(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126485
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】解体機能付き包装用箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/36 20060101AFI20220823BHJP
B65D 5/02 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
B65D5/36 B
B65D5/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021024589
(22)【出願日】2021-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】390008707
【氏名又は名称】丸金印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】大谷 英雄
(72)【発明者】
【氏名】山本 友和
(72)【発明者】
【氏名】田澤 純子
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BB03
3E060BC04
3E060CE07
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE22
3E060CF05
3E060DA30
3E060EA20
(57)【要約】
【課題】使用済みになった箱をワンタッチで簡単に扁平状に押し潰せるようにする。
【解決手段】この箱Cは、正面板13、背面板11の底蓋15側の端部に、底蓋15側の両角部に向けて略ハの字形に延びる、2本の罫線からなり、2本の罫線の間を押圧部130として押下案内する解体機能部D1を備え、正面板13、背面板11の各押圧部130を一方の手の2本の指先で押して押下することにより、底蓋15、左右の各側面板14、12がそれぞれ外側に向けて膨出案内され、箱Cが扁平状に圧潰されて折り畳まれるようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱の周面をなす4側面板と、前記箱の底面をなす底蓋と、前記箱の天面をなす天蓋とにより構成され、前記底蓋、前記天蓋はそれぞれ、前記4側面板のうち相互に対向する一方の2側面板の両端縁部に連接される一対のフラップ、及び前記4側面板のうち相互に対向する他方の2側面板の両方又は一方の両端縁部に連接される蓋を有し、前記箱の底面開口、天面開口がそれぞれ前記底蓋、前記天蓋により閉じられる包装用箱において、
前記他方の2側面板の両方又は一方に、前記底蓋側の両角部に向けて略ハの字形又は略逆V字形に及び/又は前記天蓋側の両角部に向けて略逆ハの字形又は略V字形に延びる、2本の罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、前記2本の罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせの間を押圧部として押下案内する解体機能部を備え、
前記押圧部を押下することにより、前記底蓋及び/又は前記天蓋、前記一方の2側面板がそれぞれ外側に向けて膨出案内されて、箱が扁平状に圧潰され又は折り畳まれる、
ことを特徴とする解体機能付き包装用箱。
【請求項2】
押圧部の幅狭となる先端側に指先を置くための凹部を有する請求項1に記載の解体機能付き包装用箱。
【請求項3】
底蓋側及び/又は天蓋側の各フラップの幅方向中間に、当該各フラップの長さ方向に直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、押圧部の押下により、前記各フラップを外側に向けて折り曲げ案内する解体機能部を備える請求項1又は2に記載の解体機能付き包装用箱。
【請求項4】
底蓋側及び/又は天蓋側の各フラップの先端縁の幅方向中間に略V字形の溝を備え、各フラップの各解体機能部は前記溝に向けて延びる請求項1乃至3のいずれかに記載の解体機能付き包装用箱。
【請求項5】
底蓋側及び/又は天蓋側の蓋は外蓋と内蓋とにより構成され、前記外蓋は長さ方向中間部に、幅方向に直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、押圧部の押下により、前記外蓋を外側に向けて折り曲げ案内な解体機能部を備え、前記内蓋は略T字形に形成されて、前記外蓋の解体機能部の位置に対応する位置で蓋幅を小さくし、前記押圧部の押下により、前記内蓋を外側に向けて折り曲げ案内可能な解体機能部を備える請求項1乃至4のいずれかに記載の解体機能付き包装用箱。
【請求項6】
底蓋側及び/又は天蓋側の蓋は外蓋と内蓋とにより構成され、前記外蓋は長さ方向中間部に、幅方向に直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、押圧部の押下により、前記外蓋を外側に向けて折り曲げ案内な解体機能部を備え、前記内蓋は長さ方向中間部で前記外蓋の解体機能部の位置に対応する位置に、幅方向に直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、前記押圧部の押下により、前記内蓋を外側に向けて折り曲げ案内な解体機能部を備える請求項1乃至4のいずれかに記載の解体機能付き包装用箱。
【請求項7】
底蓋側及び/又は天蓋側の蓋は一つの蓋で構成され、当該一つの蓋は長さ方向中間部に、幅方向に直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、押圧部の押下により、前記一つの蓋を外側に向けて折り曲げ案内な解体機能部を備える請求項1乃至4のいずれかに記載の解体機能付き包装用箱。
【請求項8】
一方の2側面板の幅方向中間に、当該2側面板の長さ方向に向けて直線的に延びる、罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、押圧部の押下により、前記一方の2側面板を外側に向けて折り曲げ案内する解体機能部を備える請求項1乃至7のいずれかに記載の解体機能付き包装用箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品などの物品を収納するのに使用する解体機能付き包装用箱に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、医薬品などを収納する包装用箱は、特許文献1に記載されているように、一枚の板紙から一体的に打ち抜かれて形成される一枚のブランクシートにより組み立てられ、箱の正面、背面及び左右両側面をなす4側面板と、箱の底面をなす底蓋と、箱の天面をなす天蓋とにより構成される。この箱の場合、底蓋、天蓋は共に、箱の4側面板のうち相互に対向する2側面板の端縁部から延びる一対のフラップ、及びこの2側面板の間の一方の側面板の端縁部から延びる先端に差し込み片を有する蓋からなる。
【0003】
医薬品は箱の天面開口又は底面開口から入れて収納され、箱の天面開口は天蓋により、底面開口は底蓋により、それぞれ、一対のフラップ、蓋が順次閉じられ、蓋の差し込み片が箱の正面板内面の天面側、底面側の端部に糊付けされて封止される。なお、蓋は糊付けに代えて封緘テープで封止されることもある。医薬品を使用するときは、天蓋を切り開いて開封し、箱の中から医薬品を取り出す。
【0004】
そして、箱の中の医薬品をすべて取り出し、使用済みになった箱はそのままの状態で廃棄されるか、又は天蓋、底蓋がそれぞれ箱の外に引き出されて、箱全体を扁平に畳んで廃棄されることになる。
【0005】
ところで、病院の薬局や調剤薬局では、使用済みの薬の箱が大量に廃棄される。箱を廃棄する際は、潰したり折り畳んだりしにくい箱は潰されることなくゴミ箱に捨てられる。このため、ゴミ箱内で箱の嵩が増し、廃棄するのに手間がかかって作業効率が悪い。
【0006】
そもそも、従来のこの種の包装用箱は、特に解体機能部なるものがないために、箱が使用済みになると、箱をそのままの状態で廃棄されることが多い。また、例えば、医薬品を収納する包装用箱には、100錠の錠剤を収納する小型の箱、500錠の錠剤を収納する中型の箱、1000錠の錠剤を収納する大型の箱があり、特に、中型、大型の箱の場合、比較的大きな箱になるので、そのままの状態でゴミ箱などに廃棄すると、特に嵩張って邪魔になる。また、これらの箱が嵩張らないように箱を押し潰して平たくしようとすると、底蓋が閉じられたままでは、箱は潰れにくい。特に、中型、大型の箱など箱が大きくなる程潰れにくい。このため、使用済みになった箱を小さくしようとすると、底蓋を箱の外に引き出して、箱の角の折り目に沿って全体を扁平に折り畳む他なく、煩雑な作業を強いられる。
【0007】
そこで、本願出願人は、従前、特許文献2により、使用済みになったときに簡単に扁平状に押し潰せるようにした解体機能付き包装用箱を提案している。
【0008】
特許文献2の解体機能付き包装用箱は、左右の各側面板及び各フラップの幅方向中間に、直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、左右の各側面板を折り曲げ案内して箱全体を扁平状に折り畳み可能な解体機能部を備え、各フラップの先端縁の幅方向中間に略V字形の溝を形成されて、正面板から背面板に向けて加圧することにより、箱が扁平状に圧潰され又は折り畳まれるようになっている。
【0009】
このようにして使用済みになった箱を簡単に押し潰して扁平にすることができ、これにより、使用済みの箱の廃棄の作業効率を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009-91038号公報
【特許文献2】特許第6391864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、従来、医療機関や調剤薬局で取り扱われる医療用医薬品には、医薬品の名称、服用方法(用法,用量など)、効能、取扱い上の注意など医薬品に関する各種の情報が記載された添付文書が添付され、医薬品包装用の箱の中に同梱されてきた。この添付文書は例えばA3サイズなどの比較的大きな紙が使用されており、箱の中に入れるために、細長く折り畳まれる。このように折り畳まれた添付文書は比較的厚みのあるものとなる。そして、この添付文書は、細長く折り畳まれた状態で、箱の中に箱の一側面壁に沿って差し込まれ、収納される。このように従来の医薬品包装用の箱は、比較的厚みのある添付文書が同梱されるため、従来の医薬品包装用の箱は医薬品を収容するために必要な大きさよりも添付文書を入れる分だけ大きく形成される。
【0012】
しかしながら、この種の医療用医薬品の添付文書は2019年11月の改正薬機法により電子的な方法による提供が原則とされ、これを受けて、製薬業界では、医療用医薬品において、添付文書の製品への同梱を廃止する方針が示され、各製薬会社においては、添付文書を箱の中からなくす検討が進められている。
【0013】
したがって、今後は、医療用医薬品から添付文書がなくなるものとみられる。そうなると、医薬品包装用の箱は、医薬品を収容するために必要な大きさでよく、添付文書を入れるスペースが不要になった分だけコンパクトに形成されることになる。箱が小さくなれば、箱を潰す又は折り畳むときに、箱の潰される面又は折り畳まれる面もまた小さくなり、箱は潰れにくく又は折り畳みにくくなる。このため、今後の箱のコンパクト化に伴い、この箱が使用済みになった際にも、この使用済みの箱をより押し潰しやすく又は折り畳みやすくすることが好ましい。しかも、箱を片手で簡単に潰すことができれば、箱の廃棄効率は向上し、なお好ましい。
【0014】
そこで、本発明は、この種の包装用箱において、箱をより効率的に素早く押し潰せる又は折り畳めること、しかも片手でも潰せる又は折り畳めるようにすること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の解体機能付き包装用箱は、
箱の周面をなす4側面板と、前記箱の底面をなす底蓋と、前記箱の天面をなす天蓋とにより構成され、前記底蓋、前記天蓋はそれぞれ、前記4側面板のうち相互に対向する一方の2側面板の両端縁部に連接される一対のフラップ、及び前記4側面板のうち相互に対向する他方の2側面板の両方又は一方の両端縁部に連接される蓋を有し、前記箱の底面開口、天面開口がそれぞれ前記底蓋、前記天蓋により閉じられる包装用箱において、
前記他方の2側面板の両方又は一方に、前記底蓋側の両角部に向けて略ハの字形又は略逆V字形に及び/又は前記天蓋側の両角部に向けて略逆ハの字形又は略V字形に延びる、2本の罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、前記2本の罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせの間を押圧部として押下案内する解体機能部を備え、
前記押圧部を押下することにより、前記底蓋及び/又は前記天蓋、前記一方の2側面板がそれぞれ外側に向けて膨出案内されて、箱が扁平状に圧潰され又は折り畳まれる、
ことを要旨とする。
【0016】
また、この包装用箱は、次のような構成を備えることが好ましい。
(イ)押圧部の幅狭となる先端側に指先を置くための凹部を有する。
(ロ)底蓋側及び/又は天蓋側の各フラップの幅方向中間に、当該各フラップの長さ方向に直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、押圧部の押下により、前記各フラップを外側に向けて折り曲げ案内する解体機能部を備える。
(ハ)底蓋側及び/又は天蓋側の各フラップの先端縁の幅方向中間に略V字形の溝を備え、各フラップの各解体機能部は前記溝に向けて延びる。
(ニ)底蓋側及び/又は天蓋側の蓋は外蓋と内蓋とにより構成され、前記外蓋は長さ方向中間部に、幅方向に直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、押圧部の押下により、前記外蓋を外側に向けて折り曲げ案内な解体機能部を備え、前記内蓋は略T字形に形成されて、前記外蓋の解体機能部の位置に対応する位置で蓋幅を小さくし、前記押圧部の押下により、前記内蓋を外側に向けて折り曲げ案内可能な解体機能部を備える。
(ホ)上記(ニ)に代えて、底蓋側及び/又は天蓋側の蓋は外蓋と内蓋とにより構成され、前記外蓋は長さ方向中間部に、幅方向に直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、押圧部の押下により、前記外蓋を外側に向けて折り曲げ案内な解体機能部を備え、前記内蓋は長さ方向中間部で前記外蓋の解体機能部の位置に対応する位置に、幅方向に直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、前記押圧部の押下により、前記内蓋を外側に向けて折り曲げ案内な解体機能部を備える。
(ヘ)上記(ニ)、(ホ)に代えて、底蓋側及び/又は天蓋側の蓋は一つの蓋で構成され、当該一つの蓋は長さ方向中間部に、幅方向に直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、押圧部の押下により、前記一つの蓋を外側に向けて折り曲げ案内な解体機能部を備える。
(ト)一方の2側面板の幅方向中間に、当該2側面板の長さ方向に向けて直線的に延びる、罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、押圧部の押下により、前記一方の2側面板を外側に向けて折り曲げ案内する解体機能部を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明の解体機能付き包装用箱によれば、上記の構成により、押圧部を押下することにより、底蓋及び/又は天蓋、一方の2側面板がそれぞれ外側に向けて膨出案内されて、箱が扁平状に圧潰され又は折り畳まれるようにしたので、箱をより効率的に素早く押し潰す又は折り畳むことができ、しかも片手でも押し潰す又は折り畳むことができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る解体機能付き包装用箱の全体構成を示す図(斜視図)
【
図2】同箱の6面各部の構成を示す図((a)は平面図(b)は底面図(c)は正面図(d)は背面図(e)は左側面図(f)は右側面図)
【
図3】同箱の組み立て前のブランクシートの状態を示す図(展開図)
【
図4】同箱の使用例(特に箱の潰し方)を示す図(斜視図)
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
図1乃至
図3に本発明の一実施の形態に係る解体機能付き包装用箱を示している。
図1、
図2は解体機能付き包装用箱の全体構成を示し、
図3は解体機能付き包装用箱の組み立て前のブランクシートの状態を示している。なお、この解体機能付き包装用箱は、特に医薬品の包装に用いるもので、この場合、10ポケットを有する10枚又は14枚のPTPシートに収容された100錠又は140錠の錠剤を収納するタイプの箱になっている。
【0020】
図1、
図2に示すように、解体機能付き包装用箱C(以下、包装用箱C又は箱Cという場合がある。)は、所謂板紙と呼ばれる比較的厚さがあり直立性のある紙材により形成され、箱Cの周面をなす4側面板11-14と、箱Cの底面をなす底蓋15と、箱Cの天面をなす天蓋16とにより構成され、底蓋15、天蓋16はそれぞれ、4側面板11-14のうち相互に対向する一方の2側面板14、12の両端縁部に罫線L9,L12、L10,L13を介して連接される一対のフラップ153,154、163,164、及び4側面板11-14のうち相互に対向する他方の2側面板11、13の両方の両端縁部に罫線L5,L11、L7,L6を介して連接される蓋156,155、166,165を有し、箱Cの底面開口、天面開口がそれぞれ底蓋15、天蓋16により閉じられる。
【0021】
この箱Cの場合、全体が、縦に長い直方体状に構成され、他方の2側面板をなす背面板11、正面板13はそれぞれ、同じ大きさの縦長の長方形で、他方の2側面板をなす左右の側面板14、12はそれぞれ、背面板11、正面板13よりも幅が少し狭い同じ大きさの縦長の長方形になっている。なお、この箱Cの場合、4側面板11-14は、
図3に示すように、左から順に接続片111、背面板11、左側面板14、正面板13、右側面板12になっており、接続片111が右側面板12の内面で背面側の側縁部に糊を介して接続される。
【0022】
これら4側面板11-14のうち、背面板11、正面板13にこの箱Cに特有の解体機能部D1が付設され、左右の各側面板14、12にもまた、解体機能部D2が併せて付設される。これらの解体機能部D1、D2については後述する。
【0023】
この箱Cの場合、底蓋15は、4側面板11-14の下端縁部、この場合、左右の各側面板14、12の下端縁部から罫線L9、L12(なお、罫線L9、L12はミシン目線でもよい。)を介して連接される左右一対のフラップ153、154と、正面板13の下端縁部から罫線L11を介して連接される内蓋155と、背面板11の下端縁部から罫線L5を介して連接される外蓋156とからなる。この場合、左右一対のフラップ153、154はそれぞれ、箱Cの底面開口(の左右両端)を部分的に被覆可能に全体が略М字形に突出形成されて先端縁の幅方向中間、ここでは中央に略V字形の溝157が形成される(
図3参照)。内蓋155は正面板13の下端縁部に罫線L11を介して箱Cの底面開口の略全体近くを被覆可能に全体が略T字形に突出形成されて、後述する外蓋156の解体機能部D5の位置に対応する位置で蓋幅が小さくなっている(
図3参照)。外蓋156は背面板11の下端縁部に罫線L5を介して箱Cの底面開口の略全体を被覆可能に全体が略台形に突出形成される。このようにして箱Cの底面開口は各フラップ153、154、及び内蓋155、外蓋156により順次閉じられ、外蓋156が内蓋155に糊付けされて封止される。
【0024】
この底蓋15には、解体機能部D3、D4、D4-1、D5が併せて付設される。この解体機能部D3、D4、D4-1、D5については後述する。
【0025】
天蓋16は、底蓋15と同様に、4側面板11-14の上端縁部、この場合、左右の各側面板14、12の上端縁部から罫線L10、L13(なお、罫線L10、L13はミシン目線でもよい。)を介して連接される左右一対のフラップ163、164と、正面板13の上端縁部から罫線L6を介して連接される内蓋165と、背面板11の上端縁部から罫線L7を介して連接される外蓋166とからなる。この場合、左右一対のフラップ163、164はそれぞれ、箱Cの天面開口(の左右両端)を部分的に被覆可能に全体が略台形に突出形成される。内蓋165は正面板13の上端縁部に罫線L6を介して箱Cの天面開口の略全体を被覆可能に全体が略台形に突出形成される。外蓋166は背面板11の上端縁部に罫線L7を介して箱Cの天面開口の略全体を被覆可能に全体が略台形に突出形成される。このようにして箱Cの天面開口は各フラップ163、164、及び内蓋165、外蓋166により順次閉じられ、外蓋166が内蓋165に糊付けされて封止される。
【0026】
この天蓋16には、解体機能部D3が併せて付設される。この解体機能部D3については後述する。
【0027】
なお、この箱Cの正面板13の天面側の端部にはそれぞれ、開封用の切り取り線Kが形成される。この場合、天面側の開封用の切り取り線Kは、正面板13の天面側の端縁部中央にこの端縁部から底面側に向けて略長方形及び略台形の組み合わせからなる複合形状の溝形にかつこの溝形の両端からこの端縁部上を左右両側方に向けて左端、右端までミシン目線が付けられて形成される。また、このミシン目線内の面の中央に指先を置くための円形の凹部131がデボス加工により設けられる。
【0028】
この包装用箱Cは、底面開口が各フラップ153、154を介して内蓋155、外蓋156により閉じられ、外蓋156が内蓋155に糊付けされて封止され、天面開口が各フラップ163、164を介して内蓋165、外蓋166により閉じられ、外蓋166が内蓋165に糊付けされて封止される。なお、外蓋166は糊付けに代えて封緘テープで封止されることもある。このようにして天蓋16が正面板13の天面側に形成された開封用の切り取り線Kに沿って切り離されることによって天蓋16が開封されるようになっている。
【0029】
そして、この包装用箱Cにおいては、特に、他方の2側面板をなす正面板13、背面板11の両方に、底蓋15側の両角部に向けて略ハの字形又は略逆V字形に延びる、2本の罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、2本の罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせの間を押圧部130として押下案内する解体機能部D1を備える。
【0030】
また、この包装用箱Cの場合、一方の2側面板をなす左右の各側面板14、12の幅方向中間に、各側面板14、12の長さ方向に向けて直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、各側面板14、12を折り曲げ案内して箱C全体を扁平状に折り畳み可能な解体機能部D2を、底面側、天面側の各フラップ153,163、154,164の幅方向中間で各側面板14、12の解体機能部D2に対応する位置に直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、各フラップ153,163、154,164を折り曲げ案内可能な解体機能部D3(
図3参照)を、それぞれ備える。
【0031】
さらに、この箱Cの場合、底蓋15側の内蓋155の奥行き方向中間部で各側面板14、12の解体機能部D2に対応する位置、言い換えれば、各フラップ153,154、163,164の解体機能部D3に重なる位置に直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなる解体機能部D4を、底蓋15側の外蓋156の奥行き方向中間部で各側面板14、12の解体機能部D2に対応する位置、言い換えれば、各フラップ153,154、163,164の解体機能部D3に重なる位置に直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなる解体機能部D5を、それぞれ、併せて備える。
【0032】
この場合、正面板13、背面板11の解体機能部D1はそれぞれ、底蓋15側の端部に、底蓋15側の両角部に向けて略ハの字形に延びる2本の罫線からなる。各罫線は押罫により折り溝が正面板13、背面板11の外面側から内面側に向けて付けられて連続的に形成される。ここで各罫線は、
図3のブランクシートで見た場合、底蓋15側の各角部と底蓋15側の左右の各フラップ153、154を台形又は四角形と見立てた場合の先端縁の略中央とを結ぶ直線の延長上にあり、各角部から正面板13、背面板11の幅の半分よりも少し短い長さまで延びる。各罫線の底蓋15側とは反対の先端間は一般成人男性の親指の幅程度の間隔がある。なお、各罫線は連続的に形成されるものとしたが、断続的に形成されてもよい。また、ここでは罫線としたが、切り込み又は罫線と切り込みとの組み合わせであってもよい。
【0033】
正面板13、背面板11の各押圧部130には各罫線が幅狭となる先端側に指先を置くための凹部132が設けられる。この場合、各凹部132は各罫線の先端延長上の仮想直線が交差する位置に近接して各仮想直線に内接する円形に形成される。なお、各凹部132はデボス加工により形成される。
【0034】
この場合、左右の各側面板14、12の解体機能部D2は、各側面板14、12の幅方向略中央に各側面板14、12の長さ方向に向けて直線的に延びる罫線からなる。これらの解体機能部D2は各フラップ153,163、154,164側の端部が各側面板14、12の端縁部まで延びる。この場合、罫線は押罫により折り溝が側面板14、12の外面側から内面側に向けて付けられて形成される。また、この場合、罫線は連続的に形成される。なお、この罫線は連続的に形成されるものとしたが、断続的に形成されてもよい。また、ここでは罫線としたが、切り込み又は罫線と切り込みとの組み合わせであってもよい。
【0035】
この場合、底蓋15をなす左右の各フラップ153、154の解体機能部D3は、各フラップ153、154の幅方向略中央に各フラップ153、154の長さ方向に向けて直線的に延びる切り込みからなる。また、この場合、各フラップ153、154の切り込みは各フラップ153、154の各側面板14、12側の端部に近接する位置から先端縁中央の略V字形の溝157に向けてその溝157付近まで連続的に延びる。なお、この切り込みは断続的でもよい。また、ここでは切り込みとしたが、罫線又は罫線と切り込みとの組み合わせであってもよい。
【0036】
この場合、底蓋15をなす内蓋155は、全体が略T字形に形成されて、後述する外蓋156の解体機能部D5の位置に対応する位置で蓋幅を小さくしたことで、この内蓋155が蓋幅の広い部分と狭い部分との間で折り曲げやすくなり、この蓋幅の広い部分と狭い部分の境界が内蓋155を折り曲げ案内可能な、罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなる解体機能部D1-D3とは異質の解体機能部D4になっている(
図3参照)。そして、この内蓋155では、蓋幅の広い部分と狭い部分との間(境界)にさらに解体機能部D4-1として罫線が付けられる(
図3参照)。この場合、罫線は押罫により折り溝が内蓋155の外面側から内面側に向けて付けられて形成される。なお、ここでは、罫線としたが、切り込み又は罫線と切り込みとの組み合わせであってもよい。また、この内蓋155の場合、解体機能部D4があれば、罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなる解体機能部D4-1はなくてもよい。
【0037】
この場合、底蓋15をなす外蓋156の解体機能部D5はこの蓋156の奥行き方向略中央の両端に分割して直線的に延びる短い切り込みからなる。なお、ここでは、切り込みとしたが、罫線又は罫線と切り込みとの組み合わせであってもよい。
【0038】
この場合、天蓋16をなす左右の各フラップ163、164の解体機能部D3は、各フラップ163、164の幅方向略中央に各フラップ163、164の長さ方向に向けて直線的に延びる切り込みからなる(
図3参照)。この場合、各フラップ163、164の切り込みは各フラップ163、164の各側面板14、12側の端部に近接する位置から先端縁付近まで断続的に延びる。なお、この切り込みは連続的であってもよい。また、ここでは切り込みとしたが、罫線又は罫線と切り込みとの組み合わせであってもよい。
【0039】
この場合、天蓋16をなす内蓋165、外蓋166には、
図2、
図3に示すように、解体機能部、つまり、罫線などは設けられていない。箱Cは天蓋16の開封により開閉自在になっているので、内蓋165、外蓋166を折り曲げ案内する必要がない。
【0040】
このようにしてこの箱Cは、正面板13、背面板11の各押圧部130を押下することにより、底蓋15及び天蓋16、一方の2側面板である左右の側面板14、12がそれぞれ外側に向けて膨出案内されて、箱Cが扁平状に圧潰され又は折り畳まれるようになっている。
【0041】
なお、この箱Cは、
図3に示すように、全体が一枚の板紙から一体的に打ち抜かれて形成される一枚のブランクシートPからなる。このブランクシートPは、箱Cに組み立てる前の展開された状態であり、組み立て時に箱Cの背面板11をなす背面板部P11と、背面板部P11の左側縁部に罫線L4を介して連続して設けられ、組み立て時に箱Cの右側面板12の内面に固定される接続片111をなす接続片部P111と、背面板部P11の右側縁部に罫線L1を介して連続して設けられ、組み立て時に箱Cの左側面板14をなす左側面板部P14と、左側面板部P14の右側縁部に罫線L2を介して連続して設けられ、組み立て時に箱Cの正面板13をなす正面板部P13と、正面板部P13の右側縁部に罫線L3を介して連続して設けられ、組み立て時に箱Cの右側面板12をなす右側面板部P12と、背面板部P11の下端縁部に罫線L5を介して連続して設けられ、組み立て時に底蓋15の外蓋156をなす外蓋部P156と、背面板部P11の上端縁部に罫線L7を介して連続して設けられ、組み立て時に天蓋16の外蓋166をなす外蓋部P166と、左側面板部P14の下端縁部に罫線L9を介して連続して設けられ、組み立て時に底蓋15の左のフラップ153をなす左のフラップ部P153と、左側面板部P14の上端縁部に罫線L10を介して連続して設けられ、組み立て時に天蓋16の左のフラップ163をなす左のフラップ部P163と、正面板部P13の下端縁部に罫線L11を介して連続して設けられ、組み立て時に底蓋15の内蓋155をなす内蓋部P155と、正面板部P13の上端縁部に罫線L6を介して連続して設けられ、組み立て時に天蓋16の内蓋165をなす内蓋部P165と、右側面板部P12の下端縁部に罫線L12を介して連続して設けられ、組み立て時に底蓋15の右のフラップ154をなす右のフラップ部P154と、右側面板部P12の上端縁部に罫線L13を介して連続して設けられ、組み立て時に天蓋16の右のフラップ164をなす右のフラップ部P164と、を備える。このブランクシートPの各部の大きさや形状、開封用の切り取り線K、凹部131の位置と形状、解体機能部D1-D5、押圧部130、凹部132の位置と形状などは既述のとおりである。
【0042】
ブランクシートPはかかる構成からなり、このブランクシートPから、背面板部P11の左側部に設けられた接続片部P111が右側面板部P12内面の背面側の側縁部に糊を介して結合され、底面開口は左右の各フラップ部P153、P154を介して内蓋部P155、外蓋部P156により閉じられ、外蓋部156が内蓋155に糊付けされて封止され、天面開口は左右の各フラップ部P163、P164を介して内蓋部P165、外蓋部P166により閉じられ、外蓋部166が内蓋165に糊付けされて封止されて又は外蓋部P166と正面板部P13との間に封緘テープを貼着されて封止され、箱Cが組み立てられる。
【0043】
また、この箱Cの組み立てとともに医薬品が箱C内に収納される。この場合の手順はさまざまで、箱Cの4側面11-14が組み立て結合された後、箱Cの天面開口又は底面開口から医薬品が箱C内に収納されてから、天面、底面双方の開口が略同時に封止される場合、箱Cの4側面11-14が組み立て結合され、天面開口又は底面開口の一方が先に封止されてから、医薬品が箱C内に収納された後、他方が封止される場合など、機械包装か手包装かなどによって異なる。このようにして箱Cに医薬品、この場合、PTPシートに収容された錠剤が収納される。
【0044】
医薬品を使用する際は、天蓋16を切り開いて開封し、箱Cの中から医薬品を取り出す。この場合、箱Cの正面板13上部の開封用の切り取り線K内の凹部131に例えば親指の指先を押し当てて、この切り取り線K内を押し破り、そのまま天蓋16を引き上げれば、箱Cの天面開口が開き、開封される。これにより、天面開口から医薬品を取り出すことができる。そして、箱Cの中の医薬品をすべて取り出し、使用済みになった箱Cは、箱Cの各部に付設された解体機能部D1-D5により、箱C全体が扁平に潰されて又は折り畳まれて廃棄されることになる。
【0045】
図4にこの箱Cの解体機能部D1-D5の使用例、すなわち、箱Cの解体方法を示している。この箱Cを解体する場合、まず
図1を参照すると、箱Cを一方の手で持ち、正面板13、背面板11の各押圧部130の凹部132の一方に親指の指先を当て、他方に人差し指又は中指の指先を当て、各押圧部130を押して押下すればよい。
【0046】
このようにして箱Cの正面板13、背面板11の各押圧部130を押し合わせる(つまり、各押圧部130を相互に接近若しくは接触させる)と、
図4に示すように、特に正面板13、背面板11の底蓋15側の端縁部及び左右の各側縁部が各押圧部130の押下方向に引張られて、底蓋15(すなわち、左右のフラップ153、154、内蓋155、外蓋156)、左右の両側面板14、12がそれぞれ、外側に向けて膨出され、それぞれの各解体機能部D2-D5の折り曲げ案内により、底蓋15(左右のフラップ153、154、内蓋155、外蓋156)、左右の各側面板14、12が、解体機能部D3(切り込み)、解体機能部D4、D4-1(罫線)、解体機能部D5(切り込み)、解体機能部D2(罫線)を突出端として外側に突き出され、略扁平状に潰され折り畳まれる。また、このとき、底蓋15をなす各フラップ153、154は、その先端縁の略V字形の溝157により、相互に糊付けされて接合された内蓋155と外蓋156の内側から外側に向けて抜けやすくなっており、これら底蓋15側の各フラップ153,154は解体機能部D3(切り込み)を突出端として底蓋15の内側から外側に円滑に飛び出して、略扁平状に押し潰され折り畳まれる。なお、箱Cの紙材のクセによって、底蓋15の各フラップ153、154が、箱C9の中に折り込まれる場合もある。また、このとき、左右の各側面板14、12が解体機能部D2を突出端として外側に突き出されることに連動して、天蓋16をなす左右の各フラップ163、164もまた、解体機能部D3(切り込み)を突出端として外側に突き出されて、略扁平状に潰され折り畳まれる。なお、天蓋16をなす外蓋166は内蓋165とともに開封されているので、共に、各押圧部130の押下により、4側面板11-14の外側に飛び出される。かくして、使用済みの箱Cを扁平状に小さくして廃棄することができる。
【0047】
以上説明したように、この解体機能付き包装用箱Cによれば、正面板13、背面板11の底蓋15側の端部に、底蓋15側の両角部に向けて略ハの字形に延びる、2本の罫線(又は切り込み又はこれらの組み合わせ)からなり、2本の罫線(又は切り込み又はこれらの組み合わせ)の間を押圧部130として押下案内する解体機能部D1を備え、正面板13、背面板11の各押圧部130を一方の手の2本の指先で押して押下することにより、底蓋15、左右の各側面板14、12がそれぞれ外側に向けて膨出案内されて、箱Cが扁平状に圧潰されて折り畳まれるようにしたので、箱Cをより効率的に素早く押し潰し折り畳むことができ、しかも片手で小さな力(押す力)でもワンタッチで簡単に押し潰し折り畳むことができる。したがって、医療従事者による使用済みの箱Cの廃棄の作業を著しく高めることができる。
【0048】
この箱Cの場合、正面板13、背面板11の各押圧部130の幅狭となる先端側に指先を置くための凹部132を有するので、正面板13、背面板11の各押圧部130の有効な押し位置を示すことができ、また、指先が各押圧部130にフィットして各押圧部130を押しやすくすることができる。
【0049】
この箱Cの場合、底蓋15側及び天蓋16側の各フラップ153,154、163,164の幅方向中間に、各フラップ153,154、163,164の長さ方向に直線的に延びる切り込み(又は罫線又はこれらの組み合わせ)からなり、正面板13、背面板11の各押圧部130の押下により、各フラップ153,154、163,164を外側に向けて折り曲げ案内する解体機能部D3を備えるので、正面板13、背面板11の各押圧部130を押下するだけで、しかも小さい力でも、各フラップ153,154、163,164を内蓋155、165、外蓋156、166の内側から外側に突出させて、箱Cを押し潰し折り畳むことができる。
【0050】
この箱Cの場合、特に、底蓋15側の各フラップ153、154の先端縁の幅方向中間に略V字形の溝157を備え、各フラップ153、154の各解体機能部D3は各溝157に向けて延びるようにしたので、正面板13、背面板11の各押圧部130の押下により、各フラップ153、154が内蓋155、外蓋156の内側から外側に飛び出しやすくなって、各フラップ153、154をさらに簡単に扁平状に押し潰し折り畳むことができる。
【0051】
この箱Cの場合、底蓋15側及び天蓋16側の蓋はそれぞれ、外蓋156、166と内蓋155、165とにより構成され、特に、底蓋15側の外蓋156は長さ方向中間部に、幅方向に直線的に延びる切り込み(又は罫線又はこれらの組み合わせ)からなり、正面板13、背面板11の各押圧部130の押下により、外蓋156を外側に向けて折り曲げ案内な解体機能部D5を備え、内蓋155は略T字形に形成されて、外蓋156の解体機能部D5の位置に対応する位置で蓋幅を小さくし、正面板13、背面板11の各押圧部130の押下により、内蓋155を外側に向けて折り曲げ案内可能な解体機能部D4を備えるので、これらの蓋155、156が共に折れ曲がりやすくなって、使用済みになった箱Cを一層簡単に扁平状に押し潰し折り畳むことができる。また、この場合、外蓋156の解体機能部D5は外蓋156の奥行き方向中間部の両端に分割して短く形成されるので、この蓋156の表面に医薬品の各種情報を印刷により表示する場合に、解体機能部D5が邪魔になることがない。
【0052】
この箱Cの場合、左右の各側面板14、12の幅方向中間に、各側面板14、12の長さ方向に向けて直線的に延びる、罫線(又は切り込み又はこれらの組み合わせ)からなり、正面板13、背面板11の各押圧部130の押下により、左右の各側面板14、12を外側に向けて折り曲げ案内する解体機能部D2を備えるので、これらの側面板14、12が共に折れ曲がりやすくなって、(底蓋15の解体機能部D3-D5と同様に作用して、)使用済みになった箱Cを一層簡単に扁平状に押し潰し又は折り畳むことができる。
【0053】
この箱Cの場合、底蓋15、天蓋16の各部、左右の各側面板14、12の各解体機能部D2-D5は各部において相互に対応する中央位置に連続的に形成されるので、正面板13、背面板11の各押圧部130の押下により、各解体機能部D2-D5が連動して、底蓋15、天蓋16、左右の各側面板14、12の各部を中央で折り曲げて外側に向けて突出させ、箱C全体をきれいに押し潰し折り畳むことができる。
【0054】
なお、この実施の形態での各部は次のように変更可能である。
【0055】
この実施の形態では、他方の2側面板をなす正面板13、背面板11に、底蓋15側の両角部に向けて略ハの字形に延びる、2本の罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、2本の罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせの間を押圧部130として押下案内する解体機能部D1を備えるものとしたが、正面板、背面板に、底蓋側の両角部に向けて略逆V字形に延びる、2本の罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、2本の罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせの間を押圧部として押下案内する解体機能部を備えるものとしてもよく、さらに、正面板、背面板に、天蓋側の両角部に向けて略逆ハの字形又は略V字形に延びる、2本の罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、2本の罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせの間を押圧部として押下案内する解体機能部を備えるものとしてもよい。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0056】
この実施の形態では、箱の周面をなす4側面板11-14のうち相互に対向する他方の2側面板の両方、すなわち、正面板13及び背面板11の両方の両端縁部に外蓋156,166、内蓋155,165を有し、箱Cの底面開口、天面開口がそれぞれ内蓋155,165、外蓋156,166により閉じられるものとしたが、他方の2側面板の一方、すなわち、正面板13又は背面板11の一方の両端縁部に連接される蓋を有し、箱の底面開口、天面開口がそれぞれ一つの蓋で閉じられるものであってもよい。この場合、各蓋は例えば先端に差し込み片を有するもので、このような蓋の場合でも、上記と同様に、罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、蓋を折り曲げ案内な解体機能部が設けられることで、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0057】
この実施の形態では、底蓋15側及び/又は天蓋16側の蓋は外蓋156、166と内蓋155、165とにより構成され、特に、底蓋15側の外蓋156は長さ方向中間部に、幅方向に直線的に延びる切り込み(又は罫線又はこれらの組み合わせ)からなり、正面板13、背面板11の各押圧部130の押下により、外蓋156を外側に向けて折り曲げ案内な解体機能部D5を備え、内蓋155は略T字形に形成されて、外蓋156の解体機能部D5の位置に対応する位置で蓋幅を小さくし、正面板13、背面板11の各押圧部130の押下により、内蓋155を外側に向けて折り曲げ案内可能な解体機能部D4を備えるものとした。これに代えて、底蓋側及び/又は天蓋側の蓋は外蓋と内蓋とにより構成され、外蓋は長さ方向中間部に、幅方向に直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、押圧部の押下により、外蓋を外側に向けて折り曲げ案内な解体機能部を備え、内蓋は長さ方向中間部で外蓋の解体機能部の位置に対応する位置に、幅方向に直線的に延びる罫線又は切り込み又はこれらの組み合わせからなり、押圧部の押下により、内蓋を外側に向けて折り曲げ案内な解体機能部を備えるものとしてもよい。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0058】
この実施の形態では、底蓋15側の左右一対のフラップ153、154がそれぞれ、箱Cの底面開口(の左右両端)を部分的に被覆可能に全体が略М字形に突出形成されて先端縁の幅方向中間、ここでは中央に略V字形の溝157が形成されるものとしたが、箱Cの底面開口(の左右両端)を部分的に被覆可能に全体が略台形又は略矩形に突出形成されて先端縁の幅方向中間、ここでは中央に略V字形の溝が形成されるようにしてもよい。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、天蓋側の左右一対のフラップはそれぞれ、箱の天面開口(の左右両端)を部分的に被覆可能に全体が略М字形に突出形成されて先端縁の幅方向中間(例えば中央)に略V字形の溝が形成されてもよく、また、箱の天面開口(の左右両端)を部分的に被覆可能に全体が略台形又は略矩形に突出形成されて先端縁の幅方向中間(例えば中央)に略V字形の溝が形成されてもよい。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0059】
近年、医薬品包装用の箱は、箱の4側面板、又は天蓋若しくは底蓋のいずれかに医薬品に関する各種の情報を表示するタグ(表示片)が設けられることが多くなっている。このタグは箱の4側面板、又は底蓋若しくは天蓋にジッパー線又はミシン目により囲まれて形成される。このタグは箱から切り取られ、医薬品の管理に使用される。このようなタグが箱の4側面板、又は底蓋若しくは天蓋に設けられる場合でも、各部に解体機能部を設けることができる。この場合、各部にタグが切り取り可能に設けられるため、解体機能部は各部のタグの両側に形成される。なお、タグが切り取られない場合もあるので、このタグにも解体機能部の一部が形成されてもよい。このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0060】
C 解体機能付き包装用箱
11 背面板
111 接続片
12 右側面板
13 正面板
130 押圧部
132 凹部
14 左側面板
15 底蓋
153 左のフラップ
154 右のフラップ
155 蓋(内蓋)
156 蓋(外蓋)
157 溝
16 天蓋
163 左のフラップ
164 右のフラップ
165 蓋(内蓋)
166 蓋(外蓋)
D1、D2、D3、D4、D4-1、D5 解体機能部
P ブランクシート
P11 背面板部
P111 接続片部
P12 右側面板部
P13 正面板部
P14 左側面板部
P153 左のフラップ部
P154 右のフラップ部
P155 内蓋部
P156 外蓋部
P163 左のフラップ部
P164 右のフラップ部
P165 内蓋部
P166 外蓋部
K 開封用の切り取り線
131 凹部
L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7 罫線
L9、L10、L11、L12、L13 罫線