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特開2022-126616泡沫形成用のエアゾール組成物及びエアゾール製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126616
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】泡沫形成用のエアゾール組成物及びエアゾール製品
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20220823BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20220823BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/06
A61K8/92
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022023092
(22)【出願日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】P 2021024462
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】000222129
【氏名又は名称】東洋エアゾール工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯本 賢也
(72)【発明者】
【氏名】山口 実愛
(72)【発明者】
【氏名】山本 直輝
(72)【発明者】
【氏名】坪内 誠
(72)【発明者】
【氏名】酒井 俊郎
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA081
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB212
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC122
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC241
4C083AC302
4C083AC351
4C083AC352
4C083AC522
4C083AC852
4C083AD111
4C083AD112
4C083AD151
4C083AD152
4C083BB13
4C083CC01
4C083DD08
4C083DD33
4C083EE01
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】油性成分を多く含有させても良好なエマルションの安定性、発泡性、泡の安定性を有する、実質的に界面活性剤を含まない泡沫形成用のエアゾール組成物。
【解決手段】水、油性成分及び水溶性高分子を含有する泡沫形成用のエアゾール組成物であって、該水溶性高分子が、ポリビニルアルコールを含み、該エアゾール組成物中の該水溶性高分子の含有量が、0.01質量%~2.5質量%であり、該エアゾール組成物は、エマルションを形成し、該エマルションの液滴の平均粒子径が、0.5μm~7.0μmであり、該エアゾール組成物は、実質的に界面活性剤を含まないことを特徴とする泡沫形成用のエアゾール組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水、油性成分及び水溶性高分子を含有する泡沫形成用のエアゾール組成物であって、
該水溶性高分子が、ポリビニルアルコールを含み、
該エアゾール組成物中の該水溶性高分子の含有量が、0.01質量%~2.5質量%であり、
該エアゾール組成物は、エマルションを形成し、
該エマルションの液滴の平均粒子径が、0.5μm~7.0μmであり、
該エアゾール組成物は、実質的に界面活性剤を含まないことを特徴とする泡沫形成用のエアゾール組成物。
【請求項2】
前記エマルションが、前記油性成分を含む油相が前記水を含む水相に分散した水中油型エマルションである請求項1に記載の泡沫形成用のエアゾール組成物。
【請求項3】
前記油性成分が、20℃において液状であり、
前記油性成分が、炭化水素油、脂肪酸、高級アルコール、エステル油、ロウエステル、シリコーン類、植物性油脂、動物性油脂及び油性の有効成分からなる群から選択される少なくとも一を含む請求項1又は2に記載の泡沫形成用のエアゾール組成物。
【請求項4】
前記油性成分が、炭化水素油、エステル油、シリコーン類、植物性油脂及び油性の有効成分からなる群から選択される少なくとも一を含む請求項1~3のいずれか一項に記載の泡沫形成用のエアゾール組成物。
【請求項5】
前記エアゾール組成物中の前記油性成分の含有量が、1.0質量%を超え35.0質量%以下である請求項1~4のいずれか一項に記載の泡沫形成用のエアゾール組成物。
【請求項6】
エアゾール組成物及び噴射剤がエアゾール容器に充填されたエアゾール製品であって、
該エアゾール組成物が請求項1~5のいずれか一項に記載の泡沫形成用のエアゾール組成物であるエアゾール製品。
【請求項7】
前記噴射剤が液化ガスを含み、
前記エアゾール組成物及び該液化ガスが混合されて前記エアゾール容器に充填されている請求項6に記載のエアゾール製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、実質的に界面活性剤を含まない泡沫形成用のエアゾール組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エマルションは、食品、化粧品や医薬品などに広く用いられており、エマルションの分散化安定のためには乳化剤として界面活性剤を用いることが広く知られている。一方、近年、ナチュラル志向の高まりから、界面活性剤による刺激など人体への負担を軽減するため、また、省資源化のため、乳化剤(界面活性剤)フリーの製品に対する要求が高まっている。
【0003】
例えば特許文献1では、分散質が水、分散媒が油である油中水滴型(W/O)エマルションにおいて、エマルションを分散安定化させる水溶性添加剤として界面不活性物質を添加させる技術が提案されている。また、特許文献2では、水溶性高分子と多価アルコールを含むスクリーンフォーマー用の組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-165716号公報
【特許文献2】特開2021-028317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、化粧品市場などにおいて顧客ニーズの多様化により、油性成分を多く含むO/Wエマルションの需要が高まっている。しかしながら、特許文献2の組成物では、油性成分の含有割合は少なく、さらなる油性成分の増加は難しい。
また、O/Wエマルションの分散安定化のために界面活性剤の代わりに水溶性高分子を用いる手段もあるが、エアゾール組成物においては液滴の安定性や泡の安定性が不十分になりやすいことがわかってきた。
【0006】
このような課題に鑑み、本開示は、油性成分を多く含有させても良好なエマルションの安定性、発泡性、泡の安定性を有する、実質的に界面活性剤を含まない泡沫形成用のエアゾール組成物及びエアゾール製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、水、油性成分及び水溶性高分子を含有する泡沫形成用のエアゾール組成物であって、
該水溶性高分子が、ポリビニルアルコールを含み、
該エアゾール組成物中の該水溶性高分子の含有量が、0.01質量%~2.5質量%であり、
該エアゾール組成物は、エマルションを形成し、
該エマルションの液滴の平均粒子径が、0.5μm~7.0μmであり、
該エアゾール組成物は、実質的に界面活性剤を含まない泡沫形成用のエアゾール組成物に関する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、油性成分を多く含有させても良好なエマルションの安定性、発泡性、泡の安定性を有する、実質的に界面活性剤を含まない泡沫形成用のエアゾール組成物及び
エアゾール製品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
本開示において、界面活性剤とは、分子内に水になじみやすい親水部及び疎水性物質になじみやすい疎水部(すなわち、明確な親水性のヘッドグループ及び疎水性のテールグループ)を有する両親媒性物質であり、親水部が水へ、疎水部が疎水性物質と相互作用する事により水-疎水性物質界面に吸着して、水-疎水性物質界面の界面張力を著しく減少させて、エマルションやサスペンジョンの分散安定性を向上することができる物質のことをいう。
【0010】
例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル、ラウリン酸ソルビタン、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ステアリン酸PEG45、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられる。
【0011】
そのほか、界面活性剤としては以下のものが挙げられる。
アニオン界面活性剤として、脂肪酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、N-アシルアミノ酸塩、N-アシルメチルアミノ酸塩、アシル乳酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸メチルエステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、アシルイセチオン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸アルカノールアミド硫酸エステル、モノアシルグリセリン硫酸エステル、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩など。
カチオン界面活性剤として、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩、アーコベル型3級アミン塩、モノアルキル4級アンモニウム塩、ジアルキル4級アンモニウム塩、トリアルキル4級アンモニウム塩、アルキルアミン塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイソキノリウム塩、塩化ベンゼトニウム、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩など。
【0012】
ノニオン界面活性剤として、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、アルキルグリセリルエーテル、プルロニック型界面活性剤など。
【0013】
両性界面活性剤として、グリシン型両性界面活性剤、アミノプロピオン酸型両性活性剤、酢酸ベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、アルキルアミンオキサイド、アルキルジメチルアミンオキサイド、アミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルカル
ボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルスルホベタイン、アミドスルホベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタインなど。
また、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーンなどのシリコーン系界面活性剤;フッ素系界面活性剤;レシチン、サポニン、胆汁酸、サーファクチン、スピクリスポール酸、アガリチン酸、長鎖ジカルボン酸、ラムノリピッド、トレハロースリピッド、サクシノイルトレハロースリピッド、オリゴ糖脂肪酸エステル、グリコースリピッドなどの天然界面活性剤が挙げられる。
【0014】
エアゾール組成物は、実質的に界面活性剤を含まない。本開示において、「実質的に界面活性剤を含まない」とは、エアゾール組成物に意図的に界面活性剤を添加しないことを言い、エアゾール組成物の製造において不可避的にわずかに混入する微量の界面活性剤を含んでいてもよい。例えば、配合されている成分に付随する界面活性剤であってエアゾール組成物中にはその効果が発揮されるより少ない量しか含まれないような界面活性剤(いわゆるキャリーオーバー成分)は含んでいてもよい。例えば、エアゾール組成物中の界面活性剤の含有量は、0.10質量%未満であり、好ましくは0.05質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下であり、さらに好ましくは0.001質量%以下であり、特に好ましくは0質量%である。
【0015】
本開示において、エアゾール組成物は水溶性高分子を含む。そして、水溶性高分子は、ポリビニルアルコールを含む。なお、ポリビニルアルコールは、従来の界面活性剤とは考えない。前述の通り、水溶性高分子を加えて水の粘度を向上させ、エマルションにおける油滴の浮上(クリーミング)を抑制することは可能である。しかしながら、本発明者らが検討したところ、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど多くの水溶性高分子では、液化ガスを添加すると、エマルションの安定性が著しく低下することがわかった。加えて、油性成分を比較的多く含有させた場合、発泡性、泡の安定性が不十分で、泡が垂れやすくなることがわかった。
【0016】
これに対し、油性成分及び水を含む実質的に界面活性剤を含まないエマルションにおいて、水溶性高分子としてポリビニルアルコールを添加することで、液化ガスを添加しても油性成分を安定的に分散可能であることがわかった。ポリビニルアルコールは、従来の界面活性剤とは異なるが、水溶性でありながら油性成分に配向しうる性質を持っている。そのため、油性成分の分散体の粒子径を小さくする事ができ、エアゾール組成物中の油性成分が多くなっても、安定的に分散させる事が可能である。さらに、ポリビニルアルコールを添加することで、油性成分を多く含んでも、発泡性、泡の安定性が良好である泡を形成できることができる事がわかった。ポリビニルアルコールを添加することで、界面活性剤を配合しなくてもガラス面などに塗布しても塗布面で破泡しにくく、垂れにくい泡を形成することができる。
【0017】
以下、エアゾール組成物に用いる各成分について説明する。
エアゾール組成物は、油性成分を含む。また、エアゾール組成物は、エマルションを形成している。エアゾール組成物は、油性成分を含む油相が水を含む水相に分散した水中油型(O/W)エマルションであることが好ましい。エアゾール組成物中の油性成分の含有量は、好ましくは1.0質量%を超え35.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%を超え30.0質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%を超え20.0質量%以下であり、さらにより好ましくは2.0~15.0質量%であり、殊更好ましくは5.0~12.0質量%であり、特に好ましくは8.0~12.0質量%である。上記範囲であると、液滴の分散性及び安定性、並びに発泡性がより良好になる。
【0018】
油性成分としては、特に制限されず、水に不溶な(水と相分離する)公知のものを広く
用いることができる。「水に不溶」とは、例えば、25℃において、100gの水への溶解度が1.0g以下であることを指す。具体的には以下のものが挙げられる。
杏仁油、椿油、アルガン油、大豆油、オリーブ油、ひまし油、ココナッツ油、パーム油、パーム核油、ごま油、ホホバ油、綿実油、なたね油、アマニ油、ローズヒップ油、ヒマワリ油、精油、アボカド油、アルモンド油、米ヌカ油、サフラワー油、トウモロコシ油、グレープシード油、ヤシ油、アルガニアスピサノ核油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、ククイナッツ油、クランベアビシニカ種子油、アサ種子油、落花生油、サザンカ油、月見草油、ピスタチオ油、マカデミアナッツ油、メドウホーム油、カカオ脂、シアバター、モクロウなどの植物性油脂;
エミュー油、馬油、牛脂、豚脂、羊脂、ミンク油、卵黄脂肪油、コイ脂、マグロ脂、メンヘーデン脂などの動物性油脂;
軽質イソパラフィン、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、ドデカン、テトラデカン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、イソパラフィン、セレシン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、水添ポリイソパラフィン、リモネン、テレビン油などの炭化水素油;
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、オキシステアリン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノレイン酸、ウンデシレン酸などの(好ましくは炭素数6以上40以下、より好ましくは炭素数12以上30以下の)脂肪酸;
カプロイルアルコール、カプリリルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、イソステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、コレステロール、フィトステロールなどの高級アルコール;
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチルなどの直鎖脂肪酸と低級アルコールのエステル、
ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ステアリン酸ステアリルなどの直鎖脂肪酸と直鎖高級アルコールとのエステル、
ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸エチルヘキシルなどの直鎖脂肪酸と分枝アルコールとのエステル、
イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピルなどの分枝脂肪酸と低級アルコールとのエステル、
エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸ヘキシルなどの分枝脂肪酸と直鎖高級アルコールとのエステル、
ジカプリル酸PG、トリエチルヘキサノイン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリルなどの脂肪酸と多価アルコールとのエステル、
ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリルなどの分枝脂肪酸と分枝アルコールとのエステル、
乳酸ラウリル、クエン酸トリ2-エチルヘキシル、クエン酸トリオクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリルなどのヒドロキシカルボン酸とアルコールとのエステル、
アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチルなどの2塩基酸のエステルなどのエステル油;
ホホバ油、ホホバ脂、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、セラック、ラノリン、ミツロウ、モンタンロウ、鯨ロウ、オレンジラフィー油、サトウキビロウ、パームロウ、虫白ロウ、羊毛脂などのロウエステル;
その他の油性成分として、キミルアルコール、バチルアルコール、セラキルアルコールなどの多価アルコールと一価アルコールとのエーテル;イソステアリン酸バチル、ステアリン酸バチル;アルキル変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン(ジメチコン))、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサンなどのシリコーン類;
紫外線吸収剤(ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、メトキシケイ
ヒ酸エチルヘキシル、ポリシリコーン-15)、ディート、香料などの油性の有効成分。
【0019】
油性成分は、乳化安定性及び調製時のハンドリングの観点から、20℃において液状であることが好ましい。
油性成分は、炭化水素油、脂肪酸、高級アルコール、エステル油、ロウエステル、シリコーン類、植物性油脂、動物性油脂及び油性の有効成分からなる群から選択される少なくとも一を含むことが好ましく、炭化水素油、エステル油、シリコーン類、植物性油脂及び油性の有効成分からなる群から選択される少なくとも一を含むことがより好ましく、植物性油脂及び油性の有効成分からなる群から選択される少なくとも一を含むことがさらに好ましく、植物性油脂からなる群から選択される少なくとも一を含むことがさらにより好ましい。
また、油性成分は、オリーブ油、ホホバ油、ローズヒップ油、ヒマワリ油、アボカド油、アルモンド油、グレープシード油、マカデミアナッツ油、杏仁油及び大豆油からなる群から選択される少なくとも一を含むことがより好ましく、杏仁油及び大豆油からなる群から選択される少なくとも一を含むことがさらに好ましく、杏仁油を含むことがさらにより好ましい。油性成分が、植物性油脂からなる群から選択される少なくとも一及びディートなどの油性の有効成分を含むことも好ましい態様である。エアゾール組成物に油性成分を多く含有させることが可能であるため、有効成分を活用しやすくなる。
【0020】
エアゾール組成物において、エマルションの液滴の平均粒子径は、0.5μm~7.0μmであることが必要である。本発明者らは、水溶性高分子としてポリビニルアルコールを用い、かつ、上記特定の液滴の平均粒子径とすることで、乳化安定性が向上し、垂れにくい良好な泡を形成しうることを見出した。液滴の平均粒子径が、0.5μm未満であると、液滴の総表面積が大きすぎるため、乳化安定性が低下する。また、液滴を分散させるための水溶性高分子が過剰に必要となる。一方、液滴の平均粒子径が、7.0μmを超えると、乳化安定性が低下する。
【0021】
エマルションの液滴の平均粒子径は、0.6μm~5.0μmであることが好ましく、0.7μm~4.0μmであることがより好ましく、0.9μm~3.0μmであることがさらに好ましく、1.0μm~2.0μmであることがさらにより好ましい。エアゾール組成物が水中油型エマルションの場合、液滴の平均粒子径は、油相による油滴の平均粒子径である。液滴の平均粒子径は、エマルション製造時の分散強度や水溶性高分子の含有量などにより制御することができる。
【0022】
エマルションの液滴の平均粒子径の測定は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA-960V2:株式会社堀場製作所)を用いて行う。測定にはフローセル、分散媒には精製水を使用し、20℃にて測定を行う。
【0023】
水溶性高分子は、ポリビニルアルコールを含む。本開示の効果を損なわない程度に、例えば、以下のような公知のその他の水溶性高分子を併用してもよい。これらその他の水溶性高分子は、従来の界面活性剤とは考えない。
ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンイミン、高重合ポリエチレングリコールなどの合成高分子;
アルギン酸、カラギーナン、寒天、グアーガム、デキストリン、ローカストビーンガム、ペクチン、キトサン、キサンタンガム、シクロデキストリンなどの天然高分子;
エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロースなどの天然高分子誘導体。
その他の水溶性高分子を併用する場合、エアゾール組成物中のその他の水溶性高分子の
含有量は、好ましくは0.05質量%以下であり、より好ましくは0.02質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下である。
【0024】
特に好ましくは、水溶性高分子はポリビニルアルコールである。ポリビニルアルコールは、分子量やけん化度によらず、油性成分の分散安定性を発揮できることがわかった。
【0025】
水溶性高分子の数平均分子量Mnは、好ましくは400以上であり、より好ましくは500以上であり、さらに好ましくは1000以上であり、さらにより好ましくは2000以上である。一方、上限は、好ましくは100000以下であり、より好ましくは50000以下であり、さらに好ましくは40000以下である。
【0026】
水溶性高分子がポリビニルアルコールを含む場合、ポリビニルアルコールのけん化度、すなわちポリビニルアルコール中の水酸基及びアセトキシ基の合計に対する水酸基の割合[水酸基/(水酸基+アセトキシ基)×100](モル%)は、好ましくは70~100モル%であり、より好ましくは80~98モル%であり、さらに好ましくは82~95モル%であり、さらにより好ましくは85~92モル%である。
【0027】
エアゾール組成物中の水溶性高分子の含有量は、0.01質量%~2.5質量%である。水溶性高分子の含有量は、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上である。一方、上限は、好ましくは2.0質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以下であり、さらにより好ましくは0.7質量%以下である。上記含有量であることでエマルションの安定性、発泡性、泡の安定性がより良好になる。一方、水溶性高分子の含有量が2.5質量%以下であると使用感がより良好になる。
【0028】
エアソール組成物中の水溶性高分子に対する油性成分の含有比率(質量比)(油性成分/水溶性高分子)は、好ましくは5/1~120/1であり、より好ましくは10/1~30/1であり、さらに好ましくは15/1~25/1である。上記範囲であることで、油性成分の分散性がより良好になる。
【0029】
エアゾール組成物は、水を含む。エアゾール組成物中の水の含有量は、好ましくは50.0質量%~97.0質量%であり、より好ましくは75.0質量%~95.0質量%であり、さらに好ましくは80.0質量%~92.0質量%であり、さらにより好ましくは85.0質量%~91.0質量%である。
【0030】
25℃でのエアゾール組成物の粘度は、好ましくは0.5mPa・s~5.0mPa・sであり、より好ましくは0.7mPa・s~3.5mPa・sであり、さらに好ましくは0.8mPa・s~2.8mPa・sであり、さらにより好ましくは1.2mPa・s~2.5mPa・sである。ここでの粘度は、音叉型振動式粘度計(RV-10000A:株式会社エー・アンド・デイ)を用い、振幅0.4mm、25℃条件で測定した値である。
【0031】
エアゾール組成物には、上記効果を損なわない程度に、水に混和する(相分離しない)有効成分、香料、酸化防止剤、防腐剤などの添加剤を含有させてもよい。例えば、アルコールなどを含有させてもよい。具体的には、例えば以下のものが挙げられる。
低級アルコール(例えばエタノール等の炭素数1~3の脂肪族一価アルコール);多価アルコール(例えばグリセリン、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,3-ブタンジオールなどのブタンジオール、);pH調整剤(例えばクエン酸、乳酸、トリエタノールアミン、KOH、NaOH);防錆剤(例えばアンモニア水、安息香酸アンモニウム、亜硝酸ナトリウム);防腐剤(例えばパラベン類、フェノ
キシエタノール);尿素;カルシウム、鉄、ナトリウムなどのミネラル;顔料;色素;抗炎症剤(例えばグリチルリチン酸ジカリウム);紫外線吸収剤(例えばテレフタリリデンジカンフルスルホン酸)など。
【0032】
次に、エアゾール製品について説明する。本開示は、上記エアゾール組成物及び噴射剤がエアゾール容器に充填されたエアゾール製品を提供する。
エアゾール製品に用いるエアゾール容器は、耐圧容器としては公知の種々の容器を利用することができる。また、耐圧容器の種類に応じて、バルブ装置を装着するための構造を適宜選定することができる。
【0033】
エアゾール製品は、エアゾール組成物をエアゾール容器、すなわちエアゾール用バルブ(噴射バルブ)を備えた耐圧容器内に充填することによって製造される。例えば、エアゾール組成物を調製し、得られたエアゾール組成物と噴射剤とをエアゾール容器に充填することによってエアゾール製品が製造される。耐圧容器内にさらに内容器を設け、噴射剤とエアゾール組成物とを内容器により隔離した、いわゆる二重容器を採用してもよい。
【0034】
エアゾール組成物と噴射剤の混合比率は、液化ガスの場合、液化ガスの含有量は、エアゾール組成物100質量部に対して、好ましくは1~30質量部であり、より好ましくは2~10質量部である。
圧縮ガスについては、エアゾール容器内に充填されたときの容器内の圧力(ゲージ圧力)が、25℃で、0.3MPa~1.0MPaとなるように充填することが好ましく、0.6MPa~0.8MPaとなるように充填することがより好ましい。
【0035】
エアゾール組成物は、泡沫形成用のエアゾール組成物であり、エアゾール製品の吐出形態は例えば、泡状である。泡状に吐出させるために、エアゾール製品には、公知の泡沫形成用のスパウトなどを使用しうる。
噴射剤は特段限定されず、液化ガス又は圧縮ガスを使用してもよく、液化ガスと圧縮ガスを併用してもよい。エアゾール製品は、好ましくは液化ガスを含む。例えば、エアゾール製品は、エアゾール組成物及び液化ガスが混合されてエアゾール容器に充填されていることが好ましい。また、例えば、液化ガスを含む噴射剤及びエアゾール組成物を含有するエアゾール用の組成物とすることができる。
【0036】
液化ガスは特に制限されず、ジメチルエーテル(DME);液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)、イソペンタンなどの炭化水素;HFO-1234zeなどのハイドロフルオロオレフィンなどが挙げられる。好ましくは液化石油ガス(LPG)である。
圧縮ガスは特に制限されず、エアゾール製品に使用しうる公知のものを用いることができる。圧縮ガスは、好ましくは炭酸ガス、窒素ガス、亜酸化窒素ガス、アルゴン、ヘリウム及び圧縮空気などからなる群から選択される少なくとも一であり、より好ましくは炭酸ガス及び窒素ガスからなる群から選択される少なくとも一である。
【0037】
エアゾール組成物を水中油型(O/W)エマルションとする場合、エマルションの製造方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。水相と油相とを混合し、例えば、回転式ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、又は超音波乳化機などを用いた方法が挙げられる。
【実施例0038】
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例の態様に制限されない。
【0039】
<実施例1~25及び比較例1~14>
表1~5に示す処方(質量%)にてガラスビーカーに各原料を採取し、以下の1又は2のいずれかの原液調製方法で均一に分散させ、実施例1~25のエアゾール組成物及び比較例1~14のエアゾール組成物を調整した。それぞれの実施例及び比較例で採用した原液調製方法を表1~5に示す。また、エマルションの液滴の平均粒子径及び後述する評価結果を表1~5に示す。
【0040】
(原液調製方法)
1:プライミクス株式会社製回転式ホモジナイザー(ホモミクサーMARK II 2.5型)を用いて、10000rpm、15分間攪拌する事でエマルションを調製した。
2:精電舎工業株式会社製超音波溶着機(SONOPET JII430SA)を用いて、28.5kHz、5分間超音波を照射することでエマルションを調製した。
【0041】
さらに、得られた各エアゾール組成物100質量部に対し表2~5に記載の質量部の噴射剤(LPG、ジメチルエーテル(DME)及びLPGの混合物、HFO-1234ze)を、噴射バルブ装置を備えた耐圧容器に充填し、実施例4~25のエアゾール製品及び比較例4~14のエアゾール製品を得た。なお、吐出機構にはフォーム用スパウト(02-1211-50 日本プリシジョンバルブ株式会社)を用いた。得られたエアゾール組成物及びエアゾール製品を用いて後述する評価を行った。結果を表1~5に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
*液化ガス充填後、炭酸ガスにてサンプル内圧を0.6MPaに調製した。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
表中、使用した原料は以下の通り。
(油性成分)
NIKKOL 杏仁油:アンズ核油(日光ケミカルズ株式会社)
NIKKOL オリーブ油:オリーブ果実油(日光ケミカルズ株式会社)
NIKKOL ホホバ油S:ホホバ種子油(日光ケミカルズ株式会社)
NIKKOL グレープシード油:ブドウ種子油(日光ケミカルズ株式会社)
NIKKOL スイートアルモンド油:アーモンド油(日光ケミカルズ株式会社)
NIKKOL マカデミアンナッツ油:マカデミア種子油(日光ケミカルズ株式会社)
NIKKOL ヒマワリ油:ヒマワリ種子油(日光ケミカルズ株式会社)
NIKKOL 精製アボカド油:アボカド油(日光ケミカルズ株式会社)
NIKKOL ローズヒップ油:カニナバラ果実油(日光ケミカルズ株式会社)
NIKKOL シュガースクワラン:スクワラン(日光ケミカルズ株式会社)
エキセパール IPM:ミリスチン酸イソプロピル(花王株式会社)
NIKKOL CIO:エチルヘキサン酸セチル(日光ケミカルズ株式会社)
NIKKOL TOC:クエン酸トリ2-エチルヘキシル(日光ケミカルズ株式会社)
KF-96-50cs:ジメチコン(信越化学工業株式会社)
【0048】
(水溶性高分子)
EG-40C:ポリビニルアルコール(Mn約39700、ケン化度86.5~89.0モル%、三菱ケミカル株式会社)
EG-05C:ポリビニルアルコール(Mn約10200、ケン化度86.5~89.0モル%、三菱ケミカル株式会社)
サンジェロース60L:ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル(大同化成工業株式会社)
メトローズ60SH-06:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社)
Pemulen TR-2:(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー(ルーブリゾール社)
イヌテックSL2:濃グリセリン、ラウリルカルバミン酸イヌリン(日本シイベルヘグナー株式会社)
SE600:ヒドロキシエチルセルロース HECダイセルSE600(ダイセルミライズ株式会社)
【0049】
(界面活性剤)
NIKKOL TO-10V:ポリソルベート80(日光ケミカルズ株式会社)
NIKKOL Decaglyn 1-L:ラウリン酸ポリグリセリル-10(日光ケミカルズ株式会社)
NIKKOL BB-20:べへネス-20(日光ケミカルズ株式会社)
トリエタノールアミン:トリエタノールアミン(安藤パラケミー株式会社)
【0050】
(1)油滴平均粒子径
上述した方法にて、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA-960V2:株式会社堀場製作所)により油滴の平均粒子径を測定し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
A:平均粒子径が1.0μm以上2.0μm未満
B+:平均粒子径が0.7μm以上1.0μm未満、平均粒子径が2.0μm以上4.0μm未満
B:平均粒子径が0.5μm以上0.7μm未満、平均粒子径が4.0μm以上7.0μm以下
C+:平均粒子径が0.2μm以上0.5μm未満、平均粒子径が7.0μm超過10.0μm未満
C:平均粒子径が0.2μm未満、平均粒子径が10.0μm以上
【0051】
(2)油滴安定性
各エアゾール製品を45℃で2週間保管して、保管前後のエマルションの液滴の粒子径を測定した。Davg1を初期平均油滴粒子径、Davg2を2週間保存後サンプルの平均油滴粒子径とし、下記式にて算出した値にて以下の基準で評価した。
【数1】
(評価基準)
A:油滴安定性が0.075未満
B+:油滴安定性が0.075以上0.125未満
B:油滴安定性が0.125以上0.250未満
C+:油滴安定性が0.250以上0.500未満
C:油滴安定性が0.500以上
【0052】
(3)吐出原液安定性
各エアゾール製品を45℃で2週間保管して、2週間保存後にサンプル内容液を吐出し、一定時間泡を静置し、泡が消失した後の内容物を観察し、目視にて下記基準にて評価した
(評価基準)
A:油浮きがまったくない
B:油浮きがほとんどない
C:油浮きがはっきり確認される
【0053】
(4)泡の外観
ガラス基板上に泡を0.5g吐出し、泡の外観を観察して、目視にて以下の基準で評価した。
(評価基準)
A:きめ細かい泡沫
B:ややきめ細かい泡沫
C:粗い泡沫
【0054】
(5)泡の安定性
ガラス基板上に泡を0.5g吐出し、指で10回攪拌し、泡の外観を観察して、目視にて以下の基準で評価した。
(評価基準)
A:気泡はつぶれず安定
B:気泡がわずかにつぶれるが、泡沫を維持
C:気泡がつぶれ、泡沫の大部分が消失
【0055】
(6)泡の垂れやすさ
10cm×10cmのガラス基板の端に泡沫0.5gを吐出した。ガラス基板を垂直に立て、泡がガラス基板中に保持されている時間にて以下の基準で評価した。
(評価基準)
A:3分以上
B+:1分以上3分未満
B:30秒以上1分未満
C+:15秒以上30秒未満
C:15秒未満
【0056】
<参考例1~3>
表6~8示す処方(質量%)にて、実施例1と同様に参考例のエアゾール組成物を調整した。
さらに、得られた各エアゾール組成物100質量部に対し5質量部の噴射剤(LPG)を、噴射バルブ装置を備えた耐圧容器に充填し、参考例1(さっぱりとした乳液処方)、参考例2(しっとりとした乳液処方)、及び参考例3(サンスクリーン剤)のエアゾール製品を得た。なお、吐出機構にはフォーム用スパウト(02-1211-50 日本プリシジョンバルブ株式会社)を用いた。得られたエアゾール組成物及びエアゾール製品を用いて前述の評価を行った。結果を表6~8に示す。
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】
【表8】