(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126416
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】エレベーターシステム
(51)【国際特許分類】
B66B 1/18 20060101AFI20220823BHJP
【FI】
B66B1/18 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021024472
(22)【出願日】2021-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑原 美夏
(72)【発明者】
【氏名】大中 沙弥香
【テーマコード(参考)】
3F502
【Fターム(参考)】
3F502JA52
3F502JA77
3F502KA36
3F502MA03
(57)【要約】
【課題】体温が高い乗客をその乗客がかごに乗る前に特定することができるエレベーターシステムを提供する。
【解決手段】エレベーターシステム1は、表示器12、測定器14、表示制御部16、登録部22、及び割当部23を備える。表示器12及び測定器14は、乗場10に設けられる。測定器14は、乗客の体温を測定する。表示制御部16は、測定器14によって体温が測定されることにより、行先階を入力するための入力画面を表示器12に表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のかごが停止する乗場に設けられた表示器と、
前記乗場に設けられ、乗客の体温を測定するための測定器と、
前記測定器によって体温が測定されることにより、行先階を入力するための入力画面を前記表示器に表示する表示制御手段と、
前記入力画面から入力された行先階に基づいて、呼びを登録する登録手段と、
前記測定器によって測定された体温及び前記入力画面から入力された行先階に基づいて、前記登録手段によって登録された呼びに対する割当かごを前記複数のかごの中から決定する割当手段と、
を備えたエレベーターシステム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記入力画面から行先階が入力されると、前記入力画面を前記表示器から消す請求項1に記載のエレベーターシステム。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記入力画面を前記表示器に表示してから一定時間が経過すると、前記入力画面を前記表示器から消す請求項1又は請求項2に記載のエレベーターシステム。
【請求項4】
複数のかごが停止する乗場に設けられた複数の釦と、
前記乗場に設けられ、乗客の体温を測定するための測定器と、
前記測定器によって体温が測定されることにより、前記複数の釦からの情報入力機能を有効にする釦制御手段と、
前記複数の釦の1つが操作されることによって入力された入力情報に基づいて、呼びを登録する登録手段と、
前記測定器によって測定された体温及び前記入力情報に基づいて、前記登録手段によって登録された呼びに対する割当かごを前記複数のかごの中から決定する割当手段と、
を備えたエレベーターシステム。
【請求項5】
前記釦制御手段は、前記複数の釦の1つが操作されると、前記複数の釦からの情報入力機能を無効にする請求項4に記載のエレベーターシステム。
【請求項6】
前記釦制御手段は、前記複数の釦からの情報入力機能を有効にしてから一定時間が経過すると、前記複数の釦からの情報入力機能を無効にする請求項4又は請求項5に記載のエレベーターシステム。
【請求項7】
体温に対する基準値が記憶された記憶手段を更に備え、
前記割当手段は、前記測定器によって測定された体温が前記基準値より高い乗客と前記基準値より低い乗客とが同じかごに乗ることがないように割当かごを決定する請求項1から請求項6の何れか一項に記載のエレベーターシステム。
【請求項8】
前記複数のかごのそれぞれに対して任意の定員が設定可能である請求項1から請求項7の何れか一項に記載のエレベーターシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、エレベーター装置が記載されている。特許文献1に記載されたエレベーター装置は、カメラを備える。カメラによってかごに乗っている乗客が撮影される。かごの中に体温が高い乗客がいれば、かごから降りるように警告が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたエレベーター装置では、体温が高い乗客をその乗客がかごに乗る前に特定することができなかった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされた。本開示の目的は、体温が高い乗客をその乗客がかごに乗る前に特定することができるエレベーターシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーターシステムは、複数のかごが停止する乗場に設けられた表示器と、乗場に設けられ、乗客の体温を測定するための測定器と、測定器によって体温が測定されることにより、行先階を入力するための入力画面を表示器に表示する表示制御手段と、入力画面から入力された行先階に基づいて、呼びを登録する登録手段と、測定器によって測定された体温及び入力画面から入力された行先階に基づいて、登録手段によって登録された呼びに対する割当かごを複数のかごの中から決定する割当手段と、を備える。
【0007】
本開示に係るエレベーターシステムは、複数のかごが停止する乗場に設けられた複数の釦と、乗場に設けられ、乗客の体温を測定するための測定器と、測定器によって体温が測定されることにより、複数の釦からの情報入力機能を有効にする釦制御手段と、複数の釦の1つが操作されることによって入力された入力情報に基づいて、呼びを登録する登録手段と、測定器によって測定された体温及び入力情報に基づいて、登録手段によって登録された呼びに対する割当かごを複数のかごの中から決定する割当手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係るエレベーターシステムであれば、体温が高い乗客をその乗客がかごに乗る前に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1におけるエレベーターシステムの例を示す図である。
【
図3】呼び登録装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図6】群管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図9】制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図11】呼び登録装置の他の動作例を示すフローチャートである。
【
図12】呼び登録装置のハードウェア資源の例を示す図である。
【
図13】呼び登録装置のハードウェア資源の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して詳細な説明を行う。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるエレベーターシステム1の例を示す図である。エレベーターシステム1は、群管理装置2を備える。群管理装置2は、複数のエレベーター装置3を一群として管理する。本実施の形態では、最も簡単な例として、エレベーターシステム1が2台のエレベーター装置3を備える例を示す。即ち、群管理装置2は、A号機とB号機とを管理する。群管理装置2は、3台以上のエレベーター装置3を管理しても良い。
【0012】
各エレベーター装置3は、かご4、駆動装置5、及び制御装置6を備える。かご4は、昇降路を上下に移動する。駆動装置5は、かご4を駆動する。制御装置6は、駆動装置5を制御する。即ち、かご4の移動は、制御装置6によって制御される。また、制御装置6は、かご4に備えられた機器を制御する。
【0013】
かご4は、ドア7、モータ8、及び換気装置9を備える。かご4の出入口はドア7によって開閉される。モータ8は、ドア7を駆動する。換気装置9が動作すると、昇降路の空気がかご4の内部に取り込まれる。
【0014】
以下の説明では、エレベーター装置3に備えられた要素を号機別に区別する必要がある場合に、各要素を表す符号にA或いはBを付す。例えば、A号機には、かご4A、駆動装置5A、及び制御装置6Aが備えられる。かご4Bには、ドア7B、モータ8B、及び換気装置9Bが備えられる。
【0015】
図2は、かご4が停止する乗場10の例を示す図である。本実施の形態に示す例では、かご4A及びかご4Bの双方が乗場10に停止する。乗場10に、呼び登録装置11が設けられる。
図2は、呼び登録装置11が乗場10の壁に設けられる例を示す。呼び登録装置11は、表示器12、入力装置13、測定器14、表示制御部16、及び通信部17を備える。
【0016】
表示器12及び入力装置13は、例えばタッチパネル式の一体型の装置である。測定器14は、乗場10において乗客の体温を測定する。測定器14は、乗客の体温を非接触で測定することが好ましい。表示制御部16は、表示器12を制御する。
【0017】
群管理装置2は、記憶部21、登録部22、割当部23、及び通信部24を備える。以下に、
図3から
図9も参照し、エレベーターシステム1の動作について詳しく説明する。
【0018】
図3は、呼び登録装置11の動作例を示すフローチャートである。呼び登録装置11では、表示制御部16が表示器12に待機画面を表示する(S101)。
図4は、待機画面の例を示す図である。待機画面には、エレベーターの利用には体温の測定が必要であることを示す情報が含まれる。
図4に示す例では、「検温します。手をかざしてください。」とのメッセージと、手をかざす位置を示すための手形のマーク12aとが表示器12に表示される。
【0019】
呼び登録装置11では、測定器14によって体温が測定されたか否かが判定される(S102)。S102でNoと判定されると、待機画面の表示が継続される。乗客が表示器12に表示されたマーク12aに手をかざすと、測定器14によって体温が測定される(S102のYes)。S102でYesと判定されると、表示制御部16は、乗客が行先階を入力するための入力画面を表示器12に表示する(S103)。
【0020】
図5は、入力画面の例を示す図である。
図5に示す例では、「行先階を押してください。」とのメッセージと、乗客が選択可能な複数の行先釦12bとが表示器12に表示される。入力画面は、測定器14によって体温が測定されることによって表示器12に表示される。測定器14によって体温が測定されるまで、表示器12に入力画面は表示されない。即ち、測定器14によって体温が測定されるまで、表示器12に行先釦12bは表示されない。乗客は、体温の測定を行わなければ、行先釦12bを押すことができない。
【0021】
表示器12に入力画面が表示されると、呼び登録装置11では、行先階が入力されたか否かが判定される(S104)。乗客は、表示器12に表示された行先釦12bを押すことによって行先階を入力する(S104のYes)。入力画面から行先階が入力されると、表示制御部16は、入力画面を表示器12から消す(S105)。また、入力画面から行先階が入力されると、通信部17は、呼びの登録要求を群管理装置2に送信する(S106)。当該登録要求には、測定器14によって測定された乗客の体温の情報とその乗客が入力画面から入力した行先階の情報とが含まれる。
【0022】
一方、S104でNoと判定されると、呼び登録装置11では、入力画面が表示器12に表示されてから一定時間が経過したか否かが判定される(S107)。当該一定時間は予め設定される。表示制御部16は、S103で入力画面を表示器12に表示してから一定時間が経過すると、入力画面を表示器12から消す(S108)。その後、表示制御部16は、表示器12に待機画面を表示する(S101)。
【0023】
図6は、群管理装置2の動作例を示すフローチャートである。群管理装置2では、呼び登録装置11から呼びの登録要求を受信したか否かが判定される(S201)。S106で呼び登録装置11から送信された登録要求を群管理装置2が受信すると、S201でYesと判定される。S201でYesと判定されると、登録部22は呼びを登録する(S202)。S202での呼びの登録は、入力画面から入力された行先階に基づいて行われる。例えば、乗客が1階の乗場10で5階の行先釦12bを押すと、登録部22は、S202において1階の乗場呼びと5階の行先呼びとを登録する。
【0024】
次に、割当部23は、登録部22によって登録された呼びに対して割り当てるかご、即ち割当かごを、群管理装置2が管理する複数のかごの中から決定する(S203)。S203での割当かごの決定は、測定器14によって測定された乗客の体温とその乗客が入力画面から入力した行先階とに基づいて行われる。
【0025】
一例として、記憶部21に、体温に対する基準値Tthが記憶される。割当部23は、測定器14によって測定された体温が基準値Tthより高い乗客と基準値Tthより低い乗客とが同じかご4に乗ることがないように割当かごを決定する。例えば、基準値Tthが37.5度に設定されている場合に、体温が37.9度である乗客が入力した行先階に対して登録された呼びに、かご4Bが割り当てられた例を考える。かかる場合、割当部23は、体温が36.8度である乗客が入力した行先階に対して登録された呼びに、かご4Aを割り当てる。基準値Tthは、エレベーターシステム1が備えられたビルの管理人等によって変更可能であっても良い。
【0026】
他の例として、記憶部21に、各かご4に対する定員の情報が記憶される。本実施の形態に示す例であれば、記憶部21に、かご4Aに対する定員の情報、及びかご4Bに対する定員の情報が記憶される。割当部23は、当該定員の情報にも基づいて、S203において割当かごを決定する。各定員は、エレベーターシステム1が備えられたビルの管理人等によって変更可能であっても良い。例えば、各かご4に対して任意の定員が設定される。かご4Aの定員とかご4Bの定員とは同じでなくても良い。
【0027】
例えば、インフルエンザ等が流行りやすい冬季には、かご4の定員を夏季における定員より少なくしても良い。新型のコロナウィルス等が流行っている場合は、法規上10人まで乗ることができるかご4の定員を5人に設定しても良い。これにより、かご4内で乗客が密集してしまうことを防止できる。
【0028】
S203で割当かごが決定すると、通信部24は、S201で登録要求を送信してきた呼び登録装置11に対し、割当情報を送信する(S204)。割当情報には、割当かごの情報が含まれる。また、S203で割当かごが決定すると、通信部24は、割当かごを制御する制御装置6に対し、登録情報を送信する(S205)。登録情報には、登録された呼びの情報、即ち乗場呼び及びかご呼びの情報が含まれる。また、当該呼びが、体温が基準値Tthより高い乗客が入力した行先階に対して登録された呼びであれば、登録情報に発熱情報が含まれる。
【0029】
図3に示すように、呼び登録装置11では、S106で呼びの登録要求が群管理装置2に送信されると、その応答として群管理装置2から割当情報を受信したか否かが判定される(S109)。S204で群管理装置2から送信された割当情報を呼び登録装置11が受信すると、S109でYesと判定される。S109でYesと判定されると、表示制御部16は、乗客に対する案内画面を表示器12に表示する(S110)。
【0030】
図7は、案内画面の例を示す図である。案内画面には、測定器14によって測定された体温の情報が含まれる。また、案内画面には、割当かごの情報が含まれる。
図7は、測定器14によって測定された体温が36.5度であり、かご4Aが割当かごである例を示す。
図8は、案内画面の他の例を示す図である。
図8は、測定器14によって測定された体温が37.8度であり、かご4Bが割当かごである例を示す。
【0031】
図9は、制御装置6の動作例を示すフローチャートである。制御装置6では、群管理装置2から登録情報を受信したか否かが判定される(S301)。S205で群管理装置2から送信された登録情報を制御装置6が受信すると、S301でYesと判定される。S301でYesと判定されると、制御装置6は、登録された呼びにかご4を応答させる(S302)。
【0032】
上述した例のように、S202で1階の乗場呼びと5階の行先呼びとが登録されると、制御装置6は、先ず、かご4を1階の乗場10に停止させる。制御装置6は、かご4を1階の乗場10に停止させると、ドア7を開く。これにより、乗客がかご4に乗る。その後、制御装置6は、ドア7を閉め、かご4を5階の乗場10に停止させる。制御装置6は、かご4を5階の乗場10に停止させると、ドア7を開く。これにより、乗客がかご4から降りる。
【0033】
また、制御装置6では、S301でYesと判定されると、S301で受信した登録情報に発熱情報が含まれているか否かが判定される(S303)。登録情報に発熱情報が含まれていれば、制御装置6は、行先呼びに応答してかご4を乗場10に停止させた後、ドア7を閉じる前に換気を行う(S304)。例えば、制御装置6は、ドア7が開いている状態で換気装置9を一定時間動作させる。制御装置6は、換気装置9を一定時間動作させた後にドア7を閉める。
【0034】
本エレベーターシステム1では、乗客は、先ず体温の測定を行い、その後に行先釦12bを押す。このため、本エレベーターシステム1であれば、体温が高い乗客をその乗客がかご4に乗る前に特定することができる。これにより、例えば、乗客の体温に応じて割当かごを決定するような制御を実現することができる。
【0035】
本実施の形態では、呼び登録装置11がタッチパネル式の入力装置13を備える例について説明した。呼び登録装置11は、釦式の入力装置13を備えても良い。
図10は、呼び登録装置11の他の例を示す図である。
図10に示す呼び登録装置11は、表示器12、入力装置13、測定器14、表示制御部16、通信部17、及び釦制御部18を備える。
【0036】
図10に示す例では、呼び登録装置11は、入力装置13として複数の釦を備える。例えば、呼び登録装置11は、入力装置13として上釦13a、及び下釦13bを備える。呼び登録装置11は、入力装置13として複数の行先釦を備えても良い。
【0037】
図11は、呼び登録装置11の他の動作例を示すフローチャートである。呼び登録装置11では、釦制御部18が入力装置13の機能を無効にする。即ち、釦制御部18は、上釦13a及び下釦13bからの情報入力機能を無効にする(S401)。このため、乗客は、S401において、呼びを登録するための情報を上釦13a及び下釦13bから入力することはできない。
【0038】
呼び登録装置11では、測定器14によって体温が測定されたか否かが判定される(S402)。S402でNoと判定されると、入力装置13の機能は無効のままである。
【0039】
図10に示す例においても、表示制御部16は、S401において「検温します。手をかざしてください。」とのメッセージと、手をかざす位置を示す手形のマーク12aとを表示器12に表示しても良い。乗客が表示器12に表示されたマーク12aに手をかざすと、測定器14によって体温が測定される(S402のYes)。S402でYesと判定されると、釦制御部18は入力装置13の機能を有効にする。即ち、釦制御部18は、測定器14によって体温が測定されることにより、上釦13a及び下釦13bからの情報入力機能を有効にする(S403)。
【0040】
入力装置13の機能が有効になると、上釦13a或いは下釦13bが押されたか否かが判定される(S404)。上釦13a或いは下釦13bの一方が押されると、釦制御部18は入力装置13の機能を無効にする。即ち、釦制御部18は、上釦13a及び下釦13bからの情報入力機能を再び無効にする(S405)。
【0041】
また、上釦13a或いは下釦13bが押されると、通信部17は、呼びの登録要求を群管理装置2に送信する(S406)。当該登録要求には、上釦13a或いは下釦13bの一方が押されることによって入力された押下情報(入力情報)と測定器14によって測定された乗客の体温の情報とが含まれる。
【0042】
一方、S404でNoと判定されると、呼び登録装置11では、S403で入力装置13の機能が有効になってから一定時間が経過したか否かが判定される(S407)。当該一定時間は予め設定される。釦制御部18は、S403で入力装置13の機能を有効にしてから一定時間が経過すると、上釦13a及び下釦13bからの情報入力機能を再び無効にする(S401)。
【0043】
群管理装置2では、
図6に示す動作と同様の動作が行われる。なお、S202での呼びの登録は、上釦13a或いは下釦13bの一方が押されたことによる入力情報に基づいて行われる。S203での割当かごの決定は、測定器14によって測定された乗客の体温と上記入力情報とに基づいて行われる。例えば、割当部23は、測定器14によって測定された体温が基準値T
thより高い乗客と基準値T
thより低い乗客とが同じかご4に乗ることがないように割当かごを決定する。
【0044】
図11のS408及びS409に示す処理は、
図3のS109及びS110に示す処理と同様である。制御装置6では、
図9に示す動作と同様の動作が行われる。
【0045】
なお、
図10に示す例において、入力装置13が備える複数の釦の操作方法は、如何なる方法であっても構わない。例えば、入力装置13は、機械式の釦を備えても良い。入力装置13は、静電容量式の釦を備えても良い。入力装置13は、非接触式の釦を備えても良い。
【0046】
本実施の形態において、符号16及び17に示す各部は、呼び登録装置11が有する機能を示す。
図12は、呼び登録装置11のハードウェア資源の例を示す図である。呼び登録装置11は、ハードウェア資源として、プロセッサ31とメモリ32とを含む処理回路30を備える。呼び登録装置11は、メモリ32に記憶されたプログラムをプロセッサ31によって実行することにより、符号16及び17に示す各部の機能を実現する。メモリ32として、半導体メモリ等が採用できる。
【0047】
図13は、呼び登録装置11のハードウェア資源の他の例を示す図である。
図13に示す例では、呼び登録装置11は、プロセッサ31、メモリ32、及び専用ハードウェア33を含む処理回路30を備える。
図13は、呼び登録装置11が有する機能の一部を専用ハードウェア33によって実現する例を示す。呼び登録装置11が有する機能の全部を専用ハードウェア33によって実現しても良い。専用ハードウェア33として、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらの組み合わせを採用できる。
【0048】
なお、群管理装置2のハードウェア資源は、
図12或いは
図13に示す例と同様である。群管理装置2は、ハードウェア資源として、プロセッサとメモリとを含む処理回路を備える。群管理装置2は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサによって実行することにより、符号22~24に示す各部の機能を実現する。記憶部21の機能はメモリによって実現される。群管理装置2は、ハードウェア資源として、プロセッサ、メモリ、及び専用ハードウェアを含む処理回路を備えても良い。群管理装置2が有する機能の一部或いは全部を専用ハードウェアによって実現しても良い。
【0049】
制御装置6のハードウェア資源は、
図12或いは
図13に示す例と同様である。制御装置6は、ハードウェア資源として、プロセッサとメモリとを含む処理回路を備える。制御装置6は、メモリに記憶されたプログラムをプロセッサによって実行することにより、上述した各種機能を実現する。制御装置6は、ハードウェア資源として、プロセッサ、メモリ、及び専用ハードウェアを含む処理回路を備えても良い。制御装置6が有する機能の一部或いは全部を専用ハードウェアによって実現しても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 エレベーターシステム、 2 群管理装置、 3 エレベーター装置、 4 かご、 5 駆動装置、 6 制御装置、 7 ドア、 8 モータ、 9 換気装置、 10 乗場、 11 呼び登録装置、 12 表示器、 12a マーク、 12b 行先釦、 13 入力装置、 13a 上釦、 13b 下釦、 14 測定器、 16 表示制御部、 17 通信部、 18 釦制御部、 21 記憶部、 22 登録部、 23 割当部、 24 通信部、 30 処理回路、 31 プロセッサ、 32 メモリ、 33 専用ハードウェア