4に移動する前に、ピッキングエリアA10から保留エリアA5に移動する。保留エリアA5に貯留されたコンテナCは、棚Sに商品が補充されると、カート1に再度搭載され、ピッキング作業が行われる。
【0042】
●倉庫内の棚の様子
図6を用いて、倉庫W内に並設されている棚Sの様子について、詳細に説明する。なお、図6(a)では、棚Sの仕切りおよび商品は省略した。
図6(a)に示すように、棚Sは、商品を収容する収容部S101を有し、その取出口は同一面かつ同一方向に複数設けられている。同図においては、各収容部S101は、水平な棚板で仕切られているが、これに加えて、鉛直方向の仕切りにより左右に区画されていてもよい。なお、収容部S101は、棚Sを貫通して、棚Sの両面に開口が設けられていてもよい。この場合には、商品を棚Sに補充する際、収容部S101のうち作業者が商品を取り出す側から収容してもよいし、他方側から収容することもできる。商品の取り出しおよび補充を異なる側から行うことで、商品の先入れ先出しが容易である。また、商品の補充を行う作業者がピッキング作業者およびカート1の動線を使用しないため、互いの動線が確保され、作業効率がよい。
【0043】
並設されている棚S1、S2は、それぞれレーンL1、L2、L3を形成している。棚S1、S2は、レーンL1を形成している。レーンL1とレーンL2の間は、通路Tが形成されている。通路Tは、カート1の走行経路であり、例えばカート1の幅に対応する幅となっている。レーンL1を形成する棚の取出口とレーンL2を形成する棚の取出口は、互いに対向している。ピッキング作業者は、通路TにおいてレーンL1およびレーンL2の商品を取り出し、カート1に収容できる。
【0044】
図6(b)は、棚S1の収容部S101の様子を示す模式図である。収容部S101は複数あり、複数の段および列に区画されている。同図においては、棚S1は、3個の段D1、D2、D3、および3個の列R1、R2、R3を有する。また、各段および各列に商品P11乃至P33が収容されている。商品は、例えば商品ごとに保管用のコンテナに収容された状態で、棚S1に載置されている。なお、各段および各列は、全ての区画が物理的な仕切りで隔絶されていてもよいし、隣接する区画との間に仕切りを有さない区画があってもよい。倉庫W内の商品は、レーンL1、L2を示すレーン番号、棚S1、S2を示す棚番号、段D1、D2、D3を示す段番号、および列R1、R2、R3を示す列番号の情報により、収容箇所が特定される。
なお、上述の説明では、棚S1に商品が収容されている例について説明した。商品が床に平置きのパレット又は段ボール箱に収容されている場合には、ロケーション情報の段番号はすべて「1」である。
【0045】
棚Sには、表示コードB1が貼付されている。表示コードB1は、例えば1次元又は2次元バーコードであり、スキャナ61によりコード情報を読取可能である。棚Sは、収容部S101ごとに表示コードB1が貼付されている。コード情報は、例えば、通路番号、棚番号、段番号、列番号、フロア(階層)番号といったロケーション情報を含む。このロケーション情報は、各収容部S101に収容される商品の位置を特定可能な情報である。なお、ロケーション情報は、通路番号に代えてレーン番号を含んでいてもよい。また、商品P11乃至P33には、それぞれ商品の識別情報を示す表示コードB2が貼付されている。商品P11乃至P33の表示コードは、商品自体に貼付されていてもよいし、保管用のコンテナに貼付されていてもよい。表示コードB1、B2は、JANコード、EANコード又はUPCであってもよい。
【0046】
●機能部
ピッキングシステム100は、カート1の制御部20又は管理装置2において、情報処理を実行するためのCPU(Central Processing Unit)などの演算装置、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶装置を備え、これによりソフトウェア資源として少なくとも、マップ情報記憶部、ロケーション情報紐付け部、ロケーション情報記憶部、ピッキング計画取得部、商品情報記憶部、作業者情報記憶部、割当部、速度制御部、目的地決定部、停止判断部、自己位置認識部、停止位置更新部、巡回制御部、障害物検知部を備える。制御部20はカート1を制御するコンピュータプログラムを実行する。なお、コンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD-ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。また、上述の機能部は、一部又は全部が制御部20により実現されていてもよいし、管理装置2により実現されていてもよい。また、管理装置2は、1又は複数のハードウェアにより構成されていてもよいし、クラウドコンピュータであってもよい。管理装置2および制御部20は、それぞれが制御手段の例である。
【0047】
[倉庫内の紐付け処理に関する構成]
マップ情報記憶部、商品情報記憶部、ロケーション情報紐付け部およびロケーション情報記憶部は、カート1がピッキング対象の商品まで走行するために、主に自律走行カートを導入する際に、倉庫W内の地点と、商品の収容場所を表すための情報とを紐づける処理に関する機能部である。すなわち、この処理は、一連のピッキング作業の前に、準備として行われる。
【0048】
マップ情報記憶部は、棚Sが載置された倉庫W内においてカート1が走行可能な通路Tの情報を含むマップ情報を記憶する機能部である。マップ情報は、ピッキング作業の際にカート1が棚Sに衝突することなく自律走行するために参照される情報である。マップ情報は、例えばカート1をマップ生成モードで走行させることで、カート1自身により取得する。マップ生成モードは、倉庫W内でカート1を徐行させ、カート1の非接触センサ81、82又は接触センサ91により障害物を検知させながら走行するモードである。
ピッキングシステム100は、マップ情報と、センサ81、91による検知結果とに基づいて、カート1の走行を制御することができる。この構成によれば、記憶されているマップ情報によりスムースに走行できる上、センサ81、91により障害物を検知して衝突を回避できるため、安全である。
【0049】
商品情報記憶部は、商品の識別情報と、商品の属性とを記憶する機能部である。商品の属性は、例えば商品の重量、又は体積を含む。また、商品の属性は、1個のコンテナCに投入可能な商品の個数等の情報が含まれていてもよい。また、商品情報記憶部には、商品の識別情報と、商品が収容されている棚Sおよび収容部S101の位置を示すロケーション情報とが対応付けられて記憶されている。
【0050】
ロケーション情報紐付け部は、読取手段によって棚S又は商品から読み取られたコード情報に基づいて、前記マップ情報に対するロケーション情報の紐付けを行う機能部である。すなわち、ロケーション情報紐付け部は、読取手段によって棚Sのコード情報が読み取られた場合には、ロケーション情報を直接的に設定する。また、従来手動カートのみで運用されていた倉庫では、商品とロケーション情報とが紐づけされたデータは既に存在する。このような場合には、ロケーション情報紐付け部は、読取手段によって商品のコード情報を読み取ることで、商品とロケーション情報とが紐付けされたデータを参照して、ロケーション情報を間接的に設定することができる。ロケーション情報紐付け部は、コード情報が読みとられたときのカート1の停止位置を取得し、当該コード情報に対応するロケーション情報と当該停止位置とを紐づける。当該停止位置は、当該ロケーション情報において商品を採集する際にカート1が停止すべき目的地となる。マップ情報とロケーション情報を紐づける処理モードは、例えばタッチパネル5bで所定の操作を受け付けると開始される。この処理モード中におけるカート1は、作業者の操作によって移動および停止されてもよいし、一定距離ずつ自動で移動および停止が行われてもよい。ロケーション情報紐付け部は、ピッキング作業指示とは異なる情報として、棚S又は商品の表示コードをスキャナ61で読み取ることでコード情報を取得させるよう促す情報を液晶表示器5a上に表示する(図21(a)の画面G25参照)。このように、ピッキングシステム100は、マップ情報およびコード情報に基づいて、カート1の走行を制御することができる。
【0051】
ロケーション情報記憶部は、ロケーション情報紐付け部により紐づけられた、マップ情報と、コード情報と、コード情報が読み取られた際のカート1の位置と、を記憶する機能部である。後に詳述する目的地決定部は、カート1に割り当てられた作業指示と、ロケーション情報記憶部の情報とを参照し、作業指示に含まれる商品を採集するための停止位置を決定する。
【0052】
[カートへの割り当て処理に関する構成]
ピッキング計画取得部、作業者情報記憶部、割当部、および速度制御部は、自律走行カート1および手動カートに、採集すべき商品を割り当てる処理に関する機能部である。
【0053】
ピッキング計画取得部は、所定時間においてピッキングシステム100が採集すべき商品の種類および数、すなわちピッキング計画を取得する機能部である。ピッキング計画は、例えばある作業日の間に、又は搬出時刻までに搬出すべき商品の種類および数が含まれている。ピッキング計画は、管理装置2を介して作業者により入力される他、ネットワーク等を介して別の装置から受信してもよい。
【0054】
図7に示すように、作業者情報記憶部は、作業者の識別情報と、少なくとも作業者の属性とを対応付けて記憶する機能部である。作業者の属性とは、作業者の体力又は持久力に関する情報であり、例えば、作業者の体格、筋力又は性別等である。作業者情報記憶部は、作業を行う日又は時刻ごとに登録可能な、作業者の体調や怪我の情報等を有していてもよい。作業者情報記憶部は、作業者ごとに、割当可能な商品の重量又は商品群の総重量を格納していてもよい。図7のテーブルにおいては、例えば、体格、筋力、および体調が5段階で記憶されている。また、怪我の有無が記憶されている。なお、怪我の有無は、怪我の部位や程度がさらに記憶されていてもよい。さらに、割当可能な商品の1個当たりの重量と、割当可能な総重量が記憶されている。割当可能な商品の1個当たりの重量および割当可能な総重量は、作業者の入力等により格納されていてもよいし、性別、体格、筋力、体調および怪我の属性によって自動で算出されていてもよい。
【0055】
割当部は、少なくとも1つのカートに対し、ピッキング計画を割り当て、各カートのピッキング作業指示を決定する機能部である。ピッキング作業指示は、ピッキング計画を細分化したものであり、1個のカート1がピッキングエリアA10でピッキング作業を開始してからオリコンエリアA2に戻るまでの一連の作業で採集する商品の情報を指す。割当部は、商品情報記憶部を参照し、各コンテナCに投入される商品の重量を算出する。割当部は、1個のカートに搭載される複数のコンテナCの総重量がカートの耐荷重を超えないように、ピッキング作業指示を決定してもよい。また、割当部は、ロケーション情報記憶部を参照し、ピッキング開始エリアA3から搬送エリアA4までの総走行距離が短くなるように、1個のカートに積載する商品の種類を決定してもよい。
【0056】
割当部は、ピッキング作業に含まれる商品の属性に応じて、当該ピッキング作業を自律走行カートおよび手動カートのいずれかに割り当てる。商品の属性は、例えば商品の分類であり、商品が飲料であるといった情報を含んでよい。例えば、割当部は、商品の分類が飲料の場合、重いことが推定されるため、自律走行カートに割り当ててもよい。
【0057】
割当部は、1個のコンテナCに投入される商品の重量が、相対的に大きいピッキング作業指示を自律走行カートに割り当て、重量が相対的に小さいピッキング作業指示を手動カートに割り当てる。また、割当部は、1個のカートに積載される商品群の総重量が相対的に大きいピッキング作業指示を自律走行カートに割り当て、総重量が相対的に小さいピッキング作業指示を手動カートに割り当てる。この構成によれば、ピッキングシステム100に自律走行カートおよび手動カートの双方を含み、自律走行カートと手動カートが混在している場合にも、重いコンテナCを自律走行カートにより運搬できるため、ピッキング作業者の負担が軽減できる。また、初期投資費用が少なく、すべてのカートを自律走行カートで構成できない事業者であっても、便利に利用できる。割当部は、割り当てを要するピッキング作業指示のそれぞれについて重量を算出するとともに、ピッキングシステム100に含まれる自律走行カートおよび手動カートの個数に基づいて、各ピッキング作業指示をいずれのカートに割り当てるか決定してよい。すなわち、割当部は、ピッキング作業指示のそれぞれについて算出した総重量を比較して、相対的に重量が大きいが小さいかを判定し、相対的に大きいピッキング作業指示を自律走行カートに割り当て、重量が相対的に小さいピッキング作業指示を手動カートに割り当てる。
【0058】
割当部がカート1に搭載されている場合には、自律走行カートの割当部は、ピッキング作業指示のうち相対的に重量又は総重量が大きいピッキング作業指示を選択し、手動カートの割当部は、相対的に重量又は総重量が小さいピッキング作業指示を選択するように構成されていてもよい。
【0059】
なお、割当部は、1個のコンテナCに投入される商品の重量、又は1個のカートに積載される商品群の総重量の閾値を記憶し、重量又は総重量が閾値以上の場合には当該ピッキング作業指示を自律走行カートに割り当て、重量又は総重量が閾値未満の場合には当該ピッキング作業指示を手動カートに割り当ててもよい。
【0060】
割当部は、カートに商品を投入するピッキング作業者の情報に基づいて、当該カートのピッキング作業指示を割り当ててもよい。割当部は、カートに対して作業者がログイン処理を行うと、作業者情報記憶部を参照し、ピッキング作業者の体格が大きい場合、筋力が大きい場合又は男性である場合に、商品の重量又は商品群の総重量が大きいピッキング作業指示を当該カートに割り当てる。また、割当部は、ピッキング作業者の体格又は筋力が大きいほど、重量又は総重量が大きいピッキング作業指示を割り当ててもよい。割当部は、ピッキング作業者の体力測定の結果等を参照し、体力の評価値が大きいほど重量又は総重量が大きいピッキング作業指示を割り当ててもよい。この構成によれば、ピッキング作業者の体力又は持久力に応じて効率よくピッキング作業を行わせることができる。
なお、ピッキング作業者の情報は、ピッキング作業指示の割当処理前に手動で入力されてもよい。
【0061】
ここで、図8(a)および(b)を用いて、割当部により割り当てられたカート1を手動で変更する機能について説明する。図8(a)および(b)は、ピッキング作業指示の作業進捗を表示する画面の1例である。この画面は、例えば管理装置2のディスプレイに表示される。
【0062】
図8(a)には、各ピッキング作業指示の出荷予定時刻、作業指示番号、作業指示名称、総重量、商品数、割当カート、およびステータスが対応付けられて表示されている。なお、「商品数」の項目は、商品の個数に代えて、商品を採集するために巡回する目的地の数を示すロケーション数であってもよい。また、この場合に、商品の総数を「アイテム数」として別途表示させてもよい。「割当カート」の項目には、カート1が自動走行カートであるか手動カートであるかを含むカート種別の情報が含まれていてもよい。また、各カート1の識別番号が表示されていてもよい。「ステータス」は、ピッキング作業指示が作業中であるか未開始であるかの情報である。
【0063】
図8(a)においては、割当部によりカート1が自動的に割り当てられた結果が示されている。なお、同図の割当結果は管理者により手動で割り当てられたものであってもよい。ここで、作業指示No「001」と、作業指示No「005」は、いずれも「自律走行カート1号機」が割り当てられている。作業指示No「005」の作業は、作業指示No「001」の作業完了後に行われる。
【0064】
図8(a)に示す画面では、画面上で各ピッキング作業指示を選択するためのチェックボックスが表示されている。同図においては、作業指示No「004」と作業指示No「006」が選択されている。このようにチェックボックスを選択した後に確定操作をすることで、作業指示に割り当てるカート1、特にカート種別を変更できる。この例では、作業指示No「004」の作業が遅れそうであるため、作業指示No「006」に割り当てられているカート1と入れ替える。その結果、図8(b)に示すように、作業指示No「004」の割当カートは、手動カートから自律走行カートに変更されている。
【0065】
なお、「ステータス」が作業中のピッキング作業指示は、割当カートを変更することはできない。そこで、図8(a)に示す画面上において「ステータス」が未開始であるピッキング作業指示のみを絞り込んで表示可能であってもよい。「ステータス」が未開始のピッキング作業指示のみが表示された状態において、チェックボックスの選択およびカート種別の変更が可能である。この構成によれば、カート種別の変更が可能なピッキング作業指示のみが一覧できるので、カート種別の変更が容易である。
【0066】
速度制御部は、自律走行するカート1において、駆動制御部29による走行速度を制御する。速度制御部は、カート1に搭載されている商品の重量に応じて走行速度を変更する。より具体的には、商品の重量が大きいほど、走行速度を小さくする。この構成によれば、重量の大きい商品を搭載したカート1が右折、左折又は蛇行する場合にも、遠心力を抑えてカート1の横転を防止できる。また、カート1が障害物にぶつかった場合の衝撃を低減できる。
【0067】
[自律走行中の制御に関する構成]
目的地決定部は、カート1が停止する目的地を決定する機能部である。目的地決定部は、ピッキング作業指示に基づいて、ピッキングエリアA10におけるカート1の目的地を複数決定する。すなわち、目的地決定部は、ピッキング作業指示に含まれる商品に紐づけられたロケーション情報を参照し、各商品に対して設定された停止位置をカート1の目的地に決定する。目的地決定部は、商品に対応付けられて決定される複数の目的地に到達する順序を決定してもよい。目的地決定部は、複数の目的地を、現在位置から近い順に到達するよう決定してもよいし、総移動距離又は総移動時間が最短となるよう決定してもよい。言い換えれば、目的地決定部は、倉庫W内、例えばピッキングエリアA10におけるカート1の走行経路を決定する。
【0068】
目的地決定部は、各商品に対するカート1の停止位置を、当該商品を投入するコンテナCのカート1上の位置に応じて決定してもよい。より具体的には、目的地決定部は、当該商品を投入するコンテナCのカート1上の位置に応じて、規定の停止位置から所定量離れた位置にカート1を停止させてよい。目的地決定部は、例えば、進行方向後方のはかり部10a、10cに載置されるコンテナCに投入する商品に対しては、規定の停止位置よりも進行方向前方にカート1を停止させてもよい。また、進行方向前方のはかり部10b、10dに載置されるコンテナCに投入される商品に対しては、規定の停止位置よりも進行方向後方にカート1を停止させてもよい。
【0069】
また、目的地決定部は、上段のはかり部10a、10bに載置されるコンテナCに投入する場合と、下段のはかり部10c、10dに載置されるコンテナCに投入する場合とで、停止位置を異ならせてもよい。なお、コンテナCの位置に応じて変更された停止位置は、ロケーション情報記憶部に格納せず、当該カート1にのみ適用されてよい。
【0070】
目的地決定部は、倉庫W内の各エリア、すなわち、充電エリアA1、オリコンエリアA2、ピッキング開始エリアA3、ピッキングエリアA10、搬送エリアA4および保留エリアA5のエリア間の移動を決定してもよい。例えば、目的地決定部は、充電エリアA1においてオリコンエリアA2に移動する旨の指示を受信すると、カート1の次の目的地をオリコンエリアA2に決定してもよい。目的地決定部は、オリコンエリアA2においてカート1にコンテナCが搭載されると、カート1の目的地をピッキング開始エリアA3に決定してもよい。ピッキング開始エリアA3においてピッキング作業者とカート1とが紐付けられると、目的地決定部は、カート1の目的地をピッキングエリアA10に決定してもよい。
【0071】
目的地決定部は、カート1の自己の状態又はピッキング作業の進捗状況に基づく特定の条件が満たされた場合には、当該条件に対応して設定されている目的地を、カート1の目的地に決定する。カート1の自己の状態とは、例えばカート1に搭載されるバッテリの容量である。すなわち、目的地決定部は、バッテリ容量が所定以下である場合に、カート1の目的地を充電エリアA1に決定してもよい。
【0072】
また、カート1の自己の状態は、カート1のはかり部10により計測される重量であってもよい。目的地決定部は、各はかり部10により計測される重量と、当該はかり部10に載置されるべき指示重量と、を比較し、計測される重量が指示重量よりも大きい場合、又は商品投入の途中で指示量を上回ることが予想される場合に、次の目的地に向かうことを決定する。指示重量は、ピッキング作業指示に基づいて算出される。コンテナCが指示重量よりも重い場合、特に倉庫W外の作業者が当該コンテナCを運ぶのに大きな労力を要する。そこで、目的地決定部は、コンテナCの重量が指示重量より重い場合には、当該コンテナCへの投入作業を中断し、次の目的地に向かうことを決定する。次の目的地は、例えば搬送エリアA4であるが、ピッキング作業指示に含まれる別の商品の収容位置であってもよい。
【0073】
カート1の自己の状態とは、カート1の異常又は故障であってもよい。目的地決定部は、カート1の異常又は故障が検知された場合には、カート1の目的地をピッキングエリアA10外、例えば充電エリアA1に移動させる。
【0074】
目的地決定部は、ピッキングエリアA10においてピッキング作業指示に含まれる全ての商品の位置に到達した場合に、目的地を搬送エリアA4に決定してもよい。すなわち、目的地決定部は、ピッキング作業で採集が完了した商品が投入されているカート1を、前記商品を搬出する搬送エリアに移動させる。目的地決定部は、採集が完了できなかった商品が少なくとも1個ある場合には、全ての商品の位置に到達した後の目的地を保留エリアA5に決定してもよい。この構成によれば、ピッキングが不十分なコンテナCを搬送エリアA4に運搬することを防ぎ、当該コンテナCを保留エリアA5に確実に留め置くことができる。
【0075】
目的地決定部は、スキャナ61によって読み取られたコード情報に対応するロケーション情報が示す位置を目的地に決定してよい。この場合、例えば、目的地に対応するバーコードを羅列した一覧表があらかじめ用意されている。この構成によれば、タッチパネル5bが動作不能である場合などの緊急時にもカート1を自律走行させることができる。また、目的地決定部は、商品の表示コードが読み込まれると、このコード情報に対応するロケーション情報が示す位置を目的地に決定してもよい。この構成によれば、商品を棚Sに補充する作業においても、カート1を棚Sまで自律走行させることができる。すなわち、カート1を補充用の輸送機として使用できる。
【0076】
目的地への移動は、目的地が決定されるとただちに開始してもよい。また、目的地が決定された旨を液晶表示器5aに表示した上で、作業者に移動許可の入力を促し、入力を受け付けると移動を開始してもよい。また、当該移動は、目的地に応じて、ただちに移動開始するか、移動許可の操作を受け付けてから移動するかがあらかじめ定められていてもよい。例えば、ピッキング作業指示に含まれる全ての商品の収容位置に到達した場合には、搬送エリアA4への移動をただちに開始してもよい。また、ピッキングが不十分なコンテナCがある場合には、移動許可の操作を受け付けてから保留エリアA5への移動を開始してもよい。カート1の異常又は故障が検知された場合には、その旨を液晶表示器5aに表示した上で、移動許可の操作を受け付けてもよい。その際、目的地決定部は、タッチパネル5b又はボタン操作部7を介して目的地の入力を受け付けてもよい。
【0077】
停止判断部は、目的地へ向かう経路中において、停止の要否を判断する機能部である。停止判断部は、現在時刻を参照し、現在時刻があらかじめ設定された条件に合致するか否かに基づいて、マップ上の特定の地点にてカート1を走行継続させるか一時停止させるかを決定する。同一の倉庫W内を走行するカート1は、当該特定の地点で走行継続となる条件が互いに異なっている。すなわち、あたかも交差点に信号機を設けて、停止・進行させるような制御となる。この場合、同一の倉庫W内を走行するカート1間で、時刻の同期がなされている。この構成によれば、管理装置2等の上位の管制システムと通信することなく、交差点でのカート1の衝突を回避できる。
【0078】
停止判断部は、カート1の走行中に、非接触センサ81、82によって他のカートが検知された場合に、管理装置2からの指令に基づいてカート1を走行継続させるか一時停止させるか決定してもよい。優先される側のカート1は走行継続して交差点に進入し、他方のカートは一時停止する。この構成によれば、高度な管制システムを用いなくても、安価な構成で、交差点での衝突を回避できる。
【0079】
自己位置認識部は、カート1が自己の現在位置を認識できなくなった場合に、コード情報を利用して自己位置を認識する機能部である。マップ情報に対してロケーション情報が紐づけられている状態では、ロケーション情報記憶部は、棚Sおよび商品の表示コードB1、B2がマップ情報上のどこに存在しているかを格納している。そこで、自己位置認識部は、スキャナ61によって棚S又は商品のコード情報を受け付けると、ロケーション情報記憶部を参照して、取得したコード情報に対応するロケーション情報に基づいて当該カート1に現在位置を再認識させる。なお、このとき、自己位置認識部は、ピッキング作業指示とは異なる情報として、近傍にある棚S又は商品の表示コードB1、B2を読み取るよう促す報知を液晶表示器5aに表示する(図21(b)の画面G26参照)。従来、自己位置の喪失から回復する場合には、あらかじめ設定されている回復地点にカート1を移動させる作業が必要であった。これに対し、上述の構成によれば、棚S又は棚Sに収容されている商品の近傍であれば、自己位置を簡便に認識することができる。
【0080】
停止位置更新部は、各商品を採集する際の、カート1の停止位置を更新する機能部である。商品の形状や、棚Sにおける収容の態様、ピッキング作業者の体格等によっては、ロケーション情報記憶部に記憶されている停止位置ではピッキング作業に不都合が生じる場合がある。そこで、ピッキング作業者が停止位置を簡便に調整できることが望ましい。
【0081】
停止位置更新部は、カート1が棚Sの近傍で停止し、商品のピッキング作業が行われる状態において、作業者によるカート1の移動を受け付ける。カート1の移動は、液晶表示器5a上に表示される方向入力キーの押下に応じて、前後左右に移動してもよい。また、別途の物理キーやコントローラにより移動してもよい。さらに、作業者によりカート1を手動で移動させてもよい。作業者は、当該商品のピッキング作業がしやすい位置に、カート1を移動させる。その上で、停止位置更新部は、作業者の特定の操作、例えば位置更新のためのボタンの押下等を受け付けると、カート1の現在位置を、当該商品に対する停止位置として格納する。この構成によれば、ピッキング作業の過程で停止位置を簡便に調整できる。特に、作業者は停止位置を実際に確認しながらその場で調整でき、管理者による別途の操作を必要としないため、簡便かつ精度の高い調整が可能である。
【0082】
停止位置更新部は、各商品に対するカート1の停止位置を、ピッキング作業者の識別情報と対応付けてロケーション情報記憶部に格納してもよい。特に、上述のような更新処理を行ったピッキング作業者の識別情報と対応付けて、更新後の停止位置を格納してよい。この構成によれば、ピッキング作業者がログイン処理をすることで、カート1の停止位置をピッキング作業者に合わせて設定することができる。
【0083】
[周辺業務に関する機能部]
巡回制御部は、カート1をロケーション情報に関係なく巡回させる機能部である。巡回制御部は、例えばカート1をピッキングエリアA10全体又は倉庫W全体を網羅的に巡回する経路で走行させる。この構成によれば、例えばカート1に、床面を清掃するモップやワイパー等の清掃用具を連結させて走行させることで、清掃が可能である。また、カート1にゴミ箱を保持させ、倉庫W内を巡回、又は主通路に待機させることで、ゴミ回収用カートとして使用することもできる。倉庫W内では商品を梱包している段ボールやバンドなどのゴミが発生し、従来は作業者がゴミ箱まで捨てに行っているところ、本構成によれば、ゴミを捨てに行く手間を省略することができる。さらに、ピッキング作業の開始前に、カート1を網羅的に走行させ、障害物がないか確認してもよい。障害物を事前に除去することで、ピッキング作業の効率化が図れる。
【0084】
なお、このようなピッキング作業とは異なる周辺業務における使用に関しては、ピッキング計画に含まれる作業がカート1の数に比して少ない場合に、空いているカート1を使用するとよい。ピッキングシステム100は、ピッキング計画とカート1の台数とを参照して、巡回制御部により制御できるカート1の有無および台数を決定してもよい。また、ピッキングシステム100は、ピッキング作業指示の送信前、又はすべてのピッキング計画が完了した時点で清掃のカート1の走行を開始させてもよいし、所定時刻になると走行を開始させてもよい。
【0085】
巡回制御部は、特定の条件が満たされた時点で特定のロケーション情報が示す目的地へ当該カート1を移動させることを決定してもよい。特定の条件は、例えば、はかり部10に載置したゴミ箱の重量が所定以上であること、特に満載であることを含む。また、特定のロケーション情報は、例えばゴミ集積所である。この構成によれば、ゴミ箱が満載になったら自動的にゴミ集積所に搬送可能になるので、作業者によるゴミの運搬作業が不要になり、便利である。
【0086】
障害物検知部は、非接触センサ81、82又は接触センサ91が障害物を検知した場合にカート1を停止させる機能部である。また、障害物検知部は、非接触センサ81によって検知された物体が人間であるか否かを判定し、判定結果に応じてカート1の次なる動作を異ならせてもよい。障害物検知部は、人特有のユニークな形状を認識して障害物か否か判定してよい。障害物検知部は、例えば床面近傍における障害物の形状を取得し、足の形が読み取れる場合には障害物が人だと判定してもよい。
【0087】
障害物検知部は、障害物が人だと判定される場合、「通してください」といった、人に退避するよう依頼する音声を報知してよい。また、障害物が人である場合には、人が退避するまでカート1をその場で待機させてよい。障害物検知部は、障害物が人でないと判定される場合には、サインポール102の発光やブザー、液晶表示器5a等の報知手段を介して、作業者に対して障害物を取り除くことを促す報知を行う。このような構成は、ピッキング作業者がカート1と併走していない場合に、特に有用である。
【0088】
●画面例
図9(a)は、液晶表示器5aに表示される作業者設定画面G1の1例である。同図に示すように、作業者設定画面G1は、作業画面G1a、作業メッセージ画面G1b、および自律走行制御画面G1cに区画されている。作業画面G1aは、ピッキング作業に関する情報および入力欄が表示される欄である。作業メッセージ画面G1bは、作業の流れによって操作のガイダンスやカートの運行状態に関する補充説明を表示する欄である。自律走行制御画面G1cは、カート1の自律走行に関する情報および入力欄が表示される欄である。
【0089】
作業者設定画面G1は、作業者の識別番号を入力し、当該カート1と共にピッキング作業を行うピッキング作業者のログイン処理を行う画面である。作業画面G1aには、作業者番号表示欄G1d、作業者番号の入力を受け付けるテンキー表示欄G1e、確定キーG1f等が表示されている。ピッキング作業者のログイン処理が完了すると、図9(b)に示すメニュー画面G2に遷移する。
【0090】
図9(b)に示すように、メニュー画面G2は、ピッキング作業の前に行う、始業点検等の事前処理が選択可能に表示されている。始業点検が行われる前においては、自己位置設定の処理を行う自己位置設定ボタンG2aは非アクティブになっており、選択が禁止されている。
【0091】
図10(a)に示す画面G3は、始業点検が行われた後の表示画面である。始業点検が行われた後では、自己位置設定ボタンG2aはアクティブになっており、選択が許可されている。また、作業メッセージ画面G1bには、自律走行開始の場合は、自己位置を設定するよう案内が表示されている。自己位置設定ボタンG2aが選択されると、図10(b)の画面G4に遷移する。
【0092】
図10(b)に示すように、自己位置指定画面G4の自律走行制御画面G4cには、自己位置の候補としてあらかじめ設定されている領域が表示されている。自己位置としてあらかじめ認識されている領域は、例えば、充電エリアA1、オリコンエリアA2、作業エリア1、作業エリア2、搬送エリア1、搬送エリア2、等である。作業エリア1および作業エリア2は、ピッキングエリアA10内の領域である。搬送エリア1および搬送エリア2は、搬送エリアA4内の領域である。当該画面G4において領域が選択されると、ピッキングシステム100においてカート1の自己位置が確定される。言い換えれば、作業者は、カート1を自己位置としてあらかじめ認識されている領域のいずれかに停止させた上で、当該エリアを選択することで、カート1の自己位置をピッキングシステム100に認識させる。
【0093】
自己位置指定画面G4において自己位置が確定されると、図10(b)の作業画面G1aに示す出荷キーG41aが選択可能になる。出荷キーG41aを選択すると、図11(a)に示す移動開始画面G5に遷移する。
図11(a)に示すように、移動開始画面G5は、次の目的地がオリコンエリアである旨を表示した上で、作業者に移動開始キーG5cの選択を促す。
【0094】
移動開始キーG5cが選択されると、図11(b)の移動中画面G6に遷移する。画面G6の作業画面G1aには、カート1がオリコンエリアまで自律的に移動中であることが表示される。また、移動開始キーG5cは移動停止キーG6cに変化し、作業メッセージ画面G1bには、カート1の自律走行を停止させる場合には移動停止キーG6cを押すよう案内が表示される。
【0095】
なお、以降の説明において、移動開始の指示は、タッチパネル5b上での移動開始キーG5cの入力に代えて、ボタン操作部7のみで入力可能になっていてもよい。この構成によれば、誤ってカート1の走行を開始させてしまう誤操作のおそれが軽減し、カート1を安全に制御できる。また、移動開始キーG5cは、作業画面G1a又は作業メッセージ画面G1bにおいて移動開始キーG5cの選択を促す表示がある場合にのみアクティブとなっており、その他の場合には非アクティブとなっている。この構成によっても、誤操作によるカート1の意図しない走行を防止できる。
【0096】
図12(a)に示す作業指示確認画面G7は、オリコンエリアA2において表示される、作業指示の確認画面である。作業指示確認画面G7の得意先グループ選択欄G7aから得意先グループを選択した上で、開始キーG7bを選択すると、カート1又は管理装置2は、当該得意先グループに対するピッキング計画のうち、当該カート1への作業指示の有無を確認する。ここで、図中の「SS」は例えばスーパーマーケット、コンビニエンスストア、雑貨店等の小売店の名称の例である。当該カート1が作業する作業指示がある場合には、印字機構部41は、作業指示に対応する情報が記載されたラベル、すなわち出荷ラベルを印字する。出荷ラベルには、商品の種類、数量、重量、商品の出荷先、コンテナCに付与される識別情報等の情報が印字されている。また、このとき、オリコンエリアA2における作業者は、ラベルの発行枚数に応じた数のコンテナCをカート1に搭載し、出荷ラベルを各コンテナCに貼付する。
【0097】
なお、作業指示確認画面G7において開始キーG7bを選択した際に、当該カート1への作業指示がない場合には、図19(a)に示す移動開始画面G21に遷移する。移動開始画面G21には、充電エリアへの移動を開始する旨の案内と、作業者に移動開始キーG5cの押下を促すメッセージが表示されている。移動開始キーG5cが押下されると、カート1は充電エリアA1への移動を開始し、液晶表示器5aには図19(b)に示す移動中画面G22が表示される。移動開始キーG5cは、移動停止キーG6cに変化する。作業メッセージ画面G1bには、自律走行を停止する場合には移動停止キーG6cを押すよう案内が表示される。
【0098】
カート1への作業指示がある場合において、出荷ラベルの発行が完了すると、図12(b)に示すラベル・秤紐付け画面G8に遷移する。なお、作業指示確認画面G7からラベル・秤紐付け画面G8への遷移は、出荷ラベルの発行を契機にする構成に代えて、はかり部10に出荷ラベルと同数のコンテナCが搭載されたことを検知して遷移してもよいし、出荷ラベルの発行後又はコンテナCの搭載後に、作業者がタッチパネル5b又はボタン操作部7へ所定の入力を行うとラベル・秤紐付け画面G8に遷移してもよい。
【0099】
ラベル・秤紐付け画面G8では、出荷ラベルと秤バーコードとをスキャンするよう指示が表示されている。秤バーコードは、それぞれのはかり部10に対応して貼付されているバーコードである。スキャナにより出荷ラベルと秤バーコードとが1個ずつ読み取られると、はかり部10と出荷ラベルとが紐づけられる。すなわち、各はかり部10に積載されるべき商品の種類、および数量又は重量等が対応付けられる。この紐付けの作業は、コンテナCの個数と同数行われる。この操作により、ピッキングシステム100は、ピッキング作業が正確に行われているかを確認でき、ピッキング作業の正確性を担保できる。
【0100】
図13乃至図16に示す、画面G9乃至G16は、ピッキングエリアA10においてピッキング作業を補助する際に、カート1の液晶表示器5aに表示される画面である。ピッキング作業を補助する際の画面は、主にカート1の停止時に作業指示等を表示するピッキング作業画面G9、G13乃至G16と、カート1の自律走行中およびその前後で表示される自律走行画面G10、G11と、に大別される。ピッキング作業画面G9、G13乃至G16においては、現在の目的地又は停止位置でのピッキング対象商品(以下、「第1のピッキング対象商品」ともいう。)、および、現在の目的地に到達した後に向かう次の目的地でのピッキング対象商品(以下、「第2のピッキング対象商品」ともいう。)がある場合に、当該第2のピッキング対象商品に関する情報を表示する。第1のピッキング対象商品に関する情報として、図に示す例では、ロケーション情報「31-01-14-02-04」と商品の名称「QQ焙煎ごまドレッシング」が表示されている。第2のピッキング対象商品に関する情報として、図に示す例では、ロケーション情報「31-01-26-01-02」と商品の名称「Mオイスターソース」が表示されている。この情報は、例えば、商品の名称およびロケーション情報である。すなわち、ピッキング作業画面G9、G13乃至G15おいては、自律走行カート1の現在の目的地と、現在の目的地に到達した後に向かう次の目的地と、自律走行に関する情報と、が同一画面に表示されている。なお、画面G16は、ピッキング対象商品のピッキング作業が全て完了した場合の画面であるので、第1および第2のピッキング対象商品のいずれも表示されていない。自律走行画面G10、G11には、第1のピッキング対象商品が表示され、第2のピッキング対象商品は表示されない。
【0101】
図13(a)に示す移動開始画面G9は、ピッキングエリアA10において液晶表示器5aに表示される画面の1例である。作業画面G1aには、少なくとも、次の目的地においてピッキングする商品の名称、識別情報、および当該商品の収容部を特定するロケーション情報としてのコード情報が表示される。同図においては、識別情報としてJANコードが表示されている。また、画面G9において、商品の画像又はイラストが表示されてもよい。
【0102】
画面G9において移動開始キーG5cが選択されると、図13(b)に示す画面G10に遷移する。画面G10は、作業画面G1aにおいて、目的地となるロケーション情報が表示され、当該目的地まで移動中であることが表示される。また、画面G9においては、自律走行カート1の移動速度が、自律走行カート1が自律走行中であることを示す情報と同一画面に表示されている。画面G9、すなわち移動中においては移動開始キーG5cに代えて移動停止ボタンG5bが表示されている。カート1の自律走行中に所定の音声又は音楽を流してもよい。
また、画面G8および画面G9においては、ピッキング対象の商品名、識別情報および「商品のバーコードをスキャンしてください」との文字が表示されている。すなわち、スキャナ61が商品のバーコードの読取を受け付ける状態となっている。なお、この処理で読み取られる商品のバーコードは、商品自体に貼付されているバーコードでもよいし、商品が収容されている箱体に貼付されている表示コードB2であってもよい。バーコードと表示コードB2は、同一であってもよい。
【0103】
カート1が目的地に到着すると、カート1は停止し、図14に示す画面G11に遷移する。タッチパネル5b又はボタン操作部7への入力に基づいて、図15(a)に示すピッキング作業画面G13に移動する。なお、カート1が目的地に到着すると、自動的にピッキング作業画面G13に遷移してもよい。ピッキング作業画面G13において商品のバーコードが読み取られると、図15(b)に示す商品投入画面G14に遷移する。商品投入画面G14の作業画面G1aでは、カート1に搭載されているコンテナCに対応するコンテナ表示欄G14aが表示され、投入中のコンテナCに対応する欄は、他のコンテナCとは異なる態様で表示されている。同図の例においては、カート1のはかり部10bに紐づけられている商品のバーコードが読み取られた様子を示している。また、作業指示に含まれる投入個数と、現在投入されている個数とが表示されている。
【0104】
図16に示すように、コンテナ表示欄G14aにおいて投入されている個数が作業指示に含まれる投入個数と同量になると、画面上に確定ボタンG15aが表示される。確定ボタンG15aが押下されると、当該はかり部10bでの商品計量が終了し、コンテナCの内容が確定する。次いで、別の商品の作業指示がある場合には、画面G13に遷移し、全ての商品の作業指示を完了するまでこれを繰り返す。
【0105】
ピッキング作業者は、計画を充足する商品が棚Sからピッキングできなかった場合に、商品投入画面G14においてスキップボタンG14bを選択してもよい。スキップボタンG14bが選択されると、商品の投入個数に関わらず当該商品の作業指示を中断し、画面G13に遷移してよい。スキップボタンG14bが選択され、作業指示が中断されたコンテナCが少なくとも1個ある場合には、搬送エリアA4に移動する前に、ピッキングエリアA10から保留エリアA5に移動し、当該コンテナCを保留エリアA5に搬送する。
また、ピッキング作業画面G13において、補充依頼ラベルボタンG13aが選択されると、棚Sへの補充に関する情報、すなわち、棚Sへの補充が必要な商品の種類および個数、ならびにピッキング作業が完了できなかったコンテナCの識別情報等が表示された補充依頼ラベルが、印字機構部41から発行される。また、補充に関する情報は、補充依頼ラベルへの印字に代えて、又は加えて、管理装置2又は別の外部端末に送信され、棚Sの在庫管理者に通知されてもよい。
【0106】
カート1の作業指示が全て完了すると、図16(b)に示す画面G16に遷移する。画面G16のコンテナ表示欄G14aは、全てのコンテナCについて「完了」と表示され、全ての作業指示が完了したことが表示されている。確定ボタンG16aを選択すると、図17(a)に示す画面G17に遷移する。画面G17は、搬送エリアA4まで移動する旨の表示とともに、移動開始キーG5cがアクティブに表示される。移動開始キーG5cが選択されると、カート1は自律走行を開始する。また、液晶表示器5aの表示は、自律走行中において図17(b)に示す画面G18が表示されている。
【0107】
搬送エリアA4において、図18(a)に示す画面G19が表示される。この画面G19には、コンテナCを搬送エリアA4で払い出す旨、および、払い出し完了時に移動開始キーG5cを選択することを促す案内が表示されている。移動開始キーG5cが選択されると、カート1はオリコンエリアA2への自律走行を開始する。また、液晶表示器5aの表示は、自律走行中において図18(b)に示す画面G20が表示されている。
【0108】
図20(a)に示す画面G23は、カート1の自律走行中に障害物を検知した場合に、液晶表示器5aに表示される画面の1例である。カート1は、非接触センサ81、82又は接触センサ91により障害物を検知してよい。同画面においては、障害物を検出した旨、および作業者に障害物を取り除くよう促す表示がされている。
【0109】
カート1は、障害物を検知した場合の表示を、非接触センサ81、82で検知した場合と、接触センサ91で検知した場合とで異ならせてもよい。例えば、接触センサ91で検知した場合には、図20(b)に示す画面G24を液晶表示器5aに表示させてもよい。また、自律走行を再開させるための操作を、非接触センサ81、82で検知した場合と、接触センサ91で検知した場合とで異ならせてもよい。例えば、非接触センサ81、82で検知した場合には、障害物が取り除かれたことを検知して走行を再開してもよい。接触センサ91で検知した場合には、障害物を除去した後、作業者が緊急停止解除ボタンを選択することで走行を再開してもよい。緊急停止解除ボタンは、例えばボタン操作部7により実現される。
【0110】
その他、ピッキングシステム100は、サインポール102の発光やブザー、液晶表示器5a等の報知手段を介して、カート1に異常又は故障がある場合にその旨を報知してよい。また、異常および故障の種類に応じて、異なる態様で報知してもよい。
【0111】
以上の本実施形態に係るピッキングシステムによれば、倉庫内のピッキング作業を効率よく行うことができる。
【0112】
●実施形態総括
本発明は、ピッキングシステムに関する。
【0113】
倉庫内の商品をカートに収容するピッキング作業を補助する、ピッキングシステムが知られている。物流倉庫では慢性的な人手不足の問題が生じており、自走式ピッキングカートの需要が高まっている。
【0114】
特許文献1として特開2019-1890380号公報がある。
【0115】
そこで本発明は、倉庫内のピッキング作業を効率よく行うことを目的の一つとする。
【0116】
上記目的を達成するため、本発明に係るピッキングシステムは、指定される商品を棚から採集する作業者のピッキング作業を補助するピッキングシステムであって、採集される前記商品が投入されるカートと、前記カートに対する前記ピッキング作業の割り当てを行う割当手段と、を備え、前記カートは、自律走行カートと、前記作業者によって移動される手動カートと、を含み、前記割当手段は、前記ピッキング作業に含まれる前記商品の属性に応じて、当該ピッキング作業を前記自律走行カートおよび前記手動カートのいずれかに割り当てる。
【0117】
前記割当手段は、相対的に重量の大きい商品または相対的に総重量の大きい商品群が自律走行カートで搬送され、相対的に重量の小さい商品または相対的に総重量の小さい商品群が手動カートで搬送されるように、前記ピッキング作業の割り当てを行うものとしてもよい。
【0118】
前記割当手段は、前記カートに商品を投入するピッキング作業者の情報に基づいて、当該カートのピッキング作業指示を割り当てるものとしてもよい。
【0119】
前記割当手段は、前記ピッキング作業者の体格が大きい場合、筋力が大きい場合又は男性である場合に、相対的に重量の大きい商品または相対的に総重量の大きい商品群が当該ピッキング作業者の作業となるように、前記ピッキング作業の割り当てを行うものとしてもよい。
【0120】
前記自律走行カートを制御する制御手段をさらに備え、前記制御手段は、自己の状態または前記ピッキング作業の進捗状況に基づく特定の条件が満たされた場合には、当該条件に対応して設定された地点を目的地に決定するものとしてもよい。
【0121】
前記制御手段は、前記ピッキング作業で採集が完了した商品が投入されている前記自律走行カートを、前記商品を搬出する搬送エリアに移動させ、前記自律走行カートにおいて採集が完了できなかった前記商品が少なくとも1個ある場合には、前記自律走行カートを、搬送エリアとは異なる保留エリアに移動させるものとしてもよい。
【0122】
前記制御手段は、前記棚が載置された空間内において前記自律走行カートが走行可能な通路の情報を含むマップ情報を参照し、前記マップ情報に基づいて前記自律走行カートを走行させ、前記制御手段は、現在時刻が予め設定された条件に合致するか否かに基づいて、前記マップ情報上の特定の地点にて前記自律走行カートの走行を継続させるか一時停止させるかを判断するものとしてもよい。
【0123】
上記目的を達成するため、本発明に係る管理装置は、指定される商品を棚から採集する作業者のピッキング作業を補助する管理装置であって、採集される前記商品が投入されるカートとネットワークを通じて接続され、前記カートに対する前記ピッキング作業の割り当てを行う割当手段を備え、前記カートは、自律走行カートと、前記作業者によって移動される手動カートと、を含み、前記割当手段は、前記ピッキング作業に含まれる前記商品の属性に応じて、当該ピッキング作業を前記自律走行カートおよび前記手動カートのいずれかに割り当てる。
【0124】
本発明に係るピッキングシステムによれば、倉庫内のピッキング作業を効率よく行うことができる。
【符号の説明】
【0125】
100 ピッキングシステム
1 カート
5a 液晶表示器
5b タッチパネル
10 はかり部
20 制御部
61 スキャナ
81 非接触センサ
82 非接触センサ
91 接触センサ
102 サインポール
2 管理装置
C コンテナ
S 棚

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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