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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126569
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】除雪装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 9/16 20060101AFI20220823BHJP
【FI】
E04H9/16 C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021066135
(22)【出願日】2021-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】591152805
【氏名又は名称】刈田 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100106954
【弁理士】
【氏名又は名称】岩城 全紀
(72)【発明者】
【氏名】刈田 宏
【テーマコード(参考)】
2E139
【Fターム(参考)】
2E139AA03
2E139DB04
2E139DB13
2E139DC14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】一般の家庭や職場に於いて、生活空間や屋外の作業場などに前夜降った残雪があったり、降雪が始まった時点で、最初に除雪を開始始するのは生活空間や作業場であるが、この作業にはかなりの重労働が伴う。
今迄に、家庭の生活空間や作業場などの除雪作業を自動的に行い消雪までの一連の作業を安価にして無人で行う装置は一般には提供されていなかった。
【解決手段】比較的小範囲の平地の除雪作業をする場合も、屋根の除雪装置10を作動させて、基本的には人間の監視の基に稼働させて、危険を察知した時点で、除雪装置を人間の操作に操作に切り替えたり、除雪作業時に“地上の除雪必要範囲”に人間や車の侵入を防止策するための簡易柵や警報装置を設けることにより、ほぼ自動的に双方の除雪が出来る装置とした。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特願2017-208692で出願した除雪装置装置を、地上の積雪をも除雪させるために、人間の監視の基に稼働させ、障害物等との接触や衝突の危険を感知した時点で、有線や無線のコントロ-ラで操作して危険をを回避しながら地上の積雪を融雪槽に取り込むことを特徴とした除雪機構。
【請求項2】
融雪槽内において、融雪の為に加えられる熱を、槽外に放熱することを防止するために、槽内の熱気と外気が触れる位置に通気を止めるためのダンパを設けることを特徴とした機構。
【請求項3】
除雪作業をするに際して、その雪が固形化している場合に、除雪部を振動させることに依り、この力を借りて固形化した雪を除雪具で粉砕しながら進行させて、除雪作業を円滑に行うことを特徴とした機構。
【請求項4】
除雪作業をするに際して、その雪が固形化している場合に、除雪部を上下左右に首を振る機構の力を借りて、除雪具の底部と側面で固形化した雪を粉砕しながら進行させることに依り、除雪作業を円滑に行うことを特徴とした機構。
【請求項5】
地上の排雪を受け入れるための投雪口を、上部に投雪口を備えた構造物に取り付けることに依り、上下の排雪を融雪槽内の一点に投入することを特徴とする構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平地や屋根に積もった雪を除去して融雪槽に導き、融雪された水を排水溝に導いたり、地下に浸透させたりして処理する一連の除雪装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋根上に積もった雪や、比較的小範囲の地上に積もった雪を除雪する手段としては、人手によるスコップや、いわゆるスノ-ダンプと称する除雪具を使用する方式に頼ってきた。近年では、地上に積もった比較的 中・小規模の範囲を除雪するための人間の手で操作し、エンジンで作動するロ-タリ-式の除雪機が一般に提供されている。
【0003】
本発明は、特願2017-208692及び、特願2020-015761の屋根上に積もった雪を除去するために発明した除雪装置を、さらに地上に積もった雪の除去も出来るように工夫することより、屋根上の積雪は、人力に頼ることなく無人で,且つ自動的に除雪作業を行い、地上の積雪は人間の監視を基に行ったり、センサを備えて作業エリア内に侵入するものに警報で知らせるなどして、半自動或いは全自動にて除雪作業を行おうとするもので、屋根上と地上の双方の除雪作業が出来るようにすると共に、装置各機構や構造が目的通りの効果を発揮して、装置全体が安価にして確実に除雪及び融雪作業を実施するための発明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願2017-208692
【特許文献2】特願2020-015761
【特許文献3】特開2008-190291公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
地上の積雪を除去する方法は、人手によるスコップや所謂スノ-ダンプと称する除雪具を使用する手法が一般的であるが、これは長年の生活習慣上の手法であり、敢えて既存の先行技術文献に記するにあてはまらない。
さらに、道路上に積もった大量の雪や駐車場などの広範囲に及ぶ除雪方式として、自走式で大型のロ-タリ-式の除雪機やブルト-ザ-やタイヤショベルなどによる除雪作業がなされているが、これ等のものは何れも人間の操作に依って除雪し、これを運搬車両に積みかえて雪捨て場まで運んだり、集雪場に積み上げて雪解けの時期を待つなどの手法で処理しているのに対し、本発明のものは、それらと基本構造は全く違っており、さらに、除雪作業から融雪に至る一連の作業を無人か或いは人間の目視のもとに操作して一連の作業をしようとするものである。
また、特許文献3記載の発明の場合、屋根上の積雪を吹き飛ばすだけの目的だけの発明であり、吹き飛ばされた雪の事後処理については考慮されていない。
【0006】
特願2017-208692の前特許申請については、予じめ屋根の形状や集合煙筒等の障害となる構造物をコンピュ-タ-に記憶させておき、除雪部を、障害物を回避した除雪経路を通過させるだけで、通常人間などの想定外の障害物が侵入する可能性の少ない屋根上の除雪のみに限定したのは、平地の除雪の必要範囲は、玄関から歩道に至る人の通路や自動車の車庫への出入りや通路などの生活圏では人間の往来や車の走行時に除雪装置と干渉の危険があるためである。
従って地上の排雪作業を屋根面の排雪作業と同様に自動運転した場合、地上の除雪必要範囲内に侵入する人間及び動物や自動車などと除雪装置との衝突の危険があるのでこれを回避しなければならない。
【0007】
また、取り込んだ雪を融雪して下水道へ放水するための融雪槽にあっては、暖気は冷気より軽いので、低い処から高い所へ上昇する性質を持っているから、融雪槽内で融雪のためにボイラ-などで熱せられた温水や熱風は、その目的の融雪のために十分熱交換することなく、融雪槽の上部に開口があればその開口部から暖気のままの状態で大気に放出されてしまい、融雪のための熱効率は極めて悪くなる課題がある。
【0008】
更に、雪質が堅かっり、一日の降雪量が装置の処理能力を超えて降った場合は、翌日に渡って処理せねばならない状態が予想される。この場合、日中に、太陽光に依って雪の表面部分が融解された水分が、夜間の寒気で凍結したり、地上の降雪が人の歩行や車の通過などで、踏み固められたリすることが考えられる。除雪方式として、スクレ-パに依る排雪方式や、エアの吹き出し方式に依る雪を押し付けながら投雪口に導く方法の他に、雪を吸引して融雪槽に導く等の除雪方式が考えられるが、踏み固められたりした雪を、スクレ-パ-の押し付け力や噴・吸気による力だけで、これを打ち砕きさらに融雪槽まで移動さるには、強力な能力を持った装置が必要になることが想定される。
【0009】
融雪槽内に、屋根面からの排雪と地上からの排雪とが夫々の位置に投雪された場合は、融雪槽内に二つの排雪の山ができる。例えば、糟内の排雪に温水を放水したり、熱風を吹き付けてて融かそうとする熱交換方式などの場合は、二か所の山を囲んで外側から放水や放熱をせねばならず、従って放水するためのノズル数を多くしなければならないなどの欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、雪の多いいわゆる豪雪地帯においては、屋根上の積雪の除雪作業は不可欠であるが、それ以外の比較的に降雪量の少ない地域の一般の家庭においても、降雪時は、特に降雪量の多い日は、階段を含む玄関から道路に至る通路と車庫から車道に至る間の除作業は怠れない。然し、非力な子女や老人がスコップやスノ-ダンプに依る作業は、体力的に困難である。また、現在一般に提供されている地上の小範囲の区間や車道の除雪を目的に提供されてきたロ-タリ-式除雪機を小型化したものは、非力な子女が操作するには大きな危険が伴う。
【0011】
本発明は、前回出願の除雪装置を平地での作業時には人が監視するようにして、予め平地での除雪すべき範囲内の形状や障害物をも記憶させておき、さらに除雪経路を記憶させておいて、予め自動運転状態にして置き、ア-ムやスクレ-パ-が移動中に通行人や車などとの接触する可能性を予想された状態になった時点で、監視員がボタンを押せば、除雪装置を停止させたり退避させたりするようにインプットしておけば、平地での生活空間である玄関から歩道に至る通路や車庫前の除雪も可能で、通行人や車庫に出入りする自動車などとの衝突事故のない除雪作業をすることができる。
また、手動操作による除雪装置のコントロ-ル方式に切り替えることが出来るようにすれば人力による過酷な除雪作業から解放されることができる。
【0012】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであって、前回出願の特願2017-208692に示す装置で、地上に積もった雪をも人力に頼ることなく除雪作業が可能な装置を提供することを目的とする。
また、除雪作業中に”除雪必要範囲内”に侵入する車や人間の通過を遮断する仮設の柵を設置したり、センサなどで侵入を感知してその段階で作業を停止したり、或いは警報を鳴らすなどの装置を備えてそれらの侵入を防止すれば、地上の除雪作業も無人で自動的に行うことができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、融雪槽内の熱を大気に放散することを防ぐために、融雪槽とこれと接続し、外気に通気する構造物との通気を遮断するためのダンパを設けようとするものである。
暖気は、比重の差からして常に上昇する現象があるからして、融雪槽に投入された雪を融かすためにボイラ-などで作られた熱気は、融雪槽とこれに接続するダクトや配管の開口部から十分に熱交換して雪を溶解する働きを尽くすことなく、開口から大気に放散されてしまう。
【0014】
融雪する装置は、大別して融雪機と融雪槽の2種類があるが、融雪機の方式は、移動が可能で上部開放型の箱の中の湯を入れて置き、常時バ-ナ-などで湯を温めながら、これに雪を放り込んで融雪したり、放り込まれた雪に熱水をシャワ状に掛けて融雪する方式を採用しているが、このものでは,開放されている上部から大気に放熱される熱量が多く、極めて熱効率は悪い。
一方、融雪槽は、金属やコンクリ-トなどで作られた大型の缶詰状をなした融雪槽を土中に埋める方式が大半である。この上部には、排雪を取り込むための開口があり、多くは排雪を受け入れる場合のみ人力に依って解放できる構造の蓋が取付られている。
こものでは、常時上部からの放熱は防ぐことが出来るばかりか、周囲の地熱も取り込める効果も相俟って、熱効率は極めて良いばかりか、融解された排水が、融雪槽側部に設けられた排水溝へ放出されたり地中に浸透(浸透桝)されるる水温は、零度に近い温度に保たれるようにコントロ-ルされているものが多く見られる。
氷解するための熱源として灯油やガス或いは電気などを使用し、槽内の水を温めたり、さらに温められた水を投雪されたものの上部からシャワ-状に放水するなどして熱交換されている。熱効率は融雪機に比較して極めて良い。
融雪槽は、現在一般に提供されているものを、基本構造は替える事無く、除雪装置が取り付けられるように取り付け部を改造したり、強度を検討するなどして必要に応じてその部分を改良して流用する。
【0015】
このような状況を鑑み、融雪槽からの無駄な熱の放出を防ぐために、融雪槽が排雪を取り入れるための開口部に開閉可能なダンパ-を取付け、シリンダ-などの力を借りて、必要とする場合のみ解放する機構とし、熱の大気放散を極力防ぎ、しいては熱効率を上げようとするものである。
【0016】
請求項3記載の発明は、本装置は一日の降雪量が装置の処理能力を超えて降った場合は、翌日に渡って処理せねばならない状態が予想される。この場合、日中に、太陽光に依って雪の表面部分が融解された水分が、夜間の寒気で凍結したり、地上の降雪が人の歩行や車の通過などで、踏み固められたリすることが考えられる。
こうした雪を、除雪具(スクレ-パや噴・吸気口)の押し付け力で打ち砕きさらに融雪槽まで移動さるには、氷状の積雪を破壊して進むことが出来る堅固な構造にして強力な押しつけ力を持った装置必要となる。このものでは必然的に製作費や運用費は高額になることは想像に易い。
そこで、除雪作動機構部と除雪具の間にバイブレ-タを取付けて、除雪具を振動させ、この振動の力を借りて除雪具の下部と前部及び左右の氷状の雪を破壊しながら、且つア-ムの回転や屈折機能を働かせて前進させ、槽に至る除雪作業を円滑にしようとするものである。
【0017】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであって、固形化した雪を粉砕して粒状や粉状にすることにより、如何なる雪質の排雪作業のをも、低い強度や弱い押しつけ力を備えた装置のものだけで、除雪作業を可能にしようとするものである。
【0018】
請求項4記載の発明は、請求項3と同じ目的を持った他の発明で、同様に除雪具で固形化した雪を破壊するための装置に関する発明である。
排雪作業時のアクチュエタは、排雪作業を開始するに当たって自からの回転力を駆使して、除雪具の向きをX軸、Y軸及びZ軸を回転させ、除雪に理想的な姿勢にセットすることを目的としている。
この姿勢を基本姿勢とし、作業中はさらに除雪具を上下左右に首振りながら前進させて徐雪作業を行うのであるが、この首振り動作の力で、除雪具の下部と左右の端部で固形化した雪を粉砕しようとするものである。この場合、噴・吸気口の材質が、固形化した雪の粉砕に耐える強度が必要であるが、噴・吸気口がこの作業に耐える強度を持たない場は、剛性があり粉砕するに理想的な形状をした氷り割部品を取付ようとするものである。
【0019】
請求項5記載の発明は、地上の排雪を融雪槽に取り込むためには、これを受け入れるための投雪口が必要であるが、本発明は、融雪槽の上部にあって屋根上の排雪を受け入れるりための上部投雪口が取り付けられている除雪装置を保持するためのパイプ状の構造物の下部に、地上の排雪を受け入れる為の投雪口を設けようとするものである。
【0020】
融雪槽に投入れた投雪の位置は、上部と下部の投雪口からの各々の落下位置がこの中央部の一点に投雪されるのが望ましい、
これは、中央部一点に投雪された場合は、例えば熱水を散水したり暖気を吹き付けて融解しようとする装置を取り付けた場合、中心をめがけて四方から温水を放水したり放熱すれば効率が良いのに対し、複数の点に投雪した場合は、壁際に投雪された雪に放水や放熱するには、融雪槽の内面に放水口の取付を阻まれて四方からの放水は困難になる可能性があるばかりか、二か所に投雪された場合は、夫々に融雪のための二つの放水装置が必要となる。
このものでは、一点投雪式と同様の処理能力を期待する場合、散水口の数を増やすなどの必要性が想定される。従って非能率にして製作費が嵩む。
そこで本発明は、パイプ状をなして融雪槽の上部にあって、除雪装置を取り付けるための構造物の上下に二つの投雪口を配置して一体化し、融雪槽内への投雪位置を一点にしようとするものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明第1の実施形態に係わる除雪装置と除雪状況を示す平面図である。
図2図1の除雪装置と除雪状況を示す正面図である。
図3図2の左側面図である。
図4】除雪作動機構部のスクレ-パやエア-噴・吸気口による平地での除雪経路の軌跡の一例を示す平面図である。
図5】融雪槽の一例を示す断面図で、その上部に除雪装置を取り付けるるための構造物を示す正面図である。
図6】融雪槽を矢印Aから見た平面図である。
図7】融雪槽を矢印Bから見た平面図である。
図8】除雪具で固形化した雪を破壊するためのバイブレ-タとの構成を示す除雪作動機構部の正面図である。
図9図5の左側面図である。
図10】噴・吸気口で固形化した雪を破壊するためのアクチュエ-タの構成と動きを示す除雪作動機構部の正面図である。
図11図10の平面図である。
図12図10の左側面図である。
図13】矢印Cの方角から、噴・吸気口の正面を見た拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の第1の実施形態に係わる除雪装置について,図面を参照しながら説明する。図1図3の除雪作動機構部30の先端には、除雪具としてスクレ-パ-31を図で表しているが、これをを雪を吹き飛ばしながら除雪した雪を融雪槽に導く機能を有したエア-の噴気口28に置き換えても良く、また、積雪を吸引してホ-スなどを通過して融雪槽に導くための吸引口28に置き換えても同じ目的を果たすことが出来る。以下は、スクレ-パ31と呼ぶ。尚エアの噴・吸気口は同じ形状で示しているのは、実施に当たって機能上ほぼ同形とみなして取り敢えずこの形で表現している。
【0023】
図4は、地上の除雪必要範囲35(図に示す斜線部の車庫前と玄関前の階段部)を除雪するためにスクレ-パ-31が移動する経路(二点鎖線の太線)を示す一例の図である。
除雪装置10の第二ア-ム22の先端に取り付けられたスクレ-パ-31は、特願2017-208692に示す関節機構部の回転や俯仰のための動力の力を借りて、持ち上げられた状態から黒点A・B・C・Dの各点に着地して、順次矢印の方向に進行させて融雪槽44の上部の開口46に至る。この動作に依って各々の経路の積雪は除雪される。同様にして、順次黒点E・F・Gを起点として矢印の方向にスクレ-パ31を進行させれば,階段上の積雪は除雪される。さらに、Hを起点として、融雪槽44の上部に明けられた開口部46まで進めれば、階段上から除雪された雪の除雪作業は完了する。
【0024】
また、制御手段は、まず平地での除雪必要範囲35を決定し、この範囲の外形デ-タ、範囲内を細かく区分した時の各区分点における高さ及び区分点の差のデ-タ、並びに予め設定したスクレ-パ-31の進路などのデ-タ、などを記憶するメモリを備えている。さらに、センサによる積雪の高さ場検出され、制御手段の演算装置に依って積雪の上面から一定の深さの雪を除雪するよう各駆動装置のモ-タに指令を与えれば、除雪装置10が作動し、自動的に除雪必要範囲内35の除雪が行われる。
【0025】
図4に一例を示す●点(A~H)を起点として二点鎖線の太線に沿って、雪を押し付けながら矢印の方向に進み、スロ-プ13を通過して融雪槽44の上部に達した排雪は、融雪槽44の上部にある槽内に排雪を受け入れる為の開口46から下部投雪口19の内部
を通過して融雪槽44の中に取り込まれる。
【0026】
然し、一例を示す図4の除雪必要範囲35は、人や車の出入りがあるいわゆる生活圏内にあるので、除雪装置を作動させている間は、常に人間が監視し、車や人間との衝突の危険を察知した時点で、衝突に依る装置の破壊や人体の負傷を回避避するために、危険を感知した時点で人間がコントロ-ラを操作して、除雪装置の停止や退避などの動作を促そうとするものである。
また、除雪作業中に“除雪必要範囲内35”に侵入する車や人間の通過を遮断する仮設の柵を設置したり、センサなどでこれを感知してその段階で作業を停止したり、或いは警報を鳴らすなどの装置を備えてそれらの侵入を防止すれば、地上の除雪作業も無人で自動的に行うことができる。
【0027】
次に、第2の実施形である「融雪槽内において、融雪の為に加えられる熱を、無暗に槽外に放熱することを防止するために、槽内の熱気と外気が触れる位置に熱気の放出を防ぐためのダンパ12を設ける機構」について図面を参照して説明する。
図5に示す開閉式ダンパ12は、シリンダ-11の力を借りて丁番16の軸34を中心として開閉するように構成されている。
【0028】
現在一般に提供されている融雪槽44は、投雪された排雪にボイラ-などで熱せられた温水や空気を融雪槽44に投雪されたものに、吹き付けるなどして熱交換し、融雪を促すように構成されている。投雪口19や45に投入され排雪は、構造物43の管内を通過して融雪槽44内に至るが、構造物43の下部に取り付けられたセンサ13が、管内の排雪の通過や構造物43の管内の堆積された上限などを検知した時点でダンパ12を開き、投入を終えた時点でて閉まるように制御しておく。尚、ダンパ12を開くタイミングを検知する方式としては、ダンパ12の蝶番の軸34にトルクリミットを取付け、ダンパ12上に堆積した雪の重みを検知して、開閉を制御するなどの方法も考ええられる。
この様にして、外気と槽内は常時解放されていないので、熱気が常に大気に放出され続けるることがなく従って熱効率は極めて良い。
【0029】
次に、第3の実施形態である「除雪具30で固形化した雪を破砕しながら除雪作業をするをするためにバイブレ-タ23を取り付ける」装置について図面を参照して説明する。
第3の実施形態は、図8に示すように、第二ア-ム22の下端の除雪作動機構部51とスクレ-パ31や噴・吸気口28をセットするための取付金具52の間に、バイブレ-タ23が取り付けられた構成になっている。
【0030】
このような構成にして、バイブレ-タ23をを作動させれば、除雪具30は、前後左右及び上下に振動するので、この動作に依って固形化した雪は,除雪具30の上下左右と固形化した雪との衝突する衝撃で粉砕される。さらに、除雪装置10に備えられたア-ム21や22を旋回や屈折をさせるための動力で、除雪作動機構部51を矢印32の方向に進行させれば、除雪具30で固形化した雪を粉砕しながら除雪作業をすることができる。
更に、この動作に依り除雪作業中に押し付けながら搬送されている排雪33がスクレ-パ31の押しつけ面に付着しているものを払い落す効果も齎す。
尚、バイブレ-タ23の構造や機能については、現在一般に提供されているももに準じている。
また、図8~9の除雪具30はスクレ-パ31を取り付けた図で示しているが、噴・吸気口28を取り付けた場合も同様の構成であるので図は敢えて省略した。
【0031】
次に、第4の実施形態である「除雪具30(28,31)の底部で固形化した雪を粉砕する作業を、除雪具30を理想的な方向に向きを変えるためのアクチュエ-タ47~49の力を借りて行う」装置について図面を参照して説明する。
アクチュエ-タ47~49の本来の使用目的は、除雪具30の向きを、進行方向に対して平地や屋根や上面から一定の間隔を保ちながら、X軸、Y軸及びZ軸を夫々軸回転させて除雪に理想的な姿勢にセットすることを目的としている。
この状態を基本姿勢として、さらに除雪作動機構部51を前進させて除雪作業を行っている最中も、アクチュエ-タ47と49で除雪具30を揺動させて上下左右にスイングさせながら前進させる。
【0032】
正面図10において、実線で示す図が原位置であり、アクチュエ-タ47を正逆の寸動回転を繰り返すことに依り、除雪機構作動部51は、仮想線で示す上下方向にスイングさする。さらに平面図11においては、アクチュエ-タ49を正逆の寸動回転を繰り返すことに依り、除雪具30は、仮想線で示す如くに左右にスイングする。以上の動作にして、除雪具30の底部及び左右面で固形化された雪は粉砕される。
仮に、噴・吸気口28の強度がこの作業の振動や摩耗の耐えれれない場合は、図に示す氷割り部品50を取り付けても良いが,形状や長さについては本図に拘泥しない。
また、図11~13の除雪具30は、噴・吸気口28を取り付けた図で示しているが、スクレ-パ31を取り付けた場合も同様の構成であるので図は敢えて省略した。
【0033】
次に、第5の実施形態の地上の排雪を受け入れるための下部投雪口19について図面を参照しながら説明する。
正面図5に於いて、構造物43の下に下部投雪口19が取付られている。
構造物43の上には上部投雪口45が取り付けれれているので、構造物43と上部投雪口45及び下部投雪口19は一体化している。双方の投雪口に受け入れられた排雪は、図5に示すようにパイプ状をなした構造物43の中を通過して融雪槽44の中央部の一点に落下させることができるので、各々の投雪口で受け入れたものを夫々の点に落下させるのに比べ、融雪のためのシャワも一組だけでで良く、従って構造は簡潔で熱交換効率に優れ、投雪の通過を検知するセンサ18や、槽内の空気と外気の空気を遮断するためのダンパ12も一カ所でよいので、構造は簡潔にして安価な製作費のものを提供できる。
【発明の効果】
【0034】
このようにして本発明は、屋根上の積雪を無人にして自動的に排雪して,これを融雪槽に導き、さらに融雪された水を排水溝に導く一連の装置に加えて地上の生活空間の積雪も人間の監視の基に融雪槽に導く作業を人の手を借りることなく行おうとするもので、人を除雪作業の重労働から解放する。
【0035】
また、ダンパを設置することで、融雪する目的の熱の空中放散を防ぎ燃費を飛躍的に熱効率よく装置を提供することができる。
【0036】
さらに、破砕装置を取り付けることにより、短期に多量の積雪に対しては、翌日や翌々日に渡る除雪作業も可能であることからして、単位時間当たりの除雪作業や融雪能力は、比較的に小さな設備で良いので、製作費や施工費用は安価な装置を提供することができる。
また、堅質の雪に対しても対処できることから、雪質を選ぶことなくあらゆる雪に対処することができる。
【0037】
上部投雪口と構造物及び下部投雪口が一体なので、構造が簡潔であるばかりか、槽内への排雪の落下位置は中心部の一か所に落下するので、消雪の為の熱効率が良い上に、ダンパや構造物内を通過したり堆積した雪を検知するセンサも一組だけででよいので、構造は簡潔にして安価な装置を提供できる。
【産業上の利用の可能性】
【0038】
本発明は、鉄鋼業及びその周辺の関連事業などに、多くの生産量の需要を齎す可能性を有する。
【符号の説明】
【0039】
10 除雪装置 11 ダンパ-開閉用シリンダ-
12 開閉式ダンパ- 13 スロ-プ
14 車庫 15 第一関節機構部
16 蝶番 17 槽内に落下した排雪
18 投入雪検知センサ 19 下部投雪口
20 車道 21 第一ア-ム
22 第二ア-ム 23 バイブレ-タ
24 積雪の上面 25 雪掻き後の雪の上面
26 積雪 27 屋根や平地の上面
28 噴・吸気口 29 コンプレッサ
30 除雪具 31 スクレ-パ
32 除雪作動機構部の進行方向 33 排雪
34 丁番の軸 35 地上の除雪必要範囲
36 第二関節機構部 40 建造物
41 一階部分の屋根面 42 二階部分の屋根面
43 構造物(支柱) 44 融雪槽
45 上部投雪口 46 融雪槽上の開口
47 第一アクチュエ-タ 48 第二アクチュエ-タ
49 第三アクチュエ-タ 50 氷割り部品
51 除雪作動機構部 52 取付金具
53 散水管
54 バイブレ-タに依るスクレ-パの振動方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-05-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に融雪槽(44)を埋設し、
パイプ状をなしているとともに、前記融雪槽(44)に対し、その下方部分が接続されて連通する構造物(43)を立設し、建造物(40)の一階若しくは低層階の屋根面(41,42)の側方付近となる位置に、屋根面(41,42)の排雪を受け入れるための上部投雪口(45)を該構造物(43)に設け、該上部投雪口(45)から投入された排雪を、パイプ状の該構造物(43)の管内を通過させることにより下方の該融雪槽(44)内へ落下させて導く一方、
該構造物(43)における地上付近となる位置に、地上の排雪を受け入れるための下部投雪口(19)を該構造物(43)に設け、該下部投雪口(19)から投入された排雪を、パイプ状の該構造物(43)の管内を通過させることにより前記融雪槽(44)内に落下させるように構成したことを特徴とする除雪装置。
【請求項2】
前記構造物(43)における前記上部投雪口(45)及び下部投雪口(19)よりも下方となる位置に、開閉動作を行うダンパ(12)を設け、該ダンパ(12)の閉鎖時、該融雪槽(44)は外気から遮断されている一方、該構造物(43)内に排雪が一定量堆積したときに、該ダンパ(12)を開放することにより、該構造物(43)内に堆積した排雪を前記融雪槽(44)内に投入することを特徴とする請求項1に記載の除雪装置。
【請求項3】
前記構造物(43)上に設置された回転機能及び屈折機能を有する第一関節機構部(15)と、
前記第一関節機構部(15)に一端を連結した第一アーム(21)と、
前記第一アーム(21)の他端に連結した、屈折機能を有する第二関節機構部(36)と、
前記第二関節機構部(36)に一端を連結した第二アーム(22)と、
前記第二アーム(22)の他端に連結された除雪作動機構部(51)と、
前記除雪作動機構部(51)に設けられた一階部分若しくは二階部分の屋根面(41,42)、及び地上の除雪必要範囲(35)の除雪を行う除雪具(30)と、
前記第一関節機構部(15)、第二関節機構部(36)、除雪作動機構部(51)の動作を制御することにより、一階部分若しくは二階部分の屋根面(41,42)の積雪を、前記除雪具(30)によって前記構造物(43)の上部投雪口(45)に投入するとともに、地上の除雪必要範囲(35)の積雪を下部投雪口(19)に投入するように動作させる制御手段と、を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の除雪装置。
【請求項4】
前記除雪作動機構部(51)には、除雪具(30)として雪を掻き出すためのスクレーパ(30,31)が取り付けられているとともに、該除雪作動機構部(51)とスクレーパ(30,31)との間にバイブレータ(23)を設置して、除雪に際し該バイブレータ(23)により該スクレーパ(30,31)に振動を付与することを特徴とする請求項3に記載の除雪装置。
【請求項5】
前記除雪作動機構部(51)とスクレーパ(30,31)との間に、X軸、Y軸及びZ軸へ該スクレーパ(30,31)を各々軸回転させるアクチュエータ(47,48,49)を設置し、除雪に際し、該アクチュエータ(47,48,49)により該スクレーパ(30,31)の向きを最適姿勢となるよう動作させ、或いは、該最適姿勢を基本姿勢として上下左右や正逆の寸動回転の首振り動作を反復しながら除雪作業を行うようにしたことを特徴とする請求項3に記載の除雪装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
更に、雪質が堅かったり、一日の降雪量が装置の処理能力を超えて降った場合は、翌日に渡って処理せねばならない状態が予想される。この場合、日中に、太陽光に依って雪の表面部分が融解された水分が、夜間の寒気で凍結したり、地上の降雪が人の歩行や車の通過などで、踏み固められたすることが考えられる。除雪方式として、スクレ-パに依る排雪方式や、エアの吹き出し方式に依る雪を押し付けながら投雪口に導く方法の他に、雪を吸引して融雪槽に導く等の除雪方式が考えられるが、踏み固められたりした雪を、スクレ-パ-の押し付け力や噴・吸気による力だけで、これを打ち砕きさらに融雪槽まで移動さるには、強力な能力を持った装置が必要になることが想定される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
融雪槽内に、屋根面からの排雪と地上からの排雪とが夫々の位置に投雪された場合は、融雪槽内に二つの排雪の山ができる。例えば、槽内の排雪に温水を放水したり、熱風を吹き付けて融かそうとする熱交換方式などの場合は、二か所の山を囲んで外側から放水や放熱をせねばならず、従って放水するためのノズル数を多くしなければならないなどの欠点がある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
請求項1記載の発明は、地中に融雪槽(44)を埋設し、パイプ状をなしているとともに、前記融雪槽(44)に対し、その下方部分が接続されて連通する構造物(43)を立設し、建造物(40)の一階若しくは低層階の屋根面(41,42)の側方付近となる位置に、屋根面(41,42)の排雪を受け入れるための上部投雪口(45)を該構造物(43)に設け、該上部投雪口(45)から投入された排雪を、パイプ状の該構造物(43)の管内を通過させることにより下方の該融雪槽(44)へ落下させて導く一方、該構造物(43)における地上付近となる位置に、地上の排雪を受け入れるための下部投雪口(19)を該構造物(43)に設け、該下部投雪口(19)から投入された排雪を、パイプ状の該構造物(43)の管内を通過させることにより前記融雪槽(44)内に落下させるように構成したことを特徴としている。
雪の多いいわゆる豪雪地帯においては、屋根上の積雪の除雪作業は不可欠であるが、それ以外の比較的に降雪量の少ない地域の一般の家庭においても、降雪時は、特に降雪量の多い日は、階段を含む玄関から道路に至る通路と車庫から車道に至る間の除作業は怠れない。然し、非力な子女や老人がスコップやスノ-ダンプに依る作業は、体力的に困難である。また、現在一般に提供されている地上の小範囲の区間や車道の除雪を目的に提供されてきたロ-タリ-式除雪機を小型化したものは、非力な子女が操作するには大きな危険が伴う。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
請求項2記載の発明は、上記1項において、前記構造物(43)における前記上部投雪口(45)及び下部投雪口(19)よりも下方となる位置に、開閉動作を行うダンパ(12)を設け、該ダンパ(12)の閉鎖時、該融雪槽(44)は外気から遮断されている一方、該構造物(43)内に排雪が一定量堆積したときに、該ダンパ(12)を開放することにより、該構造物(43)内に堆積した排雪を前記融雪槽(44)内に投入することを特徴としている。
つまり、請求項2記載の発明は、融雪槽内の熱を大気に放散することを防ぐために、融雪槽とこれと接続し、外気に通気する構造物との通気を遮断するためのダンパを設けようとするものである。
暖気は、比重の差からして常に上昇する現象があるからして、融雪槽に投入された雪を融かすためにボイラ-などで作られた熱気は、融雪槽とこれに接続するダクトや配管の開口部から十分に熱交換して雪を溶解する働きを尽くすことなく、開口から大気に放散されてしまう。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
融雪する装置は、大別して融雪機と融雪槽の2種類があるが、融雪機の方式は、移動が可能で上部開放型の箱の中湯を入れて置き、常時バ-ナ-などで湯を温めながら、これに雪を放り込んで融雪したり、放り込まれた雪に熱水をシャワ状に掛けて融雪する方式を採用しているが、このものでは,開放されている上部から大気に放熱される熱量が多く、極めて熱効率は悪い。
一方、融雪槽は、金属やコンクリ-トなどで作られた大型の缶詰状をなした融雪槽を土中に埋める方式が大半である。この上部には、排雪を取り込むための開口があり、多くは排雪を受け入れる場合のみ人力に依って解放できる構造の蓋が取付られている。
ものでは、常時上部からの放熱は防ぐことが出来るばかりか、周囲の地熱も取り込める効果も相俟って、熱効率は極めて良いばかりか、融解された排水が、融雪槽側部に設けられた排水溝へ放出されたり地中に浸透(浸透桝)される水温は、零度に近い温度に保たれるようにコントロ-ルされているものが多く見られる。
氷解するための熱源として灯油やガス或いは電気などを使用し、槽内の水を温めたり、さらに温められた水を投雪されたものの上部からシャワ-状に放水するなどして熱交換されている。熱効率は融雪機に比較して極めて良い。
融雪槽は、現在一般に提供されているものを、基本構造は替える事無く、除雪装置が取り付けられるように取り付け部を改造したり、強度を検討するなどして必要に応じて その部分を改良して流用する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
このような状況を鑑み、融雪槽からの無駄な熱の放出を防ぐために、融雪槽が排雪を取り入れるための開口部に開閉可能なダンパ-を取付け、シリンダ-などの力を借りて、必要とする場合のみ解放する機構とし、熱の大気放散を極力防ぎ、ひいては熱効率を上げようとするものである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
請求項3記載の発明は、上記1項又は2項において、前記構造物(43)上に設置された回転機能及び屈折機能を有する第一関節機構部(15)と、前記第一関節機構部(15)に一端を連結した第一アーム(21)と、前記第一アーム(21)の他端に連結した、屈折機能を有する第二関節機構部(36)と、前記第二関節機構部(36)に一端を連結した第二アーム(22)と、前記第二アーム(22)の他端に連結された除雪作動機構部(51)と、前記除雪作動機構部(51)に設けられた一階部分若しくは二階部分の屋根面(41,42)、及び地上の除雪必要範囲(35)の除雪を行う除雪具(30)と、前記第一関節機構部(15)、第二関節機構部(36)、除雪作動機構部(51)の動作を制御することにより、一階部分若しくは二階部分の屋根面(41,42)の積雪を、前記除雪具(30)によって前記構造物(43)の上部投雪口(45)に投入するとともに、地上の除雪必要範囲(35)の積雪を下部投雪口(19)に投入するように動作させる制御手段と、を具備することを特徴としている。
一日の降雪量が装置の処理能力を超えて降った場合は、翌日に渡って処理せねばならない状態が予想される。この場合、日中に、太陽光に依って雪の表面部分が融解された水分が、夜間の寒気で凍結したり、地上の降雪が人の歩行や車の通過などで、踏み固められたりすることが考えられる。
こうした雪を、除雪具(スクレ-パや噴・吸気口)の押し付け力で打ち砕きさらに融 雪槽まで移動させるには、氷状の積雪を破壊して進むことが出来る堅固な構造にして強力な押しつけ力を持った装置必要となる。このものでは必然的に製作費や運用費は高額になることは想像に難くない。
そこで、本願の装置では、以下の請求項4及び請求項5の発明にて、除雪作動機構部と除雪具の間にバイブレ-タ、若しくはアクチュエータを取付けて、除雪具を振動させ、この振動の力を借りて除雪具の下部と前部及び左右の氷状の雪を破壊しながら、且つア-ムの回転や屈折機能を働かせて前進させ、融雪槽に至る除雪作業を円滑にしようとするものである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
請求項4記載の発明は、上記3項において、前記除雪作動機構部(51)には、除雪具として雪を掻き出すためのスクレーパ(30,31)が取り付けられているとともに、該除雪作動機構部(51)とスクレーパ(30,31)との間にバイブレータ(23)を設置して、除雪に際し該バイブレータ(23)により該スクレーパ(30,31)に振動を付与することを特徴としている。
請求項5記載の発明は、上記3項において、前記除雪作動機構部(51)とスクレーパ(30,31)との間に、X軸、Y軸及びZ軸へ該スクレーパ(30,31)を各々軸回転させるアクチュエータ(47,48,49)を設置し、除雪に際し該アクチュエータ(47,48,49)により、該スクレーパ(30,31)の向きを最適姿勢となるよう動作させ、或いは、該最適姿勢を基本姿勢として上下左右や正逆の寸動回転の首振り動作を反復しながら除雪作業を行うようにしたことを特徴としている。
つまり、請求項4,5記載の発明は、除雪具で固形化した雪を破壊するための装置に関する発明である。
排雪作業時のアクチュエータは、排雪作業を開始するに当たって自からの回転力を駆使して、除雪具の向きをX軸、Y軸及びZ軸方向へ回転させ、除雪に理想的な姿勢にセットすることを目的としている。
この姿勢を基本姿勢とし、作業中はさらに除雪具を上下左右に首振りながら前進させて除雪作業を行うのであるが、この首振り動作の力で、除雪具の下部と左右の端部で 固形化した雪を粉砕しようとするものである。この場合、噴・吸気口の材質が、固形化 した雪の粉砕に耐える強度が必要であるが、噴・吸気口がこの作業に耐える強度を持たない場合は、剛性があり粉砕するのに理想的な形状とした氷り割部品を取付ようとするものである。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
各請求項共通の構成として、地上の排雪を融雪槽に取り込むためには、これを受け入れるための投雪口が必要であるが、本発明は、融雪槽の上部にあって屋根上の排雪を受け入れるための上部投雪口が取り付けられているパイプ状の構造物の下部に、地上の排雪を受け入れる為の投雪口を設けようとするものである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
以下、本発明の第1の実施形態に係わる除雪装置について, 図面を参照しながら説明する。図1図3の除雪作動機構部51の先端には、除雪具としてスクレ-パ-31を図で表しているが、これを雪を吹き飛ばしながら除雪した雪を融雪槽に導く機能を有したエア-の噴気口28に置き換えても良く、また、積雪を吸引してホ-スなどを通過して融雪槽に導くための吸引口28に置き換えても同じ目的を果たすことが出来る。以下は、スクレ-パ31と呼ぶ。尚エアの噴・吸気口は同じ形状で示しているのは、実施に当たって機能上ほぼ同形とみなして取り敢えずこの形で表現している。
に、地上の排雪を受け入れる為の投雪口を設けようとするものである。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
また、制御手段は、まず平地での除雪必要範囲35を決定し、この範囲の外形デ-タ、範囲内を細かく区分した時の各区分点における高さ及び区分点の差のデ-タ、 並びに予め設定したスクレ-パ-31の進路などのデ-タ、などを記憶するメモリを備えている。さらに、センサによる積雪の高さが検出され、制御手段の演算装置に依って積雪の上面から一定の深さの雪を除雪するよう各駆動装置のモ-タに指令を与えれば、除雪装置10が作動し、自動的に除雪必要範囲内35の除雪が行われる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
現在一般に提供されている融雪槽44は、投雪された排雪にボイラーなどで熱せられた温水や空気を融雪槽44に投雪されたものに、吹き付けるなどして熱交換し、融雪を促すように構成されている。投雪口19や45に投入され排雪は、構造物43の管内を通過して融雪槽44内に至るが、構造物43の下部に取り付けられたセンサ13が、管内の排雪の通過や構造物43の管内の堆積された上限などを検知した時点でダンパ12を開き、投入を終えた時点で閉まるように制御しておく。尚、ダンパ12を開くタイミングを検知する方式としては、ダンパ12の蝶番の軸34にトルクリミットを取付け、ダンパ12上に堆積した雪の重みを検知して、開閉を制御するなどの方法も考えられる。
この様にして、外気と槽内は常時解放されていないので、熱気が常に大気に放出 され続けることがなく 従って熱効率は極めて良い。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
正面図10において、実線で示す図が原位置であり、アクチュエ-タ47を正逆の寸動回転を繰り返すことに依り、除雪機構作動部51は、仮想線で示す上下方向にスイングさる。さらに平面図11においては、アクチュエ-タ49を正逆の寸動回転を繰り返すことに依り、除雪具30は、仮想線で示す如くに左右にスイングする。以上の動作にして、除雪具30の底部及び左右面で固形化された雪は粉砕される。
仮に、噴・吸気口28の強度がこの作業の振動や摩耗の耐えられない場合は、図に示す氷割り部品50を取り付けても良いが,形状や長さについては本図に拘泥しない。
また、図11~13の除雪具30は、噴・吸気口28を取り付けた図で示しているが、スクレ-パ31を取り付けた場合も同様の構成であるので図は敢えて省略した。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
次に、第5の実施形態の地上の排雪を受け入れるための下部投雪口19について図面を参照しながら説明する。
正面図5に於いて、構造物43の下に下部投雪口19が取付られている。
構造物43の上には上部投雪口45が取り付けられているので、構造物43と上部投雪口45及び下部投雪口19は一体化している。双方の投雪口に受け入れられた排雪は、図5に示すようにパイプ状をなした構造物43の中を通過して融雪槽44の中央部の一点に落下させることができるので、各々の投雪口で受け入れたものを夫々の点に落下させるのに比べ、融雪のためのシャワも一組だけ良く、従って構造は簡潔で熱交換効率に優れ、投雪の通過を検知するセンサ18や、槽内の空気と外気の空気を遮断するためのダンパ12も一カ所でよいので、構造は簡潔にして安価な製作費のものを提供できる。