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特開2022-126619制御要素、遊底止め、ボルトキャリア、引金、自動火器用引金組立体、およびそれらを備え付けた自動火器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126619
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】制御要素、遊底止め、ボルトキャリア、引金、自動火器用引金組立体、およびそれらを備え付けた自動火器
(51)【国際特許分類】
   F41A 3/36 20060101AFI20220823BHJP
【FI】
F41A3/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】31
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022023629
(22)【出願日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】10 2021 103 878.2
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】507101668
【氏名又は名称】ヘックレル・ウント・コッホ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ティム
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・ヘッツェル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】制御要素、遊底止め、ボルトキャリア、引金、自動火器用引金組立体、およびそれらを備え付けた自動火器を提供すること。
【解決手段】本発明は、ボルトキャリアを解放するための待機位置と前記ボルトキャリアを保持するための保持位置の間で動くことができる、第1の回転軸Aを中心にして動くことができる、遊底止め20を制御するための制御要素10であって、第2の回転軸Bを中心にして回転できる第1のアームを有し、第1のアームは、第1の接触表面、および第1の接触表面と反対の方向を向く第2の接触平面を有し、かつボルトキャリア上の制御曲線によって制御要素10のための第2の回転軸Bを中心にして回転できる第1の制御部位11を備え、第1のアームはまた、引金上の制御表面によって制御できる第2の制御部位を備える制御要素10に関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の回転軸(A)を中心にして動くことができ、ボルトキャリア(30)を解放するための待機位置と前記ボルトキャリア(30)を保持するための保持位置の間で動くことができる、遊底止め(20)を制御するための制御要素(10)であって、
第2の回転軸(B)を中心にして回転動できる第1のアーム(15)を有し、
前記第1のアーム(15)は、第1の接触面(11a)、および前記第1の接触面(11a)と反対の方向を向く第2の接触表面(11b)を有し、かつ前記ボルトキャリア(30)上の制御曲線(36、37、38)によって前記制御要素(10)のための前記第2の回転軸(B)を中心にして回転できる第1の制御部位(11)を備え、
前記第1のアームはまた、引金(50)上の制御面(55a)によって制御できる第2の制御部位(13)を備える制御要素(10)。
【請求項2】
筐体上の所定の位置に固定された構成要素(6)に機能的に接続できる、トルクに対して支えになるための第3の制御部位(12)を備える、前記第1のアーム(15)から軸方向に距離を置いて第2のアーム(16)を有する、請求項1に記載の制御要素(10)。
【請求項3】
前記第2の制御部位(13)は、前記第1の制御部位(11)と半径方向に反対側にあり、前記引金(50)上の前記制御面(55a、55b)によって制御できる半径方向の突起(13a)を備える、請求項1または2に記載の制御要素(10)。
【請求項4】
前記半径方向の突起(13a)は、先端で終わり、前記第2の回転軸(B)に平行な縁部を形成する、請求項3に記載の制御要素(10)。
【請求項5】
前記第1のアーム(15)は、前記第1の制御部位(11)の領域内で半径方向外側に向けて先細になる横断面を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の制御要素(10)。
【請求項6】
前記第1のアーム(15)は、階段状であり、その結果、前記第1のアームの厚さは、前記第1の制御部位(11)の前記領域内で軸方向に低減する、請求項1~5のいずれか一項に記載の制御要素(10)。
【請求項7】
前記第3の制御部位(12)は、前記第2の回転軸(B)の半径方向に伸展する、好ましくは偏心設計を有する第2の突起(12a)を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の制御要素(10)。
【請求項8】
前記第2のアーム(16)は、前記制御要素(10)のための回転方向に向けられた制御面(19a、19b)が形成される、軸方向に伸展する突起(19)を、詳細には爪を有し、前記突起(19)は、好ましくは前記第1のアーム(15)と反対の方向を向く前記第2のアーム(16)の端部面上に形成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の制御要素(10)。
【請求項9】
前記第1のアーム(15)と前記第2のアーム(16)の間に中央部(18)が存在し、前記中央部(18)は、前記第2の回転軸(B)を少なくとも部分的に取り囲む、前記アーム(15、16)を伴う環状ギャップ(14)を形成し、前記環状ギャップ(14)内では、ねじりばねの脚部を前記中央部(18)と接触させることができる、請求項2~8のいずれか一項に記載の制御要素(10)。
【請求項10】
ボルトキャリア(30)のための遊底止め遊底止め(20)であって、第1の回転軸(A)を中心にして回転でき、前記ボルトキャリアを保持するための停止アームを有する遊底止め(20)において、第2の回転軸(B)を有する制御要素(10)を受け入れるための、前記第1の回転軸(A)に対して実質的に半径方向に伸展する2つの締結アーム(21、22)を有することを特徴とする遊底止め(20)。
【請求項11】
第1の前記締結アーム(21)は、第2の前記締結アーム(22)に平行である、請求項10に記載の遊底止め(20)。
【請求項12】
前記第1の締結アーム(21)および前記第2の締結アーム(22)の端部は、それぞれ前記遊底止め(20)で前記制御要素(10)を回転可能に支持する締結要素(81)を、詳細にはピン、棒、またはボルトを受け入れるための孔(23)を有する、請求項10または11に記載の遊底止め(20)。
【請求項13】
前記2つの締結アーム(21、22)の一方、詳細には前記第2の締結アーム(22)は、前記制御要素(10)上の突起(19)と接触させることができる軸受面をそれぞれ有する2つの停止部(24、25)を有し、前記2つの停止部(24、25)は、第1の前記停止部(24)が、前記ボルトキャリアにより第1の方向(91)に生じる前記制御要素(10)の回転を制限し、かつ第2の前記停止部(25)が、前記ボルトキャリアにより第2の方向(92)に生じる前記制御要素(10)の回転を制限するように配列される、請求項10~12のいずれか一項に記載の遊底止め(20)。
【請求項14】
前記停止アームは、前記締結アーム(21、22)の反対方向に伸展する2つの停止アーム部位(26、27)により形成され、前記停止アーム部位(26、27)は、それぞれ自身の対応する端部で停止面(26a、27a)を形成する、請求項10~13のいずれか一項に記載の遊底止め(20)。
【請求項15】
対応する前記停止アーム部位(26、27)は、ウェブ(28)によって自身の前記対応する端部で互いに接続され、前記ウェブ(28)は、前記締結キャリア上の制御曲線が前記ウェブ(28)と接触するようになることなく通過できるようにするように置かれる、請求項14に記載の遊底止め(20)。
【請求項16】
所定の位置に連続発射要素(40)をロックするために前記ボルトキャリア(30)と反対の方向を向く前記停止アーム部位(26)の側に爪(26b)を有する、請求項10~15のいずれか一項に記載の遊底止め(20)。
【請求項17】
自動火器内で長手方向に動くことができる、遊底のためのボルトキャリア(30)であって、自身が回転できるように自身を保持および解放するために遊底止め(20)で支持される制御要素(10)を制御するための制御曲線を自身の下部面上に有することを特徴とするボルトキャリア(30)。
【請求項18】
前記制御曲線は、長手方向の軸の半径方向に伸展する少なくとも1つの突起(36、37、38)により形成される、請求項17に記載のボルトキャリア(30)。
【請求項19】
前記少なくとも1つの突起(36、37、38)は、長方形の横断面を有し、長さ(s)が幅(w)よりも大きい、請求項18に記載のボルトキャリア(30)。
【請求項20】
前記少なくとも1つの突起の前記幅に対する前記長さの比は、2:1よりも大きい、好ましくは3:1よりも大きい、特に好ましくは4:1よりも大きい、請求項19に記載のボルトキャリア(30)。
【請求項21】
長手方向に伸展する少なくとも1つの凹部(34、35a、35b、35c)により、詳細には溝により2つの留め具部位に分割される少なくとも1つの留め具(31、32、33)を有する、請求項17~20のいずれか一項に記載のボルトキャリア(30)。
【請求項22】
軸方向に連続して配列された、2つの、好ましくは3つの、半径方向に伸展する突起(36、37、38)が存在する、請求項18~21のいずれか一項に記載のボルトキャリア(30)。
【請求項23】
3つの前記突起(36、37、38)および3つの前記留め具(31、32、33)が存在し、第1の前記突起(36)および第2の前記突起(37)は、前記ボルトキャリアの長手方向に前記3つの留め具(31、32、33)の前に置かれ、第3の前記突起(38)は、前記長手方向に2つの前記留め具(31、32)の間に置かれる、請求項22に記載のボルトキャリア(30)。
【請求項24】
第4の回転軸(D)を中心にして枢動できる本体(51)を備える、自動火器のための引金組立体内の制御要素(10)を制御するための引金(50)であって、前記本体(51)から離れて軸方向に伸展する突起(55)により特徴づけられ、
前記突起は、第1の位置から第2の位置へ前記制御要素(10)を動かすために前記制御要素上の対応する制御部位と接触させることができる、上方を向く制御面(55a)を有し、
前記突起は、前記引金が作動したときに制御要素(10)が自身の回転軸(B)を中心にして回転できるようにする、前記第4の回転軸(D)に実質的に平行な制御縁部(55b)を有する引金(50)。
【請求項25】
前記制御面(55a)の輪郭は、凹状横断面を有する、請求項24に記載の引金(50)。
【請求項26】
自動火器用引金組立体(70)であって、
請求項1~9のいずれか一項に記載の制御要素(10)と、
請求項10~16のいずれか一項に記載の遊底止め(20)と、
非作動位置と作動位置の間で動くことができる、請求項24または25に記載の引金(50)と
を備え、
前記制御要素(10)は、制御曲線を有するボルトキャリアにより制御することができ、その結果、前記ボルトキャリアが前方に動く間、前記遊底止め(20)をその待機位置に把持し、前記ボルトキャリアが戻る間、前記遊底止め(20)をその保持位置に解放する引金組立体(70)。
【請求項27】
前記制御要素(10)は、2つの位置の間で第2の回転軸(B)を中心にして回転できるように前記遊底止め(20)で支持され、前記遊底止め(20)のための第1の回転軸(A)は、非回転構成要素に、詳細には把持部の筐体に接続され、その結果、前記制御要素(10)は、自身の前記第2の回転軸(B)を中心にして、かつ前記遊底止め(20)の回転軸を中心にして回転できる、請求項26に記載の引金組立体(70)。
【請求項28】
前記制御要素(10)は、前記引金(50)上の前記制御面(55a)によって制御され、前記遊底止めのための前記第1の回転軸(A)を中心にして回転する、請求項26または27に記載の引金組立体(70)。
【請求項29】
第3の制御部位(12)を誘導するために非回転構成要素に接続された要素(6)を有する、請求項26~28のいずれか一項に記載の引金組立体(70)。
【請求項30】
連続発射要素(40)および安全装置(60)が存在し、前記安全装置(60)は、
一設定で前記引金(50)を安全にし、
第2の設定で前記引金(50)を解放し、前記連続発射要素(40)を安全にし、
第3の設定で前記引金(50)と前記連続発射要素(40)の両方を解放する、
請求項26~29のいずれか一項に記載の引金組立体(70)。
【請求項31】
自動火器(MG)であって、請求項17~23のいずれか一項に記載のボルトキャリア(30)および請求項26~30のいずれか一項に記載の引金組立体(70)を有する自動火器(MG)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の回転軸を中心にして動くことができる、遊底止めを制御するための制御要素、遊底止め、自動火器内で長手方向に動くことができる遊底用ボルトキャリア、および自動火器用引金組立体に関する。本発明はまた、そのような制御要素および/または遊底止めおよび/またはボルトキャリアおよび/または引金組立体を備え付けた自動火器に関する。
【背景技術】
【0002】
「上方」、「下方」、「前部」、「背部」などのような、本文書での位置の用語は、砲身軸が水平であり、かつ射手から離れて前方に向けて発砲が行われる自動火器について言及する。
【0003】
自動装填式小火器とは異なり、自動火器は、弾薬を連続して発射できる。自動火器の例は、詳細には短機関銃だけではなく攻撃用武器および機関銃も含む。
【0004】
小火器用制御要素は、原理的上は従来技術から公知である。例として、枢動軸を中心にして動く揺動レバー、および揺動レバーの引金レバーのための制御要素は、独国特許発明第102007004588(B3)号明細書から公知である。
【0005】
遊底止めおよびボルトキャリアもまた従来技術から公知である。
【0006】
「安全」および「全自動発射」という切替状態を表示する、自動式のMG34およびMG3などの自動火器もまた従来技術から公知である。しかしながら、自動火器MG34およびMG3の連続装填は、安全装置がオンであるときには不可能である。
【0007】
安全装置がオンであるときに装填できる、MG4およびMG5などの自動火器もまた存在する。しかしながら、これらの自動火器MG4もMG5も「単発」モードに設定できない。
【0008】
例として、小火器用、詳細にはMG4およびMG5用引金組立体は、独国特許発明第102012212388(B4)号明細書から公知である。引金組立体は、初期位置と装填位置の間で摺動できる遊底と、遊底を解放するための待機位置と所定の位置に遊底を保持するための保持位置の間で動くことができる停止レバーと、停止レバーをその保持位置から待機位置に動かすために非作動位置と作動位置との間で動くことができる引金要素と、停止レバーをその待機位置内で把持するための保持位置と停止レバーがその保持位置の中に動くことができるようにするための解放位置との間で動くことができる、引金要素に対して動くことができる引金を引く要素とを備える。引金を引く要素がその保持位置から解放位置の中への引金を引く要素の動きは、引金を引く要素が装填位置に向けて動くときに引金を引く要素と遊底が接触することにより起こる。この引金を引く要素はこの場合、引金要素に対して、引金を引く要素のための枢動軸を中心にして枢動でき、その結果、引金を引く要素は、安全装置が同様にオンであるときに遊底が初期位置に向けて動くことによって、引金要素が非作動位置にあるときに遊底の移動空間の中から外に動くことができる。その結果、引金が安全になったとき、引金を引く要素により定位置に向けて遊底が動くのを妨害するのを防止する引金組立体が得られる。
【0009】
M240自動火器のための引金筐体用引金組立体は、米国特許出願公開第2011/168008(A1)号明細書から公知であり、この引金組立体は、半自動発射と全自動発射の間で自動火器を切り替えるために、引金筐体の外側でアクセスできるスイッチを有する。
【0010】
遊底および安全装置を有する小火器上の、詳細には自動火器上の引金機器内の停止レバー用安全装置機構もまた欧州特許第2198232(B1)号明細書から公知である。停止レバーは、所定の位置に遊底を把持するロックする位置と所定の位置に遊底を把持しない位置の間で動くことができる。安全装置機構は、自身が安全な設定にあることを仮定するときに安全装置と係合し、その結果、停止レバーをそのロックされた位置で保持する。安全装置と停止レバーの間に、停止レバーをそのロックされた位置で把持するロックする力を加えるばね要素もまた存在する。ロックする力は、停止レバーをそのロックされた位置から外に持って行く解放力よりも大きく、かつさらにまたばね要素を収縮させる間に遊底を戻す効果により停止レバーが偏向できるようにするように調節できる。
【0011】
遊底および安全装置を有する小火器内の、詳細には自動火器内の引金機器用停止レバーもまた欧州特許第2205924(B1)号明細書から公知である。停止レバーは、所定の位置に遊底を把持するロックする位置と所定の位置に遊底をロックしない位置との間で動くことができ、安全装置要素を有する。安全装置要素は、停止レバーに対して解放位置と安全位置の間で動くことができる。安全装置要素は、戻る遊底が背部に向けて安全装置要素に調整作用を加えるとき、遊底が停止レバーと係合するときに自身が解放位置にあることを仮定する。解放位置では、安全装置要素は、さらにまた自身が安全な位置にあることを仮定する場合でさえ安全装置と係合せず、停止レバーは、ロックされていない位置になることができる。安全装置要素はまた、遊底が前部に向けて安全装置要素に調整作用を加える場合、遊底が停止レバーに向けて動いているときに自身が安全位置にあることを仮定し、安全装置がオンであるときに安全装置と係合し、さらにまた自身が安全位置にあることを仮定し、停止レバー自体は、ロックされた位置に保持され、その場合、遊底はまた、停止レバー上に形成された逆鉤と係合する。
【0012】
遊底および安全装置を有する小火器内の、詳細には自動火器内の引金機器用停止レバーもまた欧州特許第2205925(B1)号明細書から公知である。停止レバーは、所定の位置に遊底を把持するロックする位置と所定の位置に遊底をロックしない位置の間で動くことができ、安全装置要素を有する。安全装置要素は、ばねの力と反対の方向に、停止レバーに対して待機位置から安全位置まで動くことができる。安全装置要素は、遊底が前部に向けて安全装置要素に調整力を加える場合、遊底が停止レバーに向けて動くときに自身が安全位置にあることを仮定し、安全装置がさらにまたオンであり、かつ停止レバー自体がそのロックする位置で安全になった場合、この位置で安全装置と係合する。そうではない場合、安全装置要素は、自身が待機位置にあることを仮定し、停止レバーを解放する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】独国特許発明第102007004588(B3)号明細書
【特許文献2】独国特許発明第102012212388(B4)号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/168008(A1)号明細書
【特許文献4】欧州特許第2198232(B1)号明細書
【特許文献5】欧州特許第2205924(B1)号明細書
【特許文献6】欧州特許第2205925(B1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記に基づき、本発明の目的は、改善された制御要素を作成することである。改善された遊底止めを作成することもまた本発明の目的である。改善されたボルトキャリアを作成することもまた本発明の目的である。改善された引金を作成することもまた本発明の目的である。さらに、改善された引金組立体を作成することもまた本発明の目的である。最後に、前述の構成要素のいずれかを伴う自動火器を作成することが本発明の目的である。したがって詳細には、前述の構成要素のうち少なくとも1つを用いて設定「安全装置オン」、「単発」、および「全自動発射」を可能にするだけではなく、安全装置がオンであるときに小火器に装填できるようにする自動火器を得ることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
これらの目的は、請求項1に記載の主題、および同等の独立請求項10、17、24、26、および31によって達成される。
【0016】
本発明の一様態によれば、第1の回転軸を中心にして動くことができる、遊底止めを制御するための制御要素が存在し、遊底止めは、ボルトキャリアを解放するための待機位置と所定の位置に遊底を把持する保持位置の間で動くことができる。制御要素は、第2の回転軸を中心にして枢動できる第1のアームを有する。
【0017】
第1のアームは、第1の接触面、および第1の接触面と反対の方向を向く第2の接触面を有する、ボルトキャリア上の制御曲線によって制御要素のための第2の回転軸を中心にして偏向できる制御部位を備える。
【0018】
換言すれば、第1の制御部位は、ボルトキャリアの下部面上に位置する制御曲線によりによりそれぞれ制御できる、前側および背部側に接触平面を備える。制御曲線により制御要素を制御する結果、制御要素は、回転軸を中心にして偏向(転向とも呼ばれる)する。遊底が前方に摺動することで制御要素が作動する場合、前部に向けて2つの回転方向のうち一方に向きを変える。後部に向けた偏向は、第1の回転に対応し、前部に向けた偏向は、第2の回転軸を中心とする第2の回転に対応する。
【0019】
第1のアームはまた、引金上の制御面によって作動できる第2の制御部位を備える。詳細には第1のアームの下部面上に位置する第2の制御部位は、引金を引いて遊底止めをトリガまたは解放するときに引金上の制御面と接触させることができる。
【0020】
ボルトキャリア上の遊底止めを解放後、本発明による制御要素は、遊底止めをその待機位置で保持することができ、一方、ボルトキャリアは、前方に動き、ボルトキャリアが後方に摺動するときに遊底止めを解放する。さらに、第2の制御部位は、停止レバーが解放されたときに引金上の制御縁部を越えて「摺動する」ことができ、その結果、制御要素は、次いで後方に動いているときにボルトキャリアの動きに起因する枢動した位置またはねじれた位置から開始位置に動く。
【0021】
第2の制御部位が引金の制御縁部を越えて「摺動する」場合、遊底止めをその保持位置の中に押し込むばね要素は、制御要素の「下方の」動きをトリガする。
【0022】
制御要素は詳細には、引金組立体内の引金を遊底止めに連結させるあるタイプの連結要素であると考えることができる。制御面を介して引金により、および制御曲線を介してボルトキャリアにより、引金組立体内で制御要素を制御できる。換言すれば、「下」から、および「上」から制御要素を制御できる。
【0023】
制御要素は、ボルトキャリア上の制御曲線により制御されるときに回転し、第2の回転軸は好ましくは、制御要素が引金により作動したときに完全に垂直方向に動く。換言すれば、引金は、作動したとき、第2の回転軸を、したがって制御要素を引金の制御面によって上方に押し上げる、または押し動かす。
【0024】
「安全装置オン」、「単発」、および「全自動発射」という機能または設定だけではなく自動火器の連続装填は、自動火器が安全な状態にあるとき、本発明による制御要素によって有効にできる。
【0025】
制御要素は、詳細には遊底止めのための第1の回転軸に対してその軸に平行に枢動できる、すなわち回転できる制御レバーを形成できる。
【0026】
遊底止めに制御要素を付着させるために、制御要素は、締結要素を、たとえばピン、棒、またはボルトを受け入れるために、第2の回転軸に同軸の孔を有することができる。孔が単一の穿孔の形をとる場合、単一締結要素で十分である。むしろ孔が各端部上に1つの、2つの止り孔により形成される場合、2つの締結要素が必要である。
【0027】
本発明の好ましい実施形態では、制御要素は、トルクに対して支えになるために、筐体上の第1の構成要素に機能的に接続できる第3の制御部位を備える第1のアームから軸方向に間隔を置いて離して配置された第2のアームを備える。
【0028】
引金が作動して遊底止めにより解放された後に遊底が前方に動くとき、第3の制御部位は、把持部の筐体に接続された要素に向けて動き、遊底全体が前方に動く間にこの要素に対して支えになる。
【0029】
要素に対して支えになることができるそのような第3の制御部位は、遊底が前方に動いている間に、作動した引金が時期尚早に(故意にまたは故意ではなく)解放される場合に遊底止めがボルトキャリア上のノッチの中に、または中間位置で捕捉されるのを防止する。ボルトキャリアは、前方に動いている間に捕捉される場合、開始位置に手動で引き戻さなければならない。
【0030】
換言すれば、制御要素の第2のアーム上の第3の制御部位は、筐体上の要素を越えて摺動し、ボルトキャリアが前方に動いている間に引金を解放する場合でさえ、遊底が前方に動いている間に遊底止めをその待機位置に保持する。
【0031】
本発明の有利な実施形態では、第2の制御部位は、半径方向に第1の制御部位の反対側にあり、引金上の制御面によって制御できる半径方向の突起を備える。
【0032】
半径方向の突起は、詳細には引金上の制御面が制御縁部を有する場合、引金上の制御面により良好な制御を可能にする。引金が作動してボルトキャリアが後方に動く場合、第2の制御部位は、半径方向の突起によって制御縁部を越えて確実に「摺動する」。
【0033】
半径方向の突起が下方に摺動する信頼度を高めるために、半径方向の突起は、先細になって先端になり、第2の回転軸に平行な縁部を形成することが好ましい。
【0034】
別の好ましい実施形態では、第1のアームは、第1の制御部位の領域内で半径方向外側に先細になる横断面を有する。最上部に向けて細くなる制御要素は、ボルトキャリア上の制御曲線がより正確に制御できるようにする。これによりさらにまた、ボルトキャリア上の「精密に調節された」制御曲線が可能になる。
【0035】
この効果は、第1のアームが第1の制御部位の領域内で軸方向に、より薄くなるように、端部面で階段状になる場合に高まる。これにより換言すれば、長手方向部位が低減することになる。第2のアームが存在する場合、第2のアームと反対の方向を向く第1のアームの端部面は、好ましくは階段状になった端部である。
【0036】
本発明の別の実施形態では、第3の制御部位は好ましくは、偏心である、または湾曲していることが好ましい第2の半径方向の突起を有し、詳細には第2のアームの下端部または第3の制御部位を形成する。好ましくは引金に向けて下方に伸展する偏心のまたは湾曲した半径方向の突起は、第3の制御部位が筐体上の構成要素に対して確実に支えることを可能にする。筐体構成要素で確実にしっかり押さえることにより、引金が作動して遊底が前方に動いている間に待機位置で遊底止めを確実に保持する。
【0037】
本発明の別の実施形態では、第2のアームは、制御要素の回転方向を向く接触平面が形成される、半径方向に伸展する突起を、詳細には爪を有し、突起は、好ましくは第1のアームと反対の方向を向く第2のアームの端部面上に形成される。
【0038】
そのような突起は、ボルトキャリアまたは引金により制御を害することのない制御面を形成できるようにする。軸方向外側に向く突起は、有利には第2の回転軸を中心にして制御要素の両方の回転方向で遊底止め上の対応する停止部または接触面を圧迫するようになることができる。
【0039】
この場合好ましくはそのような軸方向に伸展する突起は、遊底止めのための第1の回転軸に関して遊底止め上の2つの締結アームの軸方向内側で制御要素を支持するときに使用され、軸方向の突起だけは、長手方向の部位により形成された2つの締結アームの一方の平面の中に伸展する。
【0040】
本発明の別の実施形態では、好ましくは第1のアームと第2のアームの間に、第2の回転軸を中心にして少なくとも部分的に向きを変える環状ギャップをアームと共に形成する中央部が存在し、環状ギャップ内でばねの脚部を中央部と接触させることができる。
【0041】
制御要素が、制御された手法で回転軸を中心にして回転することを確実にするために、制御要素はまた、ばね要素によって遊底止めと連結される。制御要素は、このための空間を有し、空間は、第1のアームと第2のアームの間で、たとえば、ばね要素の一部が圧迫するようになることができる環状ギャップの形で軸方向に位置する。構造的に簡単な実施形態では、ねじりばねは、遊底止めのための第1の回転軸の周りに巻かれ、制御要素をその中央位置に保持する力を絶えず加えるように環状ギャップ内で両方の脚部で締め付けられる。中央位置は、前方偏向と後方偏向の間の約中間にある。その結果、要素が第1の方向または第2の方向で回転するために、ばねの力に打ち勝たなければならない。制御要素が偏向した場合、ばね要素のばねの力は、中央位置の中に制御要素を押し戻す。
【0042】
第2のアームは好ましくは、環状ギャップ内でばね要素を、詳細にはねじりばねを誘導する側面停止部を形成する第2の半径方向の突起を有する。換言すれば、側面停止部は、火器が動作している間にばね要素が環状ギャップの中から外に摺動するのを防止する。
【0043】
本発明の第2の様態によれば、ボルトキャリアを保持および解放するための遊底止めが存在し、遊底止めは、第1の回転軸を中心にして枢動でき、ボルトキャリアを保持するための停止アームを有する。
【0044】
遊底止めは、第2の回転軸を有する制御要素を受け入れるための、第1の回転軸に半径方向に実質的に伸展する2つの締結アームを有するという点で区別され、2つの締結アームは、好ましくは互いに平行である。
【0045】
制御要素が締結アームを中心にして回転できるように制御要素を支持するために、それぞれの締結アームの各端部上に、締結要素を、たとえばピン、棒、またはボルトを受け入れるための、穿孔の形をとる孔が存在する。締結アーム内の孔は、制御要素内の孔に対応する。
【0046】
遊底止めの他の実施形態では、2つの締結アームの一方、詳細には第2の締結アームは、制御要素上の軸方向の突起と接触させることができる停止面をそれぞれ有する2つの停止部を有する。第1の停止部が、ボルトキャリアにより制御要素が第1の回転方向で回転するのを制限し、かつ第2の停止部が、ボルトキャリアにより制御要素が第2の回転方向に回転するのを制限するように2つの停止部が置かれる。
【0047】
停止部は、好ましくは第2の締結アーム内の材料を除去することにより形成できる。詳細には、材料を除去することにより少なくとも部分的に、長手方向に見て輪を、すなわち2つの同心円を伴う面を形成できる。材料除去により、好ましくは少なくともC字形の輪が少なくとも部分的に描かれる。したがって、第2の回転軸の「前に」および「背後に」軸受面が形成される。これらの軸受面はまた、第2の締結アームの下部面上に形成される。下部面は、ボルトキャリアと反対の方向を向く側、または引金に対向する側にある。この材料除去により、軸方向の突起は、第2の回転軸を中心にして実質的に円形に回転可能になる。
【0048】
本発明の別の実施形態では、停止アームは、締結アームの反対方向に伸展する2つの停止アーム部位により形成され、停止アーム部位は、それらの対応する端部上で停止面を形成する。
【0049】
2つの停止アーム部位は、第1の回転軸から始まり、2つの停止アーム部位の間に長手方向の空間またはギャップが形成されるという点で、ただ1つの停止アーム部位に対して有利な点を有する。制御曲線は、有利には突起を用いてこの空間の「中に沈む」ことができ、その結果、軸方向に間隔を置いて離して配置された停止アーム部位を用いて通過できる。これは、遊底が戻り、かつ制御曲線または制御曲線を形成する突起と停止アームの間の間隔が低減したとき、遊底止めが、詳細にはねじりばねにより上方に押される場合に特に重要である。
【0050】
停止アーム部位の強度を高めるために、対応する停止アーム部位は、好ましくはウェブにより停止アーム部位の対応する端部で互いに接続される。ウェブは好ましくは、さらにまた制御曲線と接触するようになることなく制御曲線を通過できるように置かれる。これは、ウェブが開口部を形成し、停止アーム部位の端部がボルトキャリアの下部面の方を向くという点で行われる可能性があり、開口部は詳細には半円形の、U字形の、長方形の、またはV字形の横断面を有する。制御曲線は、詳細には遊底が戻る間にこれらの幾何形状と接触するようになることなくこれらの幾何形状を通過できる。
【0051】
連続発射要素を用いて所定の位置に遊底止めを下方に把持する、またはロックすることができるために、遊底止めは、好ましくはボルトキャリアと反対の方向を向く第1の停止アーム部位の側に位置する爪を有する。
【0052】
本発明の第3の様態によれば、自動火器内で長手方向に動くことができる、遊底のためのボルトキャリアが存在する。ボルトキャリアは、自身を保持および解放するために遊底止め上の回転制御要素を制御するために、下部面上に制御曲線を有するという点で区別される。
【0053】
そのようなボルトキャリアは、前後に自由に動き、制御要素が、ボルトキャリアを制御することによって(遊底が戻るときに)遊底止めの保持位置で遊底止めを解放し、かつ(遊底が前方に動くときに)遊底止めの待機位置で遊底止めを把持するので、上記で記述する制御要素などの制御要素と相互作用する。
【0054】
長手方向の軸の半径方向に伸展する少なくとも1つの突起により制御曲線が形成されるボルトキャリアが好ましい。ボルトキャリアの長手方向に順次に配列された少なくとも2つの、好ましくは3つの半径方向に伸展する突起を有することが特に有利であることが証明され、その結果、突起の間に空の空間が形成される。
【0055】
突起は、長方形の横断面を有することができる。突起の長さは、突起の幅よりも大きくできる。突起の幅に対する長さの比は、好ましくは2:1よりも大きく、より好ましくは3:1よりも大きく、特に好ましくは4:1よりも大きい。
【0056】
数多くの突起が、たとえば、2つ、3つ、4つまたは5つの突起が存在できる。半径方向に伸展する3つの突起は特に好ましく、これらの突起はこの場合、軸方向に連続して配列される。
【0057】
数多くの連続する突起は、たとえば、遊底を引き戻すときに所定の位置に遊底止めをロックできる数多くの留め具を有することを可能にする。制御要素の第1の制御部位は、たとえば、破裂を取り除くために必要な遊底を手動で戻す間、引金を解放した後、遊底が戻る間、遊底が前方に動いているときに破裂および遊底妨害が起きた場合に有利な手法で突起の間の空の空間に入ることができる。
【0058】
したがって、長手方向に伸展する少なくとも1つの凹部により、詳細には溝により、左留め具部位および右留め具部位に分割される少なくとも1つの留め具をボルトキャリアが有することが好ましい。
【0059】
溝は、制御要素の第1のアーム上の第1の制御部位が溝に入ることができるように置かれる。換言すれば、第1の制御部位は、溝の中に伸展し、留め具部位に触れることなく、すなわち留め具部位と接触するようになることなく留め具部位を通過する。
【0060】
突起上の空の空間、および少なくとも1つの溝は、具体的には遊底を手動で戻す間に第1の制御部位のために十分な空間を与えるという同じ機能を有する。
【0061】
留め具が複数の場合、制御曲線を形成する突起は、対応する留め具に対して適切な間隔で置かれることが好ましい。その結果、少なくとも1つの溝は、突起の1つにより遮られ、詳細には後方に動かされる3つの留め具すべてで遊底止めの第1の停止アーム部位および第2の停止アーム部位を所定の位置で確実にロックするために、3つの留め具のための3つの溝が存在する。
【0062】
3つの突起および3つの留め具を有するボルトキャリアが特に好ましく、そこでは、第1の突起および第2の突起は、ボルトキャリアの長手方向に3つの留め具の前に置かれ、第3の突起は、長手方向に2つの留め具の間に置かれる。そのようなボルトキャリアは、制御要素または第1の制御部位を制御可能にし、さらにまた、依然として小型のボルトキャリアを得ながら3つの位置で所定の位置にロック可能にする。
【0063】
第4の様態によれば、自動火器用引金組立体内の制御要素を制御するための引金が存在する。引金は、非作動位置と作動位置の間で動くことができ、第4の回転軸を中心にして枢動できる要素を備える。
【0064】
引金は、要素から軸方向に伸展する突起により特徴づけられ、突起は、第1の位置から第2の位置に制御要素を動かすために制御要素の対応する制御部位と接触させることができる上方を向く制御面を有し、第4の回転軸に実質的に平行な制御縁部を有する。
【0065】
そのような引金は、制御要素を制御できる、すなわち、第1の位置から実質的に垂直に第2の位置に制御要素を動かし、作動した引金はまた、遊底が戻ることにより制御要素を偏向させた後に制御要素が制御縁部を越えて「下方に摺動」できるようにする。
【0066】
凹状横断面を有する制御面輪郭を伴う引金が好ましい。凹状の形状は、動かされるべき制御要素を制御するのをより容易にする。
【0067】
第5の様態によれば、自動化器用引金組立体が存在する。引金組立体は、上記で記述するような制御要素、上記で記述するような遊底止め、および上記で記述するような引金を備える。
【0068】
引金組立体は、ボルトキャリアにより制御できるこれらの構成要素を用いて得ることができる。対応する制御曲線を有するボルトキャリアと相互作用するそのような引金組立体は、安全な状態および設定である「単発」、および「全自動発射」で連続装填を可能にする。ボルトキャリアは、詳細には上記で記述するボルトキャリアとすることができる。
【0069】
引金は、第4の回転軸を中心にして枢動でき、制御要素を、詳細には制御要素の第2の制御部位を制御するように構成される。引金は、このための制御面を有し、制御面は、引金が作動したときに第2の制御部位を上方に動かす。第2の回転軸が上方へ動く結果、第1の停止アーム部位および第2の停止アーム部位は下方に向きを変え、すなわち、遊底止めは、待機位置の中に動く。換言すれば、引金によって制御要素を作動させることにより、遊底止めは、遊底止めのための第1の回転軸を中心にして回転する。
【0070】
上方に動く垂直制御要素は次いで、制御要素が遊底止めをその待機位置で把持し、さらにまた遊底止めをその待機位置の中にさらに動かすために遊底止めにトルクを加えることができるように、制御曲線を用いてボルトキャリアにより制御できる。
【0071】
上方に動いた垂直制御要素が、遊底が前方に動くときに前部制御曲線を用いてボルトキャリアにより制御される場合、第3の制御部位は、上記で記述するように、筐体上の第2の要素を越えて制御要素の第2のアームを摺動させ、ボルトキャリアが前方に動く間に引金を解放すべき場合でさえ、遊底が前方へ完全に動く間ずっと遊底止めをその待機位置に保持する。
【0072】
引金組立体はまた、連続発射要素および安全装置を備え、安全装置は、第1の設定で引金を安全にして引金を解放し、第2の設定で連続発射要素を安全にし、第3の設定で引金と連続発射要素の両方を解放する。連続発射要素は、第3の回転軸を取り囲む。安全装置は、安全レバーを形成する場合、第5の回転軸を中心にして枢動できる。
【0073】
第5の回転軸は、具体的には遊底止めのための第1の回転軸、制御要素のための第2の回転軸、連続発射要素のための第3の回転軸、引金のための第4の回転軸、および安全レバーのための第5の回転軸は、好ましくは互いに平行であり、その結果、前面から長手方向に見たときに第4の回転軸、第2の回転軸、第1の回転軸、第3の回転軸、および第5の回転軸の順序になる。
【0074】
制御要素、遊底止め、引金、および連続発射要素は、詳細にはねじりばねの形をとるばねにより提供できるばねの力をそれぞれ受ける。ねじりばねは、把持部の筐体上に形成された回転軸の周りに、または要素もしくは停止部の周りに巻かれる。好ましくは、ねじりばねを補強するトルクのための3つの要素が存在する。
【0075】
第1のねじりばねは、好ましくは第1の脚部を用いて第1の要素に対して支えられ、その第2の脚部で遊底止めを押しつける(遊底止めのためのねじりばね)。第1のねじりばねは、第3の要素の周りに巻かれる。
【0076】
第2のねじりばねは、第1の脚部を用いて第2の要素に対して支えられ、第2の脚部で引金を押しつける(引金のためのねじりばね)。第2のねじりばねもまた、第3の要素の周りに巻かれる。
【0077】
第3のねじりばねは、第1の脚部を用いて第1の要素に対して支えられ、2の脚部で連続発射要素を押しつける。いわゆる「連続発射要素のためのねじりばね」は、第3の回転軸の周りに巻かれ、背部に向けて、すなわち時計方向にトルクを生じさせる。詳細には、第3の回転軸の周りにねじりばねを巻くということは、ねじりばねの内径が連続発射要素のスリーブ領域上にある、すなわち、直接に心棒上にないことを意味すると理解される。
【0078】
第1のねじりばね(遊底止めのためのねじりばね)の力は、第2のねじりばね(引金のためのねじりばね)の力よりも大きく、第2のねじりばねの力は、第3のねじりばね(連続発射要素のためのねじりばね)の力よりも大きい。
【0079】
第4のねじりばねは、第1の回転軸の周りに巻かれ、中央位置に制御要素を把持する(制御要素のためのねじりばね)。制御要素は、第4のねじりばねの力と反対方向に、第2の回転軸を中心にして両方向に枢動できる。
【0080】
引金組立体の構成要素は、把持部の筐体内に位置する。把持部の筐体は、非回転構成要素を構成する。
【0081】
好ましい実施形態では、制御要素は、第2の回転軸を中心にして遊底止め上の2つの位置の間で回転できる。遊底止めのための第1の回転軸もまた、非回転構成要素に、詳細には把持部の筐体に接続され、その結果、制御要素は、回転軸を中心にして、さらにまた遊底止めのための回転軸上で回転できる。
【0082】
引金組立体は、第3の制御部位を誘導するために、非回転構成要素に接続された要素を有することが好ましい。装入物または停止部とも呼ぶことができるそのような要素を使用して、第3の制御部位の、詳細には半径方向の突起のトルクを補強できる。有利な実施形態では、要素、および装入物または停止部は、同じ構成要素である。
【0083】
第4の様態によれば、上記で記述するような引金組立体、および上記で記述するようなボルトキャリアを有する自動火器が存在する。そのような火器は、「安全装置オン」、「単発」、および「全自動発射」という安全な状態および設定で連続装填を可能にする。
【0084】
添付の概略図を参照して以下で本発明の代表的実施形態についてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0085】
図1】2つの斜視図から得られる概略図で本発明の好ましい実施形態の制御要素を示す。
図1a図1から得られる制御要素を別の図で示す。
図2】2つの斜視図から得られる概略図で本発明の好ましい実施形態の遊底止めを示す。
図3】他の図、断面、および斜視図で、図2から得られる遊底止めおよび図1から得られる制御要素を示す。
図4】斜視図から得られる概略図で本発明の好ましい実施形態のボルトキャリアを示す。
図5】引金組立体で使用できる連続発射要素を示す。
図6】引金組立体で使用できる引金を示す。
図7】本発明の好ましい実施形態の引金組立体を示す。
図8】別の図、断面、および斜視図で、安全装置と相互作用する図6および図7の引金を示す。
図9】他の図で(全自動発射設定で)図7の引金組立体の一部を示す。
図10a】火器のための装填シーケンス、または図7から得られる引金組立体を示す(安全な状態での装填)。
図10b】火器のための装填シーケンス、または図7から得られる引金組立体を示す(安全な状態での装填)。
図11a】単発モードで発砲するための時系列を示す。
図11b】単発モードで発砲するための時系列を示す。
図11c】単発モードで発砲するための時系列を示す。
図11d】単発モードで発砲するための時系列を示す。
図12図11bから得られるスナップショットの拡大図を示す。
図13】単発設定で引金が作動していないときのスナップショットの別の拡大図を示す。
図14】安全な設定での別のスナップショットを示す。
図15】ボルトキャリアが主留め具の中で安全になった安全な設定でのスナップショットを示す。
図16a】単発設定で遊底が前方に動く際の破裂の除去の時系列を示す。
図16b】単発設定で遊底が前方に動く際の破裂の除去の時系列を示す。
図17a】全自動発射モードでの数多くの発射の時系列を示す。
図17b】全自動発射モードでの数多くの発射の時系列を示す。
図17c】全自動発射モードでの数多くの発射の時系列を示す。
図18図7から得られる引金組立体および図4から得られる遊底を伴う自動火器を示す。
【発明を実施するための形態】
【0086】
制御要素10、遊底止め20、ボルトキャリア30、引金50、および尾筒内で長手方向に動く遊底を有する小火器の、またはこれらの要素のうち少なくとも1つを伴う小火器の引金組立体の構造および機能について、図を参照して以下で説明する。図は、本発明の好ましい実施形態を示す。
【0087】
わかりやすくするために、すべての図に参照記号を付していない。しかしながら、同じ参照記号はすべての図に適用される。
【0088】
図1は、2つの斜視図から得られる概略図で本発明の好ましい実施形態の制御要素10を示す。制御要素は好ましくは、図7を参照してより詳細に記述する引金組立体用の遊底止め、ボルトキャリア、連続発射要素、および引金を備える、図2図3図4図5、および図6を参照してより詳細に記述する組立体の1つ、または組立体の組合せと共に使用できる。
【0089】
制御要素10は、図2を参照してより詳細に記述する、第1の回転軸Aを中心にして枢動できる遊底止め20を制御するためにあり、遊底止めは、制御曲線を有するボルトキャリアを解放するための待機位置とボルトキャリアを保持するための保持位置の間で動くことができる。
【0090】
遊底止め20のための第1の回転軸Aに軸が平行な、ここでは枢動制御レバーの形をとる制御要素10は、第2の回転軸B、および第2の回転軸Bの方向に軸方向に間隔を置いて離して配置された2つのアーム15、16を有する。
【0091】
第1のアーム15と第2のアーム16の間に、少なくとも部分的に回転軸Bの周りに延びる、アーム15、16を伴う環状ギャップ14を画定する中央部18が存在する。ねじりばねの脚部は、詳細にはこの環状ギャップ14内で中央部18を圧迫させることができる。
【0092】
第1の制御部位11は、ボルトキャリア30上の制御曲線によって制御要素10のための第2の回転軸Bを中心にして枢動できる第1のアーム15上に形成される。第1の制御部位はこのために、制御曲線と選択的に接触させることができる2つの接触面11aおよび11bを備える。2つの接触平面11a、11bは、互いに反対の方向を向き、接触平面11bは「前方」を向き、一方、接触平面11aは「後方」を向く。
【0093】
第1のアーム15の横断面は、第1の制御部位11の領域内で半径方向内側端部から半径方向外側端部に先細になる。第1のアーム15はまた、厚さが第1の制御部位11の領域内で軸方向に低減するように階段状である。
【0094】
第1の制御部位11はまた、レバーアームとみなすことができる。換言すれば、制御要素10、および第1の制御部位11、またはレバーアームは、第2の回転軸Bを中心にして2つの方向に、具体的には第1の方向91および反対の第2の方向92に回転できる。
【0095】
さらにまた、先端で終わる半径方向の突起13aを有する第2の制御部位13が第1のアーム15上に存在し、第2の制御部位13は、制御要素10に連結した遊底止め20を用いて第1の回転軸Aを中心にして自身を回転させるために、図6を参照してより詳細に記述する引金50上の制御面55aおよび制御縁部55bによって制御できる。半径方向の突起13aは、回転軸Bに平行な縁部を有する。第1の制御部位11および第2の制御部位13はまた、互いに半径方向反対側にある。
【0096】
遊底止め20と接触させることができる第3の制御部位12が第2のアーム16上に存在する。第3の制御部位12は、この場合爪の役割を果たす、軸方向に伸展する突起19を有する。2つの接触面19a、19bは、爪の上に形成され、制御要素のための回転方向を向く。爪19は、第1のアーム15と反対の方向を向く第2のアーム16の端部面上に形成される。第2の接触面19aは、回転方向91に作用し、接触面19bは、反対の回転方向92に作用する。
【0097】
第2の部位13は、引金50の制御面55aまたは制御縁部55bを圧迫する、半径方向に伸展する第1の領域13aを有する。そのような「細長い」制御要素10は、引金50による作動だけではなくこの作動の中断または終了も可能にする。
【0098】
第3の制御部位12は、偏心であり、またはアーチ状であり、かつ第2のアーム16の下端部または第3の制御部位12を形成する第2の半径方向の突起12aを有する。
【0099】
半径方向下方拡張部分とも呼ぶことができる第2の半径方向の突起12aを使用して、非回転構成要素、たとえば要素に対して支えになる。第3の制御部位12の端部領域12aの半径方向の傾斜を使用して、以下の図を参照してより詳細に説明するように、遊底が前方に動くときに遊底止め20の後部の第1の停止アーム部位26および第2の停止アーム部位27を待機位置にさらに持って行く。
【0100】
偏心の第3の制御部位12は、その左側端部で別の半径方向の突起に移行する。別の突起13aと異なり、この半径方向の突起は先が丸い、または半円形であり、点にならない。この第2の半径方向の突起は実質的に、ばね要素、詳細にはねじりばねを環状ギャップ14の中から外に摺動させないための側面停止部の役割を果たす。
【0101】
制御要素10はまた、回転軸Bに同軸な孔17を有する。換言すれば、この孔17は、両方の端部面を通過する。この孔の中にボルトなどの締結要素を受け入れることができ、この孔はこの場合、遊底止め20で制御要素10を支持する。
【0102】
そのような制御要素10は、ボルトキャリア30が前方に動いているときにボルトキャリアを制御することによって遊底止め20をその待機位置で把持することができ、ボルトキャリアが戻る間に遊底止めがこの位置で回転できるようにする。
【0103】
図1aは、制御要素の第2のアーム16の外側端部面の図を示す。これは、偏心であり、アーチ状の部位12aがよりわかりやすい図である。偏心部位12aは、約120°の角度αにわたり曲線に沿って円周方向に伸展する。容易に理解できるように、曲線の中央部Mは、回転軸Bの外側にある。第3の制御部位12の偏心部位12aは、その左側端部で、移行部Pでねじりばねのための側方停止部の役割を果たす別の半径方向の突起12bに移行する。
【0104】
図2は、概略斜視図(左側)で、および概略的な横方向断面または長手方向断面(右側)で本発明の好ましい実施形態の遊底止め20を示す。
【0105】
遊底止め20は、図1から得られる制御要素10と共に示され、好ましくは図4を参照してより詳細に記述するボルトキャリア30のためにある。
【0106】
遊底止め20は、回転可能に支持される第1の回転軸Aを有する。換言すれば、遊底止め20は、第1の回転軸Aを中心にして2つの方向に、具体的には第3の方向93および反対の第4の方向94に回転できる。
【0107】
遊底止め20はまた、第1の回転軸Aに対して実質的に半径方向に伸展し、かつ第2の回転軸Bを有する制御要素10を受け入れる2つの平行な締結アーム21、22を備える。
【0108】
遊底止め20上の第1のアーム21、および第2のアーム22の両方は、それらの対応する端部上に孔23を有する。遊底止め20で制御要素10を支持するために、孔23を通してボルト81を挿入する。
【0109】
突起19を除いて、制御要素10は、締結アーム21、22の内部で完全に軸方向に位置する。換言すれば、制御要素10は、遊底止め20の中に一体化される。
【0110】
第2の締結アーム22は、2つの停止部24、25を有する。両方の停止部24、25は、制御要素10上の突起19を圧迫させることができる軸受面を備える。停止部24、25は、材料を除去することにより形成され、材料除去により第2の回転軸Bを中心とするC字形曲線が形成される。それに応じて、第2の締結アームと厚さが実質的に同じである突起は、第2の回転軸Bを中心とする湾曲した軌道に沿って動き、停止部24、25の間で自由に回転できる。
【0111】
停止部24、25の領域内の遊底止め20の端部は、制御要素側の締結アームまたは遊底止めの端部とも呼ばれる。
【0112】
制御要素10が第1の方向91に一定角度まで回転する場合、突起19は、軸受面19aで停止部24の軸受面に打ち当たる。制御要素10が他方の方向92に一定角度まで回転する場合、突起19は、停止部25に軸受面19bを打ち当てる。
【0113】
この好ましい実施形態によれば、回転の範囲は約160°である。これは、制御要素10、したがって制御部位11が、一方の停止部24から他方の停止部25まで160°回転または枢動でき、かつ戻ることができることを意味する。同様に、他の角度範囲が考えられる。
【0114】
遊底止めはまた、2つの停止アーム部位26、27に分割される停止アームを備える。
【0115】
停止アーム部位26、27は、第1の回転軸Aから締結アーム21、22と実質的に反対方向に伸展する。停止アーム部位26、27は、ボルトキャリア30内の対応する留め具内で所定の位置でスナップ嵌合する。停止アーム部位26、27の各々は、このための対応する停止面26a、27aを有する。停止アーム部位26、27は、互いに平行であり、それらの端部でウェブ28により互いに接続され、これにより、構造の強度が増す。
【0116】
ウェブは、ボルトキャリアの制御曲線と接触するようになることなくボルトキャリアの制御曲線を通過できるように置かれる。停止アーム部位26、27の端部の下部領域内にウェブ28が位置することを容易に理解できる。停止アーム部位26、27およびウェブの横断面は、直立のU字形を形成する。2つの停止アーム部位の間の距離は、制御曲線の幅よりも大きい。
【0117】
換言すれば、長手方向に伸展する停止アーム部位26、27の間に空間またはギャップ29が存在し、その結果、制御曲線は、遊底が戻る間に空間29の中に伸展する、または空間の29に入ることができる。
【0118】
停止面26a、27aの領域内の遊底止め20の端部は、停止アーム側で停止アーム部位または遊底止めの端部とも呼ばれる。
【0119】
遊底止め20はまた、ボルト82が挿入される、第1の回転軸Aに同軸の孔を有する。遊底止めは、ボルトによって把持部もしくは尾筒、または把持部もしくは尾筒に接続された部分などの非回転構成要素に付着し、その結果、第1の回転軸Aを中心にして回転できる。
【0120】
制御要素10が回転軸Bを中心にして制御されない手法で回転しないことを確実にするために、第1の回転軸Aの周りに巻かれたねじりばね8が存在し、ねじりばね8の脚部は、制御要素内の環状ギャップ14内に制御要素10の中央部18を少なくとも部分的に取り囲む。力を効果的に伝えるために、中央部は、脚部が圧迫するようになる2つの直線状軸受面を有する。図2の中央位置に制御要素10を示し、制御要素10は、ばね8により中央位置で保持される。中央部18は、三角形の輪郭で終わることが長手方向の断面で見え、図2の右側の画像で容易に理解できるように、先端は、第1の回転軸Aと反対の方向を向く回転軸Bの側にある。
【0121】
図2の右側の画像では、遊底止め20は、連続発射要素40上の対応する爪を受け入れるために、第1の回転軸Aに対向する、ボルトキャリア30と反対の方向を向く停止アーム部位26の側にフックまたは爪26bを有することを容易に理解できる。
【0122】
図3は、他の図、断面、および斜視図で図2に示す遊底止め20内で支持される制御要素10を示す。
【0123】
制御要素は、左欄で中央位置にある。これは、図2に示し、図2を参照して説明する位置に対応する。左欄は、上から下へ概略的側面図および側面の断面で遊底止め20を示す。中央位置は、垂直位置とも呼ばれる。
【0124】
中欄では、制御要素10または第1の制御部位11は、できるだけ背部にあり、すなわち、方向91に回転させられる。突起19は、停止面19aで、遊底止め20上の停止部24と接触するようになる。
【0125】
制御要素10または第1の制御部位11は、右欄で前部にあり、すなわち、方向92に回転する。この位置で、突起19は、停止面19bで遊底止め20上の停止部25と接触するようになる。右欄はまた、ねじりばねの脚部が圧迫できるクロスウェブ26cを示す。
【0126】
中欄および右欄は、上から下へ概略的側面図、側面の断面、および斜視図で遊底止めを示す。
【0127】
図3はまた、側面図で好ましい実施形態の中央部を示す。
【0128】
この側面図で容易に理解できるように、中央部18は好ましくは、部分的に隅に丸みがある六角形の横断面を有する。実質的に平行な両側は、図2を参照して言及される軸受面を形成する。下部面は、上部面よりも長い。輪郭は、図2を参照して記述するように、三角形の輪郭の左側で終わり、輪郭の先端(三角形の前方先端)は、第1の回転軸Aと反対の方向を向く回転軸Bの側にある。換言すれば、六角形の輪郭の上側および下側の対応する左手端部は、約80°~90°の角度に広がる2つの側線を介して互いに接続される。右側では、六角形の輪郭は、隅に丸みがある三角形の輪郭で終わる。
【0129】
換言すれば、六角形の輪郭の上側および下側の対応する右側端部は、約135°の角度に広がる2つの側線を介して互いに接続される。丸みがある隅は、後部の三角形の隅とも呼ばれる。
【0130】
上側の右手端部と後部の三角形の先端を接続する側線は部分的に、下側の右側端部に後部の三角形の先端を接続する側よりも第2の回転軸Bまで明確に短い距離にある。
【0131】
第2の回転軸Bまたは第2の心棒は、明確に後部に変位し、すなわち、前面の三角形の先端と第2の回転軸Bの間の距離は、第2の回転軸Bと後部の三角形の先端の間の距離よりも明確に長い。
【0132】
中央部18のこの幾何形状は、制御要素10または第1の制御部位11が後部と前部の両方に偏位するのに影響を及ぼす。
【0133】
好ましい幾何形状、および第2の回転軸(B)の後部偏位は、対応する力導入点を画定し、またはねじりばね8との相互作用でてこの作用を画定し、その結果、前部に向けて偏位するときよりも後部に偏位するときのほうが小さなばねの力に打ち勝たなければならない。換言すれば、前方の位置にあるときのばねの戻し力は、後部位置にあるときよりも大きい。これは、発砲後、およびそれに関連して遊底が前部に向けて加速する後に制御要素10または第1の制御部位11が中央位置に迅速に回転して戻ることができるので有利である。これにより、詳細には遊底が戻るのを開始したときにボルトキャリア30が第1の制御部位11を確実に制御することができる。
【0134】
その結果、3つの断面図で、ねじりばね8が後部への偏位と前部に向けた偏位の両方で中央位置に対して回転することを容易に理解でき、ねじりばね8の回転は、後部に偏位する際よりも前方に偏位する際に大きく、その結果、上記で指定する、より大きな戻し力を生じさせる。
【0135】
図4は、斜視図から得られる概略図で本発明の好ましい実施形態のボルトキャリア30を示す。斜視図は、ボルトキャリアの下部面に照準を定める、すなわち、遊底止めに対向する側に向けて照準を定める。
【0136】
ボルトキャリア30は、下部面上に3つの留め具31、32、33を有し、3つの留め具31、32、33の各々は、それぞれ遊底止め20がボルトキャリア30を捕捉できるロック面31a、32a、および33aを有する。留め具31、32、33は、ボルトキャリア30の保持を容易にする三角形の輪郭を有する。ロック面31a、32a、33aは、遊底止め20上の接触面26a、27aに一致する。前部のロック面31aは、いわゆる主要なロック面である。
【0137】
留め具31、32、33は、2つの長手方向の溝34、35aにより2つの留め具部位に分割されることを容易に理解できる。後部の溝34は、ボルトキャリア30の後部から後部突起38の後端部まで伸展し、いずれの場合にも中央留め具32および後部留め具33を2つの留め具部位に分割し、その結果、いずれの場合にも左手の停止アーム部位および右手の停止アーム部位が形成される。溝35aは、前部留め具31を2つの留め具部位に分割し、その結果、この場合も同様に左手の停止アーム部位および右手の停止アーム部位が形成される。
【0138】
さらにまた、前部突起36と中央突起37の間に溝35bが存在する。溝35aおよび35bは、いわゆる二重溝とも呼ばれる。
【0139】
さらにまた、別の溝35cは、前部突起36の前端部で始まり、その後すぐにボルトキャリア30の前部側で終わる。
【0140】
溝34、35a、35b、および35cの幅は、第1のアーム15の幅と少なくとも同じ広さであり、その結果、第1のアーム15は、それに応じて制御されたときに溝34、35a、35b、35cの中に少なくとも一部は伸展できる。
【0141】
ボルトキャリア30はまた、下部面上で制御要素10を制御するための、前述の制御曲線を有する。制御曲線は、長手方向の軸の半径方向に伸展する3つの突起36、37、38により形成される。突起36、37、38は、長方形の横断面を有し、それぞれの長さsは、それぞれの対応する幅wよりも大きい。幅wに対する長さsの比は、この好ましい実施形態では4:1よりも大きい。突起36、37、38の幅wに対するボルトキャリア30の幅の比は、約8:1である。3つの突起36、37、38はまた、直線状に配列される。
【0142】
それぞれの突起36、37、38は、二重溝35a、35bにより軸方向に中断され、長い溝の中の後部で、かつ短い溝35cの中の前部で終わることもまた容易に理解できる。
【0143】
後部のロック面33aと後部二重溝35aの間の距離、中央のロック面32aと前部二重溝35bの間の距離、ならびに前部のロック面、すなわち主停止面31aと短い溝35cの間の距離は同じであり、制御要素が垂直であるとき、第1のアーム15の後縁部、すなわち制御部位11の第1の接触面11aと遊底止め20上の停止面26a、27aの間の最大距離に対応する。突起36、37、38は、遊底止めの後方部分に接触することなく、またはボルトキャリア30の動きを妨げることなく、遊底が戻る間に停止アーム26、27により画定される空間29を通して摺動できる。
【0144】
前部突起36および中央突起37は、第1の留め具31の前に位置し、後部突起38は、前部留め具31と中央留め具32の間に位置する。
【0145】
突起36、37、38の前端部(溝35c、35b、および35aの後端部)と対応するロック面31a、32a、33aの間の最大距離は、制御要素が垂直であるとき、機能的に第1のアーム15、詳細には第1の接触面11aと遊底止め20上の停止面26a、27aの間の距離以下である。
【0146】
その結果、遊底止め20の後部部分は、第1のねじりばね(図10、時間t2を参照のこと)により上方に押すことができ、遊底止め20の後部部分は、遊底止め20の保持位置に位置する遊底止め20のばね装填後部部分が留め具33、32、31と接触するようになり、かつ留め具33、32、31を越えて進むとすぐに、第2の要素6から第3の制御部位12を解放し(図10、時間t2を参照のこと)、かつ(引金が作動した場合)引金50の制御面55aから第2の制御部位13を解放した後に、ボルトキャリア30が手動で後ろに摺動するとき、遊底止め20の停止面26a、27a内の所定の位置に連続してロックできる。
【0147】
遊底が中間位置にあるとき(たとえば、遊底の前方の動きが乱された場合)に遊底止め20の保持機能をさらにまた確実にするために、制御曲線を形成する突起38、37、36は、溝35a、35b、および35cにより中断される。第1のアーム15は、これらの溝に垂直方向に(緩和して)入ることができ、次いで遊底が手動で戻るときに再度背部に動く。その結果、第3の制御部位12および第2の制御部位13は、第2の要素6から、または(引金が作動したとき)引金50上の制御面55aから解放可能になり、その結果、遊底止め20の後部部分は、遊底止め20の保持位置で、ばね装填手法で再度解放される。
【0148】
図5は、斜視図から得られる概略図で、引金組立体で連続発射要素40をどのようにして使用できるかを示す。連続発射要素40は、第3の回転軸C、および第3の回転軸Cに対して半径方向に伸展する3つのアーム41、42、43を有する。
【0149】
第1のアーム41は、実質的に長方形の横断面を有し、半径方向の端部で半円の形状で終わる。第1のアーム41は、図6を参照して例によって記述するように、引金50上の制御面と接触するようになる。
【0150】
第2のアーム42は、実質的に三角形の横断面を有する。軸方向に第1のアーム41と第3のアーム43の間に位置する第2のアーム42は、所定の位置に保持できる、または安全装置により解放できる。連続発射要素40が方向95に回転するのを防止するために、すなわち、安全装置と係合するために、逆鉤外しを第2のアーム42の第1の隅44と機械的に接触させることができる。第2のアーム42は、遊底止め20上のフックまたは爪26bと係合する、第3の回転軸Cの軸方向に伸展する突起46を第2の隅45に有する。突起46は、第3のアーム43に向けて軸方向に伸展する。突起46は、同様に爪と呼ぶことができる。
【0151】
第3のアーム43は、実質的に長方形の横断面を有し、半径方向の端部で半円の形状で終わる。第3のアーム43は詳細には、連続発射要素に対して方向95に一定のトルクを得るために、ねじりばねの力を受けることが意図される。そのようなねじりばねを図7で参照記号4により示す。ばねの力と反対の方向を矢印96により示す。
【0152】
図6は、斜視図から得られる概略図で、引金組立体で使用できる引金50を示す。
【0153】
引金50は、第4の回転軸Dを中心にして枢動できる本体51を有し、厚さyおよびそれ自体が公知の形状を有する。引金50は、ねじりばねの脚部のために後部面上に軸受面52を有する作動要素57を有する。そのようなねじりばねを図7に示し、参照記号3により示す。ねじりばねは、公知の手法で前方に、すなわち方向97に引金50押す。後方に向けた引金の湾曲は、方向98に第4の回転軸Dを中心とする回転を生じさせる。作動要素57は、引金が作動したときに引金の回転を制限するために、前部面で把持部の筐体内の要素を圧迫させることができる。そのような要素を図8に例によって示し、第5の要素9aとしてそこに示す。
【0154】
引金はまた、作動要素57の動きを防止するために、逆鉤外しによって所定の位置に保つことができる第1の部位53を有する。第1の部位は、端部53aに向けて先細になる、細長く湾曲したレバーまたはアームを形成する。先細端部53aは、詳細には停止部または突起61との衝突を防止するのに適している。
【0155】
先細端部53aはまた、逆鉤外し上の爪の形をとる突起61により保持できるように設計できる。そのような逆鉤外しを図7に示し、参照記号60で図7に示す。
【0156】
引金50はまた、次に制御要素10を直接に制御するために、かつその結果遊底止め20を間接的に制御するために使用する第2の部位54を有する。さらに、連続発射要素40の回転は、第2の部位54によって妨害し、可能にできる。
【0157】
第1の部位53および第2の部位54は、本体51内の材料を除去することにより形成され、同様に厚さyを示す。
【0158】
第2の部位54は、制御要素10を制御するために、本体51よりも大きな厚さzを伴う、軸方向に伸展する突起55を備える。突起55はまた、上部面上に、すなわち、制御要素10に対向する側に制御面55aおよび制御縁部55bを有する。制御面55aは、制御部位13を、詳細には制御要素上の突起13aを誘導または制御することが意図される。
【0159】
非回転構成要素で、たとえば把持部の筐体で引金50を回転可能に支持するためにピン、棒、またはボルトを挿入できる、第4の回転軸Dに同軸な孔56が存在する。このピン、棒、またはボルトは、好ましくは火器の左側および右側で把持部の壁に締結され、その結果、引金は、所定の位置に安全に把持され、その結果、よりよく誘導できる。
【0160】
図7は、横断面の概略図で機関銃などのより詳細に示されていない自動火器用引金組立体70を本発明の好ましい実施形態で示す。
【0161】
この代表的実施形態によれば、引金組立体70は、図1に示す制御要素10、図2に示す遊底止め20、図5に示す連続発射要素40、および図6に示す引金50を備え、その結果、これらの図を参照して上記の説明を参照できる。引金組立体70はまた、逆鉤外し60の形をとる安全装置を備える。さらにまた、ねじりばね2、3、4、8および4つの要素、すなわち筐体に固定された停止部5、6、7、9が存在する。引金組立体70に加えてさらにまた、引金組立体70と係合する、図4に示すボルトキャリア30を示す。
【0162】
引金50は、非作動位置と作動位置の間で公知の手法で動くことができる。遊底止め20の停止アーム部位26、27は、ボルトキャリア30上の、主留め具である前部留め具31内で所定の位置にロックされ、その結果、ボルトキャリア30は、遊底止め20により所定の位置に把持される。制御要素10は、第2の回転軸Bを中心にして回転でき、かつ引金50により下から、遊底止め20により上から制御できるように、遊底止め20で支持される。制御要素10は、遊底止め20上で回転可能に支持されるので、遊底止め20が動くときに遊底止めのための第1の回転軸Aを中心にしてさらにまた回転できる。
【0163】
そのような制御要素10は、遊底が前方に動くときに遊底止め20を下方に把持し、遊底が引金50上の制御面55aおよび把持部筐体上の要素6と相互作用することにより戻るときに遊底止め20を解放する。
【0164】
連続発射モードでは、遊底止め20は、発射している間、連続発射要素40により下方に把持される。
引金組立体70の他の構成について:
【0165】
第1のねじりばね2の第1の脚部は、第1の要素5に対して支えになり、第2の脚部を用いて遊底止め20を押す。第1のねじりばね2の第2の脚部は、この実施形態では、第1の停止アーム部位26および第2の停止アーム部位27が始まる所でフック26b上のクロスウェブ26cにより形成される、遊底止め20上の軸受面を圧迫する(図3の右下を参照のこと)。いわゆる「遊底止めのためのねじりばね」は、方向94にトルクを生じさせる。換言すれば、遊底止め20は、ねじりばね2により上方に押されて保持位置の中に入る。第1のねじりばね2は、第3の要素7の周りに巻かれる。
【0166】
第2のねじりばね3の第1の脚部は、第2の要素6に対して支えになり、第2の脚部と共に引金50を押す。第2の脚部は、引金50の軸受面52を圧迫する(図6を参照のこと)。いわゆる「引金のためのねじりばね」は、方向97にトルクを生じさせる。換言すれば、第2のねじりばね3のばねの力は、引金50の動きを打ち消す。非作動位置で引金を保持するために、すなわち、ねじりばね3のばねの力に対抗して作用するトルクを発生させるために、作動要素57の上端部に位置する、筐体上で所定の位置に固定された要素9が存在し、引金50は、要素9に対して支えられる。第2のねじりばね3は、同様に第3の要素7の周りに巻かれる。
【0167】
第3のねじりばね4の第1の脚部は、要素5に対して支えになり、第2の脚部と共に連続発射要素40を押しつける。第2の脚部は、連続発射要素40上で第3のアーム43により形成された軸受面を圧迫し、詳細にはその結果、その第2の脚部は、軸方向に第3のアームを取り囲む。いわゆる「連続発射要素のためのねじりばね」は、第3の回転軸Cの周りに、詳細には連続発射要素40のスリーブに似た部分の周りに巻かれ、方向95にトルクを生じさせる。
【0168】
第1のねじりばね2(遊底止めのためのねじりばね)の力は、第2のねじりばね3(引金のためのねじりばね)の力よりも大きく、第2のねじりばね3の力は、第3のねじりばね4(連続発射要素のためのねじりばね)の力よりも大きい。
【0169】
第4のねじりばね8は、第1の回転軸の周りに巻かれ、中央位置に制御要素10を把持する。制御要素10は、第4のねじりばね8の力と反対方向に、第2の回転軸Bを中心にして両方向91、92に枢動できる。
【0170】
引金50は、突起55上に形成された制御面55aを用いて作動した後に第2の制御部位13または制御要素10上の半径方向の突起13aと接触するようになる。突起55は、引金を引かないときに連続発射要素40が回転軸Cを中心にして回転するのを防止する。引金50が作動した場合、作動要素57上の軸受面52は、後部に向けて引金50が動くのを制限するために、図8に示す、筐体上の所定の位置に固定された第5の要素9aを圧迫する。
【0171】
ボルトキャリア30上の制御曲線は、ボルトキャリア30が前方に摺動するときに第4のねじりばね8の力と反対方向に、方向92に、ボルトキャリア30が後ろに摺動するときに第4のねじりばね8の力と反対方向に、方向91に第1の制御部位11を偏位させることができる。
【0172】
発射選択レバーと組み合わせられた、軸Eを中心に枢動できる逆鉤外し60は、所定の位置に引金50を把持する。逆鉤外し60はまた、設定「単発」および「全自動発射」を仮定できる。「単発」設定では、逆鉤外し60は、引金50が動くことができるようにし、さらにまた所定の位置に連続発射要素40の第2のアーム42を把持する。「全自動発射」設定では、逆鉤外し60は、引金50だけではなく連続発射要素40も解放する。火器の状態は、図7に示すように、装填され、安全になる。
【0173】
図7に示す(安全になった)第1の設定から始まり、逆鉤外し60を方向99に回転させて第2の設定(単発)にできる。この設定から、逆鉤外し60を方向99に回転させて逆鉤外し60の第3の設定(連続発射)にできる。方向99と反対方向に逆鉤外しを回転させて第3の設定から第2の設定に戻し、そこから第1の設定に戻すことができる。
【0174】
図8は、他の図、断面、および斜視図で逆鉤外しの形をとる安全装置60と相互作用する、図6に示す引金50を示す。図6では引金を左側から示すが、図8では、引金50および逆鉤外し60を右側から示す。
【0175】
逆鉤外し60は、3つの設定を仮定でき、第1の設定または第1の位置を図8の左欄に示す。この設定では、逆鉤外し60は、引金50の第1の部位53の背後にあり、引金50が完全に作動するのを機械的に防止する。逆鉤外し60は、この場合「安全装置オン」の設定にある。
【0176】
第2の設定を図8の中欄に示す。逆鉤外し60は「単発」のための設定にある。逆鉤外し60は、引金50を解放し、同時に連続発射要素40(図示せず)をその位置に把持する。逆鉤外し60上の停止部61が引金50の先細アーム53aをどのように解放するかを容易に理解できる。引金50は、方向100に完全に作動し、作動要素57の後部面を用いて筐体上の所定の位置に固定された要素9aを圧迫する。要素9aは、引金50が方向100に、後部にさらに動くのを防止する。
【0177】
第3の設定を図8の右欄に示す。逆鉤外し60は、設定「連続発射」にある。逆鉤外し60は、引金50だけではなく連続発射要素40(図示せず)も解放する。引金50は、方向100に完全に作動し、作動要素57の後部面は、筐体上の所定の位置に固定された要素9aを圧迫する。
【0178】
ピンの形をとる第6の要素9bを3つの図解すべてで見ることができ、これらの図に関して、引金50は、回転軸Dを中心にして枢動できる。要素9bはまた、心棒と呼ぶこともできる。
【0179】
図9は(左から)概略図および斜視図で、図7に示す引金組立体70の一部を、具体的には制御要素10、遊底止め20、連続発射要素40、引金50、および逆鉤外し60を示す。
【0180】
逆鉤外しまたは発射選択レバー60は、両方の欄で設定「全自動発射」にある。引金50は、左欄では非作動設定にあり、所定の位置に連続発射要素40を把持する。容易に理解できるように、制御要素10は、中央位置にある。引金50は解放され、要素9でしっかり押さえられる。
【0181】
右欄は、作動位置で引金50を示す。連続発射要素40は、ねじりばね4のばねの力に起因して回転軸Cを中心にして時計回りの方向(方向95)に回転する。連続発射要素40上の爪46および遊底止め20上のフック26bは、次いで互いに係合する。遊底止め20は、引金50が解放されるまで「下方に」把持される。引金50を開放後、引金50は、連続発射要素40を戻して開始位置に持って行く。
【0182】
引金50が作動している間、制御要素10は、ボルトキャリア30により前後に動く。図9の右側のスナップショットでは、制御要素10は、前方に動いてしまっている、すなわち、方向92に回転してしまっている。
【0183】
さらにまた、右欄では、3つの要素7、9、および9bの軸は間隔を置いて離して垂直に配置されることを容易に理解できる。したがって、要素7の軸と要素9の軸の間に距離nがあり、要素9の軸と要素9bの軸間に距離mがある。
【0184】
個々の組立体の動的相互作用について、図10図17cを参照して、詳細には「安全な状態での装填」(図10a、図10b)、「単発」(図11a~図11d)、「遊底が前方に動く際の破裂」(図16a、図16b)、および「全自動発射」(図17aから図17c)という機能を参照して、以下でより詳細に記述する。
【0185】
図10a、図10bは、時間t1、t2、t3、およびt4の4つの連続する時点を参照して、安全な状態にある火器または図7に示す引金組立体70に関する装填シーケンスを示す。
【0186】
時間t1:逆鉤外し60は、第1の位置にあり、すなわち、引金50を安全にし、その結果、安全装置はオンである。制御要素10は、中央位置にあり、ボルトキャリア30と接触していない。第3の制御部位12は、筐体上の所定の位置に固定された第2の要素6から解放される。遊底止め20は、制御要素10上の第2の制御部位13および第3の制御部位12が第4の回転軸Dの上部面上になるまで第1のねじりばね2により反時計回りの方向94に回転する。遊底止め20上の停止面26aおよび27aは、この場合「捕獲位置」にある。遊底またはボルトキャリア30は手で後方に、方向100に動く。
【0187】
時間t2:ボルトキャリア30が後方に動く間、留め具33は、遊底止め20上の停止アーム部位26、27と接触するようになり、遊底止め20を下方に、すなわちねじりばね2の力に対して反対方向に、方向93に押す。
【0188】
留め具33を用いて遊底止め20の後端部を下方に押すことにより、遊底止め20の前端部は、制御要素10によりしばらくの間、すなわち一時的に持ち上げられる。留め具33、32、31の結果として制御要素10により一時的に持ち上げる間、制御曲線38、37、36は、制御要素10を連続的に越えて進み、毎回、制御要素10を後方に押し、しかしながらこれは、制御要素10は、第2の制御部位13を用いて引金50上の制御面55aを圧迫することも、制御部位12を用いて第2の要素6を圧迫することもないので、すなわち、制御部位11は、回転軸Bを中心にして方向91に反復して回転するので、この場合は遊底止め20に影響をまったく及ぼさない。
【0189】
時間t3:ボルトキャリア30が後方に動き続ける間、遊底止め20は、後部留め具33に引っかかる。遊底がさらに後ろに動く場合、遊底止め20は、同じ手法で中央留め具32に、次いで前方留め具31に引っかかる。
【0190】
突起38は、制御要素10を越えてもはや進まず、かつ第1の制御部位11を用いて後部溝35aの中に入るとすぐに、第4のねじりばね8により第2の方向92に動いて開始位置に戻る。
【0191】
制御要素10上の第1の制御部位11のこの枢動する動き(すなわち、制御要素の偏位、およびばねにより中央位置まで制御要素を押し戻すこと)は中央突起37、前部溝35b、前部突起36、およびボルトキャリア30の前側上の溝35cにより制御部位11を越えて進むときに遊底が手動で戻る間に繰り返される。
【0192】
時間t4:ボルトキャリア30は、そのとき前部留め具31の中の所定の位置にロックされる。遊底止め20は、この位置にボルトキャリア30を把持する。制御要素10は、中央位置にある。容易に理解できるように、制御要素10は、中央位置にある。火器は装填され、安全になる。
【0193】
図11a、図11b、図11c、および図11dは、時間t4、t5、t6、t7、t8、t9、t10、t11、およびt12の9の連続する時点に基づき火器の単発シーケンスまたは図7に示す引金組立体70を示す。
【0194】
時間t4:武器は装填され、安全になる。
【0195】
時間t5:逆鉤外し60は、引金50を解放して所定の位置に連続発射要素40を把持する第2の設定に、すなわち単発位置にある。引金50は、方向100に作動し、上方に、矢印の方向に制御要素10を押し、その結果、遊底止め20の停止アーム部位26、27は、方向93に回転し、下方に、矢印の方向に動く。
【0196】
時間t6:引金50は、完全に作動する。遊底止め20は、保持位置から外に動いて待機位置に入り、次いで待機位置でボルトキャリア30を解放する。ボルトキャリア30は、閉鎖ばねの力の結果として前方に、方向101に加速する。
【0197】
時間t7:制御部位11は、前部突起36により前部に向けて動く(動き92)。制御要素10は、引金50上の制御面55aを越えて摺動し、一方、突起13aおよび自身の第2の制御要素13を用いて押され、偏心の第3の制御要素12を用いて自身の突起12bまで動き、筐体上の所定の位置に固定された要素6を越えて動く。
【0198】
制御要素10上の突起19は、制御要素10の停止面19bを用いて遊底止め20上の停止部25を圧迫する。
【0199】
制御部位12の突起12bに至るまで制御部位12が偏心設計であるので、てこの作用の効果は増大し、遊底止め20の停止面26aおよび27aは、下方にさらに押され、ボルトキャリア30上の停止面31a、32a、33aから第3の方向93に待機位置に向けて離れる。
【0200】
時間t8:ボルトキャリア30は、最前部の位置にある。制御レバー10は、遊底止め20内のねじりばね8により中央位置の中に押し込まれる。制御レバー10は、この時点で要素6だけではなく作動した引金50上の制御面55aに対しても支えになる。したがって、軸Dと制御部位12、13の間に間隔が存在する。
【0201】
遊底ができるだけ遠く前方に動き、弾薬筒を装填し、発射した後、ボルトキャリア30は、次の時点時間t9を参照して示すように、発射された弾薬筒からガス圧により戻される。
【0202】
時間t9:弾薬筒は発射され、遊底またはボルトキャリア30は、発射された弾薬筒からのガス圧に起因して方向100に戻る。第1の制御部位11上の接触面11bは、後部突起38により後ろに動く(回転91)。第2の制御部位13、詳細には制御要素10上の突起13aは、引金50上の制御縁部55bを越えて摺動し、下方に「落ちる」。遊底止め20は、上方に、保持位置に向けて回転する。
【0203】
時間t10:ボルトキャリア30は、後端停止部に向けて方向100に動き、閉鎖ばねの力により前方に、方向101に再度押される。遊底止め20は、保持位置にある。
【0204】
遊底は、最後部の位置で向きを変え、前部留め具31内で遊底止め20により、時間t11で以下に示すように発射選択レバー60の単発設定に保持される。引金50が解放されて、発射選択レバー60が「安全装置オン」に設定された場合、空の弾薬筒供給装置の中に新しい保弾体を置くことができ、その結果、武器は、再度発射する準備ができる。
【0205】
引金50を引く間に遊底が戻る場合、突起36、37、38は、制御レバーの第1のアーム15を後ろに動かし、その時点で制御レバーの第2の制御部位13は、突起13aを用いて、引いた引金50の制御面55aおよび制御縁部55bを越えて動き、制御レバー10は、遊底止め20の前部面を用いて下方に傾き、遊底止め20の後部部分は、上方に傾き、その時点で、遊底止め20を越えて進むボルトキャリア30は、遊底止め20が再度前方に動くときに前方主留め具31の中に保持され、引金50が再度作動したときに最初に再度解放できる。
【0206】
時間t11:遊底止め20は、ボルトキャリア30上の前方留め具31内の所定の位置でロックし、この位置でボルトキャリア30を把持する。
【0207】
時間t12:引金50は解放される。ねじりばね8は、制御要素10を後方に押して開始位置の中に、具体的には中央位置の中に入れる。武器はそのとき装填され、ロックされない。次いで単発発射を反復できる。
【0208】
図12は、時間t8での武器を拡大図で示す。この図は、詳細には軸Dと制御部位12または13の間の距離を示す。距離を文字kにより示す。制御レバー10は、この時点で要素6(図12で見ることはできない)と作動した引金50上の制御面55aの両方でしっかり押さえられる。
【0209】
図13および図14は、遊底が前方位置にある遊底止め20を示し、引金50は解放されている、すなわち作動していない。発射選択レバー60は図13では設定「単発」にあり、図14では安全になっている。制御レバー10は、図13図14の両方で、第2の制御部位13および/または第3の制御部位12を用いて引金50のための軸Dまたは9bに対して支えになる。遊底は、次いで手動で戻され、その後解放される。
【0210】
図15は、前方に動くときに保持された遊底の遊底止め20を示し、引金50は解放され、逆鉤外し60はオンである。
【0211】
停止部に到達するまで遊底止め20がボルトキャリア30の下部面上の留め具31、32、33内で停止面26a、27aと完全に係合できるために、制御レバー10は、ロックする位置に遊底止め20があるときに第2の制御部位13および第3の制御部位12を用いて引金50のための軸Dを図13図14で圧迫するほどには圧迫しない。停止アーム部位27が、停止面27aの上方を向く面を用いて完全にボルトキャリア30の下部面を、かつ停止面27aの後方を向く面を用いて完全に停止部または留め具31を、どのようにして圧迫するかを理解できる。
【0212】
換言すれば、遊底止め20は、ボルトキャリア30に対して支えになり、ボルトキャリア30上の留め具31内で完全に面接触することを確実にする。軸Dと制御部位12、13の間の距離を文字kにより示す。図15での距離kは、図12での距離kよりも短い。
【0213】
図16aおよび図16bは、図7に示す武器上の遊底、または引金組立体70が前方に動く際の破裂のシーケンスを時間t13、t14、t15、t16、およびt17の5つの連続する時点で示す。
【0214】
時間t13:引金50は作動する(方向100)。遊底は、破裂に、詳細には装填破裂に起因して前方に動くのを止める。
【0215】
時間t14:引金は、破裂に起因して解放され(次いで方向101に動き)、遊底は、手で戻される、すなわち後方に摺動する。遊底またはボルトキャリア30が後ろ100に動くとき、制御部位11は、第4のねじりばね8のばねの力に起因して前部留め具31を2つの留め具部位に分離する、中間にある空間または第2の溝35aの中に伸展する。
【0216】
武器はまた、分裂を補正するためのこの手順の間に安全にすることができ、安全になった状態で他の動作すべてを行うことができる。
【0217】
時間t15:制御曲線上の中央突起37は、第1の制御部位11上の第2の接触面11bを制御し、時計回りの方向(方向91)に回転させる。方向91に制御部位11を回転させることにより、筐体上の所定の位置に固定された第2の要素6の上部面上にそれまであった、制御要素10上の第3の制御部位12は、次いでこの要素6から解放され、その時点で、第1のねじりばね2の張力を受ける遊底止め20は、制御要素端部で下方に沈むことができ、遊底止め20の停止アーム端部で上方に浮き上がることができる(第4の回転方向94)。
【0218】
引金50を引かないとき、遊底止め20の制御要素端部は、直接に下方に沈むことができ、遊底止め20の停止アーム端部は、この停止アーム端部がボルトキャリア30の下部面を圧迫するまで上方に浮き上がることができる。
【0219】
引金50を引いたとき、制御部位11は、遊底が後方に動き続けるとき、引金50の制御面55a上にある制御要素10の第2の制御部位13がその突起13aを用いて引金50の制御縁部55bを越えて摺動するまで回転し、作動した引金50から解放され、その後、遊底止め20は、引金50を引かないときの位置と同じ位置を仮定できる。
【0220】
時間t16:制御部位11は、要素6を圧迫する、制御要素10上の第3の制御部位12が要素6を越えて下方に摺動するまで、中央突起37から離れて後部に向けて動く。その結果、遊底止め20は、さらに上方に動き、ボルトキャリア30は、後方に動く間に3つの留め具31、32、33の各々の中の所定の位置でロックできる。
【0221】
時間t17:ボルトキャリア30は、開始位置にある。武器は装填され、安全になっていない。
【0222】
図17a~図17cは、時間t18、t19、t20、t21、t22、t23、t24、t25、およびt26の9の連続する時点での自動火器または図7に示す引金組立体70のための全自動発射シーケンスを示す。
【0223】
時間t18:逆鉤外し60は、第3の設定に、すなわち連続発射位置にある。単発位置と異なり、連続発射要素40は、そのとき逆鉤外し60によりもはや妨害されない。引金50を前方に押す第2のねじりばね3のばねの力だけは、第3のねじりばね4のばねの力と反対方向に所定の位置に連続発射要素40を把持する。
【0224】
時間t19:引金50は作動し、制御要素10を上方に押す。この結果、遊底止めは下方に、すなわち方向93に回転する。連続発射要素40は、引金50が作動したときに第3のねじりばね4により時計回りに、すなわち方向95に回転する。
【0225】
時間t20:引金50は、完全に作動する。ボルトキャリア30は解放され、閉鎖ばねの力により前方に動く。
【0226】
時間t21:ボルトキャリア30上の前方突起36は、制御部位11と接触するようになり、前方に、すなわち方向92に制御部位11を動かす。制御要素10の第3の制御部位12は、この時点で要素6を越えて進む。第3の制御部位12内の突起12bまでに至る部位12aは偏心設計であるので、遊底止め20は、アーム端部で下方(方向93)に動き、すなわち、遊底止め20は、停止アーム端部で下方にさらに沈む。連続発射要素40は、爪46を用いて遊底止め20上の爪26bの中に係合し、停止アーム端部で遊底止め20の待機位置に対応するこの下部位置に遊底止め20を保持する。
【0227】
時間t22:そのとき全自動発射設定が得られる。引金50は、作動している。遊底止め20は、連続発射要素40により待機位置に把持され、下部位置にある。ボルトキャリア30は、全自動発射モードで前後に自由に動く。制御部位11は、第1の制御曲線領域36、37、38により両方向91、92に前後に回転するが、このモードでは機能をまったく有せず、自由に旋回できる。
【0228】
時間t23:全自動発射機能は、停止している。引金50は解放される。ボルトキャリア30は、後端停止部に到達後、再度前方に動く。このスナップショットでは、引金50は、第1の留め具31を通過した後に解放される。引金50を解放することにより、連続発射要素40は、反時計回りの方向に、すなわち方向96に回転する。その結果、連続発射要素40上の爪46は、遊底止め20上の爪26bから離れて回転し、遊底止め20を解放する。
【0229】
時間t24:遊底は、最後に前方に動く。制御要素10上の制御部位11は、前方に、回転方向92(第2の回転方向)に動く。遊底止めは、停止アームで下方に、方向93に動く。
【0230】
時間t25:遊底は、最後に発砲した後に戻る。遊底は、戻りが弱すぎる場合、3つの留め具31、32、33の各々の中の所定の位置にロックできる。
【0231】
時間t26:そのとき時間t18のような開始時点が得られる。
【0232】
時間t24に関する注釈:遊底が戻る動きの間に引金50が解放される場合、遊底止め20は、前方に動く際の緩衝接触後に所定の位置にボルトキャリア30をロックし、さらに発砲されない。この場合、時間t23およびt24での機能シーケンスは、もはや発生せず、ボルトキャリアは、時間t26に示すように前方留め具31、すなわち主留め具内に保持されたままである。
【0233】
図18は、上気で記述する引金組立体70およびボルトキャリア30を伴う自動火器MG、すなわちモデルMG5を示す。MG5は、7.62×51mmの口径を有する間接的ガス動作リローダ(reloader)である。武器を側面図で示し、側面図では、本発明の構造的詳細の一部は、把持部Gにより隠されている。引金50のための作動要素57を見ることができる。安全装置または発射選択レバー60も見ることができる。安全装置または発射選択レバー60は、両手利きで動作させることができる。
【0234】
本発明に本質的ではないので、本発明の枠組みで自動式機関銃MG5の別の設計特徴を詳しく論じる必要はまったくない。本発明は、特有のタイプの自動火器に限定されず、むしろ数多くの異なる武器で使用できる。詳細には、上記で記述する引金組立体および上記で記述するボルトキャリアを既存の自動火器に後付けできる。
【0235】
以下の特許請求の範囲および添付図面から、当業者は本発明の別の実施形態を導出できる。
【符号の説明】
【0236】
2 第1のねじりばね
3 第2のねじりばね
4 第3のねじりばね
5 第1の要素、停止部
6 第2の要素、停止部
7 第3の要素、停止部
8 第4のねじりばね
9 第4の要素、停止部
9a 第5の要素
9b 第6の要素
10 制御要素、制御レバー
11 第1の制御部位、第1のアーム、レバーアーム
11a 第1の接触面
11b 第2の接触面
12 第3の制御部位
12a 偏心の、湾曲した半径方向の突起
12b 突起
13 第2の制御部位
13a 突起
14 環状ギャップ
15 第1のアーム
15a 段状部分
16 第2のアーム
17 孔
18 中央部
19 突起
19a、19b 接触面、停止面、軸受面
20 遊底止め
21 第1の締結アーム
22 第2の締結アーム
23 孔
24 第1の停止部
25 第2の停止部
26 第1の停止アーム部位
26a 停止面、接触面
26b フック、爪
26c クロスウェブ
27 第2の停止アーム部位
27a 停止面、接触面
28 接続、ウェブ
29 空間、ギャップ
30 ボルトキャリア
31 前部留め具
31a ロック面、停止面
32 中央留め具
32a ロック面、停止面
33 後部留め具
33a ロック面、停止面
34 溝
35a、35b、35c 溝
36 前部突起、制御曲線
37 中央突起、制御曲線
38 後部突起、制御曲線
40 連続発射要素
41 第1のアーム
42 第2のアーム
43 第3のアーム
44 第1の隅領域
45 第2の隅領域
46 突起、爪
50 引金
51 引金の本体/作動要素
52 軸受面
53 第1の部位
53a 先細アーム、先細端部
54 第2の部位
55 突起
55a 制御面
55b 制御縁部
56 孔
57 作動要素
60 安全装置、逆鉤外し、発射選択レバー
61 突起、爪、停止部
70 引金組立体
81 要素、ピン、棒、ボルト
82 要素、ピン、棒、ボルト
91~99 回転方向
91 第1の方向
92 第2の方向
93 第3の方向
94 第4の方向
95 第3のねじりばねの力の方向での連続発射要素の回転方向
96 第3のねじりばねの力の方向と反対方向での連続発射要素の回転方向
97 前部への引金の回転方向
98 後部への引金の回転方向
100 後部に向けた動き
101 前部に向けた動き
A 第1の回転軸(遊底止め20)
B 第2の回転方向(制御要素10)
C 第3の回転方向(連続発射要素40)
D 第4の回転方向(引金50)、心棒
E 第5の回転軸(安全装置/発射選択レバー60)
G 把持部、筐体
M 中央部
P 移行部
MG 自動火器、機関銃MG5
k 回転軸Dと制御部位12、13の間の距離
n 要素7と要素9の間の距離
m 要素9と要素9bの間の距離
s 制御曲線、突起36、37、38の長さ
w 制御曲線、突起36、37、38の幅
y 厚さ(引金50の本体)
z 厚さ(突起55)
α 角度
図1
図1a
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11a
図11b
図11c
図11d
図12
図13
図14
図15
図16a
図16b
図17a
図17b
図17c
図18
【外国語明細書】