(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126494
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】電動車両
(51)【国際特許分類】
B60K 1/00 20060101AFI20220823BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20220823BHJP
B60L 50/64 20190101ALI20220823BHJP
A01D 34/69 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
B60K1/00
B60L53/16
B60L50/64
A01D34/69
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021024600
(22)【出願日】2021-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】000125853
【氏名又は名称】株式会社 神崎高級工機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西澤 尚史
(72)【発明者】
【氏名】小倉 康平
(72)【発明者】
【氏名】荒田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】河野 大介
【テーマコード(参考)】
2B083
3D235
5H125
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA12
2B083BA18
2B083CA28
2B083DA03
2B083DA07
3D235AA11
3D235BB24
3D235BB25
3D235CC12
3D235CC13
3D235CC15
3D235DD13
3D235DD16
3D235DD32
3D235FF05
3D235FF37
3D235FF44
3D235HH08
3D235HH09
3D235HH61
5H125AA20
5H125AB01
5H125AC12
5H125AC24
5H125FF04
5H125FF12
(57)【要約】
【課題】電動車両において、インバータ及び電装品に雨水がかかることを防止し、かつ、使用時の外観の見栄えを向上すると共に、修理及びメンテナンスの作業性を高くすることである。
【解決手段】電動車両10は、機体フレーム16と、機体フレーム16上に配置される座席17と、機体フレーム16に取り付けられ、電動モータ70で駆動される車輪24と、電動モータ70に、インバータ及び電装品を介して電力を供給するバッテリ41と、上側が覆われたカバー空間Sに配置され、インバータ及び電装品が取り付けられる板部材50と、機体フレーム16に支持され、板部材50を、カバー空間S内の位置から、カバー空間Sの外側の位置に引き出し可能に案内する案内部とを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレームと、
前記機体フレーム上に配置される座席と、
前記機体フレームに取り付けられ、電動モータで駆動される車輪と、
前記電動モータに、インバータ及び電装品を介して電力を供給するバッテリと、
上側が覆われたカバー空間に配置され、前記インバータ及び前記電装品が取り付けられる板部材と、
前記機体フレームに支持され、前記板部材を、前記カバー空間内の位置から、前記カバー空間の外側の位置に引き出し可能に案内する案内部と、を備える、
電動車両。
【請求項2】
請求項1に記載の電動車両において、
前記板部材は、前記座席の下の前記カバー空間に配置される、
電動車両。
【請求項3】
請求項1に記載の電動車両において、
前記電装品は電装品ケース内に配置され、前記電装品ケースには、引き出し方向手前側の面に充電ポートが設けられ、前記電装品は前記バッテリに接続される、
電動車両。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の電動車両において、
前記バッテリは、前記板部材の後側に配置され、
前記板部材は、前記バッテリの前方方向へ引き出し可能に構成され、
前記電装品は、電装品ケース内に配置され、
前記電装品ケースは、後端部に、前記電装品と接続されたコネクタが設けられ、
前記コネクタは、前記バッテリに電線で接続されている、
電動車両。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の電動車両において、
前記インバータ及び前記電装品は、共通のケース内に配置された状態で、前記板部材の上に設置される、
電動車両。
【請求項6】
請求項1に記載の電動車両において、
前記バッテリは、前記座席の後側に配置され、
前記板部材は、前記バッテリと前記座席との間に配置され、
車体上側に引き出し可能に構成される、
電動車両。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電動車両において、
前記板部材は、引き出し方向と直交する方向の両端部に回転可能に設けられた第1ローラ及び第2ローラと、を含み、
前記案内部は、
前記引き出し方向に長尺であり、前記第1ローラを挟んだ両側位置に、互いに平行に設けられた2つの第1板部及び前記2つの第1板部を連結する第1連結部を有する第1案内要素と、前記引き出し方向に長尺であり、前記第2ローラを挟んだ両側位置に、互いに平行に設けられた2つの第2板部及び前記2つの第2板部を連結する第2連結部を有する第2案内要素と、を含む、電動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、芝刈り機を備える芝刈り車両等の車両において、車輪を電動モータで駆動し走行可能とし、芝刈り機を別の電動モータで駆動し作業可能とすることが知られている。特許文献1には、左右の車輪を左右の電動モータで駆動可能とする芝刈り車両(電動車両)が記載されている。この車両では、車体にボルトにより着脱可能な収納ボックスが設けられる。収納ボックスには、インバータ、コンバータ、メインリレー、各種のヒューズ等の電装品が収納されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動車両において、バッテリに電力を供給するために設けられるインバータ及び電装品が、車体である機体フレーム上に設置されている場合に、通常時にインバータ及び電装品が外部に露出していると、雨水や塵埃がかかることにより部品の劣化につながったり感電する可能性があると共に、使用時の外観の見栄えが低下する。一方、インバータ及び電装品等の部品に雨水がかかることを防止するために、車両の座席等で上側が覆われた空間に部品を配置している場合には、メンテナンスや修理を行うときに、部品の上側を覆う座席等を車体から取り外す必要がある。また、座席等を取り外した場合でも、部品の近くに他の部品が配置されるので、配置スペースが狭く、修理またはメンテナンスに手間を要し作業性を高くする面から改良の余地がある。
【0005】
特許文献1に記載の構成では、座席の下で車体に着脱可能に取り付けられた収納ボックスにインバータ等の電装品が収納されている。これにより、電装品に雨水がかかることは防止できる可能性があるが、修理またはメンテナンスを行うときには、座席を車体から分離した後、重量物の収納ボックスを車体から取り外す必要があり、作業性を高くする面から改良の余地がある。
【0006】
本発明の目的は、電動車両において、インバータ及び電装品に雨水がかかることを防止し、かつ、使用時の外観の見栄えを向上すると共に、修理及びメンテナンスの作業性を高くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電動車両は、機体フレームと、前記機体フレーム上に配置される座席と、前記機体フレームに取り付けられ、電動モータで駆動される車輪と、前記電動モータに、インバータ及び電装品を介して電力を供給するバッテリと、上側が覆われたカバー空間に配置され、前記インバータ及び前記電装品が取り付けられる板部材と、前記機体フレームに支持され、前記板部材を、前記カバー空間内の位置から、前記カバー空間の外側の位置に引き出し可能に案内する案内部と、を備える、電動車両である。
【0008】
本発明に係る電動車両によれば、通常時に上側が覆われたカバー空間内にインバータ及び電装品が配置されることで、インバータ及び電装品に雨水がかかることを防止できると共に、インバータ及び電装品が外部から見えにくくなるので使用時の外観の見栄えを向上できる。さらに、修理またはメンテナンスの作業時には、カバー空間の外側の位置の広い空間に、インバータ及び電装品が取り付けられた板部材を引き出すことができるので、修理及びメンテナンスの作業性を高くできる。さらに、引用文献1に記載された構成のように、インバータ及び電装品が収容された収納ボックスが、座席の下に設定した固定位置に対し着脱可能に装着される場合と異なり、電装品などのメンテナンス時に、座席を電動車両の取り付け位置から分離させる必要がなく、重量物の収納ボックスを車両から一旦取り外す必要がないので、修理及びメンテナンスの作業性をさらに高くできる。
【0009】
本発明に係る電動車両において、前記板部材は、前記座席の下の前記カバー空間に配置される構成としてもよい。
【0010】
上記構成によれば、座席の下のスペースを有効利用できると共に、インバータ及び電装品に雨水がかかることを防止するための専用の部品をなくすか、または少なくできる。
【0011】
本発明に係る電動車両において、前記電装品は電装品ケース内に配置され、前記電装品ケースには、引き出し方向手前側の面に充電ポートが設けられ、前記電装品はバッテリに接続される構成としてもよい。
【0012】
上記構成によれば、充電ポートが電装品ケースの内部で電装品に接続されることにより、板部材をカバー空間内から引き出すことなく、外部電源に接続された充電ケーブルを充電ポートに接続し、電装品を介してバッテリに充電することができる。
【0013】
本発明に係る電動車両において、前記バッテリは、前記板部材の後側に配置され、前記板部材は、前記バッテリの前方方向へ引き出し可能に構成され、前記電装品は、電装品ケース内に配置され、前記電装品ケースは、後端部に、前記電装品と接続されたコネクタが設けられ、前記コネクタは、前記バッテリに電線で接続されている構成としてもよい。
【0014】
上記構成によれば、バッテリ及び電装品を接続する電線を短くできると共に、電線の配置が容易になる。これにより、電線のコストを低減でき、かつ、バッテリ及び電装品の間でのノイズ及び電気抵抗を小さくできる。
【0015】
本発明に係る電動車両において、前記インバータ及び前記電装品は、共通のケース内に配置された状態で、前記板部材の上に設置される構成としてもよい。
【0016】
上記構成によれば、インバータ及び電装品の防水性及び防塵性を高くできる。
【0017】
本発明に係る電動車両において、前記バッテリは、前記座席の後側に配置され、前記板部材は、前記バッテリと前記座席との間に配置され、車体上側に引き出し可能に構成される構成としてもよい。
【0018】
上記構成によれば、座席の後側でバッテリの前側のスペースを有効利用できると共に、板部材側に、電装品及びバッテリを接続するためのコネクタを設ける場合に、コネクタとバッテリとを接続する電線を短くできる。これにより、電線のコストを低減でき、かつバッテリ及び電装品の間でのノイズ及び電気抵抗を小さくできる。
【0019】
本発明に係る電動車両において、前記板部材は、引き出し方向と直交する方向の両端部に回転可能に設けられた第1ローラ及び第2ローラと、を含み、前記案内部は、前記引き出し方向に長尺であり、前記第1ローラを挟んだ両側位置に、互いに平行に設けられた2つの第1板部及び前記2つの第1板部を連結する第1連結部を有する第1案内要素と、前記引き出し方向に長尺であり、前記第2ローラを挟んだ両側位置に、互いに平行に設けられた2つの第2板部及び前記2つの第2板部を連結する第2連結部を有する第2案内要素と、を含む構成としてもよい。
【0020】
上記構成によれば、板部材を、カバー空間内の位置から容易に引き出すことができるので、修理及びメンテナンスの作業性をさらに高くできる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る電動車両によれば、インバータ及び電装品に雨水がかかることを防止でき、かつ、使用時の外観の見栄えを向上できると共に、修理及びメンテナンスの作業性を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】本発明に係る実施形態の電動車両の斜視図である。
【
図2】
図1Aの電動車両において、一部を断面にして示す側面図である。
【
図5】
図1Aの電動車両において、蓋部を開けた状態を示す斜視図である。
【
図6】
図5から前側カバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図7】
図6から板部材を引き出した状態を示す斜視図である。
【
図9】
図8に示す電装品ケースを後側から見た斜視図であり、上端カバーの一部を透視して示す図である。
【
図10】
図7において、座席を取り外した状態を示している、
図7の前側部分の拡大対応図である。
【
図11】本発明に係る実施形態の別例の電動車両に搭載する板部材及びユニットケースを示す斜視図である。
【
図12】本発明に係る実施形態の別例の電動車両の後側部分において、一部を断面にして示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を詳細に説明する。以下では、電動車両が芝刈り車両である場合を説明するが、電動車両は、これに限定せず、除雪作業、掘削作業、土木作業、農作業のいずれか1つ以上の作業を行う作業機を有する他の作業車両、または荷台を有し、不整地を走行するオフロード型多用途車両(Utility Vehicle)、あるいはバギーと呼ばれるAll Terrain Vehicle(ATV)や、レクリエーショナルビークル(Recreational Vehicle(RV))や、レクリエーショナルオフハイウェイビークル(Recreational Off-highway Vehicle(ROV))としてもよい。また、以下では、車両が2つの後輪を2つのモータで駆動する場合を説明するが、2つの後輪を1つのモータで駆動する構成としてもよい。また、車両は2つの前輪を1つ、または2つのモータで駆動する構成としてもよい。また、以下では、左右2つの操作レバーを有する左右レバー式操作子を使用する場合を説明するが、これは例示であって、ステアリングハンドルを旋回指示具として使用し、座席の前側に設けられたアクセルペダルを加速指示具として使用してもよい。以下ではすべての図面において同様の要素には同一の符号を付して説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
図1Aから
図10は、第1の実施形態を示している。
図1Aは、実施形態の電動車両10の斜視図である。
図1Bは、
図1AのA部拡大図である。
図2は、電動車両10において、一部を断面にして示す側面図である。
図3は、
図2のB-B断面図であり、
図4は、
図3のC部拡大図である。以下で説明する図面では、前側をFrで示し、左側をLhで示している。
【0025】
電動車両10は、運転者が座席17に座って運転する乗用型であり、車体を構成する機体フレーム16と、左右2つの前輪であるキャスタ輪18,20と、左右2つの後輪である車輪22,24(
図3)と、作業機である芝刈り機25と、左右2つの操作レバー34,36とを備える。
【0026】
機体フレーム16は、
図1Aと後述の
図6に示すように、左右両側で略前後方向に延びる2つのメインフレーム16a、16bと、略横方向に延びる複数の横フレーム16cとが連結されることにより構成される。
図1、
図6では、複数の横フレーム16cのうち、前端に設けられた1つの横フレーム16cのみを示している。機体フレーム16の前後方向中間部の上側には座席17が配置されて固定される。左右のキャスタ輪18,20は、機体フレーム16の前側に支持される。各キャスタ輪18,20は、上下方向の軸を中心とする360度以上の自由操向を可能とする。左右の車輪22、24は、機体フレーム16の後側に回転可能に取り付けられる。左右の車輪22、24は、主駆動輪であり、後述する左右の走行用の電動モータ70(
図2)により駆動される。電動モータ70は、複数のバッテリ41から、電装品71(
図8)及びインバータ72を介して電力が供給される。電装品71は、例えば複数ずつのコンタクタ、バスバー及びヒューズを含む。本明細書では、電装品71とインバータ72とは区別して定義する。複数のバッテリ41は、互いに電気的に並列接続または直列接続される。例えば、複数のバッテリ41の一方側電極がヒューズを介して第1バスバーに接続され、第1バスバーが複数のコンタクタを介して第2バスバーに接続される。第2バスバーは、複数のインバータ72を介して左右の電動モータ70を含む複数の電動モータ70に接続される。
【0027】
複数のバッテリ41は、機体フレーム16の上側において、電動車両10の座席17後側に、バッテリカバー42で覆われた状態で固定されている。本例の場合、
図2に示すように、複数のバッテリ41は3つであり、2つのバッテリ41が上側で、1つのバッテリ41が下側に配置される。バッテリカバー42の内側で、上側及び下側のバッテリ41の間には、仕切り部(図示せず)が設けられる。上側の2つのバッテリ41は、それぞれの長手方向が左右方向に向くように、前後に並んで配置される。下側の1つのバッテリ41は、長手方向が前後方向に向くように、バッテリカバー42の左右方向中央部に配置される。これにより、左右の車輪22,24の内側の近傍に配置され、電動モータ70の動力を車輪22,24に伝達するためのギヤ部を収容したギヤケース73と、下のバッテリ41との干渉を防止でき、しかもその干渉を防止するために電動車両10の前後方向長さが過度に大きくなることを防止できる。
【0028】
インバータ72は、バッテリ41から供給される直流電力を交流電力に変換し電動モータ70側に出力する。電動モータ70は、1つのバッテリ41のみから、電装品71及びインバータ72を介して電力が供給されてもよい。
【0029】
キャスタ輪18,20は、2つ以外、例えば、1つのみを電動車両10に設けることもでき、3つ以上の複数個を設けることもできる。キャスタ輪と駆動輪である車輪とは、本例の構成と前後で逆にしてもよい。
【0030】
芝刈り機25は、機体フレーム16の前後方向中間部で下側に支持されている。芝刈り機25は、モアデッキ26と、モアデッキ26の内側にそれぞれ鉛直方向の軸を中心として回転可能な芝刈り用回転工具である図示しない3つの芝刈りブレードとを含む。芝刈ブレードが回転されることで芝等を破断して刈り取り可能とする。各芝刈りブレードは、モア用の電動モータ(図示せず)により駆動される。
【0031】
芝刈りブレードの回転により芝の刈り取りが可能であり、刈り取られた芝は、モアデッキ26の内側から車両の幅方向片側に排出される。
【0032】
芝刈り機は、芝刈り用回転工具として、地表に平行に回転軸を有するシリンダに例えばらせん状の刃を配置し、芝等を挟み取って刈り取る機能を有し、デッキモータにより駆動される芝刈りリールを備える構成としてもよい。
【0033】
左右2つの操作レバー34,36は、座席17の左右両側において、左右方向に向いた水平軸を中心に前後方向の揺動可能に設けられる。各操作レバー34,36が、直立した中立状態であれば走行用の電動モータ70は回転停止し、揺動するように操作されることにより、揺動方向と揺動量に応じて、対応する側の電動モータ70の回転方向と回転速度を変更させることが指示される。
【0034】
操作レバー34,36の前後方向の揺動位置が、レバーセンサ(図示せず)で検出される。レバーセンサの検出信号は、電動モータ70の回転指示を表す信号として、車両に搭載された制御装置(図示せず)に入力され、制御装置が電動モータ70をその指示に応じた回転方向に回転させる。各電動モータ70の動力は、ギヤ部等を介して左右の車輪22、24に伝達される。これにより、操作レバー34,36の操作に応じて、前側または後側に車両が走行し、左右の操作レバー34,36で操作量を変えることで、左右の車輪22,24に回転速度差が生じて車両が旋回する。さらに、2つの操作レバー34,36の一方の操作レバーを前側に、他方の操作レバーを後側にそれぞれ倒すことで、左右の車輪22,24が逆方向に回転し、旋回半径が小さくなることにより車両が急旋回する。
【0035】
上記のように電動車両10では、電動モータ70を駆動するために、バッテリ41から電装品71及びインバータ72を介して電動モータ70に電力が供給される。このとき、電装品71及びインバータ72に雨水や塵埃がかかることを防止すると共に、外観上の見栄えの低下を抑制するために、座席17の下に電装品71及びインバータ72を固定することが考えられる。しかしながら、座席の下に電装品及びインバータを単に配置しただけの構成では、電装品及びインバータについて修理またはメンテナンスの必要が生じたときに、座席を電動車両から分離する必要がある。また、座席を取り外した場合でも、電装品及びインバータの近くに他の部品が配置されるので、配置スペースが狭く、修理またはメンテナンスに手間を要し作業性を高くする面から改良の余地がある。本例の電動車両10は、このような不都合を防止するために、インバータ72及び電装品71を板部材50(
図2)上に取り付けると共に、その板部材50を上側が覆われた、座席17下空間であるカバー空間S(
図2)に配置する。さらに、電動車両10は、機体フレーム16に支持された案内部75(
図3)によって、板部材50を、カバー空間S内の位置からカバー空間Sの外側の位置に引き出し可能に案内される構成を備える。
【0036】
具体的には、電動車両10は、機体フレーム16の、前後方向に沿う左右のメインフレーム16a、16bの上側に掛け渡すように、座席17を固定するためのシートフレーム45が固定される。後述の
図10に示すように、シートフレーム45は、内側に開口46aを有する略逆U字形の前端板部46の上端に、後方に延びる略U字形の水平な上端板部47が連結される。上端板部47は、直接に、または座席17下側に設けられた後述の支持台48を介して、機体フレーム16に固定される。座席17は、上端板部47の上に、U字形の内側開口を塞ぐように固定される。上端板部47のU字形の内側開口は設けなくても構わない。この状態で、座席17の下には、上側が覆われたカバー空間S(
図2、
図3)が形成される。さらに、
図1Bに示すように、前端板部46には、開口46aを塞ぐように、上端のヒンジで開閉可能な蓋部49が設けられる。蓋部49の前面には掴み部49aが設けられる。これにより、修理またはメンテナンスを行う作業者が掴み部49aを指で掴んで蓋部49を容易に開けることができる。
【0037】
そして、カバー空間Sには、後述の
図8に詳しく示す平板状の本体板部51を有する板部材50が配置される。本体板部51の上面には、複数のインバータ72及び電装品71が着脱自在に取り付けられる。複数のインバータ72は、自身のケースにより防水性・防塵性を有しており、本体板部51の左右方向一方側に、前後方向に並んで配置される。電装品ケース77は、全ての電装品71を前後左右から囲い込む大きさの四角枠状のケース本体78と上端カバー79とで構成される。ケース本体78の下端周縁は本体板部51の左右方向他方側の上面に固定され、その上端開口を、板状の上端カバー79で着脱可能に塞ぐことにより電装品ケース77が形成される。電装品ケース77の内部には、複数の電装品71(
図9)としてのヒューズ、バスバー及びコンタクタ等が着脱自在に配置される。
図9では、電装品71の一部を示している。これにより、万が一にカバー空間Sに雨水が浸入しても電装品71に雨水がかかることを防止できる。板部材50を引き出した後、上端カバー79を外せばケース本体78内の電装品71にアクセスできる。また、カバー空間S内に位置するインバータ72及び電装品71は外部から見えにくくなるので使用時の外観の見栄えを向上できる。
【0038】
複数のバッテリ41は、板部材50の後側に配置される。板部材50は、バッテリ41の前方方向への引き出し可能に構成され、後述の案内部75(
図3)によりカバー空間S内の位置からカバー空間Sの外側の位置に引き出し可能に案内されている。これにより、後述のように、インバータ72及び電装品71についての修理及びメンテナンスの作業性を高くできる。
【0039】
図3に示すように、電装品ケース77の後端部である後端面には、複数のコネクタ80,81,82が突出して設けられる。複数のコネクタ80,81,82は、3つのバッテリ41に第1電線T1(
図2)を介して接続される複数の第1コネクタ80を有する。第1電線T1は、バッテリカバー42内と、バッテリカバー42の前側に固定された支持台48の内側とを通って、支持台48の前端に設けられた前端板部48a(
図10)に形成された開口48b(
図10)の内側を通じて電装品ケース77側に導出され、第1コネクタ80に接続される。これにより、第1コネクタ80は、バッテリ41に第1電線T1で接続される。第1コネクタ80は、電装品ケース77の内部で電装品71と接続される。このため、バッテリ41及び電装品71を接続する第1電線T1を短くできると共に、第1電線T1の配置が容易になる。これにより、第1電線T1のコストを低減でき、かつ、バッテリ41及び電装品71の間でのノイズ及び電気抵抗を小さくできる。
【0040】
さらに、複数のコネクタ80,81,82は、複数の電動モータ70にインバータ72と第2電線(図示せず)とを介して接続される複数の第2コネクタ81と、制御装置に第3電線(図示せず)を介して接続される第3コネクタ82とを有する。制御装置は、カバー空間S等、上側が覆われた空間に配置され、第3コネクタ82を介して、電装品ケース77内のコンタクタに接続され、コンタクタのオンオフを制御する。
【0041】
後述の
図10に示すように、電装品ケース77の引き出し方向手前側の面である前端面には、充電ポート83が突出して設けられる。充電ポート83は、外部電源としての商用交流電源に接続された充電器(図示せず)と充電ケーブル(図示せず)で接続するために設けられる。充電ポート83は、電装品ケース77の内部で、コンタクタ及びバスバーに接続された後、バッテリ41と接続された第1コネクタ80に接続される。制御装置によって、複数のコンタクタのオンオフ切り換え制御が行われることにより、商用交流電源からバッテリ41への充電と、バッテリ41から電動モータ70側への送電との切り換えが可能となる。これにより、後述のように板部材50をカバー空間S内から引き出すことなく、蓋部49を前方に開放するだけで充電ポート83へのアクセスが可能となり、商用交流電源に接続された充電ケーブルを充電ポート83に接続し、電装品71を介してバッテリ41に充電することができる。
【0042】
さらに、板部材50は、本体板部51の前端において上方に曲げられた前端板部52が形成され、板部材50をカバー空間Sから引き出す際に、作業者が前端板部52を指で掴んで容易に引き出すことができる。52aは前端板部52の前面に固定されたナットであり、蓋部49を閉じたときに掴み部49aと向かい合わせになるよう配置されている。掴み部49aの軸部には、その後端部を蓋部49の後面より後方に突出させネジ部を設けており、ナット52aにねじ込むことにより、蓋部49の閉じ状態が維持されると共に、板部材50がカバー空間S内で移動不能に保持される。
【0043】
次に、板部材50を引き出し可能に案内するための板部材50の構成と、案内部75とを説明する。後述の
図8に示すように、板部材50は、本体板部51の左右方向両端に下方に曲げられた端板部53,54を有する。
図4に示すように、左の端板部53の前後方向複数位置の外側には複数の軸部が突出しており、各軸部に第1ローラ55が回転可能に支持される。右の端板部54の前後方向複数位置の外側にも、左の端板部53と同様に複数の軸部が突出しており、各軸部に第2ローラ56(
図3)が回転可能に支持される。これにより、第1ローラ55及び第2ローラ56は、板部材50の、引き出し方向と直交する方向の両端部に回転可能に設けられる。
【0044】
一方、機体フレーム16の左右のメインフレーム16a、16bの車幅方向内側面には、板部材50をカバー空間S内の位置から、カバー空間Sの外側である、カバー空間Sより前方の位置まで引き出し可能に案内する案内部75が支持固定される。
【0045】
具体的には、案内部75は、複数の第1ローラ55の移動を案内する左側の第1案内要素84(
図6)と、複数の第2ローラ56の移動を案内する右側の第2案内要素87(
図6)とを有する。第1案内要素84は、前方である引き出し方向に長尺であり、
図3に示すように断面コの字レール形状をなし、複数の第1ローラ55を挟んだ両側位置に、互いに上下に分かれて平行に設けられた2つの第1板部85及び2つの第1板部85の車幅方向外端を連結する第1連結部86を有する。第2案内要素87は、前方である引き出し方向に長尺であり、複数の第2ローラ56を挟んだ両側位置に、互いに上下に分かれて平行に設けられた2つの第2板部88(
図8)及び2つの第2板部88の車幅方向外端を連結する第2連結部89(
図8)を有する。第1案内要素84は、第1連結部86が左のメインフレーム16aの車幅方向内側面に固定され、下の第1板部85上を第1ローラ55が走行する。第2案内要素87は、第2連結部89が右のメインフレーム16bの車幅方向内側面に固定され、下の第2板部88上を第2ローラ56が走行する。これにより、板部材50を、カバー空間S内の位置から脱落なく軽い力で容易に引き出すことができるので、後述のように修理及びメンテナンスの作業を行うときの作業性をさらに高くできる。
【0046】
後述の
図10に示すように、各案内要素84,87のカバー空間S内に配置される部分の上の第1板部85及び第2板部88の長手複数位置には、矩形の凹部91a,91bが形成される。これにより、板部材50の左右両端に取り付けられた各ローラ55,56と各案内要素84,87との干渉を防止しながら、各案内要素84,87の内側に、
図10の上方からローラ55,56を配置するように、板部材50を案内部75に組み付けることができる。
【0047】
後述の
図6に示すように、各案内要素84,87は、各メインフレーム16a、16bの前端近傍まで延びている。そして、電動車両10の前側には、2つのメインフレーム16a、16bと前端の横フレーム16cとの上面に載せるように、床カバー90が組付けられ、各案内要素84,87の前側部分が外部から見えないようにしている。床カバー90は、樹脂により形成することで、軽量化を図ることができる。これにより、作業者が後述のように床カバー90を取り外す作業を容易に行える。
【0048】
次に、
図5~
図10を用いて、インバータ72及び電装品71についての修理またはメンテナンスの作業を行うために、板部材をカバー空間Sから引き出す方法を説明する。
図5は、電動車両10において、蓋部49を開けた状態を示す斜視図である。まず、修理またはメンテナンスの作業時には、作業者は
図5のように掴み部49a(
図1B)を掴んで蓋部49を上側に開ける。
【0049】
図6は、
図5から床カバー90を取り外した状態を示す斜視図である。作業者は、
図5の状態から床カバー90を取り外し、各案内要素84,87の前側部分を外部に露出させる。
【0050】
図7は、
図6から板部材50を引き出した状態を示す斜視図である。
図8は、
図7のD部拡大図である。
図9は、電装品ケース77を後側から見た斜視図であり、上端カバー79の一部を透視して示す図である。
図10は、
図7において、座席17を取り外した状態を示している、
図7の前側部分の拡大対応図である。
図6の状態の後、作業者は、板部材50を各案内要素84,87に各ローラ55,56を転動させながら、カバー空間S内の位置からカバー空間Sより前側の位置へ引き出して、電装品ケース77及び複数のインバータ72を外部の広い空間に露出させる。この状態で、作業者は、広い空間で、電装品71及びインバータ72について修理またはメンテナンスの作業を行うことができる。電装品71の点検、修理時には、電装品71及びインバータ72は車両に搭載したまま電装品ケース77の上端カバー79を取り外すだけでよい。
【0051】
上記の電動車両10によれば、通常時に上側が覆われたカバー空間S内にインバータ72及び電装品71が配置されることで、インバータ72及び電装品71に雨水がかかることを防止できると共に、インバータ72及び電装品71が外部から見えにくくなるので使用時の外観の見栄えを向上できる。さらに、修理またはメンテナンスの作業時には、カバー空間Sの外側の位置の広い空間に、インバータ72及び電装品71が取り付けられた板部材50を引き出すことができるので、修理及びメンテナンスの作業性を高くできる。さらに、修理またはメンテナンス時には、引用文献1に記載された構成のように、インバータ及び電装品が収容されたボックスが、座席の下で車体に対し着脱可能に設けられる場合と異なり、座席17を電動車両10の取り付け位置から分離させる必要がない。これにより、修理及びメンテナンスの作業性をさらに高くできる。このため、インバータ72及び電装品71に雨水がかかることを防止でき、かつ、使用時の外観の見栄えを向上できると共に、修理及びメンテナンスの作業性を高くできる。
【0052】
さらに、板部材50は、座席17の下のカバー空間Sに配置されるので、座席17の下のスペースを有効利用できると共に、インバータ72及び電装品71に雨水がかかることを防止するための専用の部品をなくすか、または少なくできる。
【0053】
さらに、電装品71は電装品ケース77内に配置され、電装品ケース77には、引き出し方向手前側の面に充電ポート83が設けられ、電装品71はバッテリ41に接続される。これにより、充電ポート83が電装品ケース77の内部で電装品71に接続されることにより、例えば
図5のように蓋部49を開けただけの状態で、板部材50をカバー空間S内から引き出すことなく、商用交流電源に接続された充電ケーブルを充電ポート83に接続し、電装品71を介してバッテリ41に充電することができる。
【0054】
なお、上記の実施形態では、案内部がローラの移動を案内する断面コ字形の案内要素84,87である場合を説明したが、案内部はこのような構成に限定しない。例えば、案内要素84,87内にはローラを配置せず、板部材50の左右方向両端部を直接差し込んで案内要素84,87上を長手方向に沿って滑らせる構成としてもよい。このとき、案内要素84,87及び板部材50の一方または両方を樹脂製として互いに滑らせやすくしてもよい。案内要素84,87によって板部材50の動ける方向は案内要素84,87の長手方向にのみに限られるので、走行中に地面から板部材50に伝わる上下方向の動きは案内要素84,87によって受け止められカバー空間S内でのバタつきが抑えられる。また、案内部は、板部材50の移動を案内できるものであればよく、車両の左右方向中央に前後方向に沿って配置され、板部材50側に開口した溝を有する長尺な案内要素とし、板部材50の溝に対向する面に長手方向に沿った突状部を形成し、その突状部を溝にスライド可能に挿入した構成としてもよい。
【0055】
(実施形態の別例の第1例)
図11は、実施形態の別例の電動車両に搭載する板部材50及びユニットケース92を示す斜視図である。本例の構成では、複数のインバータ72(
図8)及び電装品71(
図9)は板部材50の上面において着脱可能に設置されつつ、それら全てを共通のユニットケース92内に囲っている。ユニットケース92は、上端が開口した略四角枠状のケース本体93の上端開口を板状の上端カバー94で着脱可能に塞ぐことにより構成される。ケース本体93の下端周縁は板部材50の上面に固定される。ユニットケース92の後端部には、複数のコネクタ80,81,82が突出するように設けられる。ユニットケース92の前端部には充電ポート83が設けられる。ユニットケース92の後端部には、ユニットケース92内部の複数インバータ72から電動モータへの複数の配線を束ねて外部に挿通させるポート95が設けられる。
【0056】
本例の構成によれば、電装品71だけでなくインバータ72もユニットケース92で覆われるので、インバータ72及び電装品71の防水性及び防塵性を高くできる。本例において、その他の構成及び作用は、
図1~
図10の構成と同様である。
【0057】
(実施形態の別例の第2例)
図12は、実施形態の別例の電動車両10aの後側部分において、一部を断面にして示す側面図である。
図13は、
図12のE-E断面図である。本例の構成では、シートフレーム45の内側から支持台を省略すると共に、シートフレーム45の前後方向長さを短くし、その分、バッテリカバー42aの上側部分に、下端部より前方に張り出した張り出し部42bを設けている。そして、バッテリカバー42aの張り出し部42bの内側で、複数のバッテリ41より前側において、板部材50が、バッテリカバー42aの上端よりも車体上側に引き出し可能に配置されている。これにより、板部材50は、バッテリ41と座席17との間に配置され、車体上側に引き出し可能に構成される。さらに、その板部材50の後側面には、複数の電装品71(
図9)と、複数のインバータ72とが着脱自在に取り付けられている。電装品71の上下左右および後は、前述した
図8の実施形態と同様の形態で、電装品ケース77で覆われている。なお、電装品71と複数のインバータ72の全ては、前述した
図11の実施形態と同様に、ユニットケースにより覆い囲ってもよい。
【0058】
板部材50の左右方向両端には複数の第1ローラ55と複数の第2ローラ56とがそれぞれ回転可能に取り付けられている。板部材50の構成自体は、
図1~
図10の構成で、板部材50の向きを前後方向から上下方向に変えたものと同様である。さらに、バッテリカバー42aの張り出し部42bにおいて、左右方向両端の内側面には、上下方向に延びるように、案内部75aを構成する第1案内要素84と第2案内要素87とが固定される。各案内要素84,87の構成自体は、
図1~
図10の構成で、案内要素84,87の向きを車体前後方向から車体上下方向に変えたものと同様である。複数の第1ローラ55は、第1案内要素84で引き出し方向である上方への移動が案内され、複数の第2ローラ56は、第2案内要素87で上方への移動が案内される。張り出し部42bを含むバッテリカバー42aは、上端開口が上端カバー42cにより着脱可能に塞がれて雨水や塵埃の浸入を阻止し、電装品71と複数のインバータ72およびバッテリ41を保護している。バッテリカバー42aの張り出し部42bの内側にはカバー空間Sを形成している。また、座席17の背もたれ部は、前側に揺動可能となっている。
【0059】
修理またはメンテナンスの作業を行う際には、
図12に一点鎖線で示すように、上端カバー42cを取り外した状態で、座席17の背もたれ部を前側に倒して、バッテリカバー42aの上側から退避させる。その状態で、板部材50を案内部75aで案内しながら上方に引き出して、電装品ケース77及びインバータ72をバッテリカバー42aの外部に露出させる。この状態で、作業者は、広い空間で、電装品71及びインバータ72について修理またはメンテナンスの作業を行うことができる。板部材50を上方に引き出した位置と、バッテリカバー42a内に収納した位置とで、それぞれ板部材50を維持するため、バッテリカバー42aには、板部材50に対して一時的に係止させることが可能なフックやストッパピン(図示せず)が設けられる。例えば、板部材50の上下方向に離れた位置に孔を形成し、バッテリカバー42a側からバネ力で突出させたストッパピンをいずれかの孔に係止させることで、板部材50を収納位置と引き上げ位置とのそれぞれでバッテリカバー42aに保持できる。これにより、板部材50の収納位置では走行中に地面から板部材50に振動が伝わる場合でも、板部材50のカバー空間S内でのバタつきが抑えられる。
【0060】
本例の構成によれば、座席17の後側でバッテリ41の前側のスペースを有効利用できると共に、板部材50側に、電装品71及びバッテリ41を接続するためのコネクタ80を設ける場合に、コネクタ80とバッテリ41とを接続する電線T1を短くできる。これにより、電線T1のコストを低減でき、かつバッテリ41及び電装品71の間でのノイズ及び電気抵抗を小さくできる。本例において、その他の構成及び作用は、
図1~
図10の構成と同様である。
【符号の説明】
【0061】
10,10a 電動車両、16 機体フレーム、17 座席、18,20 キャスタ輪、22,24 車輪、25 芝刈り機、41 バッテリ、70 電動モータ、71 電装品、72 インバータ、75,75a 案内部、77 電装品ケース、80,81,82 コネクタ、83 充電ポート、84,87 案内要素、92 ユニットケース。