(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022012637
(43)【公開日】2022-01-17
(54)【発明の名称】レールホルダ機構を備えたパチンコ発射機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
A63F7/02 312A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020114615
(22)【出願日】2020-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100212657
【弁理士】
【氏名又は名称】塚原 一久
(72)【発明者】
【氏名】山崎 真一
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA49
(57)【要約】 (修正有)
【課題】パチンコ発射機の整流器から投入された球が、金属レール部上で速やかに静止して、次の発射が安定して行えるパチンコ発射機を提供する。
【解決手段】本発明によるレールホルダ機構を有するパチンコ発射機は、レールホルダ(20)と、前記レールホルダの内面(20a)に設けられた弾性部材(26)と、前記レールホルダの上方に配設された整流器(1)と、前記レールホルダに設けられたレール(23)と、前記レールに設けられ前記弾性部材により形成されて断面V字型をなす弾性部材レール形状部と、前記弾性部材レール形状部に隣接して位置する板金からなる金属レール部(40)と、を備え、前記整流器から投入された球(11)は、前記弾性部材及び前記弾性部材レール形状部を経て制振されつつ前記金属レール部上で静止するようにした構成である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前蓋(3)に設けられ所定角度範囲回動するハンマー(5)と、前記ハンマー(5)に設けられた槌部(6)及び質量体(6A)と、前記前蓋(3)に設けられたレールホルダ(20)と、前記レールホルダ(20)の内面(20a)に設けられた弾性部材(26)と、前記レールホルダ(20)の上方に配設された整流器(1)と、前記レールホルダ(20)に設けられたレール(23)と、前記レール(23)に設けられ前記弾性部材(26)により形成されて断面V字型をなす弾性部材レール形状部(30)と、前記弾性部材レール形状部(30)に隣接して位置する板金からなる金属レール部(40)と、を備え、
前記整流器(1)から投入された球(11)は、前記弾性部材(26)及び前記弾性部材レール形状部(30)を経て制振されつつ前記金属レール部(40)上で静止するようにした構成したことを特徴とするレールホルダ機構を備えたパチンコ発射機。
【請求項2】
前記レールホルダ(20)に設けられた前記弾性部材(26)は、2色成形又は2ピース構成よりなることを特徴とする請求項1記載のレールホルダ機構を備えたパチンコ発射機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レールホルダ機構を備えたパチンコ発射機に関し、特に、整流器から投入された球が暴れることなく、短時間で金属レール部の待機位置に静止するようにするための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ発射機において、安定した球飛びを維持するには、発射サイクル内に球を打つ槌が静止していることの他に、整流器から投入された球が、待機位置で静止していることが条件となる。
従来の特許文献1に採用されている技術においても、図示していないが、断面M字形の板金レールを用い、この板金レールは、整流器から投入される球の経路と待機位置(球の静止位置)を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のパチンコ発射機は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、球の発射角度に配置されたガラス強化型樹脂のレールホルダと断面M字形状の板金レールにより、整流器から投入される球の経路と待機位置(球の静止位置)を構成している。
前記板金レール及びガラス強化型樹脂のレールホルダは、球の衝撃を吸収しない材料であり、投入された球は暴れながら板金レールのM字形状部分を通過し、待機位置で制止する。
このため、球の発射角度(配置角度)によっては、球が制止するまでの時間に余裕度が無い状況となることから、整流器は球の待機位置から最短経路(水平方向)でかつ暴れない(垂直方向)ように配置することが必要であり、設計の自由度が少なくなっていた。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、整流器から投入された球が暴れることなく、短時間でレールの待機位置に静止するように構成したレールホルダ機構を備えたパチンコ発射機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前蓋に設けられ所定角度範囲回動するハンマーと、前記ハンマーに設けられた槌部及び質量体と、前記前蓋に設けられたレールホルダと、前記レールホルダの内面に設けられた弾性部材と、前記レールホルダの上方に配設された整流器と、前記レールホルダに設けられたレールと、前記レールに設けられ前記弾性部材により形成されて断面V字型をなす弾性部材レール形状部と、前記弾性部材レール形状部に隣接して位置する板金からなる金属レール部と、を備え、前記整流器から投入された球は、前記弾性部材及び前記弾性部材レール形状部を経て制振されつつ前記金属レール部上で静止するようにした構成であり、また、前記レールホルダに設けられた前記弾性部材は、2色成形又は2ピース構成よりなる構成である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるレールホルダ機構を備えたパチンコ発射機は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。すなわち、前蓋に設けられ所定角度範囲回動するハンマーと、前記ハンマーに設けられた槌部及び質量体と、前記前蓋に設けられたレールホルダと、前記レールホルダの内面に設けられた弾性部材と、前記レールホルダの上方に配設された整流器と、前記レールホルダに設けられたレールと、前記レールに設けられ前記弾性部材により形成されて断面V字型をなす弾性部材レール形状部と、前記弾性部材レール形状部に隣接して位置する板金からなる金属レール部と、を備え、前記整流器から投入された球は、前記弾性部材及び前記弾性部材レール形状部を経て制振されつつ前記金属レール部上で静止するようにした構成したことにより、整流器から投入された球は、レールホルダの弾性部材に接触しつつ弾性部材レール形状部上に落下するため、従来のように球は跳ねることがなく、極めて短時間に、振動を伴わずに金属レール部上に静止させることができる。
また、前記レールホルダに設けられた前記弾性部材は、2色成形又は2ピース構成よりなることにより、弾性部材をレールホルダに簡単かつ確実に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態によるレールホルダ機構を備えたパチンコ発射機を示す正面図である。
【
図4】
図3の弾性部材レール形状部を示す球側からみた構成図である。
【
図8】
図6のレールと
図2の弾性部材レール形状部を組み合わせた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明によるレールホルダ機構を備えたパチンコ発射機は、整流器から投入された球が暴れることなく、短時間でレールの待機位置に静止するようにした構成である。
【実施例0010】
以下、図面と共に本発明によるレールホルダ機構を備えたパチンコ発射機の好適な実施の形態について説明する。
図1において符号1で示されたものは、パチンコ発射機2の整流器であり、前記パチンコ発射機2の前蓋3の裏面3aには、有限角モータ4によって有限角θ分、往復回動できるようにハンマー5が設けられている。
【0011】
前記ハンマー5の一端には、質量体6Aが設けられ、その他端には、槌部6が設けられている。
前記前蓋3に固定ねじ8を介して設けられた制振ゴムホルダ7には、互いに90度位置が異なる状態で、第1制振ゴム9及び第2制振ゴム10が設けられている。
【0012】
前記ハンマー5の槌部6に対して180度異なる位置には、ストッパー5Aが設けられ、前記ハンマー5を右方向に有限角回転させると、前記槌部6が球11を発射させる共に、前記ストッパー5Aが前記第1制振ゴム9に当接して、前記ハンマー5及び有限角モータ4の球11の発射時の有限角Θが明らかとなる。
【0013】
前記ハンマー5による球11の発射が終了した後は、前記質量体6Aが右方向に回動して一旦停止するが、前記質量体6Aの自重によって、このハンマー5は左方向に回転し、ハンマー5のストッパー部12が前記第2制振ゴム10に当接してハンマー5は次の球発射に備えることになる。
【0014】
前記前蓋3の裏面3aの左側には、ガラス樹脂等の硬質樹脂で成形されたレールホルダ20が固定ねじ21によって固定され、このレールホルダ20には、R部で形成された球案内部22及びレール23が設けられている。
【0015】
前記レール23は、固定ねじ24及び一対の位置決めピン25によって、前記レールホルダ20の所定位置に位置決め固定されている。
前記レールホルダ20の内面20aの中央部には、成形時に一体成形又は別体として後付けとなるゴム等の制振作用を有する弾性部材26が設けられている。
尚、前記弾性部材26は、球が当たった場合に、制振だけではなく、振動・衝撃の吸収作用を有している。
【0016】
前記レール23の上端27と前記球案内部22の外周22aとの間は、前記前蓋3の上方に配設された前記整流器1から落下して前記レール23に供給される球投入可能範囲Aとして設定されている。
【0017】
前記レール23は、
図2から
図8迄において示されている。
すなわち、レール23の球投入可能範囲A内に位置する弾性部材26は、前記レール23の上部に傾斜して設けられ、前記レール23の球発射側に形成された弾性部材レール形状部30が形成され、この弾性部材レール形状部30を、周知の2色成形品とするか、又は、周知の2ピース構成とすることもできる。
【0018】
前記レール23は板金で形成されていると共に、
図5、
図6、
図7のように、断面M形に形成され、板金で形成された金属レール部40と、前記レール23の段部41に形成された弾性部材26による弾性部材レール形状部30と、によって形成されている。
尚、前記前蓋3の裏面3aの
図1に向かって右側には、コネクタ50が設けられており、このコネクタ50は、前記有限角モータ4の駆動信号の送信等に用いられている。また、球11の発射時には、前記金属レール部40上に静止している球11をハンマー5で打つと、球11は、弾性部材レール形状部30には接触することなく、一気に上方へ所定の軌跡で飛ぶように構成されている。
本発明によるレールホルダ機構を備えたパチンコ発射機は、レールホルダに設けられたゴム等の弾性部材により、整流器から投入された球が、弾性部材に最初に接触して振動が抑えられ、その後、弾性部材レール形状部でさらに振動が抑えられて、隣の金属レール部で静止し、球発射となるため、球が静止するまでの時間が分りやすく、信頼性の高いパチンコ発射機を得ることができる。