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特開2022-126578データ処理装置、データ処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126578
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】データ処理装置、データ処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/00 20120101AFI20220823BHJP
【FI】
G06Q40/00 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130781
(22)【出願日】2021-08-10
(62)【分割の表示】P 2021509232の分割
【原出願日】2021-02-18
(71)【出願人】
【識別番号】516380407
【氏名又は名称】ファーストアカウンティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】葛 鴻鵬
(72)【発明者】
【氏名】松田 顕
(72)【発明者】
【氏名】小俣 智
(72)【発明者】
【氏名】森 啓太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴亮
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB63
(57)【要約】      (修正有)
【課題】請求書の発行元に対応して仕訳データを作成することが可能なデータ処理装置、データ処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】データ処理装置1は、請求書データから、請求書に示される商品名及び金額を含む複数の明細を示す複数の明細データを抽出する抽出部152と、請求書データに対応する請求書の発行元を特定する特定部153と、特定された発行元に基づいて、抽出した複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する判定部154と、複合仕訳に対応する仕訳データを生成すると判定すると、複数の明細データに基づいて複合仕訳に対応する仕訳データを生成し、単一仕訳に対応する仕訳データを生成すると判定すると、複数の明細データに基づいて単一仕訳に対応する仕訳データを生成する生成部155と、生成された仕訳データを出力する出力部156と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
請求書を示す請求書データを取得するデータ取得部と、
前記請求書データから、前記請求書に示される商品名及び金額を含む複数の明細を示す複数の明細データを抽出する抽出部と、
前記請求書データに対応する請求書の発行元を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記発行元に基づいて、前記抽出部が抽出した前記複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する判定部と、
複合仕訳に対応する仕訳データを生成すると前記判定部が判定すると、前記複数の明細データに基づいて複合仕訳に対応する仕訳データを生成し、単一仕訳に対応する仕訳データを生成すると前記判定部が判定すると、前記複数の明細データに基づいて単一仕訳に対応する仕訳データを生成する生成部と、
前記生成部が生成した前記仕訳データを出力する出力部と、
を有するデータ処理装置。
【請求項2】
過去に発行された過去請求書の前記発行元と、前記過去請求書に対して生成された仕訳データである過去仕訳データとを関連付けて記憶する記憶部を有し、
前記判定部は、前記特定部が特定した前記発行元に関連付けて前記記憶部に記憶されている前記過去仕訳データに基づいて、前記抽出部が抽出した前記複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記発行元と、前記過去仕訳データに基づく前記仕訳データの生成ルールとを関連付けて記憶し、
前記生成部は、前記記憶部において前記発行元に関連付けられて記憶されている前記生成ルールに基づいて前記仕訳データを生成する、
請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記発行元と、前記請求書の発行先と、前記生成ルールとを関連付けて記憶し、
前記特定部は、前記データ取得部が取得した前記請求書データが示す請求書の発行先をさらに特定し、
前記判定部は、前記特定部が特定した前記発行元と前記発行先とに関連付けて前記記憶部に記憶されている前記生成ルールに基づいて、前記抽出部が抽出した前記複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定し、
前記生成部は、前記特定部が特定した前記発行元と前記発行先とに関連付けて前記記憶部に記憶されている前記生成ルールに基づいて前記仕訳データを生成する、
請求項3に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記発行元と、前記発行元の業種と、前記生成ルールとを関連付けて記憶し、
前記特定部は、前記データ取得部が取得した前記請求書データが示す請求書の発行元の業種をさらに特定し、
前記判定部は、前記記憶部において前記特定部が特定した前記発行元に関連付けて前記生成ルールが記憶されていない場合、前記特定部が特定した前記発行元の業種と、前記特定部が特定した前記発行元と異なる発行元とに関連付けて前記記憶部に記憶されている前記生成ルールに基づいて、前記抽出部が抽出した前記複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定し、
前記生成部は、前記特定部が特定した前記発行元の業種と、前記特定部が特定した前記発行元と異なる発行元とに関連付けて前記記憶部に記憶されている前記生成ルールに基づいて前記仕訳データを生成する、
請求項3に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記記憶部において前記特定部が特定した前記発行元に関連付けて前記生成ルールが記憶されていない場合、前記特定部が特定した前記発行元の業種と、前記特定部が特定した前記発行元と異なる発行元とに関連付けて前記記憶部に記憶されている前記生成ルールを、前記特定部が特定した前記発行元と、前記発行元の業種とに関連付けて前記記憶部に記憶させる登録部をさらに有する、
請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記請求書に対応する発注書を示す発注書データをさらに特定し、
前記判定部は、前記特定部が特定した前記発注書データの内容と、前記特定部が特定した発行元とに基づいて、前記抽出部が抽出した前記複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する、
請求書を示す請求書データを取得するステップと、
前記請求書データから、前記請求書に示される商品名及び金額を含む複数の明細を示す複数の明細データを抽出するステップと、
前記請求書データに対応する請求書の発行元を特定するステップと、
特定された前記発行元に基づいて、抽出された前記複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定するステップと、
複合仕訳に対応する仕訳データを生成すると判定されると、前記複数の明細データに基づいて複合仕訳に対応する仕訳データを生成し、単一仕訳に対応する仕訳データを生成すると判定すると、前記複数の明細データに基づいて単一仕訳に対応する仕訳データを生成するステップと、
生成された前記仕訳データを出力するステップと、
を有するデータ処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
請求書を示す請求書データを取得するデータ取得部、
前記請求書データから、前記請求書に示される商品名及び金額を含む複数の明細を示す複数の明細データを抽出する抽出部、
前記請求書データに対応する請求書の発行元を特定する特定部、
前記特定部が特定した前記発行元に基づいて、前記抽出部が抽出した前記複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する判定部、
複合仕訳に対応する仕訳データを生成すると前記判定部が判定すると、前記複数の明細データに基づいて複合仕訳に対応する仕訳データを生成し、単一仕訳に対応する仕訳データを生成すると前記判定部が判定すると、前記複数の明細データに基づいて単一仕訳に対応する仕訳データを生成する生成部、及び、
前記生成部が生成した前記仕訳データを出力する出力部、
として機能させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、証憑データを処理するデータ処理装置、データ処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
請求書を示す請求書データから商品名及び金額を含む明細を読み取り、読み取った明細を示す明細データに基づいて仕訳データを作成する会計処理システムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-173935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
仕訳データの生成ルールは、請求書の発行元によって異なり、例えば、請求書データから抽出した複数の明細データに基づいて一件の仕訳データを作成したり、複数の仕訳データを作成したりすることが行われている。しかしながら、従来の会計処理システムでは、請求書の発行元に対応して、仕訳データの作成を柔軟に行うことができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、請求書の発行元に対応して仕訳データを作成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るデータ処理装置は、請求書を示す請求書データを取得するデータ取得部と、前記請求書データから、前記請求書に示される商品名及び金額を含む複数の明細を示す複数の明細データを抽出する抽出部と、前記請求書データに対応する請求書の発行元を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記発行元に基づいて、前記抽出部が抽出した前記複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する判定部と、複合仕訳に対応する仕訳データを生成すると前記判定部が判定すると、前記複数の明細データに基づいて複合仕訳に対応する仕訳データを生成し、単一仕訳に対応する仕訳データを生成すると前記判定部が判定すると、前記複数の明細データに基づいて単一仕訳に対応する仕訳データを生成する生成部と、前記生成部が生成した前記仕訳データを出力する出力部と、を有する。
【0007】
前記データ処理装置は、過去に発行された過去請求書の前記発行元と、前記過去請求書に対して生成された仕訳データである過去仕訳データとを関連付けて記憶する記憶部を有し、前記判定部は、前記特定部が特定した前記発行元に関連付けて前記記憶部に記憶されている前記過去仕訳データに基づいて、前記抽出部が抽出した前記複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定してもよい。
【0008】
前記記憶部は、前記発行元と、前記過去仕訳データに基づく前記仕訳データの生成ルールとを関連付けて記憶し、前記生成部は、前記記憶部において前記発行元に関連付けられて記憶されている前記生成ルールに基づいて前記仕訳データを生成してもよい。
【0009】
前記記憶部は、前記発行元と、前記請求書の発行先と、前記生成ルールとを関連付けて記憶し、前記特定部は、前記データ取得部が取得した前記請求書データが示す請求書の発行先をさらに特定し、前記判定部は、前記特定部が特定した前記発行元と前記発行先とに関連付けて前記記憶部に記憶されている前記生成ルールに基づいて、前記抽出部が抽出した前記複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定し、前記生成部は、前記特定部が特定した前記発行元と前記発行先とに関連付けて前記記憶部に記憶されている前記生成ルールに基づいて前記仕訳データを生成してもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記発行元と、前記発行元の業種と、前記生成ルールとを関連付けて記憶し、前記特定部は、前記データ取得部が取得した前記請求書データが示す請求書の発行元の業種をさらに特定し、前記判定部は、前記記憶部において前記特定部が特定した前記発行元に関連付けて前記生成ルールが記憶されていない場合、前記特定部が特定した前記発行元の業種と、前記特定部が特定した前記発行元と異なる発行元とに関連付けて前記記憶部に記憶されている前記生成ルールに基づいて、前記抽出部が抽出した前記複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定し、前記生成部は、前記特定部が特定した前記発行元の業種と、前記特定部が特定した前記発行元と異なる発行元とに関連付けて前記記憶部に記憶されている前記生成ルールに基づいて前記仕訳データを生成してもよい。
【0011】
前記データ処理装置は、前記記憶部において前記特定部が特定した前記発行元に関連付けて前記生成ルールが記憶されていない場合、前記特定部が特定した前記発行元の業種と、前記特定部が特定した前記発行元と異なる発行元とに関連付けて前記記憶部に記憶されている前記生成ルールを、前記特定部が特定した前記発行元と、前記発行元の業種とに関連付けて前記記憶部に記憶させる登録部をさらに有してもよい。
【0012】
前記特定部は、前記請求書に対応する発注書を示す発注書データをさらに特定し、前記判定部は、前記特定部が特定した前記発注書データの内容と、前記特定部が特定した発行元とに基づいて、前記抽出部が抽出した前記複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様に係るデータ処理方法は、コンピュータが実行する、請求書を示す請求書データを取得するステップと、前記請求書データから、前記請求書に示される商品名及び金額を含む複数の明細を示す複数の明細データを抽出するステップと、前記請求書データに対応する請求書の発行元を特定するステップと、特定された前記発行元に基づいて、抽出された前記複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定するステップと、複合仕訳に対応する仕訳データを生成すると判定されると、前記複数の明細データに基づいて複合仕訳に対応する仕訳データを生成し、単一仕訳に対応する仕訳データを生成すると判定すると、前記複数の明細データに基づいて単一仕訳に対応する仕訳データを生成するステップと、生成された前記仕訳データを出力するステップと、を有する。
【0014】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、コンピュータを、請求書を示す請求書データを取得するデータ取得部、前記請求書データから、前記請求書に示される商品名及び金額を含む複数の明細を示す複数の明細データを抽出する抽出部、前記請求書データに対応する請求書の発行元を特定する特定部、前記特定部が特定した前記発行元に基づいて、前記抽出部が抽出した前記複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する判定部、複合仕訳に対応する仕訳データを生成すると前記判定部が判定すると、前記複数の明細データに基づいて複合仕訳に対応する仕訳データを生成し、単一仕訳に対応する仕訳データを生成すると前記判定部が判定すると、前記複数の明細データに基づいて単一仕訳に対応する仕訳データを生成する生成部、及び、前記生成部が生成した前記仕訳データを出力する出力部、として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、請求書の発行元に対応して仕訳データを作成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態に係るデータ処理装置の概要を説明するための図である。
図2】被請求者が受領する請求書の一例を示す図である。
図3】第1実施形態に係るデータ処理装置の機能構成を示す図である。
図4】仕訳データベースの一例を示す図である。
図5】生成ルール情報の一例を示す図である。
図6】出力部が出力した登録画面の一例を示す図である。
図7】第1実施形態に係るデータ処理装置における基本的な処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
[データ処理装置1の概要]
図1は、第1実施形態に係るデータ処理装置1の概要を説明するための図である。データ処理装置1は、スキャナ又はデジタルカメラ等の読取装置2が請求書を読み取ることによって生成された請求書の画像データである請求書データを取得し、請求書データに含まれる文字列を解析した結果を用いて仕訳データを生成し、会計システム3に登録するための装置であり、例えばコンピュータである。データ処理装置1は、1台のコンピュータにより構成されていてもよく、複数のコンピュータにより構成されていてもよい。
【0018】
図2は、被請求者としてのデータ処理装置1のユーザが受領する請求書の一例を示す図である。図2に示す請求書には、請求書の発行元、すなわち取引における代金を請求する取引先の名称、住所、連絡先が表示されている。また、請求書には、件名(図2に示す2020年1月分)、請求の対象となる商品の商品名、商品の金額(すなわち小計)、複数の商品の合計金額(すなわち請求額)が表示されている。データ処理装置1は、読取装置2が請求書を読み取ることによって生成された請求書データからOCR処理を行うことによりテキスト情報を抽出し、抽出したテキスト情報に基づいて仕訳データを生成する。
【0019】
仕訳データの生成ルールは、請求書の発行元によって異なり、例えば経理担当者が、請求書データから抽出した複数の明細データに基づいて複合仕訳に対応する仕訳データを生成したり、単一仕訳に対応する仕訳データを生成したりすることが行われている。
【0020】
ここで、複合仕訳は、請求書が示す一つの取引を複数行で仕訳を行う方法であり、一つの貸方勘定科目に対して、複数の借方勘定科目が設けられる。また、単一仕訳は、請求書が示す一つの取引を一行で仕訳を行う方法であり、一つの貸方勘定科目に対して、一つの借方勘定科目が設けられる。
【0021】
データ処理装置1は、請求書データから複数の明細を示す複数の明細データを抽出し、請求書の発行元に基づいて、複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する。データ処理装置1は、判定結果に基づいて複合仕訳に対応する仕訳データ、又は単一仕訳に対応する仕訳データを生成する。このようにすることで、データ処理装置1は、請求書の発行元に対応して仕訳データを生成することができる。
【0022】
[データ処理装置1の機能構成及び動作]
図3は、第1実施形態に係るデータ処理装置1の機能構成を示す図である。データ処理装置1は、通信部11と、操作部12と、表示部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。制御部15は、データ取得部151と、抽出部152と、特定部153と、判定部154と、生成部155と、出力部156と、登録部157とを有する。
【0023】
通信部11は、ネットワーク(例えばイントラネット又はインターネット)に接続するための通信インターフェースであり、読取装置2からデータを受信したり、他のコンピュータとの間でデータを送受信したりするための通信コントローラを有する。
【0024】
操作部12は、請求書から読み取った文字列や数値を訂正したりするためのキーボード、マウス及びディスプレイ等のデバイスを有する。
表示部13は、情報を表示するディスプレイである。表示部13は、制御部15の指示に基づいて情報を表示する。
【0025】
記憶部14は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を有する。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを記憶する。例えば、記憶部14は、制御部15を、データ取得部151、抽出部152、特定部153、判定部154、生成部155、出力部156、及び登録部157として機能させるプログラムを記憶する。
【0026】
また、記憶部14は、読取装置2が請求書を読み取ることによって生成された請求書データを記憶する。また、記憶部14は、請求書データから作成された仕訳データを格納する仕訳データベースを記憶する。
【0027】
図4は、仕訳データベースの一例を示す図である。仕訳データベースには、例えば、会計システムに登録された情報と同じ情報又は会計システムに登録された情報のうち一部の情報が格納される。図4に示すように仕訳データベースでは、請求書の発行元と、請求書に対して生成された仕訳データとが関連付けられている。仕訳データは、例えば、仕訳に対応する取引が行われた日付と、借方勘定科目と、借方補助科目と、借方金額と、貸方勘定科目と、貸方補助科目と、貸方金額と、摘要とを関連付けたデータである。仕訳データベースにおいては、請求書等の証憑を特定するための証憑識別情報(例えば請求書番号等)がさらに含まれていてもよい。
【0028】
なお、以下の説明において、記憶部14に記憶されている請求書データを過去請求書データ、過去請求書データに対応する請求書を過去請求書ともいう。また、過去請求書データに対して生成され記憶部14に記憶された仕訳データを、過去仕訳データともいう。
【0029】
また、記憶部14は、請求書の発行元と、当該発行元に対応する仕訳データの生成ルールとを関連付けて生成ルール情報として記憶する。図5は、生成ルール情報の一例を示す図である。仕訳データの生成ルールは、例えば、過去仕訳データに基づいて生成される。
【0030】
仕訳データの生成ルールは、例えば、請求書の明細に含まれている商品名に基づいて、明細をどの勘定科目に割り当てるかを規定した情報である。図5に示す例では、請求書の発送元がABC通信であり、明細に含まれている商品名に「電話通信料」が含まれている場合、当該明細に対応する借方勘定科目を「通信費」、貸方勘定科目を「未払金」に割り当てることを示している。また、請求書の発送元がABC通信であり、明細に含まれている商品名に「手数料」が含まれている場合、当該明細に対応する借方勘定科目を「手数料」、貸方勘定科目を「未払金」に割り当てることを示している。これにより、ABC通信から受領した請求書に対して、貸方勘定科目が「未払金」であり、借方勘定科目が「通信費」、「手数料」である複合仕訳に対応する仕訳データが生成される。
【0031】
また、図5に示す例において、請求書の発送元がD運送である場合、明細に含まれている商品名に含まれる文字列に関わらず、当該明細に対応する借方勘定科目を「仕入」、貸方勘定科目を「買掛金」に割り当てることを示している。これにより、D商事から受領した請求書に対して、複数の明細が統合され、貸方勘定科目が「仕入」であり、借方勘定科目が「買掛金」である単一仕訳に対応する仕訳データが生成される。
【0032】
なお、仕訳データの生成ルールには、複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを特定するための仕訳データの種別情報が含まれていてもよい。
【0033】
なお、記憶部14は、請求書の発行元と、請求書の発行先と、過去仕訳データに基づく仕訳データの生成ルールとを関連付けて記憶してもよい。このようにすることで、データ処理装置1は、請求書の発行先が異なる部署を示している場合、それぞれの部署に対応して仕訳データを生成することができる。
【0034】
制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、データ取得部151、抽出部152、特定部153、判定部154、生成部155、出力部156、及び登録部157として機能する。
【0035】
データ取得部151は、請求書を示す請求書データを取得する。例えば、データ取得部151は、読取装置2が請求書を読み取ることにより生成された請求書データを取得する。データ取得部151は、読取装置2から請求書データを直接取得してもよいし、データ処理装置1と通信可能に接続されている端末から請求書データを取得してもよい。なお、データ取得部151は、読取装置2が読み取ることにより生成される請求書データを取得することとしたがこれに限らず、発行先等が作成した電子データとしての請求書データを取得してもよい。
【0036】
抽出部152は、データ取得部151が取得した請求書データから、請求書に示される商品名及び金額を含む複数の明細を示す複数の明細データを抽出する。具体的には、抽出部152は、OCR処理を実行することにより、請求書データが示す請求書に含まれているテキスト情報を抽出する。テキスト情報には、請求書の発行元(取引先)、発行先、請求書番号、発注番号、発行日、商品の商品名、商品の金額、請求金額が少なくとも含まれている。抽出部152は、請求書に含まれているテキスト情報の中から、商品名及び金額を含む複数の明細を示す複数の明細データを抽出する。
【0037】
特定部153は、データ取得部151が取得した請求書データに対応する請求書の発行元と、請求書の発行先とを特定する。特定部153は、抽出部152が抽出したテキスト情報から、請求書の発行元を示すテキスト情報及び請求書の発行先を示すテキスト情報を特定することにより、請求書データに対応する請求書の発行元と、請求書の発行先とを特定する。
【0038】
判定部154は、特定部153が特定した発行元に基づいて、抽出部152が抽出した複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する。判定部154は、特定部153が特定した発行元に関連付けて記憶部14に記憶されている過去仕訳データに基づいて、抽出部152が抽出した複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する。
【0039】
具体的には、判定部154は、特定部153が特定した発行元に関連付けて記憶部14に記憶されている、過去仕訳データにより定められた仕訳データの生成ルールに基づいて、抽出部152が抽出した複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する。
【0040】
例えば、判定部154は、特定部153が特定した発行元に関連付けて記憶部14に記憶されている仕訳データの生成ルールが複合仕訳データの生成を示している場合、抽出部152が抽出した複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成すると判定する。また、判定部154は、特定部153が特定した発行元に関連付けられている仕訳データの生成ルールが単一仕訳データの生成を示している場合、抽出部152が抽出した複数の明細データから単一仕訳に対応する仕訳データを生成すると判定する。
【0041】
また、記憶部14に、請求書の発行元と、請求書の発行先と、過去仕訳データに基づく仕訳データの生成ルールとが関連付けて記憶されている場合、判定部154は、特定部153が特定した発行元と発行先とに関連付けられている仕訳データの生成ルールに基づいて、複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定してもよい。このようにすることで、データ処理装置1は、請求書の発行元が同じであっても、請求書の発行先に部署名が含まれる等により、発行先が異なる場合、発行先に応じて異なる仕訳データを生成することができる。
【0042】
また、判定部154は、仕訳データの生成ルールに基づいて複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定したが、これに限らない。判定部154は、特定部153が特定した発行元に関連付けて記憶部14に記憶されている過去仕訳データに基づいて、複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定してもよい。
【0043】
例えば、判定部154は、特定部153が特定した発行元に関連付けて記憶部14に記憶されている過去仕訳データのうち、最も新しい過去仕訳データを特定し、当該過去仕訳データが複合仕訳に対応しているか単一仕訳に対応しているかに基づいて、複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定してもよい。
【0044】
また、判定部154は、請求書データが示す請求書に対応する発注書の内容に基づいて、複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定してもよい。この場合、記憶部14には、発注番号を含む発注書を示す発注書データが記憶されているものとする。特定部153は、抽出部152が抽出したテキストデータから、請求書に対応する発注書の発注番号をさらに特定し、当該発注番号と、発行元とに基づいて、請求書に対応する発注書を示す発注書データを特定する。
【0045】
判定部154は、特定部153が特定した発注書データの内容と、特定部153が特定した発行元とに基づいて、抽出部152が抽出した複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する。
【0046】
例えば、判定部154は、特定部153が特定した発注書データに含まれている発注元の部署を特定することで、請求書の発行先を特定する。そして、判定部154は、当該発行先と、特定部153が特定した発行元とに関連付けられている仕訳データの生成ルールに基づいて、複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する。このようにすることで、データ処理装置1は、請求書から、発注元の部署名、すなわち請求書の発行先が特定できない場合であっても、発注書の内容に基づいて請求書の発行先を特定し、当該発行先に対応する仕訳データを生成することができる。
【0047】
生成部155は、判定部154による判定結果に基づいて、抽出部152が抽出した複数の明細データに対応する仕訳データを生成する。生成部155は、複合仕訳に対応する仕訳データを生成すると判定部154が判定すると、複数の明細データに基づいて複合仕訳に対応する仕訳データを生成する。また、生成部155は、単一仕訳に対応する仕訳データを生成すると判定部154が判定すると、単一仕訳に対応する仕訳データを生成する。生成部155は、特定部153が特定した発行元に関連付けられている仕訳データの生成ルールに基づいて、複合仕訳に対応する仕訳データ又は単一仕訳に対応する仕訳データを生成する。
【0048】
また、生成部155は、特定部153が特定した発行元及び発行先に仕訳データの生成ルールが関連付けられている場合、当該仕訳データの生成ルールに基づいて、複合仕訳に対応する仕訳データ又は単一仕訳に対応する仕訳データを生成する。
【0049】
例えば、発行元が同じ請求書が毎月2通送付され、一方の請求書の発行先は営業部であり、他方の請求書の発行先は総務部であるものとする。この場合、生成部155は、請求書の発行元と、発行先である営業部とに関連付けられている仕訳データの生成ルールに基づいて、営業部に対応する仕訳データの生成ルールで、複合仕訳に対応する仕訳データを生成する。例えば、生成部155は、複数の明細データのそれぞれに対応して、複数の異なる補助科目のそれぞれに同一の借方勘定科目を関連付けた、複合仕訳に対応する仕訳データを生成する。また、生成部155は、当該請求書の発行元と、発行先である総務部とに関連付けられている仕訳データの生成ルールに基づいて、単一仕訳に対応する仕訳データを生成する。
【0050】
出力部156は、生成部155が生成した仕訳データを出力する。例えば、出力部156は、生成部155が生成した仕訳データを含み、当該仕訳データの会計システム3への登録を受け付ける登録画面を表示部13に出力する。図6は、出力部156が出力した登録画面の一例を示す図である。図6に示す仕訳データは、図2に対応する請求書に基づいて生成された仕訳データである。図6に示す例では、複合仕訳に対応する仕訳データの他に、登録者として、ユーザの氏名が表示されているとともに、会計システム3への仕訳データの登録を受け付ける登録ボタンと、仕訳データの生成ルールの登録又は編集を受け付けるルール編集ボタンとが表示されていることが確認できる。
【0051】
登録部157は、仕訳データを会計システム3に登録する。例えば、登録部157は、出力部156が表示部13に出力した登録画面において、登録ボタンを押下する操作をユーザから受け付けると、登録画面に表示されている仕訳データを会計システム3に登録する。登録部157は、登録画面に表示されている仕訳データの修正をユーザから受け付けてもよい。
【0052】
また、登録部157は、登録画面においてルール編集ボタンが押下されたことに応じて、登録画面に示されている仕訳データに対応する仕訳データの生成ルールの登録画面を表示部13に表示させ、ユーザから仕訳データの生成ルールの登録又は編集を受け付けてもよい。そして、登録部157は、ユーザから仕訳データの生成ルールの登録操作又は編集操作を受け付けたことに応じて、仕訳データの生成ルールと、当該仕訳データに対応する請求書の発行元とを関連付けて、生成ルール情報として記憶部14に記憶させてもよい。図6に示す例の場合、登録部157は、図2に示した請求書を発行したABC通信株式会社に関連付けて、電話通信料を合算して「通信費」として借方勘定科目に割り当てて、手数料を「手数料」として借方勘定科目に割り当てるという生成ルール情報を記憶部14に記憶させる。
【0053】
[データ処理装置1における処理の流れ]
続いて、データ処理装置1における処理の流れを説明する。図7は、第1実施形態に係るデータ処理装置1における基本的な処理の流れを示すフローチャートである。
まず、データ取得部151は、読取装置2が請求書を読み取ることによって生成した請求書データを取得する(S1)。
続いて、抽出部152は、請求書データに含まれているテキスト情報を抽出する(S2)。
【0054】
続いて、特定部153は、データ取得部151が取得した請求書データに対応する請求書の発行元を特定する(S3)。
続いて、判定部154は、S3において特定された発行元に基づいて、S2において抽出された複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する(S4)。判定部154は、複合仕訳に対応する仕訳データを生成すると判定すると、S5に処理を移し、複合仕訳に対応する仕訳データを生成せずに、単一仕訳に対応する仕訳データを生成すると判定すると、S6に処理を移す。
【0055】
S5において、生成部155は、S3において特定された発行元に関連付けられている仕訳データの生成ルールに基づいて、複合仕訳に対応する仕訳データを生成する。
S6において、生成部155は、S3において特定された発行元に関連付けられている仕訳データの生成ルールに基づいて、単一仕訳に対応する仕訳データを生成する。
【0056】
S7において、出力部156は、S5又はS6において生成された仕訳データを含む登録画面を表示部13に表示させる。
続いて、登録部157は、登録画面において、登録ボタンを押下する操作をユーザから受け付けると、登録画面に含まれている仕訳データを会計システム3に登録する(S8)。
【0057】
[第1実施形態に係るデータ処理装置1による効果]
以上説明したように、第1実施形態に係るデータ処理装置1は、請求書データに対応する請求書の発行元を特定し、特定した発行元に基づいて、抽出された複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する。そして、データ処理装置1は、複合仕訳に対応する仕訳データを生成すると判定すると、複数の明細データに基づいて複合仕訳に対応する仕訳データを生成し、単一仕訳に対応する仕訳データを生成すると判定すると、複数の明細データに基づいて単一仕訳に対応する仕訳データを生成する。このようにすることで、データ処理装置1は、請求書の発行元に対応して仕訳データを作成することができる。
【0058】
<第2実施形態>
[同業種の発行元の仕訳データの生成ルールに基づいて複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する]
続いて、第2実施形態に係るデータ処理装置1について説明する。第1実施形態に係るデータ処理装置1は、請求書データに対応する請求書の発行元が、データ処理装置1のユーザと過去に取引を行ったことがない場合、当該請求書データから抽出した複数の明細データから、複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定することができないという問題がある。
【0059】
これに対し、第2実施形態に係るデータ処理装置1は、同業種の発行元の仕訳データの生成ルールに基づいて複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する機能を有する。以下、第2実施形態に係るデータ処理装置1の説明を行う。なお、第1実施形態と同じ部分については適宜説明を省略する。
【0060】
第2実施形態に係る記憶部14は、請求書の発行元と、当該発行元の業種と、仕訳データの生成ルールとを関連付けて記憶する。
第2実施形態に係る特定部153は、データ取得部151が取得した請求書データが示す請求書の発行元を特定するとともに、当該発行元の業種を特定する。例えば、記憶部14に、商品名又は発行元の名称と、発行元の業種とを関連付けた業種特定用情報を記憶しておく。特定部153は、業種特定用情報において、抽出部152が抽出したテキストデータに含まれる商品名や発行元の名称に関連付けられている発行元の業種を特定することにより発行元の業種を特定する。また、特定部153は、抽出部152が抽出した発行元の名称を検索エンジンで検索し、当該発行元に関する情報を取得し、取得した発行元に関する情報に基づいて発行元の業種を特定してもよい。
【0061】
第2実施形態に係る判定部154は、記憶部14において特定部153が特定した発行元に関連付けて仕訳データの生成ルールが記憶されていない場合、特定部153が特定した発行元と異なる発行元と、特定部153が特定した発行元の業種とに関連付けて記憶部14に記憶されている仕訳データの生成ルールを特定する。そして、判定部154は、特定した仕訳データの生成ルールに基づいて、抽出部152が抽出した複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する。
【0062】
例えば、判定部154は、特定部153が特定した発行元の業種が運輸業であるとともに、当該発行元に関連付けて仕訳データの生成ルールが記憶されていない場合、発行元の業種としての運輸業と、特定部153が特定した発行元と異なる発行元とに関連付けて記憶部14に記憶されている仕訳データの生成ルールに基づいて、抽出部152が抽出した複数の明細データから複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定する。このようにすることで、データ処理装置1は、ユーザが初めて取引を行う取引先が発行した請求書であっても、複合仕訳に対応する仕訳データを生成するか、単一仕訳に対応する仕訳データを生成するかを判定することができる。
【0063】
登録部157は、仕訳データの会計システム3への登録を受け付ける登録画面を介した仕訳データの登録時に、仕訳データの生成ルールを登録する。例えば、登録部157は、記憶部14において特定部153が特定した発行元に関連付けて生成ルールが記憶されていない場合、特定部153が特定した発行元の業種と、特定部153が特定した発行元と異なる発行元とに関連付けて記憶部14に記憶されている仕訳データの生成ルールを登録するか否かの登録画面を表示させる。
【0064】
登録部157は、登録画面においてルール編集ボタンが押下されたか否かにかかわらず、登録画面を表示させるようにしてもよい。そして、登録部157は、登録画面において、ユーザから仕訳データの生成ルールの登録操作を受け付けたことに応じて、特定部153が特定した発行元と、発行元の業種とに関連付けて記憶部14に記憶させる。このようにすることで、データ処理装置1は、ユーザが初めて取引を行う取引先が発行した請求書に対応する仕訳データの生成ルールを容易に登録することができる。
【0065】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、請求書データは、読取装置2が読み取ることにより作成されたデータであることとしたが、これに限らず、コンピュータが作成したpdfファイル等の電子データであってもよい。また、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0066】
1 データ処理装置
2 読取装置
11 通信部
12 操作部
13 表示部
14 記憶部
15 制御部
151 データ取得部
152 抽出部
153 特定部
154 判定部
155 生成部
156 出力部
157 登録部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7