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特開2022-126608抽出可能材料が充填されたバッグを製造するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126608
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】抽出可能材料が充填されたバッグを製造するための装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/06 20120101AFI20220823BHJP
【FI】
B65B9/06
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022022583
(22)【出願日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】21157910.7
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】514201933
【氏名又は名称】ティーパック スペツィアールマシーネン ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー
【氏名又は名称原語表記】TEEPACK SPEZIALMASCHINEN GMBH & CO. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー・フェッター
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ハイドマン
【テーマコード(参考)】
3E050
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050BA11
3E050CA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】包装作業空間の清浄度を向上する。
【解決手段】抽出可能材料が充填されたバッグを製造するための装置に関するものであり、操作側(52)から駆動側(54)を分離するベースプレート(50)を含み、バッグ製造装置が操作側(52)に設けられ、バッグ製造装置内では、抽出可能材料からなるバッチがチューブへと成形されたバッグ素材(25)上に配置され、チューブの部分を加工することにより閉塞したバッグが形成され、バッグ製造装置は、ベースプレート(50)と少なくとも1つの保護ドア(56)との間の作業空間(68)内に設けられている。作業空間の内部の清浄度を向上させるために、本発明は、作業空間(68)内に空気流を生成するための通気装置を提案する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出可能材料が充填されたバッグ(8)を製造するための装置であって、
操作側(52)から駆動側(54)を分離するベースプレート(50)を含み、バッグ製造装置が、前記操作側(52)に設けられ、そこでは、前記抽出可能材料からなるバッチが、チューブへと成形されたバッグ素材(25)上に配置され、前記チューブの部分を加工することにより閉塞したバッグ(8)が形成され、前記バッグ製造装置は、前記ベースプレート(50)と少なくとも1つの保護ドア(56)との間の作業空間(68)内に設けられ、前記作業空間(68)内に空気流を生成するための通気装置によって特徴付けられる、装置。
【請求項2】
前記作業空間(68)内に設けられた少なくとも1つの送風機(64)によって特徴付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記送風機(64)は、前記作業空間(68)内において、モータ駆動方式で作動することを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記送風機(64)は、旋回可能に駆動される送風アーム(66)を含み、前記送風アーム(66)は、ノズル形状であるように形成された複数の送風開口(67)を含むことを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
漏斗(60)が、前記バッグ製造装置の下方に設けられ、前記漏斗には、分離器(76)と連通した吸引開口(62)が付設されていることによって特徴付けられる、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記分離器(76)は、前記駆動側(54)に設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記保護ドア(56)は、前記作業空間(68)内へと突出するとともに小さな間隔の分だけ前記漏斗(60)のエッジを超えて突出するパネル(58)を含むことを特徴とする、請求項5または6に記載の装置。
【請求項8】
送風機(84)が、前記作業空間(68)の下側領域内に設けられ、前記送風機の吸引側(86)は、吸引開口(62)と連通しており、前記送風機の圧力側(88)は、前記作業空間(68)内へと開口した少なくとも1つの送風開口(67)と連通している送風ライン(92)に対して接続されていることによって特徴付けられる、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
分離器(76)と前記送風開口(67)との間において、切替ポイント(90)が、前記送風ライン(92)に対して接続され、前記切替ポイントに対しては、排気露出部分(102)へと続く排気ライン(94)が接続されていることによって特徴付けられる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記作業空間(68)は、第1区画壁(32)と第2区画壁(46)とによって側方が規定されており、前記第1区画壁(32)は、前記バッグ素材(25)からなるウェブを通過させ得るように形成された少なくとも1つのバッグ素材開口(34a)を含み、前記第2区画壁(46)は、前記第1区画壁(32)とは反対側に配置されて設けられ、前記第2区画壁(46)は、完成品のバッグ(20)を通過させ得るように形成されたバッグ通過開口(48)を含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記バッグ素材(25)の供給部材(24)と、前記作業空間(68)内において前記バッグ(8)に対して連結されることとなるラベル(10)の供給部材(26)と、前記バッグ(8)に対して前記ラベル(10)を連結する糸(12)の供給部材(28)と、任意選択的に、前記バッグ(8)を取り囲む香料包装(14)を製造するためのフィルムの供給部材(30)とを含み、前記供給部材(24、26、28、30)が、前記第1区画壁および/または前記第2区画壁(32、46)のうちの、前記作業空間とは反対側に設けられていることによって特徴付けられる、請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抽出可能材料(infusible material)が充填されたバッグを製造するための装置に関する。
【0002】
本発明は、抽出可能材料を収容したバッグを製造する分野に関連している。このようなバッグは、典型的には、ティーバッグとして製造される。しかしながら、他の抽出可能な食品もまた、バッグ内に収容され得る。
【背景技術】
【0003】
上述した種類の装置は、例えば、欧州特許第1 818 264(B1)号により、公知である。
【0004】
原則として、抽出可能材料を収容したバッグを製造するための従来から公知の装置は、バッグ製造装置に対してアクセスし得る前面側または操作側を有している。この装置は、典型的には、この操作側上で操作される。消耗品の供給は、典型的には、この操作側上で行われる。それら消耗品は、実際のバッグ素材とすることができる。さらに、糸を有するロールが、製造されたバッグに対して糸を介して連結されるラベルを有するロールとともに消耗品として提供される。加えて、バッグを取り囲む芳香包装を製造するためのフィルムの供給を、さらに行うことができる。また、段ボール包装用のブランク(blank)を、前面側上における供給部材として設けることもできる。それぞれの平坦なブランクは、典型的には、装置内において段ボール箱へと形成され、側面どうしが互いに接着される。所定数のバッグからなるスタック(stack)は、段ボール包装が閉塞される前に、段ボール包装の中へと導入される。本発明による解決策はまた、これらの仕様に対して、個別的にまたは全体として対応することもできる。
【0005】
従来から公知の装置は、抽出可能材料からなるバッチ(batch)をバッグ素材上に配置した後に、供給されたバッグ素材からチューブを形成するための様々な構成要素を含むバッグ製造装置を有している。このチューブは、個々のバッチどうしの間で分離される。分離された長さセグメントは、閉塞されるバッグへと形成される。本発明では、これは、好ましくは、バッグが上部で閉塞されてラベルに対して連結される搬送ホイール内で行われ、この場合、この目的のために設けられた糸が、一端においてはバッグに対して連結され、他端においてはラベルに対して連結される。このすべては、典型的には、1つまたは複数の搬送ホイールの異なるステーションで行われる。バッグを形成する搬送ホイールに加えて、バッグの上部を径方向外側へと向けた状態で、バッグをラベルに対して連結するラベルホイールを設けることができる。
【0006】
本発明においても、バッグは、典型的には、ダブルチャンババッグである。バッグ素材からなる長さセグメント上には、抽出可能材料からなる2つの別個のバッチが配置されている。バッグの下端は、これらバッチの間において折り返される。切断されたチューブ部分の自由端は、上部で閉塞されて、ラベルに対して連結される。
【0007】
本発明による装置と同様に、従来から公知の装置はさらに、抽出可能材料の供給部材を有している。抽出可能材料は、典型的に、また本発明においても、この供給部材から分配ホイール内へと落下し、これにより、個々のバッチどうしが分離され、これによってバッグ素材上にそれらのバッチが置かれるようになる。上述した構成要素は、操作側において可動の保護ドアによって閉塞され得る作業空間内に設けられている。この保護ドアは、典型的には、透明なプラスチックパネルが挿入されたフレームによって形成されている。保護ドアは、前面側において作業空間を開放するために、スライド可能または旋回可能とすることができ、これにより、作業者は、個々の構成要素に対してアクセスし得るとともに、可能であれば、消耗品に対してもアクセスすることができる。
【0008】
抽出可能材料は、非常に広い粒子サイズ分布を有する天然物である。製造時には、非常に小さな粒子が、制御不能な態様で前面側の作業空間内へと放出され得る。それらは、バッグ製造装置の表面上に堆積する。
【0009】
食品は、従来から公知の装置内で加工される。その場合、より高い清浄度が要求される。バッチ交換の場合には、先に加工されたバッチは、新たなバッチと混合することが防止されなければならない。これは、基本的に、異なるバッチが同じ抽出可能材料のバッチであったとしても適用される。しかしながら、より重要なことは、以前とは全く異なる味の抽出可能材料を加工するために新たなバッチを使用する場合には、装置を洗浄する必要があることである。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、作業空間内の清浄度の向上に寄与することを目的とする。
【0011】
この点に関して、本発明は、請求項1の特徴部分を有する装置を提案する。
【0012】
本発明によるこの装置内に設けられるものは、作業空間内に空気流を生成する通気装置である。この空気流は、作業空間内へと放出された微粒子を空気流に乗せて作業空間から排出する。この目的のために、吸引開口が、典型的には、作業空間の下部領域内に設けられ、少なくとも部分的に通気装置を形成し得る送風機と連通している。通気装置は、好ましくは、作業空間の上部領域内の少なくとも1つの送風開口を介して空気が作業空間内へと導入されるように構成され、これにより、生成された空気流が、作業空間の高さ全体にわたって一斉に清掃する。これは、作業空間のうち、包装対象をなす抽出可能材料のうちで最も細かな粒子を放出する装置構成要素が設けられた高さ位置に対して確実に適用される。この目的のために、いくつかの開口を、作業空間の上部領域内に設けることができる。しかしながら、この場合、作業空間の床の近くの中央領域に、空気流によってさらには追加的に重力によって作業空間から運ばれてきた抽出可能材料の最も細かな粒子を排出する単一の吸引開口を設けることが好ましい。空気は、少なくとも1つの開口を介して、作業空間内へと能動的に送風され得る。これに代えてまたはこれに加えて、周囲からの空気がまた、吸引開口を介して発生する負圧により、吸引開口を介して作業空間内へと吸引され得る。
【0013】
供給部材からのバッチが分離されバッグ素材上へと置かれる分配装置には、典型的には、分配装置内に形成された微細なダストをそれが形成されている位置で直接的に取り出す独立した取出装置が付設されており、これにより、このダストは、作業空間内へと侵入し得ないものとされている。
【0014】
作業空間内における一定の空気流という形態でそのような通気を行ったとしても、典型的には、最も微細な粒子の堆積を完全には防止し得ないことが示されている。好ましい展開によれば、そして、作業空間内のさらなる清浄度の観点から、送風機をそこに設けることが提案される。送風機は、好ましくは送風ノズルの形態とされた少なくとも1つの送風開口を含み、この送風開口は、バッグ製造装置の構成要素に向けて配向されるか、バッグ製造装置の構成要素に向けて配向することができる。送風機は、バッグ製造装置の少なくとも一部を一斉に清掃する。少なくとも1つの送風ノズルは、好ましくは、バッグ製造装置のうち、抽出可能材料の微粒子が好ましくは堆積するその領域に向けて配向される。堆積物は、送風機によって巻き上げられ、空気流によって作業空間から除去される。
【0015】
破損の修理および点検作業のために不可欠であるような、バッグ製造装置の個々の構成要素に対しての良好なアクセス性に関して、本発明の好ましい展開によれば、モータ駆動の送風機を提供することが提案される。したがって、送風機は作動可能である。例えば、1つまたは複数の送風ノズルは、そこに堆積した抽出可能材料の粒子を巻き上げるとともに空気流によってそれらを除去するために、バッグ製造装置の様々な構成要素を超えて案内することができる。送風機は、好ましくは、保護ドアが開放されているときにバッグ製造装置のすべての構成要素に対して自由にアクセス可能な静止位置へと移動し得るように、移動可能とされる。作動時には、少なくとも1つの移動可能な送風機は、好ましくは、バッグ製造装置のうち、非常に微細な粒子が堆積し得るすべての構成要素を一斉に清掃する。
【0016】
少なくとも1つの送風機が、好ましくは、複数の送風ノズルを含むことは、言うまでもない。送風機は、好ましくは、旋回可能に駆動される。この実施形態では、送風媒体を搬送するパイプが、典型的には、送風機の旋回軸を形成する。送風媒体は、好ましくは、空気である。ここで空気流が対象とされている限りにおいて、これは、空気が通気に際しておよび微粒子を吹き飛ばすに際して好ましい媒体であることに鑑みてなされたものである。他の媒体も考えられるものの、コストの理由からあまり推奨されない。同じことは、送風機の動作に対しても適用される。
【0017】
本発明による装置の設置場所での高い清浄度に関して、上述した吸引開口は、好ましくは、分離器と連通している。この分離器は、空気流とともに運ばれる粒子が空気流から除去されるサイクロンとすることができる。分離器には、典型的には、分離器に対して着脱可能に連結される除去済み粒子のためのリザーバが付設されており、これにより、リザーバを空とすることができ、空にした後には、分離器に対して再び取り付けることができる。リザーバは、好ましくは、バヨネットロック(bayonet lock)を使用して、分離器に対して取り付けられる。
【0018】
それぞれの分離器は、好ましくはリザーバもまた、駆動側に設けられることが好ましい。
【0019】
パネルは、好ましくは、漏斗上に設けられ、少なくとも1つの保護ドアから作業空間の方向へと突出しているとともに、小さな間隔を空けて漏斗のエッジを覆っている。これにより、抽出可能材料の粒子が、漏斗と少なくとも1つの保護ドアとの間に堆積し得ることが防止される。
【0020】
上述した送風機は、典型的には、駆動側に設けられる。送風機の吸引側は、好ましくは、作業空間の下部領域内に設けられた吸引開口と連通している。送風機の圧力側は、好ましくは、送風開口と分離器との間に設けられた切替ポイントに対して続いている。排気ラインは、この切替ポイントに対して接続されているとともに、排気露出部分へと続いている。このようにして、抽出された体積の一部のみが、少なくとも1つの送風開口を介して作業空間内へと戻される。排気側には、典型的には、消音器が付設されており、可能であればフィルタも付設されており、これにより、抽出可能材料からのダストが、作業空間から周囲へと拡散することを確実に防止することができる。排気露出部分は、装置の機械フレームの外側において露出している。
【0021】
作業空間は、好ましくは、2つの区画壁によって横方向が規定される。これにより、背面側がベースプレートによって規定され、前面側が少なくとも1つの保護ドアによって規定され、そして、横方向が第1区画壁と第2区画壁とによって規定された、ほぼ閉塞された作業空間が得られる。作業空間の下側は、漏斗によって規定され、作業空間の上側は、典型的には、カバーによって規定される。第1区画壁には、バッグ素材からなるウェブを通過させ得る少なくとも1つのバッグ素材開口を含む。第2区画壁は、完成品のバッグを通過させ得るように形成された少なくとも1つのバッグ開口を含む。2つの区画壁は、典型的には、互いに対向して配置される。2つの区画壁は、鉛直方向に延在する。作業空間は、2つの区画壁の間に規定される。反対側に配置されるものは、バッグの製造のための供給部材であり、例えば、バッグ素材の供給部材と、抽出バッグに対して連結されることとなるラベルの供給部材と、ラベルに対して連結されることとなるバッグおよび糸の供給部材と、可能であれば、バッグを取り囲む芳香包装を製造するためのフィルムの供給部材と、であり、これに関しては、欧州特許第1 597 148(B1)号、欧州特許第3 140 100(B1)号、欧州特許第2 231 479(B1)号、国際公開第01/62600(A1)号パンフレット、を参照されたい。
【0022】
それぞれの区画壁は、個々の供給部材のために、消耗品を通過させ得るように構成された開口を有している。それぞれの開口は、ほとんど遊びがない状態で消耗品を取り囲む。消耗品は、典型的には、連続体(continuum)に沿って作業空間に対して供給され、そこで各部分へと切断される。
【0023】
側方の区画壁は、ベースプレートと閉塞された保護ドアとの間において、操作側に位置した周囲から実質的に遮断された作業空間を形成する。この作業空間内に設けられたモータ、例えば、サーボモータは、また可能であればこの目的のために設けられた制御装置は、通気装置によって冷却され、これにより、これらの構成要素によって発生する熱放散損失は、熱の形態で放散され、それぞれの構成要素の耐用年数が延びることとなる。
【0024】
作業空間内を流れる空気がそれぞれの通過開口から逃げることを防止する装置を、区画壁内の個々の通過開口に付設することができる。この目的のために、例えば、別個の空気流を通過開口上へと横断方向に噴射することができ、これにより、消耗品のための貯蔵領域、または個々の完成品の抽出バッグを導出するためのまた可能であれば包装のスタックを照合するための製品領域へと、作業空間からの循環空気が到達することを防止することができる。この目的のために、エアカーテンを、消耗品のための各通過開口、または完成品バッグのための各通過開口の少なくとも一方に設けることができる。
【0025】
本発明に関するさらなる詳細および利点は、図面と関連した実施形態に関する以下の説明から生じる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】保護ドアが開放されている状態で、抽出可能材料が充填されたバッグを製造するための装置の一実施形態における操作側を示す少し斜め上からの図である。
図2図1による実施形態の操作側とは反対側に配置された駆動側を示す少し斜め上からの図であり、ベースプレートの背後に配置された構成要素は、破線で図示されている。
図3図1による実施形態において空気を案内するための構成要素を概略的に示す図である。
図4図1図3による装置内で製造された完成品のバッグを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、抽出可能材料が充填されたバッグを製造するための装置の一実施形態に関する上方からの図を示しており、この装置は、実質的に3つの領域、すなわち、左方端の貯蔵領域2と、右方端の製品領域4と、貯蔵領域2と製品領域4との間の作業領域6と、を有している。
【0028】
バッグは、貯蔵領域2から消耗品を取り出し、その消耗品が作業領域6内で加工されてバッグを形成することによって製造される。このようなバッグの一例が、図4に図示されている。そこでは、バッグは、参照符号8によって示されている。参照符号10は、糸12によってバッグ8に対して連結されているラベルを示している。バッグ8、ラベル10、および糸12の実体は、湿気に対して不透過性のフィルム材料から形成されかつエッジ16のところでバッグ8の周囲に配置され、さらにU字形状の接合継ぎ目18によって閉塞された芳香包装14の内部に収容される。
【0029】
図4に示す製品は、以下においては、完成品の抽出バッグ20と称される。完成品の抽出バッグ20は、搬送ライン22を介して、作業領域6から製品領域4へと移送される。
【0030】
貯蔵領域2内には、完成品の抽出バッグ20の製造に際して消耗品として使用される、バッグ素材25の供給部材24と、ラベル10の供給部材26と、糸12の供給部材28と、芳香包装14の供給部材30と、を見ることができる。これらそれぞれの消耗品は、それぞれロールで供給され、製造工程内で各ロールから巻き解かれる。
【0031】
貯蔵領域2は、消耗品をなす個々のウェブ用のガイドを有している。消耗品は、貯蔵領域2と作業領域6との間において第1区画壁32を通過する。この区画壁32は、各消耗品を通過させるために、参照符号34によって示された様々な開口を含む。それぞれの開口34の寸法は、各消耗品が第1区画壁32をかろうじて通過し得るように選択される。各開口34には、作業領域6から貯蔵領域2内または製品領域4内への空気の望ましくない通過を防止し得るエアカーテンを付設することができる。図示の実施形態では、左側で作業領域6を規定する区画壁32は、バッグ素材25用の開口34aと、ラベル10用の開口34bと、芳香包装14用の開口34dと、を含む。
【0032】
作業領域6では、抽出可能材料からなるバッチは、抽出可能材料の供給部材37を有する分配装置36の高さ位置のところで、バッグ素材25上に配置される。バッグ素材25は、水平ストレッチ部材38上を案内される。バッチがバッグ素材25上に配置された後には、バッグ素材は、バッチを収容したチューブへと成形される。無端素材として供給されたバッグ素材25は、長さ部分(length section)へと切断され、これにより、分離される。水平ストレッチ部材38の終端では、このようにして準備されたバッグ素材25の長さ部分が、第1搬送ホイール40aへと搬送される。
【0033】
導入ステーション42aの高さ位置において、バッグ素材25は、ダブルチャンババッグとして構成されたバッグ8を形成するために、第1搬送ホイール40aの中央の縦軸または回転軸の方向に関して径方向内向きに移送される。第1搬送ホイール40aが時計回りに回転することで、それぞれのバッグ素材25は、バッグの上部を閉塞したり、糸12およびラベル10に対して連結したりする様々なステーションに対して供給される。
【0034】
そのようにして作製されて上部が加工されたバッグ8は、第1搬送ホイール40aから反時計回りに回転する第2搬送ホイール40bへと搬送され、そこで、バッグ8は、バッグ8の底部が第2搬送ホイール40b内へと径方向に最初に導入されるようにして、2つの搬送ホイール40a、40bの間において回転駆動される。バッグ8は、そこでラベル10に対して連結され、導入時に径方向内向きとされたバッグ8の底部が径方向外向きとなるように、第2搬送ホイール40b内で回転駆動される。この向きで、すなわち、導入方向に対して180°回転させられた状態で、このようにして準備されたバッグ8は、底部が前方を向いた状態で第2搬送ホイール40bから搬送され、第3搬送ホイール40cに対して供給される。バッグは、包装ステーション42bに対して供給され、この包装ステーションでは、エッジ16が形成される際に、ラベル10および糸12と一緒にバッグ8の周囲に芳香包装14が配置される。その後、芳香包装14は、U字形状の継ぎ目18を形成するために、シールステーション44においてシールされる。シールステーション44には、シール処理時にバッグ8が保持されて搬送される第3搬送ホイール40cが付設されている。
【0035】
このようにして製造された完成品のバッグ20は、最後に、搬送ライン22上へと配置され、製品領域4に対して供給される。この目的のため、第2区画壁46は、バッグ通過開口48と、搬送ライン22のための戻り開口49と、を含む。
【0036】
作業領域6の一部として上述した構成要素は、個々の構成要素を付帯したベースプレート50の前方側に配置され、ベースプレートは、可能であれば、ベースプレート50の反対側に設けられた駆動部材から、それら構成要素を分離している。ベースプレート50のうち、ユーザと対向する領域は、そこに設けられた操作側52を、装置の背面側に設けられた駆動側54から分離させる。
【0037】
図1は、図2においては回動して開放された状態で図示された保護ドア56を示している。保護ドア56は、それぞれ、少なくとも上部領域では透明とされたプラスチックパネルを付帯したフレームを有している。下部領域では、パネル58は、保護ドア56の内面から突出している。それぞれの保護ドア56の各パネル58は、外側から下向きの角度で傾斜している。保護ドアが閉塞されたときには、作業領域の底部を形成するとともに中央に吸引開口62が設けられた漏斗60の端部が、対応した傾斜を有して配置されているものの、パネル58からは、小さな高さ間隔を空けて配置されている。
【0038】
参照符号64は、複数の送風ノズル67を含む旋回可能な送風アーム66を含んでいる送風機を示し、複数の送風ノズル67は、送風アーム66の長さにわたって分布しているとともにベースプレート50(図4を参照されたい)に向けて配置されている。送風アーム66は、モータによって旋回可能に駆動されるとともに、図2に示す開始位置から、ほぼ鉛直方向の向きへと、上向きに旋回させることができる。送風アーム66は、例えば、搬送ホイール40a~40c、および個々のステーション42a、42b、44内に設けられた構成要素など、バッグ8を製造するための構成要素を一斉に清掃する。
【0039】
分配装置36には、典型的には、保護ドア56が閉塞されたときに保護ドアとベースプレート50との間に形成される作業空間68内へと抽出可能材料の最も細かい粒子さえ侵入しないよう、バッチがバッグ素材25上に置かれる位置で作用する別個の取出機構が付設されている。この作業空間68は、2つの区画壁32、46によって側方が規定され、漏斗60によって下側が規定され、さらに、カバー70によって上側が規定されている。作業空間68は、実質的に、周囲から封鎖されている。右側の分割壁46における、漏斗60の傾斜面へと続く傾斜壁部分は、糸12用の開口34cを含む(図1を参照されたい)。
【0040】
ベースプレート50においてカバー70の領域に設けられているものは、周囲から作業空間68内へと空気を吸引し得る吸引開口72である。
【0041】
装置の作動時には、空気は、典型的には、吸引開口72を通して作業空間68内へと連続的に吸引されるとともに、吸引開口62を通して作業空間68から導出される。これにより、作業空間68内における微細なダスト粒子の量が低減される。また、カバー70の領域内に代えてまたはカバー70の領域に加えて設けられているものは、送風アーム66を通して吹き込まれるために準備された空気を上方から作業空間68内へと能動的に吹き込むための少なくとも1つの送風開口とすることもできる。
【0042】
送風アーム66は、典型的には、周期的に旋回駆動され、加圧空気が、送風ノズル67から構成要素上へと噴射される。これにより、構成要素に対して付着または構成要素上へと堆積したダスト粒子が、作業空間68内の空気流によって巻き上げられて導出される。送風機64を作動させたときには、空気を吸引開口62から導出して送風ノズル67を介して作業空間68内へと吹き付けるという吸引装置の効果を、増強することができる。作業空間68内のダスト粒子の量が増加したときには、作業空間68内におけるダスト粒子を含んだ空気も、増大した速度で交換される。
【0043】
以下においては、空気流を引き起こす構成要素について、特にベースプレート50の背面側の構成要素について、説明することとする。
【0044】
特に、図3および図4は、参照符号74によって示された通気装置を示している。この実施形態では、空気は、吸引開口62を通して作業空間68から吸引されるとともに、クイックリリース留め具78を介して連結された導出済みダスト粒子のためのリザーバ80を含むサイクロンとして構成された分離器76上を通過する。空気は、分離器76から、フィルタ82を介して、送風機の一例としての側方チャネル型送風機84内を通過する。側方チャネル型送風機84は、圧力側88から、通気装置74の吸引側86を分離する。空気は、圧力側88においては、送風ライン92を介して切替ポイント90を通過し、この切替ポイントは、空気流を分割することができ、これにより、空気流は、排気ライン94を介して、または送風アーム66に向かう向きに流れるよう送風アーム供給ライン96を介して、のいずれかにより選択的に供給される。
【0045】
排気ライン94は、遮断弁98を介して、排気露出部分102において終端する消音器100と連通している。遮断弁98は、一方では、送風アーム供給ライン96へと向かう向きにおいて、他方では、排気ライン94へと向かう向きにおいて、切替ポイント90を離れる体積流量を手動で調整するために、ライン94を絞ることによって調整することができる。遮断弁の代わりに、スライド弁を、スロットルとして排気ライン94内に設置することもできる。
【0046】
図2図4における送風アーム66は、中央位置に図示されている。送風アーム66は、この位置から、第2区画壁46の鉛直方向延在部分に対して実質的に平行な鉛直方向に延在した位置へと、配向させることができる。送風アーム66は、漏斗60の隣接表面に対して実質的に平行な向きへと、下向きに配向させることができる。このようにして、送風アーム66は、作業領域6内のすべての構成要素を一斉に清掃することができる。
【0047】
この旋回動作のために、送風アーム66は、図示していないスピンドルモータによって駆動され、このスピンドルモータは、送風アーム供給ライン96を形成するとともに回転通路を介して入力側で切替ポイント90と連通しているパイプ上において偏心器によって係合している。
【符号の説明】
【0048】
2 貯蔵領域
4 製品領域
6 作業領域
8 バッグ
10 ラベル
12 糸
14 芳香包装
16 エッジ
18 シール継ぎ目
20 完成品の抽出バッグ
22 搬送ライン
24 バッグ素材の供給部材
25 バッグ素材
26 ラベル10の供給部材
28 糸12の供給部材
30 芳香包装14の供給部材
32 第1区画壁
34aバッグ素材用の開口
34b ラベル用の開口
34c 糸用の開口
34d 芳香包装用の開口
36 分配装置
37 抽出可能材料用の供給部材
38 水平ストレッチ部材
40a 第1搬送ホイール
40b 第2搬送ホイール
40c 第3搬送ホイール
42a 導入ステーション
42b 包装ステーション
44 シールステーション
46 第2区画壁
48 バッグ通過開口
49 戻り開口
50 ベースプレート
52 操作側
54 駆動側
56 保護ドア
58 パネル
60 漏斗
62 吸引開口
64 送風機
66 送風アーム
67 送風ノズル
68 作業空間
70 カバー
72 吸引開口
74 通気装置
76 分離器
78 クイックリリース留め具
80 リザーバ
82 フィルタ
84 側方チャネル型送風機
86 吸引側
88 圧力側
90 切替ポイント
92 送風ライン
94 排気ライン
96 送風アーム供給ライン
98 遮断弁
100 消音器
102 排気部分
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】