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特開2022-126598破壊ハンマーおよび打撃ピストンを支持する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126598
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】破壊ハンマーおよび打撃ピストンを支持する方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/36 20060101AFI20220823BHJP
   B25D 9/04 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
E02F3/36 A
B25D9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022020338
(22)【出願日】2022-02-14
(31)【優先権主張番号】21156643
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】515277780
【氏名又は名称】サンドヴィック マイニング アンド コンストラクション オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オクスマン, ミカ
(72)【発明者】
【氏名】ニッシネン, ユルキ
(72)【発明者】
【氏名】レーン, ユハニ
(72)【発明者】
【氏名】モイラネン, ハリー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】改良された破壊ハンマーおよび打撃ピストンを支持する方法を提供する。
【解決手段】破壊ハンマーは、往復ピストン9を備えた打撃装置4を備える。ピストンは、第1のピストン軸受要素19および第2のピストン軸受要素20によって、その端部でフレームに支持される。第2のピストン軸受要素は、ピストンの作動カラー10に面するカラーシール要素13を備える。ピストン軸受要素は、容易に着脱可能な別個の構成要素である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧式破壊ハンマー(1)であって、
フレーム(8)と、前記フレーム(8)の内側に配置されたピストン(9)とを備えた打撃装置(4)であって、前記打撃装置(4)の第1および第2の作動圧力空間(11、12)に供給される液圧流体の圧力によって衝撃方向(A)および戻り方向(B)における前記ピストン(8)の往復長手方向移動を含む作動サイクルを実行するように構成された、打撃装置(4)と、
前記作動サイクルを実行するための前記第1および第2の作動圧力空間(11、12)のうちの少なくとも1つの前記液圧流体の供給および排出を制御する少なくとも1つの制御装置(CD)と、
前記第1および第2の作動圧力空間(11、12)の間に配置された前記ピストン(9)の作動カラー(10)であって、前記第1および第2の作動圧力空間(11、12)が液圧的に分離されるように前記作動カラー(10)の外面が包囲構造体に封止される、作動カラー(10)と、
相互に軸方向に距離をおいて配置された第1のピストン軸受(17)および第2のピストン軸受(18)と
を備え、
前記第1および第2のピストン軸受(17、18)が、前記ピストン(9)の反対側にある第1および第2の端部のための支持を提供するように構成されることにより、前記第1の作動圧力空間(11)、前記作動カラー(10)および前記第2の作動圧力(12)空間がすべて前記第1および第2のピストン軸受(17、18)の間に配置され、
少なくとも前記第2のピストン軸受(18)が、一体で前記フレーム(8)に取り付け可能な別個のスリーブ状要素(20)であり、
前記作動カラー(10)の外面と前記第2のピストン軸受要素(20)との間に半径方向隙間(14)があり、少なくとも1つの別個のカラーシール要素(13)が前記隙間(14)を封止するように配置され、
前記第2のピストン軸受要素(20)が前記カラーシール要素(13)のための少なくとも1つの第1のシールハウジング(13’)を備えること
を特徴とする、破壊ハンマー(1)。
【請求項2】
前記第1のシールハウジング(13’)が、前記第2の軸受要素(20)の工具側端部に配置され、前記第2の軸受要素(20)の内面にシール溝(13a)を備え、
前記カラーシール要素(13)が、前記シール溝(13a)に取り付けられたスライドリングであること
を特徴とする、請求項1に記載の破壊ハンマー。
【請求項3】
前記第2のピストン軸受要素(20)に、専用の潤滑チャネル(28)が設けられること
を特徴とする、請求項1または2に記載の破壊ハンマー。
【請求項4】
前記第2のピストン軸受要素(20)に、端部クッション空間(27)が設けられ、前記ピストン(9)の前記移動が前記戻り方向および衝撃方向(B、A)の移動の間で変化する所定の死点を前記戻り方向(B)の前記ピストン移動が超えると、前記端部クッション空間(27)が前記作動カラー(10)とともに閉じた圧力空間を形成するように構成されること
を特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の破壊ハンマー。
【請求項5】
前記第1および第2のピストン軸受(17、18)が、両方とも交換可能な細長い軸受ブッシング(19、20)であること
を特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の破壊ハンマー。
【請求項6】
前記打撃装置(4)が直動圧力アキュムレータ(35)を備え、前記アキュムレータ(35)が、前記ピストン(9)の戻り方向(B)端部に配置され、前記ピストン(9)の前記第2の端部が前記戻り方向(B)のその移動中に前記アキュムレータ(35)の内側に突出するときに圧力エネルギーを蓄積するように構成され、
前記第2のピストン軸受要素(20)に、前記圧力アキュムレータ(35)に面するその第2の端部に少なくとも1つの第2のシールハウジング(36’)が設けられ、
前記第2のシールハウジング(36’)が、前記ピストン(9)に面し前記第2のピストン軸受要素(20)の軸受部(25)と前記圧力アキュムレータ(35)とを相互から流体密に分離するガスシール要素(36)を備えること
を特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の破壊ハンマー。
【請求項7】
前記戻り方向(B)側に配置される前記第2の作動圧力空間(12)が、前記ピストン(9)および前記第2のピストン軸受要素(20)によってのみ限定されること
を特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の破壊ハンマー。
【請求項8】
前記第1および第2のピストン軸受(17、18)が、両方とも交換可能な細長い軸受ブッシング(19、20)であり、前記フレーム(8)と半径方向に対向する前記ブッシング(19、20)の外径の大きさが等しく、
前記打撃装置(4)のフレーム(8)が中央貫通開口(21)を備え、前記中央貫通開口(21)の少なくとも両端部が、その大きさが等しく前記軸受ブッシング(19、20)の等しい前記外径と一致する同軸内径(D1、D2)を有すること
を特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の破壊ハンマー。
【請求項9】
前記制御装置(DC)が、第1の作動圧力空間(11)に前記ピストン(9)を前記戻り方向(B)に移動させるための実質的に一定の作動液圧を向けるように構成され、前記第2の作動圧力空間(12)に作動液圧を供給し前記第2の作動圧力空間(12)から作動液圧を解放することにより前記作動サイクル中の前記ピストン(9)の往復移動を制御するように構成されること
を特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の破壊ハンマー。
【請求項10】
液圧式破壊ハンマー(1)のピストン(9)を支持する方法であって、
第1のピストン軸受(17)および第2のピストン軸受(18)によって前記破壊ハンマー(1)の打撃装置(4)のフレーム(8)に対して軸方向に移動可能に前記ピストン(9)を支持することと、
前記ピストン(9)の作動カラー(10)に配置されたシール要素(13)によって前記打撃装置(4)の作動圧力空間(11、12)を相互から封止することと
を含み、
前記第1のピストン軸受(17)を前記ピストン(9)の衝撃方向(A)側端部に配置し、前記第2のピストン軸受(18)を前記ピストン(9)の反対側の戻り方向(B)側端部に配置することと、
少なくとも前記第2のピストン軸受要素(18)のための別個のスリーブ状軸受ブッシング(20)を使用することと、
前記ピストン(9)に面する第1のシールハウジング(13’)を前記第2のピストンシールブッシング(20)に設けることと、
交換可能なカラーシール要素(13)を前記第1のシールハウジング(13’)に取り付けることと、
前記第2のピストン軸受ブッシング(20)を前記カラーシール要素(13)と一体に前記打撃装置(4)の前記フレーム(8)に取り付けることであって、前記第2のピストン軸受要素(20)が前記ピストン(9)のための軸受およびシールを提供する、前記第2のピストン軸受ブッシング(20)を取り付けることと
を特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液圧式破壊ハンマーに関する。破壊ハンマーは、打撃ピストンを備えた打撃装置を備え、打撃ピストンは軸受によって打撃装置のフレームの内側に軸方向に移動可能に支持される。
【0002】
本発明はさらに、液圧破壊ハンマーの打撃装置のピストンを支持する方法に関する。
【0003】
本発明の分野は、独立請求項の前文においてより具体的に規定される。
【背景技術】
【0004】
破壊ハンマーは、岩石、コンクリートなどの硬質材料を破壊するために使用される。破壊ハンマーは、破壊ハンマーに接続可能な破壊工具への衝撃パルスを発生させるための打撃装置を備える。打撃装置は、打撃装置のフレームの内側に軸方向に移動可能に配置されたピストンを備える。ピストンは、打撃装置のフレームに対して軸受によって支持される。既知の軸受の解決策は、いくつかの欠点を示している。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、新規かつ改良された破壊ハンマーおよび打撃ピストンを支持する方法を提供することである。
【0006】
本発明による破壊ハンマーは、独立した装置請求項の特徴的な特徴によって特徴付けられる。
【0007】
本発明による方法は、独立した方法請求項の特徴的な特徴によって特徴付けられる。
【0008】
開示される解決策の概念は、打撃装置のピストンがその遠位端部で軸受によって支持され、ピストンの中間部が、ピストンを衝撃方向および戻り方向に移動させるための作動圧力面をピストンに提供するための作動カラーであることである。戻り方向端部には、スリーブ状の第2のピストン軸受要素がある。この要素またはブッシングは、一体で打撃装置のフレームに取り付け可能な別個の部品である。第2の軸受要素は、軸受だけでなくピストンのシールも提供する二重目的要素である。封止のために、第2のピストン軸受要素には、カラーシール要素を受け入れるためのシールハウジングが設けられる。カラーシール要素は、作動カラーの半径方向外面と第2のピストン軸受要素の内面との間の半径方向隙間を封止する。カラーシール要素は、交換可能な構成要素である。
【0009】
開示される解決策の利点は、別個の第2のピストン軸受要素が、打撃装置のフレームの内側に一体に容易かつ迅速に取り付けおよび取り外しできることである。また、ピストン軸受がピストンの遠位端部に位置すると、ピストンが良好に支持される。開示される構造はまた、打撃ピストンおよび打撃装置全体の全長を短縮することを可能にすることができ、これは破壊ハンマーの取り扱いおよび重量に良い影響を与える。
【0010】
一実施形態によれば、上述のシールハウジングは、第2の軸受要素の工具側端部に配置され、第2の軸受要素の内面にシール溝を備える。上述のカラーシール要素は、シール溝に取り付けられたスライドリングである。シールリングの交換は、第2の軸受要素が最初にフレームから取り外されるときに容易である。
【0011】
一実施形態によれば、上述のスライドリングは、良好な滑り軸受特性を有するプラスチック材料で作られる。
【0012】
一実施形態によれば、第2のピストン軸受要素には専用の潤滑チャネルが設けられる。
【0013】
一実施形態によれば、液圧流体は、作動サイクル中に連続的に第2の軸受に向かって潤滑チャネルを介して供給される。潤滑チャネルは、例えば、高圧アキュムレータに接続されてもよい。潤滑剤は、軸受を潤滑および冷却することができる。軸受の適切な潤滑は、過酷な条件および使用において打撃装置の焼付きを防止する。
【0014】
一実施形態によれば、第2の軸受要素には専用のタンクチャネルが設けられ、タンクチャネルには絞りが設けられ、タンクチャネルはタンクに接続される。タンクチャネルは、シール間の領域からのタンクへの圧力を解放することができ、シールに潤滑を提供することもできる。
【0015】
一実施形態によれば、第2のピストン軸受要素には、端部クッション空間が設けられる。ピストンの移動が戻り方向の移動と衝撃方向の移動との間で変化する所定の死点を戻り方向のピストン移動が超えると、端部クッション空間は作業カラーとともに閉じた圧力空間を形成する。換言すれば、打撃装置の戻り側端部に配置された第2のピストン軸受要素またはブッシングは、ピストンに軸受、シールおよび減速を提供する三重目的要素であってもよい。
【0016】
一実施形態によれば、上述の第1および第2のピストン軸受は、両方とも交換可能な細長い軸受ブッシングである。
【0017】
一実施形態によれば、軸受ブッシングは焼戻し鋼で作られる。あるいは、軸受ブッシングは、青銅または鋳鉄などの他の金属材料で作られてもよい。
【0018】
一実施形態によれば、上述の第1の軸受ブッシングは、ピストンに面する少なくとも1つのシールを備えた少なくとも1つのシールハウジングを備える。したがって、打撃装置の衝撃側端部に配置された第1の軸受ブッシングも、メンテナンスを容易にする容易に交換可能な構成要素である。
【0019】
一実施形態によれば、打撃装置は、ピストンの戻り方向端部に配置され、ピストンの第2の端部が戻り方向のその移動中にアキュムレータの内側に突出するときに圧力エネルギーを蓄積するように構成された、直動圧力アキュムレータを備える。第2のシールハウジングは、ピストンに面し、第2のピストン軸受要素の軸受部分と圧力アキュムレータとを相互から流体密に分離するガスシール要素を備える。第2のピストン軸受要素には、その第2の端部に、圧力アキュムレータに面し、ガスシールを受け入れることができる第2のシールハウジングが設けられる。換言すれば、打撃装置の戻り側端部に配置された第2のピストン軸受要素またはブッシングは、ピストンに軸受、液圧シール、減速およびガスシールを提供する四重目的要素である。
【0020】
一実施形態によれば、戻り方向側に配置される第2の作動圧力空間は、ピストンおよび第2のピストン軸受要素によってのみ限定される。換言すれば、打撃装置の戻り側端部に配置される第2のピストン軸受要素またはブッシングは、ピストンに軸受、液圧シール、減速、ガスシールおよび第2の作動圧力空間の限定を提供する五重目的要素である。
【0021】
一実施形態によれば、第1および第2のピストン軸受は、両方とも交換可能な細長い軸受ブッシングである。フレームと半径方向に対向するブッシングの外径の大きさは等しい。さらに、打撃装置のフレームは中央貫通開口を備え、中央貫通開口の少なくとも両端部は、その大きさが等しく軸受ブッシングの等しい外径と一致する同軸内径を有する。したがって、フレームの両端部の内径は、1つの締結を利用して1つの機械で正確に機械加工することができ、それによって軸受の支持面が同軸であることを保証する。
【0022】
一実施形態によれば、打撃装置のフレームは、端部間に中間部を備え、中間部の内径は端部の直径と等しい。換言すれば、同じ直径を有する3つの内径が存在する。これにより、ピストン軸受要素の構造が簡素化され、フレームの機械加工作業が容易になる。
【0023】
一実施形態によれば、打撃装置のフレームの貫通開口の機械加工された内径はすべて同軸であり、同じ大きさの直径を有する。この種の構造は、製造を容易にするために有益である。
【0024】
一実施形態によれば、制御装置は、ピストンを戻り方向に移動させるための第1の作動圧力空間に実質的に一定の作動液圧を向けるように構成され、第2の作動圧力空間に作動液圧を供給し第2の作動圧力空間から作動液圧を解放することにより、作動サイクル中のピストンの往復移動を制御するように構成される。換言すれば、打撃装置は、ピストンの衝撃方向側に交互の圧力条件(高圧-タンク圧)を備える。
【0025】
一実施形態によれば、打撃装置の動作原理は、上記の実施形態で開示されたものとは異なる。打撃装置は、代替的に、ピストンの戻り方向移動に影響を及ぼす交互の高圧-タンク圧状態、およびピストンを衝撃方向に押す実質的に一定の高圧状態を有してもよい。さらなる代替案は、高圧-タンク圧の交互圧力条件が、両方の移動方向において作動サイクル中に制御される解決策である。また、これらの開示される代替の解決策では、本明細書に開示されるピストン軸受およびシールの解決策、ならびに他の特徴を利用することが可能である。
【0026】
一実施形態によれば、解決策は、液圧式破壊ハンマーのピストンを支持する方法に関する。本方法は、第1のピストン軸受および第2のピストン軸受によって破壊ハンマーの打撃装置のフレームに対して軸方向に移動可能にピストンを支持することと、ピストンの作動カラーに配置されたシール要素によって打撃装置の作動圧力空間を相互から封止することとを含む。本方法は、第1のピストン軸受をピストンの工具側端部に配置し、第2のピストン軸受をピストンの反対側の戻り側端部に配置することと、少なくとも第2のピストン軸受要素のための別個のスリーブ状軸受ブッシングを使用することと、ピストンに面する第1のシールハウジングを上記の第2のピストンシールブッシングに設けることと、交換可能なカラーシール要素を第1のシールハウジングに取り付けることと、第2のピストン軸受ブッシングをカラーシール要素と一体に打撃装置のフレームに取り付けることとをさらに含み、第2のピストン軸受要素はピストンのための軸受およびシールを提供する。
【0027】
一実施形態によれば、本方法は、貫通開口を備える管状フレームを打撃装置に設けることを含み、両端が同軸かつ等しいサイズの内径を備える。別個の第1のピストン軸受ブッシングおよび第2のピストン軸受ブッシングは、貫通開口部の端部に軸方向に押される。ピストン軸受ブッシングのすべてのシールは、ブッシングがフレームから取り外されるときに取り付けおよび取り外しが行われ、それによって保守および修理作業が容易になる。
【0028】
上記で開示された実施形態を組み合わせて、開示された必要な特徴を備えた所望の解決策を形成することができる。
【0029】
いくつかの実施形態が、添付の図面においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】破壊ハンマーを備えた掘削機の概略側面図である。
図2】破壊ハンマーの液圧作動式打撃装置の概略側断面図である。
図3】打撃装置の逆方向側端部に取り付け可能な第2のピストン軸受ブッシングの概略部分側断面図である。
図4図3の第2のピストン軸受ブッシングの概略図である。
図5】打撃装置の工具側端部に取り付け可能な第1のピストン軸受ブッシングの概略図である。
図6】開示された第2のピストン軸受ブッシングに関するいくつかの問題および特徴を示す図の概略図である。
図7】打撃装置のフレームの概略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
明確にするために、図は、開示された解決策のいくつかの実施形態を簡略化して示す。図面において、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【0032】
図1は、掘削機などの作業機械3のブーム2の自由端に配置された破壊ハンマー1を示す。あるいは、ブーム2は、例えば、任意の可動台車に配置されてもよいし、破砕装置の固定台に配置されてもよい。破壊ハンマー1は、衝撃パルスを発生させるための打撃装置4を備える。破壊ハンマー1は、破壊される材料5にブーム2によって押し付けられてもよく、破壊ハンマー1に接続された工具6に対して打撃装置4と同時に衝撃が発生してもよい。工具6は、破壊される材料5に衝撃パルスを伝達する。打撃装置4は液圧式であり、これにより作業機械2の液圧システムに接続される。衝撃パルスは、液圧流体の影響下で衝撃方向Aおよび戻り方向Bに前後に移動される打撃ピストンによって打撃装置4内で生成される。さらに、破壊ハンマー1は、内部に打撃装置4を配置することができる保護ケーシング7を備えることができる。打撃装置4は、本明細書に開示された解決策に従うことができる。
【0033】
図2は、破壊ハンマーの打撃装置4の基本構造を開示している。打撃装置4はフレーム8を備え、その内側に衝撃方向Aおよび戻り方向Bに移動するように打撃ピストン9が配置される。ピストン9は、その中間部に作動カラー10を備える。カラー10の衝撃方向A側には第1の作動圧力空間11があり、戻り方向B側には第2の作動圧力空間12があり、その内側で液圧流体の圧力が制御装置CDによって制御される。作動圧力空間11、12は、カラーシール要素13によって相互から分離されている。隙間14または環状ギャップが作動カラー10を取り囲み、この隙間14はカラーシール要素13によって封止される。
【0034】
ピストン9は、ピストン9を戻り方向Bに移動させるための第1の作動圧力面15と、ピストン9を衝撃方向Aに移動させるための第2の作動圧力面16とを備える。制御装置CDは、第2の圧力空間をタンクTまたは圧力源PSに接続することによって、第2の作動圧力空間12内の圧力を交替させることができる。制御装置CDは、作動サイクルの間、第1の作動圧力空間11を圧力源に接続することができる。第2の作動圧力面16の有効面積は第1の作動圧力面15の面積よりも大きいため、第2の作動圧力空間12に高圧が供給されるとピストンが衝撃方向Aに移動する。圧力流の制御、および作動圧力面の有効面積は、本明細書で既に上述したように、他の方法でも配置および寸法決めすることができることに留意されたい。
【0035】
打撃ピストン9は、第1のピストン軸受17および第2のピストン軸受18によってフレーム8に支持される。第1および第2のピストン軸受17、18は、フレーム8の中央貫通開口21の内側に軸方向に取り付けることができる別個のスリーブ状ピストン軸受要素19、20である。第1のピストン軸受要素19は打撃装置4の下端部でピストン9を支持し、第2のピストン軸受要素20は上端部で支持する。ピストン軸受要素19、20またはブッシングには、ピストン軸受要素19、20の内径をピストン9の外径に封止するための1つまたは複数の液圧シール22、23が設けられている。これらのシールおよびシール部に加えて、ピストン軸受要素19、20は、ピストン9の両端部に滑り軸受を提供するための軸受部24、25を備える。ピストン軸受要素19、20はまた、ピストンが衝撃方向Aおよび戻り方向Bにおけるその通常のストローク長を超える場合に作動圧力面15、16と閉じた圧力空間を形成する端部クッション空間26、27を含むことができる。図から分かるように、第2の作動圧力空間12は、ピストン9と第2のピストン軸受要素20との間に画定されてもよい。第2の軸受要素20の軸受部25には、滑り軸受面のための潤滑源Lからの潤滑を提供するための専用の潤滑チャネル28が設けられてもよい。両方のピストン軸受要素19、20は、絞り装置31を備え、タンクTに接続された専用タンクチャネル29、30を備えることができる。
【0036】
打撃ピストン9は、衝撃方向Aに面し、工具を打つように構成された衝撃面32を備える。ピストン9の後面33は、戻り方向Bに面しており、直動圧力アキュムレータ35のガス空間34内を移動するように構成されている。第2のピストン要素20のシール部の端部には、軸受部25とガス空間34とを相互から流体密に分離するためのガスシール要素36がある。
【0037】
制御装置CDは、例えば、制御バルブ、制御バルブアセンブリ、または直接的もしくは間接的に制御されるバルブ要素のセットであってもよい。制御装置CDは、線形または回転制御経路を移動し、制御圧力チャネルの1つまたは複数の圧力チャネルを制御する1つまたは複数の制御要素を備えることができる。
【0038】
図2は、フレーム8の貫通開口21の内側のピストン軸受要素19、20の軸方向取付方向M1およびM2をさらに開示する。
【0039】
図3および図4は、図2に示すものと実質的に一致する第2のピストン軸受要素20を開示する。図3は、液圧シール要素を受け入れるためのシールハウジング23’をさらに示す。シールハウジング23’は、溝23a、23bであってもよい。ガスシール要素用のシールハウジング36’は、シール溝36aであってもよい。作動カラーシール要素を受け入れるためのシールハウジング13’は、シール溝13aであってもよい。さらに、第2のピストン軸受スリーブ20の両端部の外面には、フレームの長手方向貫通開口に面する外側シール要素を受け入れるためのシール溝37、38があってもよい。ブッシング20は、スリーブ状構造を通って液圧流体を供給するためのいくつかの横方向開口39を備えることができる。
【0040】
図5は、図2に示すものによる第1のピストン軸受要素19を開示する。要素19の内側には、液圧シール用のシールハウジング22’があり、外面には外側シール要素用のシール溝40がある。
【0041】
第1および第2のピストン軸受要素19、20は、それらにシール要素を設けることによって予め組み立てることができる。シール要素を別個のブッシングに取り付けることは、それらを完全な打撃装置構造に取り付けるよりもはるかに容易である。
【0042】
図6に開示された特徴は、本明細書において既に上述されている。
【0043】
図7は、等しい寸法を有する内側同軸内径D1、D2が設けられた中央開口21を備える打撃装置の細長いスリーブ状フレーム8を開示している。直径D1、D2の寸法は、第1および第2のピストン要素19、20の等しい外径と一致する。したがって、軸受ブッシング19、20を受け入れるための軸受ブッシング41、42は、等しい直径を有する。さらに、フレームの中間部には、ブッシング20の下端部分を受け入れるように構成された第3のセクション43があってもよい。第3のセクション43の内径D3もまた、端部の直径D1、D2と同じ直径を有してもよい。すべての直径D1、D2、D3は同軸でもある。正確なセクション41、42、43の間には、圧力接続Pのためのチャンバとして機能する機械加工されていないセクションが存在してもよい。図から分かるように、フレーム8の構造は比較的単純であり、製造が容易である。
【0044】
図面および関連する説明は、本発明の概念を例示することのみを意図している。その詳細において、本発明は特許請求の範囲内で変化し得る。
【符号の説明】
【0045】
1 破壊ハンマー
2 ブーム
3 作業機械
4 打撃装置
5 材料
6 工具
7 保護ケーシング
8 フレーム
9 打撃ピストン
10 作動カラー
11 第1の作動圧力空間
12 第2の作動圧力空間
13 カラーシール要素
13’ シールハウジング
13a シール溝
14 隙間
15 第1の作動圧力面
16 第2の作動圧力面
17 第1のピストン軸受
18 第2のピストン軸受
19 第1のピストン軸受要素、軸受ブッシング
20 第2のピストン軸受要素、軸受ブッシング、第2のピストン軸受スリーブ
21 中央貫通開口
22 液圧シール
22’ シールハウジング
23 液圧シール
23’ シールハウジング
23a 溝
23b 溝
24 軸受部
25 軸受部
26 端部クッション空間
27 端部クッション空間
28 潤滑チャネル
29 専用タンクチャネル
30 専用タンクチャネル
31 絞り装置
32 衝撃面
33 後面
34 ガス空間
35 直動圧力アキュムレータ
36 ガスシール要素
36’ シールハウジング
36a シール溝
37 シール溝
38 シール溝
39 横方向開口
40 シール溝
41 軸受ブッシング
42 軸受ブッシング
43 第3のセクション
A 衝撃方向
B 戻り方向
CD 制御装置
D1 同軸内径
D2 同軸内径
D3 内径
L 潤滑源
M1 軸方向取付方向
M2 軸方向取付方向
P 圧力接続
PS 圧力源
T タンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】