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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126601
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】光通信装置の自動波長設定システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/073 20130101AFI20220823BHJP
   H04J 14/02 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
H04B10/073
H04J14/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022021917
(22)【出願日】2022-02-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0021537
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】517223668
【氏名又は名称】ソリッド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】キム,キョンミン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ボムス
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AD01
5K102AL02
5K102AL08
5K102LA04
5K102LA21
5K102LA31
5K102LA53
5K102MA01
5K102MB02
5K102MC03
5K102MD03
5K102MH03
5K102MH12
5K102MH22
5K102PB13
5K102PC11
5K102PH31
5K102PH47
5K102PH48
5K102PH50
5K102RB02
5K102RD28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光通信装置の自動波長設定システムを提供する。
【解決手段】光通信装置の自動波長設定システムにおいて、光通信装置に備えられる光トランシーバ1200-1(光トランシーバ1200-1は、第1波長に相応する第1送信光を生成して伝送し、第1送信光の伝送以後に受信された第1受信光のパワーを分析し、分析結果、第1送信光が受信されたと判断されれば、第2波長に相応する第2送信光を生成して伝送する)と、光トランシーバ1200-1とマルチプレクサ240との間に形成され、第1送信光が設定波長の光信号であれば、連結されたマルチプレクサ240に伝送し、第1送信光が設定波長の光信号ではなければ、反射して光トランシーバ1200-1に再伝送する光リフレクタと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記光通信装置に備えられる光トランシーバ(前記光トランシーバは、第1波長に相応する第1送信光を生成して伝送し、前記第1送信光の伝送以後に受信された第1受信光のパワーを分析し、前記分析結果、前記第1送信光が受信されたと判断されれば、第2波長に相応する第2送信光を生成して伝送する)と、
前記光トランシーバとマルチプレクサとの間に形成され、前記第1送信光が設定波長の光信号であれば、連結された前記マルチプレクサに伝送し、前記第1送信光が前記設定波長の光信号ではなければ、反射して前記光トランシーバに再伝送する光リフレクタと、を備える、光通信装置の自動波長設定システム。
【請求項2】
前記光トランシーバは、
前記第1送信光を既定の周期によって繰り返して伝送し、前記第1受信光のパワーが繰り返して変化すれば、前記第1送信光が受信されたと判断する、請求項1に記載の光通信装置の自動波長設定システム。
【請求項3】
前記光トランシーバは、
前記第1受信光のパワー変化が前記周期に相応する場合、前記第1送信光が受信されたと判断する、請求項2に記載の光通信装置の自動波長設定システム。
【請求項4】
前記光リフレクタは、
前記第1送信光が前記設定波長に相応しない場合、前記第1送信光を反射して出力するリフレクタと、
前記リフレクタから入力された前記第1送信光を前記光トランシーバに伝送するカプラと、を備えるが、
前記第1送信光が前記設定波長に相応しない場合、前記第1受信光は前記第1送信光を含む、請求項1に記載の光通信装置の自動波長設定システム。
【請求項5】
前記カプラは、
前記マルチプレクサを通じて外部光通信装置から受信された外部光と、前記リフレクタから入力された第1送信光とを結合した前記第1受信光を、前記光トランシーバに伝送する、請求項4に記載の光通信装置の自動波長設定システム。
【請求項6】
第1波長に相応する第1送信光を生成して伝送し、前記第1送信光の伝送以後に受信された第1受信光のパワーを分析し、前記分析結果、前記第1送信光が受信されたと判断されれば、第2波長に相応する第2送信光を生成して伝送する光トランシーバを備える光通信装置と、
前記第1送信光が設定波長の光信号であれば、連結された外部光通信装置に伝送し、前記第1送信光が前記設定波長の光信号ではなければ、反射して前記光トランシーバに再伝送するマルチプレクサと、を備える光通信システム。
【請求項7】
前記光トランシーバは、
前記第1送信光を既定の時間を周期として繰り返して伝送し、前記第1受信光のパワーが繰り返して変化する場合、前記第1送信光が受信されたと判断する、請求項6に記載の光通信システム。
【請求項8】
前記光トランシーバは、
前記第1受信光のパワー変化が前記周期に相応すれば、前記第1送信光が受信されたと判断する、請求項7に記載の光通信システム。
【請求項9】
前記マルチプレクサは、
前記第1送信光が前記設定波長に相応しない場合、前記第1送信光を反射して出力するリフレクタと、
前記リフレクタから入力された前記第1送信光を前記光トランシーバに再伝送するカプラと、を備えるが、
前記第1送信光が前記設定波長に相応しない場合、前記第1受信光は前記第1送信光を含む、請求項6に記載の光通信システム。
【請求項10】
前記カプラは、
前記外部光通信装置から受信された外部光と、前記リフレクタから入力された第1送信光とを結合した前記第1受信光を、前記光トランシーバに伝送する、請求項9に記載の光通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信装置の間の通信チャンネルの連結のために自動で波長を設定する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
受動型光通信網(Passive Optical Network、以下「PON」と称する)は、FTTH環境の具現及びギガビットイーサネットの具現の核心となっている。PONは、中央局側の光線路縦断装置(Optical Line Terminal、OLT)、一つのフィーダ光ケーブルを複数の加入者に共有させるための遠隔ノード(Remote Node、RN)、加入者側の光ネットワーク縦断装置(Optical Network Terminal、ONT)、または光ネットワークユニット(Optical Network Unit、ONU)を備える。光ケーブルは、OLTの光トランシーバ及びONT/ONUの光トランシーバにそれぞれ連結されて、OLTとONT/ONUとを連結させる。ここで、光トランシーバは、それに連結されている光ケーブルを通じて光信号を送受信するためのものであり、GBIC(Gigabit Interface Converter)、SFP(Small Form-factor Pluggable)などの光送受信モジュールである。
【0003】
OLTとONT/ONUとの離隔距離は、数kmないし数十kmである場合が一般的である。よって、OLTとONT/ONUとの間の通信可能な光信号の波長を、管理者がいちいち現場に訪問してセットする場合、非常に煩わしくて時間が過度にかかるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、管理者の訪問なしに光通信装置の間の光信号波長を自動でセットすることができる方法を提供する。
【0005】
本発明の技術的思想が解決しようとする技術的課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及していない他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、光通信装置に備えられる光トランシーバ(前記光トランシーバは、第1波長に相応する第1送信光を生成して伝送し、前記第1送信光の伝送以後に受信された第1受信光のパワーを分析し、前記分析結果、前記第1送信光が受信されたと判断されれば、第2波長に相応する第2送信光を生成して伝送する)、及び前記光トランシーバとマルチプレクサとの間に形成され、前記第1送信光が設定波長の光信号であれば、連結されたマルチプレクサに伝送し、前記第1送信光が前記設定波長の光信号ではなければ、反射して前記光トランシーバに再伝送する光リフレクタを備える光通信装置の自動波長設定システムが開示される。
【0007】
例示的な実施形態によって、前記光トランシーバは、前記第1送信光を既定の時間周期によって繰り返して伝送し、前記第1受信光のパワーが繰り返して変化すれば、前記第1送信光が受信されたと判断する。
【0008】
例示的な実施形態によって、前記光トランシーバは、前記第1受信光のパワー変化が前記周期に相応すれば、前記第1送信光が受信されたと判断する。
【0009】
例示的な実施形態によって、前記光リフレクタは、前記第1送信光が前記設定波長に相応しない場合、前記第1送信光を反射して出力するリフレクタ、及び前記リフレクタから入力された前記第1送信光を前記光トランシーバに伝送するカプラを備えるが、前記第1送信光が前記設定波長に相応しない場合、前記第1受信光は前記第1送信光を含む。
【0010】
例示的な実施形態によって、前記カプラは、前記マルチプレクサを通じて外部光通信装置から受信された外部光と、前記リフレクタから入力された第1送信光とを結合した前記第1受信光を、前記光トランシーバに伝送する。
【0011】
本発明の一側面によれば、第1波長に相応する第1送信光を生成して伝送し、前記第1送信光の伝送以後に受信された第1受信光のパワーを分析し、前記分析結果、前記第1送信光が受信されたと判断されれば、第2波長に相応する第2送信光を生成して伝送する光トランシーバ、及び前記第1送信光が設定波長の光信号であれば、連結された外部光通信装置に伝送し、前記第1送信光が前記設定波長の光信号ではなければ、反射して前記光トランシーバに再伝送するマルチプレクサを備える光通信装置の自動波長設定システムが開示される。
【0012】
例示的な実施形態によって、前記光トランシーバは、前記第1送信光を既定の時間を周期として繰り返して伝送し、前記第1受信光のパワーが繰り返して変化する場合、前記第1送信光が受信されたと判断する。
【0013】
例示的な実施形態によって、前記光トランシーバは、前記第1受信光のパワー変化が前記周期に相応すれば、前記第1送信光が受信されたと判断する。
【0014】
例示的な実施形態によって、前記マルチプレクサは、前記第1送信光が前記設定波長に相応しない場合、前記第1送信光を反射して出力するリフレクタ、及び前記リフレクタから入力された前記第1送信光を前記光トランシーバに再伝送するカプラを備えるが、前記第1送信光が前記設定波長に相応しない場合、前記第1受信光は前記第1送信光を含む。
【0015】
例示的な実施形態によって、前記カプラは、前記外部光通信装置から受信された外部光と、前記リフレクタから入力された第1送信光とを結合した前記第1受信光を、前記光トランシーバに伝送する。
【発明の効果】
【0016】
本発明による光通信システムは、管理者の訪問なしに通信可能な光信号に関する波長を自動でセットすることができる。
【0017】
また、本発明による光通信システムは、光トランシーバ及び/またはマルチプレクサに別途の装置を追加せずに自動で光信号についての波長をセットすることができる。
【0018】
本発明の技術的思想による実施形態が得られる効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していないさらに他の効果は、下記の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態による光通信システムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態による光通信システムのブロック構成図である。
図3】本発明の一実施形態による光モジュール及び光リフレクタのブロック構成図である。
図4】本発明の一実施形態による光波長の自動設定動作のフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の技術的思想は、多様な変更を加えられ、かつ多様な実施形態を持つことができるところ、特定の実施形態を図面に例示し、これを詳細に説明する。しかし、これは、本発明の技術的思想を特定の実施形態によって限定しようとするものではなく、本発明の技術的思想の範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むと理解されねばならない。
【0021】
本発明の技術的思想を説明するに当って、係る公知技術についての具体的な説明が本発明の趣旨を不要に不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、本明細書の説明過程で用いられる数字(例えば、第1、第2など)は、一つの構成要素を他の構成要素から区分するための識別記号に過ぎない。
【0022】
また、本明細書において、一構成要素が他の構成要素と「連結される」か、または「接続する」などと言及された時には、前記一構成要素が前記他の構成要素と直接連結されるか、または直接接続することもあるが、特に逆の記載が存在しない以上、中間にさらに他の構成要素を介して連結されるか、または接続することもあると理解されねばならない。
【0023】
また、本明細書に記載の「~部」、「~器」、「~子」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、APU(Accelerate Processor Unit)、DSP(Drive Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアやソフトウェア、またはハードウェア及びソフトウェアの結合で具現される。
【0024】
そして、本明細書における構成部の区分は、各構成部が担当する主機能別に区分したことに過ぎないということを明らかにする。すなわち、以下で説明する二つ以上の構成部が一つの構成部に合わせられるか、または一つの構成部がさらに細分化した機能別に二つ以上に分化して備えられてもよい。そして、以下で説明する構成部それぞれは、自分の担当する主機能以外にも他の構成部が担当する機能のうち一部または全部の機能をさらに行ってもよく、構成部それぞれが担当する主機能のうち一部の機能が他の構成部によって専担されて行われてもよいということは言うまでもない。
【0025】
以下、本発明の技術的思想による多様な実施形態を順次に詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態による光通信システムの構成図である。
【0027】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による光通信システム100は、第1光通信装置120及び第2光通信装置130を備える。図1では、説明の便宜のために、一つの第2光通信装置130のみを示したが、本発明の技術的思想がこれに限定されるものではない。
【0028】
第1光通信装置120は、第1サイト側に位置し、少なくとも一つ以上の光トランシーバ1200を備える。そして、第2光通信装置130は、第1サイトから所定の距離ほど離隔している第2サイトに位置し、少なくとも一つ以上の光トランシーバ1300を備える。第1光通信装置120と第2光通信装置130とは、それぞれの光トランシーバと、これらを連結する光ケーブルなどを通じて、通信的に連結される。
【0029】
一部の実施形態で、光通信システム100は、光加入者網に応用される。この場合、第1光通信装置120は、中央局側の光線路縦断装置(Optical Line Terminal、OLT)である。そして、第2光通信装置130は、遠隔装置(Remote Terminal、RT)、加入者側の光ネットワーク縦断装置(Optical Network Terminal、ONT)、光ネットワークユニット(Optical Network Unit)のうちいずれか一つである。
【0030】
他の実施形態で、光通信システム100は、分散型基地局のフロントホール伝送網に応用される。この場合、第1光通信装置120は、中央局側のデジタルユニット(Digital Unit、DU)あるいはベースバンドユニット(BaseBand Unit、BBU)側の縦断装置である。そして、第2光通信装置130は、リモートユニット(Remote Unit、RU)あるいはRRH(Remote Radio Head)である。
【0031】
さらに他の実施形態で、光通信システム100は、基地局の陰影地域を解消するための分散アンテナシステム(Distributed Antenna System、DAS)に応用されることもある。この場合、第1光通信装置120は、ヘッドエンドユニットであり、第2光通信装置130は、拡張ユニットまたはリモートユニットである。
【0032】
このように、本発明の技術的思想による光通信システム100は、互いに遠隔地に位置して、対応する光トランシーバを通じて光信号を送受信する光通信装置で具現される、多様な光通信ネットワークに応用される。
【0033】
以下、図2ないし図4を参照して、本発明の一実施形態による光通信システム100において、第1光通信装置120と第2光通信装置130との間の「光波長の自動設定動作」について具体的に説明する。
【0034】
図2は、本発明の一実施形態による光通信システムで、光トランシーバの要部をさらに詳細に示すブロック図である。
【0035】
図2は、図1の光通信システム100がWDM-PONに応用された実施形態を前提として、光トランシーバの要部を図1よりさらに具体的に示したものであると知らせる。また、図2に示された実線の矢印は、ペイ・ロードデータの移動経路を意味し、点線の矢印は、補助管理データ(例えば、AMCC(Auxiliary Management and Control Channel)データ)の移動経路を意味し、一点鎖線の矢印は、光トランシーバから伝送された後で反射されてから受信された光信号の移動経路を意味する。
【0036】
図2を参照すれば、本発明の一実施形態による光通信システム100を構成する複数の光通信装置のうち、第1光通信装置120は、第1メインコントローラ(MCU)210、n個の第1光トランシーバ1200-1ないし1200-nを備える(ここで、nは、2以上の自然数)。
【0037】
n個の第1光トランシーバ1200-1ないし1200-nは、それぞれ第1補助コントローラ(SCU)220、第1送信器230、及び第1受信器250を備える。n個の第1光トランシーバ1200ないし1200-nは、第1MUX 240に連結されて、第1MUX 240に光信号を伝送するか、または第1MUX 240から対応する波長帯域の光信号を受信する。
【0038】
この時、第1送信器230から送出された光信号は、第1フィルタ235-1を通じて第1MUX 240に伝送される。第1フィルタ235-1は、既定の波長の光信号のみを第1MUX 240に伝送するように設定される。よって、第1送信器230から送出された光信号の波長が第1フィルタ235-1に設定された波長に相応すれば、第1MUX 240に伝送されるが、そうではない場合には、該光信号は、第1カプラ237-1に出力されて第1受信器250に再び入力される。これについての具体的な説明は、図3及び図4を参照して後述する。
【0039】
また、本発明の一実施形態による光通信システム100を構成する複数の光通信装置のうち、n個の第2光通信装置130ないし130-nは、n個の第2光トランシーバ1300-1ないし1300-nのうち、対応する光トランシーバを備える。
【0040】
n個の第2光トランシーバ1300-1ないし1300-nは、それぞれ第2補助コントローラ280、第2受信器270、及び第2送信器275を備える。n個の第2光トランシーバ1300-1ないし1300-nは、第2MUX 260に連結されて、第2MUX 260で光信号を伝送するか、または第2MUX 260から光信号を受信する。
【0041】
実施形態によって、第1光通信装置120側の第1MUX 240は、第1光通信装置120と区分される別途の装置であるか、または第1光通信装置120の内部に備えられている構成である。そして、第2MUX 260も、n個の第2光通信装置130-1ないし130-nと別途の装置であるが、複数で構成されて、n個の第2光通信装置130-1ないし130-nそれぞれの内部に備えられてもよい。この場合、n個の第2光通信装置130-1ないし130-nが、複数の光トランシーバをそれぞれ備える。
【0042】
実施形態によって、第1光通信装置120と、第1MUX 240と、第2MUX 260とは、リングトポロジーで連結される。また、実施形態によって、第2MUX 260に複数のサブMUXが連結され、第2光通信装置130-1ないし130-nがサブMUXに連結される形で、ツリートポロジーを形成してもよい。
【0043】
先ず、第1MCU 210は、第1光通信装置120の動作を全般的に制御する構成である。第1MCU 210は、サーバ、NMS(Network Monitoring System)などの外部装置と連結されて、第1光通信装置120の動作に必要な情報及びデータを送受信する。
【0044】
第1メモリ215は、第1光通信装置120の動作に必要なプログラム命令語、いろいろな情報が保存される空間であって、磁気ディスク、SSD(Solid State Drive)などのデータ保存媒体を含む。
【0045】
第1補助コントローラ220は、第1MCU 211と有線または無線で連結された構成であって、第1光トランシーバ1200-1を管理して制御する。第1補助コントローラ220は、第1光トランシーバ1200-1と第2光トランシーバ1300-1との間のペイ・ロードデータの送受信及び制御管理(波長の設定/制御、通信状態のモニタリングなど)を処理する。ここで、第1補助コントローラ220は、第1光トランシーバ1200-1の能動構成であって、高速のペイ・ロードデータと共に、補助管理制御チャンネルを通じる低速の第1補助管理データの伝送のために、多様な制御及び処理を行うプロセッサ、ファームウエアなどが保存されるメモリなどを総称する用語でもある。
【0046】
一方、第1補助コントローラ220は、第1光トランシーバ1200-1から送出された光信号が第1フィルタ235-1を通過しない場合、光信号の波長を変更して再び送出されるように制御する。これについての具体的な説明も、図3及び図4を参照して後述する。
【0047】
第1送信器230は、入力されたペイ・ロードデータ及び/または第1補助管理データを、光信号に変換する構成である。第1送信器230は、レーザーダイオードからなるTOSA(Transmitter Optical Sub-Assemblies)、レーザーダイオード駆動回路(Laser Diode Driving circuitry、LDD)、バイアシング回路などを備える。第1送信器230に入力されるペイ・ロードデータは、LDDを経て入力される。特に、第1送信器230は、第1送信光を生成する。第1送信光は、第1テスト光信号及び第1送信波長光信号を含む。第1テスト光信号は、第1送信器230がテスト情報を光信号に変換したものでもある。第1送信波長光信号は、第1送信器230が第1送信波長情報を光信号に変換したものであもある。第1テスト光信号と第1送信波長光信号とは、第1送信光で結合されてもよいが、互いに異なるチャンネル及び波長で外部に伝送される。第1送信波長光信号は、AMCCに相応する光信号であるからである。
【0048】
第1送信器230は、第1送信光を第1MUX 240に出力する。第1送信器230は、第1補助コントローラ220の制御によって第1送信光の波長を定める。例えば、第1送信光の波長が第1波長であると予め設定された場合を仮定する。この時、第1送信器230は、第1補助コントローラ220から受信された制御信号によって第1送信光の波長を第2波長に変更する。すなわち、第1補助コントローラ220は、第1送信器230の光信号波長を可変させる。
【0049】
第1MUX 240は、第1送信器230から入力された光信号を多重化して光ケーブルに伝送し、光ケーブルから受信された信号を逆多重化する構成である。
【0050】
第1受信器250は、第1MUX 240で逆多重化されて入力された光信号を、ペイ・ロードデータと、第2補助管理データ(第2補助管理データの定義については後述する)とに分離して、それぞれ相応する構成に出力する。特に、第1受信器250は、第2補助管理データを第1補助コントローラ220に出力する。第1受信器250は、フォトダイオード、TIA(Trans-Impedance Amplifier)からなるROSA(Receiver Optical Sub-Assemblies)、後置増幅器などを備える。
【0051】
以上では、n個の第1光トランシーバ1200-1ないし1200-nのうち、第1光トランシーバ1200-1の構成について説明した。残りの第1光トランシーバ1200-2ないし1200-nの構成は、第1光トランシーバ1200-1の構成と類似しているため、これについての説明は省略する。
【0052】
第2光トランシーバ1300-1の第2補助コントローラ280は、第2光トランシーバ1300-1の動作を全般的に制御する構成である。
【0053】
第2補助コントローラ280は、第1光トランシーバ1200-1と第2光トランシーバ1300-1との間のペイ・ロードデータ送受信及び制御管理(波長設定、通信状態モニタリングなど)などのための情報(以下、第2補助管理データと称する)の送受信を管理する。第2補助コントローラ280は、ペイ・ロードデータ及び第2補助管理データを、多様な方法によって第1光トランシーバ1200-1に伝送する。第2補助コントローラ280は、第1補助コントローラ220と同様に、多様な方式を通じて、第2補助管理データを、ペイ・ロードデータに影響を及ぼさずに第1光トランシーバ1200-1に伝送する。第2補助コントローラ280は、第2光トランシーバ1300-1の能動構成であって、補助制御管理チャンネルを通じて送受信される情報を処理及び制御するプロセッサ、ファームウェアなどが保存されるメモリなどを総称する用語である。
【0054】
第2受信器270は、第1受信器250に相応する構成であり、第2送信器275は、第1送信器230に相応する構成である。
【0055】
第2送信器275及び第2MUX 260を通じて、第1光トランシーバ1200-1に伝送されるペイ・ロードデータ及び第2補助管理データが、光信号に変換及び多重化される。第2MUX 260及び第2受信器270を通じて、第1光トランシーバ1200-1から受信される光信号が、逆多重化されて電気的信号に変換される。
【0056】
以上、第1及び第2光トランシーバ1200-1及び1300-1それぞれの構成要素の全般的な機能について説明した。以下では、図3及び図4を参照して、n個の第1光トランシーバ1200-1ないし1200-nの通信チャンネルを設定するための自動波長の設定動作について具体的に説明する。
【0057】
図3は、本発明の一実施形態による光モジュール及び光リフレクタのブロック構成図である。図3に示された実線の矢印は、第1MUX 240に伝送されたか、または第1MUX 240から受信された光信号を意味し、点線の矢印は、第1MUX 240に伝送されなかった光信号を意味する。
【0058】
図3を参照すれば、n個の第1光トランシーバ、すなわち、第1-1光トランシーバ310-1ないし第1-n光トランシーバ310-nそれぞれは、第1MUX 240に連結される。この時、それぞれの第1光トランシーバ310-1ないし310-nは、相応するフィルタ330-1ないし330-n及びカプラ340-1ないし340-nを通じて第1MUX 240と連結される。
【0059】
第1-1光トランシーバ310-1の第1-1送信器230-1は、第1フィルタ330-1を通じて第1MUX 240の第1送信ポートP11に連結され、第1-1受信器250-1は、第1カプラ340-1を通じて第1MUX 240の第1受信ポートP12に連結される。第1-2光トランシーバ310-2の第1-2送信器230-2は、第2フィルタ330-2を通じて第1MUX 240の第2送信ポートP21に連結され、第1-2受信器250-2は、第2カプラ340-2を通じて第1MUX 240の第2受信ポートP22に連結される。同様に、第1-n光トランシーバ310-nの第1-n送信器230-nは、第nフィルタ330-nを通じて第1MUX 240の第n送信ポートPn1に連結され、第1-n受信器250-nは、第nカプラ340-nを通じて第1MUX 240の第n受信ポートPn2に連結される。
【0060】
図3で、第1-1送信器230-1から送出された第1送信光は、第1フィルタ330-1を通過せず、第1カプラ340-1を通じて第1-1受信器250-1に再送出される場合が例示される。図3で、第1-2送信器230-2から送出された第2送信光は、第2フィルタ330-2を通過して第1MUX 240の第2送信ポートP21に伝送される場合が例示される。図3の例示は、理解及び説明のための実施形態に過ぎないため、該実施形態が本発明の権利範囲を制限することはできないということは明らかである。すなわち、第1送信光が第1送信ポートP11に伝送され、第2送信光が第2フィルタ330-2を通過せず、第2カプラ340-2を通じて第1-2受信器250-2に再伝送されてもよい。
【0061】
先ず、第1-1送信器230-1は、既定の波長(以下、「設定波長」と称する)の第1送信光を生成する。また、第1-1送信器230-1は、第1送信光を第1フィルタ330-1に伝送する。第1送信光の波長を第1波長と仮定する。この時、第1-1送信器230-1は、第1波長に相応する第1送信光を既定の時間(例えば、0.5[sec])を周期として生成して、既定の時間(例えば、0.1[sec])の間に繰り返して出力する。
【0062】
第1フィルタ330-1は、既定の光信号のみをフィルタリングするように設定された構成であって、フィルタリングされた光信号を第1MUX 240の第1送信ポートP11に伝送する。ここで、第1フィルタ330-1によってフィルタリングされるように設定された波長は、第2波長であると仮定する。よって、第1フィルタ330-1は、第1波長に相応する第1送信光をフィルタリングすることができない。
【0063】
また、第1フィルタ330-1は、フィルタリングされなかった光信号を第1カプラ340-1に出力するためのリフレクタ(例えば、ミラー)(図示せず)を備える。よって、第1フィルタ330-1は、第1送信光を、リフレクタを通じて第1カプラ340-1に出力する。
【0064】
第1カプラ340-1は、第1フィルタ330-1から入力された第1送信光及び外部光を結合して第1受信光を生成する。ここで、外部光は、外部光通信装置(例えば、第2光通信装置130-n)から伝送した光信号であって、第1MUX 240の第1受信ポートP12で受信された光信号である。第1カプラ340-1は、第1受信光を第1-1受信器250-1に伝送する。
【0065】
第1-1受信器250-1は、第1受信光が受信されれば、第1受信光のパワーを測定する。例えば、第1-1受信器250-1は、第1受信光の光パワー(以下、「第1光パワー」と称する)を測定する。または、第1受信器250-1は、第1受信光を電気信号に変換させた後、変換された電気信号の電圧(以下、「第1電圧」と称する)を測定してもよい。第1-1受信器250-1は、第1光パワー及び/または第1電圧を第1補助コントローラ220に出力する。
【0066】
第1補助コントローラ220は、第1光パワー及び/または第1電圧を用いて第1受信光に第1送信光が含まれているかどうかを分析する。前述したように、第1送信光は既定の周期で既定の時間の間に繰り返して送出されたため、第1送信光がフィルタリングされずに第1受信光に含まれたならば、第1受信光も、既定の周期で既定の時間の間に繰り返して変化する。よって、第1補助コントローラ220は、第1受信光が受信されたか、かつ、受信されたならば、既定のパターンで繰り返して変化するかどうかを分析する。
【0067】
すなわち、第1受信光が(しきい時間が経過するまで)受信されていなければ、外部光及び第1送信光いずれも受信されていないことであるため、第1補助コントローラ220は、第1送信光が第1フィルタ330-1を通じて第1MUX 240に伝送されたと分析する。
【0068】
一方、第1受信光が(しきい時間が経過するまで)受信されたならば、外部光のみ受信されたか、または外部光と第1送信光いずれも受信された場合である。よって、第1補助コントローラ220は、第1受信光が既定のパターンで繰り返して変化するかどうかを分析する。分析結果、第1受信光が既定のパターンで繰り返して変化するならば、第1補助コントローラ220は、第1送信光が受信されたと判断する。あるいは、分析結果、第1受信光が既定のパターンで繰り返して変化していなければ、第1補助コントローラ220は、第1送信光が受信されていないと判断する。
【0069】
第1補助コントローラ220は、第1受信光に第1送信光が含まれていると判断されれば、第2波長に相応する第2送信光が生成されるように、第1-1送信器230-1の設定を変更させる。これによって、第1-1送信器230-1は、第2波長に相応する第2送信光を生成する。第1-1送信器230-1は、送信光を可変させられる構成を備えるということは明らかである。
【0070】
次いで、第1-1送信器230-1は、第2送信光を既定の周期で既定の時間の間に繰り返して送出する。第2送信光は、第1フィルタ330-1に設定された波長の光信号であるため、第1フィルタ330-1を通過して第1MUX 240の第1送信ポートP11に伝送される。
【0071】
一方、第1-2光トランシーバ310-2ないし第1-n光トランシーバ310-nの動作は、前述した第1-1光トランシーバ310-1の動作と類似しているため、これらの動作についての具体的な説明は省略する。
【0072】
前述したように、本発明による光通信システム100は、光トランシーバそれぞれに相応する光リフレクタ(すなわち、フィルタ330-n及びカプラ340-nを総称する)を備えて既定の波長の光信号のみを通過させ、他の光信号を光トランシーバに戻す動作を通じて、自動で送信波長をセットすることができる。本発明は、光トランシーバ及びマルチプレクサに別途の構成を追加せずに自動で送信波長をセットすることができるため、既存に設けられている光通信システムにも容易に適用される。
【0073】
一方、以上では、光リフレクタ330-n及び340-nが光トランシーバ310-1ないし310-nと第1MUX 240との間に形成された場合を仮定して説明した。すなわち、光リフレクタ330-n及び340-nは、第1MUX 240の外部に形成された場合を仮定して説明した。しかし、光リフレクタ330-n及び340-nは、第1MUX 240の内部に形成されてもよい。この場合、図3を参照して説明した光リフレクタ330-n及び340-nの構成(すなわち、送信ポートに連結されているフィルタ及びミラー、受信ポートに連結されているカプラ)は、第1MUX 240の内部に形成されてもよい。
【0074】
光リフレクタ330-n及び340-nが第1MUX 240の内部に形成されている構成は、光リフレクタ330-n及び340-nの形成位置が異なるだけであるため、これについての別途の詳細な説明は省略する。
【0075】
図4は、本発明の一実施形態による光波長の自動設定動作のフローチャートである。
【0076】
以下、図4を参照して本発明の一実施形態による光波長の自動設定動作について説明する。以下で説明する各ステップは、図2及び図3を参照して説明した第1光通信装置120の各構成で行われるステップでありうるが、理解及び説明の便宜のために第1光通信装置120で行われるものとして総称して説明する。図4を参照すれば、本発明の一実施形態による光通信システム100の光波長の自動設定動作について、さらに容易に理解することができるであろう。
【0077】
ステップS410で、第1光通信装置120は、第m波長に相応する第m送信光を生成する(但し、mは自然数)。第1光通信装置120は、生成された第m送信光を既定の周期で既定の時間の間に繰り返して伝送する。繰り返して伝送された第m送信光は、連結された光リフレクタに伝送される。光リフレクタは、既定の波長の光信号のみをフィルタリングするように設定される。
【0078】
ステップS420で、第1光通信装置120は、第m送信光の送信に対応して第m受信光が受信されるかどうかを判断する。第m受信光が受信されていなければ、それは、第m送信光が光リフレクタでフィルタリングされて第1MUX 240に伝送されたということを意味する。
【0079】
ステップS430で、第1光通信装置120は、第m受信光が受信されれば、第m受信光のパワーが繰り返して変化するかどうかを分析することができる。第1光通信装置120は、第m受信光の光パワーを測定するか、または第m受信光を電気的な信号に変換した後、変換された電気的信号の電圧を測定する。第1光通信装置120は、測定された第m受信光のパワーが繰り返して変化しなければ、第m送信光が光リフレクタでフィルタリングされて第1MUX 240に伝送されたと判断することができる。第m送信光は、既定の周期で既定の時間の間に繰り返して伝送されたため、第m受信光に第m送信光が含まれているならば、第m受信光も第m送信光と同様に繰り返して変化せねばならない。
【0080】
第1光通信装置120は、第m受信光のパワーが繰り返して変化すれば、第m+1波長の第m+1送信光を生成して伝送する。すなわち、第1光通信装置120は、繰り返して変化する第m受信光がもう受信されなくなるまで送信光の波長を変化させて伝送する。
【0081】
ステップS440で、第1光通信装置120は、第m受信光が受信されないか、あるいは、第m受信光のパワーが繰り返して変化しなければ、第m波長を送信光の波長としてセットすることができる。
【0082】
前述したように、本発明の一実施形態による光通信システム100では、複数の波長可変型光モジュールが含まれていても、管理者の訪問なしに、これら光モジュールに相応する波長の光信号を自動で設定することができる。
【0083】
この時、光トランシーバ及び/またはマルチプレクサに別途の構成が加えられなくてもよいため、従来の装備を用いて本発明の一実施形態による光通信システム100を具現することができて、経済的である。
【0084】
以上、本発明の望ましい実施形態を参照して説明したが、当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載の本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更できるということを理解できるであろう。
図1
図2
図3
図4