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特開2022-126755能動的にスライス/スコアリングするためのカテーテル及び関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022126755
(43)【公開日】2022-08-30
(54)【発明の名称】能動的にスライス/スコアリングするためのカテーテル及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3207 20060101AFI20220823BHJP
【FI】
A61B17/3207
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022098725
(22)【出願日】2022-06-20
(62)【分割の表示】P 2020557180の分割
【原出願日】2018-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】1 Becton Drive Franklin Lakes NEW JERSEY 07417 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(74)【代理人】
【識別番号】100220065
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】キャシラロ,マット
(72)【発明者】
【氏名】ハファー,キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】バン・リエール,チャド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プラーク、病変(血管壁の一部を含み得る)又は他の閉塞を能動的にスライス/スコアリングするための退縮式カッタを備えたカテーテルを提供する。
【解決手段】病変を能動的にスコアリング又はスライスするためのカテーテル。カテーテル本体は、第1及び第2の横開口を含む。選択的に展開可能なカッタは、カテーテル本体に連結される。カッタは、血管構造を通して追跡する間など、スライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、閉塞をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有する。カッタは、複数の退縮式ブレードを含むことがあり、従って、展開時に各ブレードは、横開口のうちの1つなどから、異なった方向に突出する。関連する方法も開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病変を能動的にスコアリング又はスライスするためのカテーテルであって、
第1及び第2の横開口を有するカテーテル本体と、
前記カテーテル本体に連結されたカッタと、を含み、
前記カッタは、
前記カッタがスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、
前記第1の横開口から突出する第1のブレードと前記第2の横開口から突出する第2のブレードとを使用して、前記病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有する、カテーテル。
【請求項2】
請求項1に記載のカテーテルであって、
退縮構成から前記展開構成に動かすために、前記カッタを作動させるための作動器を更に含む、カテーテル。
【請求項3】
請求項2に記載のカテーテルであって、
前記作動器は、前記カテーテル本体の近位端部に延びるワイヤを含む、カテーテル。
【請求項4】
請求項3に記載のカテーテルであって、
前記ワイヤは、前記カッタに連結されたプッシュプルワイヤを含み、
前記プッシュプルワイヤは、前記カテーテル本体の第1の管腔内の第1のセグメントと、前記カテーテル本体の第2の管腔内の第2のセグメントと、を有する、カテーテル。
【請求項5】
請求項3に記載のカテーテルであって、
前記ワイヤは、前記カテーテル本体の近位端部でレバーに連結され、
前記レバーは、前記ワイヤを回転させるために円周方向に前後に旋回するように適合される、カテーテル。
【請求項6】
請求項5に記載のカテーテルであって、
前記ワイヤは、前記退縮構成から前記展開構成に前記カッタが動くのを引き起こすためのプッシャに連結される、カテーテル。
【請求項7】
請求項6に記載のカテーテルであって、
前記プッシャは、前記カッタの前記展開構成を形成するために前記第1及び第2のブレードを前進させるためのウェッジを含む、カテーテル。
【請求項8】
請求項6に記載のカテーテルであって、
前記ワイヤは、ねじによって前記プッシャに連結される、カテーテル。
【請求項9】
請求項2に記載のカテーテルであって、
前記カッタは、前記カテーテル本体に回転可能に連結されて前記作動器と関連付けられたハブを含み、
前記第1及び第2のブレードは、前記退縮構成から前記展開構成に前記カッタを動かす際に、旋回するために前記ハブに実装される、カテーテル。
【請求項10】
請求項9に記載のカテーテルであって、
前記カッタは、前記ハブに旋回可能に実装された第3のブレードを更に含む、カテーテル。
【請求項11】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記カッタは、第3のブレード及び第3の横開口を更に含み、
前記第1、第2、及び第3のブレードは、円周方向に約120度、離隔される、カテーテル。
【請求項12】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記カテーテル本体内に案内ワイヤ管腔を更に含む、カテーテル。
【請求項13】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記第1及び第2の横開口は、前記カテーテル本体を形成するためにシャフトに連結された外側ケーシングに形成された細長いスリットを含む、カテーテル。
【請求項14】
病変を能動的にスコアリング又はスライスするためのカテーテルであって、
カテーテル本体と、
前記カテーテル本体内に旋回可能に実装されたブレード本体と、を含み、
前記ブレード本体は、
前記ブレード本体がスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、
前記カテーテル本体から反対の方向に前記ブレード本体を外方に突出させることによって、前記病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有する、カテーテル。
【請求項15】
請求項14に記載のカテーテルであって、
前記カッタ本体に連結されたプッシュプルワイヤを更に含み、
前記プッシュプルワイヤは、前記カテーテル本体の第1の管腔内の第1のセグメントと、前記カテーテル本体の第2の管腔内の第2のセグメントと、を有する、カテーテル。
【請求項16】
病変を能動的にスライス又はスコアリングするためのカテーテルであって、
カテーテル本体と、
前記カテーテル本体に連結されたカッタであって、前記カッタは、前記カッタがスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、前記病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有し、前記展開構成では、前記カッタの第1のブレードは、第1の方向に突出し、前記カッタの第2のブレードは、第2の方向に突出する、カッタと、
前記カッタを作動させるための前記カテーテル本体内のプッシャと、を含む、カテーテル。
【請求項17】
請求項16に記載のカテーテルであって、
前記プッシャは、前記カテーテル本体の近位端部でアクセス可能なワイヤに連結されたねじと関連付けられたウェッジを含む、カテーテル。
【請求項18】
病変を能動的にスライス又はスコアリングするためのカテーテルであって、
第1、第2、及び第3の横開口を含むカテーテル本体と、
前記カテーテル本体に連結されたカッタと、を含み、
前記カッタは、
前記カッタがスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、
前記第1の横開口から突出する第1のブレードと前記第2の横開口から突出する第2のブレードと前記第3の横開口から突出する第3のブレードとを使用して、前記病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有する、カテーテル。
【請求項19】
請求項18に記載のカテーテルであって、
前記カッタは、前記カテーテル本体に回転可能に連結されたハブを含み、
前記第1、第2及び第3のブレードは、前記退縮構成から前記展開構成に前記カッタを
動かす際に、旋回するために前記ハブに実装される、カテーテル。
【請求項20】
請求項18に記載のカテーテルであって、
前記カッタを前記退縮構成に戻すときに、前記第1、第2、及び第3のブレードは、それぞれの横開口を介して引き戻される際に屈曲できるように横に柔軟である、カテーテル。
【請求項21】
請求項18に記載のカテーテルであって、
前記第1、第2、及び第3のブレードは、円周方向に約120度、離隔される、カテーテル。
【請求項22】
病変を能動的にスライス又はスコアリングするためのカテーテルであって、
第1、第2、及び第3の横開口を含むカテーテル本体と、
前記カテーテル本体に回転可能に連結されたハブを含むカッタと、を含み、
前記ハブは、前記ハブが前記カテーテル本体に対して回転されるときに、退縮構成から展開構成に動くために実装された少なくとも1つのブレードを含む、カテーテル。
【請求項23】
請求項22に記載のカテーテルであって、
前記カッタは、前記ハブを少なくとも部分的に被覆するためのケーシングを含み、
前記ケーシングは、前記展開構成で前記少なくとも1つのブレードを受容するための少なくとも1つの横スリットを含む、カテーテル。
【請求項24】
請求項23に記載のカテーテルであって、
前記ケーシングは、複数の横スリットを含み、
前記ハブは、複数のブレードを含み、前記複数のブレードの各々が前記展開構成で前記横スリットのうちの1つから突出するためである、カテーテル。
【請求項25】
請求項23に記載のカテーテルであって、
前記ハブが回転されるときに、前記少なくとも1つのブレードは、前記少なくとも1つの横スリットを通過するために屈曲できるように少なくとも部分的に柔軟である、カテーテル。
【請求項26】
病変を能動的にスコアリング又はスライスするためのカテーテルであって、
前記病変をスコアリング又はスライスするために少なくとも2つの方向に展開可能な退縮式カッタを含むカテーテル本体を含む、カテーテル。
【請求項27】
請求項26に記載のカテーテルであって、
前記少なくとも2つの方向は、反対の方向である、カテーテル。
【請求項28】
請求項26に記載のカテーテルであって、
前記退縮式カッタは、前記少なくとも2つの方向に突出するために単一のブレードを含む、カテーテル。
【請求項29】
請求項26に記載のカテーテルであって、
前記退縮式カッタは、2つのブレードを含み、各々が前記少なくとも2つの方向のうちの1つの方向に突出する、カテーテル。
【請求項30】
請求項26に記載のカテーテルであって、
前記退縮式カッタは、少なくとも3つの方向に展開可能である、カテーテル。
【請求項31】
請求項30に記載のカテーテルであって、
前記退縮式カッタは、3つのブレードを含み、各々が前記少なくとも3つの方向のうちの1つの方向に突出する、カテーテル。
【請求項32】
血管構造内の病変を能動的にスコアリング又はスライスする方法であって、
複数のブレードをカテーテル本体内部から展開構成に延長するステップと、
前記展開構成で前記複数のブレードを使用して、前記病変をスライス又はスコアリングするステップと、を含む方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法であって、
前記複数のブレードが前記延長ステップの前に前記病変を通過して退縮構成にある、カテーテル本体を縦方向に前進させるステップを更に含み、
前記スコアリングステップは、前記展開構成の前記ブレードと共に前記病変を通して前記カテーテル本体を引き寄せることを含む、方法。
【請求項34】
請求項32に記載の方法であって、
前記展開ステップは、遠隔作動器を使用して、前記カテーテル本体内で前記複数のブレードを含む単一の本体を回転させることを含む、方法。
【請求項35】
請求項32に記載の方法であって、
前記展開ステップは、遠隔作動器を使用して、前記カテーテル本体内で前記ブレードを係合させるためにプッシャを前進させることを含む、方法。
【請求項36】
請求項32に記載の方法であって、
前記展開ステップは、遠隔作動器を使用して、前記カテーテル本体内でハブを回転させることを含む、方法。
【請求項37】
請求項32に記載の方法であって、
前記延長ステップは、
前記スコアリングステップの前に第1の量で前記複数のブレードを延長することと、
第2の量で前記複数のブレードを延長することと、
前記スコアリングステップを繰り返すことと、を含む、方法。
【請求項38】
請求項32に記載の方法であって、
前記延長ステップは、前記複数のブレードの各々を前記カテーテル本体から異なった量で延長することを含む、方法。
【請求項39】
請求項32に記載の方法であって、
前記延長ステップは、前記複数のブレードを支持するための前記カテーテル本体の直径を変更することなく完了される、方法。
【請求項40】
請求項32に記載の方法であって、
前記複数のブレードが前記カテーテル本体の中への退縮中に前記複数のブレードが横に曲がるのを引き起こすステップを更に含む、方法。
【請求項41】
請求項32に記載の方法であって、
前記延長ステップ及びスライス/スコアリングステップは、前記病変の血管形成術後に完了される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、血管内処置を提供するためのデバイス、特に、血管構造の病変又は他の閉塞を能動的にスライス又はスコアリングするための1つ又は複数の退縮式カッタを備えたカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]バルーン拡張カテーテルは、血管形成術などによって、血管構造の病変を処置するために使用される。血管構造における様々な用途や場所での使用には成功しているが、幾つかの状況は、形状の変化に対する組織の固有の抵抗を指す「弾性収縮力」の可能性と、いったん変形するとその元の形状に戻る組織の傾向と、を考慮して、異なったアプローチを呼び求めている。更にまた、幾つかの用途、特に、「膝下」(BTK)のそれらは、非常に狭い血管や硬い石灰化を伴い、そのためバルーン血管形成術は禁忌となることがある。その上、処置の強化のための薬理学的薬剤の病変への適用は、事例によっては望ましいことがあり、治療効果は、能動的なスコアリングやスライスによって向上されることがある。
【0003】
[0003]複数のパスを行うことによるなど、病変の能動的なスコアリングに対する要望が存在する。これに関して、他者は、病変又はプラークに浅い分割線又は面を形成するためのバルーンを提案している(例えば、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第8,323,243号を参照のこと)。ここでも、バルーンの使用は、多くの用途について禁忌になり、複雑さを更に増加させ、様々な様式でカッティングを行うことを容易に可能にせず、その理由は、カッティング深さがバルーンの膨張状態に依存するからである。
【0004】
[0004]従って、膨張式バルーンの必要性を回避することによって、弾性反跳の問題に対処する、単純であるが効果的な病変の処置用のスライス又はスコアリングカテーテルを提供することが望ましい。そういったカテーテルは、特に硬い石灰化が存在する可能性がある膝下を含む、血管構造の手の届きにくい様々な場所で直ちに有用であり、サイズの制約は、公知の提案よりもより単純でより効果的なアプローチを要求する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]本発明の目的は、前述の制限、及びおそらく依然として発見されていない他のものに対処して克服する、プラーク、病変(血管壁の一部を含み得る)又は他の閉塞を能動的にスライス/スコアリングするための退縮式カッタを備えたカテーテルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]本開示の1つの態様によれば、病変を能動的にスコアリング又はスライスするためのカテーテルが提供される。カテーテルは、第1及び第2の横開口を有するカテーテル本体を含む。カッタは、カテーテル本体に連結され、カッタは、カッタがスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有する。展開構成では、第1のブレードは、第1の横開口から突出し、第2のブレードは、第2の横開口から突出し、斯くして、両側のスコアリング又はカッティングは、達成されることがある。
【0007】
[0007]退縮構成から展開構成に動かすために、カッタを作動させるための作動器は、設
けられることがある。作動器は、カテーテル本体の近位端部まで延びる手動操作式のワイヤを含むことがある。幾つかの実施形態では、ワイヤは、カッタに連結されたプッシュプルワイヤを含み、プッシュプルワイヤは、カテーテル本体の第1の管腔内の第1のセグメントと、カテーテル本体の第2の管腔内の第2のセグメントと、を有する。
【0008】
[0008]別の実施形態では、ワイヤは、カテーテル本体の近位端部でレバーに連結される。レバーは、ワイヤを回転させるために円周方向に前後に旋回するように適合される。遠位端部では、ワイヤは、展開構成にカッタ(退縮位置に付勢された対向ブレードを含む)が動くのを引き起こすためのプッシャに連結される。プッシャは、カッタの展開構成を形成するために第1及び第2のブレードを半径方向に前進させるためのウェッジを含む。ワイヤは、ねじによってプッシャに連結されることがあり、その目的は、ワイヤの回転運動をねじの、従って、プッシャの直線運動に移すことである。
【0009】
[0009]更に別の実施形態では、カッタは、カテーテル本体に回転可能に連結されて作動器と関連付けられたハブを含む。第1及び第2のブレードは、退縮構成から展開構成にカッタを動かす際に、旋回するためにハブに実装される。カッタは、ハブに旋回可能に実装された第3のブレードと、第3の横開口と、を更に含む。第1、第2、及び第3のブレードは、各々が円周方向に約120度、離隔されることがあり、斯くして、「トリラテラル」カッティング又はスコアリングカテーテルを作り出す。
【0010】
[0010]開示された実施形態のどれでも、案内ワイヤ管腔は、カテーテル本体内並びにカッタ内に設けられており、カテーテルが血管構造内の所望の処置場所又はエリアまで確実に追跡するのを可能にするためである。横開口は、カテーテル本体を形成するためにシャフトに連結された外側ケーシングに形成された細長いスリットを含むこともある。
【0011】
[0011]本開示の更なる態様は、病変をスコアリング又はスライスするためのカテーテルに関する。カテーテルは、第1及び第2の横開口を有するカテーテル本体と、カテーテル本体内に旋回可能に実装されたカッタ本体と、を含む。カッタ本体は、スライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、カッタ本体が、第1の横開口から第1の方向、第2の横開口から第2の方向に共に突出する、病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有する。プッシュプルワイヤなどの作動器は、カッタ本体に連結されることがあり、プッシュプルワイヤは、カテーテル本体の第1の管腔内の第1のセグメントと、カテーテル本体の第2の管腔内の第2のセグメントと、を有する。
【0012】
[0012]本開示の更に別の態様は、病変をスライス又はスコアリングするためのカテーテルに関する。カテーテルは、第1及び第2の横開口を有するカテーテル本体を含む。カテーテル本体に連結されたカッタは、それがスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を含む。展開構成では、カッタの第1のブレードは、第1の横開口から第1の方向に突出し、カッタの第2のブレードは、第2の横開口から第2の方向に突出する。プッシャは、カッタを作動させるためにカテーテル本体内に同じく具備される。1つの実施形態では、プッシャは、カテーテル本体の近位端部でアクセス可能なワイヤに連結されたねじと関連付けられたウェッジを含む。
【0013】
[0013]本開示の更に別の態様は、病変をスライス又はスコアリングするためのカテーテルに関する。カテーテルは、第1、第2、及び第3の横開口を含むカテーテル本体を含む。カテーテル本体に連結されたカッタは、カッタがスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、の間を動くために設けられる。展開構成では、カッタの第1のブレードは、第1の横開口から突出し、カッタの第2のブレードは、第2の横開口から突出し、カッタの第3のブレードは、第3の横開口から突出する。
【0014】
[0014]1つの実施形態では、カッタは、カテーテル本体に回転可能に連結されたハブを含み、ブレードは、退縮構成から展開構成にカッタを動かす際に、旋回するためにハブに実装される。カッタが退縮構成に戻るときに、第1、第2、及び第3のブレードは、それぞれの横開口を介して引き戻される際に曲がる又は屈曲できるように横に柔軟であることがある(側方に曲げることができる)。ブレードは、円周方向に約120度、離隔されることもある。
【0015】
[0015]更にまた、本開示は、病変を能動的にスコアリング又はスライスするためのカテーテルに関する。カテーテルは、病変をスコアリング又はスライスするために少なくとも2つの方向に展開可能な退縮式カッタを含むカテーテル本体を含む。少なくとも2つの方向は、反対の方向であることがあり、退縮式カッタは、少なくとも2つの方向に突出するためにブレードを含む単一の本体を含む。代替的に、退縮式カッタは、2つのブレードを含み、各々が少なくとも2つの方向のうちの1つの方向に突出する。退縮式カッタは、少なくとも3つの方向に展開可能であることがあり、また、3つのブレードを含むことがあり、各々が少なくとも3つの方向のうちの1つの方向に突出する。
【0016】
[0016]本開示は、血管構造内の病変を能動的にスコアリング又はスライスする方法にも関する。方法は、複数のブレードをカテーテル本体内部から展開構成に延長(又は伸長)することと、展開構成で複数のブレードを使用して、病変をスライス又はスコアリングすることと、を含む。方法は、カテーテル本体を縦方向に前進及び退縮させるステップを更に含むことがある(順行性の動きは、ブレードが退縮されたときにおそらく起きて、カテーテル本体は、次いでブレードが展開されたときに順行性病変を通して引かれて、能動的な様式で所望のスコアリング又はスライスを引き起こす)。
【0017】
[0017]展開ステップは、様々な方法で達成されることがある。1つでは、展開ステップは、遠隔作動器を使用して、カテーテル本体内で複数のブレードを含む単一の本体を回転させることを含む。展開ステップは、遠隔作動器を使用して、カテーテル本体内でブレードと係合させるためにプッシャを前進させることを含むことがある。展開ステップは、遠隔作動器を使用して、カテーテル本体内でハブを回転させることを含むことがある。
【0018】
[0018]1つの実施形態では、延長ステップは、スコアリングステップの前に第1の量で複数のブレードを延長することを含む。方法は、第2の量で複数のブレードを延長することを更に含む。いったんブレードが第2の量(第1の量より多いか又は少ないことがある)に延長されると、スコアリングステップは、繰り返される。
【0019】
[0019]延長ステップは、複数のブレードの各々をカテーテル本体から異なった量で延長することを含むことがある。延長は、複数のブレードを支持するカテーテル本体の直径を変更することなく完了されることがある。換言すると、作成されるスライス又はスコアの深さの変動は、カッタケーシングの直径に行われた調整とは無関係である。方法は、カテーテル本体の中への退縮中に複数のブレードが横に曲がるのを引き起こすステップを更に含むことがある。
【0020】
[0020]本開示に係る本発明の上記の及び更なる利点は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによってより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】[0021]本開示に係るスライス/スコアリングカテーテルの1つの実施形態の斜視図である。
図2】[0022]図1のカテーテルの分解図である。
図3】[0023]図1の線3-3に沿った断面図である。
図4】[0024]様々な動作状態を例証する、図1のカテーテルの側面図である。
図4A】[0024]様々な動作状態を例証する、図1のカテーテルの側面図である。
図4B】[0024]様々な動作状態を例証する、図1のカテーテルの側面図である。
図4C】[0024]様々な動作状態を例証する、図1のカテーテルの側面図である。
図4D】[0024]様々な動作状態を例証する、図1のカテーテルの斜視的切断図である。
図4E】[0024]様々な動作状態を例証する、図1のカテーテルの斜視的切断図である。
図4F】[0024]様々な動作状態を例証する、図1のカテーテルの斜視的切断図である。
図4G図1のカテーテルの斜視的切断図である。
図5】[0025]図5は、スライス/スコアリングカテーテルの第2の実施形態の斜視図である。図5Aは、スライス/スコアリングカテーテルの第2の実施形態の斜視図である。図5Bは、スライス/スコアリングカテーテルの第2の実施形態の斜視図である。
図6】[0026]図6は、退縮構成の図5のスライス/スコアリングカテーテルの遠位端部の部分切断側面図である。図6Aは、展開構成を反映する図である。
図7】[0027]図7は、展開構成の図5のスライス/スコアリングカテーテルの遠位端部の部分切断部分分解側面図である。
図7A図7Aは、展開構成を反映する図である。
図7C】[0028]ブレード保持のための代替の配置を示す切断斜視図である。
図7D】[0028]ブレード保持のための代替の配置を示す切断斜視図である。
図8】[0029]退縮構成及び展開構成の図5のカテーテルの切断斜視図である。
図9】[0030]退縮構成及び展開構成の図5のカテーテルのための作動器の切断側面図である。
図10】[0031]作動器の更なる詳細を例証する部分切断側面図である。
図11】[0032]作動器の更なる詳細を例証する部分切断側面図である。
図12】[0033]案内ワイヤ管腔を例証するための図5のカテーテルの近位端部及び遠位端部の斜視図である。
図13】[0034]退縮構成のスライス/スコアリングカテーテルの第3の実施形態の側面図である。
図14】[0035]展開構成の図13のスライス/スコアリングカテーテルの側面図である。
図15】[0036]図13のカテーテルの切刃部又はブレードの斜視的側面図である。
図16】[0037]図13のカテーテルのカッタの斜視図である。
図16A】[0038]カッタのブレードの相対間隔を例証する、図16のカッタの概略端面図である。
図17】[0039]カッタを含む、図13のカテーテルの内側部分の斜視図である。
図18】[0040]カッタを受容するためのケーシングの斜視図である。
図19】[0041]図13のカテーテルの斜視図である。
図20】[0042]図13のカテーテルの切断端面図である。
図21】[0043]展開中に柔軟であるときのブレードの曲げを例証する図である。
図22】[0043]退縮中に柔軟であるときのブレードの曲げを例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0044]図面は、必ずしも比例して又はスケール通り描かれてはいない。例えば、幾つかの要素の寸法は、明確さのために他の要素に対して誇張されることがあり、或いは、幾つかの物理的な構成要素は、1つの機能ブロック又は要素に含まれることがある。更に、時には、参照番号は、対応する又は類似の要素を示すために、図面間で繰り返されることが
ある。
【0023】
[0045]以下の詳細な説明では、多数の特定の詳細は、開示された概念の完全な理解を提供するために記載される。当業者は、開示された発明がこれらの特定の詳細なしで実施されることがあることを知るであろう。他の例では、よく知られた方法、手順、構成要素、又は、構造は、開示された発明を不明瞭にしないように、詳細に説明されていないことがある。
【0024】
[0046]下で提供される図面に関する説明は、別途注記がない限り、全ての実施形態に妥当し、各実施形態に共通する特徴は、同様に示されて番号付けされる。
[0047]最初に図1図4を参照すると、本開示に係るスライス/スコアリングカテーテル10の第1の実施形態は、例証される。カテーテルは、近位端部12a及び遠位端部12bを有する細長い本体、即ち、シャフト12を含み、それは先端14を含むことがある。シャフト12は細長いが、説明を容易にするためにコンパクトに図示されており、通常、(例えば、100~200センチメートル、又は、そうでなければ、近位端部12aが血管構造の外部でアクセス可能なままである間に遠位端部12bが血管構造の目的の処置エリアに到達することを可能にするのに適した)かなりの長さを有するであろう。
【0025】
[0048]シャフト端部12a、12b間に、カッタ16は、展開時にスコアリング/スライス機能を選択的に提供するために設けられるが、退縮時や引き抜かれる場合に、そういった機能を提供しない。例証された例では、カッタ16は、横スリット18a、18bなどの一対の細長い側面開口を含むケーシング18を含む。ブレード本体20などのカッタ16の切刃部は、両側で病変をスコアリングやスライスするため、或いは、そうでなければ、所望の治療を生きている動物に提供するためなど、展開時(図1の部分的に展開した構成を参照)にこれらのスリット18a、18bを通って突出する。結果として、ブレード本体20は、細長いか又は長円の形状を有してプロファイルが薄いことがあり、周辺の刃先即ちブレード20a、20bは、材料を同時にスライス又はスコアリングするために、その対向する表面(上部及び下部縁など、しかるに、縁は、例証されたように、ブレード本体20のほぼ全周に連続することもある)に沿って設けられる。ブレード本体20の両側の前方端部及び後方端部は、作動されて後で退縮位置に戻されたときに、スリット18a、18bを途切れなく通過するのを容易にするために丸くされることもある。
【0026】
[0049]この例では、ブレード本体20は、そのブレード20a、20bが作動時にスリット18a、18bを通って突出するように、旋回運動のためにケーシング18に実装される。旋回可能な実装は、ブレード本体20に、ブレード本体と共に一体に形成されることのある横心棒22を設けることによって達成されることがある。心棒22の端部は、ケーシング18の半径方向に延びるアパーチャ18c内に回転可能に保持されることがある。
【0027】
[0050]カテーテル10は、ブレード本体20の選択的な作動を引き起こすための作動器24を更に含む。例証された実施形態では、作動器24は、「プッシュプル」ワイヤを含み、それは2つの各々の独立した移動可能なワイヤセグメント26、28を含み、それらは下で言及されるように接続されることがある。具体的には、各ワイヤセグメント26、26は、シャフト12の管腔12c、12d内に位置し、従って、ワイヤセグメント26、28の近位端部部分26a、28aは、血管構造の外部のカテーテル10の近位端部12aで臨床医によってアクセス可能である。ワイヤセグメント26、28の遠位端部26b、28bは、ブレード本体20に接続される。この接続は、心棒22の外面から反対方向に突出する対向するクロスピン22a、22bを受容するための、ワイヤ26、28内の横通路又はスロット26c、28cの形式のレシーバによって確立されることがある。これらのピン22a、22bは、図4Dに最もよく示されたように、ワイヤセグメント26、28のホーム位置で、或る角度(例えば、45度)に配向されることがある。
【0028】
[0051]使用中、カテーテル10は、シャフト12の案内ワイヤ管腔12eに受容されてカッタ16及び先端14を通って延びる案内ワイヤ50(図1参照)を介して血管構造に導入されることがある。図4及び図4Dから理解され得るように、カッタ16のブレード本体20は、非展開位置でケーシング18内部に完全に退縮される。これは、血管構造を通して、特に、膝下(しかるに、勿論、膝上の使用など他の用途も同じく意図される)の小さな血管に沿って、追跡(トラッキング)するための所望のロープロファイル(例えば、4~5フレンチ直径)を備えたカテーテル10を提供する。
【0029】
[0052]病変や閉塞(例えば、血塊など)の近くなどで、スコアリング/スライスが望まれるとき、カッタ16は、少なくとも部分的に展開されることがある。これは、図4A及び図4Eに示されたように、作動器24を使用して、血管構造/ボディの外側などの処置エリアから遠隔で行われることがある。具体的には、ワイヤ28の近位端部28aを引き寄せること、及び/又は、ワイヤ26の近位端部26aを押すことにより、遠位端部26b、28bをその動作に対応する分だけ動かす(図4E参照)。これは、ブレード本体20(及び、特に、そのブレード20a、20b)が、スライスやスコアリングのために、スリット18a、18bを介して、ケーシング18(ブレード本体20’参照)から少なくとも部分的に下降するのを引き起こす(標的材料に縦のスライス又はスコアを作成するために、案内ワイヤに沿ってカテーテル10を前後に動かすことを含むことがある)。動きは、次のようなものであって、ブレード本体20の端部は、正反対の方向(例えば、図では上下であるが、勿論、これは、血管構造内の任意の反対方向である場合がある)に延びる。
【0030】
[0053]図4A図4E図4B図4F、及び、図4C図4Gを比較することによって理解され得るように、ブレード本体20は、心棒22の横軸線のまわりを回転するなど、様々な旋回位置の間で選択的に作動されることがある。図4A及び図4Eでは、ブレード本体20’の中間展開位置は、次のようなものであって、カッタ16は、カテーテル10を拡大する第1の直径D1(例えば、2mm)有し、ブレード本体20の伸長軸線X(即ち、縦軸線)は、カテーテル10の伸長軸線Yに対して小さな鋭角(例えば、10~20度)にある。
【0031】
[0054]ワイヤ28の近位端部28aを引っ張ることによるなどの継続的な作動は、ブレード本体20”の更なる前進を引き起こす。これは、直径D1よりも大きい直径D2(例えば、3mm)を作成し、図4B及び図4Fに示されたように、軸線X、軸線Yの相対角度は、約45度になる。留意されたいのは、図4Eではクロスピン22a、22bが鉛直である(又はワイヤ26、28の縦軸線に直交する)ということである。
【0032】
[0055]更なる作動は、更に大きな直径D3(例えば、4mm)へのブレード本体20’’’の動きを引き起こし、それはワイヤ26、28が押される/引かれることのある最大の程度を反映することがある。配向は、次のようなものであることがあって、ブレード本体20の伸長軸線Xは、図4C及び図4Gに示されたように、カテーテル10の伸長軸線Yに本質的に垂直である。ピン22a、22bは、図4Dと比較して、ここでは完全に再配向され、ピン22aは、前方に突出し、ピン22bは、後方に突出し、しかしながら、スロット26c、28cを介してワイヤ26、28に接続されたままである。
【0033】
[0056]理解され得ることは、ブレード本体20の完全に展開した構成と完全に退縮した構成との間の任意の中間位置での作動が、示されたもの以外の他の位置へのワイヤ26、28の単純な操作を介しても達成できる、ということである。その上、そういった作動は、制限なしに、能動的な様式で異なった深さのスコアリング/カッティングを作成するか又は他の可能な結果を達成する目的で、カテーテル10の前進や退縮中に、能動的に制御することができる。
【0034】
[0057]理解され得るように、ワイヤ28の引っ張りは、上で説明されて例証された様式でのブレード本体20の作動を引き起こす。その結果、図示されたように、ブレード本体20の遠位端部は、スリット18aの後端部から突出又は下降し、同時に、ブレード本体20の前方端部は、スリット18bの前方端部から下降して部分的に突出する。しかしながら、容易に理解され得ることは、ワイヤ26を引っ張っている間にワイヤ28を押すことが、反対の位置決めが生じるのを引き起こす、ということである。理解され得るように、カテーテル10を縦軸線Yのまわりに具体的に回転させることは、ブレード本体20の前方/後方位置も変化させ、円周方向のスコアリング効果も作出できる。
【0035】
[0058]ここで図5図12を参照すると、スコアリング/スライスカテーテル100の第2の実施形態は、図示されて説明される。カテーテル100は、近位端部112a及び遠位端部112bを有する管状本体、即ち、シャフト112を含む。遠位端部112bは、先端114及び隣接するカッタ116を含み、カッタ116は、図7及び図8に示されたように、1つ又は複数の選択的に作動可能なブレード(2つのブレード120a、120bが示される)を含み、その各々は、支持ブレード本体120を有する。ブレード120a、120bは、退縮時には、ケーシング118内に完全に位置し、作動時には、スリット118a、118bなどの側面又は横の開口から、例えば、第1及び第2の正反対の方向に突出する(それは望ましいが、任意選択と考えられ、その理由は、スリット/ブレードの方向が、直交するか、又は、そうでなければ、真っ直ぐ180度反対ではない場合があるからである)。
【0036】
[0059]第1の実施形態と同様に、ブレード120a、120bの作動は、遠隔作動器124を使用して達成されることがある。単純な形態では、この作動器124は、再び「プッシュプル」ワイヤ126の形態をとる(以下の説明で更に概説されるように、異なったタイプの機械的接続を使用しているが、別の構造を押し引きするという意味において)。カテーテル100の近位端部112aで、ワイヤ126は、ハンドル132に関連するレバー130に接続されることがある。レバー130は、親指又は指の動作などによって、円周方向C(図9及び図11参照)で前後に動くために実装されることがある。
【0037】
[0060]図6図6A及び図7図7Aを比較することによって理解され得るように、レバー130のこの相対的な動きは、これらの構造間の連結の結果として、ワイヤ126の回転を引き起こす。これは、今度は、シャフト112内のねじ134が内ねじ付きプッシャ136に対して回転するのを引き起こす(レバー130の比較的小さい(1/4回転)動きにもかかわらず、おそらく縦方向にかなりの量だけ含み、複数の(クワッド)リードねじを使用して達成されことがあり、従って、ワイヤ126の僅かな回転は、プッシャ136の増幅された回転運動を引き起こす)。代替的に、ハンドル132に関連する回転式ノブ(図示せず)は、使用されることがあり、ワイヤ126を複数回転させ、それによって、ねじ134を回転させる。ハンドル132に関連するスライドは、回転運動の代わりに、使用される場合もある。いずれにしても、血管構造の外部の作動器124によって引き起こされるこの動きは、カッタ116内のプッシャ136を縦方向に前進させて、ブレード120a、120bの半径方向の前進を引き起こし、プッシャ136を引き戻すとブレード120a、120bの退縮を可能にする。
【0038】
[0061]図6A及び図7Aにもおそらく最良に見られるように、プッシャ136は、ねじ134を受容するためのハウジング136aと、前進中にブレード120a、120bのテーパ付き近位内側部分と係合するためのテーパ付き遠位端部又はウェッジ136bと、を含む。ばね138は、ブレード120a、120bを退縮位置又は閉位置に向けて付勢
するために設けられることがあり、付勢力は、退縮時にブレードを保持するのに十分であるが、プッシャ136の前進によって負かされる。プッシャ136がブレード120a、120b間に位置するような位置への前進は、付勢力に打ち勝つだけでなく、退縮も防止し(図7の左側の図を参照)、ウェッジ136bは、斯くして、ブレードを作動状態に保持するための保持器として役立ち、所望のスライス又はスコアリング機能を確実にすることは、不慮の崩壊を気遣うことなく、確実に達成され得る。上で示されたように、単一のブレードは、設けられることがあり、3つ以上は、設けられることがあり、各々が単一のスリット118a、118b及びプッシャ136に関連付けられる。
【0039】
[0062]図7C及び図7Dは、ブレード保持のための代替の配置を例証する。図6の態様では、2つのばね138a、138bは、ブレード120a、120bを接続して付勢するために設けられる。ばね138a、138bは、概ねU形状であり、対向することがある。同時に、ばね138a、138bは、プッシャ(ウェッジ136b)の直線的な前進によって負かされ得るばね力を提供する。
【0040】
[0063]図7Dの態様では、単一のばね138cは、設けられて、ブレード長さの中点又はその近くにあることがある。遠位では、ヒンジ140は、ブレード120a、120bと接続する。斯くして、プッシャ(ウェッジ136b)を介するなどの作動は、ブレード120a、120bの近位端部が展開(作用を示す矢印Dと部分的に展開されたブレード120a’に注目)するのを引き起こすが、遠位部分はそうでない。理解され得るように、これは、血管構造に精密なスライス又はスコアを作成するのに特に有用であり得る隆起点Pを作成する(作動器124の制御は深さを精密に制御するのを可能にする)。
【0041】
[0064]使用中、この第2の実施形態のカテーテル100は、案内ワイヤ(図5図12に示されないが、例えば、図1の案内ワイヤ50を参照)に沿って前進することがある。これは、ワイヤ126と平行に、ハンドル132の近位端部から先端114(管腔112eに注目)を介してケーシング118の遠位端部まで、シャフト112を通って延びるカテーテル100内の管腔112eを介して行われることがある。完全に退縮した位置と完全に作動した位置との間での、又は、それらの間の任意の位置でのブレード120a、120bの選択的な前進は、作動器124(レバー130を含む)を使用して達成されることがある。ブレード120a、120bの戻りは、レバー130を初期位置又はホーム位置に戻すことによってなど、作動器124を使用して、容易に達成され、ばね138が補助を提供する。
【0042】
[0065]スコアリング/スライスカテーテル200の第3の実施形態は、図13図20に示される。この実施形態では、カテーテル200は、細長い本体又はシャフト212を含み、それは近位端部212a及び遠位端部を有する。遠位端212bに隣接するのは、カッタ216であり、病変をスコアリング又はスライスするために半径方向に選択的に作動される。
【0043】
[0066]例証された実施形態では、図15図16、及び図16Aを参照すると、カッタ216は、1つ又は複数のブレード220を含み、それは概ねC形状であり、ハブ240を含む作動器224に旋回可能に実装されることがある。具体的には、図15を参照すると、理解できることは、3つのブレード本体220が、この例では存在し、その各々が、その半径方向に離れた部分に沿ってブレード220aを含む、ということである。縦方向に延びる支持体220bは、各ブレード220の半径方向内側部分に沿って設けられる。支持体220bは、ジャーナル240aなどのハブ240に回転可能に実装される。リミッタ又はストッパ220cは、1つの方向に各ブレード220の旋回運動を制限するために、含められることもある。
【0044】
[0067]図16及び図16Aで理解され得るように、ブレード本体220は、組立時に、半径方向に配向されて円周方向に隔置される。間隔は、次のようなものであって、ブレード本体220は、120度の角度aで隔置される。斯くして、3つのブレード本体220が存在する場合、例証されたように、ブレード220aは、作動時に等距離に離隔され、斯くして、「トリラテラル(三箇所の)」スコアリング又はスライス機能を提供することがある。
【0045】
[0068]カッタ216は、図18に示されたように、ケーシング218を更に含み、それはシャフト212の一部を形成するために結合(溶接)又は別な方法で取り付けられることがある。ケーシング218は、側面又は横の開口若しくはスリット218a、218b、218cを含み、その各々は、ケーシング内に位置するハブ240のブレード本体220のうちの1つに対応する。ハブ240は、それはそれで、管状シャフト244に連結され、それはシャフト212の近位端部212aから回転可能であり、斯くして、ブレード本体220のための作動器の一部を形成する。先端214は、図19に示されたように、ケーシング218の遠位端部に結合されることがあり、案内ワイヤ管腔212eは、案内ワイヤ250を受容するために、先端214、ハブ240、及びシャフト244を通して設けられることがある。
【0046】
[0069]ケーシング218内から切断位置へのブレード本体220の展開は、シャフト244を回転させることによって作動器を作動させることを伴う。これは、次には、ハブ240をシャフト212に対して回転させ(図20参照)、ブレード本体220がそれぞれのスリット218a、218b、218cを通って突出するのを引き起こす(図13及び図14を比較)。作動器が静止状態に保持されると、リミット又はストッパ220cは、それぞれのブレード220を直立した作動位置に保持し、過回転を防止する。ブレード本体220は、半径方向に同じ又は異なった高さを有することがあり(それはブレード本体20、120についても行われることがあり)、それは、作られるカット又はスライスの深さが、カテーテルの選択的作動又は位置決めを介して、制御されるのを可能にすることがある。
【0047】
[0070]スコアリング又はスライスは、次いで所望の様式で進められることがあり、完了すると、シャフト244の逆回転によって作動器を逆転させることは、ブレード本体220が開口/スリット218a、218b、218cを通って収縮するのを引き起こし、カテーテル200は、そのとき通常のロープロファイル構成を有する。収容/押し込み/折り畳み位置へブレード本体220を戻すことを容易にするために、使用される材料は、幾らかの固有の柔軟性(可撓性)を有することがあり、斯くして、ケーシング218の中に引き込まれるときに、本体が曲がる又は屈曲し、僅かに湾曲した構成になることを可能にする。依然として、この柔軟性は、展開時にスコアリング又はスライス能力を損なうことがなく、特にその理由は、各ブレード本体220が、組立時に、スリット218a、218b、218cが形成されるケーシング216の部分によっていずれかの側で囲まれるからである。図16に示されたように、支持部240bは、折り畳み時、斯くして、ハブ240に概ね接する配向時に、ブレード本体220の対応する表面と係合するために、ハブ240に設けられることもある。
【0048】
[0071]ブレード本体220の柔軟なときの折り畳みの性質は、図21図22の概略図を参照して更に例証される。図21は、或る位置のハブ40を例証しており、そこでは、ブレード先端又はエッジ220aは、ケーシング218から突出し、斯くして、部分的に作動される(完全に延びた(縦軸線に垂直な)位置から半径方向内方に引かれたかもしれない)。ハブ240を引き続き回転させると、図22に示されたように、ブレード本体220の横面がスリット218aに隣接するケーシング218と係合するのを引き起こし、柔軟性に鑑みると、湾曲した又は曲がった構成になる。支持部240bの機能は、ブレード本体220の横側に係合する立場から理解される場合があり、それは先端220aに隣接するジャーナル240aの表面に係合することもある。回転は、制限されることがあり、従って、先端220aは、ケーシング218の中に完全には引き込まれず、斯くして、遠隔作動器224を使用してハブ218の回転時に容易に延びることができる。ボディの外側から認識できるマーカ(例えば、放射線不透過性マーカ)は、カテーテル10、100、200(使用時にはブレード本体20、120、220を含む)の任意の部品又は部分の位置又は配向を臨床医が容易に評価するのを可能にするために提供されることもある。
【0049】
[0072]本開示は、血管形成術の前、後、又はその代わりに行われることのある、開示されたカテーテル10、100、200を使用する処置の方法に関係すると考えられることもある。方法は、選択されたカテーテル10、100、200を案内ワイヤ50、250に沿って目的のエリア又は処置エリアまで前進させることを伴うことがある。いったん位置決めされると、カッタ16、116、216は、展開されることがあり、 ブレード本
体20、120、220及び関連するブレード20a、20b;120a、120b;220aは、(ブレード本体20、120、220を延長又は退縮することによる異なった深さで、或いは、ブレード本体が異なった高さを作動時に有する場合に)複数回通過させることになどにより閉塞(例えば、病変)のスライス、スコアリング、又はカッティングのために使用される。その工程は、カッタ16、116、126を処置エリアを過ぎて順行性に前進させることを伴うことがあり、ブレード本体20、120、220を展開させ、次いで、カテーテル10、100、200を案内ワイヤ50、150に沿って引いて逆行させ、スコアリング又はスライスを引き起こす。所望のスコアリング又はスライスが完了すると、ブレード本体20、120、220は、退縮されることがあり、上のステップは、繰り返される(即ち、カテーテル10、100、200は、病変又は処置エリアを通過して前進されることがあり、カッタ16、116、216は、展開され、再度病変を通して引かれる)。いったんスライス又はスコアリングが特定の処置場所又はエリアで完了すると、カテーテル10、100、200は、処置(別の病変をスコアリング又はスライスするなど)を提供するために別の場所に移動するか又は血管構造から抜去することがある。
【0050】
[0073]要約すると、スコアリング/スライスカテーテル10、100、200の多数の実施形態は、提供される。各実施形態は、単純な遠隔作動器24、124、224を用いて、シャフト12、112、212の関連する部分内の退縮位置からスコアリングするために、カッタ16、116、216の作動を引き起こし、斯くして、カテーテル10、100、200が、血管構造を通って追跡する目的で、望ましいロープロファイルを有するのを可能にする。カッタ16、116、216、或いは、特に、1つ又は複数のブレード20a、120a、220aは、(標的処置エリアを通過して前進した後などに)所望のスコアリング又はスライスを実行するために、カテーテル10、100、200の半径方向の広がりを所望の程度まで増加させるために選択的に作動することがあり、その後にプロセスを繰り返すためまたは抜去するために引き戻される。全てのケースでは、ブレード本体20、120、220の延長は、固定直径のままである複数のブレードを支持するためのカテーテル本体又はシャフト12、112、212の直径を変更せずに完了される(表面カッティング要素を有する膨張式バルーンの場合と異なる)。
【0051】
[0074]前述の実施形態のいずれかでは、使用されるカッティングブレード20、120、220は、精密なカットを提供するために、様々な形状(平坦、凸状、チゼル、シングルベベル、ダブルベベル等々)の薄い鋭い刃を具備することがある。ブレードエッジは、特定の用途に応じて、鋸歯状(シングル又はダブル)、スカラップ、面取り、波状、又は、他の形状や形態をとることもある。
【0052】
[0075]本開示は、以下の項目に関連すると考えられることがある。
1.病変を能動的にスコアリング又はスライスするためのカテーテルであって、
第1及び第2の横開口を有するカテーテル本体と、
カテーテル本体に連結されたカッタと、を含み、カッタは、
カッタがスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、
第1の横開口から突出する第1のブレードと第2の横開口から突出する第2のブレードとを使用して、病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有する。
【0053】
2.項目1のカテーテルであって、退縮構成から展開構成に動かすために、カッタを作動させるための作動器を更に含む。
3.項目1又は2のカテーテルであって、作動器は、カテーテル本体の近位端部に延びるワイヤを含む。
【0054】
4.項目1~3のいずれかのカテーテルであって、ワイヤは、カッタに連結されたプッシュプルワイヤを含み、プッシュプルワイヤは、カテーテル本体の第1の管腔内の第1のセグメントと、カテーテル本体の第2の管腔内の第2のセグメントと、を有する。
【0055】
5.項目1~4のいずれかのカテーテルであって、ワイヤは、カテーテル本体の近位端部でレバーに連結され、レバーは、ワイヤを回転させるために円周方向に前後に旋回するように適合される。
【0056】
6.項目1~5のいずれかのカテーテルであって、ワイヤは、退縮構成から展開構成にカッタが動くのを引き起こすためのプッシャに連結される。
7.項目1~6のいずれかのカテーテルであって、プッシャは、カッタの展開構成を形成するために第1及び第2のブレードを前進させるためのウェッジを含む。
【0057】
8.項目1~7のいずれかのカテーテルであって、ワイヤは、ねじによってプッシャに連結される。
9.項目1~8のいずれかのカテーテルであって、カッタは、カテーテル本体に回転可能に連結されて作動器と関連付けられたハブを含み、第1及び第2のブレードは、退縮構成から展開構成にカッタを動かす際に、旋回するためにハブに実装される。
【0058】
10.項目1~9のいずれかのカテーテルであって、カッタは、ハブに旋回可能に実装された第3のブレードを更に含む。
11.項目1~10のいずれかのカテーテルであって、カッタは、第3のブレード及び第3の横開口を更に含み、第1、第2、及び第3のブレードは、円周方向に約120度、離隔される。
【0059】
12.項目1~11のいずれかのカテーテルであって、カテーテル本体内に案内ワイヤ管腔を更に含む。
13.項目1~12のいずれかのカテーテルであって、第1及び第2の横開口は、カテーテル本体を形成するためにシャフトに連結された外側ケーシングに形成された細長いスリットを含む。
【0060】
14.病変を能動的にスコアリング又はスライスするためのカテーテルであって、
カテーテル本体と、
カテーテル本体内に旋回可能に実装されたカッタ本体と、を含み、上記カッタ本体は、カッタ本体がスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、カテーテル本体から反対の方向にカッタ本体を外方に突出させることによって、病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有する。
【0061】
15.項目14のカテーテルであって、カッタ本体に連結されたプッシュプルワイヤを更に含み、プッシュプルワイヤは、カテーテル本体の第1の管腔内の第1のセグメントと、カテーテル本体の第2の管腔内の第2のセグメントと、を有する。
【0062】
16.病変を能動的にスライス又はスコアリングするためのカテーテルであって、
カテーテル本体と、
カテーテル本体に連結されたカッタであって、上記カッタは、カッタがスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有し、カッタの第1のブレードは、第1の方向に突出し、カッタの第2のブレードは、第2の方向に突出する、カッタと、
カッタを作動させるためのカテーテル本体内のプッシャと、を含む。
【0063】
17.項目16のカテーテルであって、プッシャは、カテーテル本体の近位端部でアクセス可能なワイヤに連結されたねじと関連付けられたウェッジを含む。
18.病変を能動的にスライス又はスコアリングするためのカテーテルであって、
第1、第2、及び第3の横開口を含むカテーテル本体と、
カテーテル本体に連結されたカッタと、を含み、上記カッタは、カッタがスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、第1の横開口から突出する第1のブレードと第2の横開口から突出する第2のブレードと第3の横開口から突出する第3のブレードとを使用して、病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有する。
【0064】
19.項目18のカテーテルであって、カッタは、カテーテル本体に回転可能に連結されたハブを含み、ブレードは、退縮構成から展開構成にカッタを動かす際に、旋回するためにハブに実装される。
【0065】
20.項目18又は項目19のカテーテルであって、カッタが退縮構成に戻すときに、第1、第2、及び第3のブレードは、それぞれの横開口を通した引き戻しの際に屈曲できるように横に柔軟である。
【0066】
21.項目18、19、又は20のカテーテルであって、第1、第2、及び第3のブレードは、円周方向に約120度、離隔される。
22.病変を能動的にスライス又はスコアリングするためのカテーテルであって、
第1、第2、及び第3の横開口を含むカテーテル本体と、
カテーテル本体に回転可能に連結されたハブを含むカッタと、を含み、ハブは、ハブがカテーテル本体に対して回転されるときに、退縮構成から展開構成に動くために実装された少なくとも1つのブレードを含む。
【0067】
23.項目22のカテーテルであって、カッタは、ハブを少なくとも部分的に被覆するためのケーシングを含み、ケーシングは、展開構成で少なくとも1つのブレードを受容するための少なくとも1つの横スリットを含む。
【0068】
24.項目22又は項目23のカテーテルであって、ケーシングは、複数の横スリットを含み、ハブは、複数のブレードを含み、各々が展開構成で横スリットのうちの1つから突出するためである。
【0069】
25.項目22~24のいずれかのカテーテルであって、少なくとも1つのブレードは、ハブが回転されるときに、少なくとも1つの横スリットを通過するために、曲がるために少なくとも部分的に柔軟である。
【0070】
26.病変を能動的にスコアリング又はスライスするためのカテーテルであって、
病変をスコアリング又はスライスするために少なくとも2つの方向に展開可能な退縮式カッタを含むカテーテル本体を含む。
【0071】
27.項目26のカテーテルであって、少なくとも2つの方向は、反対の方向である。
28.項目26又は項目27のカテーテルであって、退縮式カッタは、少なくとも2つの方向に突出するために単一のブレードを含む。
【0072】
29.項目26~28のいずれかのカテーテルであって、退縮式カッタは、2つのブレードを含み、各々が少なくとも2つの方向のうちの1つの方向に突出する。
30.項目26~29のいずれかのカテーテルであって、退縮式カッタは、少なくとも3つの方向に展開可能である。
【0073】
31.項目26~30のいずれかのカテーテルであって、退縮式カッタは、3つのブレードを含み、各々が少なくとも3つの方向のうちの1つの方向に突出する。
32.血管構造内の病変を能動的にスコアリング又はスライスする方法であって、
複数のブレードをカテーテル本体内部から展開構成に延長するステップと、
展開構成で複数のブレードを使用して、病変をスライス又はスコアリングするステップと、を含む。
【0074】
33.項目32の方法であって、複数のブレードが延長ステップの前に病変を通過して退縮構成にある、カテーテル本体を縦方向に前進させるステップを更に含み、スコアリングステップは、展開構成のブレードと共に病変を通してカテーテル本体を引き寄せることを含む。
【0075】
34.項目32又は項目33の方法であって、展開ステップは、遠隔作動器を使用して、カテーテル本体内で複数のブレードを含む単一の本体を回転させることを含む。
35.項目32~34のいずれかの方法であって、展開ステップは、遠隔作動器を使用して、カテーテル本体内でブレードを係合させるためにプッシャを前進させることを含む。
【0076】
36.項目32~35のいずれかの方法であって、展開ステップは、遠隔作動器を使用して、カテーテル本体内でハブを回転させることを含む。
37.項目32~36のいずれかの方法であって、延長ステップは、
スコアリングステップの前に第1の量で複数のブレードを延長することと、
第2の量で複数のブレードを延長することと、
スコアリングステップを繰り返すことと、を含む。
【0077】
38.項目32~37のいずれかの方法であって、延長ステップは、複数のブレードの各々をカテーテル本体から異なった量で延長することを含む。
39.項目32~38のいずれかの方法であって、延長ステップは、複数のブレードを支持するためのカテーテル本体の直径を変更することなく完了される。
【0078】
40.項目32~39のいずれかの方法であって、カテーテル本体の中への退縮中に複数のブレードが横に曲がるのを引き起こすステップを更に含む。
41.項目32~40のいずれかの方法であって、延長ステップ及びスコアリングステップは、病変の血管形成術後に完了される。
【0079】
[0076]単数の文法形式で書かれた次の用語「a」、「an」、及び「the」の各々は、本明細書で使用するとき、「少なくとも1つ」、或いは、「1つ又は複数」を意味する。本明細書の成句「1つ又は複数」の使用は、この意図した「a」、「an」、又は「the」の意味を変更しない。従って、用語「a」、「an」、及び「the」は、本明細書で使用するとき、本明細書で別途具体的に定義又は記述されるか又は文脈上別に規定することが明らかな場合を除いて、複数の記述されたエンティティ又はオブジェクトを参照して包含することもある。例えば、成句「ユニット」、「デバイス」、「組立体」、「機構」、「構成要素」、「要素」、及び、「ステップ又は手順」は、本明細書で使用するとき、それぞれ、複数のユニット、複数のデバイス、複数の組立体、複数の機構、複数の構成要素、複数の要素、及び、複数のステップ又は手順を参照して包含することもある。
【0080】
[0077]次の用語「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、「含む」、及び、「含んでいる」、並びに、それらの言語的/文法的変形、派生語、又は/及び、共役語の各々は、本明細書で使用するとき、「含むが、それらに限定されない」を意味し、記述された構成要素、機能、特性、パラメータ、整数、又は、ステップを特定していると解釈されるべきであり、また、1つ又は複数の追加の構成要素、機能、特性、パラメータ、整数、ステップ、又は、それらの集まりの付加を除外しない。これらの用語の各々は、意味において、成句「から本質的に成っている」と同等であると考えられる。成句「から成っている」及び「から成る」の各々は、本明細書で使用するとき、「を含み且つそれに限定される」を意味する。成句「から本質的に成っている」が意味することは、記述されたエンティティ又はアイテム(システム、システムユニット、システムサブユニットデバイス、組立体、サブ組立体、機構、構造、構成要素若しくは要素、又は、周辺機器ユーティリティ、アクセサリ、或いは、材料、方法又はプロセス、ステップ又は手順、サブステップ又はサブ手順)が、開示された発明の例示的な実施形態の全体又は一部である、又は/及び、開示された発明の例示的な実施形態を実装するために使用されるが、少なくとも1つの追加の機能又は特性(システムユニットシステムサブユニットデバイス、組立体、サブ組立体、機構、構造、構成要素若しくは要素、又は、周辺機器ユーティリティ、アクセサリ、或いは、材料、ステップ又は手順、サブステップ又はサブ手順である)を含むことがあり、しかるに、各そういった追加の特徴又は特性が、権利請求されたアイテムの基本的な新規で進歩的な特性又は特別な技術的特徴を実質的に変更しない場合に限る、ということである。
【0081】
[0078]用語「方法」は、本明細書で使用するとき、開示された発明の関連分野の実務家によって、公知のステップ、手順、様式、手段、又は/及び、技術で知られているか又はそれらから容易に展開される、これらのステップ、手順、様式、手段、又は/及び、技術を、それらに限定されずに含む所与のタスクを達成するためのステップ、手順、様式、手段、又は/及び、技術を指す。
【0082】
[0079]用語、約、実質上、略等々などの近似についての用語は、本明細書で使用するとき、記述された数値の±10%を指す。
[0080]完全に理解されるべきことは、本発明の或る態様、特性、及び特徴が、明確にするために、複数の別個の実施形態の文脈又は形式で例証的に説明されて提示されているが、単一の実施形態の文脈又は形式において任意の適切な組合せ又はサブ組合せで例証的に説明されて提示されることもある、ということである。逆に、本発明の様々な態様、特性、及び特徴は、単一の実施形態の文脈又は形式において組合せやサブ組合せで例証的に説明されて提示されているが、複数の別個の実施形態の文脈又は形式で例証的に説明されて提示されることもある。
【0083】
[0081]本発明は、特定の例示的な実施形態及びその例として、例証的に説明されて提示されてきたが、明白であることは、その多くの代替例、修正例、又は/及び、変形例が当業者には明らかであろう、ということである。従って、意図することは、全てのそういった代替例、修正例、又は/及び、変形例が添付の特許請求の範囲の広範囲の精神の範囲内
にあってそれらによって包含される、ということである。
図1
図2
図3
図4
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図5
図6
図7
図7A
図7C
図7D
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図16A
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2022-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病変を能動的にスコアリング又はスライスするためのカテーテルであって、
第1及び第2の横開口と案内ワイヤ管腔とを有するカテーテル本体と、
前記カテーテル本体に連結されたカッタと、を含み、
前記カッタは、
前記カッタがスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、
前記第1の横開口から突出する第1のブレードと前記第2の横開口から突出する第2のブレードとを使用して、前記病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有し、
前記ワイヤは、前記カテーテル本体の近位端部でレバーに連結され、
前記レバーは、前記ワイヤを回転させるために円周方向に前後に旋回するように適合される、カテーテル。
【請求項2】
請求項1に記載のカテーテルであって、
前記ワイヤは、前記退縮構成から前記展開構成に前記カッタが動くのを引き起こすためのプッシャに連結される、カテーテル。
【請求項3】
請求項2に記載のカテーテルであって、
前記プッシャは、前記カッタの前記展開構成を形成するために前記第1及び第2のブレードを前進させるためのウェッジを含む、カテーテル。
【請求項4】
請求項2に記載のカテーテルであって、
前記ワイヤは、ねじによって前記プッシャに連結される、カテーテル。
【請求項5】
病変を能動的にスコアリング又はスライスするためのカテーテルであって、
第1及び第2の横開口と案内ワイヤ管腔とを有するカテーテル本体と、
前記カテーテル本体に連結されたカッタと、を含み、
前記カッタは、
前記カッタがスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、
前記第1の横開口から突出する第1のブレードと前記第2の横開口から突出する第2のブレードとを使用して、前記病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有し、
前記カッタは、前記カテーテル本体に回転可能に連結されて、退縮構成から前記展開構成に動かすために前記カッタを作動させるための作動器と関連付けられたハブを含み、
前記第1及び第2のブレードは、前記退縮構成から前記展開構成に前記カッタを動かす際に、旋回するために前記ハブに実装される、カテーテル。
【請求項6】
請求項5に記載のカテーテルであって、
前記カッタは、前記ハブに旋回可能に実装された第3のブレードを更に含む、カテーテル。
【請求項7】
請求項5に記載のカテーテルであって、
前記カッタは、第3のブレード及び第3の横開口を更に含み、
前記第1、第2、及び第3のブレードは、円周方向に約120度、離隔される、カテーテル。
【請求項8】
病変を能動的にスコアリング又はスライスするためのカテーテルであって、
案内ワイヤ管腔を含むカテーテル本体と、
前記カテーテル本体内に旋回可能に実装されたブレード本体と、を含み、
前記ブレード本体は、
前記ブレード本体がスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、
前記カテーテル本体から反対の方向に前記ブレード本体を外方に突出させることによって、前記病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有する、カテーテル。
【請求項9】
請求項8に記載のカテーテルであって、
前記カッタ本体に連結されたプッシュプルワイヤを更に含み、
前記プッシュプルワイヤは、前記カテーテル本体の第1の管腔内の第1のセグメントと、前記カテーテル本体の第2の管腔内の第2のセグメントと、を有する、カテーテル。
【請求項10】
病変を能動的にスライス又はスコアリングするためのカテーテルであって、
カテーテル本体と、
前記カテーテル本体に連結されたカッタであって、前記カッタは、前記カッタがスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、前記病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有し、前記展開構成では、前記カッタの第1のブレードは、第1の方向に突出し、前記カッタの第2のブレードは、第2の方向に突出する、カッタと、
前記カッタを作動させるための前記カテーテル本体内のプッシャと、を含む、カテーテル。
【請求項11】
請求項10に記載のカテーテルであって、
前記プッシャは、前記カテーテル本体の近位端部でアクセス可能なワイヤに連結されたねじと関連付けられたウェッジを含む、カテーテル。
【請求項12】
病変を能動的にスライス又はスコアリングするためのカテーテルであって、
第1、第2、及び第3の横開口を含むカテーテル本体と、
前記カテーテル本体に連結されたカッタと、を含み、
前記カッタは、
前記カッタがスライス又はスコアリング機能を実行しない退縮構成と、
前記第1の横開口から突出する第1のブレードと前記第2の横開口から突出する第2のブレードと前記第3の横開口から突出する第3のブレードとを使用して、前記病変をスライス又はスコアリングするための展開構成と、を有し、
前記カッタは、前記カテーテル本体に回転可能に連結されたハブを含み、
前記第1、第2及び第3のブレードは、前記退縮構成から前記展開構成に前記カッタを動かす際に、旋回するために前記ハブに実装される、カテーテル。
【請求項13】
請求項12に記載のカテーテルであって、
前記カッタを前記退縮構成に戻すとき、前記第1、第2、及び第3のブレードは、それぞれの横開口を介して引き寄せられる際に屈曲できるように横に柔軟である、カテーテル。
【請求項14】
請求項12に記載のカテーテルであって、
前記第1、第2、及び第3のブレードは、円周方向に約120度、離隔される、カテーテル。
【請求項15】
病変を能動的にスライス又はスコアリングするためのカテーテルであって、
第1、第2、及び第3の横開口を含むカテーテル本体と、
前記カテーテル本体に回転可能に連結されたハブを含むカッタと、を含み、
前記ハブは、前記ハブが前記カテーテル本体に対して回転されるときに、退縮構成から展開構成に動くために実装された少なくとも1つのブレードを含む、カテーテル。
【請求項16】
請求項15に記載のカテーテルであって、
前記カッタは、前記ハブを少なくとも部分的に被覆するためのケーシングを含み、
前記ケーシングは、前記展開構成で前記少なくとも1つのブレードを受容するための少なくとも1つの横スリットを含む、カテーテル。
【請求項17】
請求項16に記載のカテーテルであって、
前記ケーシングは、複数の横スリットを含み、
前記ハブは、複数のブレードを含み、前記複数のブレードの各々が前記展開構成で前記横スリットのうちの1つから突出するためである、カテーテル。
【請求項18】
請求項16に記載のカテーテルであって、
前記ハブが回転されるときに、前記少なくとも1つのブレードは、前記少なくとも1つの横スリットを通過するために屈曲できるように少なくとも部分的に柔軟である、カテーテル。
【請求項19】
病変を能動的にスコアリング又はスライスするためのカテーテルであって、
案内ワイヤ管腔と、前記病変をスコアリング又はスライスするために少なくとも2つの方向に展開可能な退縮式カッタと、を含むカテーテル本体を含み、
前記退縮式カッタは、前記少なくとも2つの反対の方向に突出するために単一のブレードを含む、カテーテル。
【外国語明細書】